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2016年3月

2016年3月31日 (木)

(報告)南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟 第3回口頭弁論(3月28日:月曜日)及び 若干の直近関連情報

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

昨日(328日:月曜日)、東京地裁に於いて「南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟 第3回口頭弁論」が開催され、その後、参議院議員会館に於いて、その報告会が行われました。下記はその簡単な報告です。また、メールの最後に、関連する近況の関連情報を添付しておきます。ご参考になさってください。

 

●(イベント情報&朝日新聞)(別添PDFファイル)3.28 南相馬 第3回口頭弁論:年20mSv安全か問う(朝日 2016.3.3

 https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/s_mnmsm20_vol3.pdf

 

(関連)「年20ミリシーベルト」問う 避難指示解除基準訴訟:朝日新聞デジタル

 http://www.asahi.com/articles/ASJ3330VYJ33UBQU00B.html

 

●(当日録画)20160328 UPLAN【事前集会・報告交流集会】南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟第3回口頭弁論期日 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=HqArBGEDQig

 

 <別添PDFファイル>

(1)南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟について(2016.3.28

「20msv_sosyounituite.pdf」をダウンロード

(2)南相馬20ミリシーベルト撤回訴訟 第3回口頭弁論期日~法廷における原告の訴え~(原告 平田安子 2016.3.28

「genkoku_hirata_uttae.pdf」をダウンロード

(3)フクシマの土壌汚染(南相馬・避難勧奨地域の会 2016.3.28

「dojouosen_fukusima.pdf」をダウンロード

(4)南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟 ニュース・レター NO.2(20163月)

「minamisouma_20msv_news_letter.pdf」をダウンロード

(5)(署名用紙)原発事故被害者に「健康に生きる権利」を

「syomeiyousi_20msv.pdf」をダウンロード

 <関連サイト>

(1)FoE Japan |原発事故被害者に「健康に生きる権利」を…原発事故被害者の救済を求める全国運動 第三期 請願署名

 http://www.foejapan.org/energy/action/160317.html

 

(2)Q&A リーフレット+署名用紙のダウンロード(PDF4ページ)

 http://act48.jp/files/20160316/20160316_shomei.pdf

 

(3)南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟支援の会

 http://minamisouma.blogspot.jp/

 

(4)南相馬・避難勧奨地域の会

 https://sites.google.com/site/minamiswg/

 

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(関連する直近情報)

 多くの方々からお送りいただいた興味深い重要情報がかなりたくさん含まれています。時間がかかっても、少しずつ、ぜひご覧ください。

 

 <別添PDFファイル:直近情報>

(1)甲状腺がんデータの分析結果(津田敏秀『科学 2016.4』)

「tuda_kagaku_kodomokoujousengan.pdf」をダウンロード

(2)飯館村 避難指示 来年3月末解除(福島民報 2016.3.24


(3)ニュース解説:原発事故 救済の道は(田中洋之 毎日 2016.3.29


(4)「チェルノブイリ被災国」の知見は生かされているか(尾松亮『世界 2016.3』)

「tyeruno_kyoukun_sekai.pdf」をダウンロード

 (田中一郎コメント)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.甲状腺がんデータの分析結果(津田敏秀『科学 2016.4』)

 20135月号(20134月)以来、3か月に一度、岩波書店月刊誌『科学』にずっと掲載が続いてきた、今や福島県の子ども甲状腺ガンに関しては「定評」が確立された観がある津田敏秀岡山大学大学院教授(疫学・公衆衛生学)の「(子ども)甲状腺がんデータの分析結果」です。津田敏秀氏はこの小論文の中で、

 

(1)国際環境疫学会(ISEE)から「信頼性高いリスクの推定を」せよと日本政府(環境省)及び福島県庁に書簡が出されたが(下記●参照)、これだけ国際的に高い関心事であるにもかかわらず、日本国内ではデータに基づく開かれた議論・検討が一向になされる様子がない、

 

(2)子ども甲状腺ガンの発生数についての外部との比較について、国際的には「常識」とされて全く問題にされる様子はないが、日本国内では、間違った数字の認識の上に「ためにする」議論のようなことが行われている(毎月、岩波書店月刊誌『科学』掲載の牧野淳一郎氏の論文も、外部比較に関する岡山大学の学生の甲状腺ガン数字に関して誤解をしている)、

 

(3)岡山大学の12名の甲状腺ガン発見は、その分母が25年間にわたる全学生数なので25万人で、そうすると、4000人に1人などという数字は出てこない。正確には12人/250,000人=4.8人/100,000人、0.192人/4000

 

(4)福島県での子ども甲状腺ガン多発の原因は放射線の影響以外に考えられない(他に説明できるものはない)、

 

(5)県や国は現在の無為無策を続けるのではなく、福島県内の18歳超、県外の全年齢層の甲状腺検査を拡大実施するほか、潜伏期の短い白血病の実態把握のほか、さまざまな放射線被曝による健康障害の可能性の念頭に置いた対策を打ち出す必要がある、

 

などの非常に重要な、かつ良識的・常識的な発言をされています。みなさま、ぜひ、ご一読ください(但し、津田敏秀先生の文章は疫学や統計学に疎い私のような一般の人が読むには少しわかりにくいです。細かい点にこだわらず、文章の大筋と結論部分をしっかりと読み取ってください。

 

●「関連サイト:直近情報」の「(5)甲状腺がん「信頼性高いリスクの推定を」〜国際環境疫学会が忠告 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー」を参照

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2026

 

(福島県立医大のおかしな学者たちが、津田敏秀教授に妙なイチャモンをつけてます。こいつらは、ひょっとすると津田敏秀教授の論文や主張をきちんと確認しないまま勝手なことを言っている可能性があります(下記サイトの文章の中に出てくる「すべて」などという形容詞が怪しい)。福島県民に隠れて自分達だけで甲状腺被ばく防止のための安定ヨウ素剤を服用していた連中ですから、さもありなんでしょう。:田中一郎)

 

(関連:上記サイトより)

 放射線医学県民健康管理センター | 津田敏秀博士らの論文の方法の誤りを指摘したLetterが「Epidemiology」誌電子版に掲載されました

 http://fukushima-mimamori.jp/news/2016/02/000248.html

 

2.飯館村 避難指示 来年3月末解除(福島民報 2016.3.24

 http://www.minpo.jp/news/detail/2016032429780

 

 何を愚かなことをしているのか。飯館村のようなひどい放射能汚染地帯に人や生物は安全に住むことはできません。近未来に健康被害がでてくることはほぼ間違いないでしょう。昨日のメールで、ある方より「今週号の『女性自身』に「村長の暴走授業、帰村を勧める菅野典雄村長に、帰りたくない子供が『帰るメリットはなんですか?』と泣きながら質問を…」が掲載されています。飯舘村の学校での空間線量は17.6µSv/h(年間では154mSv)もある場所があるのに、子供たちを無理矢理帰そうとしています。」との情報をいただきました。週刊誌の『女性自身』と『週刊プレイボーイ』が、がんばって、政府や自治体の被ばく防護政策の出鱈目を告発報道してくれています。

 

3.ニュース解説:原発事故 救済の道は(田中洋之 毎日 2016.3.29

 http://mainichi.jp/articles/20160329/org/00m/030/005000c

 

 この記事は、ある方からご紹介いただいたものです。ところで、この毎日新聞ですが、毎日、毎日、御用記事ばかりを載せていて、けしからん新聞だ、明日は具体例を紹介して一発叩いてやろうと思っていましたら、昨日(3/29)、なかなかいい記事が載りました。「子ども脱被ばく裁判」 や「脱被ばく実現ネット」のことも若干報じられています。毎日新聞も、こういう記事で常に紙面で満たすように心がけながら新聞を発行すれば、多くの読者が毎日新聞に殺到すると思います。いかがですか? 明日から「毎日」やってみませんか?

 

4.「チェルノブイリ被災国」の知見は生かされているか(尾松亮『世界 2016.3』)

http://quercus-mikasa.com/2016/03/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9B%BD%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E6%94%BF%E5%BA%9C%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%E3%81%8B%E3%82%89%E8%AA%AD%E3%81%BF/

 

 昨今、岩波月刊誌『世界』掲載のこの論文が、脱被ばく市民運動・社会運動において注目されています。ご一読されておいてください。私は目新しい情報は特に感じませんでしたが、上手に整理されているということなのでしょう。放射線被曝の健康影響は甲状腺ガンなどのガン・白血病だけでないのは自明です。これに「ほうかむり」をして「素知らぬ顔」を決め込んでいるのが国際放射線防護委員会(ICRP)に集まる国際原子力マフィアの連中です。

 

 <関連サイト:直近情報>

(1)20160327 UPLAN 分科会7エートスと国際原子力ロビー:無知の戦略~核惨事の線量基準・ロビー・共同管理~ - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=C44bOutNpwE

 

(2)平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案」(仮称)に対する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ)

 http://www.env.go.jp/press/102166.html

 

(3)毒性学からみた放射線の人体影響 - 市民研アーカイブス

 http://archives.shiminkagaku.org/archives/2016/03/post-517.html

 

(4)2016318日 矢ヶ崎克馬教授 放射能公害避難者 訴えと実態 (沖縄県庁記者クラブにて) - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=hAeqtiIqv3c&feature=youtu.be

 

(5)甲状腺がん「信頼性高いリスクの推定を」〜国際環境疫学会が忠告 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2026

 

(6)福島甲状腺がん 松崎道幸見解(2016.3.20

 http://yahoo.jp/box/CLa9o1

 

(7)福島より放射能汚染が深刻な首都圏のホットスポットが判明! 飲料水が汚染される可能性も? (週プレNEWS - Yahoo!ニュース

 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160324-00062840-playboyz-soci

 

(8)たんぽぽ舎MG より

┏┓

┗■1.フクシマ小児甲状腺がんはチェルノブイリ被曝と符合する!

 |  忘れない3・11「ロシア政府報告書」驚愕の全貌

 └──── 日野行介(毎日新聞特別報道グループ)

          (サンデー毎日3月27日号より抜粋)

 

  東京電力福島第一原発事故から5年。福島県の調査で見つかった小児甲状腺がん患者は166人に上っている。国や福島県はチェルノブイリ原発事故の知見を理由に被曝との因果関係を頑なに否定するが、気鋭のロシア研究者が異議を唱えるのだ。 2月15日午後、福島駅前のホテルで第22回「県民健康調査」(元「県民健康管理調査」)の検討委員会が開かれた。この日の主な議題は、これまでの調査を総括する「中間取りまとめ」だった。 これまでの検査で見つかった166人もの小児甲状腺がん患者(切除手術を受けていない疑い例も含む)と事故による被曝(ひばく)との因果関係をどう評価するかが最大の焦点だった。本来は100万人に1人か2人見つかるとされる珍しい病気で、現状は「多発」状態というしかない。国や県の公式見解に沿う形で、検討委の星北斗座長(福島県医師会副会長)らもこれまで、「考えにくい」という表現で、被曝との因果関係を否定してきた。

 

 この日の会議でも、星座長は「完全に否定はできないが」としつつ、因果関係を否定する従来の見解を踏襲。中間取りまとめ最終案では、「被曝線量がチェルノブイリ事故と比べてはるかに少ないこと、被曝からがん発見までの期間がおおむね1年から4年と短いこと、事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないこと」から、放射線の影響は「考えにくい」とした。(中略)

 

 しかし、これまで流布されてきたチェルノブイリの「知見」に疑義を投げかけるリポートが発表され、波紋を広げている。月刊誌『世界』(岩波書店)3月号(2月8日発売)に掲載された「『チェルノブイリ被災国』の知見は生かされているか『ロシア政府報告書』から読み解く甲状腺癌の実態」と題した6ページのリポートだ。 筆者はロシア研究者の尾松亮氏(38)。福島第一原発事故後にロシア国内のチェルノブイリ被災地を現地調査し、被災者への国家補償を定めたチェルノブイリ法を当時政権にあった民主党議員たちに紹介。自主避難者の支援を定めた議員立法「子ども・被災者生活支援法」の基礎になった。

 

○「尾松リポートは読んでいない」

 1986年4月に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故による被災地はウクライナ、ベラルーシ、ロシアの3カ国に広がる。事故後25年にあたる2011年、各国政府はそれぞれ事故被害などをまとめた報告書を作成した。このうちロシア政府報告書の全訳は公開されておらず、ロシア語に堪能な尾松氏が原文を読んだところ、福島原発事故後に日本で流布されているチェルノブイリの「知見」と異なる記載の数々に気づいたという。(中略)

 

「チェルノブイリ原発事故以前、甲状腺がんの検出件数は平均で1年あたり102件で、最少年間件数は1984年の78件。それが87年には著しく増加し、169件に達した」。発症した年齢層に関する記載にも相違がある。(中略)

 

 さらには、がんを引き起こす被曝線量。ロシア政府報告書には、子どもの甲状腺被曝推計値を被災3州でマップ化している。これによると、原発から500キロ以上も遠く離れ、1020ミリグレイないしは2050ミリグレイ程度の推計値にとどまる地域でも甲状腺がん患者が増えている。(中略)

 

 尾松氏はこう指摘する。「ロシア語の文献は翻訳も乏しいが、チェルノブイリの知見を根拠にして評価するのならば、少なくとも政府報告書に書かれた内容くらいは正確に紹介すべきではないか。もし意図的に異なる内容だけを紹介しているのであれば、結論ありきの姿勢と言わざるを得ない」

 

○県民健康調査「中立公正」は本当か

 関係者はこぼした。「『被曝と因果関係がないなら、日本中どこででもあんなに見つかるのか』と聞かれて往生している。はっきり言って、誰も自信を持って答えられない」(中略)

 

〈調査の目的として『県民の健康不安の解消』を掲げていたことや非公開で事前の資料説明を行っていたことが、調査結果の評価に関し委員会が予断を以て臨んでいるかのような疑念を生むことになったことから、これを一つの教訓として、委員会を運営してきた〉。「疑念」に押し込めるようなら、一体何を教訓にするというのだろう。

