前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
(最初に若干のこと)
==================================
(1)(イベント情報)(チラシ)4.26講演会
チェルノブイリ原発事故から30年、被害解明と救済の道筋を見つめる(FoE Japan)
http://www.foejapan.org/energy/chernobyl/pdf/20160426_flyer.pdf
(2)福島県民健康調査検討委員会への要請(3.11甲状腺がん家族の会 2016.4.4)
http://311kazoku.jimdo.com/
(このサイトの「政策提言・要望」をクリックしてください)
(関連)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-chukantorimatome.html
(関連)菜の花だより - 311kazoku ページ!
http://311kazoku.jimdo.com/菜の花だより/
(会の活動や提言活動などの状況をお知らせするためにメールマガジン「菜の花だより」を発行しています。発行は不定期です。講読をご希望の方は上記サイトのメールアドレスに空メールをお送りください)
(3)福島県立医科大学宛て質問状を提出(OUR
PLANET TV 白石草さん)
OUR PLANET TVは、去る3月22日、福島県立医大の菊地臣一理事長に質問書を送付しました。これに対し4月6日、福島県民健康管理センターの広報室を通じて、「個人の診療情報に相当しますので、回答は控えさせていただきます。なお、今後、学会や学術の議論の中で多くの専門家の意見を聞きながら解析が進むものと考えます。」との回答が届きました。
2016年3月22日
福島県立医科大学 菊地臣一理事長殿
貴下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて先日、福島民友新聞の記事にて、菊地理事長のインタビューを拝見いたしました。記事によりますと、理事長は、岡山大の津田教授の論文について「専門家から見れば噴飯ものの内容」と厳しく批判されました。菊地理事長の発言は、福島県立医大で摘出された甲状腺がんは、一生治療する必要のないがんを早期に見つけてしまったか(過剰診断)、あるいは、当面は見つからないはずだったがんを早期に見つけてしまったか(スクリーニングバイアス)かの、いずれかである> との趣旨と解釈いたしました。過日発売された週刊新潮では、「過剰診療」が起きている」と指摘しています。そこで、現時点での事実関係を確認するために、以下のご質問にご回答ください。
記
1.県民健康調査以外での診断例も含め、貴付属病院にて甲状腺がんないし疑いと診断された子の中に、事故当時5歳以下だった子どもは、現時点(2016年3月)で、1人もいないのでしょうか?
2、2011年以降、がんの摘出手術をした子ども(事故当時18歳以下)のうち、現時点までに、再発した方(または疑い)は、何人いらっしゃるでしょうか?
3、2011年以降、がんの摘出手術をした子ども(事故当時18歳以下)のうち、現時点までに、肺転移した方は、何例人いらっしゃるでしょうか?(再発後に肺転移したケースも含めてご回答ください)
4、県民健康調査のスクリーニング検査以外で甲状腺がんと診断された子どもは、
現時点で何人いるでしょうか?
