言論・表現の自由、報道の自由、政治活動の自由を守れ(3)=言論がおかしくなった社会は、まもなく愚劣な支配権力が猛威を振るう悲惨で深刻な経済・社会状況に陥る
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
日本の言論状況や言論・表現の自由がおかしくなり始めました。特に、現アベ政権になってからが、その劣化の加速が一層ひどくなっているように思われます。既にマスコミは、新聞、TV、雑誌ともども団子状態で救いようのない状態までに「マスごみ」化しておりますし、書籍やネット言論も玉石混交の中で、次第に「石ころ」ばかりがもてはやされ、「玉」が徐々に徐々に(出版社や編集者ともども)消えている気配が感じられます。悪貨が良貨を駆逐するごとく「ニセモノ」言論がはびこる大きな理由の一つが、多くの一般読者に「ホンモノ」の言論を見抜くリテラシーが乏しくなっているからではないかと思われてなりません。書店によっては、どこかの右翼団体事務所かと思わせるような怪しげな過激本が山積みされていたり、マンガや娯楽本以外は置いていないような書店が増えています。
元来、日本の言論状況は私の若いころからおかしいところがありました。まるで大日本帝国時代を懐かしむかのごとき保守反動や右翼的言辞がちらほらしたり、くだらない形式的な大義名分を大声でどなり散らしたり、大事なところで中途半端な中庸主義を演じて改革の腰を折ってしまったり、あるいは政治や社会の問題に中立を装ったり無関心でいることが「善」であり利口な処世術であるかのごとき認識にしがみつくとか、まあ、例えて言えば、あの白戸三平氏の名作マンガ「カムイ伝」で描かれていた、救われない江戸時代の農民たちのような、とても民主主義国家の主権者とは言えないような言論です。
(参考)私的漫画世界|白土三平|カムイ伝
http://www.geocities.jp/msakurakoji/901Comics/37.htm
しかし、そうした言論があっても、昭和の時代では、例えば、時代遅れの演歌や軍歌を大音響で流しながら街宣車で現れる右翼たちに対しては、ほとんどの人が「ゴロツキ集団」として見下していて相手にしませんでしたし、また、いかなる考え方や言論がなされたとしても、その発言者・発信者は基本的には言論・表現の自由は守られておりました。今から考えると、そうした一種の社会的節操は、おそらくは戦前の大日本帝国時代の言論状況がもたらしていた「息苦しさ」「圧迫感」を多くの人たちが忘れられないでいて、そうしたことが再現しないよう、さまざまな点で「自制」を働かせていたのではないかと想像します。私の親の世代は、さまざまな遺産を私たちに残してくれましたが(いいものもあれば悪いものもあります)、その中でも、言論・表現の自由をお互いが相互尊重の中で大事にするとともに、ゴロツキ右翼に代表されるトンデモ言論=デマゴーグにはたぶらかされない、という、一種の自己自身保護の「最後の一線」はしっかりと守ることを身をもって教えてくれていたような気がします(憲法第9条もまた、その「最後の一線」の1つ)。
しかし、私を含む戦後の団塊世代以降、日本国憲法体制下の日本で生まれ育った人間は、言論・表現の自由をいわば「天賦の人権」として、生まれた時から存在するフツーの「状態」=いつでもどこでも存在する空気のようなもの、くらいにしか受け止めず、やがてそれを自分たち自身で平気で破壊する愚かなことをやり始めました(あるいは事なかれ主義で黙認し始めました)。その結果が今日のアベ政権下での日本の言論状況の一種の崩壊につながっているのではないかと推測します。言論・表現の自由を含む基本的人権は、主権者たる有権者・国民の不断の努力により維持され、内容が充実させられるものですが、いわゆる「与えられた世代」の「平和ボケ」ならぬ「基本的人権ボケ」が、言論・表現の自由を危うくさせ、同時に日本の言論状況を狂わせ始めているように思えてなりません。愚かなことです。
以下、昨今の関連するマスコミ報道をご紹介し、簡単なコメントを付すことで、私の危機意識を皆様にお伝えしたいと思います。このままでは本当に危ないと思います。このメールの表題にも書きましたように、言論・表現の自由が脅かされ、並行して権力にこびへつらう形で言論がおかしくなっていったその後に来るものは、愚劣な人間たちが支配権力を牛耳るような政治・経済・社会情勢の形成と、その支配権力による暴力的な暴走や破壊行為が待ち受けています。日本社会は私が常々申し上げておりますように、下記のような「伝統的病的構造」を特徴としておりますので、この事態は非常に危険で、結果的に「再びの悲惨なディザスター(disaster)」に帰結する可能性が高いのです。
