« 本日(9/11)のいろいろ情報です:(1)(報告)安倍9条改憲NO!全国市民アクション 9.8キックオフ集会、(2)反省しないアベ自民 (3)二手に分かれて自民補完へ向かう様相の前原・民進党 他 | トップページ | 福島第1原発事故の真相がまた一つ明らかとなった:2号機の圧力抑制室(S/C)下部が地震の揺れで損傷し、大量の水漏れを起こしていた(田辺文也 岩波月刊誌『世界 2017.10』論文より)他 »

2017年9月12日 (火)

(2016年改正)再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度の見直し について=経済産業省・地域独占大手電力は再生可能エネルギー普及の妨害をやめよ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(最初に若干のこと)

============================

1.(10.5)新ちょぼゼミシリーズ「オルタナティブな日本を目指して」(第4回目):労働法制抜本改革(「働き方改革」のための法制はどうあるべきか)(in たんぽぽ舎:東京・水道橋)

 http://www.labornetjp.org/EventItem/1501729892050staff01

 

2.(ネット署名)キャンペーン · shien_kyoto@yahoo.co.jp 原発賠償京都訴訟 認めて!避難の権利 守ろう!こどもの未来「公正な判決を求める要請署名」にご賛同ください! · Change.org

 http://urx.mobi/FP0q

 

(関連)原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会 |原発賠償京都訴訟 公正な判決を求める要請署名にご協力を! 

 http://fukushimakyoto.namaste.jp/shien_kyoto/17kouseisaiban.html

 

3.最新版パンフレット:『原子力空母の防災基準の見直しとその結果』 完成! ご活用下さい。

 http://cvn.jpn.org/pdf/161111_pan.pdf

 

(関連)原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会:お知らせ

 http://cvn.jpn.org/shirase.html

 

4.福島の甲状腺がん解明へ〜新潟県「健康分科会」検討開始 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2166

 

(関連)(別添PDFファイル)(チラシ)(9.23)講演:甲状腺がんの現状と課題(脇ゆうりか:「3・11甲状腺がん子ども基金」事務局長)

「tirasi_923_koujousengan.pdf」をダウンロード

(関連)測る・診る・守る、心をつなぎ明日を生きるために:認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね

 http://www.iwakisokuteishitu.com/feature/index.html

 

5.(9.28)アジア記者クラブ9月定例会「昭和天皇の戦争の何が消されたのか」(東京・お茶の水)

 http://www.labornetjp.org/EventItem/1504874730153staff01

 

(参考文献)昭和天皇の戦後日本〈憲法・安保体制〉にいたる道-豊下楢彦/著(岩波書店)

 http://ur0.link/FNpY

 

6.「脱被ばく実現ネット」(旧ふくしま集団疎開裁判の会)イベント情報

 https://fukusima-sokai.blogspot.jp/

 

(1)(9.25)白石草さん講演会 脅かされている子どもたちの生命・健康・未来〜チェルノブイリから学ぶべきこと

 https://fukusima-sokai.blogspot.jp/2017/09/2017925.html

(2)(別添PDFファイル)(チラシ)(10.28)落合栄一郎氏講演会:核を地球上からなくさなければ人類に未来はない

「tirasi_1028_otiai.pdf」をダウンロード
(3)(11.11)第9回新宿デモ

 https://drive.google.com/file/d/0B_BelY_HvnqVLWROZU5QYnIyVDg/view

 

7.(別添PDFファイル)(チラシ)賛同人になってください! 原発のない北海道に(振込用紙)(泊原発)

「tirasi_genpatunasi_hokkaidou.pdf」をダウンロード

(関連)知ってましたか? 原発をやめたほうが得する8つの理由(泊原発の廃炉を目指す会)

 http://tomari816.com/home/img/hakko.pdf

 http://blog.goo.ne.jp/naha_2006/e/c6834be0f1c7cb229b9dd28f3ca55470

 

