(報告)原発の地震動見直しと美浜3号審査中止を求める緊急要請・院内集会=間抜けなタヌキ「規制委」と田中俊一が化け損ねて出したインチキ地震評価の尻尾を捕まえろ
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
昨日(7/26)、参議院議員会館において、「原子力規制を監視する市民の会」さんや「美浜の会」さん他の主催で「原発の地震動見直しと美浜3号審査中止を求める緊急要請・院内集会」が開催されました。元原子力規制委員会委員長代理で地震学者の島崎邦彦東京大学名誉教授による今般の問題提起で、原子力規制委員会・規制庁が進めている基準地震動や基準津波の評価が過小評価になっている可能性が明らかになりました(「可能性」というよりも、ほぼ間違いなく大幅な「過小評価」です)。この院内集会では、その内容について、できる限り一般市民にも理解できるように、原子力規制委員会・規制庁と島崎邦彦東京大学名誉教授とのやり取りに注目しながら、地震や基準地震動に詳しい阪上武さん(「原子力規制を監視する市民の会」)と小山英之さん(「美浜の会」)に、わかりやすく解説していただきました。また、説明終了後の会場参加者との質疑応答も注目に値します。以下、簡単にご報告いたします。
今回のこの集会は、地震・津波大国の日本における原発・核施設の安全性の根本のところ=つまり今後、原発・核施設を襲うであろう最大の地震や津波がどの程度のものであるのか(それに対応して=それに耐えられるように原発・核施設の強靭性・耐震性・津波対策が設計されなければならない)を判断する最重要の内容のものでした。しかし、驚くべきことに、原発・核施設の安全に関して最大の責任機関であるところの原子力規制委員会・規制庁が、またしても(福島第1原発事故を経験しても、なお)、この基準地震動や基準津波を、意図的に、作為的に、小さく評価することにより、電力会社などの原子力事業者に便宜をはかるような愚かなマネをしている事実が浮かび上がってきました。この問題の去就は、ひょっとすると日本の原発問題の分水嶺になるかもしれません。
実は、島崎氏の批判に応えて、しぶしぶながら、大飯原発の基準地震動を「武村式」(下記参照)という、より厳しい経験式に基づいて計算すると、現行で採用している「入倉・三宅式」(下記参照)という緩い経験式に基づく計算結果を大幅に上回る地震動となることが、原子力規制委員会・規制庁自身による「計算」で明らかとなっています。その結果におののいた原子力規制庁の役人が、関西電力が計算したよりも、より楽観的で、より緩い条件を置いて計算し直して、そもそもの「入倉・三宅式」に基づいて出されている基準地震動を小さく見せかけたり、関西電力でさえ付加していた「不確かさへの考慮」部分をカットして結果を示すなど、まるでシロウトだましの「基準地震動小さく見せます」演出を行っていたことも明々白々となりました。まさに、間抜けなタヌキが化けることに失敗して尻尾を見せ、インチキ丸バレ、の事態となってしまいました。
ついこの間まで、このインチキ計算を強気で押し出し、評価した基準地震動や津波には余裕があった、島崎氏の批判はもう考慮しなくてもいい、などという態度をとっていた田中俊一規制委委員長も、多方面からの批判を受けるや態度を一変させ、原子力規制庁がやった計算方法はだめだ、やっちゃいけないことをしてしまった、こんなものは見るに値しない、今回の計算はその結果も含めて撤回だ、「武村式」云々カンヌンは科学者の間で議論してもらって決着がついてから持ってきていただきたい、従来の基準地震動・津波の計算方法(つまり「入倉・三宅式」ベース)を大きく見直す必要性は現段階ではないと考える、などと、今度は島崎氏の批判を煙に巻いてしまおうとしているかのようです。この「親タヌキ」=田中俊一規制委委員長こそ、原発・核施設の基準地震動・基準津波の過小評価の元凶であることが、今回のことでクローズアップされました。
みなさまには、この一連の動きをぜひともご理解いただきますよう、今回ご紹介する各サイトや資料類、そして当日録画に目をお通しいただき、私たちとともに原子力規制委員会・規制庁の電力会社によるインチキ行為追認の動きに対して抗議の声を強く大きく挙げていただきたいと思います。まもなく南海地震・東南海地震・東海地震や二度目の東日本大震災、あるいは関東大震災が近いと言われている中で、かような愚か極まる行為はあまりに危険すぎます。目先の会社経営のことだけに執着して原発にしがみつく電力会社幹部たちや、その便宜をはかることを第一義に考える原子力規制委員会・規制庁の馬鹿タヌキたちが日本を滅亡させていくのを黙って見過ごすわけにはいきません。基準地震動や基準津波の過小評価など、断固として許すわけにはいかないのです。