この日本に「良識」がまだ生きているうちに、この危険な社会的兆候をなんとか転換いたしましょう。日本は危機の時代に突入しています。私たちの言動パターンを危機の時代に対応したものに変える必要があります。市民運動・社会運動は変わらなくてはいけません。日本の有権者・国民・市民は政治的に「覚醒」をしなければいけないのです
(日本の「伝統的病的構造」)
(1)上へ向かっての「頂点盲従主義」(頂点の最高峰は天皇)
(2)横へ向かっての強い同調強要圧力
(3)下へ向かっての無限の無責任=責任転嫁
<別添PDFファイル>
(1)放送法の公正・中立とは(安田節子『いのちの講座
第97号2016.3.8』)
「inoti_housouhou.pdf」をダウンロード
(2)新聞報道の矜持(『いのちの講座
第97号 2016.3.8』)
「inoti_sinbunhoudou.pdf」をダウンロード
(3)放送の「自由」と「公平・公正」とは? 求められる将来像(田島泰彦『週刊金曜日 2016.4.1』)
(4)北海道新聞社が「言論の自由」制限へ秒読みか(小笠原淳『週刊金曜日 2016.3.25』)
「HOKKAIDOUSINBUN.pdf」をダウンロード
(5)取材対応時に「誓約書」、東京医科歯科大
2月廃止(毎日 2016.3.30)
(6)テレビ報道の現場、開かれた空気消え強まる同調圧力、「ほえない犬」に(朝日 2016.3.30)
(7)(チラシ)国会議員会館
9条タグ着用入館×(東京 2015.10.7)
「tirasi_9jou_tagu.pdf」をダウンロード
(8)愛媛県立高生徒、政治活動
届け出義務(東京 2016.3.16 夕刊他)
(9)安保法、秘密法、報道規制の動き、「国論一つ」狙う(東京 2016.3.29)
(10)在特会の徳島県協組襲撃事件(東京 2016.3.30)
1.放送法の公正・中立とは(安田節子『いのちの講座
第97号2016.3.8』)
2.新聞報道の矜持(『いのちの講座
第97号 2016.3.8』)
http://www.yasudasetsuko.com/vision21/#3
(田中一郎コメント)
最近私が目を通した「報道の自由」や「言論・表現の自由」について、最も優れた評論をしていたのが、この2つのレポートです。みなさまは安田節子さんの「いのちの講座」はご存知ですか。ぜひ、定期購読されてお読みになられることをお勧めします。安田さんは、食の安全やTPP協定などにもお詳しい方で、活発な市民運動・社会運動の活動家でいらっしゃいます。隔月で発刊されている「いのちの講座」には、これ以外にも傾聴に値する優れたレポートが満載されています。お勧めいたします。
3.放送の「自由」と「公平・公正」とは? 求められる将来像(田島泰彦『週刊金曜日 2016.4.1』)
http://www.fujisan.co.jp/product/5723/
(一部抜粋)
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(中略)欧米の経験を踏まえると、公平原則が制度化され、維持されるためには、多くの条件が満たされなければならない。たとえば、公平性を制度化し、執行するためには、少なくとも公平とは何かについてある程度明確な、具体的な規定が不可欠であるし、違反した場合の制裁の種類や手続きが法定される必要がある。特に、政府の恣意的な介入を避けるためには、公平原則の判定、制裁をする機関は、政府から独立した機関であることが不可欠である。
さらに、番組への過剰な萎縮(いしゅく)を避けるべく、過度に詳細で厳格な規制は許されず、放送局の番組全体をではなく、個々の番組に即して公平原則を適用することは認められない。いずれにしても、公平原則はどのように制度化されても、本質的に不確定性を免れず、実質的にはメディアの自律によって実現していく他なく、現に各国とも免許取り消し等の重大な制裁は発動してこなかったと言われている。
日本では独立的な規制機関を欠くなど、公平原則をまっとうに支える条件を満たしておらず、高市発言等の放送介入がいかに歪ヨであるかは以上から明らかである。
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(田中一郎コメント)
まったくその通りです。ネオナチとツーショットをしている右翼偏向政治家の高市早苗総務相やゴロツキの集まりである自民党が、この報道の「公正・公平」を判断していては話になりません。しかし、当の本人はそのつもりでいるのでしょう。こういう民主主義や言論・表現の自由のイロハが理解できない人間を国会議員にしてはいけません。高市早苗を選出している奈良県民は、この政治家を選挙で落としてください。
4.北海道新聞社が「言論の自由」制限へ秒読みか(小笠原淳『週刊金曜日 2016.3.25』)
