政府が進める電力自由化のどこがおかしいか=温存される既存地域独占大手電力会社の業界支配と原発王国
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
(最初に若干のこと)
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1.(別添PDFファイル)(メール転送です)電力の小売全面自由化にあたって、脱原発行動を考えましょう!
「YOBIKAKEBUN.pdf」をダウンロード
お元気でご活躍のことと思います。月刊ミニコミ誌『たんぽぽ』では、3月12日(土)午後、学習会「『電力の自由化』って何?~小売全面自由化で私たちは何ができるの?」というテーマで、講師にたんぽぽ舎の山崎久隆さんを招いて論議しました。その結果、2つの行動を計画することになりました。
1つは、東電に対して、提案1のような意思表示をすることにしました。2つは、東電の電気を使わない場合、どこの電気にすればよいのか検討し、当面千葉県内で京葉ガスを使用している方で、提案2のような京葉ガスの担当者を招いて説明会の開催を計画しました。この2つの行動に是非ご参加ください。
●京葉ガスとの説明会・話し合いに参加しませんか
日 時:4月18日(月)午前10時から12時まで
会 場:松戸・ほくとビル4F会議室
主 催:月刊ミニコミ誌『たんぽぽ』編集部 連絡先:吉野(携帯090-4606-9634)
2.乳歯保存ネットワークのご案内
http://www.pdn311.town-web.net/
3.【実名公開】高浜原発「止めようとした裁判官」「動かそうとした裁判官」 選んだのは「国民の生命」か「自分の出世」か
(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160329-00048223-gendaibiz-bus_all&p=1
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160329-00048223-gendaibiz-bus_all&p=2
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今月4月1日より、電力小売りの全面自由化がスタートしました。マスコミは日々、しきりにこれを報道していますが、記事を見ていると、何だか電力自由化=電気代の安売り競争のように見えてきます。でも、事の本質はそこではありません。これまで日本では戦後の長きにわたり、大手9電力による垂直統合型の地域独占と総括原価主義(*)が徹底して続けられ、電力業界の硬直化と巨大な利権化が進んでおりました。大手9電力の独占は、一方で電力供給システムを歪め日本の電力料金を世界一高いものにしておりましたし、他方では、単に業界や市場を支配するだけでなく、さまざまな方法で政治家や官僚達までもを篭絡し、また、原発立地をはじめ、全国各地域の政治的・経済的・社会的支配までもを手中に収めていたのでした。原発・核燃料サイクル事業は、そうした歪みに歪んだ既存電力業界の上に咲いたあだ花とも言えるもので、結果的に様々な出鱈目を繰り返して福島第1原発事故という悲惨な結果をもたらし、自滅的な今日の情勢に至っているのです。
従って、この4月から始まる電力小売りの自由化は、目先の電気料金が少しばかり高いか安いかに拘泥するのではなく、電力業者や電源を私たち電力消費者が自由に選択することにより、これまでの電力業界の歪んだ状態を矯正することが肝心です。私たちは、この機会を利用して、今度こそ日本を破滅に導くかもしれない原発・核燃料サイクル事業の息の根を止めるべく、電力供給業者を選択する必要がありますし、また、21世紀の未来を担うエネルギーとして、再生可能エネルギーの飛躍的な拡大に寄与するような、電力消費の適正な選択が求められていると言えるでしょう。
(*)ウィキペディア:「総括原価方式」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8F%E6%8B%AC%E5%8E%9F%E4%BE%A1%E6%96%B9%E5%BC%8F
しかしながら、事はそう単純に一直線には行きそうにありません。福島第1原発事故で少しおとなしくしていた既存の地域独占電力会社が、再びその政治力・経済力を発揮しはじめ、電力自由化を前にして巻き返しを図っているのです。以下、関連する若干のマスコミ報道等をご紹介するとともに、政府が進める電力自由化のどこがおかしいのか、いくつかの点を箇条書きにしてみます。本来であれば、きちんとした電力自由化がなされるべきところに「横やり」が入り、おかしな「仕掛け」、再びの歪んだ原発・核燃料サイクル事業温存の「仕組み」が敷かれようとしています。これを放置すると、電力市場のメカニズムが狂いはじめ、再び日本の電力やエネルギーの供給がおかしくなってしまいます。どこまでも温存されようとする既存の地域独占大手電力会社の業界支配と原発王国、電力自由化スタートは、こうした守旧勢力との再びの継続的な闘いの場となりそうです。
<別添PDFファイル>
(1)誰のための電力自由化か(小澤祥司『世界 2016.4』)
https://www.iwanami.co.jp/sekai/2016/04/directory.html
(2)再エネ?、原発?、知りたいのに、電気のもと
公表3割(東京 2016.3.26)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016032690070516.html
(3)再エネ電力 選べない?
