新エネルギー戦略について(以前にお送りしたものに更に加筆修正しました)
前略,田中一郎です。
新エネルギー戦略について、以前にお送りしたものに更に加筆修正しました。
<別添PDFファイル>
(1)石炭火力発電 相次ぐ計画中止、CO2対策重荷に(東京 2017.6.4)
「sekitankaryoku_tokyo.pdf」をダウンロード
(2)発電「ガス・再生エネ」2強時代 原子力苦境に
<関連サイト>
(1) 日本のエネルギー情勢|よくある質問とその答え|資源エネルギー庁
http://www.enecho.meti.go.jp/about/faq/001/
(2)もっと知りたい石油!! Q&A
http://www.paj.gr.jp/about/data/sekiyunoQA.pdf
(3)天然ガスの基礎知識|国際石油開発帝石 [ INPEX ]
http://www.inpex.co.jp/museum/01/01.html
(4)広報誌特集:今こそ考えたい石炭と地熱発電の現在そして未来
~石炭編~ - 石油と並ぶ重要なエネルギー資源 資源ライブラリ JOGMEC
http://www.jogmec.go.jp/library/contents11_02.html
(5)ガスエアコンのガス代・仕組み解説 電気エアコンとの違いは リキュー
(私は「地球温暖化説」を信用しておりません。しかし、他方では、CO2などのいわゆる「温暖化ガス」の継続的大量排出を伴う産業社会に対しては反対します。まずもって、こうした事態は「酸性雨」「海洋の酸性化」など、取り返しのつかない環境悪化につながっていくと考えるからです。資源の制約もありますし、ゴミ問題もあります。従って、全世界でCO2他の「温暖化ガス」排出削減の取組は必要であると考えています。しかし、そうしたこと以上に、放射能と放射性廃棄物を大量に生み出し、被ばく労働を必要不可欠としている、危険極まりない原発・核燃料サイクルは、絶対にダメだ=「地球温暖化」を口実に原発や核燃料サイクルを推進するなど本末転倒だ、と考えています。以下の各項目はそうした考えのもとでの結論です)
(1)当面の電力エネルギーの主力は再生可能エネルギーではなくて、天然ガス・コジェネ・オンサイトの中型電源です。コンバインド・マイクロガスタービンなどの最先端技術を使い、発電のエネルギー効率を60%まで引き上げ、残り40%をできるかぎり多く熱供給に使うというやり方です。これをまず都市部を中心に普及させなければなりません。電気を使う場所で発電をする分散型電源、というのが「オンサイト電源」です。
(2)原発・核燃料サイクルは即時廃棄=但し、有償です(電力会社から国が買い取り)。原発や核施設は、安全性もなければ、安定性もなく、経済性もなく不効率で、合理性も倫理性も民主性も持続可能性も循環性もなく、クリーンどころか大量の放射性廃棄物を生み出す「危険な汚物の塊」であり、およそすべての「悪」が凝縮したようなエネルギー源です。廃炉や放射性廃棄物などの事後管理を含めて中長期的に見た場合、原発・核燃料サイクルのエネルギー収支はマイナスの可能性が高く、果たしてエネルギー源と言えるかどうかも疑問です。核燃料サイクルは、更にそれに加えて、核兵器製造への転用が可能な危険な「戦争併用電源」であるとも言えます。
(3)石炭火力は、まず、老朽化した不効率な発電所をただちにスクラップすることが肝要です。上記(1)または(4)~(6)(再エネ)の電源への切り替えを補助金付きの国家事業として大規模に展開していくべきでしょう。新型石炭火力は、石油や天然ガスと合わせて、森林吸収源その他の地球資源が吸収できる範囲内で許容ですが、あまり大規模なものは抑制的な対応をすべきです。分散型電源時代に逆行するからです。二酸化炭素排出電源で最もよくないのが老朽化石炭火力です。一気には減らせませんから、少しずつ減らしていくというイメージでいいと思います。無理して「炭素ゼロ」は感心しません。それから、石炭火力ではCO2以外にも、SOxやNOxなど、その他の有害物質も排出されますから、環境汚染に対しても厳しい監視が必要です。