以上
ご回答のほどよろしくお願いいたします。なお上記の内容は、がん登録制度によって、いずれは確認可能な内容です。特に福島県立医大の場合、がん登録事業が、県民健康調査の委託費でまかなわれていますので、個人情報保護などの理由で非公表とはできないものと理解しています。検討委員会の中間報告書のとりまとめが公表される3月末までにご回答ください。よろしくお願いいたします。
認定NPO法人OurPlanetTV 代表理事 白石草
東京都千代田区猿楽町2-2-3-202
電話:03-3296-2720
FAX:03-3296-2730
(4)(緊急)東京地方裁判所への「原発メーカー訴訟の会・事務局」声明 原発メーカー訴訟の会
http://maker-sosho.main.jp/news/2340/
(5)(ちょぼゼミ 番外編)金子勝先生を囲んで(慶應義塾大学教授):「「アベノミクス」と日本病」(少人数のゼミ形式でトコトン検証・徹底批判します)=参加は予約が必要です
(次第)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ちょぼちょぼ市民のためのちょぼちょぼゼミナール:ちょぼゼミ
番外編」
金子勝先生を囲んで(慶應義塾大学教授):「「アベノミクス」と日本病」
(少人数のゼミ形式でトコトン検証・徹底批判します)=参加は予約が必要です
日 時:2016年5月26日(木) PM6:00~9:45
場 所:東京都中央区 明石町区民館
http://www.city.chuo.lg.jp/sisetugaido/syukaisisetu/syukaisisetu05.html
(聖路加国際病院すぐそば、隅田川沿い、地下鉄日比谷線・築地駅下車
徒歩5分)
講 師:金子勝慶應義塾大学教授
参加費:1,000円
参考書:『日本病 長期衰退のダイナミクス』(岩波新書:金子勝/著 児玉龍彦/著)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033383218&Action_id=121&Sza_id=B0
参加ご希望の方は下記をご記入の上、田中一郎までEメールでご一報ください。
(田中一郎 メールAD= ichirouchan@withe.ne.jp
)
ご記載いただきたい事項は、お名前、ご住所(市区町村まで)、メールAD、携帯電話番号
(もし質問事項等があれば、前もって田中一郎あて、お送りいただければ金子勝先生に届けておきます)
(当日の次第:予定 5/26(木))
開 場:17:50(机を動かしてゼミ形式にします)
前 座:18:10 連絡事項、政治情勢瞬間風速(BY:田中一郎)
講 演:18:40~20:10 金子勝先生「「アベノミクス」と日本病」(90分)
休 憩:20:10~20:20
質 疑:20:20~21:45
(上記次第は変更の可能性があります)
==================================
「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(21):放射能汚染・被ばくの危険をごまかすな、です。
福島第1原発事故から5年、今日では、驚くべきことに、福島県をはじめ、原発震災被害地域に「原子力翼賛体制」ないしは「被ばく翼賛社会」ともいうべき「異様」な社会情勢が形成され始めています。政府・自治体・御用学者・マスごみ、それに国際原子力マフィアまでが加わって、福島第1原発事故の深刻な被害を極力小さく見せるための努力を積み上げ、福島県民をはじめ、被災地域の方々を翻弄し、また愚弄しています。放射能や被ばくについて、それに対する懸念や怒り、あるいは自分自身の健康障害のことや将来への不安などを口にだせば、その人は「歩く風評被害」などと揶揄され、あたかも災害復興・復旧を妨害する「非国民」であるかのごときバッシングを受けるような、まるでアジア太平洋戦争時のような、半ば「狂気」の雰囲気が形成されているのです。
そして、福島第1原発事故前は、放射線被曝の法定限度の1ミリシーベルトであっても危険だから避けようとか、放射能汚染ゴミの基準だった100ベクレル/kgでも危険だから厳重な扱いが必要だ、などと言われていたものが、いつの間にやら原子力ムラ・放射線ムラの御用学者や政府、あるいはマスごみたちの「宣伝文句」にかき消され、あろうことか、20ミリシーベルト/年までなら何の問題もないだの、100ミリシーベルト/年でも他の要因によるものとの区別がつかないくらいに健康悪影響は小さいだの、8000ベクレル/kg以下の放射能汚染ゴミは一般ごみと同じ扱いでいい・処分場に捨てていい、だのといった、安易・軽率・デタラメ・危険きわまりない言動が大手を振ってまかり通っているのです。