(苦言:原発・核施設の基準地震動や基準津波に関する文献や説明が、私たち一般の市民にとっては非常にわかりにくい状態が続いています。専門家や科学者のみなさまは、専門家や科学者どうしが議論する場合とは違って、一般の人でも理解ができるような言葉遣いや説明で、この問題の骨太部分・核心部分を極力平易かつ懇切丁寧に、ご説明をお願いしたいと思います。このままでは多くの有権者・国民・市民に理解されません:田中一郎)
●(イベント情報)7-26(火)13時~原発の地震動見直しを求める緊急要請と院内集会 ちきゅう座
http://chikyuza.net/archives/64897
●(当日録画)20160725 UPLAN 原発の地震動見直しと美浜3号審査中止を求める緊急要請・院内集会 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3Yt-enf5els
●報告(美浜の会HP)(阪上武さん:「原子力規制を監視する市民の会」)
http://www.jca.apc.org/mihama/saikado/rep_syukai160726.pdf
●(ネット署名)原発地震動評価・美浜3号審査に関する緊急要請への賛同
https://ssl.form-mailer.jp/fms/273384fa318013
(そして、やっぱり予想通りに原子力規制委員会・規制庁は、「見直し不要」と「今回の計算結果は撤回」をセットでやっています。間抜けタヌキのインチキ丸バレを、自虐的に「怒ってごまかす」つもりのようです:田中一郎)
●(速報)規制委 大飯地震動「見直し不要」、過小評価指摘、再計算結果は撤回(東京 2016.7.27 夕刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201607/CK2016072702000251.html
(みなさまへ:今回のこのメールは情報量が多いので、まず、下記のうち「<必見・説明用サイト>」の各サイトと、「<関連資料:別添PDFファイル>」の中の島崎邦彦東京大学名誉教授の岩波月刊誌『科学 2016.7』掲載論文、及び上記の「当日録画」をご覧になってみて下さい。その際、私の下記のコメントが参考になれば幸いです。記者会見や規制委と島崎邦彦氏とのやりとりの録画などは、下記「<関連サイト>」の「(3)島崎邦彦氏(東大名誉教授)から田中俊一原子力規制委員会委員長宛の申入書を読む 弁護士・金原徹雄のブログ」をご覧になるといいと思います。残りの情報については、いずれも重要情報ですが、時間をかけてゆっくりご覧になってみていただければと思います。
<当日資料:別添PDFファイル>
(1)緊急要請書:原発を止め、全ての原発の基準地震動を武村式で再計算を!(2016.7.26)
「kinkyuu_youseisyo.pdf」をダウンロード
http://www.jca.apc.org/mihama/saikado/nsr_yosei160726.pdf
(2)規制庁試算が表す現行基準地震動評価の破たん(小山英之(美浜の会) 2016.7.26)
http://www.jca.apc.org/mihama/saikado/kenkai160724.pdf
「oyama_rejime.pdf」をダウンロード
(3)断層の巣の中にある美浜3号:40年超えの寿命延長認可を阻止しよう(美浜の会)(2016.7.26)
http://www.jca.apc.org/mihama/News/news141/news141mihama_fault.pdf
「mihama3_saikadousosi.pdf」をダウンロード
(4)美浜3号・炉内構造物の耐震安全性に全く「余裕」なし(阪上武 2016.7.26)
「mihama3_sakagami.pdf」をダウンロード
(5)大飯原発 基準地震動再計算
関連の新聞記事(東京新聞・毎日新聞・福祉新聞)
<必見・説明用サイト>
(1)<緊急集会・賛同募集>原発の地震動見直しと美浜3号審査中止を求める緊急要請・院内集会 原子力規制を監視する市民の会(2016.7.22)
http://kiseikanshi.main.jp/2016/07/22/takemura/
(2)小山英之さん(「美浜の会」)プレゼン資料(2016.7.26)
https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/160726_koyama.pdf