4月自由化 家庭向けわずか(朝日 2016.2.28)
http://www.asahi.com/articles/ASJ2H62ZMJ2HUTIL03M.html
(4)市民と して電力小売り自由化を考える(飯田哲也『自然と人間 2016.3』)
http://www.n-and-h.co.jp/201603/
(5)決定版 電力自由化Q&A(週刊朝日 2016.3.18)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=17861
(6)企業の自家発電 原発7基分(日経 2016.3.11)
http://www.nikkei.com/article/DGXKASDZ10HVB_Q6A310C1TI1000/
(7)石炭火力 新設容認へ(朝日 2016.2.7)
http://www.asahi.com/articles/ASJ265Q7HJ26ULBJ007.html
(8)電気新料金 使用量多い世帯が得(朝日 2016.2.3)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12190948.html
<関連サイト>
(1)「原発の電気」とはさようなら~「電力自由化」で広瀬隆さん講演(レイバーネット日本) gataro
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/422.html
(2)Greenpeace
*Greenpeace 電力自由化スタート
http://ext.greenpeace.or.jp/html_mag/hmag2016_0402_ns.html
*Greenpeace 福島原発事故 もうすぐ5年
http://ext.greenpeace.or.jp/html_mag/hmag2016_0206_ns.html
(3)eシフト 脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会
(4)緑の党
http://www.gj-energy-policy.com/
<参考書>
●電力自由化で何が変わるか-小澤 祥司 本・コミック : オンライン書店e-hon
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033421970&Action_id=121&Sza_id=G3
<政府が進める電力自由化のどこがおかしいか=温存される既存地域独占大手電力会社の業界支配と原発王国>
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電力市場自由化のねらいとして、次のようなことが考えられる。
(1)地域独占と総括原価主義による世界一高い電気料金に代表される電力市場の硬直化の弊害除去
(2)発電電源の消費者選択を可能にする(特に原発電源の拒否と再生可能エネルギー電源の普及)
(3)電力業界における「利権」の歪みを正し、健全な電力産業の発展を可能にする
(4)電力会社間競争による消費者向けサービスの向上
一般論としては、多数の電力業者の新規参入により、電力供給の不安定性が高まること、また、送配電網を別会社に分離することにより、送配電網のメンテナンス費用の継続的調達や更新投資・新規高度化投資などが滞る可能性があること、更には、電力業者の経営規模等による市場支配力の差や、送配電網の保有会社を既存の地域独占電力会社が保有し続けることによる「優越的地位の乱用」などが懸念される。従って政府は、しかるべき組織・体制を用意して、いわゆる競争条件の整備や不当競争の排除、及び電力の安定供給の継続的実現(停電の防止)などに尽力する必要があり、また、対消費者向けについては、電力供給者に対して適切な販売規制を行って、不当な営業行為を取り締まったり、供給電力に関する充実した内容の表示や情報公開も実現させていく必要がある。
(参考)ウィキペディア:「エンロン」(電力自由化の失敗事例)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%B3
しかし、福島第1原発事故を経ての我が国での電力自由化の進展は、上記に略記した本来の在り方とは違う、歪んだ形でのスタートとなっている。それは簡単に言えば下記のようなことである。
第一に、既存の地域独占大手電力会社(10社)の圧倒的な経済力・政治力・社会的影響力が温存される形で進められ、
第二に、既存電源が適正な市場競争にさらされることのないまま、おかしなルールの下で温存され、そのコストが全消費者・国民におしつけられようとしていること、とりわけ原発の危険性や不効率・非経済性、あるいは地球温暖化防止対策との関係で、老朽化石炭火力設備などについてメスが入るような競争条件が整備されていない、
第三に、他方で再生可能エネルギーの普及に政策的な歯止めがかけられ、多くの消費者・国民が望む「きれいで持続可能なエネルギー」の拡大にブレーキがかかりそうなこと、
第四に、最新鋭で高いエネルギー効率の天然ガス利用・分散型コジェネ電源普及もまた、ままならなくされていること(原発と石炭火力へのシフト)、
最後に、従ってまた、政官財=すなわち、自民党や民主党などの政治家と経済産業省らの霞が関官僚、そして電力業界や原子力産業界が旧態依然の「利権」で結びつき、電力行政の私物化と電力市場の継続的支配を可能にしてしまっている、ことなどである。
以下、現時点で私が「どうもおかしい」と認識している電力市場自由化進展上の諸問題点のいくつかを簡単に列記しておきたい。いずれにせよ、我が国の電力市場の本格的自由化は、遅ればせながらもようやく始まったばかりであり、これを今後どのように発展させていくかは消費者・国民の総意次第である。電力市場自由化を単に電気料金節約のための手段程度にとどめず、電力の供給体制の在り方や将来のエネルギー源を何に求めるかなどの消費者・国民の有力な選択手段として積極的に受け止め、購入電力の賢明で適切な選択をしていくことが一刻も早い脱原発の日の実現につながると思う次第である。
