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2018年9月25日 (火)

白井聡氏:反知性主義と「ABCD」戦略(『白井聡 ポスト「戦後」の進路を問う:対話集(かもがわ出版)』)=反知性主義、悪性ナショナリズム、ネオリベの三位一体

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(お詫び)

 明日より3日ばかり東京を留守にいたします。(私の契約するプロバイダーの受信サーバが満杯となって)みなさまよりいただくメールが不在中に届かなくなる可能性があります。また、私からみなさまに宛ててタイムリーな返信ができません。どうかご容赦のほど、お願い申し上げます。

 

(最初に若干のことです)

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1.(NEW!)(11.16)「社会保障制度改革と財政問題」(伊藤周平鹿児島大学法文学部教授)(オルタナティブな日本を目指して:第19回新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/19-6a4d.html

 

(その前)(11.6)(福島)原発事故による放射能汚染の実態:隠された汚染とその深刻な現実 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-7da4.html

 

(その前)(10.20)「子どもの甲状腺がんと「県民健康調査」」(白石草さん:Our PlanetTV )(オルタナティブな日本を目指して:第18回新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/our-planettv-18.html

 

(その前)(10.11)「日本のダムと河川行政:この旧態依然をどうする?」(嶋津暉之さん)(オルタナティブな日本を目指して:第17回新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/17-394c.html

 

2.イベント情報

(1)(チラシ)(10.12)(報告集会)強行された「イスラエル軍事見本市」:そのとき川崎で何が起きていたのか

 http://chechennews.org/sharedoc/20181012_isdef_bira.pdf

 

(2)(10.9)東京外環道訴訟 第3回口頭弁論(2018109日(火) 14時 東京地裁103号法廷)を傍聴ください

 http://nongaikan.sblo.jp/article/184440917.html

 http://nongaikan.sblo.jp/

 

(関連)(別添PDFファイル)東京外環道訴訟を支える会ニュース NO. 2018.9.20

「gaikandou_saibann_news_no.3.pdf」をダウンロード

(関連)(別添PDFファイル)佐々木実の経済私考:「財投3兆円投入」の論理とは? 民営化の意義問い返すリニア新幹線(『週刊金曜日 2018.9.21』)

 http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/002650.php

 

(外環道もリニアも、「大深度地下特措法」(下記参照)という、地主の財産権を不当に侵害し、大深度の地下であれば地上の地主を無視して何でも勝手にやっていいという憲法違反の法律に基づいて、強引に進められている「違憲大工事」である。いわばこの2つの裁判は、「大深度地下特措法」の違憲性を問う「違憲訴訟」として「兄弟」のような裁判なのだ。:田中一郎)

 

(参考)大深度地下利用:大深度地下の公共的使用に関する特別措置法の概要(対象地域・認可の主な手続き) - 国土交通省

 http://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/crd_daisei_tk_000012.html

 

3.(別添PDFファイル)参院選124議席全予測:自民2ケタ議席減で単独過半数割れ(『サンデー毎日 2018.10.7』)

 http://mainichibooks.com/sundaymainichi/society/2018/10/07/post-2108.html

 

(3つの予測のうち、真ん中の人の予測では、参議院全議席245のうち、自民党は107だが、これに公明28、維新11、希望1を足し合わせると、全部で「壊憲」絶対支持勢力が147となる(最悪パターンで152)。議席の2/3は164議席なので、そこまで17議席足りないということになる。逆に言えば「裏切り」議員数の許容範囲は約15名程度ということだ。この情勢だと、アベ政権は参議院選挙前に国民投票を仕掛けてくる可能性も大いにあり得るということを意味する。しかし、だ。こんな調子では日本の政治はちっとも変わらない。つまり日本は「政治主導」でどんどん悪くなっていくということ。憲法改悪阻止が出来ればいいってもんじゃないでしょう。「市民と野党の共闘」も市民運動・社会運動も、もっと真剣に政権交代に取り組まないとだめですね。この2019参院選予測は、そういうことを私たちに示唆していると見るべきです。:田中一郎)

 

4.(別添PDFファイル)福島の甲状腺検査県医大以外の手術例把握せず、県外でのがん治療 想定内では(東京 2018.9.24

 https://ameblo.jp/tousekitetsu/entry-12407271672.html

 

