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2018年7月 8日 (日)

(報告)(7.5)(カネコノミクスが導く)日本経済再生への道:金子勝慶應義塾大学名誉教授(オルタナティブな日本を目指して:第13回新ちょぼゼミ)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

●(別添PDFファイル)(予約優先)(7.5)(カネコノミクスが導く)日本経済再生への道:金子勝慶應義塾大学名誉教授(オルタナティブな日本を目指して:第13回新ちょぼゼミ)

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/13-455c.html

 

過去に失敗した政策の寄せ集めにすぎなかったアベノミクスが結局は再びの失敗に終わり、日本経済の低迷は1990年代初頭のバブル崩壊以降、約30年間にわたって続くことになりました。経済成長が止まる中で所得は目減りするばかりで、格差や貧困はますます深刻化しています。しかし安倍政権が続けてきた経済政策は、ただ単に失敗に終わっただけでなく、日本の財政や金融システムあるいは行政組織に致命的ともいえる深い傷を残すことになりました。国債の日銀引受やETF巨額購入などによる日銀資産の膨張と日銀信用への懸念の増大、巨額の累積財政赤字、公的年金基金による巨額リスク資産の抱え込み、穴だらけの税制による構造的な税収不足、行政私物化と官僚組織の腐敗、さまざまな利権の蔓延、日本の経済主権を放棄したTPPなどの国際経済協定、老朽化が進む各種インフラの更新や整備の遅れ、経済や社会の軍事化と対米従属、そして危険で不経済の塊である原発の温存などです。これら安倍政権の負の遺産をどうアンワインドし、これからの日本経済をどうしたら好転させて私たちの生活改善に結び付けられるか、今回は金子勝慶應義塾大学名誉教授に、オルタナティブな政権による新しい経済政策の在り方を論じていただこうと思います。

 

講 師:金子勝(かねこまさる)さん              

立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授                

専門は制度経済学、財政学、地方財政学     

近著:「原発は火力より高い」「儲かる農業論」「資本主義の克服

(共有論で社会を変える)」 「日本病 長期衰退論のダイナミズム」

「負けない人たち」「悩みいろいろ 人生に効く物語50

 

 <金子勝先生の関連サイト>

(1)金子勝(@masaru_kaneko)さん Twitter

 https://twitter.com/masaru_kaneko

(2)金子勝ブログ

 http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/

(3)金子勝の「天下の逆襲」|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/925

(4)【スペシャル動画】金子勝さんと国会前デモについて語ろう|日刊ゲンダイDIGITAL

 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/228223

(5)金子勝氏(立教大学大学院特任教授) スピーチ「安倍政権は退陣を!あたりまえの政治を市民の手で!0414国会前大行動」[10-212018.4.14 @国会正門前(南庭) - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=2bNgxRT6tTU

 

 <当日の記録>

 今回は録画がありません。以下、ごく簡単に当日のMEMOを付記いたします。

 

1.安倍政権(及び歴代自民党政権の)負の遺産(経済政策関連)(BY:田中一郎)

 仮に私たちの思い通りに政権交代がなり、本格的な改革政権による新政策がスタートしたとしても、それはゼロからの出発ではありません。実は、日本経済は、バブルが崩壊した1990年代初頭以降、市場原理主義に頭がイカれた連中による愚かな政策が積み重なり、とりわけ小泉・竹中改革の時代や、今日の長期化するアベ政権下において、トンデモ政策が積み重なることで、大きなマイナス状態を余儀なくされています。金子勝立教大学教授の講演の前座として、「安倍政権の(及び歴代自民党政権の)負の遺産(経済政策関連)」というテーマで若干のことをご説明申し上げました(下記レジメ参照)。

 

(関連)(別添PDFファイル)(レジメ)安倍政権(及び歴代自民党政権の)負の遺産(経済政策関連)(201875日)

「rejime_abeseikenn_mainasu_itanaka.pdf」をダウンロード

(関連)20180614 UPLAN【前半】田中一郎「政権交代の政策論的アプローチ」 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=Vr-8PHrYkJA


(関連)(再掲)政権交代の政策論的アプローチ:改革野党が政権交代を実現できない最大の理由は「オルタナティブな経済政策」がないからだ いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/post-0c4d.html

 

2.「ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興-武田知弘/〔著〕(祥伝社新書)のご紹介(BY:田中一郎)

 http://ur0.link/KXn5

 

 また、上記と併せて、昨今出版された非常に興味深い上記新刊書の内容をごく簡単にご紹介し、①今日の日本経済の低迷や日本を取り巻く諸情勢から鑑みて、ナチスドイツ・ヒトラーの経済政策について冷静な目で再注目すべきで、私たちも彼らの経済政策に学ぶべき点が多いこと(プラスの意味でもマイナスの意味でも)、②1930年に国政選挙で一気にドイツ政治の表舞台に登場して以降、政権を獲得して(1933年)、ドイツ経済の復活・復興に成功するまで(1936年くらいまで)の間のナチス・ヒトラーの経済政策は、さまざまな意味で第二次世界大戦後の「福祉国家」の経済政策・社会政策を「先取り」する優れたものだったこと(その後は対外侵略・武断帝国建設と民族差別・身障者差別・ゲルマン至上主義のホロコースト政策に転落していく)、

 

③彼らの経済政策の成功こそが、当時のドイツにおけるナチス・ヒトラーへの熱狂的支持の土台となっていたこと、④私たちが認識しているナチスやヒトラーの「全部だめ」イメージは、多分に戦後において戦勝連合国によって創造された「ためにする像」である可能性が高く、私たちはそうしたものに過度にとらわれすぎずに、もっとクールにナチスやヒトラーの歴史的存在意味を見定める必要があること(これはナチスやヒトラーを肯定的に再評価せよということでは断じてないことを強調しておきます)、などを申し上げました。下記の資料もご参考になさってください(上記新刊書からの抜粋)。