 

・人物略歴

 ひの・こうすけ 1975年生まれ。毎日新聞記者。大阪社会部、東京社会部などを経て特別報道グループ。福島第一原発事故を巡り、県民健康管理調査(現・県民健康調査)の「秘密会」や、復興庁参事官による「暴言ツイッター」などを特報。著書に『原発棄民 フクシマ5年後の真実』(毎日新聞出版)など

 

※日野行介さんの学習会のお知らせ(4月20日)

 「スペースたんぽぽ」に2回目の登場です。

 「原発棄民」-この国の政府は原発避難者を消滅させようとしている-

 

 お話:日野行介さん&吉田千亞さん(ママレボ) 著書:「ルポ母子避難」

 日時:4月20()19:0021:00

 会場:「スペースたんぽぽ」  参加費:800

草々

 

2016年3月29日 (火)

老朽化原発を動かしてはいけない(高浜1,2号機の運転期限延長問題)

下記をご覧ください

 

 <表紙>

「roukyuuka_hyousi_syuuei.pdf」をダウンロード

 <コンテンツ>

1. 老朽化原発を動かしてはいけない

(高浜1,2号機の運転期限延長問題)
「genpatu_roukyuuka_honbun.pdf」をダウンロード

2. 高経年化対策という虚構(抜粋)(田中三彦『老朽化する原発:技術を問う』(原子力資料情報室))
「koukeinenka_tanakamituhiko.pdf」をダウンロード

3. 高浜原発審査書案への「パブコメのタネ」(原子力規制を監視する市民の会 2016.3.21版)

http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2016/03/t12tane.pdf

 

4. 原子力「寄生」委員会と原発再稼働

「genki_saikadou.pdf」をダウンロード

5. 原子力規制委員会:高浜1,2号機パブコメ

http://www.nsr.go.jp/procedure/public_comment/20160225_01.html

6. 老朽化する原発(井野博満東京大学名誉教授:『科学』)

http://www.nonukesshiga.jp/wp-content/uploads/03a3bdb4a0a5a43a9ac292d379b168c1.pdf

 

7. 原発がどんなものか知ってほしい(目次のみ:平井憲夫)

http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html

 

8. 伊方1号機廃炉へ(毎日新聞 2016325日夕刊)

http://mainichi.jp/articles/20160325/k00/00e/020/194000c

(追加) 高浜原発差し止め提訴:老朽1・2号機、延長「待った」(東京新聞2016414日夕刊)

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016041402000251.html

 

9. 原発耐震性確認先送り(朝日新聞 2016324日)

http://www.asahi.com/articles/ASJ3R62GBJ3RULBJ012.html

(追加) 心臓部の耐震確認せず、他の原発データで判断、高浜1・2号機「適合」(東京 2016.4.21

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2016042102000140.html

 http://www.nikkei.com/article/DGKKASGG20H2Y_Q6A420C1EA1000/

 

10. 高浜4号機停止トラブル 過電流過小見積もり(中日新聞 2016310日)

http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2016031002000200.html

 

以上

2016年3月25日 (金)

(報告)新・もんじゅ訴訟スタート=高速増殖炉「もんじゅ」廃炉は当たり前・一刻も早く核燃料サイクル事業を中止せよ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

去る323日(水)に「新・もんじゅ訴訟」の第1回口頭弁論があり、その後、参議院議員会館に於いて記者会見が行われました。下記及び別添PDFファイルは、その関連資料です。以下、簡単にご報告します。

 

旧もんじゅ訴訟は、下記サイトにもあるように19859月に提訴され、1995年にナトリウム冷却材漏れ事故を経て、20031月に名古屋高等裁判所金沢支部が設置許可処分が無効であることを確認する判決を出したものの、20055月に最高裁で高裁判決が覆される逆転敗訴となっている。今回の「新・もんじゅ訴訟」は、原子力規制委員会による文部科学省への「もんじゅの抜本的見直し」勧告を受け、もんじゅの速やかな廃炉を求めて提訴がなされたもの。

 

ご承知の通り、これまでも高速増殖炉「もんじゅ」は、様々なトラブルに加えて、運営責任主体の(独)日本原子力研究開発機構が点検の手抜きなど、ずさんな管理を繰り返してきた経緯がある。また、施設完成後もほとんどまともに運転ができない中、年間200億円近い維持費がかかるなど、財政難の中でムダの塊のような施設でもある(冷却材のナトリウムが固まらないように電気で温めていることによる電気料金その他)。原子力規制委員会から、事実上、もんじゅを運転・運営する資格がないとされた(独)日本原子力研究開発機構以外に、こうした危険な研究核施設を担える組織もあるはずがなく、一刻も早いもんじゅの廃炉=つまりは核燃料サイクル事業の廃止が求められている。

 

(高速増殖炉「もんじゅ」(原型炉)が危ういと見るや、(独)日本原子力研究開発機構や文部科学省は、下記の参考サイトにあるように、もんじゅの一世代前のポンコツ炉「常用」(実験炉)の再稼働を申請しようとしています。何としても(彼らにとっての)「金のなる木」である核燃料サイクルの「研究」を絶やさないという固い原子力ムラとしての「決意」を感じさせます。なお、高速増殖炉の「原型炉」である「もんじゅ」の次のステップは「実証炉」となりますが、その実現見込みは皆無です。:田中一郎)

 

●(イベント情報)脱原発弁護団全国連絡会 新・もんじゅ訴訟 323日 第1回口頭弁論

 http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/16-03-18/

 

●’別添PDFファイル)脱原発弁護団全国連絡会 新・もんじゅ訴訟 第1回口頭弁論期日 提出書面等

 http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/archives/16-03-23/

 

●(別添PDFファイル)(パンフ)放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐車(2016.3.23

 

 <関連サイト その1:提訴関係>

(1)もんじゅ訴訟 - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85%E8%A8%B4%E8%A8%9F

(2)脱原発弁護団全国連絡会 新・もんじゅ訴訟提訴

https://dl.dropboxusercontent.com/u/63381864/%E8%84%B1%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%9B%A3%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%80%A3%E7%B5%A1%E4%BC%9A/151225/12%E6%9C%8825%E6%97%A5%E6%8F%90%E8%A8%B4%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81%EF%BC%88%E6%9C%80%E7%B5%82%E7%89%88%EF%BC%89.pdf

(3)2015-12-25 新・もんじゅ訴訟提訴 │ 河合弘之弁護士監督 映画『日本と原発』公式サイト

 http://www.nihontogenpatsu.com/news/monju_20151225.html

(4)2015-12-25 市民106人が再度もんじゅ訴訟「廃炉にしなければ日本は笑いもの」~河合弁護士、原子力規制委の勧告に「運転主体交替はあり得ず」 IWJ Independent Web Journal

 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/280185

 

 <関連サイト その2:原子力規制委員会勧告関係>

(1)「もんじゅ怖い」の声が「再稼働」  原子力規制委員長も呆れたずさん管理 J-CASTニュース

 http://www.j-cast.com/2015/05/14235234.html

(2)原子力規制委、もんじゅ抜本見直しで文科相に勧告へ ロイター

 http://jp.reuters.com/article/monju-jaea-idJPKCN0ST0B920151104

(3)高速増殖原型炉もんじゅに関する文部科学大臣に対する勧告について 原子力規制委員会

 https://www.nsr.go.jp/disclosure/law/RAR/20151113monju.html

(4)原子力規制委員会の勧告について|日本原子力研究開発機構:プレス発表

 https://www.jaea.go.jp/news/newsbox/2015/111301/

(5)高速増殖炉「もんじゅ」の経緯と現状について(文部科学省 201512月)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/019/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/12/28/1365680_03.pdf

 

 <関連サイト その3:その他>

(1)もんじゅ運営主体の変更を勧告 原子力規制委が文科相に、回答は半年後  もんじゅ再開 福井のニュース |福井新聞ONLINE:福井県の総合ニュースサイト(20151114日)

 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpowermonjuresume/83608.html

(2)もんじゅ運営の受け皿どうなる 文部科学省、幅広く検討も難航必至 もんじゅ再開 福井のニュース |福井新聞ONLINE:福井県の総合ニュースサイト(20151115日)

 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpowermonjuresume/83708.html

(3)もんじゅに運転と研究の分離案 文科省、運営主体検討会が初会合 原発再稼働問題 福井のニュース |福井新聞ONLINE:福井県の総合ニュースサイト(20151229日)

 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/86486.html

(4)実験段階の高速原子炉「常陽」 再稼働申請へ

 http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000066984.html

(5)ウィキペディア:高速増殖炉「もんじゅ」

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85

(6)もんじゅ関連情報ページ(もんじゅ運営・計画センター)

 http://www.jaea.go.jp/04/turuga/monju_site/index.html

 

 <私から質問したこと:回答は海渡雄一弁護士>

(1)この「新・もんじゅ訴訟」の被告はだれか? ⇒ 原子力規制委員会(国は被告ではない)

 

(2)高速増殖炉「もんじゅ」については既に「新規制基準」があるが、この内容についても争うのか ⇒ 当面は考えていないが、裁判の状況次第ではありうる話である。

 

(3)仮にこの裁判で勝訴して「もんじゅ」の設置許可の取り消しに成功しても、今度は、この「もんじゅ」を別の目的で別の使い方をする、などとして、違う形の設置許可が出されるということはないのか ⇒ 形式的にはありうる話だが、実質的には難しい

 

(4)あるMLで「「もんじゅ」には米DOE(エネルギー省)から毎年100億円近いカネが交付され、米国の実験の代替のような位置づけになっているので、日本だけの判断では「もんじゅ」はやめられない」という議論がなされているが、このことはどなたかのお耳に届いているか ⇒ 知らない。米国から毎年カネが出ている・米国の委託を受けているなどの証拠(エビデンス)を見せてほしい。

 

 なお、弁護団から、この裁判に「もんじゅ」の運営主体の(独)日本原子力研究開発機構が加わりたい(被告側)旨の申し出がある旨の報告があった。今現在、被告の原子力規制委員会とこの(独)日本原子力研究開発機構(及び所管省の文部科学省)は「対立」関係にあるので、ひょっとすると両被告間の「バトル」を見ることができるかもしれない。怪獣映画でいえば、ザ・ピーナツの歌に乗って現れた「正義の味方怪獣・モスラ」(原告団)に対して、立ち向かう悪役怪獣はゴジラ(原子力規制委員会)とばかり思っていたら、そこにキングギドラ((独)日本原子力研究開発機構+文部科学省+原子力ムラの3つの頭)が現れた、ということになる。まさに怪獣大決戦だ。

 

 <新・ もんじゅ 訴 訟提について>

https://dl.dropboxusercontent.com/u/63381864/%E8%84%B1%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%9B%A3%E5%85%A8%E5%9B%BD%E9%80%A3%E7%B5%A1%E4%BC%9A/151225/151225%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B%E7%94%A8%E8%B3%87%E6%96%99.pdf

 

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高速増殖炉もんじゅについて、原子力規制委員会は 平成27年11月13日、文部科学大臣に対し、「半年を目途として、現在の日本原子力研究開発機構から運営主体に切り替えよ。それが不可能ならば安全上のリスクを明確に減少させるよう抜本的に見直せ」という勧告を行いました。勧告文書の中 では、 ナトリウム漏洩事故や9000 以上の 機器の点検 漏れなど過去の事実 が踏まえられた上で、「機構という組織自体がもんじゅに係る保安上の措置を適正かつ確実に行う能力有していない」「早急に適切な措置が必要」等の認定がなされました。田中俊一原子力規制委員会委員長は同日の記者見において、「看板の掛け替えは許さない」という厳し態度で今後の対応に当たることを明言しました。

 

今回 の規制委員会勧告に対し、遅きに失したと批判することも出来るかもしれません。しかし「事業者の虜」だった旧組織時代 のことを思えば、格段に 安全性を考慮 したものであることは誰も否定できないと思ます。今回の規制委員会勧告については、国民の生命、身体等の保護及び環境の保全という本来任務に沿ものとして評価し、原子力規制委員会の委員長・委員並びに原子力規制庁の担当職員方々に対して敬意を表したいと思 います。

 

一部では、この勧告を受けてもんじゅはもう廃炉にするしかないとも予想 されているようです。しかし、私共はそのように安心しておりません。「原子力ムラ」の従来から強さからすると「替わりの受け皿組織を作り、トップは入れ替えるものの実際的な運営者は機構のまま」といった「ズル」をすることや、「適当に対策を講じただけで、『 対策を講じただけで、『リスクは明確に減少させ、抜本的見直した』と喧伝する」いっ た「強弁」をすると考えます。

 

このような「ズル」 や「強弁」 を許さず、将来 にわたって放射能の恐怖に怯える必要のない社会を実現するためには、今きちんともんじゅに引導を渡す必要があります。そのためには、「『ズル』や『強弁』は許さない」という強い姿勢を社会に向けて発信して原子力規制委員会を支え、かつ勧告の趣旨を簡単に翻すことのないよう規制委員会を厳しく監視し、速やかに廃炉措置へ移行するよう導いていかなくてはなりません。

 

今般、 新たにもんじゅ訴訟を提起することが 、そのために有効かつ必要な手段だと考えるに至りました。また、旧もんじゅ訴訟における平成17年5月30日の最高裁判決は法律審としての枠を大きく踏み越えて過度に行政寄りの判断した、司法史に残る汚点です。裁判所に対しては、福島第一原発事故の経験を踏まえ、この汚名を雪ぐ適正妥当な裁判を行うことを強く期待しております。

 

平成27年12月 25 日

新・もんじゅ訴訟弁護団

弁護士 海 渡 雄 一

弁護士 河 合 弘 之

弁護士 甫 守 一 樹

ほか

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草々

 

