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2017年1月30日 (月)

日本学術会議:研究予算欲しさにご都合主義の議論はやめよ、学者のくせにみっともないぞ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

昨今の新聞・雑誌記事からです。

 

1.軍事研究 「学問の自由」が焦点(朝日 2017.1.29

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12770678.html

 

(田中一郎コメント)

 昨今、評判の悪い朝日新聞の記事ですが、この記事自体は、まあ「まとも」と言えるでしょう。問題は日本学術会議が何ゆえにかような低レベルでご都合主義的な議論をしているのかという点です。学者のくせに、みっともないったらありゃしない。なぜ、防衛装備庁という「軍需省」が用意した「安全保障技術研究推進制度」について、きちんと議論しないのでしょうか。2つ3つ事例を書いてみましょう。

 

(1)研究者の判断で自由に公開できるか できるわけないだろ。特定秘密に指定される可能性もある。分野は防衛だからだ。

(2)研究の自由度・自立性を保持できるか できるわけないだろ。カネを出すのは防衛施設省(軍需省)だ。当然、そこが研究を管理する

(3)防衛施設庁の指導を拒否できるか できるわけないだろ。拒否すれば研究費支給は打ち切りとなるだけの話。打切りとなった研究途上で知った防衛上の重要事項については「口止め」されるだろう

 

(4)国の自衛のための研究は国民としての義務(小松利光九大名誉教授)⇒ 自衛のための研究と、そうでない研究(例えば攻撃兵器研究)とを区分できるのか? 区分できるというなら、その基準を示せ。軍事研究と民生技術研究の区分さえ(できるのに)できないなどという議論をしているのに、自衛とそれ以外の区分ならできるというのか? ご都合主義も甚だしい。

 

(5)上記を否定するのは学問の自由の束縛だ 「学問の自由」という基本的人権は日本国憲法の枠内で、つまり平和主義=戦力を保持せず、に従って保障される。戦争やその準備に加担する学問は我が国では許されない。くだらないことを言っていないで、東アジアと世界の平和に貢献せよ(こんな奴がなんで「名誉教授」なのか?)。武力で平和は維持できない。

 

(6)軍事研究と民生技術研究の線引きはできない そんなことはない。池内了先生の議論に私がプラスアルファをつけて、前回のメールでお送りした通りだ。少なくとも、防衛施設庁(軍需省)が予算をつけているものは軍事研究だ。そんなことは自明ではないか。

 

(7)こうした政治的事項について学術会議として意思決定することは適切ではない 逃げるな。今日のアベ政権下の日本政府や日米軍事同盟の動きを見ていて危ないと思わないのか。集団的自衛権行使は違憲だという「当たり前」のことを「解釈改憲だ」などと言って壊してしまう、武器輸出はしないという国是を破って武器ビジネスを政府が主導して世界に展開していく、非核三原則を厳守せず対米密約を保持し続ける・憲法上は核兵器保持はできると言い張る・核燃料サイクルをやめずに潜在的な核保有国の地位を維持する、特定秘密保護法・盗聴法・刑訴法改悪、そして今共謀罪などなど、現代版の戦争体制型治安弾圧法を次々と強行採決で制定する、軍事予算は膨張の一途、沖縄に基地を押し付ける、アメリカの言うがままにオスプレイをわんさと買ってくる、自衛隊の在日米軍との一体化が進んでいる、などなど・・・・・・山のように伝えられてくる「日本の戦争国家化=戦争する国への転換」の具体的事実をみても、まだかようなトボケた日和見言論を吐くのか? 歴史を振り返ってみよ。

 

(8)正解は、記事にある鈴木達治郎長崎大学教授の発言「すべての科学技術は軍事転用できる」「だから、研究成果が軍事転用・悪用されない仕組みが必要だ」⇒ その通りだ。包丁は、マグロを切れば料理用だし、人を刺し殺せば人殺しの道具だ。どちらにでも使える。だから包丁の研究をしてはいけない、ということではない。包丁を人殺しに使わせないような仕組みや工夫が必要だ。池内先生もおっしゃるように、まず真っ先に「カネの出どころ=研究費予算を担当する省庁」で厳格に峻別せよ。研究費・カネ欲しさにご都合主義の言論・議論をやめよ。