(1)電力自由化法では、「発送電分離」の本来あるべき形態であった「所有分離」(電力持ち株会社のグループから発送電会社の資本及び人事関係を完全に切り離し、正真正銘の公的な機関とする)が頭から排除されていた。時の民主党政権や(その後の自公政権も)経済産業省、及び電力業界は、福島第1原発事故直後の時期にあって、この発送電会社の「所有分離」を電力自由化のスケジュールから排除することに全力を挙げていた(結局、「法的分離」(電力持ち株会社のグループ内の別会社)とされてしまったが、「法的分離」の送配電会社では、大手電力と新規参入組との公正・公平な競争条件が整わない)。
(2)電力の供給体制や電力市場の監視をするために新たに設けられた2つの機関=「電力広域的運営推進機関」と「電力(及びガス)取引監視等委員会」が有効に機能するかどうかが極めて怪しい(運営や人事等への電力利権・政治家・官僚などの介入・関与など)。例えば、本来であれば九州電力その他の送配電網を握る大手電力会社の再生可能エネルギー買入拒否に対しては厳しい対処がなされなければいけないのだが、そういう方向で動く気配は今のところ全くない。また、原発のコストそのものである廃炉費用や使用済み核燃料の処分費用が電力の「託送料金」に上乗せされる動きも顕在化している。これについても、両機関は何のブレーキにもなっていない。更に電力の卸売市場の機能についても「?」がついている。発送電分離が不十分なままで、かつ、系統運営や市場監視の適正性があやしい、卸売市場も既存大手電力が支配しそうだ、となると、電力自由化は「形だけ」となってしまう可能性がある。
(関連)電力広域的運営推進機関ホームページ
(関連)電力・ガス取引監視等委員会
(3)原発電源への不当きわまる優遇措置が温存ないしは新たに新設されようとしている(例えば、廃炉やバックエンド費用を送配電網利用者全てに強制的に賦課する(「託送料金」に上乗せ)、そのほとんどが原発関連である電源開発促進税も託送料金に含められた、原発電源の表示を義務化しない、逆に再生可能エネルギーの表示について「FIT制度」を理由に「クリーン」「グリーン」「環境にやさしい」などの表示禁止、旧態依然の原発立地対策や研究費助成などの「原発テコ入れ」政策をやめるどころか増大させる動き、など)。
(4)地球温暖化対策に対応した電力市場の在り方検討がなされている様子がない。特に、大量のCO2を排出する大型石炭火力について、既存の老朽化施設や、これから新設する施設に関して、どのような政策方針で臨むのかが明らかでない(排出権取引や炭素税なども含む)。また、エネルギー効率が高く(最高で80%くらい=原発はせいぜい30%)老朽化大型石炭火力に代替すべき「天然ガス・マイクロガスタービン・オンサイト型コジェネ」電源の普及推進について、ビジョンや推進方策が見えない。
(5)再生可能エネルギーへの政策的支援や普及政策を打ち切り、ないしは大幅削減し、将来大きく発展していく可能性の芽を自らが摘んでしまう形になっている。これは日本の将来にとって大きな損失であり、また、日本の産業構造や社会構造の転換、そして地域活性化などの本来あるべき経済的・社会的変化を妨げるものである。多くの自治体や事業者など、地方からもこの再生可能エネルギー支援縮小に対して批判が多く出ている。
(6)電力インフラ、とりわけ原発輸出について政府の様々な形でのテコ入れが目に余り、これはそのまま原発を温存している既存地域独占大手電力会社の経営に非常に有利に働く。EUなどでは許されない「民業への政府の不当な介入」にあたる。
(7)依然として、既存地域独占大手電力会社の経営規模が大きすぎ,市場や業界の支配力が他の電力業者を圧倒している。これでは適正な競争条件は整わない。大手電力会社を適正規模に分割する必要があり、また、政策的にも、新規参入業者の市場シェアを目標として持つべきである。また、(2)の規制機関だけでは競争条件の整備は不十分なので、公正取引委員会の中に電力市場自由化の監視セクションを置き、内部告発を含む「電力供給」の「不当競争防止」の確保体制の整備が必要不可欠である。
(8)マスコミ報道が電力自由化=電力料金安売り競争のイメージを演出しており、その弊害が上記紹介の朝日新聞記事「(8)電気新料金
使用量多い世帯が得(朝日 2016.2.3)」のような形で現れている。今後の日本のあるべきエネルギー政策に逆行している(但し、安くなるのは「単価」であって「総料金」ではないので、使えば使うだけ電気料金総額が増えることに違いはない)。
(9)原発を抱える既存の大手電力会社が、原発再稼働と電力料金引き下げをセットで推進しており、電力料金を通じての(原発支持への)世論誘導のような動きをしている(他方では、廃炉費用の先送りなどの粉飾決算の合法化や、安上がり原発としての老朽化原発の稼働期限延長などを画策)。本来であれば、(8)や(9)は、電力会社の不適切な経理などとともに、上記(2)の「電力・ガス取引監視等委員会」がクレームをつけるべきことである。
(10)電力自由化とともに、ガス自由化が、取って付けたように同時並行で進められている。大手電力会社は、同時に大手のガス利用会社でもあり、このままいくと多くのガス会社が大手電力会社に飲み込まれてしまう可能性がある。ガス自由化は、必要性の乏しい、あたかも(電力自由化で経営環境が厳しくなる)大手電力会社への(一種の)「償い」のために差し出された「スケープゴート」のごとき観がある。
(11)近い将来、完全自由化となった場合の、地方や過疎地域における電力料金の動向が非常に気になる。場合によっては、電力料金引き上げとなりかねないが、その歯止めがない。
草々
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