(報告)もっかい事故調オープンセミナー「つぎつぎに認められる“ゾンビ原発”の再稼働 -その危険な側面-」(原子力資料情報室主催 11/26)
前略,田中一郎です。
さる2016年11月26日に開催されました原子力資料情報室主催の「もっかい事故調」ソンビ原発再稼働」についての簡単な報告をいたします。下記をご覧ください。
●(イベント情報)もっかい事故調オープンセミナー「つぎつぎに認められる“ゾンビ原発”の再稼働
-その危険な側面-」(2016年11月26日)
当日の録画はありませんが、下記の原子力資料情報室HPに4人の講師さんの各レジメが掲載されておりますので、ぜひご覧ください。私は今回は特に原子力産業であるGEの元技術者で現在は原子力コンサルタントの佐藤暁(さとし)さんの講演に注目しました。日本の原発・原子力規制当局=つまり原子力規制委員会・規制庁は、老朽化した原発の現況点検や検査・審査をきちんとやらずに、アメリカNRC(原子力規制委員会)のレギュレイション・シート(規制基準)を翻訳しただけのものを形だけつくって、いい加減なことで危険極まりない老朽化原発の寿命延長・再稼働をパスさせていることがわかりました。レジメの中で佐藤暁さんは下記のような審査上の具体的なチェックポイントをいくつか挙げて日本の規制当局の不十分さを指摘したうえで、「危険なジャンガ遊びをしていないか」と警告を発しています(今回挙げられたチェック項目は全部ではないそうです)。しかし、こうしたことも、現在の原子力規制委員会・規制庁は安全確保上の懸念を払拭できるだけの十分なチェックや点検をしていないようです。(「ジャンガ遊び」=積み木崩し:田中一郎)
<佐藤暁さんが具体例として挙げた老朽化原発のチェック項目>
*コンフィギュレーション・マネジメント(⇒ 設定・配置などの意味:田中一郎)
*オブソレッセンス・マネジメント(⇒ 利用度減少による老朽化:田中一郎)
*環境評価
*披露評価の見直し(ASME設計披露曲線では十分保守的ではない)
*LBB評価(Leak Before Break)(LBBパラメータが日本はアメリカよりも大幅に小さい)
*中性子照射脆化(原子炉圧力容器と炉内構造物)
*ボルト予荷重の弛緩(炉心支持板ボルト)
また当日、このセミナーに参加されていた井野博満東京大学名誉教授からは、「老朽化原発の稼働期限40年の延長の際には通常の原発規制とは別に老朽化原発用の規制というモノはあるのか、あるとしたら、それはどういうモノか」との会場からの質問に対し、「老朽化原発は、まず稼働から30年を経過した時に「高経年化対策」(下記参照)を行い、その後、稼働から40年が経過したら、「特別点検」を行って運転期限延長に耐えられるかどうかのチェックを行い、原子力規制委員会に期限延長の申請することになっている。しかし、原子力規制委員会・規制庁は、高浜原発1,2号機や美浜原発3号機の運転期限延長審査に於いて、かなりいい加減なことをしている」との発言がありました。原子炉圧力容器をつくる金属の脆性遷移温度の問題や蒸気発生器の耐震性の問題、基準地震動の過小評価や繰り返し襲ってくる地震の揺れに対する耐震性の問題などなどです。
信じがたいことですが、日本の老朽化原発の安全性は全くといっていいほど確保されておりません。近い将来の再びの原発過酷事故を予想させるものがあります。原子力規制委員会・規制庁は、もはや原発・核施設の安全確保をつかさどる規制当局としては機能しておらず、危険極まりない事態が現出し始めているのです。
●(資料)11-26
もっかい事故調オープンセミナー「つぎつぎに認められる“ゾンビ原発”の再稼働 -その危険な側面-」 原子力資料情報室(CNIC)(ここにレジメがあります:田中一郎)
https://www.data-box.jp/pdir/ab156eaf8b0f45aca2c184890d960554
<関連サイト>
(1)美浜3号老朽新基準規制に合格 40年超え、高浜原発に続き2例目 原発 福井のニュース
|福井新聞ONLINE:福井県の総合ニュースサイト
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/106136.html
(2)高経年化対策とは:高浜3,4号の例(美浜の会)
http://www.jca.apc.org/mihama/takahama/takahama_kokeinenka20150827.pdf
(3)アメリカ合衆国原子力規制委員会 - Wikipedia
(4)原子力資料情報室 HP
(5)美浜の会 JP
http://www.jca.apc.org/mihama/
<原子力規制委員会 HPより)
(1)平成26年08月26日実用発電用原子炉の運転期間延長認可申請に係る運用ガイド【PDF:160KB】
https://www.nsr.go.jp/data/000069250.pdf
(2)平成26年08月26日実用発電用原子炉の運転期間延長認可申請に係る運用ガイドの一部改正【PDF:90KB】
https://www.nsr.go.jp/data/000069280.pdf
(3)高経年化対策概要 原子力規制委員会