(東京新聞の榊原崇仁記者が「戦線復帰」なのかな? そうならば大歓迎です。望月衣塑子さんのように活躍してください:田中一郎)

 

(関連)(10.20)「子どもの甲状腺がんと「県民健康調査」」(白石草さん:Our PlanetTV )(オルタナティブな日本を目指して:第18回新ちょぼゼミ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/our-planettv-18.html

 

(このサイトで私からご紹介しているOur PlanetTV にサイトに、「福島県民健康調査」「福島県民健康調査検討委員会」と福島県立医大のデタラメの事例がいくつか掲載されています。ご覧になってみてください)

 

5.20180923 UPLAN 5回のりこえ祭り!「ニュース女子&DHC許さない!」裁判決起集会 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=nfUpNeY9TDQ

 

6.沖縄県知事選挙関連

(1)(別添PDFファイル)180923 佐喜眞候補、日米地位協定要請せず

「sakima_nitibei_tiikyoutei_kaiteiyousei_sezu.pdf」をダウンロード
(2)沖縄知事選、玉城氏リード 佐喜真氏、激しく追う 朝日新聞社情勢調査:朝日新聞デジタル

 https://www.asahi.com/articles/DA3S13693282.html?ref=nmail_20180924mo

(3)県民を愚弄する日本政府 負ける訳にいかない-「オール沖縄」大集会 故・翁長知事の妻 樹子さんが訴え

 https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-09-23/2018092301_02_1.html

(4)沖縄県知事選:辺野古新基地「絶対造らせない」玉城デニー氏が総決起大会 沖縄タイムス+

 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/318842

(5)玉城デニーうまんちゅ大集会 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=kRb56vS1hDc&feature=youtu.be

(6)社説[沖縄県知事選 ステルス作戦]論戦乏しく ずれる争点 社説 沖縄タイムス+プラス

 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/318825

 

(まあ、いろいろあるけど、こんなのダメなんじゃないの? この候補者、おかしいよね!? 「日本会議」って、日本国憲法なんていらないなどと言ってるチンピラ似非右翼の人たちの集まりみたいなところでしょ。それを隠してんの!? 卑怯だねえ!? :田中一郎)

 

●佐喜真氏はなぜ沖縄県知事選で日本会議との関係を隠すのか|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237838

 

(関連)【怪しい】沖縄知事選候補の佐喜真さんは、どうして「日本会議」という団体に所属していることを隠すの? - 健康になるためのブログ

 http://ur0.link/M9Oj

(関連)沖縄県知事選で“黒歴史”隠し 佐喜真候補にもう一つの疑惑|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/238111

 https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-092569/

 

7.腐る日本の大学と機能しない日本の公益通報者保護制度

 

●(別添PDFファイル)白い巨塔で封じられた公益通報(長谷川学『サンデー毎日 2018.10.7』)

 http://mainichibooks.com/sundaymainichi/backnumber/2018/10/07/

 

(一部抜粋)

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「今年4月以降、私は講義の担当から外されました。大学側はさまざまな口実を作って私を大学から追放したいようですが、決して負けません」。そう語るのは金沢大医学部の小川和宏准教授だ。小川氏は過去に2度、医学部内の不正経理や医療過誤を大学当局や厚生労働省に内部告発。2度とも大学側は記者会見を開いて、事実関係を大筋で認め、関係者の処分も行った。

 

だが〝白い巨塔〞の暗部を暴露した小川氏に対し、上司や大学側は容赦のない報復を繰り返した。小川氏を追い出すため、ありもしない傷害事件を上司がでっち上げたことすらあった。小川氏は自分の身を守るため、大学と上司、大学関係者を次々に提訴して徹底抗戦。提訴した多くの訴訟で勝訴もしくは勝訴的和解を勝ち取ってきたという。小川氏の孤独な闘いは今年で12年になる。

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(腐る日本の大学と機能しない日本の公益通報者保護制度。この大学を閉鎖したらいいのではないか。:田中一郎)

 

(関連)医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

 https://ameblo.jp/iryouziko/

 

(関連)医療汚鮮、また明るみになった・・・ - 復活日本 ~その日まで~

https://blog.goo.ne.jp/resurrectionjapan/e/70963654b161791d1ff79fe3d8a45263

 