高浜1,2号機の 「老朽化」 を審査しないまま設置変更許可を出そうとする規制委・規制庁、危険なオンボロ原発運転期間延長の「だまし」のテクニック

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

原子力規制委員会・規制庁が、超危険な老朽化原発である高浜12号機の運転期間を原則40年の法的規制を超えて60年とさせるべく妙な動きをしています。その背景には、電力業界や原子力ムラ、それにアベ自民党政権からの圧力が陰に陽に感じられる事態となっています。そもそも原発の寿命は40年であることが福島第1原発事故後に原子炉等規制法に書き込まれ、当初は運転期限延長の原発は例外中の例外と説明されておりました。田中俊一原子力規制委員長自身が「20年延長は相当困難」などと、規制委発足の当時は口にしていたものでしたが、昨今では「個別に見て対応する」などと言葉を濁すようになっています。いつものパターンの「竜頭蛇尾」、あるいは「リップサービス」ですが、こんなことでは原発の危険性は高まるばかりです。

 

このほど原子力規制委員会・規制庁は、信じがたいことですが、高浜1,2号機について、その老朽化審査を先送りにしたまま、運転期間延長=再稼働のための「設置許可変更申請」の審査を基本的にOKとし、その結果をパブコメにはかりました(パブコメ期限=3/25)。しかし、そのやり方は、下記の朝日新聞記事にもあるように、原発の安全性審査を形骸化させ、老朽化したオンボロ原発を次々と運転期限延長させていくインチキ手法とでもいうべきものです。以下、簡単にその問題点を指摘し、この原子力規制委員会・規制庁の危険極まる行為に抗議したいと思います。こんなことでは、もはや原発の安全性の担保などできっこありません。原子力規制委員会・規制庁は、もはや「規制当局」としての機能と責務を失い、単なる原発稼働の追認機関=原発推進委員会になり果ててしまったと言えるでしょう。

 

●福井・高浜原発:「40年超」原発、初の適合 新基準、1.2号機 規制委 - 毎日新聞

 http://mainichi.jp/articles/20160224/dde/001/040/072000c

 

●(別添PDFファイル)原発耐震性確認先送り、規制委 高浜12号機 認可後に(朝日 2016.3.24

 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12273342.html?rm=150

 

(一部抜粋)

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東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年とし、規制委が認めれば1度だけ最長20年延長できる制度ができた。高浜1、2号機の場合、経過措置で猶予された今年7月の期限までに、安全対策の基本方針の許可、工事計画の認可、運転延長の認可の三つが必要になる。

 

規制委は2月、40年を超える原発で初めて、安全対策の許可の前提となる審査書案を了承。この日の定例会は、耐震設計のもとになる地震の揺れの想定が引き上げられたことを踏まえ、格納容器内の重要設備を実際に揺らす試験で耐震性を確かめる方針を決めた。

 

 ただ、試験の時期は、工事計画認可を経て対策工事が終わった後の設備検査の段階でよいとした。関電によると、対策工事には年単位の時間がかかるという。工事計画認可は、海外の同様の原発の事例や1、2号機の耐震性の解析結果などをもとに判断する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 <別添PDFファイル>

(1)原発耐震性確認先送り、規制委 高浜12号機 認可後に(朝日 2016.3.24

 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12273342.html?rm=150

 

(2)美浜3号機 廃炉も視野、安全対策費 最大2700億円に膨らむ(日経 2016.3.18 夕刊他)

 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18H94_Y6A310C1MM0000/

 

(3)(高浜)4号炉トラブル原因 電流量を過小設定(東京 2016.3.10)⇒ このメールの最後尾に私のコメントあり

http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2016031002000200.html

 

 <高浜1,2号機の設置変更許可にかかるパブリックコメント>

(1)パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198272011&Mode=0

 

(2)関西電力株式会社高浜発電所1号、2号、3号及び4号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集について 原子力規制委員会

 http://www.nsr.go.jp/procedure/public_comment/20160225_01.html

 

(3)「パブコメのたね」は以下です。参考にしてください!(原子力規制を監視する市民の会 [2016.3.21 ]

 http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2016/03/t12tane.pdf

 

 <関連サイト>

(1)かんさい熱視線「どうする老朽化原発」(NHK - Dailymotion動画

http://www.dailymotion.com/video/xos29u_%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%95%E3%81%84%E7%86%B1%E8%A6%96%E7%B7%9A-%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%99%E3%82%8B%E8%80%81%E6%9C%BD%E5%8C%96%E5%8E%9F%E7%99%BA-nhk_news

 

(2)老朽化する原発 ― 技術を問う― 原子力資料情報室(CNIC

 http://www.cnic.jp/books/3423

 

(3)高浜原発1号圧力容器 脆性遷移温度95度に メルトダウンに至る危険性とは? 小出裕章4-25

 http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65802425.html

 

(4)展延性 - Wikipedia(延性-脆性遷移温度:DBTT)

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%95%E5%BB%B6%E6%80%A7

 

(5)老朽化する原発(井野博満『科学 2011.7』)

http://www.nonukesshiga.jp/wp-content/uploads/03a3bdb4a0a5a43a9ac292d379b168c1.pdf

 

(6)原発がどんなものか知ってほしい(全):故平井憲夫さん

 http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html

 

 <参考「いちろうちゃんのブログ」より>

(1)「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(16):老朽化原発をインチキ審査で再稼働する「破滅への道」=高浜12号の後ろには、他の老朽化したオンボロ原発の再稼働がわんさと待ち構えている  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/112-292b.html

 

(2)明らかとなってきた原発再稼働審査のゴマカシ(2):「脆性遷移温度」の予測数値をゆがめてまで老朽化した危険な原発を動かそうとしている=高浜1,2号機は危ないぞ!  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-9304.html

 

(3)(報告)3.8 (川内・高浜各原発)規制委院内ヒヤリング:原子力規制委員会は再稼働を推進するな=緩んでいたのは原発のボルトだけではなく、関西電力と原子力規制委員会・規制庁もだった いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-2869.html

 

(田中一郎コメント)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.原発「老朽化」審査の仕方がおかしい

 原発(再)稼働までの審査は、(1)原子炉設置変更許可申請、(2)工事計画認可申請、(3)保安規定変更認可申請、(4)使用前検査、(5)運転期間延長申請、(それぞれ電力会社の「申請」を受けて原子力規制委員会が審査)の5つですが(上記の朝日新聞記事一部抜粋の記載は不正確)、それを規制委は、(1)の設置変更許可を、(2)、(3)、(4)、(5)と切り離して、単独で先行パスさせようとしているのです。その際、上記の朝日新聞記事一部抜粋にもあるように原発老朽化に伴う耐震性審査を先送りしています。

 

 しかし本来は、こうした審査は「一体のもの」としてなされるべきものであり、まるで審査進捗のアリバイづくりをするかの如く、設置変更許可だけを「審査」してパスさせるというのはおかしな話です。特に老朽化した原発の場合には、(1)原発装置・機器類や構成素材の劣化・脆化の度合いが如何ほどなのかを見極めることが最重要であることや、(2)そもそも原発の設計そのものが現在の水準の安全基準をクリアできるのかどうかを見極めることが重要で、そのためには、まず、実際の原発が40年を経過してどこまで傷んでいるか、原子炉の現場はどうなっているか、これまでどのようなトラブルがあり現場ではそれにどう対処してきたか、などの現状確認を徹底して行うことが先決であろうと思われます。

 

 常識で考えても、原発の老朽化の審査を終えないまま、たとえば(2)「工事計画」の認可をしてしまい、それに基づく「工事」を進めながら「老朽化」の審査をするというのは、いかにもおかしな話です。「老朽化」審査で、そんな程度の工事では不十分だ、ということは十分にありうる話だからです。

 

 原子力規制委員会・規制庁は、こうした「当たり前」の審査手順を踏まずに「書類上の整合性」や「形式論的な建前確認」を先行させ、かつ、実質的には、そうした「書類審査」にのみ重点を置いた、現場と実態軽視の「形だけの審査」「書類審査」で済ませようとしている様子がうかがわれるのです。

 

2.そもそも古い原発はスタート時点からおかしい可能性あり

 運転開始から約40年が経過した老朽化原発は、原発の設計図通りにつくられているのかどうかが怪しい、いやそれ以上に、40年間にわたる原発の管理や引継ぎなどがいい加減で、設置当初の設計図の存在すらも怪しいのではないかと思われます。また、その40年の間に様々な補修や修繕、あるいは改良工事などを行っている可能性がありますが、しかし、そうした「原発の改良・改造」の経緯がきちんと第三者が見て分かるように記録され、保存されているかどうかも怪しく、老朽化原発の最新の状態を図示する設計図さえもない状態が考えられます。

 

 原発を審査するにしても、まず、実際の原発がどうなっているのか=これまでの管理やメンテナンスが適正・適切であったのかどうか、原発の設計図の存在確認から、その設計図通りの施工がなされているのかどうかの確認など、そもそもの審査の第一歩のところが「あやふや」「あいまい」「いい加減」なままではないのでしょうか。仮に、設計図もない、現状確認もできない、これまで手抜きばかりしていた、などという管理レベルの低い原発であるならば、その原発は「審査」の入り口の段階で「×××」としなければならないはずです(高速増殖炉「もんじゅ」の例)。

 

 特に関西電力と加圧水型原子炉メーカーの三菱重工業は、20048月に美浜3号機で長期間の点検漏れによる配管破断を起こし、作業員を死亡させる事故を起こしました。破断した配管は、原発が運転を開始して以降、ただの一度も点検されていなかったという信じがたいずさんなもので、原発全体が過酷事故に突入しなかっただけでも不幸中の幸いと言えるものでした。今回の高浜原発もまた、そのような会社が製作し運転してきたものです。厳重なチェックや審査が必要なことは言うまでもありません。

 

(ここ数年、耐震設計偽装や建築施工偽装(杭打ち偽装)などが建築業界で発覚して大問題となっています。しかし、我が国の原発・核施設は、このインチキ常習犯とも言える建設会社・建設業界が創ったものであることを忘れてはいけないでしょう。原発だけは他の建築物とは異なり、万全の取組をしているなどということは期待できるものではありません。それどころか、上記の故平井憲夫氏の説明にもあるように、原発現場の実態は「出鱈目の宝庫」「インチキのデパート」そのもので、危険極まりないのであって、今、その危険物が老朽化したものを、更に運転期限延長を行おうとしているわけなのです。「40年超は例外中の例外」というのは「言い過ぎ」でも「リップサービス」でもなくて、原発の危険性を考えた場合には当然のことなのです)

 

3.原発の現場実態を知る人がリタイアーしていなくなる=40年という運転期間の一つの根拠

 仮にいい加減な管理状態の原発があったとしても、今までなんとかやってこれたのは、各原発施設のベテランの現場監督・管理職の人が、長い期間の一連の経緯をよく理解して記憶していたので、その人知に頼ってやってきたということではないかと推測します。原発寿命40年の根拠は、この辺にもありそうです。原発の現場従事者は、2世、3世となるにつれて質が低下し、作業の仕方、現場の監督、仕事への責任感なども劣化していて、要するにいい加減で無責任が蔓延する体制になっている場合もあり、かつ、そういう中で、過去のことがわからない・知らない人間ばかりになってしまった可能性もあるのです。

 

 審査をパスして再稼働したばかりの高浜4号機の一次冷却系が水漏れを起こし、その直接の原因が「ボルトのゆるみ」だったことや、その後、過剰電流が流れてスクラムとなってしまったことなどは、こうした原発の現場の労務実態のレベルの低下=質的劣化を象徴しているように思われます。

 

●平井憲夫さん:原発がどんなものか知ってほしい(全)

 http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html

 

4.原発という巨大な施設を、どうやって隅から隅まで現状の状態を点検して回るのか

 先般3/8の規制庁ヒヤリングの際には、規制庁の若い役人は、この「原発の現状把握」について、「工事計画認可や使用前検査でやる」と説明しておりました。「うそつけ」です。あれほどの巨大な施設ですから、通常の定期検査でも13か月もかかっています。通常の定期検査の場合には、原発施設の重要度分類に従って、検査や点検にメリハリをつけてやっている(つまり重要度の低いものは簡易な検査や手抜きをする)わけですが、40年を経過した老朽化原発では、そういうことは許されないでしょう(そんなことをしたら事故のもとになってしまいます)。すべての装置や機器類について、その状態をしっかり確認していく必要があります。しかし、そんなことは出来るはずもありません。実際、先般発覚した「電気ケーブルの設置状況違反(防火対策違反)」について、原子力規制委員会・規制庁は、全国の原発にそうした違反がないか確認せよとの通知を急きょ出しましたが、再稼働させる予定の高浜原発や川内原発については、たった1か所を点検して、それで事足りたとしているのです。老朽化原発についても、万事、こんな調子で現状確認・現場実態の把握をしていく可能性が高いと言えるでしょう。それでは老朽化原発は危なくて仕方ありません。

 

5.設計そのものが古くてどうにもならない

 海外では、加圧水型原発の安全対策がこの40年間で相当程度進み、重厚な手当てがなされているように思われます。それとの比較で、運転期間延長申請が出された原発の現時点の状態が、要請される高い安全水準に達しているかどうかはきわめて怪しいと言わざるを得ません。特に、設計そのものが古くて、どう手を付けても要請される安全水準が確保できない原発もあるはずで、そういうものは申請の初期の段階で「×××」とすべきでしょう。例えば、欧米の原発では当たり前になっている、コアキャッチャー、厳重なフィルター付きベント装置、格納容器の緊急大規模冷却装置、原発施設全体の防水体制、そして二重の格納容器などです。特に、日本の加圧水型原発の炉心溶融(メルトダウン)対策が、コアキャッチャーや、従来のECCSとは別の落下溶融炉心冷却水供給系のないままに、それらが装備された欧米の原発と同じようなものであるというのは危険極まりないのではないかと思われます。再考・再検討が必要です。

 

6.圧力容器の脆性遷移温度と中性子照射脆化の問題は未解決

 これについては、これまでもご案内してきましたので、上記でご紹介したサイトをご覧ください。井野博満東京大学名誉教授(金属材料学)や小岩昌宏元東北大学金属材料研究所教授・京都大学工学部教授らの、金属工学の専門家から、「危ない」「脆性遷移温度の予測の仕方が非科学的で、実際はもっと脆くなっている可能性がある」などの指摘が出ており、この注告を真摯に受け止めることが重要です。御用学者たちだけの屁理屈と現状追認でGOサインを出せば、近未来に「圧力容器全面破壊」(熱湯を注いだガラスのコップのごとくパリンと割れる)という破局を迎えることになるでしょう。日本の生死にかかわります。

 

7.ごまかされる原発の40年運転期限

 高浜1,2号機は既に運転開始から42年が経過しており、本来ならば「アウト」なのを、原子力規制委員会・規制庁は様々な屁理屈と小細工で「生き残り」を認めています。加えて、上記1.のようなおかしなことをしているのは、きちんとやると、すべての審査を終えるのに何年間もかかり、原発寿命の40年間をはるかに超えてしまう他、更に、延長寿命60年間の大半を審査に要してしまうという皮肉なことが起きてしまうからです。老朽化原発を「創意工夫のある審査」(皮肉です)でパスさせることで、法定運転期限の40年を超過しても使っていこうとする電力会社と原子力規制委員会・規制庁のコワークのようですが、いったい何のために「審査」をしているのでしょうか?

