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2017年2月 3日 (金)

原発・放射能 必見・必読集(1):これから少しずつお送りいたします、ゆっくりじっくりご覧ください(今回は 『週刊東洋経済』特集8回、『実録FUKUSHIMA』(岩波)その1、滝谷紘一さん です)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

これから幾度かに分けまして、昨今の原発や放射能に関する文献や私のレポートのうち、是非ご覧いただきたいものを少しずつ皆様にお送りしたいと思います。その多くは(私が書いたものを除き)、日頃、私の知人・友人・各分野の先生方よりお送りいただいたもの・書いていただいたものが大半です。ボリュームは決して小さくありませんので、すべて読み通していただくには少し時間がかかるかもしれませんが、是非、ご一読いただければと思っております。今日の日本はアベ自公政権が復活して以降、その転落の速度を速め、出鱈目の積み重ねの上で「滅亡」の危機が目に見えてきておりますが、中でも原発・核施設の危険性の問題は、最も焦眉かつ緊急に始末をつけなければいけないものと心得ております。

 

危機の時代に入った日本の脱原発の市民運動・社会運動は、特に日本を二度と立ち直れないほどの放射能汚染地獄に導くかもしれない原発・核施設(核燃料サイクル)の廃棄をどうやって進めていくのか、詳細な工程表(ロードマップ)をつくるべき時に来ております。単に「再稼働反対」や「脱原発」を叫ぶだけでなく、政権交代を含む脱原発の進むべき道を明らかにし、政権交代後は具体的にどのように脱原発に着手していくのか、いくつかの新法の制定も含めて、その「着手項目と順序」を明確にしておく必要があるのです。仮に政治的な力学で、その工程表(ロードマップ)の通りに物事が進まなかったとしても、その脱原発の市民運動・社会運動が策定した「工程表」(ロードマップ)は、政権が選択した政策を評価する際の「ベンチマーク」(標準的な物差し)となり、時の政権に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。それでいいのです。

 

これからお送りする「原発・放射能 必見・必読集」は、そうした工程表づくりに必要不可欠な情報としてご覧ただければと思います。もちろん、定評のある市販の関連図書や文献もまた、お送りする情報と併せてご覧いただければ幸いと考えております。さっそくです、第1回目の今回は、次の3つをお送り申し上げます。よろしくご参照ください。

 

1.『週刊東洋経済』「原発 最後の選択」(2016.102017.1 計8回)紹介サイト

 昨年10月から、『週刊東洋経済』が「原発 最後の選択」という特集を組み、全部で8週にわたって充実した内容の記事を掲載しています。私が見た限り、瞬間風速的な情報として必読だと感じました。下記にその紹介サイトをご案内いたします。過去の『週刊東洋経済』については、図書館で借りてコピーしたり読んだりすることができます。別添PDFファイルには、このシリーズの(7)と(8)を添付しておきました。(7)については、最終ページの東海再処理工場(廃炉決定済み)の後始末と高レベル放射性廃液の超危険性、(8)については、文部科学省の「地震調査研究推進本部(推本)」が熊本地震の教訓を踏まえ地震の強震動予測手法(レシピ)を改正した旨の記事(⇒ 入倉・三宅式に基づく基準地震動の過小評価がはっきりした)が特に注目事項です。(今週号の『週刊東洋経済』及び『週刊エコノミスト』も必読記事を掲載しています。下記に併せてご紹介しておきます)

 

(1)【緊急連載 原発最後の選択】−−原発最後の選択1 国民に8兆円の請求書 - G-Search ミッケ!

 http://mikke.g-search.jp/QTKW/2016/20161022/QTKW20161022TKW009.html

(2)【緊急連載 原発 最後の選択】−−未完の原子炉の終焉 原発 最後の選択2−−30年にわたる難事業を完遂できるか もんじゅ廃炉の高いハードル - G-Search ミッケ!

 http://mikke.g-search.jp/QTKW/2016/20161029/QTKW20161029TKW028.html

(3)【緊急連載 原発 最後の選択】−−原発 最後の選択3−−原子力安全の重鎮が明かす 福島の教訓と今後の課題 - G-Search ミッケ!

 http://mikke.g-search.jp/QTKW/2016/20161105/QTKW20161105TKW028.html

(4)【緊急連載 原発 最後の選択】−−原発 最後の選択4−−福島第一原発 困難極める廃炉・汚染水対策 - G-Search ミッケ!