https://www.nsr.go.jp/activity/regulation/reactor/unten/unten3_1.html
(4)実用発電用原子炉の運転期間延長等に係る審査 原子力規制委員会
(5)(参考:(3)(4)のサイトがある場所)
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律関連 原子力規制委員会
(このページの「実用発電用原子炉に係る許認可等の手続きに関連する内規」のところ)
https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kettei/02/02_01.html
(参考)上記サイトの検索の仕方
原子力規制委員会HP ⇒ 原子力規制委員会決定一覧
⇒ 法令の制定及び改正に関する原子力規制委員会決定のジャンルの中の「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律関連」
<追>この発言はいったい何なんだ!!
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● 蓮舫代表「脱原発、卒原発。再生エネ、進めよう」:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJC64D0YJC6UTFK001.html
(一部抜粋)
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原子力規制委員会の厳しい安全検査を通ったものだけを再稼働しましょう。
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国会事故調がその報告書で「規制する立場とされる立場の「逆転関係」が起き、規制当局は電気事業者の「虜(とりこ)」となっていた」と厳しく指摘した3.11福島第1原発事故、その悲惨な結果を受け、もう二度と原発事故は起こすまいと誓ってスタートしたはずが、それから早6年近い歳月が流れ、今日においては、もうすっかり福島第1原発事故のことは忘却の彼方のごとしである。
2012年9月、時の野田佳彦内閣(民主党政権)は、その人事について国会の承認を経ることもなく原子力規制委員会を発足させ、その委員長に原子力ムラ丸出しの人物だった田中俊一を選任した。その他の委員たちも、地震担当の島崎邦彦東京大学名誉教授を除けば、ほとんどが原子力ムラ・放射線ムラの住民のような人物ばかり、また、原子力規制庁の人間達もそのほとんどが元原子力安全保安院にいた役人で、原子力規制委員会とその下に置かれる原子力規制庁は、そのスタート時点から先行きが懸念される組織だった。
案の定というべきか、その後は、① 福島第1原発事故の実態解明も原因究明もしないまま、にわか作りで策定した内容お粗末・規制スカスカ・形だけの新規制基準、②
原発の安全性については責任を持たず、規制委は単にこの新規制基準に稼働申請された原発が適合しているかどうかだけを評価する、③ そしてその原発を稼働するかしないかは規制委はノーコメントという無責任態度、④
基準地震動・基準津波の過小評価手法を引き続き放置し、⑤かつて基準地震動がゴマカシ評価された可能性のある全国の原発をほとんどそのまま放置し(一部のみ見直し)、⑥
火山リスクを火山学会の圧倒的多数の意見を無視して軽視・過小評価、⑦ 原発の工学的安全性についてもいたるところでいい加減な審査を繰り返し、その結果が第三者によって検証されては困るので、工事計画認可書など審査資料を「白塗り・黒塗り」で「公表」してその内容を隠蔽(脆性遷移温度、炭素偏析、累積疲労係数、蒸気発生器耐震性、ECCS機能、炉心溶融対策、汚染水対策、水素爆発・水蒸気爆発・一酸化炭素爆発・核爆発防止対策などなど山ほど)、⑧
緊急時対策所の免震構造を免除、⑨ 重要度分類の出鱈目、⑩ 重要な安全確保設備設置の5年間の猶予、⑪ 老朽化原発の審査手抜き・ゴマカシ、⑫
避難計画(地域防災計画)の審査放棄、などなど、今ざっと思い出すだけを書き連ねても、絶対に看過できない「規制の手抜き」どころか「原発・核施設再稼働追認のための理屈付け・合理化」のようなことを続け今日に至っている。
この数年の間、原子力規制委員会・規制庁は、多くの良識ある学識経験者や有権者・国民・市民、あるいは地域住民から厳しい批判を受けても全くの馬耳東風で、その本来期待された原発・核施設の徹底した安全追及の使命を果たそうとはしないのである。そして、原子力規制庁は、その規制委の下請け事務機関として、規制委の決めるおかしな結論の裏付け理屈を組み立てる事務屋に過ぎない。実際の原発・核施設をチェックして安全にしていく実務能力を、そもそも持ち合わせていない様子が見て取れる。
今や、原子力規制委員会・規制庁は「原発規制当局」ではなく「原発再稼働・原発推進」のための組織となり果てていることは、原子力規制委員会・規制庁を厳しくウォッチしている人なら、ほぼ全員が一致して認めるところである。その原子力規制委員会の「安全検査を通ったものだけを再稼働しましょう」とは何事か!!
