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2016年6月15日 (水)

「合法伐採木材利用促進法」という名の「違法伐採木材尻抜け法」=持続不可能木材の輸入を止められず熱帯雨林破壊に未だに手を貸す日本という国

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

このほど国会は(513日)、通称「合法伐採木材利用促進法」(新法の名称は「地球温暖化の防止等に資するための合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」を可決成立させました。全会一致のようです。しかし、この法律は、私が見るところ、「合法伐採木材利用促進」が「名ばかり」となり、場合によっては(合法木材取扱業者を商売上で不利な立場=高コストの立場に追いやることで)違法木材優位促進法になってしまう危険性をはらんでいます。日本は高度成長期に入って以来、数十年にわたって違法木材・持続不可能木材・熱帯雨林破壊木材・自然生態系破壊木材を大量に輸入し続け、地球環境の破壊に大きく寄与をしてきました。地球温暖化をはじめ、環境問題が地球的規模で大問題となり、中でも「地球の肺」と言われる熱帯雨林の破壊・荒廃が深刻化している中で、情けなくも悲しくも、日本は今なお木材の輸入適正化のための抜本改善をなしえていないのです、

 

●【ご案内】「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」が成立しました|GPNからのお知らせ

http://www.gpn.jp/archives/gpnnews/archive/2016/05/000940.php

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/190/meisai/m19005190029.htm

 

今回法制化された新たな仕組みについても、諸外国=特に欧州などの森林保護先進国を追いかけての対応であったにもかかわらず、法制度検討の中で最も最重視されたのは、木材輸入業者に大きな負担をかけないということでした。従って、海外では「当たり前」になっている、法律違反への罰則・罰金もなく、また、木材伐採の現場状況を調査・検証・把握・評価するDD(ヂューディリジェンス)の義務付けもなく、ただ単に「合法木材利用をすることはとてもいいことだ、みんなでそうしましょう」とリップサービスをする程度の「ちょい」法律にとどまっています。これでは、これまでの木材輸入をめぐる業界のありようから見て、合法木材・持続可能木材の利用が増える=違法木材・持続不可能木材の輸入が減少するという「確証」はまったくありません。むしろ、合法木材確保は非合法木材よりも高コストになりがちなことをかんがみた場合、違法木材に価格競争の優位性が働き、逆に違法木材を促進してしまうことにもなりかねないのです。

 

関連する記事を見てみますと、合法木材の定義や確認方法は、これから霞が関の役人たちの作文=政省令にゆだねられるとも書いてあります。益々、この法律の実効性や目的達成が怪しいと言えるでしょう。何故、日本は、木材の生産・再生産という、大昔からある基本的な産業の在り方をきちんと適正化できないのでしょうか。これは、可能不可能の問題ではなく、やる気の問題、ではないかと思います。民間の環境保護団体などが中心となり、今のゴロツキ政治家どもが一掃されたのちには、直ちに実施できるような「持続可能な木材輸入実現法」とでもいうべき法制度を用意しておくことが肝要かと思われます。

 

(日本における木材の輸入は、大きく材木輸入(製品を含む)と紙パルプ原料(チップ)の輸入に区分でき、また、地域別には、ソ連材(ロシア)・米材・南洋材に加え、昨今では欧州製品(集成材やその原料のラミナ)やアフリカ、オセアニアなどからも輸入が増えています。その多くは熱帯雨林や原生林などの自然林を伐採、あるいは乱伐したことによる木材の可能性が高く、世界各地で森林環境破壊・生態系破壊を引き起こし、原住民・先住民の生活を踏みにじっています(重大な人権侵害)。昨今では、ロシア材や南洋材は、現地における製材業・木材加工業の振興のため素材丸太での輸出が禁止されるようになりました。しかし、森林をメッタ伐りにする林業・林産事業のありようは変わっておりません。本来ならば森林の適正利用や森林保護に尽力せねばならない現地の行政当局などの規制監督組織が、木材業者から賄賂などをもらってニセの(ウソの)合法木材書類を作成したりしていることも改められていません。熱帯雨林をはじめ、世界の原生林は猛烈な勢いで減少を続けているのです)

 

 <別添PDFファイル>

(1)合法木材促進法解説(林政ニュース 2016.4.20

「gouhoumokuzai_rinsei_news.pdf」をダウンロード
(2)違法伐採木材対策、自民が法案骨子案(朝日 2016.4.1 他)

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12316869.html

(3)消える熱帯林 日本へ輸出、現地の証明あれば「合法」(朝日 2016.5.29

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12382188.html

 

(上記の記事のうち、今回の「合法伐採木材利用促進法」の解説は(1)の業界誌『林政ニュース』をご覧になるのがいいでしょう)

 

 <今回の新法に関するコメント:FoE Japan>

 下記コメントが物事のポイントをよく押さえています。

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★ 日本の新たな違法伐採対策法が成立!しかし大きな課題を残す形に!

