「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(41):破滅へ向かう原子力(原発・原子力の出鱈目はまだまだ続く・老朽化原発=美浜3号機再稼働認可他)
前略,田中一郎です。
(最初にイベント情報他です)
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(1)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会) 11月19日(土) 福島大学 崎山比早子氏による講演会とシンポジウムの開催
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2016/10/blog-post_27.html
(2)(第12回)ちょぼゼミのお知らせ:「市場原理主義とデリバティブ取引 JR水道橋駅
http://www.labornetjp.org/EventItem/1478933062074staff01
(3)緊急署名!強度不安の疑いのある川内原発・伊方原発、いますぐ検査を
https://act.greenpeace.org/ea-action/action?ea.client.id=1980&ea.campaign.id=58452
(4)(国際ネット署名)Avaaz - 各国代表の皆さま:パリ協定を破壊させないで
(5)(別添PDFファイル)(11.22)公益通報者保護法の学習会案内
「tirasi_kouekituuhou.pdf」をダウンロード
【日時】 2016年11月22日(火)18:00~20:00
【場所】 主婦会館プラザエフ5階会議室
(関連)公益通報者保護制度 消費者庁
http://www.caa.go.jp/planning/koueki/
(7)東京新聞 国立市長の佐藤一夫氏死去、69歳社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016111702000133.html
(上原公子(ひろこ)元国立市長に対して「いやがらせ(SLAP)訴訟」をふっかけていたロクでもない男が突然死したようです。国立市民は今度こそまともな市長を選挙で選び、くだらない訴訟は取り下げとされてはいかがでしょうか。国立市の景観や環境を体を張って守ってくれた元市長の恩を仇で返していてどうするのでしょうか!? :田中一郎)
(8)北海道電力〈泊原発〉の問題は何か-泊原発の廃炉をめざす会/編 本・コミック : オンライン書店e-hon
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032847491&Action_id=121&Sza_id=C0
(私は特にこの本の「第3章 泊原発に迫る地震と津波の危険」に注目しています。それはともかく、泊原発が過酷事故を起こしたら「食の王国」北海道は壊滅します。全道民の力で廃炉に追い込みましょう。こんなものはどう見てもいらないのです。いらないもののために、かけがえのない宝物=北海道を失いたくない!! :田中一郎)
(9)チェルノブイリ原発に新ドーム 石棺ごと100年密封:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJCG75H9JCGUHBI028.html
(福島第1原発も、さしあたりチェルノブイリ原発と同様に、放射能の拡散を防ぐ「石棺」でカバーしておけばいいではないですか。巨額の金を使い、まるで原子力ムラのために仕事をつくってやっているような「廃炉」や「除染」などはやめましょう。そのカネは被害者を救済し(万全の賠償・補償)、その生活再建を支援し、放射能汚染と被ばくから守るためにこそ使われるべきです! そして、福島第1原発事故の徹底した実態解明と原因究明が必要です。現在の福島第1の事故原発は、貴重な「(過酷事故)証拠物件」であることを忘れてはいけないでしょう。どうも原子力ムラとその代理店政府は、一刻も早く、この「重要な証拠物件」を隠滅してしまいたい様子です。:田中一郎)
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原発・原子力・原子力ムラの出鱈目は日本の破滅へ向かって限りなく続きます。昨日は、危険極まりない老朽化原発の美浜3号機の再稼働が原子力規制委員会・規制庁により認可されたようです。今月11月末までにOKが出なければ廃炉となるはずの原発だったのですが、いい加減な安全審査で強引に稼働延長が認可されてしまいました。よりによって、この美浜3号機は、2004年に配管破裂事故を起こし、作業員11名を死傷させた「いわくつきの原子炉」です(1976年に稼働以降、約30年の間、破裂した配管は一度も点検がなされていませんでした=要するに手抜き管理が原因です)。稼働40年超の老朽化原発の再稼働認可は、高浜1,2号に続いて3機目です。老朽化原発の稼働期間延長は「例外中の例外」だとされていたことが、今回の認可により形骸化されてしまいました。いずれも(我が恥ずべき故郷・大阪の)関西電力の原発です。それはまるで、政府が少し前に打ち出した中長期エネルギー計画で原発のウェイトを「20~22%」としたことを背後から応援するような格好になっています(40年超の老朽化原発を稼働延長しなけければ、2030年には原発比率は12%まで落ちるそうです(東京新聞))。こんなことは原子力規制委員会・規制庁がすべきことではありません。