この民進党代表の蓮舫は、党内で言えば「野田佳彦派」に属し、言ってみれば派閥のボスである野田佳彦元首相の手下・子分である。だからだろう、代表選に勝利し、民進党の執行部を新たに創る際に、様々な党の幹部役職の人選については柔軟に対応したものの、野田佳彦を幹事長に任命することについてだけは、多くの人が「やめた方がいい」と助言したものの、頑として、そうした助言を受け入れなかったという。しかし、その野田佳彦こそ、上記の原子力規制委員会や原子力規制庁を発足させ、大飯原発の再稼働を容認し、福島第1原発事故は落ち着いたなどとうそぶき、脱原発の閣議決定を流産させるなど、福島第1原発事故後の日本の原子力政策を誤らせた張本人である。
かような蓮舫・野田佳彦という人間が党の執行部を握る民進党が、まがりなりにも野党第1党だというのが今日の日本の政治情勢である。その蓮舫=野党第1党の代表が「愚かにも「規制委の審査が通った原発は再稼働させる」などと平気で発言をする。しかし、この蓮舫は(野田佳彦も)、福島第1原発事故後の約6年間の間、多くの市民団体が原子力規制委員会・規制庁や政府関係省庁と原発の安全性をめぐって、あるいは福島第1原発事故の後処理などを巡って、交渉や意見交換の場を幾度となく持ったけれども、その場には一度として姿を見せたことはないのである。そもそも原子力規制委員会・規制庁が、今日ではどのようなことをしているのか、いかに原発の安全性について出鱈目な判断をしているのかについて、ほぼ全くと言っていいほど知らないだろうし、おそらくは知ろうともしていないだろうと思われる。
にもかかわらず、こういう発言をしている理由は、原発再稼働・原発推進の立場をとり、民進党の支持団体でもある労働組合「電力総連」と、その電力総連が加盟する御用組合「連合」の顔色を窺った、きわめて政治的な、そしてバカバカしくも愚かなバランス感覚から発せられているものと推測される。
しかし、野党第1党の民進党のトップが、こんなことでいいはずがない。地震・津波・火山大国の日本は、一刻も早く、原発・核施設推進体制から抜け出し、核との「共存」体制を放棄しないと、やがて大変な過酷事故に見舞われ国もろとも滅び去ることになりかねない。しかし、民進党がこれでは、仮にアベ政権を倒し、自民党主導の政権を野党の政権に切り替えてみたところで事態は一向に変わらないということになる。これではダメだ。
私たちがこれからも生き残るためには、子孫に放射能で汚染されていない日本を引き継ぐためには、アベ政権や自民党政権を永久に葬り去るだけでなく、この野党第1党の民進党にもまた同様に、その態度を抜本転換させるか、あるいは自民党とともに(その第二補完政党として)一緒に葬り去るかの二者択一をしなくてはならない。
一見すると大変そうだが、しかし、私たち有権者・国民・市民がその気になれば、こんなものはたいしたことではない。明日からのすべての選挙で、今上記で申し上げたようなことが実現できるよう、私たちの投票行動を厳格化し適正化すればいいのである。
原発・核施設を推進する政権・政党はもういらない。すべての選挙で、原発推進の政治家たちを落選させましょう。次の衆議院選挙の最大の争点の一つは脱原発・再稼働反対(それとTPP協定破棄)です。その次の選挙も、そのまた次の選挙も、そうなのです。
草々、
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