https://twitter.com/ogasawarajun/status/713321096745848832
(田中一郎コメント)
驚きました。地方紙では比較的定評のある北海道新聞がこういうことをするのですか。これは新聞社経営側の一種の「優越的地位の濫用」による社内記者の基本的人権の侵害行為です。が、しかし、私が更に驚いたのは下記の記述でした。
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(中略)同旨の規定が複数の大手紙ですでに導入済みであることをみると、発行部数100万部を超える(今年2月現在)ブロック紙・『北海道新聞』はむしろ、これまでは大手に倣わず白由な言論を守ってきた立場だったといえる。全国紙・『朝日』は「記者行動基準」で社外活動に「上司の承認」を義務づけており、最大手の『読売』に至っては「記者行動規範」で社外活動自体を事実上認めていない。そうしたルールと無縁だった道新が、ここへきで不意に規定新設をめざしたのは、なぜなのか。その背景は明かされないままだ。
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(田中一郎コメント)
驚きモモの木だ、朝日新聞(落日新聞)と読売新聞(ゴミ売り新聞)。まるで自社内記者は右も左もわからぬ「幼稚園児」並みか。これじゃ、記者は死んじゃうわな。「上司」などというのは、たいがいがロクでもないからね。何が「行動基準」「行動規範」か、バカぬかせ!! ジャーナリストとしての、あるいはジャーナリズム組織としての「基準」「規範」が必要なのは、現場記者ではなくて、「マスごみ」諸君の経営者及び幹部職員たちだ。
5.取材対応時に「誓約書」、東京医科歯科大
2月廃止(毎日 2016.3.30)
http://mainichi.jp/articles/20160330/org/00m/040/004000c
(田中一郎コメント)
この記事にも驚いた。この「オレさま」大学の東京医科歯科大学だが、よくもかようなことをしているものだ。撤回したそうだが、撤回したからいいってもんじゃない。そもそも自主判断・反省をして撤回したのではなく、法律顧問の弁護士から「やりすぎだ」と言われて撤回したそうだから、事の本質=大学の体質は変わっていない。恐らくは何の反省もしていないだろう。
だったら、取材する側も、この大学から「大学における研究や教育は、支配権力や世の中の大勢に迎合することなく純粋に真理・真実を探求し、いわゆる「御用の学」を排除します。また、大学における学問の自由を守り、文部科学省や自民党が主導している学長専制の非民主的な大学運営を行わないことを国民に対して誓います。更に、昨今懸念されている「大学の営利化」や「軍事への協力」についても、当大学はきつく拒否の姿勢を貫きます。大学における「真理の探究」や「学問の自由」の確保、あるいは民主的運営と大学自治の原則から外れた行為に対しては厳正に対処いたします」くらいの「念書」を出させてはどうか。
6.テレビ報道の現場、開かれた空気消え強まる同調圧力、「ほえない犬」に(朝日 2016.3.30)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12284289.html?rm=150
http://news.asahi.com/c/aeambwg2uTmSicah
看板キャスターが次々と降板する今春。テレビの報道の現場で今、何が起きているのか。テレビジャーナリズムの精神とは? TBS「報道特集」の金平茂紀キャスターに聞きました。朝日新聞にも厳しい指摘をいただきました。
(田中一郎コメント)
TBSの「報道特集」キャスター・金平茂紀氏へのインタビュー記事です。ぜひご覧ください。報道ステーションも、クローズアップ現代も、ニュース21も、事実上葬り去られた今、TVに残った最後の「言論の砦」「報道のクサビ」ということか? 「ほえない犬」とは、うまい表現だが、でも、「犬は犬」だからね。
7.(チラシ)国会議員会館
9条タグ着用入館×(東京 2015.10.7)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015100702000263.html
(田中一郎コメント)
二ともあろうに、国会議員会館でかようなことをしている。他方では、赤い羽根や緑の羽根を胸に付けた人間たちはフリーパスである。何が『示威行為に当たる」だ。憲法第9条うんぬん以前の問題だ。言論、表現、活動の自由という基本的人権への侵害のみならず、個人の尊厳にもかかわることだ。無礼極まりなし。かような警備員は契約を解除して退去させよ。国会議員はこれを見てなんとも思わないのか!?