老朽化原発については山のように問題があり、危険極まりなくて、とても再稼働など認められるものではありません。例えば、
(1)原発・原子炉は巨大であり、原発トータルを詳しく知る人がそもそも誰もいないことに加え、老朽化原発の場合には、古いがゆえに、その原発の現場実態を詳しく知る人も退職していなくなってしまっているとか、長年の管理がずさんで、稼働後の修理・修繕を含む原子炉の詳細設計図さえ散逸してなくなってしまっているとか、とにかく老朽化した原発のどこが危険な状態になっているかを把握することはほぼ不可能であること。
(2)原子炉の設計が古いことに加え、稼働後40年間の間に経験し蓄積した様々な原発の危険性に関する知見が原子炉や原発施設に生かされておらず、安全性を現在のレベルでバックフィットで確保しようとしても、にっちもさっちもいかない。
(3)原子力規制委員会・規制庁は、原発の基準地震動や基準津波を過小評価しているだけでなく、原子炉や原発施設の工学的な安全性=堅固さに関する審査についてもゴマカシ、あるいはおざなりなことを積み重ねており、更にその審査の出鱈目が第三者の科学者・技術者によって検証され、嘘八百が明らかになることを恐れて、審査の詳細(設置変更許可、工事計画、保安規定、使用前検査の各詳細資料)を公開しない(白塗り・黒塗りをして隠蔽)。
(4)特に危険なのは、圧力容器の脆性遷移温度上昇に見られるように、原発機器類を構成する金属類が劣化し、緊急時の冷却により一気に大破損してしまう可能性が指摘されている。昨今では、フランスで古い原発で使われていた日本企業製造の金属が基準以下の強度であることが明らかとなり大問題となっているにもかかわらず(該当する原発は緊急停止させられて検査中)、日本の原子力規制委員会・規制庁は、それに対する適切で厳しい対応をとろうとしない(単に調べて報告せよと通知しただけ)。(⇒
古い時代につくられた金属は、金属を経年劣化・中性子照射脆化させやすい銅や炭素の含有量が多い)(下記の別添PDFファイルの(2)を参照)
(5)アメリカ・サンオノフレ原発では三菱重工製の蒸気発生器が大問題となり、アメリカの原子力規制当局(NRC)から規則違反を指摘され、その結果、原発の廃炉を余儀なくされた電力会社から巨額の損害賠償を請求されて裁判となっている。しかし今、日本で再稼働されようとしている加圧水型の原発は同じ三菱重工製の原発だ。蒸気発生器の徹底した検査・審査が必要であるにもかかわらず、この問題についても原子力規制委員会・規制庁は動かない。
(6)多くの方々が指摘されているように、原発・核施設の過酷事故時の避難計画=原子力防災計画は実効性のない「絵に描いた餅」である。それがわかっているからこそ、原子力規制委員会・規制庁は避難計画の審査から逃げ回っている。
(7)その他、老朽化原発の再稼働には山のように問題がある。おそらく、この次に福島第1原発事故のような原発・核施設過酷事故を起こすとすれば、一つには、この老朽化原発、もう一つは、核燃料サイクル施設(特に高レベル放射性廃液貯蔵タンク:東海村と六ケ所村)ではないかと私は予想している。我々と我々の子孫が生き残るためには=日本が原発と放射能で滅び去ることを防ぐためには、一刻も早く(再稼働は)「やめさせる」、(原発・核施設は)「安全対策をとらせる」をしなければならない。そして現在の原子力規制委員会・規制庁は解体あるのみである(設置法改正による委員及び庁幹部クラスの全面入れ替え+原子力規制庁幹部については福島第1原発事故の責任追及のための刑事裁判・民事裁判提訴)。
(関連)(報告)(9.1
緊急ちょぼゼミ)危険!! 基準地震動が過小評価されている いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-4518.html
(関連)(報告)原発の地震動見直しと美浜3号審査中止を求める緊急要請・院内集会=間抜けなタヌキ「規制委」と田中俊一が化け損ねて出したインチキ地震評価の尻尾を捕まえろ いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-ca30.html
注:別添PDFファイルの東京新聞記事によれば、老朽化原発の安全対策で最も困難かつ高コストなことは、電気ケーブルを燃えにくくする防火対策だそうで、日本にある原発のうち、このことが問題となるのは、すでに認可された高浜1,2と今回の美浜3に加えて、東海第2、関電大飯1,2だそうです。それ以外の原発はケーブルの防火対策規制が強化された後にできた原発なので、新たな対策は不要とのこと。つまり、老朽化原発は、今後は益々運転期限延長がやりやすくなることを示唆している、とのことです。