8.【軍学共同反対連絡会緊急声明】2017年度防衛装備庁「安全保障技術研究推進制度」採択結果の分析と私たちの課題(201797日)

 http://no-military-research.jp/?p=931

 

(大学自体が防衛庁からカネをもらうというのは今年は採用されたものはなかったようだけれど、企業や他の研究所を媒介・経由して、大きなPJの一部を担うような研究にはヒットしているようだ。「死の商人」ならぬ「死の大学」が見えにくい形で増えてきそうな気配である。研究費やカネさえもらえれば何でもします、というような腐った大学はさっさと解体いたしましょう。:田中一郎)

 

9.(別添PDFファイル)タンク解体中に微量の内部被曝、福島第1原発(日経 2017.9.9

 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO20951120Z00C17A9CR8000/

 

(放射性セシウムを取り除いただけの高濃度汚染水タンクを解体中に、全面マスクと防護服を着用していた(という)作業員が鼻孔に放射性物質を付着させていて内部被曝をしたと判定された、という記事。被ばく防護の服装やマスクをしていたのに何故内部被曝したのか、ロクすっぽ調べている様子はない。にもかかわわらず、内部被曝はたいしたことはなく健康にも影響はないと即断即決してしまっている。要するに切り捨てられたということだろう。福島第1原発の廃炉現場で最も作業員被ばくが多いのが、この高濃度汚染水タンクの解体(ボルト締め型を溶接型に入れ替えるための作業=東京電力が用意するタンクの費用をケチったために発生した全く無駄な作業)である。そして、ほとんどの被ばく事故はこうして何もなかったかのごとく切り捨てられていく。原発作業員は、今も昔も、モノ扱いで使い捨てだ・:田中一郎)

 

============================

 

先般、新ちょぼゼミ(「オルタナティブな日本を目指して」)第3回で「脱原発ロードマップと新エネルギー戦略」をやりましたが、ちょうどタイムリーに再生可能エネルギーの固定価格買取制度の改正(2016年)に関する法令解説が出されましたので、私が知る限りの知識でコメントいたします。至らない点がありましたらご教授いただけると幸いです。(『時の法令』は図書館等で借りることができます。原本をご覧になることをお勧めいたします)

 

 <別添PDFファイル>

(1)再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度の見直し(イントロ部分)(『時の法令 NO.2031 2017.8.15』)

「saiene_koteikakaku_kaitori_minaosi.pdf」をダウンロード
(2)(チラシ)(9.23)講演:甲状腺がんの現状と課題(脇ゆうりか:「3・11甲状腺がん子ども基金」事務局長)

(3)(チラシ)(10.28)落合栄一郎氏講演会:核を地球上からなくさなければ人類に未来はない

(4)(チラシ)賛同人になってください! 原発のない北海道に(振込用紙)(泊原発)

(5)タンク解体中に微量の内部被曝、福島第1原発(日経 2017.9.9

(6)温暖化対策に逆行するメガソーラー:「電力」との闘い、環境アセスメント法20年(上)(一部抜粋)(杉本裕明 『世界 2017.9』)

(7)「風力発電=エコ」の迷信を脱却されんことを願っています(藤井廣明『月刊たんぽぽ NO.259 2017.7』他)

 

(関連)(報告)(新ちょぼゼミ 「オルタナティブな日本を目指して」第3回企画)討論集会:脱原発ロードマップと新エネルギー政策 当日録画 & レジメ(201797日) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/201797-9b54.html

 

(田中一郎コメント)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.日本での再生可能エネルギー普及は、2012年の菅直人政権の末期に、菅直人首相退陣と引き換えに制定された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法:再エネ特措法」(FIT制度=再生可能エネルギーの固定価格による一定期間の買取制度)を契機に事実上、本格化することとなった。それまではRPS制度やグリーン電力証書など、ほとんど「お遊び」の域を出ない制度を創って「ガス抜き」を行い、一貫して再生可能エネルギーの普及推進を経済産業省や電力業界が一致協力をして妨害してきた歴史がある(例:家庭用の太陽光発電設備導入への支援制度は2008年に廃止など その後復活)。