 

2016年5月13日、日本の新たな違法伐採対策法が第190回国会の参議院本会議で可決成立しました。法律名は「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」。この法律をもって、日本政府は5月26日開催のG7伊勢志摩サミットにて国際社会に向けて日本の新たな違法伐採対策をアピールすることになります。

 

2006年4月に施行された改正グリーン購入法に基づく既存の「合法木材」制度と比較すれば、民間取引も対象になった点など、一定の前進であることは事実ですがその名称や目的からもわかるとおり、合法木材の利用を促進する法律であり、違法伐採木材の取扱いや流通等を規制する法律ではありません。

 

欧米豪で先行導入された違法伐採対策法が本法律と大きく違う点は、1.違法伐採木材の輸入禁止、2.違法伐採木材を使用しないための措置であるデューデリジェンス(DD)の実施、を基本としているところです(欧豪は義務、米国は任意ですがDDをしていない場合には罰則が厳重)。今回の日本の新制度では、違法伐採木材の取引禁止は定められておらず、DDの実施も任意となっています。

 

日本の新法において提案されている任意の登録制度では、違法伐採の流入を完全に止めることはできません。政府の定める基準を満たしたDDを行う企業を登録機関が審査しますが、どのような基準で登録を審査するのかは今後決まっていきます。また、登録しない事業者は、違法材を購入していても通常通り事業を続けることができます。このことは登録事業者として責任あるビジネスを行おうとしている企業に対して、労力や価格の点で不公平な競争環境を生み出す可能性が高いことを意味します。

 

このような法的枠組みのもとでは、国内市場への違法伐採木材の流入を防ぐ効果を大きく期待することは困難と言わざるを得ません。合法木材の定義を原産国の森林に関連する法令のみに限定し、書類ベースでの確認で十分とされている現行の制度から大きく変わらなければ、日本市場から違法リスクの高い木材を排除することはできません。違法伐採木材の国内での流通を撲滅し、日本が真に責任ある木材消費国となるためには、新法の効果を最大化すること、そしてもし十分な効果の確認ができない場合には、DDの義務化を含むさらなる取り組みを進めていくことが求められます。

 

限界はあるとはいえ、新法の持ちうる力を施行時に最大限発揮させることも重要であるため、今後定められていく主務省令、基本方針の内容、さらに施行後の運用のあり方について、厳しく注視し、継続して提言を続けていきます。(三柴淳一)

 

▼関連情報はこちら

 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律案

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/190/meisai/m19005190029.htm

 

 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律案条文(pdf

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/190/pdf/t051900291900.pdf

 

<リリース>日本の新たな違法伐採対策法について(2016.04.21

 https://www.fairwood.jp/news/pr_ev/2016/160428_pr_ngoletter.html

 

 日本に実効性ある違法伐採対策法の導入を(2016.03.31

 https://www.fairwood.jp/news/pr_ev/2016/160331_pr_ngoletter.html

 

 <霞が関3省=「やってまっせ」のアリバイ行為・作文のみ>

(1)農林水産省:林野庁-違法伐採対策

 http://www.rinya.maff.go.jp/j/boutai/ihoubatu/

(2)違法伐採問題 | 外務省

 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/bunya/bassai.html

(3)グリーン調達 国土交通省 技術調査課

 http://www.mlit.go.jp/tec/kankyou/green.html

 

 <政官財COMPLEX>

(1)グリーン購入法と合法木材 - 合法木材NAVI - (一社)全国木材組合連合会(違法伐採対策・合法木材普及推進委員会)

 https://www.goho-wood.jp/green/

(2)違法伐採総合対策推進協議会名簿/開催概要 - 合法木材NAVI - ()全国木材組合連合会(違法伐採対策・合法木材普及推進委員会)

 https://www.goho-wood.jp/kyougikai/3meibo1.html

 

 <関連サイト>

(1)違法木材に実効性ある規制を :日本経済新聞

 http://www.nikkei.com/article/DGXKZO00034390U6A420C1PE8000/

(2)研究報告書(チャタムハウスの評価):違法木材の取引 日本における取組(籾井 まり 201411月)

https://www.chathamhouse.org/sites/files/chathamhouse/field/field_document/20141125IllegalLoggingJapanMomiiJapanese.pdf

(3)(レジメ)日本の違法伐採対策の現状とその課題(FoE Japan 三柴淳一 201659日)

 http://www.foejapan.org/forest/doc/pdf/120509_m.pdf

(4)合法木材マークへの懸念と要望(グリーンピース他5団体 2006116日)

 http://www.goho-wood.jp/kyougikai/doc/wg2f-1120_4_1.pdf

 

 <その他>

●FoE Japan MGより:サラワクの違法伐採、日本の「合法木材」が隠れ蓑に?《森林保全生物多様性》

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201311月6日~8日の3日間、マレーシア、サラワク州の州議会議員で長年にわたり人権弁護士として先住民族の土地権利問題を支援しているバルビアン氏が来日しました。FoE Japanが今年6月に開催した森林ワークショップのフォローアップとしてFoEマレーシアと共に企画した「マレーシアの判例法学習会」で講演いただきました。

 

8日には議員同士の情報交換の場として自民党林政小委員会にて講演し、参加議員20名に対して「サラワク州からくる木材・木材製品のほとんどは先住民族の土地権を侵している違法伐採木材です。より精度の高いデューディリジェンス(事業者にリスクの調査・管理をお行わせること)の実施により、そうした木材の輸入をやめてほしい」と訴えました。

 

参加議員からは「サラワク州の違法伐採木材は日本の『合法木材』が隠れ蓑になってしまっているのではないか?商社はそれを知りながらも『合法』として輸入しているのではないか?」との発言もあり、サラワク州の違法伐採問題の所在と問題点が、広く議員に認知される絶好な機会となりました。

 

FoE Japanは引き続きサラワク州のような先住民族の権利を蹂躙し、法廷判決で「違法」と断じられているような伐採行為によって産出された「違法伐採木材」や「憲法違反木材」を的確に判別し、輸入禁止にできるような制度を、日本に導入すべく、政府や企業に働きかけていきます。(三柴淳一)

 

(関連)農業情報研究所(北林寿信氏):インドネシア、マレーシア・中国の違法木材取締り非協力に手を焼く

 http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/forest/news/05051001.htm

草々

 

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