 

8.形骸化するパブリックコメント

 驚いたことに、老朽化原発のパブコメは、今回なされた(1)「設置変更許可」申請の審査結果に関するものだけで、今後審査の対象とされる上記(2)(3)(4)(5)についてはパブコメは行わない方針だと原子力規制庁は言っています。特に(5)について実施しないというのですから、老朽化原発の運転期限延長に関しては有権者・国民・市民の意見を聞くつもりはないというに等しい行為です。それだけ老朽化原発の寿命延長には問題が多く、また、原発のことに詳しくなくても、常識的に見て、おかしなことだらけであることが推測されます。そうしたことが浮き彫りにされないよう、有権者・国民・市民にオープンにならないよう、原子力規制委員会・規制庁が(電力業界や原子力ムラのために)「気を効かして」パブコメを中止してしまったと言えるのではないかと思われます。

 

(なお、原子力規制委員会・規制庁が実施するパブリックコメントは、有権者・国民・市民より提出された意見や見解などが実際の原発・核施設の審査に活かされることがほとんどなく、規制委・規制庁が考えている規制や審査を押し通していくための形式的手続きにすぎなくなってしまっている実態があります。パブコメがそもそものところで歪められてしまっているのです)

 

(1)原子炉設置変更許可申請、(2)工事計画認可申請、(3)保安規定変更認可申請、(4)使用前検査、(5)運転期間延長申請)

 

(その他、老朽化原発にかかる諸問題)

 その他、老朽化原発の運転期限延長にかかる諸問題については、上記でご紹介した「原子力規制を監視する市民の会」の「パブコメのたね」をご覧ください。非常によくできていると思います。福島第1原発事故の実態解明や原因究明ができていないことをはじめ、基準地震動・基準津波の低すぎる水準、電気ケーブルの不燃化の問題や汚染水対策の欠如、避難計画のノーチェックや、白塗りの秘密だらけ・隠蔽だらけの「審査結果」の公表の問題など、老朽化原発以外の一般の原発・核施設の再稼働審査と共通する問題なども指摘されています。是非、ご覧になってみて下さい。

 

 また、今回の高浜1,2号機については、3,4号機とセットで「設置変更許可」申請にOKが出されようとしています。これは、高浜3,4号機の緊急時対策所が、1,2号機を稼働しない前提で、1,2号機の施設の一部(会議室)を利用する形で、これまで「設置変更許可」がOKとされていたためで、今回、別途、緊急時対策所を新たに建設することにしたために、3,4号機の「設置変更許可」が申請されているのです。もちろん、その「緊急時対策所」が九州電力の緊急時対策所と同様に、免震構造ではないとか、面積や機能面で話にならないくらいに過小であるとか、大問題があることは申し上げるまでもありません。

 

 更に、先般の大津地裁による高浜3,4号機の運転差止の判決が出たことを考慮に入れれば、今回の「設置変更許可」申請や、それに対してOKを出した原子力規制委員会・規制庁の「審査」結果については、いったん撤回するか、あるいは「棚上げ」にして裁判の今後の進捗を見守るか、あるいは、これまでの審査の内容をより厳格な方向で見直しするのが常識ではないかと思われます(高浜1,2号機については自動的に廃炉)。それをせずに、田中俊一原子力規制委員長みずからが、大津地裁判決は原子力規制委員会・規制庁の原発再稼働審査には影響しない、などとうそぶいていることが、この原子力規制委員会・規制庁という組織の堕落とその正体を赤裸々に示していると言えるのではないかと思います。

 

(美浜3号機では基準地震動の大きさが引き上げられたため、従来の評価方法では要求される耐震性が維持できなくなっている)

 上記でご紹介した日経記事にもありますように、美浜3号機では、基準地震動が750ガルから993ガルに引き上げられたため、従来の方法では原発の耐震性が要求される水準に達せず、審査をパスできない状態に陥っているようです。しかし、関西電力は、今度は原発の耐震性評価を従来の方法ではないやり方=新しいやり方で評価しなおし、なんとか引き上げ後の基準地震動でも審査をクリアできるようにしたいと頑張っているようです。まさに「インチキ」を絵にかいたようなことですが、今後の美浜3号機の運転期限延長審査の行方に注目が必要です。

 

 最後に、福島第1原発事故から5年、この間、一貫して原発・核施設や原子力ムラの出鱈目を熱心に監視し、今回の「パブコメのたね」のように私たちドシロウト市民にもわかるように、平易に適切に情報提供をし続けて下さっている坂上武さんや満田夏花さんをはじめ、「原子力規制を監視する市民の会」のみなさまには心より感謝申し上げます。

 

●「パブコメのたね」は以下です。参考にしてください!(原子力規制を監視する市民の会 [2016.3.21 ]

 http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2016/03/t12tane.pdf

 

(老朽化原発の運転期限延長と再稼働問題は、原発問題の中でも最重要ですので、これからも監視の目を強くしていきたいと考えています。上記でご紹介申し上げました文献やサイト等につきましては、ご覧になるのが大変だとは思いますが、ぜひ、少しずつでも目を通していただければと思います。よろしくお願い申し上げます:田中一郎)

草々

 

 <追>

●(高浜)4号炉トラブル原因 電流量を過小設定(東京 2016.3.10

http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2016031002000200.html

 

(一部抜粋)

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 関西電力は九日、高浜原発4号機(高浜町)が発電系統のトラブルで緊急停止した原因と対策をまとめた報告書を原子力規制委員会に提出した。過電流を検知して警報を発する計測器の設定値が低かったことが原因と結論づけた。

 

 4号機は二月二十九日、発電機と送電線をつなぐ「並列」の作業をした直後、送電線側から設定値を超す電流が流れたのを計測器が検知し、原子炉が緊急停止した。設定値はフル出力時の30%の電流で、計測器には35%の記録が残っていた。停止中に通常の計測器を取り換えたため、別の計測器で代替。並列時に一時的に流れる送電線側からの電流を過小に見積もっていた。

 

(中略)「一時的な電流評価をチェックするルールがなかった」。豊松副社長は、過電流を検出する計測機器が不適切な設定になっていた原因をこう説明した。発電機メーカー任せになっていたと認め、「教育不足」とも述べた。今後は関電、メーカー、協力会社がチェックする態勢に改めると説明。長期の定期検査中に設定を変更したり、新設したりした計測器など三十六点も妥当性を再検証するとした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

 バカバカしい説明だ。「一時的な電流評価をチェックするルールがなかった」などというが、そもそも、流れる電流はいかほどが適切なのか、はっきりしているのか(「過電流とは何か、何故、発生するのか」)、また、はっきりしているのなら、何故、おかしな電流上限値がセットされていたのか、上記の説明ではさっぱりわからない。もし、前者がよくわからないのなら、過電流が流れた理由も含めて、徹底した調査や検討が必要だろうし、そうではなくて後者であるというのなら、それは現場の労務管理の問題となる。同じ4号機の「ボルトのゆるみ」問題と同様に、関西電力の現場の管理監督や労務がたるんでいて、いい加減・無責任体制が蔓延しているということではないのか。

 

 いずれにせよ、この「過電流スクラム」問題もまた「ボルトのゆるみ」問題と同様に、関西電力やそれを管理・監督・規制する原子力規制委員会・規制庁に大問題があることを赤裸々に有権者・国民・市民に見せつけてくれた事件だった。はたして、かようないい加減で出鱈目で、かつ説明責任も果たさない無責任会社の関西電力に原発を稼働・運転する資格があるのかも含め、再度、厳重なチェックが必要であるといえるのではないか。

 

 

2016年3月24日 (木)

放射線安全神話・放射能安心神話にはだまされません=国際放射線防護委員会(ICRP)の嘘八百を見抜こう

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

放射線安全神話や放射能安心神話にだまされたり、国際放射線防護委員会(ICRP)の嘘八百にたぶらかされたりしないための「保身術」をお伝えします。下記の文献その他をご参照ください。現在、国際放射線防護委員会(ICRP)他の国際原子力マフィアが黒子・影武者となって福島県などで推進している「悪魔の施策=フクシマ・エートス」(運動)には絶対に近寄ってはなりません。すでに、チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国で、「エートス」(運動)は多くの人々の健康を害してしまったことが報告されています。

 

(国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線被曝論の3大欠陥)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<1>科学的実証性がない(臨床報告や大規模疫学調査、あるいは動物実験等による「実証的」な裏付けがない)。言い換えれば、放射線被曝の危険や健康被害よりも原発や核の推進の方がずっとずっと大事だと考えるおかしな人たちが、妙な屁理屈を考え付いて「科学の体裁」をとりながら、もっともらしい言葉で多くの人々をだまし続けている似非理論だということ(実際、被ばくの危険性や評価概念、それに基づく線量限度などの放射線防護の方法論(の提言・勧告・報告)を決める際も、科学的実証的裏付けをもって行うのではなく、政治的に「こんなもんだ」と決めているトンデモ組織です(例:放射線加重係数、組織加重係数、生物学的半減期、線量・線量率効果係数(DDREF)、実行線量換算係数(内部被曝のベクレル・シーベルト換算係数)などなど、すべて科学的実証的根拠がありません)

 

<2>外部被曝評価も問題が多いが、それ以上に内部被曝についての評価(及び考え方)があまりにひどい。内部被曝の実態を表さない架空の「理屈」「物語」にすぎなくなってしまっている。放射線被曝の評価単位「シーベルト」は内部被曝評価には使えない。等価線量(シーベルト)や実効線量(シーベルト)などは「インチキ」だと考えておいて間違いありません。

 

<3>放射線被曝がもたらすガン・白血病以外の様々な疾患や健康障害、及び、何代にもわたって出てくる可能性がある遺伝的障害について、その危険性をほとんど無視していること。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

1.「広島2人デモ」さんの優れたレポートです(必見・必読)

 国際放射線防護委員会(ICRP)の嘘八百は、この4つのレポートでしっかり見抜きましょう。必読・必見です。活字はいやだ、などと甘えている時ではありません。ツィッターばかりしていないで、いやいやながらでも読んでみてください。

 

(1)(第127回広島2人デモ)低線量内部被曝で深刻な影響:ウクライナ政府報告にるがん・⽩⾎病以外の病気(2015.4.10

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150410.pdf

 

(2)(第128回広島2人デモ)低線量内部被曝の危険を人々から覆い隠すICRP学説の起源(2015.5.1

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150501.pdf

 

(3)(第129回広島2人デモ)ICRP学説に基づいてフクシマ事故の放射能影響を考えて本当に大丈夫か?(2015.5.8

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150508.pdf

 

(4)(第142回広島2人デモ)長期間低線量外部被曝は過剰ながん死を増加させる(2015.11.27

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151127.pdf

 

2.放射線被曝の歴史 アメリカ原爆開発から福島原発事故まで-中川保雄/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032660915&Action_id=121&Sza_id=G1

 

(さらに興味を深めておられる方には上記の名著をご紹介いたします。国際放射線防護委員会(ICRP)に集う国際原子力マフィア・放射線ムラの御用学者たちがしがみついている広島・長崎の原爆被害者データ(LSS:ライフ・スパン・スタディ)は、最初から被ばく影響が過小評価となるように作為されたインチキデータベースだったことがここに書かれています。また、第二次世界大戦後の米ソ冷戦時代の核戦略の下で、放射線被曝の危険性のゴマカシ・過小評価・歪曲などの「組織犯罪」「国家犯罪」が国際原子力マフィアや放射線ムラの人間たちによりどのように行われてきたががよくわかります:田中一郎)

 

3.福島県の子ども甲状腺ガン多発と「福島県民健康調査検討委員会」の嘘八百は下記で見抜いてください

 

●福島甲状腺がん 松崎道幸見解(2016.3.20

https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-5o7k4xlfmkirkzpf2coyykxcrq-1001&uniqid=e0aeea64-123a-44c2-be45-a966f7b9c145&viewtype=detail

 

(松崎道幸先生は北海道旭川北病院の院長さんです。これまでも放射線被曝や子どもの甲状腺ガン多発に関して多くの研究成果を発表されてこられました、。上記資料は「まだ、作業の途中です」ということで提供いただきました。更に追加の研究にも期待したいところです。ご紹介申し上げる上記資料は、絵やグラフが多く、とてもわかりやすく見やすい資料です:田中一郎)

 

4.「ちょぼちょぼ市民のためのちょぼちょぼゼミナール:ちょぼゼミ その9

(別添PDFファイル)放射線被曝の評価単位「シーベルト」とICRP( 国際放射線防護委員会)