(3)<解説:原発地震動過小評価問題>規制委が自らの再計算を葬り去ろうとしている理由 原子力規制を監視する市民の会(2016.7.21)
http://kiseikanshi.main.jp/2016/07/21/jisin/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)「原子力規制を監視する市民の会」HP
(5)美浜の会 HP
http://www.jca.apc.org/mihama/toppage3.htm
(田中一郎コメント)
原子力規制委員会・規制庁が計算した基準地震動(「入倉・三宅式」ベースと「武村式」ベースの2つ)のおかしさに加え、今回の再計算に見られた「タヌキの尻尾」について、ポイントを列記しますと下記の通りです。
1.上記「必見・説明用サイト」(1)にある「入倉・三宅データセット」と「武村データセット」のグラフ(下記)でご覧いただくと一目瞭然ですが、原子力規制委員会・規制庁が基準地震動や基準津波の算出根拠としている経験式(断層の断面積と地震の威力(モーメント)の関係式=断面積が大きいほど地震の威力も大きい)である「入倉・三宅式」は、世界の地震の実測データをもとにしたものですが、「武村式」は日本の地震のデータをもとにしたものです。そして、同じ断層断面積でも「入倉・三宅式」よりも「武村式」の方が地震の威力(モーメント)も大きくなっています。この2つが経験式として存在しているのに、原子力規制委員会・規制庁は、基準地震動については「入倉・三宅式」を、基準津波については「武村式」を使うというご都合主義をやり、基準地震動を小さく評価しているのです。何故、基準地震動についても「武村式」を使わないのでしょうか? 経験式が2つあるのなら、より厳しい結果のものを使うことが「安全確保」の原則だったはずです。
(関連)入倉・三宅データセット、武村データセット、及び熊本地震の位置(2016.7.22)
http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2016/07/入倉・三宅式と武村式.png
(系1)「入倉・三宅式」は、今般の熊本地震の実測結果をもとに計算をしてみたら、実際の地震の揺れ(実測値)の威力(モーメント)に対して大きく過小評価となることが分かりました。島崎邦彦東京大学名誉教授は、この熊本地震に関する計算結果で確信を持ち、今回の批判的問題提起に至ったものと推測されます。他方で、「武村式」や「島崎式」(注:島崎邦彦氏が開発した独自の経験式のこと)は実測値と大差ない水準となり、その妥当性が裏付けられています。
(系2)2007年夏に柏崎刈羽原発を襲った中越沖地震では、「入倉・三宅式」から導いた予想の地震動と比較して、実際にはその6倍もの揺れ(=地震の威力)が観測されました。そのうちの2倍分については、基準地震動を評価する際の「不確かさの考慮」として一定のカウントがなされましたが、残り4倍分については、どのように扱われたかが定かではありません。
(系3)「入倉・三宅式」は断層面積と地震の威力(モーメント)との関係式であり、「武村式」はもともとは断層の長さと地震の威力(モーメント)との関係式です。いずれも断層は地下14kmまでに存在し、それより深いところには存在しないと仮定しているので、「入倉・三宅式」の場合には、断層が垂直に立っている場合、断層面積が最も小さくなってしまって、過小評価につながりやすいのです(逆に、断層面が斜めに寝ていると断層面積は大きくなり「武村式」に近づいていって、過小評価の度合いが小さくなります)。「武村式」では、断層の長さがベースですので、断層の傾き度合いは関係ありません。
2.上記「必見・説明用サイト」(1)及び(2)にある「大飯原発の地震動評価:武村式を使った規制庁の計算における2つのごまかし」の棒グラフ(下記)をご覧いただきたいのですが、今般の規制庁の計算では次のようなインチキが行われて、基準地震動は、見かけ上、「武村式」で計算しても644ガルにすぎず、関西電力が最終的に決めた基準地震動の856ガルを下回っていて大丈夫だ、などという結論が導かれているのです。しかし、このやり口はいかにもシロウトダマシの「間抜けのタヌキ化け戦法」とでも言うべきもので、無理やり基準地震動の計算結果を小さく見せようとしていることがバレバレです。田中俊一原子力規制委員長も「してはいけないことをしてしまった」などと酷評しているようです。
(1)関西電力が計算した「入倉・三宅式」にもとづく基準地震動(基本パターン)596ガルを、関西電力よりも緩い条件設定をすることで356ガルにまで引き下げてしまっていること(なぜ、関西電力の計算と同条件で計算しないのか全く理解できません)