 http://mikke.g-search.jp/QTKW/2016/20161112/QTKW20161112TKW030.html

(5)【緊急連載 原発 最後の選択】−−原発 最後の選択5−−行き詰まる東電支援 - G-Search ミッケ!

 http://mikke.g-search.jp/QTKW/2016/20161210/QTKW20161210TKW025.html

(6)【緊急連載 原発 最後の選択】−−原発 最後の選択6 −−故郷(ふるさと)喪失、賠償打ち切り さまよう被災者 - G-Search ミッケ!

 http://mikke.g-search.jp/QTKW/2016/20161217/QTKW20161217TKW025.html

(7)(別添PDFファイル)【緊急連載 原発 最後の選択】−−原発 最後の選択7−−混迷する核燃料サイクル - G-Search ミッケ!

 http://mikke.g-search.jp/QTKW/2017/20170114/QTKW20170114TKW028.html

(8)(別添PDFファイル)【緊急連載 原発 最後の選択】−−原発 最後の選択8 最終回−−地震と原発災害 - G-Search ミッケ!

 http://mikke.g-search.jp/QTKW/2017/20170121/QTKW20170121TKW029.html

 

(田中一郎コメント)

 たとえば(7)の「迷走する核燃料サイクル」では、その最後のページに東海村の再処理工場と、そこに置かれている超危険物の高レベル放射性廃液タンクに関する記述があります。これは必読です。特に高レベル放射性廃液タンクについては、脱原発を進める側にいる人たちもよく知らない場合があり、このトンデモ危険施設については、もっともっとPRしていく必要があります。青森県六ケ所村再処理工場にある高レベル放射性廃液タンクと並んで、この東海村のタンクこそが、日本国内で最も危険な核施設です(冷却に失敗すると爆発します 高レベル放射性廃液が飛び散り、日本の東半分は壊滅です)。何といっても、あの原子力規制委員会でさえもが「危ない」というのですから、相当に危ないのです。下記は旧ソ連で実際に起きた高レベル放射性廃液タンクの爆発事故です)

 

(関連)ウラル核惨事 - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%AB%E6%A0%B8%E6%83%A8%E4%BA%8B

 

 たとえば(8)では、伊方原発と泊原発について、その基準地震動の策定に大きな疑問があることや、文部科学省の「地震調査研究推進本部(推本)」が、昨年12月に「震源断層を特定した地震の強震動予測手法(通称「レシピ」)の修正を発表した旨の記載があります。後者は今後の原発・核施設に関する基準地震動の策定に大きな影響があるもので、昨年の熊本地震の経験を教訓に、より地震動予測を厳しくしたものです。1月に開催された大間原発建設差し止め訴訟(函館市提訴)の報告会で、私が原告団弁護士にこの件を質問しましたところ、裁判の中でこのことを取り上げて被告側を追及しているとのことでした。ただ、記事にもある通り、田中俊一原子力規制委員長以下、原子力規制委員会・規制庁は、この改定をきちんと受け止める姿勢になく、いつもの通り、都合の悪いことは一貫して無視するという姿勢に徹しているようだとのことでした。

 

(関連)東芝解体(『週刊東洋経済 2017.2.4』)

 https://store.toyokeizai.net/magazine/toyo/


(関連)電気代は税金となった:間違いだらけの東電改革(『週刊エコノミスト 2017.2.7』)

 https://www.weekly-economist.com/

 

2.『実録 FUKUSHIMA』(憂慮する科学者同盟:岩波書店)から福島第1原発事故の教訓を読み取る

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033342342&Action_id=121&Sza_id=B0

 

(田中一郎コメント)

 少し前に岩波書店から出版された必読の福島第1原発事故分析本です。著者は「憂慮する科学者同盟」となっていて、アメリカから見た福島第1原発事故という切り口の本です。今回以降、複数回に分けて、この本に書かれていることから、今後の原発の安全管理上の教訓や課題のようなものを箇条書きで抜き出したいと思います。その際、既に脱原発の市民運動・社会運動が取り上げていることにはあまり多くは言及せず、もっぱらあまり触れられることのないもの、ひょっとして忘れられてしまっているか気が付いていないように思われることを取り上げてみたいと思っています。

 

