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2016年5月 7日 (土)

(2つのメール転送です)(1)(報告)「8000ベクレル除染土を再利用」方針の撤回を求めて…5.2 署名提出と政府交渉(満田さん) (2)電力自由化は原発稼働電力会社を葬り去るチャンスです(東電株主代表訴訟:堀江さん)

前略,田中一郎です。

(メール転送です)

 

1.放射能で汚染されたゴミやがれきや土・粘土・砂などを公共事業で再利用(リユース)するというトンデモ計画が進行中

 

 しかも、その放射能汚染の上限を、放射性セシウムだけに着目して、何と8000ベクレル/kgを最上限(個々の使用用途で8千ベクレルを最上限に個別に再利用可能な汚染限度を決めるという)にして、それ以下なら日本全国どこでも使えるようにしていくというのだ。しかし、8000ベクレル/kgというのは、平方メートル当たりにすると×60で、480,000ベクレル/m2という驚くべき汚染度である。チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連では「強制退去」の基準に近い。もちろん青少年が立ち入り禁止の放射線管理区域指定基準=40,000ベクレル/m212倍という驚くべき放射能汚染度合いである。こんなものを公共事業に使っていくようにするというのだから、まさに狂気の沙汰という他ないだろう。推進組織は環境省だが、これでは文字通りの「環境破壊省」に他ならない。

 

 環境省からやってきた役人は、交渉の場で何度も、作業員は追加被ばくが1mSv/年を超えない・一般市民はその1/10010マイクロシーベルト/年を超えないよう「慎重」にやるという。じゃあ、どのように「慎重」かというと。(限度内の)放射能で汚染したゴミやがれきや土・粘土・砂などを使う場合には、上から汚染されていない土をかぶせて使う、などと言っている。これで「安心してください」というわけだ。バカでないのか、この役人は!! 熊本の地震の結果を見れば一目瞭然(がけ崩れ・山崩れ、土地の隆起や亀裂・段差など)だし、東日本大震災の際の三陸海岸の防潮堤の被害状況を見ても一目瞭然だ。土をかぶせたから大丈夫・・・・・よく言えたものだ。有権者・国民・市民をバカにしているに違いない。こんなことを認めてしまったら、それこそ日本国中が放射能汚染だらけになり、この国は近未来にどうしようもない、取り返しがつかない、放射能汚染の亡国国家となり果ててしまう。

 

 この愚か極まる行為・狂気の沙汰の背景には、できもしない除染を、さもできるかのように巨額の財政資金を使ってやり続け(ゼネコンや原子力ムラ組織のために)、汚染物を右から左に動かしただけで、その汚染物のやり場がないほどに膨大な量の「放射能汚染ゴミ」をつくりだしてしまったことにある。バカ政策が、それを上回るアホ政策で拡張され、放射能汚染の被害が、カネをかけてどんどん広げられている、そういう事態がある。放射能の恐ろしさを知らぬ不勉強のアホウどもに政権・政策を担わせればこうなる、の典型事例だ。

 

 結論は簡単=こんなものはやめさせる以外にない。そのためには、出来もしない除染などさっさとやめて、被害者を避難・疎開・移住させたうえで、その生活や仕事の再建に財政資金をしっかり使っていくことだ。放射能汚染地帯は、当分の間、手を掛けずに放っておけばいい。そうしない限り、問題は解決するどころか、どんどん悪化していき、それを修復するための財政資金の必要性がますます増大していくことになる。処方にもならぬことに巨額のカネ(財政資金)をかけることほど愚かなことはない。カネ(財政資金)は被害者をストレートに救済するために使えばいいのである。

 

(以下はメール転送です)

-----Original Message-----

満田夏花(みつたかんな)

Sent: Wednesday, May 4, 2016 3:49 PM

8000ベクレル除染土を再利用」方針の撤回を求めて…署名提出と政府交渉報告

 

みなさま(拡散歓迎/重複すみません)

FoE Japanの満田です。

 