 

 学術会議は、本来は鈴木達治郎長崎大学教授の発言をベースにして、どうしたらこれが実現できるのか、知恵を絞りあう、というのが本来の議論の在り方だ。それができないのなら、学術会議などいらないから解散せよ。大学もいらない。解体せよ。知らぬ顔をして、われ関せずで、人殺しの道具の研究をするなど、絶対に許せるものではない。そんな人間は学問などする資格はない。とっとと消えてしまえ!! 日本国とその憲法は、世界の平和を平和的手段で実現する方法に全力を挙げるというのが基本方針である。かような「軍事予算」を使って大学にちょっかいを出してくるような政権は、早々に葬り去るべきである。さすれば、学術会議のくだらない議論もなくなるだろう。

 

2.線引きの議論に没入する前に(須藤靖 『科学 2017.2』)
「gungakukyoudou_giron_kagaku.pdf」をダウンロード
 https://www.iwanami.co.jp/book/b280147.html

 

(私はこの人に議論にほとんど賛成できない。日本が危機の時代に入っているのに、何をのんびりしたことを言うておるのかという印象だ。しかし、この人の最後のところに書かれているプラグマティックな処方箋=「まずは科学研究者はこの制度に応募しないことを確認し,その上でそれらの背景となっている基礎研究を巡る現状を改善するための具体的な議論に時間を費やすべきである。」については賛成だ。「この制度には絶対に応募しないこと」=これが全てのまともな議論の出発点である。いつまでも、いると思うな、アベ自民党、である:田中一郎)

 

(追)美浜3号機蒸気発生器に耐震評価不正の疑い(イントロ部分)(滝谷紘一 『科学 2017.2』)

「mihama3_takitanisan.pdf」をダウンロード

 ついでで恐縮ながら、重要事項なのでご紹介させていただきます。別添PDFファイルは、滝谷紘一さん(元原子力技術者、元原子力安全委員会事務局技術参与)がお書きになった岩波月刊誌『科学』(20172月号)掲載の論文です。かようなインチキ行為が、原発・核施設の再稼働審査において日常茶飯に行われるようになっています。危険極まりないことです。そもそも、現状の原子力規制委員会・規制庁の再稼働審査で、電力会社より提出される「設置変更許可申請書」や「工事計画認可申請書」は、あちこちが黒塗りの非公開文書になっていて、第三者による検証ができないようになっています。原子力規制委員会設置法にも違反している有様です。

 

 にもかかわらず、こうした「悪しき状態」に対して、福島第1原発事故を経験してその後始末もできていないこの日本で、およそ日本の工学系や理学系の学者たちは、何ゆえに「おかしい」「危ない」の声を上げようとしないのか? 日本学術会議は時折原発関係の提言をしているようだが、その内容は、まだまだ最も重要な部分を外した物足りないものになっている。何故、日本の学者たちは、この原発・核の世界の出鱈目・インチキとその危険性に大挙して警告を発しないのか。

 

 滝谷紘一さんの上記論文は物事の氷山の一角にすぎません。原発・核の世界には他にも山のように出鱈目やインチキが氾濫しています。このままいくと、福島第1原発事故を上回る原発・核施設の過酷事故は必然のような様相です。ここに見られる学者・科学者・技術者の態度は、私は今般の日本学術会議でのみっともない議論のありようと通底しているように思われてなりません。日本の学者・科学者・技術者たちよ、恥を知れ!! ということです。

 

(参考)インタビュー:原子力規制委の審査「厳正でない」=元安全委技術参与 ロイター

 http://jp.reuters.com/article/kbn0fx0hi-idJPKBN0FX0HJ20140728

草々

 

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