 原発の安全性を確保するうえで福島第1原発事故の教訓とは何か、それは一言で言えば、二度と原発・核燃料施設を再稼働しないで一刻も早く安全に廃棄処分するということですが、それでは身もふたもないので、仮に原発推進の立場に立って原発の安全規制をするとしたら、こういう点に着目する、くらいの感じで書いてみたいと思います。とりあえず、この本も含め、これまで判明したことなどから10個ばかり代表的な教訓などを書き出せば、下記のようになります。今後みなさまにお伝えすることは、できるだけ下記10項目以外のことに注力しながら書いていこうかと思っています。

 

● 活かされない原発事故の経験=進まない事故実態・原因究明、にわか作りの「新規制基準」

a.基準地震動・基準津波のゴマカシと過小評価(島崎邦彦東京大学名誉教授の異議ありを無視、熊本地震経験を無視 入倉・三宅式(海外地震)、平均値の回帰曲線使用済み核燃料、何度も強い揺れが襲うなど 熊本地震の実測に対して基準地震動は1/3以下)

b.緊急炉心冷却装置(ECCS)が機能しなかった(IC、RCIC、HPCI他)

c.使用済み核燃料プールが非常に危険(3号機核爆発疑惑を含む)

d.免震重要棟の緊急時における重要性 単なる耐震構造でOKを出す規制委

e.フィルター付きベント装置の設置を猶予など、重要安全施設の手抜き

f.水位計・圧力計・温度計などが炉心緊急時に正常に機能せず炉心状態が不明となる

g.無きに等しい炉心溶融対策(コアキャッチャー無し、いい加減な水素爆発対策他)

h.過酷事故体制未整備(技術低水準と緊急マニュアル無視、命がけ作業誰が、日常訓練他)

i.事故対応の補給体制や専用通信手段の確保

j.実効性のない「避難計画」=原発周辺住民は猛烈な放射能の中に置き去り

 

(参考)福島第一原発事故7つの謎-NHKスペシャル『メルトダウン』取材班/著(講談社現代新書)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033203896&Action_id=121&Sza_id=B0

 

(参考)メルトダウン連鎖の真相-NHKスペシャル『メルトダウン』取材班/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032938010&Action_id=121&Sza_id=C0

 

(上記2冊は、いずれもNHKスペシャル「メルトダウン」取材班が執筆したものです。福島第1原発事故の実態解明という点で、わかりやすく優れた著作の1つだと思いますが、残念ながら、そのベースが政府事故調報告に基づいており、かつ、国会事故調報告をはじめ原発に批判的な方々の議論をほとんど踏まえずに書かれていますので、私から見ますと、かなり「政治的バイアス」のかかった「舌足らず」、あるいは「君子(政治的)危うきに近づかず」のようなところが多く見られます。ですので、ご覧になる際には、常に批判的な観点をお持ちになり、他の脱原発派の方々の議論や問題提起を十分に踏まえたうえで、この著作を相対化してお読みください。下記は、私が上記を踏まえて書いたレポートですので、あわせて参考にしていただければ幸いです。

 

(参考)福島第1原発2号機で何が起きていたのか=緊急炉心却装置(ECCS)の機能不全が原子炉破綻の最大原因の一つなのに、何故、誰もこれを語らないのか!! いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/12-7b13.html

 

(参考)福島第1原発事故で非常用復水器(IC)に何が起きていたか (講談社現代新書 『福島第一原発事故 7つの謎』より):炉心メルトダウン対策を放棄する原子力規制委員会・規制庁の狂気 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-2ca9.html

 

(1)(別添PDFファイル)緊急時通信回線:実録FUKUSHIMA(一部抜粋その1)(憂慮する科学者同盟 岩波書店)

「fukushima_1.pdf」をダウンロード

 福島第1原発と東京電力本社との間ではTV画面を使う通信が確保され、いわゆる「東電TV会議」など録音録画も不十分ながら残っている。しかし、それ以外の通信手段は、電話もファックスもダメで、肝心な時に関係者間での意思疎通が迅速にできなかった(Eメールはダメだったのか? また、いったんつながった電話は切らないで、ずっとかけっぱなしにしておけば何とか用ははたせたはずだが、どうだったのか)。特に致命的なのは福島第1原発内での通信手段の確保ができていなかったことで、吉田昌郎所長以下がいた免震重要棟と、各原発の号機の中央操作室との間でさえもが通信不能となっていた。なので、作業員たちは、事故後は被ばくを覚悟の上で、原発建屋と免震重要棟の間を情報伝達のために行き来しなければならないという理不尽なことになってしまっていた(原因は停電?)。