 

そのため日本の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は低迷したままで(2014年度でダム発電=水力を除くと3.2%)、装置・設備産業を含めて日本国内での再エネ産業の成長・発展は世界に比べて大きく後れを取ることになってしまっている。にもかかわらず、例えば送配電網を支配する地域独占大手電力の意のままに再エネ由来電力の受入をストップできる制度を新たに導入したり、FIT導入を契機に再生可能エネルギー設備導入に伴う補助金を大きくカットしてしまうなど、再エネ妨害政策は今も続いている。(他方で、原発・核燃料サイクルについては巨額の税金が投じられ国策として支援されていることは、みなさまご承知の通りである。この国のエネルギー政策が原子力ムラに占拠され、根本のところで歪められたまま今日に至っていることは、日本の将来を危うくしてしまう重大なことだと言わざるを得ない)

 

2.福島第1原発事故の衝撃は、再生可能エネルギーの普及推進を棚上げにして原発にのめり込んでいた電力業界や財界、あるいは政府・霞が関官僚たちに激震を与えることになった。原発推進に対する世論の風当たりが急激に厳しくなり、代わって再生可能エネルギーの推進や、地域独占大手電力に支配されたいびつな電力市場ではなく、消費者が様々な由来電力を選択できる電力自由化の制度を求める声が強くなったのだ。福島第1原発事故までは、原発依存度を50%に引き上げるだの、原発を世界に向かって輸出促進していくだのと、愚かな政策を振り回していた時の菅直人・民主党政権も、その政策方針を大きく切り替えざるを得なくなったのである。脱原発とともに再生可能エネルギーの普及推進の世論の強まりと、それに政府はある程度は対応せざるを得ない状況が生まれてしまった。そしてそのKEYポイントとなったのが「送配電網の分離」である。

 

しかし、水面下においては、電力業界は送配電網の公共化=つまり送配電会社の所有分離を回避することに全力を挙げ、何とかそれを法的分離(別会社として法的に分離し、それを地域独占の大手電力会社の持ち株会社の子会社とすること)にとどめて、電力供給の支配権を自分たちが維持管理しようとした。そして、こともあろうに民主党政権下でまんまとこれに成功したのである。この辺のいきさつは、実話に基づく物語とも言われる下記の2つの小説の中にも出てくる。ちなみに著者の若杉冽氏(ペンネーム)は経済産業省の若手現役役人であると言われている。

 

(参考)原発ホワイトアウト-若杉冽/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

 http://urx.mobi/FP1T

(参考)東京ブラックアウト-若杉冽/著(講談社)

 http://urx.mobi/FP1O

 

3.現状(2014年度)では、環境破壊型の巨大ダムによる水力発電を除く再生可能エネルギー由来の電力比率は、わずかに3.2%にすぎない(下記サイト参照)。しかもその9割は太陽光発電であり、その太陽光発電のかなりの部分は、これまた環境破壊型が少なくないメガソーラーによるものと思われる。つまり、日本では、環境と調和した、地域経済と融合的な再生可能エネルギーの開発は、いまだにほとんど進んでいないと言っていい。掛け声やきれいごと、大義名分ばかりが空しく空中を飛び交う中で、実際の再生可能エネルギーは政策的な妨害を受けて、その推進普及が進んでいないということだ。もし日本のエネルギー政策が歪んだものでなかったら、おそらく今日においては再生可能エネルギー由来電力の割合は、全体の2割近くになっていたであろうと推測される。欧州でも、中国をはじめ途上国でも、アメリカでも、再生可能エネルギー由来電力の普及は急ピッチで進んでいる。愚かなことをして再生可能エネルギーの普及推進を政策的に妨害しているのは日本だけだと言っても過言ではない。

 