8000ベクレル/kg以下の汚染土を公共事業で再利用する方針の撤回を求める署名には第一次集約までに1万筆を越える署名をいただきました。52日に、10,305筆と、団体賛同いただいた92団体のお名前を、環境省に提出しました。引き続き、署名を呼びかけておりますので、ご協力をお願いいたします。

 http://www.foejapan.org/energy/fukushima/160416.html

 

この問題が「わかりづらい」「広めづらい」というご意見をいただいたので、署名用紙とともに配布できるように、簡単なQ&Aを作成しました。以下からPDFファイルをダウンロードできます。Q&Aは2頁目です。

 http://www.foejapan.org/energy/fukushima/160416_petition.pdf

 

今回の交渉も踏まえて、環境省が8,000ベクレル/kg以下再利用資材をどのように導入しようとしているのか、除染残土問題、また従来のクリアランスの考え方など、本問題について重要と思われる点をまとめましたので、ご覧ください。

 https://foejapan.wordpress.com/2016/05/02/8000bq_problem-3/

 

52日の集会および政府交渉では100人を超えるみなさんにご参加いただきました。事前集会ではおしどりマコさん、高木学校の瀬川嘉之さんに解説いただきました。福島のみなさんにもかけつけていただき、政府交渉には、全員参加型で臨みました。おかげさまで、多くの重要な問題が、明らかになってきました。以下政府交渉の際の簡単なやりとりです。交渉のポイントと関連資料は以下からご覧ください。

 http://www.foejapan.org/energy/fukushima/pdf/160502_8000bq_No.pdf

 

質問1:原子炉等規制法第61条の2第4項に規定する規則(※)では、再生利用の基準は放射性セシウムについて100ベクレル/kg以下となっている。今回の環境省方針(8,000ベクレル/kg以下は再利用可能)は、同法に矛盾するのではないか。

 

回 答:100ベクレル/kgは、廃棄物をどのような用途で再利用もいいという基準である。8,000ベクレル/kgは、責任主体が明確な公共事業において、管理を行い、覆土などの遮蔽の措置を設けた上での再利用。なお、8,000ベクレル/kgというのは上限の値で、今後用途別に被ばく評価や手法を検討した上で、年1mSvを上回る場合には、より低い上限を設けていく。

 

(関連質問)原発の敷地内においては、低レベル放射性廃棄物として浅層処分を行うものを、敷地外においては、公共事業に再利用するというのはおかしいではないか。

 →明確な回答はなし。

 

(関連質問)8,000ベクレル/kgは、よく使われる係数(65倍)でキログラム換算すれば、52万ベクレル/m2。電離則によれば、放射性管理区域から持ち出し不可のもの(4ベクレル/cm2=4万ベクレル/m2)よりずっと高い。それを認識されているか。

 →明確な回答はなし。

 

質問2:「8,000ベクレル/kg以下の除染土を公共事業での再利用可能」とする根拠は何か。

 

回 答:確実に電離則及び除染電離則の適用対象外となる濃度として、放射性物質汚染対処特措法における規制体系との整合も考慮して、8,000Bq/kg以下を原則とした。

 

質問3:当該方針を実施するための法的手段はどのようなものか(改正する法律名・規則名など)

 

回 答:放射性物質汚染対処特措法に関連すると考えるが、具体的には次回の検討会で議論される。スケジュールは決まっていない。

 

質問4:建設作業員、周辺住民の被ばく限度は、年間何マイクロシーベルトを想定しているか。

 

回 答:追加被ばく線量として、年1ミリシーベルト。覆土等により、10マイクロシーベルト/年を実現する。

 

(関連質問)

・「追加」被ばく量であり、年20ミリシーベルト基準で帰還させられた地域では年21ミリシーベルトになってしまうが、どうするのか?

・「年20ミリシーベルト以下で帰還」基準との整合性は?

・他の化学物質等で、実際の濃度ではなく、住民等への暴露量として基準が決まっているものはあるか?