また、福島県のみならず、その他の地域でも、政府・環境省主導による放射能汚染ゴミのリユース(再利用)・リサイクル(再生利用)が進められようとしており、放置すれば、日本列島全土が放射能汚染列島となって、取り返しのつかないことになってしまいます。こんなことをしていれば、近い将来、福島県を含む福島第1原発事故の放射能汚染地域では大変なことが起きかねません。放射能汚染による環境破壊はもちろんのこと、地域住民の多くに健康被害が様々な形で現れてしまい、ただでさえ震災で苦しめられている上に、放射線被曝による体の不自由や苦痛が覆いかぶさってくることになってしまうのです。
そもそも原発はなぜ危険だったのか。原発安全神話が崩れ去った今、その「危険性」の原点が放射能の危険性にあったことをしっかりと認識しなければなりません。いい加減で、中途半端で、似非科学者・御用人間たちの口車に乗り、みんなで被ばくは怖くない、といったような愚かなことをしていると、近い将来、もう一度重篤な被害を受けてしまうことになりかねないのです。しかも、放射線被曝の被害は、自分たちの世代にとどまらず、子どもや孫の世代、更にはそのあとの世代へと順送りで遺伝していく遺伝的障害までもを伴います。放射能や被ばくへの安易・軽率な態度は、そのまま家族、地域、民族の緩慢な死滅への道となってしまいかねません。原発の安全神話を放射能や被ばくの安全神話・安心神話に切り替えてはダメなのです。
以下、昨今のマスコミ報道などから若干のものをご紹介し、このおかしな社会情勢を告発したいと思います。いかに日本社会が「横へ向かっての同調圧力」が強いとはいえ、ダメなものはダメ、危険なものは危険、とはっきりと、断固たる態度で、私たちは被ばくの強要=放射能との共存の押し付けを拒否していく必要があります。くだらないゴタクや屁理屈を並べているヒマがあったら、福島第1原発事故の被害者の方々に対して、万全の賠償・補償をして差し上げよということである。そうすることで初めて、被害者の方々の今後の選択がきちんとできる条件が整うのです。その他の話は、その「賠償・補償」が終わってからの話である。
<別添PDFファイル>
(1)放医研と4研究所を統合、量子科学技術研究開発機構が発足(福島民報 2016.4.2)
(2)子どもたちの健康と未来をすべてに優先させよ(菅谷昭『世界 2016.5』)
(3)私たちは「法」なしに被害と向き合合うのか(尾松亮『世界 2016.4.8』)
(4)葛尾村 避難指示 6月12日解除(福島民報
2016.4.6)
(5)福島県 企業研修受け入れ(日本農業 2016.4.7)
(6)福島コウナゴ、築地潤す(水産経済 2016.4.7)
(7)農家自ら線量確認、実りの畑 戻る日に備え(日経 2016.3.26)
(8)福島に「被ばく者手帳を」、医療補償求め市民団体発足、「子どもたちへ制度必要J(東京 2016.3.31)
1.放医研と4研究所を統合、量子科学技術研究開発機構が発足(福島民報 2016.4.2)
http://www.chibanippo.co.jp/news/economics/314886
(この組織替えの狙いは、①高速増殖炉「もんじゅ」継続のための(独)日本原子力研究開発機構の体制立て直し、②福島第1原発事故後5年を経過して以降、恐らくは本格化してくる可能性の高い放射線被曝被害への対応強化=健康被害と福島第1原発事故による放射能との因果関係の徹底的否定、の2つではないかと推測します。:田中一郎)
2.子どもたちの健康と未来をすべてに優先させよ(菅谷昭『世界 2016.5』)
https://www.iwanami.co.jp/sekai/2016/05/138.html
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(中略)子どもたちが風邪をひきやすく、いったんかかると治りにくい、つまり免疫機能が落ちているということを聞きました。貧血の子どもが多いということも聞きました。また、現地では医療関係者からヒヤリングもしましたが、子どもに糖尿病が増えているということも聞きました。糖尿病には二つのタイプがあるのですが、膵臓の中のインシュリンというホルモンを出す細胞に障害が出るI型が増えている。どうしてそういう細胞が選択的に破壊されてしまうかはわかっていません。また、ゴメリ州の産科医の方によれば、遺伝とは関係のないアレルギー性のぜんそくや皮膚炎が増えているともいいます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(田中一郎コメント)
長野県松本市長で甲状腺治療を専門とする医師である菅谷昭(すげのやあきら)松本市長さんのレポートです。菅谷昭氏は1996年から5年間、チェルノブイリ原発事故後のベラルーシに入って、被ばく医療支援を続けられた経験をお持ちです。このレポートの表題にあるように、今求められているのは「子どもたちの健康と未来をすべてに優先させよ」ということであり、決して放射能や被ばくの危険性を無視・軽視して震災復興を無理に演出することではありません。鉄やコンクリートよりも人の命や健康を大事にする「人間のための人間の復興」こそが求められているのです・