(関連)日本のエネルギー情勢|よくある質問とその答え|資源エネルギー庁

 http://www.enecho.meti.go.jp/about/faq/001/

 

4.そもそも今回このメールで問題にしている今般の法改正のおかしさは、再生可能エネルギーが上記のように政策的なゆがみが原因となって貧弱なままであるにもかかわらず、再生可能エネルギーの抜本的な普及推進を期待して始められたFIT制度について、早くも「いろいろ問題がある」などと言い出して、事実上、再生可能エネルギーの伸長を抑え込もうとしている点にある。これまでは原発推進への風当たりの強さを政治的にかわすためもあり、再生可能エネルギーの導入に寛容な態度をとってきたが、いよいよ福島第1原発事故の風化とともに再び原発・核燃料施設再稼働から原発・核燃料サイクル推進へと舵を切る必要もあるため、原発由来電気を(目先だけのコスト面で有利な大型石炭火力とともに)優先して取り扱い、その場合に系統運営上、邪魔になる再生可能エネルギー由来電気を再び抑え付けにかかっているのである。本来ならば、この貧弱極まりない再生可能エネルギー比率の3.2%を一刻も早くその10倍程度に持ち上げるため、今回の改正内容とは真逆方向の施策や、そのための法改正がなされてしかるべきである。しかし実際には、有権者・国民の「原発は一気にはなくせないだろう」(そんなことはないのだが)という根拠の乏しい甘い判断に原子力ムラとその代理店政府がつけ込み、再エネはやめて原発と石炭火力を中心に電源整備を進めるという、愚か極まる最悪の政策を有権者・国民=つまりは電力消費者に押し付けようとしているのである。

 

5.法改正の具体的内容とそれに対するコメント(1):新たな認定制度の創設

従来のFITの問題点として、認定は受けたが運転開始には至らない未稼働案件が大量に発生していることが挙げられる。設備コストの下落待ちや転売目的での認定取得などがその理由と思われるが、しかし、件数ベースでは42%、出力ベースでは何と82%が未稼働だというから驚きである。これを「適正化」したことは当然と言えば当然のことだ。問題はその「適正化」の仕方である。

 

まず、従来の発電設備認定に代えて事業計画認定にしたこと、かつ、認定申請に先立ち電力系統への接続契約(連係承諾及び工事費負担金契約の双方)の締結を条件としたことである。この2つは、後者が少し気になるところだが、やむを得ないのだろうか?(実務をしている人から見るとどうなのか?)

 

問題はそれに加えて「再エネ事業者からの接続要求に対して送配電網会社が必ず応じなければならない義務を定めた条項を削除」したことである。これではFITという制度の精神が半分は消え去ったも同然ではないか。電気事業法には正当な理由なく接続請求を拒否できないと書いてあるから大丈夫というが、それはおかしな話である。これでは下記で申し上げるFIT電気の買取義務の放棄と併せて、どさくさに紛れて送配電網会社=つまりは地域独占大手電力の再エネ優先買取義務というFIT制度の根幹をつぶしてしまっている。これは重大な「逆行」「背信」行為ではないか。

 

更に認定について、(1)バイオマスについては経済産業省のみならず、農水、国交、環境の各省にも協議せよ、(2)安全規制や土地利用規制、あるいは点検・保守、あるいは事業終了後の廃棄やリサイクルなど、適切な事業実施を確保する仕組みを設けた、そうである。しかし、事例として下記にもあるように、実際の再生可能エネルギー電源の設置については、特に立地地元との対立関係が発生しがちで、その原因が再エネ業者側の乱暴な開発行為にあることが多いことを鑑みると、今回の法令解説にあるようなことで事業の進捗が適正化されるかどうかは疑わしい。ここでは、地元との合意を事業認定の1つの条件にしておく方法もあるのではないか、あるいはまた、環境アセスの着工前評価に立地地元の判断がストレートに反映されるような仕組みが必要ではないかという点を指摘しておきたい。

 