  →いずれも明確な回答なし。

 

質問5:「4」の計算根拠を示されたい。ほこりの吸い込みによる内部被ばくを考慮するか。

 

回 答:用途ごとの被ばく量を計算中である。次回の検討会で示し、議論される。内部被ばくも評価する。次回の検討会の日程はまだ決まっていないが、事前に環境省のウェブサイトに掲載される。

 

質問6.大雨、地震や津波などにより崩壊・流出は考慮されているか。

 

回 答:今後、評価する。

 

質問7.検討会のもとにおかれた「放射線影響に関する安全性評価ワーキンググループ」のメンバー、議事録は非開示とされている。環境省は、非開示の理由について、「ワーキンググループ関連資料は、ワーキンググループ委員による率直な意見交換を確保・促進するため、また、検討段階の未成熟な情報・内容を含んだ資料を公にすることにより、不当に国民の誤解や混乱を生む可能性があるため」としているが、非公開では、どのようなプロセスや根拠で本方針が導かれたのかガわからない。匿名をいいことに、無責任な発言や決定が行われる可能性もある。

 

1)改めて、ワーキンググループのメンバー、資料、議事録の開示を求める。

2)ワーキングメンバーの選定はどのように行ったのか。

3)今後は、本件に関する国民の強い関心にかんがみて、当該ワーキンググループは、公開の場で開催すべきであると考えるがいかがか。

 

回 答:ワーキンググループのメンバー、資料、議事録は開示できない。その理由はすでにお示ししたとおりである。なお、検討会の場で、ワーキンググループの結果が議論されるので、透明性は確保できる。

 

質問8:工程表に、「低濃度土壌の先行的活用」とあるが、具体的にはどのようなことか。

 

回 答:分級処理、過熱処理などを行ったうえでの低濃度土壌を活用するというもの。場所や具体的な内容、どのくらい「低濃度」なのかについては、まだ決まっていない。

 

質問9「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略」の2016年度予算額およびその内訳を示されたい。

 

回 答:

技術開発戦略策定調査(1億円)専門家による委員会を設置し、①減容技術の現状及び課題とその対 応案、②再生利用に関する課題の検討、③減容・再生利用等技術開発 戦略の検討等を行う直轄研究開発・実証 (10億円)

 

除去土壌等の減容・再生利用の早期実現に向け、ベンチスケールの分級プラント等により、①機器の性能評価、②処理後の土壌性状や濃縮残渣の各種試験、③土木資材等へのモデル的活用等を行う。→ 具体的な場所はまだ決まっていない。

 

再生利用の促進に関する調査研究(1億円)、除去土壌等の再生利用に向け、関係省庁の研究機関や学会等とも連携し、①再生利用先の用途、②再生資材の品質、③放射線安全に関す る評価項目の考え方等の検討を行う。

 

減容・除染等技術実証事業(2.3億円)、将来活用可能性のある技術の小規模実証・評価を行う。

 

質問10:本方針は、そもそも大量の除染土(最大約2,200m3)の存在が前提となっている。住民の意向に沿っていない無理な帰還政策や、それに伴う無理な除染のあり方そのものを見直すべきではないか。

回 答:除染土を減らすための努力は行っていく。

 

その他の質疑。

 

質問:福島県に住んでいるが、減容化施設が住民に説明もなく、いきなりつくられることに懸念している。

 →きちんと住民の方々に説明を行っていく。

 

参加者からの指摘:福島県の避難指示区域からの避難者だが、「帰らない」人が圧倒的に多く、それでも、「帰る」人のために除染に同意している。

 

質問:いったい誰がこのような方針を検討しろと言ったのか?

 →とくに「誰が」というわけではない。

 

質問:建設業界団体か?

 →いや、建設業界からは、むしろこのような資材は、「使いづらい」という意見もある。

 

指摘:コストをかけた高い建設資材を、ただでばらまく気なのか。

 

質問:自治体から、再生資材を使いたいという要望があるのか?

 →ない。

 

質問:国が利用してもらうために「インセンティブ」をつけるということだが、具体的には?