(2)関西電力が上記「基本パターン」に上乗せする形で基準地震動にカウントしていた「不確かさの考慮」(856-596=260ガル)を全くオミットしてしまっていること。その理由として、「武村式」が今回考慮する「不確かさ」だからだ、などと、わけのわからないことを言っているようです。
(関連)大飯原発の地震動評価:武村式を使った規制庁の計算における2つのごまかし(2016.7.21)
http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2016/07/大飯原発_規制庁のズル.png
3.しかし、他方では、この原子力規制庁による計算の結果、「入倉・三宅式」と「武村式」では、それぞれ356ガルと644ガル、つまり1.81倍もの差があることが明らかになってしまいました。これこそが、まさに「間抜けのタヌキ」の尻尾に他なりません。
4.この「武村式」が「入倉・三宅式」を上回る倍率の「1.81倍」を使い、関西電力の基準地震動の計算結果である856ガルを「武村式」換算しますと、856×1.81倍=1,550ガルとなってしまいます(あるいは「不確かさの考慮」は260ガルで変わらないと仮定すると、596×1.81+260=1,339ガルとなります)。この計算結果のいずれもが、この原発(大飯原発)のクリフエッジと言われている1,200ガルを超過し、この原発は稼働ができなくなるのです。
5.更に、次のような問題があります。
(1)「入倉・三宅式」も「武村式」も、過去の観測された地震をグラフにプロットしたものの平均(最小二乗法)をとったもの。しかし、基準地震動のような原発などの施設の安全基準の算定基礎に使うには、平均ではなくて、最大値を使うべきです(原子力ムラの言い訳として、それは「不確かさの考慮」でカウントしてあると言うかもしれません)。
(2)「不確かさの考慮」の計算の仕方や根拠があまりにも泥縄方式で、こんなものを「一般化する」こと自体、大問題であると思われます(小山英之さん(「美浜の会」)のレジメを参照)。今回、「武村式」を使うこと自体が、既にカウントに入れた「不確かさの考慮だ」などと原子力規制庁の役人が言っていることが支離滅裂な発言と言わざるを得ません。
(3)「震源を特定せず策定する地震動」があまりに小さいこと。この地震動の算定には「2004年北海道留萌支庁南部地震」(M5.7、震源の深さが9km)という大したことのない小さな地震が基準に使われているようですが、原発・核施設のリスクを推し量るのに、こんな小さな地震を基準にしていては話になりません。現在の地震学は過去データの蓄積に乏しく、従ってまた、地震のメカニズムの科学的解明が進んでおらず、簡単に言えば、地震はよくわからない自然現象の1つとなっています。従ってまた、地震予知も十分に正確にはできず、地震列島の日本では、いつどこで予想外の大地震が発生したとしても不思議ではないと言われています。だとしたら、「震源を特定せず策定する地震動」は、これまで知られている過去最大の地震を使うべきではないでしょうか(例えば、岩手宮城内陸地震など)。それでも将来に向けて最大地震と言えるかどうかはわからないので、安全係数=たとえば50%増し を掛けておく手もあります。(このメールの最後に「「震源を特定せず策定する地震動」に関する文献」をご紹介しておきます)
(関連)ウィキペディア:岩手・宮城内陸地震
(4)地震モーメントとガル数 立方根(1/3乗:3√) 平方根(1/2乗:√)
原子力規制委員会・規制庁は、「入倉・三宅式」や「武村式」で導かれる地震の威力(モーメント)を「3乗根」することで、原発施設に加わる「力」であるところのガル数(加速度)を求めることができるとしています。しかし、この「3乗根」(立方根)に科学的実証的な根拠はありません。一説によれば「2乗根」(平方根)の方が実態に近いそうで、もしそうだとすれば「3乗根(立方根)」よりも数字が大きくなります。つまり3乗根(立方根)では、原発にかかる力が過小評価されていることになります。
注:「3乗根(立方根)」(3√と書く)
3乗したらその数字になるという元の数字のこと。たとえば3の3乗=3×3×3=27なので、「27」の3乗根(立方根)は「3」です。
(5)基準地震動から求められるガル数に対して、実際の原発・核施設が、はたしてそれに持ちこたえられるのかどうか、その工学的な根拠もあやふやです。原発の再稼働審査の中の「工事計画」認可が「黒塗り・白抜き」にされて非公開となっており、原子力規制委員会・規制庁が確認したという「適合性審査」の客観性が大きく疑われている現状にあります。