「tyobozemi_no.9.pdf」をダウンロード

日 時:4月11日(月)19時~21時(開場18時30分)

会 場:スペースたんぽぽ 参加費:800円(学生400円)

 

(それでも活字を読みたくない方は上記の「ちょぼゼミ」においでください。何とか致しましょう。:田中一郎)

 

(参考)新年になりました、今年もよろしくお願い申し上げます:元旦のメールは、国際放射線防護委員会(ICRP)や放射線ムラの「学説」の根拠となっている広島・長崎の被爆者データ(LSS)がいかに問題の多い過小評価されたものかのお話です  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-8a4f.html

 

5.甲状腺がん家族の会

(1)勇気を振り絞って「311甲状腺がん家族の会」が発足(まさのあつこ) - 個人 - Yahoo!ニュース

 http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20160312-00055361/

 

(2)「風評被害気になり言いたいことを言えない」甲状腺がん家族の会発足会見、原発事故後に子ども達が発病(志葉玲) - 個人 - Yahoo!ニュース

 http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20160315-00055449/

 

(3)(別添PDFファイル)甲状腺がん家族の会が発足、横のつながり 励みに(東京 2016.3.22

 

(4)「小児甲状腺がん家族会」発足記者会見 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=Vsf0FAjJqYk

 

6.その他

(1)フクシマ小児甲状腺がんはチェルノブイリ被曝と符合する!(日野行介『サンデー毎日 2016.3.27』)

 

(2)放射能汚染、東京でも福島でも(安田節子『いのちの講座 第972016.3.8』)

「inotinokouza_yasuda.pdf」をダウンロード

(3)東日本大震災5年、放射能被害の現実(津田敏秀、早野龍五他 東京 2016.3.5

 https://twitter.com/risa_mama117/status/705929791396929536

 

(津田敏秀岡山大学大学院教授(疫学・公衆衛生学)と早野龍五東京大学大学院理学系研究科教授(原子核物理)とを比べてみて下さい。この早野龍五の「手下」が坪倉正治だと言われています)

 

(4)耳鼻科学会(45分)フクシマの真実と内部被曝 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=CaaGE3A8-J8

 

(私もまだ、このVTRには目を通しておりません。関連サイトということでご覧ください:田中一郎)

 

(5)福島の「賦評被害」とは(井戸川克隆『DAYS・JAPAN 2016.4』)

 井戸川克隆さんのすばらしい論考です。まさに「おっしゃる通り」です。

草々

 

 <追>

●今月号の 『DAYS JAPAN』(20164月号)

 https://www.daysjapan.net/about/index2.html

 

●『DAYS JAPAN』HP

 https://www.daysjapan.net/

 

(田中一郎コメント)

 読売系と言われている福島民友新聞が『DAYS JAPAN』掲載記事の小さなミスをとらまえて「福島をおとしめるな」などという露骨・かつデマに近い誹謗中傷記事を掲載しました。今月号は、逆にそれを 『DAYS JAPAN』側が取り上げて、丁寧な反論をしつつ、福島県下で進む「翼賛化現象」としての安易な「風評被害」(これも歪んだ言葉ないしは認識)言説の使い方などを批判しています。別添PDFファイルには、その記事のイントロ部分、及び『DAYS JAPAN』が福島民友に宛てて出した質問状とその回答を添付しておきました。詳細は今月号の 『DAYS JAPAN』をお求めの上、ご覧下さい。

 

 今月号には、それ以外にも、「おしどりマコ・ケン」さんや斎藤美奈子さんの毎度好評な時事評論や、間宮陽介氏の「ファシズム化の流れに対抗するもの」、あるいは「あなたは戦争がどういうものか知っていますか?」(リボン・プロジェクト)なども掲載されています。お見逃しなく!!

 

(参考)新・戦争のつくりかた

http://sentsuku.jimdo.com/webで読もう--/

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033147611&Action_id=121&Sza_id=C0

 

(参考)新・戦争のつくりかた

https://www.youtube.com/watch?v=cUGu73hnjdY

 

( 『DAYS JAPAN』はみなさまの購読料のみにて支えられている、日本では数少ない真実報道のフォト・ジャーナリズム(月間)雑誌です。みなさまの定期購読をぜひともお願い申し上げます。:田中一郎)

草々

 

2016年3月22日 (火)

日本を破壊する「アベノミクス」市場原理主義(1):企業の農地所有は必要ない=日本農業の「真髄」は勤勉・創意工夫・土着・共生の小規模家族経営農業にこそあり

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

頭がイカれた似非経済学者や御用人間の「鈍知」を集めたインチキ経済政策「アベノミクス」が、いよいよ本格的に日本を破壊し始めています。大企業・富裕層・外国資本のやりたい放題を許す規制撤廃や国家戦略特区、「税と社会保障の一体改革」という名の大企業・外国資本・富裕層・資産家への税金免除と消費税増税による一般消費者・国民からの血税絞り上げ、そして社会保障・社会福祉の切り込み・切り捨て、公共施設やサービスの民営化をはじめとする民間活用という名の「私物化」政策、大学を支配権力の「ちょうちん持ち」と「すそ払い」の人間集団に変える大学植民地化政策、経済の軍事化と武器輸出への傾注、更には戦争できる国・する国への転換、原発・核施設再推進と放射能・被ばく安全神話、公的年金基金による株バクチ運用とインサイダー疑惑・会社支配の野望、史上最悪の国際協定TPP締結・批准と時代遅れの自由貿易至上主義、特定秘密保護法にマイナンバー(共通番号)制度、などなど、枚挙にいとまがないアホノミクスの「アベノミクス」が、マスゴミの「偏向報道」とともに、この日本に蔓延し始めています。共通しているのは、「今だけ、カネだけ、自分だけ」の有権者・国民・市民不在の出鱈目=つまりは、1%のために99%を踏みつけにする全面的反国民政策=市場原理主義アホダラ教であるという点です。

 

アホノミクスの「アベノミクス」について、これから何回かに分けてコメントします。それにしても、マスゴミや似非学者が「アベノミクス」を褒めたたえたとしても、私たち一般の有権者・国民・市民は、なんでこんなものに「期待」したり「好感」を持ったりするるのでしょう。ミエミエの出鱈目を、できそこないの美辞麗句で飾り立てた、如何にもグロテスクな嘘八百なのに、なんでわからんのでしょうか? 私たち貧乏人には、何のメリットもないどころか、山のような苦難が与えられるというのにです。小泉・竹中市場原理主義改革のはじまった2000代初頭から早15年、市場原理主義とその政策が立派なものなら、とうの昔に私たちの生活や仕事や収入は、ずっと良くなっているはずなのに、逆にひどくなっている、それでいて、まだわからないのでしょうか? 喜劇人のサンマが言うてます。「あんたらアホちゃいますか? ・・・・・・アホちゃいまんねん、パーでんねん」

 

1回目は、「日本を破壊する「アベノミクス」市場原理主義(1):企業の農地所有は必要ない=日本農業の「真髄」は勤勉・創意工夫・土着・共生の小規模家族経営農業にこそあり」です。

 

 <別添PDFファイル>

(1)笑えない「阪大 スーパー日本人構想」、成長戦略に学問迎合(東京 2016.3.18

「oosaka_daigaku_happy.pdf」をダウンロード
(2)自民農林 企業農地所有に激怒(日本農業 2016.2.20

(3)企業農地所有 「特区限定」容認へ(日本農業 2016.2.23

(4)企業農地所有で自民、買戻し義務付け、養父特区限定 自治体に連帯責任(日本農業 2016.2.24

(5)特区の企業農地保有、特定保有法人を新設、養父市限定 条件付きで承認(日本農業 2016.2.29 他)

(6)企業農地所有 養父特区限定で決着、「ありの一穴」懸念(日本農業 2016.3.3

(7)農業や観光へ企業進出、政府 特区法改正案を決定(東京 2016.3.3

(8)農業参入50社 農地所有「不要」7割(日本農業 2016.2.18

(9)農地所有 なぜ必要か? 危機感持て 特区法改正(梶井功 農業協同組合新聞 2016.3.10

「kajii_nouti_kigyou.pdf」をダウンロード
10)農の「神髄」は小農にあり(山下惣一『現代農業 2016.4』)

「yamasitasouiti_syounou.pdf」をダウンロード

 <関連サイト>

(1)みんなが聞きたい安倍総理への質問-山本太郎/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033390217&Action_id=121&Sza_id=A0

 

 <こっちもよろしく:「いちろうちゃんのブログ」>

(1)自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(1) 「米だけは」政策から「米さえも」政策へ=主食を捨てるような国が国家安全保障(NSC)など笑止千万 (その1)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-2712.html

 

(2)自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(2) (付け加えます)「米だけは」政策から「米さえも」政策へ=主食を捨てるような国が国家安全保障(NSC)など笑止千万 (その2)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-9d37.html

 

(3)自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(3)=米や畑作物の価格暴落への備えがない・まだまだ反省と検討が不足している  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/3-bed1.html

 

(4)日本「扼殺」協定TPP=米価暴落の稲作農業の首を絞めてとどめを刺し、その罪を全農の「概算金(仮渡金)」になすりつける:亡国引導者は誰なのか?  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-e91f.html

 

 (田中一郎コメント:その1)

1.笑えない「阪大 スーパー日本人構想」、成長戦略に学問迎合(東京 2016.3.18

 これもアホノミクス信仰の広宣流布のための「アベノミクス」の一環です。「ハピネス」なのは、大阪大学とかいう「スーパー日本人」を育成してくれる「ウルトラ・スーパー日本人」の教授陣の「頭の中」なのでしょう。ほんとに「ウルトラ・スーパー」ものです。もう大学など閉店にしてはいかがかな。盆や正月ににぎわう露天商と一緒に商売をする「お笑い行商人」の団体にでもおなりになればいい。ところで、この大阪大学の運営も学長専制型で、また、ひどいとのうわさだ。大学解体あるのみ。

 

(なんで私の生まれ故郷の大阪は、何をとっても、こんなにサイテーになってしまったのでしょう? ただでさえ関西人は嫌がられるというのにです。でも、これって、悪い意味で、日本の「先進大学」だと思いますよ、つまり、大なり小なり、このままいけば、全国の大学も大阪大学のようになっていくという意味です)

 

(一部抜粋)

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ハピネス社会を実現するため「スーパー日本人」を育成する。自己啓発セミナーの勧誘ではない。大阪大学が、2022年度から大真面目に取り組む研究プロジェクトのうたい文句だ。ここに来て、ネット上で笑いを集めている。だが、取材してみると、政府の成長戦略に組み込まれた大学の笑えない現実が浮かんできた。

 

スーツ姿の男性の全身から電流のような光が発散され、指先から光線の固まりを放つ。人気アニメ「ドラゴンボール」のパロディーのような映像に、こんなナレーションが重なる。「一人一人が最高に輝くハピネス社会の実現に向けて、世界をリードするスーパー日本人の誕生はすぐそこまでやってきている」

 

映像のタイトルは「大阪大学COIが目指す10年後の社会」。文部科学省が一三年度から募集を始めた産学連携拠点「センター・オブ・イノベーション」(COI)の一つに選ばれている阪大の研究PRなのだ。最近になり、研究目的をうたったコピーが注目を集め、ネット上で評判に。ツイツターなどでは「どこのあやしい宗教団体かと思ったら阪大だった」「だれか阪大を止めてあげて」などと、笑い交じりの書き込みが相次いだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 (田中一郎コメント:その2)

 上記「別添PDFファイル」のうち、(2)~(7)までが、嘘八百ばかり言い続けて日本の有権者・国民や生産者・農家を愚弄し続けている自民党政治家どもが「農地の大企業・大資本への開放」を決めるプロセスがわかる報道記事を時系列で並べたもの。「企業の農地所有はいらない・させない」と言っていた自民党の農林族他の議員達でしたが、少しばかり霞が関の役人たちを怒鳴り散らすパフォーマンスをした挙句に、あっさりと企業による農地の所有(農業生産法人(農地所有適格法人)の株主制限・役員制限の大幅緩和付)を認めてしまいました。アホらしくて、ばかばかしくて、こんな記事は真顔で読めたものではありません。こんな政治家どもを選挙のたびに国会へ送っているから、こういうことになるのです。別添PDFファイルの(8)~(10)は、それはおかしい、と訴える記事を若干拾ったものです。これは是非お読みになってみて下さい。

 

 日本は戦前の農村・農家の貧困・困窮の最大の原因であった「寄生地主制度」を戦後の農地改革で解体し、自作農主義の農業政策に転換しました。その後、時代の変化とともに、農地の賃借取引(リース取引)による規模拡大が政策課題とされるようになり、農地のリース方式による集約化政策(分散錯圃の解消と経営規模の拡大、耕作放棄地の解消、後継者難対策など)が定着してきましたが、その場合でも、農地を耕作するものが所有権や地上権、小作権や賃借権などの農地に関する権利を保持するという「耕作者主義」が貫かれました。これがこれまで日本農業の「社会的健全性」を支えた大きな要因の一つでした。農地法上も、生産者・農家の農地自治・農村自治の思想が貫かれ、農地の売買や宅地転用などは、生産者・農家で組織される農業委員会がOKと言わないとできない仕組みが取られてきたのです。それが今、いよいよ市場原理主義アホダラ教信者の「アベノミクス」ならぬ「アホノミクス」により葬り去られようとしているのです。(農地法は既に改悪され、農業委員会の農地売買許可権限等がはく奪されてしまいました)

 

 農業に参入しようとする大企業らが、何故、農地の所有にこだわるのか。実際、農業のことだけを考えているのなら、農地の所有など必要ありません。中長期的に安定した「リース契約」が確保されれば、農地の改良なども含めて十分に対処できます。また、仮に将来、農業から撤退する場合にも身軽でいいし、そもそも、初期投資に農地所有のための無用の資本も必要ありません。別添PDFファイルの日本農業新聞記事は、農業参入企業にアンケートを行って、それを明らかにしています。