 

 また、福島第1原発の近くに設けられていた「オフサイトセンター」(住民対策の「司令部」)は、放射能を遮断する設備もなく、その他の緊急時対応のための諸設備・諸準備もない、ただのハコモノだったために役に立たず、放射線量の値が上がったために早々に閉鎖となってしまった(ここにやって来た原子力安全保安院や福島県庁の役人、それに民主党政権の政治家連中は、早々に身の安全確保のため、福島県庁へ逃げて行ったことがわかっている。多くの福島県民が事故の実態も放射能の汚染とその危険性についても知らされずに大量被ばくをさせられている、まさにその時に、この連中は、そそくさと現場から逃亡してしまっていたということである。アジア太平洋戦争末期に、ソ連参戦を聞きつけた在満州の関東軍(大日本帝国陸軍)が、入植した日本の民間人を捨てて、我先に逃げて行った歴史的事実と像が重なって見える。関連して、現在、「福島県民健康調査」を受託している福島県立医大の連中が、自分たちとその家族だけで秘密裏に安定ヨウ素剤を服用し、そのことを県民に知らせないという「医者の風上にも置けぬようなこと」をしていたことも発覚している)。

 

 事故時における関係組織間の連絡網・通信手段の「ハード」(専用回線と独立電源)確保が必要不可欠なのは申し上げるまでもない。しかし、再稼働した西日本の加圧水型原発では、どう対応されているのだろうか?

 

(なお、「東電TV会議」の録画は、最も肝心な3/14の深夜から翌日3/15午前にかけての部分がないとか、その他の部分でも声が出ないとか、事故的に都合の悪い部分を消去されてしまった形跡がある。こうしたことを防ぐため、録画を含め、過酷事故時の記録類の管理に関しては複数の責任者制度を採用するなどして、適切な管理体制を構築しておく必要がある)

 

(2)(別添PDFファイル)水素ガス、放射能拡散情報:実録FUKUSHIMA(一部抜粋その2)(憂慮する科学者同盟 岩波書店)

「fukushima_2.pdf」をダウンロード

 1号機の水素爆発を防げなかったことが福島第1原発事故を深刻化させた、まず第一番目の理由である。その水素爆発を今後どう防ぐのかという観点から見て、注目すべき箇所にアンダーラインを引いておいたが、それを順番に見ていくと、まず吉田所長が「運転中に冷媒として水素ガスを使うタービン発電機がこの爆発に関係しているのではないか」と思ったと書かれている。水素ガスが危険なことは自明で、そんなものを冷媒に使ったタービン発電機などは原発で使用すべきではないのではないのか。次に、使用済み核燃料プールの水が干上がる・なくなる場合の問題(水素ガスが大量発生する:これは大問題)については、既に多くの人が語っているので省略。

 

 3番目に「電源がなくて計器が作動していなかったため、プールの水位や温度がわからなかった」という点も重要で、原発の計器類のような重要機器類については、独立電源をあちこちに分散型で置いておかないこと(1極集中型にしていること)が問題ではないか。加圧水型でも同じような状態のまま再稼働されていて、恐らく過酷事故時には同じことが再び起きるだろう。愚か極まりない。また、計器類については、原子炉制御の必須部品・機器である水位計や主蒸気逃し安全弁(SRV)がそもそも欠陥品であり、原発過酷事故時のように格納容器内の圧力や温度が上昇すると正常には機能しないことがわかっている。しかし、再稼働されていく加圧水型原発の計器類や安全弁などは欠陥品のままである。

 

 4番目に、仮に建屋内に水素ガスが漏れだしたとしても、建屋の壁に簡単に操作できる「ブローアウトパネル」があれば、それをオープンにして水素を外に放出すれば、とりあえず爆発の回避はできる。これは1号機の爆発で偶然にブローアウトパネルが開いた2号機建屋では水素爆発は起きなかったことからも明らかだ。すべての原発建屋に、非常時には電気を使わずに手動で開けられるブローアウトパネルの設置を義務化すべきである。(通常時は排気ファンがあって、これが換気をしているが、SBOになると電気がなくなりファンは動かない)

