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2017年6月17日 (土)

放射線被曝の生物及び人体への影響は、DNA(遺伝子破壊)のみならず、その遺伝子の働きを制御しているエピジェネティクス(エピゲノム)への影響を語らずしては話にならない

前略,田中一郎です。

 

別添PDFファイルは、下記の文献『エピジェネティクス革命』(ネッサ・キャリー著:丸善)のごく一部を切り取ったものです。

 

●エピジェネティクス革命 世代を超える遺伝子の記憶-ネッサ・キャリー/著 中山潤一/訳 (丸善)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033310383&Action_id=121&Sza_id=B0

 

いずれも、その図をご覧ください。


(1)「epijene1.pdf」をダウンロード
(2)「epijene2.pdf」をダウンロード

(3)「epijene3.pdf」をダウンロード

(4)(あとがき)「epijene4_atogaki.pdf」をダウンロード



(別添PDFファイルその1)は、生物種のゲノムの量(DNAの情報量)の比較をしたものですが、いわゆる遺伝子と言われるたんぱく質をコードする「コードDNA」ではなく、たんぱく質をコードしない「NONコードDNA」の数の多さが生物の複雑性(高度さ)と相関しているのがわかります。つまり、人や哺乳類などのいわゆる生物学的な高等動物は、「NONコードDNA」がつくりだす「NONコードRNA」による生命秩序維持の複雑系が決定的に重要であることを示唆していると言えます。

 

通常、遺伝子の発現は、「コードDNA」(遺伝子)が「mRNA」(メッセンジャーRNA)をつくりだし、そのmRNAがリボゾームという細胞内のたんぱく質製造工場に行って、予定されたたんぱく質をつくる、という形で実現していきます。

 

その場合、細胞内の生化学反応により上記の遺伝子の発現がコントロールされている生命現象をエピジェネティクス(エピゲノム)というのですが、そのエピジェネティクスは、

 

(1)DNA自体にメチル基やアセチル基といったわずかな化学変化が起きて、遺伝子の発現がコントロールされる(ON・OFF調節)

 

(2)「コードDNA」(遺伝子)⇒「mRNA」(メッセンジャーRNA)のmRNAに対して、「NONコードDNA」がつくる「ncRNA](NONコードRNA)が作用して、そのmRNAがたんぱく質をつくるかどうかをコントロールしていること。中でもncRNAのなかmiRNA(マイクロRNA)が大きな役割をしていること

 

(3)更に、「コードDNA」が作り出したたんぱく質(例えば各種酵素)そのものが、今度は遺伝子制御(直接またはRNAを通じて)に関係している(触媒作用として働く=アクセル役・ブレーキ役両方あり)

 

などの面があり、非常に複雑な制御系を形成しているのです。

 

(別添PDFファイルその2)は、上記(2)の具体例を示すもので、mRNA(メッセンジャーRNA)の「コードされない部分」に「miRNA」(マイクロRNA)がくっついて、mRNAの働きを止めたり動かしたりしていることが説明されています。

 

また(別添PDFファイルその3)は、こうした「miRNA」(マイクロRNA)の働きが生物の体全体に及ぼす影響が決して小さくないことを示す一例です。

 

上記で書いたことは、人間を含む地球上のあらゆる生物の体内で起きている生理現象・生化学現象のほんの一部ですが、こうしたいわば生命の複雑系に対して、ここに恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)が入ってきたときにどうなるかは、今のところ想像するしかありません。しかし、どんなドシロウトであろうとも、このミクロの世界に、巨大なエネルギーを持った放射線がひっきりなしに集中的に照射され(内部被曝)、また、その影響で悪質な活性酸素なども創られてしまって、それが生物の細胞に悪さをするとすれば、大変なことになりそうだということは容易に見て取れるでしょう。

 

DNAが切断されても修復できるから大丈夫、などという、まったくもってアホらしい、幼稚極まる似非科学の屁理屈が、全く通用しないのだということは、上記をちょっとご覧いただくだけで容易にご理解いただけると思います。

 

このエピジェネティクスの本ですが、もちろん専門書ではありません。詳しくは別添PDFファイル(4)の「あとがき」をご覧いただきたいのですが、原著は2011年、つまり今から6年近く前に出た一般向けの生物科学解説書だということです。つまり決して最先端ではありません。

 

こうした書物にふれるにつれ、今日の日本の放射線被曝の科学、ないしは放射線防護学・放射線生物学などの学問・研究分野が、いかにレベルが低く、かつ似非科学と化しているか、間接的ながらよく見て取れるということです。たとえば放射線被曝の世界でも、もう10年以上も前からエピジェネティクス現象として「ゲノム不安定性」や「バイスタンダー効果」などが注目されていますが(チェルノブイリ原発事故の事後フォローの中から出てきたもの)、これについて、国際放射線防護委員会(ICRP)を含む原子力ムラ・放射線ムラ・国際原子力マフィアの似非科学者どもがまともな説明をしたことは一度もないどころか、そもそも研究を進めているのかどうかも定かではありません。

 

簡単に言えば、1950年代水準の、いわゆる遺伝子発見当時の「セントラルドグマ」水準で知能の発達が止まり、もっぱら科学の使命である真実の探求・実証的研究を棚上げにして、核ビジネス・核兵器産業の妨げにならないように放射線被曝の悪影響をただただ過小評価・矮小化・歪曲のための屁理屈づくり=言葉遊びに全身全霊をささげてきたのが、国際放射線防護委員会(ICRP)を含む原子力ムラ・放射線ムラ国際原子力マフィアの似非科学者どもだということです。

 

こんなものがいつまでもはびこるわけがありません。

彼らはいずれ滅び去り、歴史的に糾弾されることになるでしょう。

 

問題は、それが遠い未来のことでは、それまでにたくさんの犠牲者が出てしまうということです。

全ての科学者は、自身の存在を賭して、この似非科学と闘っていただきたい。そして、この嘘八百の似非科学をスクラップし、真実に基づく被ばく科学を確立していただきたい。言い換えれば、この悪質極まる巨大悪と闘わないような科学者は、およそ科学者とは言えない、ただの御用人間だということを意味します。

 

ともあれ、みなさまにもこの本を、お読みになられることをお勧めいたします。

草々

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