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2018年5月24日 (木)

「子ども脱被ばく裁判」で明らかになった重要なこと3つ:(1)責任棚上げで被害者に牙をむき始めた被告・国 (2)ホット・パーティクルについて有識者2人が意見書 (3)初期被ばく総線量推計モデル(山田國廣氏)

前略,田中一郎です。

(国の口頭陳述要旨の翻訳と、その全世界への拡散をお願い申し上げます)

 

さる425日、福島地裁で「子ども脱被ばく裁判」の第14回公判が開催され、今後の脱被ばくに関連した重要事項3つが明らかとなりました。以下、簡単にご報告申し上げます。

 

#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会) 425日(水)子ども脱被ばく裁判口頭弁論・「初期被曝の衝撃」山田國廣氏講演

 https://fukusima-sokai.blogspot.jp/2018/04/425.html

 

●子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ 2018.4.2514回口頭弁論期日報告

 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/2018/04/201842514.html

 

(関連)子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ 子ども脱被ばく裁判の予定(平成30年後半~)

 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/2018/04/blog-post_18.html

 

1.はじめに:「子ども脱被ばく裁判」とは

 下記の2つのサイトをご覧ください。「子ども人権裁判」(福島集団疎開裁判と同内容)と「親子裁判」の2つに分かれます。

 

(1)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会) 【速報】第二次裁判の概要決定。提訴は8月29日。子ども人権裁判に加えて、3.11以降の国と福島県の救護政策の違法性を問う親子裁判を追加。

 https://fukusima-sokai.blogspot.jp/2014/07/blog-post_17.html

 

(2)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会) 【報告】第二次裁判の名称が「子ども脱被ばく裁判」と決まりました

 https://fukusima-sokai.blogspot.jp/2014/08/blog-post_65.html

 

2.(重要事項その1)自らの責任棚上げで原発事故被害者に牙をむき始めた被告・国

 別添PDFファイルに部分コピペも可能なものを添付しておきました(弁護団のサイトのものはコピペできません)。当日、被告の国は、この裁判で初めて法廷において口頭による本格的な反論陳述を行い、下記にある原告側の「請求原因」(提訴の理由となった国の犯罪的行為)をことごとく否定し、「ここまで言うのか」と思われるようなことまで言及しつつ、福島原発事故被害者の訴えを踏みつけにしておりました。住民を原発事故による被ばくから守るという国としての責任は棚上げにされ、「この裁判の原告たちは大したこともないことを針小棒大に言って裁判を起こし、理由にもならない理由で国を批判しているがお門違いだ、裁判所はこうした訴えは即時に却下するべきだ」、と言わんばかりの内容でした。

 

最初は法廷でその口頭陳述を黙って聞いていた私を含む裁判傍聴者は、話が進むにつれて穏やかではいられなくなり、最初は小声で異議ありの声が出ていましたが、やがて陳述が終わるころには法廷内が騒然となっておりました。あまりにひどい内容の国の口頭陳述に、傍聴参加者は怒りをあらわにしたのです。特に下記に抜粋しました「低線量被曝のLNT仮説」を否定するくだりでは、さすがに「国は何を言っているのか」という話となり、傍聴参加者の怒りが頂点に達しました。まさに原発を推進してきた原子力ムラ代理店の政府が、事故前は「完璧に安全でございます・ご心配には及びません」などと言っていたにもかかわらず、一たび大事故が起きて環境に大量の放射能をばらまくや否や態度が180度変わり、今度は放射線ムラ代理店政府として、被害者に向かって「大した放射能じゃないんだから、つべこべ言わずに黙って我慢していろ、つまらんことで権利権利というな」とばかりに原発事故被害者に牙むき始めました。いみじくも「原発とは何なのか」の正体を見たり、という典型事例となったと言うべきでしょうか。

 

もとより、かような国の態度が許されるはずもありません。原告のみなさまは怒りをこらえて弁護団や支援者と一体となり、これからもこの裁判で国の福島原発事故の責任を追及していきます。こういう国の態度をのさばらせておくことは、国はまた再びの原発事故が起きた場合には、同じようなことを、おそらく今度は更にひどい形で繰り返すでしょうし、原発事故の責任も感じている様子がないため、また再びの原発過酷事故を引き起こす可能性も大きいからです。この裁判は、いわゆる損害賠償裁判ではなく、まさに福島原発事故後の国や地元自治体の行政の振る舞いそのものを厳しく問う、他では見られない裁判です。これからも、みなさまの厚いご支援と、原告の方々や弁護団のみなさんへの温かい心づかいをお願い申し上げます。

 