 

 なのに、大企業やその代弁者たちは、何としても農地を所有させろと頑張っています。それは、日本の農地政策と農地法の運営が歪みに歪んでいて、これを大企業らが、自身の政治力を使ってうまくやれば、農地を一種の錬金術にすることができるからです。仕組みは簡単な話で、農地は農業のために使われるという名目で、固定資産税が低く抑えられ、また、第三者への転売や宅地転用なども許可制になっていて、建前上は、生産者・農家以外へは売ることができない、宅地転用もやむを得ないことがない限りはできない決まりです。ですから、通常の農地価格は宅地などと比較すると1/10以下の値段です。

 

 しかし、これには「抜け穴」があり、地元の有力者が大資本や政治家、あるいは市町村などの行政と結託すれば、この農地は容易に宅地に転用できるし、また、宅地転用を前提とした第三者への売却も可能なのです。つまり、農地法の運営が出鱈目で、せっかくの「耕作者主義」が形骸化させられてしまっている、ということです。その「制度の歪み」を、農地をよこせという大企業らは、十分に知っていて、農地を「転売」「転用」して簡単に金が儲かる資産として入手しておきたい、と言っているわけです。純粋に農業のために農地がほしい、・・・・いつから日本の大企業は、そんなに品行方正なお利口さんになったのでしょう。ウソつけ、です。農業をやってみて、うまくいけばそれでいいし、そもそも簡単にはもうからない利益率の低い産業なので、ダメなら、入手した農地を打って売却益を得て撤退し、絶対に農業参入が損にならないようにしたい、それだけの話です。

 

 それともう一つ、ここで最も大事なことは、この「農地の大企業・大資本への開放」の「大企業・大資本」には外国企業・資本が含まれているということ(内外無差別はWTOやTPPの大原則です)、また、その外国を含む大企業・大資本の下で農作業をする人間は、外国人労働者を含む賃金労働者であるということ=つまりは、安かろう・悪かろうの低賃金・劣悪労働条件で酷使され、石油がぶ飲み・農薬や化学肥料の大量投与の農業で、その結果できてくる農作物は、国際競争力のある低価格ながらも、飼料並みの品質と危険性、ということになります。農地は収奪されて荒廃し、農業労働者は疲弊して荒び、農村は疲弊衰退して荒れ放題、しかる後に大企業・大資本はもうからなくなった農業を平気で捨てていくことでしょう。「安価な農産物なら何でもいい」という愚かな消費者の選択は、中長期的には、農地・農村・農業の「荒廃」以外の何物もをもたらさず、農業とともに国を衰退させ、場合によっては滅ぼしてしまうでしょう。コメ=つまりは主食=つまりは水田農業の伝統的な在り方を大切にしない民は「亡国の民」となっていくのです。

 

 企業の農地所有は必要ありません。農地保有しなければ農業に参入できないという企業は参入しなくていいです。日本農業の「真髄」は勤勉・創意工夫・土着・共生の小規模家族経営農業にこそありですから、むしろ、サラリーマン農業が必然化する企業の農業参入など、なくていいのです。

草々

 

(参考)農業生産法人(農地保有適格法人)

 農地法上に定めのある法人です。読んで字の通り、農地を所有できる法人、ということで、一般の企業にはできない農地保有が農地法上認められている法人のことです。この法人には農地法が定める要件があり、その思想は「耕作者主義」です。つまり、生産者・農家が過半数ないしは3/4以上の出資を行い、かつ、役員が実際に農業をする人でなければいけない、などの縛りです。しかし、これまでの約15年間、じりじりと、この農業生産法人(農地保有適格法人)の要件が緩和されていき、今般、国家戦略特区の形で「耕作者主義」が否定される要件が導入されることになりました。つまり、生産者・農家でない人間が、事実上、支配法人を通じて農地を保有できるということです。これはまもなく全国に拡散されていく運命にあります。

 

 農業や食料(特に主食)が、「今だけ、カネだけ、自分だけ」の企業に食いものにされていく、そんな国が、将来に向けて発展したり繁栄したりするはずもありません。コメを粗末にするヤカラは、いずれ、滅び去ることになるでしょう。朕はたらふく食っておるぞ、なんじ人民、飢えて死ね、どこかで聞いたことのある、このフレーズが、近未来の日本で復活するかもしれません。

 

 愚かな日本人の中には、「日本の農業は過保護だ」などという「農業を知らない馬鹿者」が少なからずいます。そんなに言うなら、その「過保護」の結果、楽して儲かり、楽して食っていけると、あんたが思う農業を、あんたがやればいいし、あんたのかわいい娘や息子を、農家に嫁がせるか養子に出せばいいだろう。あんたの子どもも「過保護農業」で楽ができるではないか。しかし、「日本の農業は過保護だ」などといっているトンチキ人間に限って、農業は絶対に嫌だ、という連中ばかりである。要するに、生産者・農家をバカにしているということだ。そんな奴は、どこかへ消えちまえ!!

 

 

2016年3月21日 (月)

(東日本大震災)NHKスペシャル 「26兆円 復興はどこまで進んだか」を見て

前略,田中一郎です。

 

みなさま、先週3/12(土)に放送されましたNHKスペシャル「26兆円 復興はどこまで進んだか」をご覧になりましたでしょうか。ご覧になれなかった方は、下記サイトに録画がありましたからご案内します。ちょっと見にくいですが、お早めにご覧ください。いろいろと考えさせられるフィルムでした。阪神大震災を西宮市で体験し(私のところは大したことはありませんでした、とはいえ大変でした)、また、阪神大震災直後の神戸市を担当していた営業サラリーマンの私としては、この東日本大震災後の東北3県の姿は、「またか・・・、いや、阪神の時よりもひどい、この国の政府の無能と無神経、そして冷血にはあきれるばかりだ」と思いましたが、しかし、岩手から宮城にかけての三陸海岸沿いの地域の復旧・復興は、どうしたらいいのか、神戸市及びその周辺市町村などの都市部の復興とは違う、独自の困難さも強く感じました。みなさまも、ぜひ、ご覧になり、機会があれば意見交換いたしましょう。何故なら、自然災害は、また再び、必ず私たちを襲ってくるからです。(原発震災はそうではありません。原発をやめればいいだけです)

 

●NHKスペシャル シリーズ東日本大震災“26兆円”復興はどこまで進んだか 

 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160312

 

●NHKスペシャル 26兆円 復興はどこまで進んだか 312日 バラエティ動画を視聴!バラ動画

 http://varadoga.blog136.fc2.com/blog-entry-88841.html

 

(私が思ったこと)

1.総額26兆円の復興予算(うち所得税・法人税の増税が約11兆円=但し、法人税の増税は途中でやめてしまった=ふざけんなよ、このクソ政府!!)のうち、半分以上の約14兆円もの金が「インフラ整備」と呼ばれる土建事業に使われていた。その代表格が、(1)巨大堤防、(2)道路、(3)漁港である。そして驚いたのは、この代表格3つのうち、工事進捗率の最もいいのが道路で、約8割が終了しているのだそうである。あきれるばかりだ。復興資材供給や生活関連の緊急道路を応急整備するのはわからないでもないが、どうも大半のカネは、使いもしない高速道路などの高規格道路に消えている可能性が高い。復興事業にタカる典型的な「シロアリ」事業である。また、巨大堤防にしろ、漁港再建にしろ、大問題を引きずっていて、こんなやり方で14兆円もの金が消えて行ったのかと思うと、いらだちを隠せなかった。いったい誰のために「復興事業」をやっているのか。

 

2.他方で、被害を受けた地域住民や地域企業の再建・再生への支援予算は制約が多い上に金額が限られていた。たとえば、被害者を直接支援する事業の予算は、総額26兆円のわずかに1割=2.7兆円程度、これに地場産業復旧の切り札のように言われている「復興取組企業グループ形成補助金」は総額でも5千億円程度に過ぎない。そもそも適用条件にいろいろ制約が付けられ、使い勝手のあまりよろしくない補助金や制度が乱立していた話も聞いている。日本政府は、阪神大震災後の復興政策の出来の悪さを真剣に反省していなかったようである。

 

3.私が一番腹が立つのは、未だに日本政府は、というよりも財務省は、被害を受けた被害者個々人や個々の企業への直接の税金による支援を「利益供与にあたるから駄目だ」と退けている点である。これで災害復旧ができるわけがない。人間を助けずに、防潮堤や道路を建設していて、復興ができるわけがないだろうに。この日本政府の反被害者的態度に風穴を開けたのが、阪神大震災後に小田実ら市民運動家らが中心になって動き政治を動かして実現した被害者個人向けの復興交付金である。しかし、それにも金額の限度があり十分ではない。上記の2.とも共通するが、災害復興における「人間の復興」を、もっと真正面に据えて、しっかり考え検討しなければいけない。

 

4.自治体の首長や職員からは、地方の裁量権があまりになさ過ぎて、国の官僚によるさじ加減で振り回されている声が聞こえてくる。おそらくそうだろう。たとえば、街の再建=商店街を再構築するのに補助金を申請したある自治体の住民らは、個々の商店が自前の店舗を所有して商店街の街並みとして再建したいと計画したが、国はそれを認めず、大きな1つのビルを建て、そこにテナントとして入り、運営等については指定する経営コンサルと相談せよと指示したそうである。何度も要請しても国は頑として聞き入れず、街並み再建はご破算となったという。これなども、個々の個人や会社、あるいは商店には税金は投入・贈与できない、という、上記の「呪文」に「呪縛」されてのことであろうと推測するが、かような「根曲がり」が現場の再建事業の進捗をあちこちで妨害していたに違いない。

 

5.NHKがベタ褒めしていたNPO参入による被災者支援だが、私は、いいものと悪いものが混在していたように思う。やったものがすべて成功するとまでは言わないけれど、せめて「悪質なもの」「あまりにお粗末なもの」は排除されるべきだから、やはり第三者の目が入り、社会的なチェックが効くような仕組みが必要だろう。

 

6.私が一番悩ましいと思ったのは、三陸地域のような被災地での、生業(なりわい)=地場産業の復興をどうやってやっていけばいいかという問題だ(それでも私は、産業の復興よりも、まず、被災者住民の住宅と生活の復興が先だと考えている。産業復興を最優先したところに、この東日本大震災復興の最大の誤りがあると思う。お粗末な仮設住宅に5年以上も居住を余儀なくさせるような復興は全部だめだ。一刻も速く、被害者の方々をちゃんとした住居に全額公費で移せ)。漁業・水産業、及びその関連産業が最も主要な産業だが、もともと厳しい産業であったがゆえに、震災のダメージから立ち直るのは容易ではない。私は、NHKは、最初の5年がインフラの復旧と産業の再スタート、これからの5年が、人々の生活の回復・復興と企業の発展などと整理していたが、私は順序が逆だと思う。そして、これからの「企業の発展」どころか、「生業」としての仕事を、どういう事業で、どういうやり方で、誰がやっていくのか、政府はもっと真剣に考えないといけないのではないか。(例えば重茂漁協の取組を一つの優れた事例とすべき)

 

(少し頭がおかしい村井嘉浩宮城県知事が独断専行で強引に推し進めた水産特区=いわゆる漁業権を漁協以外にも取得させる市場原理主義政策は絶対にダメだ。あんなものが日本全国に広がれば、日本の伝統的な沿岸漁業は崩壊する=大資本により日本の沿岸域が「プライベート・ビーチ」として占拠され私物化されるだろう。愚かなことだ)

 

7.最後に、申し上げるまでもないが、上記で指摘した道路建設のみならず、たとえば福島県などの「除染事業」などなど、巨額復興予算に、真っ先に「タカリ」行為をしていたのは、その予算を所管していた霞が関の各省庁・官僚達である。この「シロアリ」集団は、いずれ退治しなければいけない時期が必ずやってくるだろう。私たち市民運動・社会運動も、この「霞が関シロアリ」集団の息の根を止めることが、自分たちの「世直し」運動の一つの到達目標だと考え、今後の取組の中でその実力を蓄積した方がいい。

草々

 

2016年3月20日 (日)

政治家にオモチャにされる日本の税制=「(にっぽんの負担)自動車税制、玉虫色の決着 税制の攻防」(朝日新聞より):バカバカしくて消費税など払ってられるか!!