8.市民4000人が調べた放射能汚染 ネット寄付で刊行資金集め

 http://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/799

 

9.中国:「覇権主義に断固反対」王毅外相、米制裁けん制 - 毎日新聞

 https://mainichi.jp/articles/20180925/k00/00e/020/168000c?fm=mnm

 

(「覇権主義に断固反対」などとおっしゃいますがね、あなたちだって南シナ海で「覇権活動」をやってんじゃん。何言ってんのよ!? それにさ、この下に紹介するVTRを見てみなよ。人権も言論・表現の自由もあったもんじゃないですよね。監禁拘束された弁護士の奥さんが泣き出しそうになってるのに、かわいそうに。国内でも「覇権主義」丸出して、よく言いますね:田中一郎)

 

(関連)NHKオンデマンド NHKスペシャル 「消えた弁護士たち 中国法治社会の現実」

 https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2018090599SA000/

(関連)NHKスペシャル「中国“法治”社会の現実 弁護士」動画 Dailymotion

 https://www.dailymotion.com/video/x6q25o7

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ベストセラーとなった『永続敗戦論』で著名な白井聡氏(京都精華大学人文学部専任講師)の近著『白井聡 ポスト「戦後」の進路を問う:対話集(かもがわ出版)』が久々に面白い。今日の日本で頑張っている最前線の知識人らとの対談が収録されていますが、中でも私は信田さよ子さんとの対談に出てくる「反知性主義と「ABCD戦略」」に関する記述が非常に興味深いです。下記にはその一部を抜粋し、別添PDFファイルには、その一部を抜き出したものを添付しておきます。

 

白井聡氏は最初にアメリカの反知性主義の由来を、リチャード・ホフスタッターという歴史学者が書いた『アメリカの反知性主義』という本から引用しつつ紹介し、広く貧困な非インテリ大衆に潜在的にある反知性主義を「攻撃的なもの」と説明し、その淵源をアメリカの宗教原理主義である福音主義に求めています。そして、さらに進んで、さて日本ではどうかということで、「母と天皇制=日本の反知性主義の根」と題された節では、「苦しむ母」のイメージが天皇制国家と呼ばれるような国家原理がどこかで繋がっているのではないかと信田さよ子氏に問いかけています。(そのあと2人の興味深い分析が続いていきます:たとえば「転向論」や「連合赤軍事件」との関連など)

 

また、下記に抜粋しておきました通り、反知性主義が、悪性で安物のナショナリズムやネオリベ(市場原理主義アホダラ教)と「三位一体」で結合しやすく、そのことが「1%」による「99%」の支配を可能にしてしまうカラクリについても白井聡氏はうまく説明をしてくれています。昔は「ABCD」といえば、大日本帝国を包囲していた「ABCD包囲網」(アメリカ(A)、イギリス(ブリティッシュのB),中国(チャイナのC),オランダ(ダッチのD))でしたが、今はそうではなくて、小泉純一郎政権時代の選挙戦略に使われた有権者・大衆の社会分析における「層別区分」だったのです。「B層」と言われる愚かなる「烏合の衆」に近い社会層に対するアクセスが検討されたということです。詳しくは本書をご覧ください。一種の「大衆社会論」のようなものです。「市民社会論」の対極に位置するものと言ってもいいでしょう。

 

●ポスト「戦後」の進路を問う 白井聡対話集-白井聡/著 孫崎享〔ほか述〕(かもがわ出版)

 http://ur0.link/M9QO

 

(関連)アメリカの反知性主義-リチャード・ホフスタッター著 田村哲夫訳(みすず書房)

 http://ur0.link/M9R4

 

みなさまには、よろしければ原本を入手の上、この白井聡氏の近著をお読みになってみていただければと思います。また、信田さよ子氏との対談の中では、主流派経済学の体たらくについても言及があり、「ゾンビ経済学」としての主流派経済学とその反知性主義的性格について論じられていましたので、その部分も一部抜粋しておきました。ご参考にしていただければ幸いです。

 

 <別添PDFファイル>

(1)ゾンビ経済学としての主流派経済学と反知性主義(WITH 信田さよ子)(一部抜粋)(『白井聡 ポスト「戦後」の進路を問う:対話集 かもがわ出版』)