(関連)(別添PDFファイル)「風力発電=エコ」の迷信を脱却されんことを願っています(藤井廣明『月刊たんぽぽ NO.259 2017.7』他)

「fuuryoku_eco_batu_tanpopo.pdf」をダウンロード

(関連)(別添PDFファイル)温暖化対策に逆行するメガソーラー:「電力」との闘い、環境アセスメント法20年(上)(一部抜粋)(杉本裕明 『世界 2017.9』)

「megasora_kankyouhakai.pdf」をダウンロード

 太陽光=大規模な森林伐採、農地つぶし、景観

 風 力=低周波公害、景観

 地 熱=温泉の枯渇、自然破壊

 

それから、事業認定に当たり、バイオマスについては4つの省庁を回して認定を受けなければならないなどという仕組みは不効率極まりない。霞が関官庁の「縄張り」主張を尊重しているだけの話で、何の付加価値もないどころか不効率で責任の所在もあいまいとなりマイナスの意味しかない。私は経済産業省は福島第1原発事故の責任を取って解体されるべきだと考えているので、この再エネ事業認定は環境省にその権限を一元化すればよいのではないか。

 

6.法改正の具体的内容とそれに対するコメント(2):調達価格決定方式の見直し

改正前と同様、経済産業省が調達価格等算定委員会の意見を聞いた上で、FITにおける調達価格と調達期間を決めることになるが、再生可能エネルギー発電にかかるコスト(発電事業、設備製造、設備設置、流通などのコスト)の低減を促すような調達価格設定の仕組みとすることや、また、太陽光以外の風力、地熱、水力などのリードタイムが長い電源の導入が遅れているので、これを促進する調達価格の設定が必要、などの課題解決策が法改正に盛り込まれた。具体的には、(1)複数年の調達価格設定、(2)中長期的な価格目標の設定、(3)入札制度の導入、などが新設された。

 

この問題については、コスト削減よりも、まずは再生可能エネルギーのオンサイト型電源開発を積極的に進めるための価格設定になっているかが問題であり、その観点から見て、入札制度などは時期尚早ではないかと思われる。再生可能エネルギーのコスト増を嘆くよりも、原発・核燃料サイクルに投じられている無駄な税金や電力料金を再生可能エネルギー推進・普及に振り向けるだけで、当面のコストアップ問題などは即時に解決するであろうからである。たとえば電源開発促進税の原発への投入をやめ、再生可能エネルギーへ振り替えてみたらどうか。いずれにせよ、この調達価格設定の問題は、再生可能エネルギー発電事業を担って新規参入した・あるいはこれから新規参入しようとしている事業者が、まずもってどのように評価しているか、それを本音ベースでつかまえることが肝要かと思われる。現場の声を聞け、ということである。

 

6.法改正の具体的内容とそれに対するコメント(3):賦課金の減免制度の見直し

 (賦課金とは再エネの割高コスト分を別途電力ユーザーから徴求するもの)

電力を大量に使う製造事業者を救済するための措置で、一般の事業者よりもアウトプット1単位当たりの使用電力量が8倍以上の製造事業者を対象にするという。新法では適用の基準を厳しく決め、最高で80%、最低でも20%の賦課金減免を行うという。また、国際競争力の強化を図る観点から特に配慮が必要であるものについて認定するという一文も入れたそうだ。しかし、私から見ると、かようなものは重厚長大型の時代遅れの20世紀型産業を露骨に保護するものにすぎず、仮に入れるとしても、もっと負担軽減割合を低くし(80%も減免するなどもっての外だ)、かつ期限を定めるべきではないか。どうも新法解説を読んでいると、国政私物化による旧式大企業優遇の仕組みにすぎないような気がしてならない。

 