 →お金になるのか制度的なインセンティブになるのか分からないが、国としては利用を促していく

 

質問:まず、「再生利用」ありきではなく、再生利用するのかどうかということについて、広く意見を求めるべきではないのか。

 →国民の理解を得るためのさまざまな施策をおこなっていく。

 

質問:撤回すべき、という意見が多い場合は、撤回されるのか。

 →国民の理解を得ていくための取り組みを行っていく。賛否両論あると思う。必要に応じて、撤回ということもありうるだろう。

 

質問:管理型の処分場ですら、汚染物質がもれでることは枚挙にいとまがない。公共事業に使うということは、環境中に拡散されてしまうことになる。

 →そのようなことがないように、今後、しっかりと管理手法を検討していきたい。

 

※以下のブログに掲載しました。

 https://foejapan.wordpress.com/2016/05/04/8000bq_problem-%EF%BC%94/

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満田夏花(みつた・かんな)/携帯:090-6142-1807

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2.(メール転送です)電力自由化は原発稼働電力会社を葬り去るチャンスです(東電株主代表訴訟:堀江さん)

 

(以下はメール転送です)

 

堀江鉄雄です。重複ご容赦ください。転送・利用可

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

電力小売り自由化がスタートしました。皆様の小売り電気業者の選択はどうしましたか。脱原子力の意志表示をするチャンスです。「脱電力会社(脱総括原価方式)で脱原子力」を広めましょう。これまで再エネ発電事業は、原子力推進・維持政策のために潰されてきました。今また原子力維持のために潰されようとしています。これは官僚主導による日本のエネルギー政策、経済政策との戦いであり、原子力と再エネの戦いです。日本の場合、潰すか潰されるかで共存はありません。再エネ発電を選択受給できない人も、まずは「脱電力会社(原発所有9社)」を第一としてください。

 

 

1 脱電力会社(総括原価方式)で脱原子力の意志を具体的に示しましょう

 電力会社は、「地域独占と総括原価方式」により原子力関連事業の推進と拡大をしてきました。「電力会社の電気料金」には、総括原価方式により「原子力関連費用(原発の発電費用、再処理費用、損害賠償費用、廃炉費用、廃棄物処理費用、核燃料サイクル費用など)」が含まれています。これまで原発反対だからと言って、原発の発電した電気を拒否することや電気料金の原子力関連費用分の負担を拒否することは出来ませんでした。

 

 それが今、電力小売り自由化で電力会社以外から電気を購入できます。2020年まで電力会社は「総括原価方式」を取っているので、電力会社からの電力を購入しなければ、電力会社の電気料金に含まれている「原子力関連費用」の負担を拒否することが出来るのです。極端に言えば、誰も電力会社から電気を購入しなければ原発は停まるのです。今こそ脱原子力を選択するチャンスです。脱電力会社で脱原子力です。

(1)無駄な原発維持費の負担

(2)しなくても良い再稼働のための無駄な耐震追加費用の負担

(3)意味のない再処理費用の負担

(4)出来もしない核燃料サイクルの負担

(5)東電が負担すべき損害賠償金の負担

 

 加害者である東電は一銭も損害賠償金の負担をせず、全国の消費者が全額負担しているこの現実、被害者の損害賠償請求者は、自の受取る損害賠償金を電気料金で自己負担させられている。東電の損害・損失を負担するべき東電のステークホルダーは負担してない。この理不尽な現状などの原子力関連費用の負担を脱電力会社で拒否できるのです。

 

 脱電力会社は、あの「総括原価方式」の電気料金体制を、2020年を待たずに崩壊させることになります。このことの意味を皆さんが十分に理解、認識されれば、「総括原価方式」に替わる「再処理拠出金制度」が成立しても(421日衆議院可決)、「託送料金」あるいは「再処理賦課金」として原子力関連費用の負担を強要されても拒否することが可能です。また、電源別選択の自由と電源別料金を担保させる道筋にもなると思います。

 

 現在は、電力会社の発電量が圧倒的に多いので、電力会社以外の小売り事業者を選択しても、その小売り事業者が電力会社と電力の購入契約をしていれば、購入分は原子力関連費用を負担することになってしまいます。しかし、今はまず、反原子力と原子力関連費用拒否の意思表示だとの自覚を持って、電力会社との契約解除をしましょう。

 