前略,田中一郎です。

(原発・原子力にもちょっとだけ関係します)

 

日本の税制が自民党らのボンクラ政治家達によって「オモチャ」にされている。この自動車の税制をめぐる動きはその一例だ。もともと、この自動車関連の税制を目的税(特定財源)としてつくり、その税収を道路建設に回す仕組みを作ったのは、かつてのあの田中角栄だ。しかし、その自動車関連税制の役割はとうの昔に終わっている。にもかかわらず、その田中角栄の末えいの自民党ボンクラ政治家どもは、その税制やマネーフローを新しい時代を切り拓くものに変えることもできず、どこまでも、いつまでも、自動車と道路にしがみついて、鳥獣戯画の喜劇のようなバカバカしい税金論議を続けている。

 

その基底に流れる思想は下記のようなことではないか。昨今、安倍晋三は、来る国政選挙での自民党苦戦を見越し、消費税増税の延期を演出しはじめた。そのうちに、アベちゃん仲間の御用学者・御用人間が、もっともらしい顔をしてピーチク・パーチク言い出すだろう。でもね、消費税なんぞは廃止すりゃいいだけの話なのよ。

 

「経済力のある大企業・大資本・富裕層・資産家の税金はまけてやれ、貧乏人や一般大衆からは搾り取れるだけ搾り取れ、但し、あんまりやると怒りだすから、怒らない程度にだましだまし、話をはぐらかして、ねたみやそしりを利用して、お互いに小さなことで対立もさせて、ともかく選挙で逆襲してくることがないように、ゆっくり茹で上げればいい。生かさず、殺さず、知らしむべからず、よらしむべし、広く薄くから広く厚くして、ちびちび取っていけばいい」(市場原理主義の極意なり)

 

●(にっぽんの負担)自動車税制、玉虫色の決着 税制の攻防:朝日新聞デジタル

 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12245052.html?rm=149

 

(参考書)『税金を払わない巨大企業』(文春新書:富岡幸雄/著)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033150910&Action_id=121&Sza_id=B0

 

 記事の最初には「自動車税の軽減も明記すること!!」なんて書いたプラカードをもって、自動車業界の利己主義者たちが税制会合に入っていく自民党議員達に声をかけている写真がある。「今だけ、カネだけ(減税だけ)、自分だけ」を絵にかいたような、この連中に大きな期待をかけられた自民党政治家の頭領が、あのKSD事件で有名となった額賀福志郎だ。

 

(参考)ウィキペディア KSD事件

 https://ja.wikipedia.org/wiki/KSD%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

 その額賀だが、記事には次のように書かれている。「その額賀氏は、自動車にかかる税金について将来の減税方針を大綱に書き込むよう求めていた。しかし、自動車関連の税は地方自治体の税収になるものが多いため、自治体の代弁者である総務省は減税方針に強く抵抗していた。」

 

 「15年末の議論の焦点は、車を買うときにエコ度に応じてかかる新税のあり方だった。消費税率を10%に引き上げるのに合わせ、地方税である自動車取得税を廃止することはすでに決まっていた。しかし、単なる廃止では自治体が1千億円規模の税収減となってしまうため、新税で穴埋めする大枠の方向も決まっていた。「減税派」が狙ったのは、新税の詳細決定を16年末にずらす先送り戦術だ。」

 

 何考えてんだ、ではないですか? 自動車にかかる税金がややこしいからシンプルにするというのはわからないでもないが、しかし、減税する必要性などどこにもない。エコなどは減税による奨励ではなく、単純に環境浄化規制として法的義務化すればいいだけの話である。この狭い日本列島にマイカーをこれ以上増やす必要もない。また、先般は「地球温暖化対策」の目標や基本方針を決めて、CO2などを減らしていくことを決めたのに、減税をして自動車の売れ行きを上げようとするなど、まさに「逆ドライブ」ではないか。日本では、自動車によるCO2排出は全体排出量の2割近くを占めているから、これを減らさなければ目標達成などおぼつかない。

 

 また、自動車の排ガスは、CO2だけでなく、SOxやNOx、それにディーゼル車などではPM2.5などの有害物質も排出する。環境改善のためにも、また、極度にモータリゼーション化して高コスト化している日本社会を、まともな形に変えていくためにも、自動車は減らしてこそ政策であって、自動車を増やすために税金を使っていてどうするのかということだ。(自動車を増やすためというよりは、ただただ自動車業界のご機嫌をとっているだけでしょう)

 

 おまけにこの自動車をめぐる税金の話には、次の4つのことがからまりついている。記事を抜粋してみる(その1と2)。まさに「今だけ、カネだけ(減税だけ)、自分だけ」連合軍が政治を食い物にして、オモチャにして、やりたい放題をしている構図である。

 

(その1)「14年に自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金した企業・団体で自工会は8040万円で首位。300人近い国会議員を擁する自動車議連も加勢し、政官業一体の圧力で先送りムードが濃厚になっていた。」(自動車業界からの政治献金と自民党へのさまざまな協力)

 

(その2)「かつて経済産業省で自動車課長を務めた永塚氏に続き、現役の伊吹英明・自動車課長も「自動車税の引き下げを」とたたみかけ、業界と経産省の連係プレーを見せつけた。」(経済産業省官僚の自動車業界への天下り)

 

(その3)公共交通が衰退した地方での庶民の「足」になっている軽自動車(軽自動車税)については、今回の話とは逆に、TPP交渉入りのアメリカへの「手土産」として、既に増税が決まっている。アメリカから、日本の軽自動車は優遇されている、非関税障壁だ、だからアメ車が売れない、とイチャモンが付いたせいだ。自民党のボンクラたちは、地方の人たちの負担を顧みず、また、軽自動車メーカー・スズキの老会長が怒るのも無視して、早々にアメリカのご機嫌取りのために軽自動車を増税している。

 

(参考)消費税増税、軽自動車税アップ、取得税廃止…変わるクルマの税金まとめ

 https://clubmini.jp/10642

 http://www.lifehacker.jp/2015/03/150331motor_tax.html

 

(その4)中長期的な話だが、日本の現在の産業構造を、自動車製造販売業と道路建設業・鉄筋コンクリート製造販売業中心のものから、別のものに、新しい時代のものに転換していかなくてはいけないのに、かようなことをしていては、いつまでたってもできやしない。減税(一種の補助金)による税金のムダづかいとはこのことだ。

 

 結局、この話は記事によれば「そこで額賀氏は、新税の詳細決定を先送りしない代わりに、自動車税など別の減税方針を大綱に書き込む落としどころを探り、「税負担の軽減」に触れた一文を大綱にねじ込ませた。大綱には、「自動車ユーザーの負担軽減」といった自動車業界に配慮した文言と、「地方財政に配慮」など自治体に目配りした文言が入り交じる。普通車の減税とも、軽自動車の増税とも解釈できる「登録車と軽自動車との課税のバランス」という文言もあり、まさに「玉虫色」だ。」なのだそうだ。

 

 記事を読んでいて、怒りを抑えるのに苦労した。自動車関連の税金の総額は兆円単位、こんなバカ丸出しの「政治」もどきを「今だけ、カネだけ(減税だけ)、自分だけ」連合軍でやっているから税収が足りなくなり、課税ベースが穴だらけになって財政危機を招くのだ。その尻は、すべて消費税増税だ。法人税減税に加えて、まだ自動車業界にご奉仕が足りないという、この額賀以下の自民党議員どものバカさ加減は、もう尋常ではない。

 

 これで最後と思いきや、朝日新聞の最後のコメントは「<解説>ユーザー目線で議論を」だって。政治家もひどいが、新聞もひどい。それも言うなら、財政再建はどうした、消費税増税するのに自動車業界だけを減税で喜ばせてどうする、地球温暖化対策との整合性は取れているのか、排ガス規制はどうなった、自家用車より公共交通の方が大事なのではないのか、・・・・・いくらでも問題提起すべきことはあるだろうに、

 

 公共目的以外の自動車には、もっと税金をかけろーー

草々

2016年3月17日 (木)

「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(19):原子力規制委員会・規制庁に朝日新聞を批判する資格はない=問題だらけの原発・核施設 5~30km以遠圏の放射能モニタリング体制、及びモニター設置状況

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

(最初にイベント情報です)

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●(別添PDFファイル)安保法制(戦争法)違憲訴訟決起集会(東京)

 

日 時:20164 20 日(水) 18002000

場 所:参議院議員会館 講堂(予定)

*「安保法制違憲訴訟の会」からの挨拶

*“いま違憲訴訟をおこす”意義について

*原告からの決意表明 など

主 催:安保法制違憲訴訟の会

連絡先:「安保法制違憲訴訟の会」 東京都渋谷区桜丘町17-6 渋谷協栄ビル2 階 

                電話 03-3780-1260 FAX 03-3780-1287

 

(関連)内田雅敏弁護士が語る「安保法制違憲訴訟」~はたして裁判官は「魔が差す」か? wakaben6888のブログ

 http://kimbara.hatenablog.com/entry/2016/03/02/211946

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昨日、私のメールで「川内原発 避難線量半数測れず、規制庁「問題ない」(東京 2016.3.16)」をお伝えし、原子力規制庁が朝日新聞のスクープ記事に対してとんでもない反応を示している旨を申し上げました。ところが何と、今日の朝日新聞には(東京版38面)、今度は田中俊一原子力規制委員長が朝日新聞を批判し、その取材と記事に対してクレームをつけているという主旨の記事が載りました。全くの驚きであり、あきれるばかりであるとともに、この原子力規制委員会・規制庁の態度の悪さはいったい何なのか、という思いを強くいたしましたので、今日は「問題だらけの原発・核施設 5~30km圏及びそれ以遠の放射能モニタリング体制、及びモニター設置状況」(このメールの表題)について、もう少し詳しく申し上げ、返す刀で「原子力規制委員会・規制庁に朝日新聞を批判する資格はない」ことを付記しておきたいと思います。

 

 <別添PDFファイル:関連記事>

 まず、関連記事をご覧ください。記事をご覧になるだけでも、原発・核施設 5~30km圏及びそれ以遠の放射能モニタリング体制、及びモニター設置状況のいい加減さや、それをめぐる原子力規制委員会・規制庁、政府、そして各立地県庁などの関係団体のいい加減さがよくわかります。原発・核施設の過酷事故時の住民対策をまじめに考えていないのが明確に伝わってきます。再び「原発・核施設安全神話」が蔓延し始めているのです。しかし、放射能モニタリングのいい加減は、記事にあることだけではありません。

 

(この朝日新聞の記事は、いい記事ですから、ぜひ、目を通されてみて下さい。記事の表題は川内原発となっていますが、記事を読みますと、再稼働したばかりで止まってしまった高浜原発の環境放射能モニタリングも同様であり、従ってまた、これから再稼働されようとしている伊方や玄海や泊なども同じと考えていいと思われます)

 

(1)規制委 本社記事を批判、川内原発周辺の放射線量計(朝日 2016.3.17

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12261598.html

 

(2)川内原発周辺の放射線量計、避難基準値 半分測れず(朝日 2016.3.14

 http://www.asahi.com/articles/ASJ346QWDJ34UTIL076.html

 http://saigaijyouhou.com/blog-entry-10499.html

 

(3)川内原発 避難線量半数測れず、規制庁「問題ない」(東京 2016.3.16

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-872b.html

 

(4)再び注目SPEEDI 使うけど(核実験)、使わない(原発事故)(東京 2016.1.24

https://silmarilnecktie.wordpress.com/2016/01/29/124%E5%86%8D%E3%81%B3%E6%B3%A8%E7%9B%AE%E3%80%80speed%EF%BD%89%E3%80%80%E4%BD%BF%E3%81%86%E3%81%91%E3%81%A9%EF%BC%88%E6%A0%B8%E5%AE%9F%E9%A8%93%EF%BC%89%E3%80%80%EF%BC%88%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B/

 

(5)SPEEDI 自治体の責任で活用 政府が容認、原発再稼働へ地元同意狙う(東京 2016.3.16

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-872b.html

 

(田中一郎コメント)

 原発・核施設周辺地域(「周辺」と言ってもかなり広範囲)の環境放射能モニタリングについて、下記のようないい加減・出鱈目・無責任・不十分が放置されている可能性が高いのに、原子力規制委員会・規制庁も、地元県庁も市町村も、原発・核施設の再稼働を容認・OKしているというありさまです。これでは再びの原発・核施設過酷事故の際には、住民の大量被ばくは避けられないでしょう。原子力規制委員会・規制庁も県庁も、地域住民の命と健康のことなどは、二の次にしているということがよくわかります。立地地域のみなさま、怒りの声を挙げましょう。県知事・県議会議員、あるいは市町村長・市町村議会議員を選挙で取り換えましょう。彼らの大半は、自民党を筆頭に、原子力ムラの手下・手先・代理店の役割を担っているのです。

 

1.原発・核施設周辺5~30km圏及びそれ以遠の環境放射能モニタリングについて、まず、数が絶対的に足りません。原発・核施設事故で環境に大量放出された放射能の汚染は、場所によって「ムラ」ができてしまうので、ちょっと離れた場所では汚染度合いや線量が大きく異なり、相当きめ細かく観測しないと放射能の汚染状況はわかりません。わずか50~100個程度のモニター設置では、立地地域住民は意図せざる被ばくをさせられてしまいます。少なくとも、その数十倍の個数の設置が必要です。

 

2.モニターがどういう場所に設置されているかも、きちんとチェックする必要があります。意図的に放射能汚染を検知しにくいような場所に設置されている、あるいは実態の放射能汚染状況よりも数値が低く出るような設置のされ方をしている(例:厚い鉄板で囲まれているなど)可能性は高い、というのが福島第1原発事故の教訓です。また、30km圏を超える数十km圏でもモニタリング装置が必要なことも福島第1原発事故は教訓として残しています。

 

3.設置予定(計画)のままで終わっていたり、モニターが故障したまま動かないで放置されていたりなど、レベルの低い管理不十分の可能性もあります。

 

4.福島第1原発事故の際には、大半の放射能モニターに独自の長期間持続できるバッテリーや非常用発電機がついていなかったため、地震に伴う停電によりモニターが止まってしまいました。バカみたいな話で、これはおそらく「意図的」に、そうなるように仕組まれていたと考えていいものです。過酷事故時の放射能汚染状況が、事後的にわからなくしてしまうための仕掛けです。同じく、福島第1原発事故の際には、少なくない放射能モニターが津波をかぶり動かなくなりました。地震による停電対策のみならず、沿岸部においては放射能モニターの津波対策も必要です。

 

5.環境放射能モニターが上記1.~4.をクリアーして適切に設置されたとしても、今度は原発・核施設過酷事故時に、そのモニターの数値を誰がどのようにして収集するのでしょうか。人間の手で収集するとなると、原発・核施設過酷事故時ですから、猛烈に被ばくを余儀なくされるでしょう。原子力規制庁の人間が、まず、原発・核施設近隣を中心に各モニターのデータ収集に走り回るべきでしょうね。他方で、今日では、配線さえすればモニターからデータを自動収集できるそうですから、各電力会社に費用を出させて、全モニターをつなぐデータ収集配線網を構築すべきです(リアルタイムでデータ収集できます)。

 