7.法改正の具体的内容とそれに対するコメント(4):買取義務者の見直し

FIT電気の買取義務者を、送配電網会社の法的分離に伴い、小売電気事業者等から送配電事業者に変更したということ。これだけを見れば当然のことで、特に説明を要しない。しかし、それに加えて新法には、送配電会社は自分の利益が不当に害される場合や経済産業省が省令で認める場合には、FIT電気の買取義務を免れる、という条文を入れている。これは許されないのではないか。上記(1)で指摘した「接続義務からの解放」と併せて、この「買取義務からの解放」は、FIT制度(再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度)の根幹を形骸化させ、再生可能エネルギーの普及推進に大きくブレーキとして働くに違いない、「悪意のある」法制化である。これは直ちに撤廃されるべきである。FIT電気は、とにかく優先接続・優先買取が基本である。

 

更に、FIT電気の買入に係る情報の差別的取扱の禁止や目的外利用の禁止が文字通り実現するか、あるいはまた、別途創設された「電力・ガス取引監視等委員会」が、その期待される役割や使命が適切に機動的に果たされるかどうかも、新法の規定だけからははっきりしないところである。特に、電力市場においては、経済力が圧倒的に大きい地域独占の大手電力会社の振る舞いについては、ルール違反の際の厳しい罰則も含めて、その独禁法的な規制強化が強く望まれるところである。

 

8.補足:国会審議時における共産党の修正案

 共産党の修正案の内容について、この法令解説には次のような記載がある(P89)。注目しておくべきだと思われる・

「優先接続の義務付けを行うこと、一般送配竃事業者の系統拡張義務を新設し、接続保留の問題を起こさないよう、系統増強を始めとした措置を講ずること、入札制度をあくまで試験的・限定的な導入にとどめ、大規模太陽光発電のみを対象とすること、一般送配電事業者への系統拡張義務付けに伴う国民負担の軽減と、原発から再エネへの転換を図るために、電気料金に上乗せされている電源開発促進税を再エネ設備の設置や系統増強費用に充てること、再エネ電気の利用拡大に係る財源について速やかに検討を行い、所要の措置を講ずるものとすること等を内容としている。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

以上、概略的に述べてきましたが、書ききれていない論点も多いので、みなさまには、ぜひ原本を入手の上、ご覧になられることをお勧めいたします。とにもかくにも、再生可能エネルギー普及推進の遅れを取り戻すためには、優先接続・優先買取(つまり安定買取・設置コスト負担軽減の確保)と、再エネ事業の継続的安定を確保できる買取価格設定でなければならないことは自明ですが、このことがこの新法解説からは読み取ることができませんでした。そして新聞情報などでは、地域独占の大手電力会社の恣意的な系統運営によって、地域の再エネ事業者が翻弄されている様子もうかがえることから、この新法では日本の再生可能エネルギー事業の更なる発展は難しいのではないかと直感的に感じました。つまり、経済産業省・地域独占大手電力は(妙な屁理屈を付けて)再生可能エネルギー普及の妨害をやめよ、ということです。

草々

 

 

« 本日(9/11)のいろいろ情報です:(1)(報告)安倍9条改憲NO!全国市民アクション 9.8キックオフ集会、(2)反省しないアベ自民 (3)二手に分かれて自民補完へ向かう様相の前原・民進党 他 | トップページ | 福島第1原発事故の真相がまた一つ明らかとなった:2号機の圧力抑制室(S/C)下部が地震の揺れで損傷し、大量の水漏れを起こしていた(田辺文也 岩波月刊誌『世界 2017.10』論文より)他 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 本日(9/11)のいろいろ情報です:(1)(報告)安倍9条改憲NO!全国市民アクション 9.8キックオフ集会、(2)反省しないアベ自民 (3)二手に分かれて自民補完へ向かう様相の前原・民進党 他 | トップページ | 福島第1原発事故の真相がまた一つ明らかとなった:2号機の圧力抑制室(S/C)下部が地震の揺れで損傷し、大量の水漏れを起こしていた(田辺文也 岩波月刊誌『世界 2017.10』論文より)他 »

最近の記事

無料ブログはココログ