 

(関連)(別添PDFファイル)ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興-武田知弘/〔著〕 祥伝社新書):目次

「hitora_economic_policy_mokuji.pdf」をダウンロード

(関連)(別添PDFファイル)国際経済から見た「アメリカの参戦」(武田知弘『ヒトラーの経済政策』(祥伝社新書))

(関連)(別添PDFファイル)あとがき(武田知弘『ヒトラーの経済政策』(祥伝社新書))

 

3.(カネコノミクスが導く)日本経済再生への道:金子勝慶應義塾大学名誉教授 講演

 (以下は私の頼りにならない「記憶」に基づく記述です)

 

*息を吐くようにウソをつく安倍晋三と、その政権の閣僚や幹部スタッフたちにより、日本経済はかつてなかったほどにメチャメチャにされてしまった。

*ウソがばれそうになると、次のウソをぶち上げて煙に巻く、安部のウソを検証すべきマスコミは、ただそれに引きずられていくだけ、ひどい状態

*「モリ・カケ」は政治や行政の私物化そのもので、その他のことも含めて考えると、今は発展途上国に多い縁故(クローニー)資本主義になっている。

*日本経済は1997年を境目にして経済成長ができなくなり、かつ、財政赤字が速いピッチで拡大していくという病的な事態に陥っている。

*金融政策も、超低金利政策 ゼロ金利政策 黒田バズーガによる異次元緩和 マイナス金利と、時間を追ってハチャメチャになっている。

*しかし財政金融政策をここまでつぎ込んでテコ入れしても日本経済は回復しない有様で、もしも政策的テコ入れを緩めたら日本経済は奈落に沈む状態

*アホノミクスが日本経済にとってはマイナスにしかならないことは、もう自明のこととなった。

*しかし、日本の経済学もマスコミも、上記のような日本経済の惨状を適切に有権者に伝えることもできなければ、分析して処方箋すらも出せない状態

*(松尾匡氏他)「左翼デフレ派」も日銀による国債引受の「緩和マネー」を継続的に使っていくなどと言っており、まともではない(左翼ではない)。

*財政のプラマリー・バランス(基礎的収支)の赤字解消など無意味、国債金利が上昇すれば、その金利負担で国家財政も日銀も吹き飛ぶ

*つまり日本の経済学は新古典派もケインズ学派も、そして経済学批判のかけらもなくなった(数理経済学体裁の)マルクス経済学も「終わっている」

*日本の産業・企業もボロボロで、世界的に見てどんどん落ちていくばかり、国際競争力など全くなくなってしまった、世界の趨勢についていけてない

*日本の経営者は今やサラリーマン化し、幹部職員たちは官僚化していて、いずれも無能で、日本経済を再起させる能力はない(目先のことばかり)

*武器輸出と原発再推進など、旧態依然の20世紀型企業・産業を「何とか当面、維持させることに精一杯」の経済政策を続ける安倍政権

*もはや行き着く先は破綻あるのみか、事の成り行きがナチスドイツの時代と非常に似通っている

 

*金子勝立教大学教授が最期に提示した処方箋は次の3

(1)日銀による異次元緩和や巨額な財政赤字による、既存の衰退予定産業へのテコ入れ=20世紀型重厚長大産業の既得権益の維持確保をしているにすぎないアベノミクスは、もう限界であり、早急に辞めさせなければいけない

(2)電力大改革により分散型ネットワーク社会の基礎となるエネルギー革命を大々的に展開すべき

(3)普遍主義的社会保障福祉政策と、個々人の個別事情にきめ細かく対応できる地域の社会保障福祉政策とを上手に組み合わせ、危機突破を図るべし

 

(上記3つは、これまで私から皆様に申し上げてきたこととほぼ同じ内容のことであり、今般、金子勝立教大学教授に「追認」「バックアップ」していただいたような格好になっていて非常に心強いばかりです。なお、ご参考までに、昨年の金子先生の講演録画を下記にご紹介しておきます。:田中一郎)

 

20170720 UPLAN【新ちょぼゼミシリーズ 】金子勝「オルタナティブ日本(もう一つの日本)の経済政策」 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=j-tBjHMjNVQ

 

(関連)(別添PDFファイル)日本の左派がとるべき道:欧米反緊縮左翼台頭の背景とその政策(一部抜粋)(松尾匡『週刊金曜日 2018.5.18』)

「matuo_kin.pdf」をダウンロード

 <次回以降の予定>

(1)(7.30)「国際原子力マフィアと放射線被曝をめぐる国際情勢」(川崎陽子さん)(オルタナティブな日本をめざして:第14回新ちょぼゼミ ) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/14-b4eb.html

 

(2)(8.20)オルタナティブな日本をめざして(第15回):「原発はどのように壊れるか:金属の基本から考える」(井野博満東京大学名誉教授)

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/15-1be7.html

 

(3)(9.10)オルタナティブな日本をめざして(第16回):「グローバル資本主義を乗り越える日本の食料・農業政策」(安田節子さん)

 

(4)(10.11)「日本のダムと河川行政:この旧態依然をどうする?」(嶋津暉之さん:「水源開発問題全国連絡会」共同代表、「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」代表)(オルタナティブな日本をめざして:第17回新ちょぼゼミ)

 

*オルタナティブな日本を目指して(これまでのもの一覧) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-0d95.html

草々

 

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