<別添PDFファイル>
(1)美浜3号機 運転延長認可(東京 2016.11.16 夕刊,17)
(2)強度不足 揺れる仏原発、前代未聞の運転停止、日本は本当に大丈夫なのか(東京 2016.11.17)
(3)経済産業省「東電委員会」の驚き(古賀茂明『週刊エコノミスト 2016.11.22』)
(4)電力会社賠償、上限は設けず、原発事故
無限責任維持(東京 2016.11.17)
(5)徹底検証 原子力行政の闇、官邸主導のもんじゅ廃炉の裏(『週刊朝日 2016.11.18』)
(6)福島第1原発の汚染水タンク、新型切り替えに遅れ、汚染水発生止まらず(日経産業 2016.11.9)
(7)福島の自主避難者、優先入居枠4割(東京 2016.11.9)
(8)災害救助法に基づく応急仮設住宅・みなし仮設住宅の無償供与継続と東京電力原子力災害被災者救済のための住宅保障を求める要望書(2016年11月8日)
(9)彼女たちは自分だったかもしれない(吉田千亜
『ふぇみん NO.3136 2016.10.25』)
1.美浜3号機 運転延長認可(東京 2016.11.16 夕刊,17)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016111602000255.html
(関連)東京新聞原発の延長ルール「見直さない」 「40年」形骸化指摘に規制委社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016111601001629.html
(関連)美浜の会:「抗議声明美浜原発3号炉の運転期間延長認可に抗議する」
http://www.jca.apc.org/mihama/hairo/○kyodo_seimei_mihama3_161116.pdf
2.強度不足 揺れる仏原発、前代未聞の運転停止、日本は本当に大丈夫なのか(東京 2016.11.17)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016111702000139.html
(原子力規制委員会・規制庁が真っ先にしなければならないことは、老朽化原発の再稼働認可ではなく、この問題への真剣、かつ全力での対処のハズである。:田中一郎)
(緊急署名)強度不安の疑いのある川内原発・伊方原発、いますぐ検査を
https://act.greenpeace.org/ea-action/action?ea.client.id=1980&ea.campaign.id=58452
(関連)(必読)日本製鋼材の強度不足でフランスの原発停止中! 日本の原子力規制委は何をすべきか?(まさのあつこ) - 個人 -
Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20161116-00064483/
(関連)国内原発・13基:強度不足の日本鋳鍛鋼・鍛造品使用!
http://kyoto-seikei.com/16-0908-n1.htm
(関連)九州電力川内原発1,2号機圧力容器に強度不足の疑い 「身の丈」経営,「身の程」人生
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/2d1472df195efb2366597514120b4e63
3.経済産業省「東電委員会」の驚き(古賀茂明『週刊エコノミスト 2016.11.22』)
http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20111007/1318512281
(上記URLは少し前の古賀茂明氏の時事評論です。上記記事は、まもなくネットに掲載されるでしょう:田中一郎)
4.電力会社賠償、上限は設けず、原発事故
無限責任維持(東京 2016.11.17)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016111702000131.html
(単純に「見送る」のではなく、国に(つまり有権者・国民に)迷惑や負担がかからないように、原発を稼働する電力会社に対して金額無制限の民間損害保険の付保を義務化しないといけないでしょうに。もちろん、その保険料は各電力会社負担とし(国は補助したり支援したりしない)、原発電力の発電コストにカウントするのです。これではじめて他の発電源電力と「イコール・フィッティング」となる。:田中一郎)
5.徹底検証 原子力行政の闇、官邸主導のもんじゅ廃炉の裏(『週刊朝日 2016.11.18』)
https://dot.asahi.com/wa/2016110900204.html
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20161111/asahi_2016110900204.html
(参考)東京新聞小泉元首相 核のごみ最終処分場選定「大甘」政治(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201611/CK2016111702000123.html