(私は排出量取引には反対ですが、いわゆる環境税・炭素税には賛成です。排出されるCO2のみならずSOxやNOxなどの大気汚染物質・環境汚染物質に対して課税する政策は、かなり長い経過措置として採用すべきだと思います。徴収した税金は環境にやさしいエネルギー源に対して投じられ、エネルギー関連トータルでニュートラルな課税体系にしておくべきです)
(4)再生可能エネルギーは、立地場所や設置の仕方をよく検討して徐々に徐々に増やしていくべきです。メガソーラーや低周波公害を出す風力、温泉を枯らしてしまう地熱などは使いません。再生可能エネルギーなら何でもいいというわけではありません。但し、政府や自治体は、この再生可能エネルギーの普及推進について、積極的に、かつ世界に遅れをとった現状を返上する勢いで、ボトムアップ型のパワーも活用しながら活発に取組むべきです。この再生可能エネルギーによるエネルギー革命が日本経済の在り方を変えて行くことになります。地域振興や地域社会の在り方も含めて、もっとちゃんと考えて、将来設計すべきです。
(5)水力発電は、まず大型ダムは老朽化したものから基本的に撤去します。新たなダムの建設はしません。現在工事中のものも含めて全て、徐々にですが、やめていきます。水の利用(量の確保)とのバランスを考慮するとともに、治水は堤防など、ダムではない方法で行います。他方、小型の地産地消型水力は、どんどん増やします。
(6)バイオマス発電は「ご当地電力」(地産地消)として積極活用ですが、間伐材などの木質素材を「温暖化ガス排出低減」などとして石炭火力の燃料にしてしまう(石炭に混ぜて燃やす)ことには賛成できません(もったいない)。木質資源は、それにふさわしい使途をきちんと開発してカスケード利用すべきです。また、福島第1原発事故で放射能に汚染された森林では全ての林業・木材業をやめること=つまり放射能汚染森林の木材は使わないということです。
(7)電力自由化は、送配電網の会社を「所有分離」し、その運営を民主化して公正なものにしなければいけません。現在のように、送配電会社が地域独占の大手電力会社と経済産業省の支配の下にあるのはダメです。ましてや、福島第1原発事故の後始末費用を送配電網を使って託送料金として徴求するなど、絶対に許されることではありません。
(8)電力自由化とエネルギー革命は、電力の供給サイドだけの革命ではうまくいきません。電力やエネルギーの消費サイドの抜本改革も同時並行で実施されていかなければならないのです。具体的には、地方分権・分散・自治のネットワーク型社会の形成と、ビジネススタイル・ライフスタイルの転換、そして産業構造の転換により、重厚長大型の大量生産・大量消費・大量廃棄経済社会を切り換えていくということです。いわゆる貿易自由化も含めて、市場原理主義的政策は絶対にダメです。
(9)エネルギーは電気エネルギーだけではありません。中でも大きいのは「熱エネルギー」の利用です。エネルギー戦略は電気のことだけでなく、すべてのエネルギーについて、戦略的にスマートに考えるべきです(例:太陽光エネルギーは電気だけでなく熱としても利用する。電気を熱として利用することをやめる(きわめて不効率)=オール電化の禁止など)。
(10)別添の資源エネ庁のグラフによると、電源エネルギーと全エネルギーとを比べて決定的に違うのは「石油」の使われ方です。石油需要の大半を占めているのは自動車と化学工業と思われます。いわゆる「クルマ社会」からの脱出と公共交通の再拡充や、プラスチック・塩化ビニルなど化学製品の使いたい放題の社会経済構造の見直しや化学物質管理の厳格化など、現在の産業社会の在り方見直しがエネルギー政策とは密接にリンクしています。
(11)上記を達成し、日本の明るい未来を切り開いていくためには、今日のゴロツキやゴミのような政治家たち=自民、公明、維新、民進の一部のような政治家どもを選挙ですべて落選させ、日本の政治を大きく転換しないと、その実現はおぼつきません。政治を変えることが、危機の時代の日本の「生き残り戦略」なのです。妥協したり、無関心でいたり、いいかげんな政治選択をすれば、ひょっとすると日本は滅ぶかもしれません。日経記事にあるように、日本が世界のエネルギー革命から取り残されている最大の原因は(自公政権の)政治にあります。政治こそが諸悪の根源です。
草々
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