ロシア革命100周年:「戦争と革命の世紀=20世紀」を先導した大事件・ロシア革命の見直し=今こそロシア革命の5W・1Hを多面的なアングルから再検証・再評価いたしましょう
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
(最初に若干のこと)
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1.イベント案内:レイバーネット(市民運動・社会運動のイベントはこのサイトをご参考に)
http://www.labornetjp.org/EventItem
(関連)イベント告知用 入力サイト
http://www.labornetjp.org/domail
2.キャンペーンについてのお知らせ · (新署名)防衛装備庁に「安全保障技術研究推進制度」の廃止を要請するとともに、全国の大学・研究機関に本制度に応募することのないよう求める要望書(第一次署名集約2017年2月28日) · Change.org
3.3―12(日)震災から6年「知ってほしい、あなたのそばにいる避難者のこと」|日本生まれの国際NGO AAR
Japan [難民を助ける会]
4.韓国:潘基文氏 大統領選は不出馬 - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20170201/k00/00e/030/274000c?fm=mnm
(関連)韓国大統領府、強制捜査を拒否 「国家機密がある」
(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170203-00000073-asahi-int
(どうもパククネは態度が悪いようですね。慇懃無礼・二枚舌?:田中一郎)
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今年2017年はロシア革命からちょうど100周年目になります。先般、原発の集会で作家の広瀬隆さんとお会いしたので、広瀬隆さんの近著『ロシア革命史入門』(下記参照)について少しお聞きしたところ、今年が100周年になっていると告げられ、そういえば、と「自覚」した次第です。ネットの図書検索をしてみますと、岩波書店から新書と現代全書で1冊ずつロシア革命についての新刊本が出版されていて、これから他の出版社からも、少しずつロシア革命に関する新刊本が出てくるような気がします。何といってもロシア革命は、「革命と戦争の世紀」と言われた20世紀を先導した世界史的な一大事件でしたから、その重要性は申し上げるまでもないでしょう。
私が買ってきた岩波新書の『ロシア革命』(池田嘉郎東大大学院教授著:まだ読んでおりません)の巻頭解説によると「これまで革命の障害のように見なされてきた立憲主義者・自由主義者らの奮闘に光をあて、新たな社会を模索した人びとが当時に賭けていた思いや挫折を描く」とありますので、簡単に言えばボルシェビキに対抗して「反革命」を貫こうとして滅ぼされた勢力を見直してみようという小書と言えるのでしょう。私はこの当時のロシアの立憲主義者や自由主義者なんぞは全く信用していないので、この岩波新書についてはあまり期待はしておりませんが、まあ、これまでとは違うアングルでのロシア革命史ということで、読んでみようかなと思っているところです。
(関連)ロシア革命 破局の8か月-池田嘉郎/著 本(岩波新書)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033545453&Action_id=121&Sza_id=B0
私はむしろ、別添PDFファイルにある歴史学者(ロシア史・朝鮮史)和田春樹氏の「回想録」記事にある「(ロシアに)長期滞在中の僕のテーマはナロードニキ革命家の生涯を描くことでした」とある部分に注目します。これまでロシア革命の正義はレーニンの率いるボルシェビキにのみあり、という「正統ロシア史観」があまりにも強すぎ、1917年の10月革命でボルシェビキに退けられたナロードニキやエスエル(社会革命党)に代表されるロシアの伝統的な左派・改革派の動きなり思想なりが、今日でも十分には把握されていないのではないかという直感を持っています。また、同じ社会民主党からボルシェビキ(多数派)とたもとをわかち、分かれた勢力であるメンシェビキ(少数派)の動きについても同様で、1917年ロシア革命の際のヒーローだったトロツキーなどは、当初はメンシェビキに属して活躍していました。ですので、私は仮にこの100周年でロシア革命の見直しがなされるとするのなら、その一つには、ナロードニキやエスエル、メンシェビキなどの非ボルシェビキ改革派勢力とその中心的活動家に焦点をあてたものを提供していただけないかなと期待しています(特に和田春樹氏には)。
(関連)人生の贈り物 わたしの半生:和田春樹(8)
「解放」と「強権」、せめぎあうロシア(朝日 2017.2.1 夕刊)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12776517.html
そして、ロシア革命を再度、多面的な観点から再検証し、今日の我々が置かれた日本の状況とも対比しつつ、ボルシェビキを含む当時の革命家たちの行動や考えのどこがどうだったのか、再度、その評価をし直してみることが重要かなと思っています。言い換えれば、100年前のロシアでの革命を現代の目で見直して、当時の革命家や政治勢力の「5W・1H」(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、そうしたかを問い、それをどう評価するか(HOW))を再考するのです。もちろん当時の時代的制約=歴史的位相を念頭に置いた上でですが。