6.福島第1原発の汚染水タンク、新型切り替えに遅れ、汚染水発生止まらず(日経産業 2016.11.9)
http://www.nikkei.com/edit/interactive/osensui0709/index_sp.html
(トリチウム汚染水を海へぶんなげる算段を始めているようです。ふざけるな!、である。まず、福島第2原発の敷地を使え。その次は、福島第1原発周辺の土地を買収せよ。:田中一郎)
7.福島の自主避難者、優先入居枠4割(東京 2016.11.9)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016110902000138.html
●災害救助法に基づく応急仮設住宅・みなし仮設住宅の無償供与継続と東京電力原子力災害被災者救済のための住宅保障を求める要望書(2016年11月8日)
「youbousyo_juutaku.pdf」をダウンロード
http://kodomozenkoku-news.blogspot.jp/2016/11/118_6.html
(関連)彼女たちは自分だったかもしれない(吉田千亜
『ふぇみん NO.3136 2016.10.25』)
「femin_yosida.pdf」をダウンロード
https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/160510/?cid=FB
(関連)UPLAN【原発事故被害者インタビュー(3)】吉田千亜さん(フリーライター)~『ルポ 母子避難―消されゆく原発事故被害者』著者~のご紹介 弁護士・金原徹雄のブログ
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/48650851.html
(福島第1原発が発電した電気の大半は東京都民をはじめ関東一円が使ったのだから、原発事故で避難してきている方々に対しては、万全の救援・支援で応えて差し上げるのが「人の道」であり、義理人情の世界ではないか。小池百合子新都知事、出番ですぞ。:田中一郎)
8.食の放射能汚染:農林水産省サイト
(1)諸外国・地域の日本産食品輸入規制(農林水産省 2016.10.13)
http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/pdf/kisei_all_161013.pdf
(2)農林水産省-放射性セシウムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値の設定について
http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/saigai/supply.html
(3)東日本大震災に関する情報:農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/index.html
9.以下,メール転送です。
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<法的整理 大手銀行否定>
堀江鉄雄です。重複ご容赦ください。転送、利用可
現在、東電の損害賠償及び事故損失を全電力消費者に負担させようと、経産省の各委員会において策略を練っております。どの委員会においても「受益者負担」「過去分」「電気料金」がキーワードとなっております。
「電力事業における受益者」とは誰のことなのか。各委員会では、当然のごとく「受益者は電力消費者」として論議をしています。しかし、総括原価方式により、電気料金には「電力事業者の利益」が確実に上乗せさ(含ま)れています。この利益を山分けした者(株主、経営者、社員)が受益者と言えるのではないでしょうか。また、原子力、電力関連事業者もそれぞれ利益を得ています。金融機関は、貸付、債券などにより多額の利益を得ています。これらステークホルダー(利益関係者)こそが「受益者」ではないのでしょうか。
電力を買い電気料金を支払うという「電力売買契約」は、フィフティ・フィフティの関係にあり電力消費者は電気料金を支払った時点で債権債務関係は解消され清算されたはずです。それを後で「過去分だ」「追加料金だ」支払えとは、「脅迫罪」か、最近の架空請求の「詐欺罪」になるのではないでしょうか。
311は、まさしく国家犯罪であり、その罪を問われています。この事故原因、事故責任の解明と追及を、関係者の調書を非開示にすることで隠ぺいしていた犯罪、そして、損害賠償と損害損失の負担を損害賠償責任者から電力消費者へ転嫁させる国家的詐欺を行おうとしています。こんなことを許していては、電力の自由化どころか、日本の経済も将来もありません。
そんな中、金融機関が動き出しました。指摘したように311直後から二度目の「東電の法的整理」のチャンスであることを証明しています。テレビ朝日で「廃炉費用増の東電 大手銀行は法的整理に否定的」との報道がありました。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20161114-00000061-ann-bus_all