 

 もう一つの問題である住民の避難対策であるが、ここの記述にあるように、浪江町住民他、多くの福島県民が、政府や自治体、あるいは東京電力の出鱈目な対応のおかげで無用の大量被ばくをさせられてしまった。その教訓が今日の原発再稼働審査では全く生かされていないどころか、原子力規制委員会・規制庁は地域住民の避難対策や地域防災計画については、所管ではない・そんなものは知ったことではない・自治体で勝手にやってくれ、という背信的態度を取り続け、いわゆるSPEEDI問題も含めて放置されたままである。この状態は絶対に許されない。まずは福島第1原発事故に関連した放射線被曝について、加害者側や行政に対して巨額の損害賠償を払わせること、そしてもう一つは、住民の被ばく防護がきちんとできないうちは原発再稼働ができない旨を法律で決めてしまうことだ(さしあたり半径60km圏内のすべての自治体の承認がなければ原発・核施設は再稼働できない旨の法律を制定せよ)。原子力ムラの住民のような「下等動物」に対しては、よくないことをしたら痛い目にあわせること、そしてダメなことは罰則付きの法律で縛り付けることが必要不可欠である。

 

(みなさま既にご承知の通り、福島県民には知らされなかったSPEEDI情報(放射能拡散情報)は、真っ先に在日米軍には知らされていた(首相官邸よりも早く?)ことを絶対に忘れてはならない。加えて、当時のSPEEDI担当責任者がその責任を問われてきちんと「処分」されていないことも大問題だと考えている(文部科学省と原子力安全委員会が責任をなすりつけあっている様子)。「福島原発告訴団」は、このSPEEDIがらみの関係責任者や首相官邸にいた政治家どもを告訴・告発するつもりはないのだろうか?)

 

(3)(別添PDFファイル)SRV トーラス室 復水器:実録FUKUSHIMA(一部抜粋その3)(憂慮する科学者同盟 岩波書店)

「fukushima_3.pdf」をダウンロード

 原子炉が緊急事態になった際には、圧力容器の内圧を下げるため主蒸気逃し安全弁(SRV)を開いて(本来は自動的に開くのだが手動でも開くことができる)蒸気を原子炉株の圧力抑制室(SC:サプレッション・チェンバー)に逃がしてやり、圧力を下げたところで低圧注水系の冷却水を注入して原子炉を冷やす、これが原発運転マニュアルに書かれている対応策だそうである。福島第1原発事故時には、このマニュアル記載事項が無視され(それ自体が原子炉等規制法違反)、さしあたり必要ではなかったベントに注力をしすぎていたというのが、昨今言われ始めている福島第1原発事故対応の失敗の教訓である。

 

 その場合に一つ注意しなければいけないのは、そのSCへの蒸気逃がし=圧力低下も、何度も何度も繰り返すと次第にSCに入れてある水の温度や、SC内部自体が温度上昇・圧力上昇し、次第にその効果を低下させていくことだ。通常であればSCに導かれた熱は、その後、復水器へと誘導されて海水で冷やされ、こうしたことは起こらないのだが、福島第1原発事故の場合のように、海のそばに置かれている復水器が津波でやられてしまった場合にはどうなのだろうか。私はこれについて議論した文献を見たことがない。復水器が機能しなくなったときに、主蒸気を圧力容器から逃すという過酷事故時の必須作業が、その有効性をどこまで持つのかがよくわからない。

 

(4)(別添PDFファイル)支援体制:実録FUKUSHIMA(一部抜粋その4)(憂慮する科学者同盟 岩波書店)

「fukushima_4.pdf」をダウンロード

 これも話としては簡単なことで、福島第1原発事故の際の東京電力本店からの支援や指示などが非常にお粗末で、現場にいた吉田所長以下の現場作業員たちを相当にいらいらさせていたことである。必要物資を届ける物流手段の確保から、原子炉への対応・対策に関する指示までが支離滅裂で、現場の疲労と苦労を倍加させるとともに、福島第1原発事故を深刻化させたもう一つの大きな原因だったのではないかとも思えてならない。以前に私が見た「東電TV会議の記録」の映像の中にも、東京電力本社の中間管理職と思わしき人間が、おバカな発言をしてそれを引っ込めず、吉田所長から怒鳴られているシーンがあったように記憶する。東京電力という会社が原発を運営する能力がない=日本政府や福島県庁とともに危機管理体制が全然できていない、ということが、福島第1原発事故を契機にして浮き彫りとなったのだが、それが今日に至って抜本改善されたとは全く思えないままに原発は再稼働されている。電力トップの東京電力にしてこれなら、九州電力をはじめ、他の電力会社がどの程度の危機管理体制なのかはおのずとわかるというものではないか。