なお、上記の引用にある「膵臓の中のインシュリンというホルモンを出す細胞に障害が出るI型(小児糖尿病)が増えている」ですが、現状では、放射性ストロンチウム90が核分裂をして生まれる娘核種のイットリウム90が膵臓にたまりやすく、それがインシュリン・ホルモン細胞を被ばくさせておかしくしているのではないかと推測されているようです。
(参考)ウィキペディア:イットリウム
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0
(上記の「元素合成と同位体」のところをご覧ください:田中一郎)
(参考)ウィキペディア:放射性ストロンチウム90
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A090
3.私たちは「法」なしに被害と向き合合うのか(尾松亮『世界 2016.4.8』)
https://www.iwanami.co.jp/sekai/
(田中一郎コメント)
著者の尾松亮氏はロシア研究家。前回の岩波月刊誌『世界』(2016年3月号)掲載の論文「『ロシア政府報告書』から読み解く甲状腺癌の実態:「チェルノブイリ被災国」の知見は生かされているか」に続く『世界』掲載論文です。我が国の「子ども・被災者支援法」の「手本」ともなった「チェルノブイリ法」について、ウクライナの事例でその成立過程や内容が解説されるとともに、「子ども・被災者支援法」のバージョンアップなどが提言されています。みなさまには、前回論文とともに、ぜひ目を通していただきたい論文です。
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(中略)「支援法」を推進する超党派議員連盟では上述の13条を具体化し、福島県外でも健康診断や医療費の減免を認める法案の策定に取り組んでいる。
(中略)「日本版チェルノブイリ法」はチェルノブイリ法のコピーではない。日本の実情に即し取捨選択し、充実させたものであれば良い。ひとつの法律でなく、複数の立法によって理念を実現していくものとなるだろう。その策定はまだ途上である。「法律のないまま五年が過ぎた・・・・」。でも「小さく生まれた」法律の萌芽はある。これを育てられるのか。「法律」のないまま被害と向き合うのか、それがいま、問われている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.葛尾村 避難指示 6月12日解除(福島民報
2016.4.6)
http://www.minpo.jp/news/detail/2016040630093
(そして村民向け説明会では)
●福島)葛尾村の避難指示解除へ住民説明会 暮らしに不安:朝日新聞デジタル
http://digital.asahi.com/articles/ASJ4C34VXJ4CUGTB001.html?rm=358
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
説明会で環境省は、村内の除染で、空間線量が平均で48%低減したことを示した。しかし森林の除染は、住宅など生活圏から20メートルの範囲や日常的に人が出入りする場所に限っている。
「半径20メートルのオリに閉じ込められているようなものだ」。元郵便局員小島力さん(81)は意見交換で、村内の落合地区にある自宅が雑木林の木立に囲まれている環境をこう例えた。「山林は手つかずのまま放置されている。避難指示を解除されても避難前の生活を取り戻せない。政府は加害者責任を放棄している」
小島さんは妻と東京に避難しているが、6月に解除されても帰るつもりはないという。「全体の平均値は意味がない。線量が高い場所は高い。古里に帰りたいけど帰れない」と訴えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(田中一郎コメント)
放射能や被ばくの危険性についての無知に付け込んでの政府の卑劣な振る舞いです。狙いは2つ、(1)原発震災復興の演出と福島第1原発事故の矮小化=環境放出された放射能はたいしたことはない、というウソを「本当のこと」にしてしまうこと(2)住民への賠償の打ち切りと被害者切り捨て、つまりは加害者・東京電力や事故責任者・国の賠償責任負担の軽減、です。このような放射能汚染地帯には絶対に戻ってはいけません。恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)は危険です。避難指示解除など時期尚早です。
5.福島県 企業研修受け入れ(日本農業 2016.4.7)
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=36892