「福島第一原発事故の廃炉賠償費用が膨大に膨れ上がることが見込まれるなか、東京電力の法的整理について大手金融機関からは否定的な意見などが出ました。」とのこと。
「東電の経営を巡っては、廃炉や賠償費用が9兆円から内部試算だけでも17兆円に膨れ上がる見込みで、誰に負担させるかが議論になっています。経済産業省の専門委員会の議論では、法的整理についても案の一つとして触れられています。法的整理をすれば、まずは経営の責任を負う株主や金融機関に対しても応分の負担を課すことになります。しかし、融資を行ってきたメガバンクからは債権放棄を伴うため、否定的な意見のほか、態度を明確にしない対応が続きました。三井住友・宮田孝一社長:「(法的整理は)金融市場の安定を脅かす可能性がある。私どもも東京電力を支えていく一員でありますから、新総特に基づいて引き続き支援していく」
みずほFG・佐藤康博社長:「今の段階で議論する段階だとは思っていないし、コメントは差し控える」
三菱UFJフィナンシャルグループ・平野信行社長:「当社、個別の話でありますし、仮定に対する答えをこの場でさせて頂くのは不適切だと思い、差し控える」
経産省は廃炉や賠償の費用負担について、いくつかの委員会を立ち上げて議論を行っていて、電気の利用者に負担を課す案が有力となっています。」との内容の報道がありました。
私は、支援機構から東電への交付金9兆円は国税から、1兆円の資本金は金融機関からの借入だと思っていました。しかし、NHK報道の通り支援機構の10兆円は金融機関からの借入でした。会計検査院の報告で判明しました。支援機構から東電への交付金の9兆円(正確には枠で7兆4696億円)は、国が金融機関から借入て支援機構に交付国債の償還で渡したものです。支援機構から東電への資本金1兆円は、政府債務保証で支援機構が金融機関から借入れたものです。したがって、10兆円は金融機関からの借入ということになります。当然、金利を税金で支払っています。これも「過去分」「受益者負担」となり電気料金で電力消費者の負担となります。
本来の「受益者」は、破綻企業東電の「法的整理」により債権放棄しなければならなかったのに、債権放棄どころか火事場泥棒同然に金融機関、メーカーとゼネコン(工事代金だけではなくピンハネまでして)は利益を上げています。
この「東電の法的整理」は、非公開の東電委員会で出たもので公開の委員会では消えているとのことです。
「東電を法的整理」して、まずは本来の「受益者負担」をさせた上で、更正会社の東電と原子力及び電力事業者、電力消費者などの負担分配を議論するべきでしょう。兎に角、東電の法的整理です。金融市場は混乱しません。正常になります。
以上
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(田中一郎コメント)
おっしゃる通りですね。ところで、一つ補足ですが、
東京電力を一刻も早く会社更生法にかけ、株主には全額(減資)負担、金融機関等の大口債権者にも応分の負担をさせなければいけません。その場合問題なのは、金融機関が福島第1原発事故後に、それまでは無担保だった貸出金等の債権を、有担保(ゼネラルモーゲージ:会社の全資産を担保にする商法特例措置=大手電力会社等の特定会社にだけ認められた(高度経済成長時代の)特例措置=今まで生き延びてきていた)による私募債に切り替え、自分たちだけが債権の保全措置を取っていることです。これをこのまま認めたのでは、会社更生法にかける意味がほとんどなくなります。(なお、福島第1原発事故前の担保付社債は、更生担保権として、送配電会社の資産とヒモ付けにしておけばいいでしょう)
そこで、この金融機関の福島第1原発事故後の債権保全措置を「否認」する法的対抗措置が必要です。事実上倒産していること・倒産しそうなことがわかっている会社に対して、特権的・特別な位置にある債権者が、倒産直前に自分の債権だけを保全することは、会社更生法その他の倒産法で管財人が「否認」できる旨の規定があったと思います。このあたりは弁護士が詳しいので、倒産法に詳しい弁護士の力を借りる必要があります。
そして、会社更生法適用後の東京電力新体制を考えておく必要があります。柏崎刈羽原発の廃炉、核燃料サイクルからの撤退、送配電網の公営化・公正化、巨額の資金を投入する福島第1原発廃炉は中止し、放射能放出を止める措置をした上で福島第1原発事故の実態解明と原因究明を徹底して行い、そのあとは「石棺」化です。福島県他、放射能汚染地域には、日本版チェルノブイリ法を制定して適用=万全の賠償・補償を行たうえで多くの方々を避難させなければいけません、などが必須課題です。しかし、どっちにころんでも、ない袖は振れませんから、基本的には、賠償+除染・汚染物処理(中間貯蔵等)+廃炉にかかる費用は、国または東京電力ユーザーの負担となります。
草々
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