結論:原発・核施設の再稼働を巡る原子力規制委員会・規制庁の新規制基準への適合性審査なるものは、1から10まで、デタラメ・インチキの可能性が高く、このまま再稼働を認めるわけにはいきません。徹底した検証が強く望まれています。原発・核施設という危険極まりない施設を「間抜けのタヌキ」どもに任せておくわけにはいかないのです。
<関連資料:別添PDFファイル>
(1)最大クラスではない日本海「最大クラス」の津波(イントロ部分)(島崎邦彦東京大学名誉教授『科学 2016.7』)
「simazaki_kagakuronbun_intro.pdf」をダウンロード
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/
(2)特集ワイド「忘災」の原発列島:揺れ過小評価を指摘 島崎元原子力規制委員長代理、「過ち繰り返したくない」(毎日 2016.7.20 夕刊)
(3)規制委の大飯地震動再計算、島崎氏批判「納得せず」(東京 2016.7.15)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201607/CK2016071602000135.html
(4)高浜1,2号機の新規制基準適合性審査の開題点(滝谷絋一『原子力資料情報室通信 505 2016.7.1)』
<関連サイト>
(1)島崎前原子力規制委員「あの悲劇が再現する」と大飯原発の地震動の見直しを要請(まさのあつこ) - 個人 -
Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20160617-00058922/
(2)「原発地震動評価・美浜3号審査に関する緊急要請」と院内集会(7-26)、京都「集い」(7-31)、そして小山英之氏(美浜の会)による論考のご紹介 - wakaben6888のブログ
http://kimbara.hatenablog.com/entry/2016/07/24/234854
(3)島崎邦彦氏(東大名誉教授)から田中俊一原子力規制委員会委員長宛の申入書を読む 弁護士・金原徹雄のブログ
http://blog.livedoor.jp/wakaben6888/archives/48043427.html
(4)島崎邦彦東京大学名誉教授の岩波書店月刊誌『科学 2016.7』掲載論文へのコメント(入倉孝次郎氏)
http://www.kojiro-irikura.jp/pdf/iwanamikagaku-comment-Jul13-2016.pdf
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(「震源を特定せず策定する地震動」に関する文献)
●御用文献
(1)震源を特定せず策定する地震動に係る 評価手引き
- 原子力規制委員会(2014年2月)
https://www.nsr.go.jp/archive/jnes/content/000127091.pdf
(2)電中研ニュース No.481 「震源を特定せず策定する地震動」対象地震の 解明に挑む(2015年7月)
http://criepi.denken.or.jp/research/news/pdf/den481.pdf
●批判文献
(1)1000 ガル超の「震源を特定せず策定する地震動」がなぜ採用されないのか(大阪府立大学名誉教授 長沢啓行 2014年7月9日)
http://wakasa-net.sakura.ne.jp/news/150jnes.pdf
(2)第5準備書面(被告(北陸電力)が策定した「震源を特定せず策定する地震動」の不合理性)(2013年3月1日)
http://shika-hairo.com/wp-content/uploads/2013/03/705892879ac9d4bc2c51c9280d60f7df.pdf
(3)実に怪しげな「震源を特定せず策定する地震動レベルに関する計算業務報告書」:龍渓論壇:So-netブログ
http://ryukei-rondan.blog.so-net.ne.jp/2015-06-29-1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(参考1)原子力規制委員会 HP(2016年7月23日付 たんぽぽ舎MGより)
●注目の面会(19日)と記者会見(20日)については原子力規制委員会記者会見
http://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html