(追)低線量被ばくのLNT仮説を否定するなど、国の口頭陳述の内容があまりにひどく、当日の原告や支援者は怒りに包まれたのですが、他方では、考えてみると、この陳述のあまりにも生々しく酷い内容は、原子力ムラ・放射線ムラの代理店として原発・核燃料サイクルを強引に推し進める日本政府(及び安倍政権)の「まさにそのものずばりの正体」を現したものではないか、ということで、いっそのこと翻訳をして全世界の市民に見ていただこうということになりました。国内外におられるみなさまで、英語翻訳にたけた方には、是非とも別添PDFファイルの「被告国の口頭陳述要旨」の翻訳と、全世界各地への拡散をお願い申し上げます。なお、弁護団のネットサイト(下記)には、一部分の英語への翻訳が添付されていますので(第5 放射線被ばくによる健康影響に関する知見の箇所)、ご参考にしていただければと思います(もし翻訳をなされたら、私宛にもお送りください)。

 

(関連)子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ 第14回口頭弁論期日報告の補充(第5 放射線被ばくによる健康影響に関する知見5th The scientific view about influence of radiation for health

 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/2018/05/blog-post.html

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(中略)原告らが,被告国に対する請求の請求原因(責任原因)として掲げる事項は合計6つと多岐にわたっており,具体的には(P1)

①「情報隠匿の違法」(請求原因①)

②「子どもたちに安定ヨウ素剤を服用させることを怠った違法」(請求原因②)

③「児童生徒に年20mSvまでの被ばくを強要した違法」(請求原因

④「子どもたちを直ちに集団避難させることを怠った違法」(請求原因④)

⑤「被告国がオフサイトセンターの整備を怠っていたこと」(請求原因⑤)

⑥「(被告福島県とともに)周辺自治体との問のSPEEDI計算結果の情報共有を怠ったこと」(請求原因

というものです。

 

(低線量被曝のLNT仮説を否定する国の陳述:P14

(中略)低線量被ばくによる健康影響については,国際的にコンセンサスが得られている科学的知見に基づいて判断されるべき事柄であり.そのような知見からすると.放射線に被ばくすれば線量の多寡に関わらず,すべからく健康こ悪影響が生じるとの考え方は現在の国際的なコンセンサスにそぐわない考え方となります。裁判所におかれては,放射線被ばくによる健康影響について,証拠に基づいた適切な判断を望むところです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

●子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ 被告国:口頭陳述要旨

「hikokukuni_koutoutinjutu_1_425.pdf」をダウンロード
「hikokukuni_koutoutinjutu_2_425.pdf」をダウンロード
 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/2018/05/blog-post_22.html

 

(関連)子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ 被告国 第6準備書面

 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/2017/05/blog-post_25.html

(この準備書面は、今回の被告国の口頭陳述を放射線ムラの御用学者たちが理屈付けしたものだと考えられます)

 

(関連)山下俊一ら17名の高名な専門家による連名意見書

 http://nukecheck.namaste.jp/pdf/161026_renmeiikensho.pdf

(これも低線量被ばくに関して放射線ムラの御用学者たちが理屈付けしたもので、今や有名になっている文書だそうです)

 

(その他 関連)

(1)子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ 2017.5.2410回口頭弁論期日報告

 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/2017/05/201752410.html

(2)子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ 被告国第9準備書書面 被告福島県準備書面(14)

 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/2018/04/blog-post_28.html

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(3)子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ

 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/

(4)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)

 https://fukusima-sokai.blogspot.jp/

(5)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会) 5.12新宿デモを開催しました

 https://fukusima-sokai.blogspot.jp/2018/05/blog-post.html

 

3.(重要事項その2)ホット・パーティクル(セシウム・ボール)の危険性に関する有識者2人の意見書

 下記のお二人の有識者の方が、注目されているホット・パーティクル(セシウム・ボール)についての意見書を書いてくださいました。ホット・パーティクルに関しては、一般の放射性物質とはちがい、人体や生物の体にとって非常に危険な形で(体内滞留が長期化する、ガンマ線核種だけではない、アルファ核種やベータ核種を含む複数の放射性物質がカクテル状態となっているなど)内部被曝をもたらすものとして、非常に警戒されているものです。特にナノサイズ(ナノ物質化)のホット・パーティクルは大気中を常に漂い、人間や生物の呼吸を通じて体内に入り込み(呼吸被ばく)、容易なことでは体外に排出されなくなります。以下、弁護団のネットサイトにお二人の意見書が掲載されていますので、是非ご覧になってみてください。

 

●子ども脱被ばく裁判 弁護団のページ 準備書面(49)~(52)、河野意見書、郷地意見書

 http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp/2018/04/blog-post.html

(河野意見書、郷地意見書とともに、「原告準備書面(51)セシウム・ボール」も併せてご覧ください)

 

(関連)河野先生と郷地先生の簡単なプロフィールです。

河野益近氏 京都大学工学部原子核工学教室で長年文部技官を務められた環境放射能、放射線計測等の専門家

郷地秀夫氏 東神戸診療所長を務める傍ら、長年被爆者治療に取り組んでこられた医師

 

(関連)ついに 「ホット・パーティクル」 が表面化 : 茨城の「ちり」にウラン 東京理科大と気象研究所 溶融燃料が拡散 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-8621.html

 

(関連)NHK放送番組 「サイエンスZERO : 謎の放射性粒子を追え!」のどこがおかしいか=きちんと伝えられないホット・パーティクル(放送では「セシウム・ボール」と名付けていた)の危険性  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-f552.html