 

 危機管理体制を再構築し、実践さながらの訓練を、首相官邸や地元県庁・自治体・広範な住民を入れて繰り返せ。

 

3.(別添PDFファイル)美浜3号機蒸気発生器に耐震評価不正の疑い(イントロ部分)(滝谷紘一 『科学 2017.2』)

「mihama3_takitani_kagaku.pdf」をダウンロード
 https://www.iwanami.co.jp/book/b280147.html

 

(関連)(別添PDFファイル)高浜審査書(案).水素発生量評価についての規制委員会の考え方への反論(滝谷紘一『科学 2015.4』)

「siryoujouhousitu_takahama12.pdf」をダウンロード
 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-2ca4.html

 

(関連)(別添PDFファイル)高浜12号機の新規制基準適合性審査の開題点(滝谷絋一『原子力資料情報室通信 505 2016.7.1)』

 http://www.cnic.jp/category/cat010/cat012

 

 (田中一郎コメント)

 また、原子力規制委員会・規制庁は原発再稼働審査のゴマカシをやっているようです。高浜1,2号の時も蒸気発生器の耐震性についてゴマカシをやっていましたが、今回は美浜3号機です。いずれも運転開始から40年を過ぎた老朽化原発であり、また、加圧水型原発のアキレス腱と言われている蒸気発生器でのゴマカシですから、万が一の時にはこれが壊れて大事故につながりかねない話です。そもそも美浜3号機は、旧指針の下で基準地震動=405ガルからスタートし、その後、指針の改定などを伴いながら、405 600 750 993ガルと、まるでバナナのたたき売りのごとく、基準地震動が引き上げられてきました。しかし、それに対応して原発が具体的・抜本的に耐震強化されたわけではなく、ただただ基準地震動の引き上げに対して、原発・原子炉の方は「机上の空論」=つまり屁理屈の積み上げで対応してきたにすぎないのです。そうしたことの結果、今回、蒸気発生器について、ついにその耐震度が計算上も不合格となるところだったのですが、なんと、原子力規制委員会・規制庁は、基準の方を細工して(具体的には、福島第1原発事故後に「にわか作り」で策定した新基準でも旧基準でも、どちらでもいいとした上で、その新基準について、その後の基準のアップデートをしないまま放置し、老朽化して危険極まりない状態になっている蒸気発生器でもOKが出るようにお膳立てしたということです)審査をパスさせるようなマネをしています。こんなことは規制当局のやることではありません。

 

 著者の滝谷紘一さんは「滝谷氏は、川崎重工業(7012.T)の原子力研究開発関連部門で長年、技術者として勤務し、高速増殖炉「もんじゅ」のプロジェクトにも出向。旧安全委(2012年9月廃止、原子力規制委員会に移行)には、茨城県東海村JCO臨界事故(1999年)を機に民間技術者として加わり、2000年から08年まで技術参与を務めた。引退後に発生した東京電力(9501.T)福島第1原発事故を受け、「贖罪の思いで」(滝谷氏)で原子力に批判的な有識者グループに加わった」(下記サイト参照)という経歴の方で、今日的な情勢の下、とても貴重な発言を続けて下さっています。先般は、高浜原発に関して、格納容器内の水素爆発の可能性審査その他について、原子力規制委員会・規制庁がゴマカシをしている旨の論文を、同じく岩波月刊誌『科学』(20154月号)、及び原子力資料情報室通信(2015.7.1 NO.505)に載せておられました(別添PDFファイル)。他にも、加圧水型原発での水蒸気爆発の可能性なども指摘され、ご経験を生かした貴重な発言が注目されています。みなさまには滝谷紘一さんの発言にこれまで以上にご注目をお願い申し上げます。

 

(関連)インタビュー:原子力規制委の審査「厳正でない」=元安全委技術参与 ロイター

 http://jp.reuters.com/article/kbn0fx0hi-idJPKBN0FX0HJ20140728

草々

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