(メール転送です)大飯原発4号機がもうトラブルを起こした!再稼働はやはりとても危険だ!(そもそも水位計はシビアアクシデントの際には正常に機能しないままだ)
前略,田中一郎です。
(メール転送です)
大事なことを1つ申し上げますと、
水位計については、福島第1原発と基本は同じ仕組みものが使われており、福島第1原発事故の際には、その水位計が正常に機能しなかったことが、わかっています。その結果、1号機などへの対応を間違う1つの大きな原因となったのでした。
しかし、原子力規制委員会・規制庁は、水位計を含む原発の状態をモニターする機器類の、福島第1原発事故を受けての総見直しをやっておりません。つまり、炉心溶融などのシビアアクシデントとなれば、水位計はもちろん圧力計や温度計など、原子炉・原発の状態をモニターしている機器類や記録計が正常に機能しないことはほぼ確実なのです(福島第1原発事故の時と同じ)
また、加えて申し上げておかなければいけないことは、原子炉・原発のモニターだけでなく、地震計や環境放射能の測定・記録機器類もまた、おそらく機能しないでしょう。
柏崎刈羽原発が中越沖地震に襲われたときは地震計の記録装置が×で、地震の揺れの記録がしっかりととれていませんし、免震重要棟の入口がゆがんで人が中に入れずに機能しませんでした。また、福島第1原発事故の時には環境放射能を測定する放射線モニターのほとんどが、停電または津波により停止してしまって使い物になりませんでした。オフサイトセンターも機能せず、事故後まもなく閉鎖となったことも既知のことです。
しかし、こうしたことについても、原子力規制委員会・規制庁は真剣に見直しを行い、二度と同じことが起きないような対策を打ったという話は寡聞にして聞きません。福島第1原発事故を教訓にして、それを規制基準に反映させるという基本中の基本をやっていないのです(やれば早期の原発再稼働は難しくなるからでしょう)。要するに、安全神話が復活しているのです。
今日の原発再稼働は、近未来の破局を予想させるに十分です。原子力規制委員会・規制庁はもはや原子力規制機関としては機能していません。日本の有権者・国民は危機意識が乏しすぎます。
草々
(以下はメール転送です)
-----Original
Message-----
Sent: Saturday, May
12, 2018 3:18 AM
Subject:大飯原発4号機がもうトラブルを起こした!再稼働はやはりとても危険だ!
皆さま
今回もまた、電力会社が基本的に「事故を起こしてもよい」という立場に立ち、事故が起こることを前提に再稼働を行っているという恐ろしい自滅的途を進んでいることが示されました。
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●明日に向けて(1523)大飯原発4号機がもうトラブルを起こした!再稼働はやはりとても危険だ!
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/ef793f9f98bb70b05378ccaeddebce5c
9日に再稼働を強行した大飯原発4号機、もうトラブルを起こしました。10日午後5時38分に蒸気発生器の水位計が異常を検知。「原子炉を止めよ」という警報を発信しました。以下、正確を期すために関西電力のプレスリリースを貼り付けておきます。
「大飯発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、平成25年9月15日から第15回定期検査中のところ、本日17時38分、中央制御室原子炉盤に「原子炉トリップパーシャル※作動(原子炉系)」警報が発信し、同時刻に復帰しました。同時刻に、プラント計算機に「C蒸気発生器水位低原子炉トリップパーシャル」警報が発信し復帰しました。
プラントパラメータ等を確認したところ、蒸気発生器(2次系)の水位は規定値内であり、プラント状態に異常はありませんでした。これにより、17時00分から実施していた原子炉出力上昇操作は中断していますが、今後、念のため水位計について問題がないか点検し、問題がないことが確認できれば、原子炉出力上昇操作を再開する予定です。また、周辺環境への放射線の影響はありません。
※原子炉をトリップ(停止)させる信号は4系統で構成されており、そのうち1系統の信号が作動した時に発信する警報である。なお、2系統以上の信号が同時に作動すれば、原子炉は自動停止する。[平成30年5月10日 お知らせ済]
本日20時25分から21時05分において、C蒸気発生器の水位計について点検を行い、異常は認められなかったことから、今後、準備が整い次第、原子炉出力上昇操作を再開する予定です。
大飯発電所4号機の状況について(「原子炉トリップパーシャル作動(原子炉系)」警報の発信)(第2報)
2018年5月10日 関西電力株式会社
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2018/0510_4j.html
要するに蒸気発生器という部品の水位に異常がないのに水位計が「危険」を感知し、警報を鳴らしたというのです。「原子炉トリップ」というのは原子炉を止めることで、4系統のうち2つが動いたら原子炉が止まるのですからあと一つで緊急停止していたわけです。
このリリース、良く読み込むとなんとも奇妙です。水位が危ないわけではないのに水位計がアラームを出した。それで念のために水位計も点検した。でも問題がなかったから中止していた出力上昇作業に入ると言っているからです。実際に大飯4号機は11日17時から発電を開始しています。
ではなぜアラームが鳴ったのでしょう?点検して問題がないと言ったって、水位がおかしくないのに「おかしい」という警報を発したのですから、どう考えたって水位計の誤作動なのです。しかし「異常は認められなかった」という。これは実際には「異常が起こったけれど原因が分からなかった」ということなのではないでしょうか。プレスリリースを読む限りそうしか解釈できません。「なぜ誤報が発せられたのか」がどこにも書いてないからです。
今回のこの故障事故は、明日にも大事故が起こるような兆候ではないだろうとは思います。しかし安全装置の不具合で、適正に働いていないわけで、そうなると他の水位計は大丈夫なのかという懸念も生じます。水位が下がってもいないのに「警告」を出してしまったのに、その原因も特定しなければ修繕もしていないからです。
いや恐ろしいのは今回は安全な状態なのに危険と判断したわけですが反対も起こりうるのではないか。危険になっているのに感知しない。そういう危機的な誤作動もありうるのではないか。それなのに原因究明がなされない。このあり方に僕は巨大な危険性が潜んでいると思います。
なんでこんなことになるのか。一次冷却水ポンプについて指摘してきたように、実は原発はさまざまな点で完成していないプラントで、計器の不具合など、頻繁に起こっているからだと思います。実は細部では分からないことだらけ。しかし「そんなことにかまっていたら運転できない!」というのが電力会社側の本音でしょう。そこに危機が大きく介在しているのです。
ともあれ大飯4号機のウォッチを続けます!
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草々
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