「zonbi_economics_sirai_taidan.pdf」をダウンロード
(2)反知性主義的統治と家族幻想(WITH 信田さよ子)(一部抜粋)(『白井聡 ポスト「戦後」の進路を問う:対話集 かもがわ出版』)

「hantiseisyugi_kazokugensou_sirai_taidan.pdf」をダウンロード
(3)母と天皇制-日本の反知性主義の根(WITH 信田さよ子)(イントロ部分)(『白井聡 ポスト「戦後」の進路を問う:対話集 かもがわ出版』)

「hahatotennnousei_sirai_taidan.pdf」をダウンロード
(4)単身・無職が最多、しぼむ4人家族(日経 2018.9.24

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35637780R20C18A9SHA000/

 

(総務省が長年続けている「家計調査」が、家計の実態とかけ離れていることを報じています。総務省も認識はしているけれども改める様子がないということで、益々政府統計のずさんさと実態との相違が目立っていくことになりそうです。私は元来、政府統計もマスコミ調査も信用していませんが、しかし、そういうことが「当たり前」になっては、やはりマズイのです。こんなことまでいちいち市民運動・社会運動で改善を求めなければならないのでしょうか? いっそのこと、政権や霞が関をごそっと入れ替えればいいだけではないかと思います。:田中一郎)

 

(上記(1)より一部抜粋)

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(中略)これらの経済学者は、お馬鹿な「学説」を「確立」することでウォール街の投資銀行あたりを喜ばせて金をもらっていたからだという説明も、かなり説得力のある説明なのですが、それだけでは片が付かないと思うのです。というのは、度外れて不誠実な人間というのはそうそう多くないからです。内心ではこんな話は大ウソだと思いながら賄賂をとるためにインチキを垂れ流すことは、大抵の人間にはできないということです。つまり、これらの学者さんたちは、自分たちの学説をそれなりに心から信じていたんだろうと推測されます。そこに知性の劣化があります。最初は「これは怪しいんじゃないか」と思っていたかもしれませんが、「バブルは決して起こらない」とか馬鹿馬鹿しい命題を書いているうちに、だんだん本当にそうだというふうに思い込んできてしまうのだろうと思います。要するに、現にある資本主義の実質的な成長が行き詰まってバブル漬けでないと生きていけない状況 - いまのアべノミクスもそうですが ー そういう経済のあり方を現状肯定する学問に堕してしまったということだろうと思います。

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(常々、私が激しく軽蔑をしている(現代)経済学者たちの「転落」具合を白井聡氏はうまく表現しています:田中一郎)

 

(上記(2)より一部抜粋)

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(中略)そのホフスタッターによる反知性主義の定義を簡単に紹介しますと、知性がないということではなくてーそれは単なる無知です-、もっと攻撃的なんですね。知的なものとか、知的な人間に対する攻撃的な憎悪が反知性主義であるということです。赤狩りとはまさにその典型です。赤色化するのはインテリ層に多いわけですから、アカが気にくわないという以前にインテリがムカつくというわけです。「なんか小難しい顔をして、小難しいことを言いやがって」と。このような大衆のインテリへの反感が、赤狩りのエートスを支えているのです。そしてこのエートスは、アメリカにおける宗教原理主義(福音主義)から来ているのだとホフスタッターは言います。

 

(中略)そして、その知性における不均等が、現実的な経済力や政治力といった暮らし向きの違いをつくり出していく。そのことと、形式的には平等で同じだけの発言権があるはずだという建前とがぶつかることで、大衆はつねに不満を抱くことになる。「平等のはずなのになぜ自分は低いところに置かれるのか」 と。そして、「偉そうな顔をしているやつは結局のところ机上の空論を弄んでいるだけだ」と、知的に練られた言説や態度に対して攻撃的に振る舞うことになります。

 

ネット環境が整備された現在では、こうした振る舞いが非常に安易にできるようになりました。面と向かって馬鹿なことを言えば批判に遭って凹まされることがありえますが、ネット空間では馬鹿なことを言っている人たちが雲霞のごとく集まってきて、知性によって吟味された事柄を数の力で圧倒するということになる。このような大衆に潜在的に存在する反知性主義 - これは反エリート主義でもありますが -、それを政治はつねにうまく利用し、自らの権力のリソースとしてきました。これが爆発的な事態を引き起し危険なことになった状態、つまり反知性主義的なエートスを政治の側が煽って手がつけられなくなったのが、例えば、マッカーシズムであり、中国の文化大革命であり、カンボジアにおけるボルボト派の支配であると思います。