●7月20日の原子力規制委員会定例会議
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000154.html
(参考2)たんぽぽ舎MGより(2016年7月20日)
┏┓
┗■1.記者:「不適切な式を適用した」
| 田中原子力規制委員長:「それ以上答える必要はない」
| 7月13日の原子力規制委員会記者会見から
└──── 2016.7.15「国会正門前平和通信」より抜粋
記者:
鹿児島県知事選で当選した三反園訓さんが、熊本地震を踏まえて川内原発の一時停止と再点検、避難計画の見直しを公約に掲げていた。仮に、三反園さんが原発の停止と再点検を規制委員会に求めた場合に、どういう対応をとるか。
田中俊一原子力規制委員会委員長:
私どもの判断は、政治的なことについて影響を受けてはいけないというのが原則だ。熊本地震のときに、委員会の中でも議論して、今、特に差し迫った問題はないということで今日まで来ている。その判断の根拠の説明を求められれば、それは説明することになるが、それ以上のことはできないと思う。
記者:
田中規制委員長は、基準地震動算出に使われている計算式の、入倉・三宅式も、武村式も、両方ともに経験式だといった。それらには、データに依存する適用条件があるはずだ。島﨑邦彦先生は、断層面が高い場合に入倉・三宅式は過小評価になることを指摘して、今回の熊本地震において観測値と合わないことが実証されたので、規制委員長と面談した。この面談の後に、毎日新聞は入倉孝次郎先生自身の発言を報じている。先生は、『地震の揺れの予測に使う場合には、断層面が垂直に近いと地震規模が小さくなる可能性はある。行政判断として、過小評価にならないよう注意しながら使うべきだ』とコメントしている。西日本においては、断層面が垂直に近いものが多く、入倉・三宅式では過小評価されうる。規制委は、これからも入倉・三宅式を使い続けるという。しかし、大飯原発や玄海原発の審査の中で、本当にこの式を適用していいかどうかということを、行政判断しなければならないのではないか。
田中委員長:
例えば、今回の大飯で言うと、傾斜は75度にして評価している。
小林勝長官官房耐震等規制総括官:
入倉・三宅式は、地震動評価の中の本当に一部だ。ほかの部分で不確かさを見ているし、インプットのときの適用条件を、もし垂直なら断層長さを長くとるとか、地震発生層の深さを厚目にとるとか、いろいろな不確かさを、入倉先生のコメントに沿った形で、ケース・バイ・ケースでいろいろやっている。
記者:
そもそも、使うべきでない式を適用してしまっていたら、不確かさもなにもない。今の話は、福島事故に至った津波評価と全く同じ構造だ。岩波新書の『原発と大津波
警告を葬った人々』に書かれている。
田中委員長:
演説はやめてほしい。津波の問題と地震の問題はちょっと違う。武村式でも逆に断層面が非常に緩い場合には過小評価になるというところもあるから、主旨はわかる。経験式だから、条件に適用範囲があるというのもその通りだ。だから我々としては、そこを踏まえて判断をしながら、それを適用していくということだから、これ以上答える必要はない。
記者:
だから、入倉・三宅式をこのケースに適用していいかどうかという判断を、もう一度お聞かせ願いたい。
田中委員長:
それ以上答える必要はない。
記者:
今回、基準地震動について再計算されて、十分余裕を持っていることを確認されたということだが、基準地震動を仮に超えるような事態が発生した場合は、どう責任を取るのか。
田中委員長:
ちょっとよくわからない。要するに、そういう頭の問答ではなくて、きちっと評価をして、専門的知見も入れて判断したということだ。一種の仮定だ。
記者:十分な安全性を確保されているわけではないということか。
田中委員長:
そんなことはないと思う。基準地震動を超しているとすると、いろいろな機器の固有振動とか、そういうのを評価していくことになると思うが、全部それは範囲内に入っていることを確認したわけだから、いろいろお考えかもしれないけれども、ご心配かもしれないけれども、それ以上のことを今ここで何か申し上げることはできないと思う。
記者:
そういうことはないという、心配はないという理解でよろしいか。
田中委員長:
その点については、今、心配する必要はないと思う。
(後略)
7/13記者会見全文のアドレスは下記をご参照下さい。
https://www.nsr.go.jp/data/000156872.pdf
草々
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