 

(関連)(セミナー報告)PM2.5とナノ粒子=次世代へのリスクを減らすために知っておきたいこと (& ナノサイズの放射性物質=ホットパーティクルの危険性を推測する) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/pm25-e3f5.html

 

4.(重要事項その3)初期被ばく総線量推計モデル(山田國廣氏)

 山田國廣先生(京都精華大学名誉教授)が、国際原子力機関(IAEA)や国際放射線防護委員会(ICRP)の文献を徹底的に調べ、それをベースにして、更に福島第1原発事故後の放射能汚染データ(たとえば原発事故直後の20114月上旬に福島県内の全小中学校で調査された放射能汚染の状況など)で公表されている公式なものを精力的に収集し、いわゆる初期被ばくを福島県内各地(細かく格子状に区分け)での1時間刻みの時間帯での被ばく量(シーベルト)を、外部被曝のみならず内部被曝もあわせて推計する「初期被ばく総線量推計モデル」をお作りになりました。425日は、公判前の学習会で、そのモデルの簡単な説明講演が行われました。ご説明によれば、内部被曝については現段階は呼吸被ばくだけで、食べものによる内部被曝はこれからモデルにビルトインしていくとのことでした。

 

もちろん私は、内部被曝を原子力ムラ・放射線ムラのインチキ被ばく評価単位であるシーベルトで評価することには賛成できませんし、また、その内部被曝のシーベルトの数字を、外部被曝のシーベルトの数字に単純に足し合わせることについても反対です(両者は別々に扱うのが実証科学的)。しかし、国際放射線防護委員会(ICRP)による被ばく評価概念が蔓延しているこの日本において、原発事故による内部被ばくも含めた放射線被曝の過多を裁判で争うには「相手の理屈のテーブルの上」で相撲を取ることもまた、やむを得ない場合があります。山田國廣先生の今回のモデルは、そうしたことを重々承知の上で、あえて徹底してIAEAやICRPの理屈付けに沿う形で創り上げたモデルだということで、当然ながら、裁判闘争においても活用可能な形にしているとのことでした。

 

(関連)(VTR)放射能と被ばくの基礎知識 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-78d0.html

 

(関連)放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか? いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html

 

今現在、「福島県民健康調査」で使われている放射線被曝評価モデルは、文部科学省傘下の放射線ムラの巣窟である放射線医学総合研究所が開発したもので、米軍の協力を得て計測した航空機による地域別・時間帯別のガンマ線計測を元にした、じつに大ざっぱな内容のモデルで、しかもその中身の是非について、具体的に「福島県民健康調査検討委員会」で厳しく検討吟味された様子はありません。特に大問題なのは、このモデルは外部被曝だけを推定するもので、内部被曝に関しては全く無視をするという、とんでもない欠陥モデルであるということを申し上げておかなくてはなりません(実証的根拠のないデタラメな推計をして、わずかばかりの内部被曝線量の数字をプラスしている可能性はあります)。

 

こんなものを無批判に県民に適用して、「あなたの推定初期被ばく線量はこんな程度のものなので心配無用です」などとやっているのが、今の「福島県民健康調査」です。なので、県民のみなさまは、「福島県民健康調査」(特に甲状腺検査や血液検査)は必ず受診するけれども、その際に初期被ばく線量を推計する「当時の行動記録」を提出するのはおやめになった方がよろしいと思います(「忘れてしまいました」と言っておけばいいでしょう)。何故なら、嘘八百のモデルで初期被ばくを「推計」して、それを根拠に「あなたの初期被ばく量は大した数字ではなく、こんな被ばく量で健康被害が起きることはない」という断定のために使われることが目に見えているからです。いわば、原発事故による放射線被曝被害者を切り捨てるための「背信行為」の理屈付けとしての初期被ばく計測であるからです。

 

山田國廣先生(京都精華大学名誉教授)の今回のモデルは、そんないい加減なものではないので、推計するのなら、山田先生のモデルを使った方がいいのは事実です。ただし、何度も申し上げますが、その推定結果は、あくまでも内部被曝の評価など、いろいろな点で評価が甘すぎてデタラメな国際放射線防護委員会(ICRP)や国際原子力機関(IAEA)の理屈をベースにしたものであるということを忘れないでいただきたいと思います(そもそもICRPもIAEAも国際原子力マフィア集団などと言われ原発・原子力を推進する組織です)。なお、山田先生のモデルの解説は下記の著書に書かれているそうですから、興味のある方はお求めになってみてください。

 

●初期被曝の衝撃 その被害と全貌-山田國廣/著(風媒社)

 http://urx.blue/KbCp

 

5.最後に

 脱原発は脱被ばくと表裏一体であり(放射能が人体や生物にとって共存できない危険物であるということ)、脱被ばくを実現するためには、不幸にして原発・核で被害を受けられた方々の完全な救済=被害者完全救済がなくては実現できません。福島第1原発事故後7年目の今日、改めて「脱原発=脱被ばく=被害者完全救済」の三位一体を確認したいと思います。

草々

 

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