(関連)ロシア革命史入門-広瀬 隆 著 本(集英社)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033558849&Action_id=121&Sza_id=C0
上記の広瀬隆さんの新作はまもなく発刊されます。原発集会で広瀬隆さんからうかがったお話によれば、広瀬さんは、今、世界現代史上で起きた重大事件を再度調べなおし整理しています、ということで、まもなく近未来にその集大成としての「広瀬・現代世界史」が日の目を見るかもしれません。みなさまは広瀬隆さんと言えば「反原発・脱原発」の第一人者と思っておられるかもしれませんが、実は広瀬さんは、もう一つの顔の「歴史作家」という、原発とともにこれまで素晴らしい著作を産生してこられた得意ジャンルをお持ちなのです。下記の図書検索で広瀬隆さんの過去の著書を調べてご覧になるといいのですが、たとえば「持丸長者三部作(明治・大正戦前昭和・戦後昭和)」などは最高傑作の歴史書であり、みなさまのお子様には文部科学省の教科書などは捨てさせて、この広瀬さんの著書を読むようになさるといいのではないかと思うくらいです。海外モノについては、たとえば「赤い楯(ロスチャイルド家)」の名著があります。
そんなことで、広瀬隆さんのこのロシア革命に関する新著は乞うご期待ですが、私との雑談の中で広瀬さんは次のようなことをおっしゃっていました。すなわち「ロシア革命というのは、そもそもは戦争(第一次世界大戦=対ドイツ・オーストリア戦争)反対の運動だったこと、そして、その運動の担い手の中でもロシア軍の一般兵士たち(大半が貧農出身)こそが戦争に強く反対をし、敵陣へ突っ込めと命令を下す貴族出身の将校たちに銃を向けはじめて反戦運動から革命へと発展していったことが大きな注目点です」
このお話を今日的な情勢の中で鑑みれば、アベ・ツァーリ政権下で、日本のためにではなく、アメリカのために命を賭して、遠い地球の果てまで行って戦争をして来いという、まったく理不尽極まる今日の政府の戦争政策に対して、ひょっとすると大ケガをしたり命を落としたりするかもしれない自衛隊員の中から「反戦・反アベ・反自民」の大きなうねりが出てきてもおかしくない、ということを意味します。今、そのような動きは少なくとも表面化しておりませんが、その辺のことをどう見ていくのか、広瀬さんの新著を拝読しながら、ゆっくり考えたいなと思っているところです。
ところで、ロシア革命史については、みなさまにはぜひともお勧めしたい本(といっても、1970年代に出版された本でかなり古いですが)を下記にご紹介します。これはポーランドのトロツキスト=アイザック・ドイッチャーという人が書いた「トロツキー伝三部作」です。これが非常に面白いのです。当時、ロシア史をレーニン・スターリンの正統派に注目して書いていた歴史家にE・H・カーというイギリスの学者がいます。レーニンのカー
VS トロツキーのドイッチャーと言われ、2人は当時はよく比較されたものです。しかし、このE・H・カーの書いたものは極めて無味乾燥で面白みがなく、少し読んでいると眠ってしまいそうになるくらいに変化や抑揚もなく、論文調で書かれた歴史書そのものです。それに対して、このI/ドイッチャーのトロツキー伝は、まさに生き生きとした(トロツキーを中心に置いた)人間ドラマとしてのロシア革命史なのです。
私はこれを1980年代初頭の、まだうら若き青年(いや「半おやじ」だったかも?)だったころに読みました。当時はとある会社の渉外担当(セールスマン)で、毎日、会社の車で商売道具を山ほど抱えてあちこちを飛び回っていたのですが、たまたまこの本を手に入れて読み始めてからというものは、この読書に夢中になり、仕事をサボっては車をとある神社の駐車場において、その車の中で夢中になってむさぼり読んでいたことを思い出します。そしてそんなある日、ソ連共産党書記長のアンドロポフが死去したというニュースが車のラジオから流れていたのを、何故かはっきりと覚えているのです。結局、この本は3冊とも、トロツキーがメキシコでスターリンが放った刺客にピッケルで脳天を突き刺されて暗殺されるまで、一気に読み通してしまいました。
ロシア革命が成功した後、革命戦争が続き、戦時共産主義の下でトロツキーが赤軍の総司令官として大活躍をし、国民的英雄となる、そのあと、まさに政治的にはおろかにも、スターリン一派との権力闘争に牧歌的に臨み過ぎて、やがてロシアを追われる身に転落していく、そうした大きな流れの中でのトロツキーや、その周辺のロシア革命の大役者たちの動きが克明に記載されていたように思います。
今やこの本は、古本屋か図書館でしか手に入らないでしょうが、ぜひ、みなさまにもご一読をお勧めしたいロシア革命史の3冊です。
(関連)トロツキー伝三部作 〔1〕-アイザック・ドイッチャー/著 田中西二郎/〔ほか〕訳 本・コミック : オンライン書店e-hon
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000018652595&Action_id=121&Sza_id=D1
(関連)トロツキー伝三部作 〔2〕-アイザック・ドイッチャー/著 田中西二郎/〔ほか〕訳 本・コミック : オンライン書店e-hon http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000018652596&Action_id=121&Sza_id=D1