2 再エネ選択の限界

 料金は高くとも「再エネだけ」販売する会社を選択したいところです。再エネ発電専門の小売り事業者か、再エネ発電量の割合の高い電力小売り事業者を選択するしかありません。しかし、現状の再エネの発電量は少なく需要に十分応えられないと思います。再エネ発電コストと蓄電の技術は充分ではないので、一部電力会社の供給に頼ることになると思います。また、原発や石炭発電由来の電気を分別供給はされておらず、発電源別料金にもなっていないので発電源別選択はできません。したがって、再エネ発電を選択購入したと思っても、安価な石炭発電を仕入れて再エネ発電だとして高価に小売り販売されることもあり得ます。発電源別由来の証明書あるいは再エネ発電の仕入量と販売量が同量であることの証明などの担保を必要とします。

 

 本来であれば原発(石炭)VS再エネなのですが、再エネの発電量は少なく現実的には対抗になりません。再エネ発電を選択しても、殆どが100%再エネと言うわけには行きません。また、電力会社以外の小売り事業者は、自前の発電源のみで100%供給出来るとは限りません。圧倒的発電量を占めている電力会社か、大規模発電事業者いずれかの発電している電力を購入供給することになります。

現状では、再エネ発電の発電量が余りにも少なく、需要に対して供給の限界があります。

 

ソフトバンクの場合

 ソフトバンクは再エネ供給率60%だとしているようですが、少なくとも40%は提携している東電から電力を購入することになると思います。また、全国展開をしているので電力需要量が増えれば、東電からの購入量が増えることになりますから相対的に再エネ発電の供給率%は下がります。東電その他電力会社(北海道、北陸、中国、九州電力に提携申し入れしている)からの発電購入量は増えるはずです。

 

 電力会社も再エネ発電はしています。しかし、発電源別販売をしていませんので、電力会社から供給される電気の由来は原発なのか、石炭なのか分かりません。「再エネ発電もやっています」「これから再エネ発電量を増やします」と電力会社が言っても購入しますか? 問題は、電力会社から購入する電気は、原子力関係費用を負担することになり、原発の存続・維持に加担することになることです。

 

 残念なことにソフトバンクの再エネ発電は、東電の販売窓口となることで他電源と混ざり、折角の再エネ発電としての価値は無くなってしまいました。ソフトバンクの再エネ発電は、東電の再エネ発電部門になってしまったのです。ソフトバンクは、再エネと割安料金を看板に東電(電力会社)の販売先兵になってしまったと言うことです。ソフトバンクの当初からの目的は、電力会社と組むことでスマートグリッドの利権を確保することだと思います。脱電力会社を薦める私としては、ソフトバンクは×にして欲しいと思います。

 

東京ガスの場合

 来年のガス自由化も控えており電力VSガスの構図にすれば、一般的には分かり易いのではないかと思い東京ガスと契約をしました。しかし、東京ガスは、足りない電力供給量を東北電力との電力提携契約だけではなく、関西電力とも燃料調達・発電運営に関する提携契約を411日発表しました。

 

 すでに商社を巻き込み電力・ガス体制の再編シナリオは進められています。ガス輸入量は、東電、中部電力に続いて東京ガスは第3位なのです。その輸入量1・2位の東電、中部電力は、燃料輸入調達・火力発電所などを共同する合弁会社「ジェラ」を設立しています。ここでも東電の巨大な力量を見せ付けられます。

 

 忘れてならないのは、東電は官僚主導の国策会社だということです。電気・ガスのエネルギー再編は、民間主導の経済合理主義ではなく官僚主導の国家経済主義体制となっているのではないでしょうか。3.11によって官対民という側面はなくなったように思います。

 

3 再エネ発電の「受入量制限」の撤廃を

 現在、私たちが原発ではなく再エネの発電を選択、購入しようとしても一部でしか購入できません。再エネ発電の供給できる発電量が少ないからです。需要があっても供給量が追い付きません。これは原子力を推進・維持するために、再エネ発電の「受入量制限」を電力会社が長年行ってきたからです。

 

 この再エネ発電の「受入量制限」は、

 