 

(中略)思うに、反知性主義の興隆は教養主義の没落と並行しています。なぜ教養なんてものを身につけなければならないのか。このような問いはかつては発してはならなかったと思うのですが、いまや「なんでですか? 金にならないじゃないですか」といったことを平気で言える時代になった。

 

(中略)もう一つの文脈は、いわゆるネオリベラリズム化だと思います。ネオリベラリズムの資本主義については、定義をすると話が長くなりますから、その帰結だけを述べたいと思います。要は格差が開いていって1パーセントが99パーセントを支配していくという世の中になるわけですから、そのなかで権力者たちはどのようにして自己の支配を正当化するかが問題になります。民主制という建前が一応あるなかで、どのようにして支配を安定化させればよいのか。

 

1パーセントが99パーセントを支配する世の中で不安定を想像的に解消するためには、ある種の「B層デモクラシー」のようなものが必要となるわけです。現在では適菜収さんが一連の著作で「B層」論を提起していますが、「B層」とはもともとは小泉純一郎元首相がいわゆる「郵政解散」をした際の総選挙で用意された内部文書に登場する言葉です。どうやって選挙に勝てるかという戦略立案を広告代理店に提出させたわけですが、そのレポートのなかにABCDの四つの社会的階層があるという分析があった。グローバリズムについて肯定的であるか/否定的であるかという軸と、IQが商いか/低いかという軸で四つのタイプを分けたのです。

 

A層というのは、グローバリゼーションに対して肯定的でありかつIQが高い、つまりグローバリゼーションを進めていけばいくほど儲かるような立場にいるグローバル・エリート層です。B層とは、グローバリゼーションに対して肯定的でありかつIQが低い。ものすごくザッハリッヒ(注:即物的(田中一郎))な感じの言い方ですが (笑)、要は馬鹿なのでグローバリゼーションの意味はわかっていないけど、テレビやマスコミでよいものとされているからよいものだと思い込んでいる人たちです。C層は逆に、グローバリゼーションに対して否定的でありかつIQが高い。つまりグローバリゼーションがもたらす負の側面について理解していて、やたらな推進はまずいことだと考えている人たちです。そしてD層は完全なる無関心層で、市民社会から落後しているので、選挙などにはそもそも来ないからどうでもいい。こうして分けたうえで、どの層を選挙で狙うかを考えたわけですね。

 

(中略)しかしもはや、国民の啓蒙などは放棄されている。そんなことは考えず、自分で自分の首を進んで締めるような嘘に騙される、つまりグローバリゼーションが進行するほど暮らしは苦しくなるという自らの利害を理解できないような馬鹿どもに支持をさせればよいのだという本音が赤裸々に語られるようになっている。そして、どのように支持させればよいかというときに、安手のナショナリズムを売りつけるわけです。

 

(中略)ただこれは日本だけの現象ではありません。アメリカの反知性主義が福音主義に由来することは先ほど述べましたが、現代にも続いています。ブッシュ政権のイラク戦争を一番積極的に支持した南部の宗教保守層に連綿と繋がっている。反知性主義と悪性のナショナリズムとは、大変親和性が高いと言えるのではないでしょうか。これがネオリベラル・レジームにおいては国家権力が有効活用できる資源だということで、さらに蔓延るようになったのです。このような反知性主義の現代における二つの文脈は、日本だけではなくて世界的に共通するものです。

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(反知性主義が、悪性で安物のナショナリズムやネオリベ(市場原理主義アホダラ教)と結びついて「1%」による「99%」の支配が可能となっている、その今日的な社会状況を、白井聡氏がとてもうまくまとめていると私は思います。:田中一郎)

 

(再掲)ポスト「戦後」の進路を問う 白井聡対話集-白井聡/著 孫崎享〔ほか述〕(かもがわ出版)

 http://ur0.link/M9QO

(みなさまもお読みになってみてはいかがでしょうか?)

草々

 

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