(田中一郎コメント)
受け入れる方・受入れたい方の福島県庁はともかく、研修に行く方は、何故、福島県のようなところを研修場所に選ぶのでしょうか? 自分たちの会社の従業員が被ばくをしてもかまわない、ということですか? :田中一郎)
6.福島コウナゴ、築地潤す(水産経済 2016.4.7)
http://www.suikei.co.jp/%E7%AF%89%E5%9C%B0%E3%83%BB%E5%B9%B2%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%B4%EF%BC%8F%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%B4%E7%AF%89%E5%9C%B0%E6%BD%A4%E3%81%99/
(関連)ウィキペディア:イカナゴ(コウナゴ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%82%B4
(田中一郎コメント)
「沿岸域の砂泥底に生息し、主にプランクトンを餌としている」などと解説されている。その福島産が築地に大量入荷され販売されているという。他方で、福島第1原発からは毎日のように様々な放射性物質が入り混じった汚染水が海に垂れ流し状態である。信じがたい話だ。海洋生物に有害な放射能は放射性セシウムだけではない。さしずめ、このコウナゴ(イカナゴ)は、骨ごと食べてしまう小さな魚だが、では、その骨に大量蓄積しやすいという放射性ストロンチウムの検査はどれだけしてあるのか? こんなもの、怖くて食べられないですよ。
●「汚染水問題って、なんだ?」=コレだ!
http://f.hatena.ne.jp/skymouse/20130913142818
7.食品の放射性物質濃度、国際基準新設へ、OECD原子力機関(福島民報 2016.4.12)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160412-00000039-fminpo-l07
(田中一郎コメント)
まことにバカバカしい記事が、こともあろうに福島第1原発事故が起きた県紙の1面に載るとは、いやはやあきれるばかりである。この記事を見て、ああそうか、これで福島県産品は安全が確認されるのだな、と思う人がいかほどいるかである。実態はその逆、ますます、かようなあやしげな原子力推進組織と思わしき様なところが、これまで以上にアマアマの、規制にもならない規制値を設けて、安全だ安全だと騒ぐに違いないと受け取る人の方が多いのではないか。そもそも放射能や被ばくの危険性に「しきい値」などはなく、飲食品による内部被曝は微量であってもことのほか危険である。内部被曝を外部被曝の発想で考えてはいけない。それをこの記事は「新基準をクリアした食品は国際的に安全の「お墨付き」を得たことになり、県産品の輸出再開・拡大につながると期待される。」などと書き、この怪しげなる「新基準値」を「安全のお墨付き」にしようとしているようだ。放射能のイロハ、放射線被曝のアイウエオを、よく学んでから記事を書くことだ。福島民報は、もはや正常な感覚を喪失した原子力ムラの「すそ払い」「太鼓持ち」の御用新聞に成り果てている。
念のために申しあげておくと、現行の日本の厚生労働省が定める飲食の残留放射能規制値は、次のような欠陥をもち、とても安全基準などとは言えない代物である。ざっと申し上げて、飲食の残留放射能規制値としては1ケタ数字が大きい=つまり10ベクレル/kg以下が最大限の妥協値くらいのイメージである。そして、もちろん子供たちについてはゼロベクレルでなければならない。
<厚生労働省の現行・飲食の残留放射能規制値は安全性を担保しない>
(1)一般食品の規制値100ベクレル/kgは、国際放射線防護委員会(ICRP)方式で計算し、飲食の残留放射能による内部被曝のみで年間1ミリシーベルト以内にとどまるよう設定されたものである。そこでは、外部被曝によるシーベルト値や呼吸被ばく、あるいは傷口被ばくによる内部被曝のシーベルト値は無視されている。規制通りの飲食品を食べ続ければ、その人の総被曝量は年間1ミリシーベルトを超えてしまうというインチキの代物である。しかも、国際放射線防護委員会(ICRP)方式によるベクレル・シーベルトの換算(実効線量換算係数)は、明らかに被ばく数値が小さく出るように細工された、これまた信用が置けない方法で、およそ内部被曝の実態を表していない(欧州放射線リスク委員会(ECRR)の1/10以下の過小評価)。