海外からの訪問客も多い国会議員会館でかようなことをしていて、国際的な恥だと思わないのか!?
(時折、集会等で別添PDFファイルの「チラシ」を配布しております。みなさまにも拡散をお願い申し上げます。衆参3つの議員会館のうち、衆議院の2つがひどい状態です。国会議員の皆様。あるいは日弁連さん、何とかしていただけませんか?)
8.愛媛県立高生徒、政治活動
届け出義務(東京 2016.3.16 夕刊他)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016031602000235.html
(田中一郎コメント)
私の出身高校は、私が入学するちょっと前に、高校在学生徒による学長室占拠が行われた「紛争校」でした。紛争するのがいいとまでは言いませんが、かような「届け出義務通知」なんぞ、出そうものなら、ただじゃあ、おかんぞ、という、高校当局と生徒との間で、一種のいい意味での緊張関係がありました。愛媛の高校生諸君、君たちは「クソ教育委員会」(橋下徹)の委員や官吏、高校当局の教員・事務官どもにナメられてますよ。こんなものは憲法違反の人権侵害そのものです。ぶっ飛ばしましょう(「萎縮させる恐れがある」か否かだけが問題なのか!?)。こんなものを放置しておけば、いずれ高校生のみならず、全県民に対して「政治活動の届け出」、更には「政治活動の事前承認」が義務付けられますよ。(教育委員会は、かようなくだらない人権侵害通知など出しているヒマがあったら、日本の公職選挙法がいかに前近代的でゆがんだものであるか、きちんと高校生に教えるよう指導したらどうか)
9.安保法、秘密法、報道規制の動き、「国論一つ」狙う(東京 2016.3.29)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2016032902000176.html
(全く同感です:田中一郎)
10.在特会の徳島県協組襲撃事件(東京
2016.3.30)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016033002000155.html
(一刻も早く「禁止法」制定が望まれます。昨今の、こうした動きは目に余ります。また、日本の警察や検察、そして裁判所が、こうした動きに対してきちんと厳しく対応・対処していないことに憤りを感じます。:田中一郎)
(ところで、話は記事の主旨とは関係がないのですが、この記事には次のように書かれている部分があります。「県教組は09年、日教組の要請で「子ども救援カンパ」に取り組んだ。日教組は、全国の単位組合から集まったカンパ金を、連合と、遺児らを支える「あしなが育英会」におおむね半額ずつ納めた。」⇒
なんでこんなところに「連合」が出てきて、カンパ金の半分を吸い上げているのでしょう? ちょっと変だなと思いました。:田中一郎)
<関連サイト>
1.高浜原発運転停止で関電社長、勝訴なら賠償請求も(東京 2016.3.19)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201603/CK2016031902000123.html
(関連)言論封じ「スラップ訴訟」、批判的な市民に恫喝・嫌がらせ(朝日 2016.3.6)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12245029.html?rm=150
(関連)怒る関経連「なぜ一地裁の裁判官が」 高浜原発差し止め:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJ3K514KJ3KPLFA00D.html
(田中一郎コメント)
野卑下劣(山口二郎)の時代を象徴するような原子力ムラのイカレ頭の発言だ。「関経連」=「肝痙攣」てなものかな。まさに狂気に鉄砲を持たせているようなものだ。それはともかく、日本でも、いわゆるスラップ訴訟対策のための法整備が必要だ。これもまた日本国憲法が保障する「国民の公正な裁判を受ける権利」の侵害に他ならないからだ。
日本国憲法
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
(「公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利」は刑事事件に限られないでしょう:田中一郎)
2.キャスターもどせ23と報ステを応援する会(@ouenhst)さん Twitter
3.報道ステーションが過去ツイート全消し - Togetterまとめ
4.安倍応援団の報道圧力団体「視聴者の会」賛同者の溝口敦が“反旗”!「安倍首相を立てる報道ばかり」「高市発言こそナンセンス」|LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見
http://lite-ra.com/2016/03/post-2088.html
草々
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