(関連)トロツキー伝三部作 〔3〕-アイザック・ドイッチャー/著 田中西二郎/〔ほか〕訳 本・コミック : オンライン書店e-hon http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000018652597&Action_id=121&Sza_id=D1
草々
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<追>
1.朝日新聞の連載記事が面白い
下記の3つがなかなか面白いです
(1)(別添PDFファイル)人生の贈りもの 私の半生:歴史学者
和田春樹(1)難航する隣国との課題に向き合う(朝日 2017.1.23 夕刊)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12761764.html
(2)(別添PDFファイル)救われず71年、空襲、見捨てられた民(21)(27)(朝日 2017.1.31 夕刊)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12774741.html
(田中一郎コメント)
ちょっと余談ですが、上記(27)には次のようなことが書かれています。
「杉山は自伝で戦後50年当時の護憲大会について書いている。このころ、時のテーマはすでに、強制連行や従軍慰安婦問題がメインになっていた。旧社会党の女性参院議員が「彼女たちの人権が……」と壇上で言及した。すると、全国戦災傷害者連絡会の仲間が立ち上がり、「先生、私の人権はどうなってますか。20歳を過ぎたところでこんな姿にされて」と言って服をめくり、ケロイドだらけの手足を見せ、「あたしたちの人権はないんですか」と泣き出した。大会では事前に空襲関係の発言は止められていたといい、杉山が抗議する一幕もあった。杉山に同じ戦争の苦しみをなめた慰安婦への共感がないわけはない。でも自分たちが捨て置かれる事態は許せなかった。」
「(戦後50年当時(1995年)の護憲大会⇒)大会では事前に空襲関係の発言は止められていたといい、杉山が抗議する一幕もあった」とは、いったい何なんでしょう? 当時もこうした左翼系の「護憲大会」などでは、こういう「大会づくり」のための裏工作がなされ、主催者側の気に入らない、主催者側の方針に合致しない、ボトムアップ型で出てくる一般市民の動きに対し、陰湿にも「ツブシ」行為を行っていたということなのでしょうか。私も3.11以降、多くの市民運動・社会運動に参加してみて、この記事にあるような、視野狭窄型で、他人を統制することが大好きな、統一美・団結美を何よりもこよなく愛する人士に何人もお会いし、私の言論活動を妨害されています。その愚かさと傲慢さにはあきれるばかりですが、ひょっとするとそれは、こうした一部の既成左翼たちの「悪しき伝統」なのかもしれませんね。ちなみに「統一美・団結美を何よりもこよなく愛する」などというセンチメントは、ナチスドイツやスターリニズムと紙一重であることを付記しておきましょう。みなさまも、そのような人間達が牛耳るような市民運動・社会運動は、避けて通るように心掛けて下さればと思います。(そんな連中がアベ自民党にとって代わっても、世の中はちっとも気持ちよくなりませんから)
(3)(林彪事件をたどって2:6)毛が「山を下りる」会議は一転:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/DA3S12761813.html
(このシリーズもなかなか興味深いです。今やマオイストといえば、フィギアスケートの浅田真央さんのファンクラブでしょうが、私の若いころは、マオイストたちは、「赤く、もっと赤く、マオ語録を熟読して、もっと赤く」などと、大騒ぎをしておりました。毛沢東はもうたくさん(毛沢三)、という便所の落書きを私は大学で見た記憶があります。そんな時代ははるか昔のことになりましたが、しかし、今日の中国でも、この林彪事件の真相は容易にはわからない=調査できない状態が続いているようです。中国がまともで普通の国になれるかどうかは、この林彪事件を歴史的事件として「突き放して」真相究明できるかどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう:田中一郎)
(4)(新聞と9条:401)平和主義の国で:1:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/DA3S12776469.html
2.現代の肖像:白井聡(イントロ部分)(『アエラ 2017.2.6』
3.集団的自衛権の想定問答、内閣法制局 一転、開示(東京 2017.1.20)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017012002000114.html
http://www.asahi.com/articles/ASK1L7J74K1LUTFK017.html
(一刻も早く、この「六法破り」の内閣法制局の幹部たちを更迭し、政府から永久追放しないといけません。おそらくは自己保身先行型なのでしょうが、次々と我が国の民主主義の基礎を掘り崩すようなことをしているので、看過できませんね:田中一郎)
4.内田樹「周到に用意された国会軽視とその先の絶望」 (1-2) 〈AERA〉|dot.ドット
朝日新聞出版
https://dot.asahi.com/aera/2016122200068.html
5.日本外交と政治の正体(孫崎享 日刊ゲンダイDIGITAL)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/2185
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