(2)胎児や子どもの感受性の高さ、言い換えれば年齢や性別による放射線被曝の感受性の違いがほとんど考慮されず、子どもたちへの飲食の残留放射能規制値が高すぎる事態となっている。非科学的極まりない。(わずかに申し訳程度に「子どもの摂取量が特に多い「乳児用食品」及び「牛乳」については、「一般食品」の基準値(100ベクレル/kg)より2倍厳しい基準値(50ベクレル/kg)を設定しました。」とあるだけに過ぎない。その他の飲食品については、逆に、子どもたちの食べる量は少ないからと、若年成人よりも飲食限度量(ベクレル/kg)を高く設定するなど、トンチンカンなことをしている)
(3)飲食する食品・飲料の半分は汚染されていないなどとする、より危険な方への計算仮定を置く、あるいは、標準的な食生活なるものを仮定して計算するなど、飲食の残留放射能による内部被曝の具体的な実態を現していない。おかしな前提で=言い換えると、より危険な方へバイアスをかけて計算された結果の数値が使われている。もちろん、他の危険物質等にかかる飲食品の規制値のような「安全バッファ」は全くない(全くないどころか、今申し上げたように、より危険である可能性があるような前提を置いているため、「逆安全バッファ」=「危険バッファ」を置いていることになる)
(4)一般食品の100ベクレル、「乳児用食品」及び「牛乳」の50ベクレル、飲料水の10ベクレルは、安全を担保するわけでもなく、かつ、この数値にすることについて、科学的実証的な証拠は全く存在しない(化学物質その他の危険物質の場合には、マウス等で動物実験がなされ、その数値に100倍の安全バッファをかけて規制値が算出されるが、この飲食の残留放射能規制値については、そのような科学的実証的な手続きは全くとられていない。いわば政治的に「こんなものでいい」「これ以上厳しくするとカネがかかる」「これで人々が内部被曝して病気や健康障害が出ても、大した人数ではないから無視できる」として決められた数値である)。
(関連)厚生労働省:飲食の残留放射能規制値
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201204/3.html
(関連)(増補版) 放射線被ばく評価の単位 「シーベルト」
への疑問 いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-9ead.html
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-d2f2.html
(前半のP6,後半のP14をご参照ください)
(関連)放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか?
いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html
8.福島に「被ばく者手帳を」、医療補償求め市民団体発足、「子どもたちへ制度必要J(東京 2016.3.31)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016033102000143.html
<放射線被曝の関連サイト>
(1)<参考資料>欧州放射線リスク委員会ECRR・山内知也
http://www.inaco.co.jp/isaac/kanren/11_ECRR_yamauchi.html
(2)【アーカイブ】「どうみる?甲状腺がん」鈴木元氏vs津田敏秀氏 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2038
(3)放射線被ばくリスク、共通の評価値 浸透望む(河北新報 2015.12.17)
http://sanriku.my.coocan.jp/151217Iwami.pdf
(4)<放射能汚染指定廃棄物>((#◎□◎#))マヂ! あと2年待てば7%になる!? - みんな楽しくHappy♡がいい♪
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4578.html
(5)2016年3月18日 矢ヶ崎克馬教授 放射能公害避難者 訴えと実態 (沖縄県庁記者クラブにて) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=hAeqtiIqv3c&feature=share
(6)2009年オバマの広島訪問を妨害したのは外務省(=米務省)だったとは、広島市民よ怒れ! ( 軍事 ) - 新ベンチャー革命 -
Yahoo!ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/26729434.html
(7)福島原発事故による健康被害者の会
https://radiationdamage311.wordpress.com/
(関連)【私達は被曝者であり難民だーー 不整脈になったこの半年間苦しみな - 世界を変えよう!2002年~東京と世界の社会運動の中で(園良太)
http://d.hatena.ne.jp/Ryota1981/20160220
草々