(1)再エネ発電事業の事業化推進を抑制している(投資・発電しても売電は担保されず、資金繰り計画は立てられず、資金の回収が不透明では融資も受けられない)。

(2)事業化による量産と競争は再エネ発電のコスト削減を促すはずが出来なかった(世界一であった日本の太陽光は原発に潰された)。

(3)受入量制限は、受入枠をめぐりメガソーラー大規模発電などと小規模発電を分断・対立させるという政策的効果がある(東電とソフトバンクの契約は、原発(石炭)VS再エネと再エネの価値を消すことに非常に効果的だった)。

(4)電力会社との受入契約は、電力会社に再エネ発電事業者の選択権(メガ優先など)を実質与えることになる。

 

 電力改革の本質は、大規模発電(原発)から地域分散型小規模発電(再エネ)への社会構造改革でなければなりません。受入量制限は、これに逆行するものです。「受入量制限」と「受入選択権」を持つ電力会社(東電)は、本来の原発VS再エネをメガ(ファンド、ソフトバンクなど)VS小規模発電へ変えようとしています。この「受入量制限」を撤廃し、「全量受入(逆流解消設備)」しない限り再エネの推進は抑制されたままで、世界の趨勢から再び取り残されることになるでしょう。受入枠を撤廃させるには、脱電力会社と再エネ発電需要の声を拡げ再エネ供給不足の現実を見せつけなければなりません。

 

4 電力会社間の競争

 電力会社間の自由化競争での東電の電力販売攻勢は、提携があるからか中部地区よりも関西地区での電気料金設定は低いのです。関電は、311後の長期経営計画において、それまで同様に原発を主力とした経営判断をしました。電気料金を低くしようとしたら再稼働に頼るしかないのです。関電は、原発再稼働という無謀な博打経営をしたのです。再稼働が上手く行かず窮地に立っているのは、結果論ではなく経営判断の失敗です。

 

 原発停止と経済後退による電力需要の低下で、各電力会社は疲弊しており競争力は低下していることもあり、激しい電力会社間での潰し合いはありません。出来ないと言った方が良いでしょう。ここで破たん企業である東電が一番元気なのです。何故か、国の資本1兆円と交付金10兆円の税金投入でキャシュフローは順調、損害賠償を切り捨て、事故対応と処理を疎かにすることで電気料金を下げることも可能にしているのです。官僚の主導する電力自由化を体現しているのが東電だからです。

 

 東電の一人勝ちです。他電力会社が本気で首都圏への攻勢など出来ません。再稼働と再処理のサジ加減でたちまち経営は悪化します。経営を圧迫する使用済核燃料の全量再処理に全く抵抗できません。官僚主導(東電主導)で電力会社間の競争は起こりません。

 

5 経産省の思惑

 電力の自由化は、決して消費者のためのものにはなっていません。官僚支配体制を確立するために利用されています。バブル崩壊後、金融機関には公的資金が注入され、官僚主導の元で金融機関は総合され、官僚の支配するメガバンクが誕生しました。金融政策において官僚VS金融業界の構図はなくなりました。

 

 官僚にとって電力・ガス自由化は、許認可権の分散と拡大化です。例えば電力10社で発電、送配電、販売まで全て一括処理していました。それが発電、送配電、販売とまずは事業分化されて認可事業が増えます。発電、販売では10社以外の参入事業者があります。この許認可の多様化に伴いそれぞれ公益法人が発生します。天下り先の増産です。

 

 例えば、損害賠償・廃炉支援機構を見れば、仕事と責任の不透明化、不必要な人員と費用の発生を確認できます。機構の理事会、運営委員会には、原子力関係の御用学者・研究者と不必要な組織に不必要な人達の集まりとなります。全く同じに再処理拠出金支援機構が誕生し、事故処理支援機構、廃棄物処理支援機構なども続くと思われます。原子力利権構造の多様化であり、原子力関係者への合法的な利益分配です。まさしく方向性を示せない無責任な官僚天国の誕生です。

 

電力・ガス業界も官僚VS業界の構図はなく、東電を中心とした業界の再編と統合は行われる事になります。この経産省の思惑を断ち切るには、電力会社からの電力購入拒否と原子力関連費用の負担拒否です。「再処理拠出金制度」により、原子力関連費用の負担を強要しようとしています。「電力自由化」を旗に「発電源の選択の自由」で、これに反対しましょう。

以上

 

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