6.モニター設置もデータ収集も申し分なし、としても、まだ問題があります。それは収集した放射能汚染状況のデータ公開の問題です。福島第1原発事故の際には、政府や県庁はデータを隠しに隠し続け、地域住民や有権者・国民には嘘八百を広報しまくりました。放射能汚染情報のタイムリーでつつみ隠さぬ適切な「公開」の担保が必要です。

 

7.原子力規制委員会・規制庁も、国も、地元自治体(都道府県庁と市町村)も、環境放射能のモニター設置やモニタリング体制も確立しないまま、原発・核施設の再稼働に走り出しています。

 

朝日新聞記事を見ますと「川内原発について、原子力規制庁の担当者は今月の取材で、再稼働前の2014年に国が原発周辺の避難態勢を「了承」した際に、規制庁の当時の部長が鹿児島県にモニタリング態勢の拡充を強く要望していたことを明かした。また規制庁は、モニタリング態勢の現状について、全国の原発周辺のポストの設置状況や性能を調査中だ。」

 

原発を再稼働しておいて「規制庁は、モニタリング態勢の現状について、全国の原発周辺のポストの設置状況や性能を調査中だ。」はないでしょう。いかにも無責任で、朝日新聞のスクープ記事で尻を蹴り上げられて、あわてて調べ始めたという印象を強くします。また、鹿児島県も、そして福井県も、モニター設置や放射能モニタリング体制の堅固な確立ができていないにもかかわらず、原発再稼働にOKを出していた、国も「原子力地域防災計画(住民避難計画)」をOKしていた、ということです。

 

8.こんな状況の下、原子力規制委員会は、5~30km圏内は、まず「屋内退避」だと言っています。そして、20mSv×1週間、または瞬間風速で500マイクロシーベルト/時がでたら避難指示を出す、などと言っています。出鱈目ですね。実際の時には、きっと機能せず、大半の地域住民は、猛烈な放射能の中を自主的に勝手に逃げてしまうか、あるいは残った住民は屋内退避でじわじわと被ばくを強制されながら、いつまでたっても避難指示が出ない、という状況に追いやられるでしょう。

 

そして、先般3/5に放送されました「NHKスペシャル:原発避難」を思い出してください。福島第1原発事故の際には、南相馬市の大半は「屋内退避」を国から指示されましたが、しかし、指示されて以降は、物資が入ってこない、ガソリンや食料・水が尽きてくる、自衛隊の救援の部隊がやってこず放置状態にされてしまった、などの事態となり、市長がやむなく自主避難を決意した旨が放送されていました。そしてのちにわかったことは、なんと政府・国土交通省が、屋内退避指示の出た放射能汚染地域には、運送業の役職員は車を運転して入ってはいけない旨の通達が出ていたことが分かりました。(これでは民間の業者は入れませんし、自衛隊は「屋内退避」地域の住民を救出してはいけないことになっているといいます)

 

何もかも、出鱈目でいい加減で、きちんとしないで放置されたまま、原発・核施設は再稼働されていきます。地域住民や有権者・国民の命や健康は、完璧にあとまわし・棚上げです。許しがたいものがあります。こんな状態で、どうして、原子力規制委員会・規制庁に朝日新聞を批判する資格があるでしょうか。原子力規制委員会・規制庁は、つべこべ言わずに、きちんと自らの職責を果たせ。それがまずお前たちのなすべきことだ、みなさまは、そのように思われませんか?

草々

 

 <追>

(1)プロメテウスの罠 明るい未来(14)(朝日 2016.3.4

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12218209.html

 

(久々にいい内容の「プロメテウスの罠」だ、と思ったら、本田雅和記者が執筆でした。偉いぞ!! 本田雅和:田中一郎)

 

(2)自民、震災初動を検証へ 民主政権の原発対応など(朝日 2016.3.12

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12253636.html

 

(来る国政選挙対策として、野党叩きの一環で、福島第1原発事故時の民主党政権の危機対応のアラ探しをするそうです。何をやっとるのか、ですよ。国会事故調の提言にあった福島第1原発事故の実態解明と事故原因の究明のための新たな「第二次国会事故調」の設置や、今現在、国会図書館の書庫に眠っている国会事故調資料の一刻も早い公開、そして民主党のことなどよりも、政権の座に長くあって日本の原子力政策を牛耳ってきた自民党こそ、自分たちの過去を振り返って、福島第1原発事故に至らしめたものは何だったか・対応や対策の不十分や出鱈目はなかったのか、などについて、第三者を入れての真剣な検証が必要なはずである。:田中一郎)

 

(3)高知新聞:高知のニュース:政治 政治:高知など四国南部が核ごみ最終処分「有望地」か 年内にも政府提示

 http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=353341&nwIW=1&nwVt=knd

 

(4)「福島原発事故に伴う生活環境の放射能汚染実態調査と住民の被ばく最小化」(福島老朽原発を考える会(フクロウの会)・青木一政 2016.3.6

 http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/files/koukaipresen.pdf

 

(昨日、下記で『週刊プレイボーイ』の記事をお伝えした際に出てきた「リネン法」が、ここでも出てきます。ご参考までに:田中一郎)

 

(参考)(必見)本日(3/16)のいろいろ情報:高浜3,4号再稼働停止判決について、週刊プレイボーイ・被ばく報道連載、川内原発 避難線量半数測れず、規制庁「問題ない」、いわき市民測定室「たらちね」他  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-872b.html

草々

 

 

 

2016年3月16日 (水)

(必見)本日(3/16)のいろいろ情報:高浜3,4号再稼働停止判決について、週刊プレイボーイ・被ばく報道連載、川内原発 避難線量半数測れず、規制庁「問題ない」、いわき市民測定室「たらちね」他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

(必見)本日(3/16)のいろいろ情報です(メール転送含む)

 

1.(メール転送です)高浜3,4号再稼働停止判決について

 他のMLで送っていただいたものです。

 

(1)(別添PDFファイル)2016年3月13日3月9日の大津地裁決定についての私の感想(山田耕作さん)

「mr.YAMADA TAKAHAMA KOMENTO.pdf」をダウンロード

(2)大津地裁判決についての感想:山田耕作さんのメール(上記)を受けて(渡辺悦司さん)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もしも少し付け加えさせていただけるとしたら、法律的な面では、決定が法律的に見て非常に「手堅い」判断であって、原発の安全性の「立証責任」と、それにともなう「疎明(説明)を尽くす義務」とを電力会社に負わせた点が重要だと思います。このことは、テレビ朝日の「報道ステーション」のなかで、コメンテーターとして出演した憲法学者の木村草太氏も指摘していましたが、的を射ているのではないでしょうか。

 

つまり、決定は、

(①)伊方原発に関する最高裁判決において確定された判断――原発の安全性について、安全性に関する資料の多くを持っている行政側に、立証責任を負わせた――を電力会社に拡大し、住民側ではなく関電側に、安全性を証明する「立証責任」があると判断したこと。

 

(②)それに基づいて、当該原発の安全性に関して、裁判所が「十分に」納得できるような(したがって非専門家の住民や一般人が納得のいく)「資料を提出」し「説明を尽くす」義務を、再稼働する電力会社に課したこと。

 

(③)関電の説明が「尽くされていない」ことをもって「関電の判断に不合理な点がある」と判断したこと。

 

(④)原子力規制委員会が設置変更許可を与えたというだけでは、安全性に関し十分な「主張や証明があったとは言えない」と判断したこと。

 

――等の点で、画期的な意義があッたと思います。その結果として、

 

(⑤)この決定により、今後の裁判の展開がどうなるにせよ、法的に、あわせて政治的・社会的にも、今後の再稼働にとって仮処分裁判が高いハードルとなる状況が生みだされたこと。

 

(⑥)これらは、この裁判闘争を指導された井戸弁護士をはじめ弁護団の努力の成果であるとともに、全国の再稼働反対の広範な運動や世論のバックアップがあって初めて可能になったものであること。

 

というような内容を付け加えてもよいかなと感じます。この点は、すでに皆さまにお知らせしましたように、日経社説のトーンの変化によく現れています(313日)。財界紙ともいえる日経が、決定について、いろいろ「疑問」を呈しながらも、次のように書いていることに注目すべきです。

 

●「(大津地裁の決定のように)過去の判例に縛られない司法判断があってもよい」、

●「(決定には)関電や国が重く受け止めるべき点も多い」、

●「高浜4号機は2月末に再稼働したが、直後に緊急停止した。大津地裁が指摘したように関電は安全確保に厳しく向き合っているのか、心配だ」

 

これらの主張には、技術的なトラブルの深刻性という面からも、法律面からも、十分根拠があると考えるべきです。支配層側の「動揺」と考えてよいのではないでしょうか。

 

(参考)日経・社説:原発止めた地裁判断への疑問 

 http://www.nikkei.com/article/DGXKZO98377090T10C16A3PE8000/

 

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2.(別添PDFファイル)『週刊プレイボーイ』が福島第1原発事故に伴う放射能汚染や被ばくの特集記事を連載しています。お見逃しなく。(本文中に出てくる小川進長崎大学教授や、南相馬・特定避難勧奨地点の会の小澤洋一さんの発言にご注目ください)

 

(1)原発事故から5年たっても、福島の汚染地域は住んでいいレベルではない!!(桐島瞬『週刊プレイボーイ 2016.3.21』)

 非常に重要なことが書かれていました。私もこの記事を読むまではだまされていたのだなと思った次第です。川や湖沼や海の底の土・泥には放射性セシウムをはじめ放射能で汚染されてはいるが、水についてはよほどのことがないと検出されることはない、そういう報道をこれまでずっと見てきました。しかし、この川や湖沼や海に、リネン(麻布)を長時間浸けておいて、それからそのリネンの放射能を測ってみたら、かなりの放射能が出たんだそうです。つまり、川や湖沼や海の水も放射能に汚染されていました。水は汚染されていないのではなくて、汚染が分からないような測り方をされて隠されていたということです。だったら、関東や東北の各地で、この「リネン方式」による水の放射能汚染の検査を大規模にしていかなくてはいけませんね。東京の水道水は大丈夫なのかしら。非常に心配です。それに放射性セシウムだけの話ではありません。

 

(一部抜粋)

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(前略)居住制限区域の飯舘村西部から南相馬市在経由して、太平洋に注ぐ新田川。市民の水源として使われるこの川は、本誌10号で伝えた除染廃棄物を処理する蕨平(わらびだいら)焼却場のすぐ近くを流れている。福島県や国の発表では、新田川の川底にたまる泥からは、1600Bq/kgほどの放射能が計測されているが、水からは1Bq/kgも出ていない。

 

しかし、昨年9月、市民団体が南相馬市原町区・中川原橋付近でこの川に麻布(リネン)を8日間浸した。回収した布の放射能を測定したところ、3430Bq/kgという高濃度のセシウムが検出された。

 

(中略)長崎大学大学院工学研究科の小川進教授は、水中のわずかなセシウムをリネンが吸い取ったからだと指摘する。「リネンを長時間浸しておくと、流量X断面積X時間分の放射性物質が吸着します。水中の粘土鉱物、菌類、落ち葉などの浮遊物、プランクトンにセシウムが付着しているのです」(小川氏)」

 

つまりそれは、水単体の検査では放射性物質が不検出でも、その水を飲み続ければ、少しずつ体内にセシウムが蓄積することを意味する。

 

(中略)イチエフから沖合1.5km地点の海水も測定してみた。これまでイチエフ周辺の海水を測定したが、セシウムは検出されなかった。比重が水より重く、海底に沈むからだ。だが今回、新田川で行ったりネン法を用いて放射能測定をすると、海水を含んだ布から37Bq/kgのセシウムが検出された。やはり海水中にセシウムは含まれていたのだ。

 

前出の小川氏によると、「セシウムを含んだプランクトンを回遊魚が食べると、工ラの部分に吸収されます。こうして魚類の体内には、海水の100倍以上の濃度で蓄積されるのです」

 

(中略)2月下旬、4月からの避難指示区域解除が予定されていた南相馬市小高区で住民への説明会が関かれた。住民からは「除染が終わっておらず、まだ放射線量が高い所もあるから解除は早い」とする芦が相次いだ。ところが国の担当者は、住民を突き放すようにこんな趣旨で答えた。

 

「空間線量が年間20mSvを下回り、なおかつ生活環境の整備と自治体の同意が得られれば、避難指示は解除できるのです。除染が終わらないと解除ができないということではありません」

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(2)原発事故から5年たっても、首都圏で福島より放射能汚染のひどい場所があった!!(桐島瞬『週刊プレイボーイ 2016.3.28』)

 

(一部抜粋)

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(中略)身の回りが放射能汚染されていることで心配されるのは健康への影響だ。確かに今の汚染レベルは急性被曝症状を示す値でない。しかし、心配なのは長期的な影響だ。

 

「低線量被曝の影響はジョン・ゴフマン、ジェイ・クルード、グロイブ・スターングラスといった研究者たちが指摘しています。具体的には、IQの低下や精神障害の増加、流産、奇形児などです。福島や汚染された首都圏でも30年から40年後に被曝影響が出るのではないでしょうか」(小川氏)

 

さらに小川氏は、被曝量が少ないから健康への危険性はないと話す専門家にも警鐘を鳴らす。「原発から飛散した2000種類以上の核種の中にはガンマ線やベータ線だけではなく、細胞に対する強力な破壊力を持ったアルファ線も含まれています。それを考慮せず、レントゲンで使われる工ックス線被曝と同じレベルで語ることが間違いなのです」

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3.(別添PDFファイル)川内原発 避難線量半数測れず、規制庁「問題ない」(東京 2016.3.16

 東京新聞紙面上で隣接する2つの記事にも目を通してみてください。「なんじゃ、これは」の「原発の出鱈目てんこ盛り」状態です。それにしてもこの規制庁の発言、看過できませんね。おーい、国会議員よ、国会でこの発言を徹底追及しろよ。形だけ聞いて終わりにすんなよ。これから再稼働なんて、バカなことがなされようとしている原発・核施設の周辺地域は皆同じだぞ。

 

 そもそも放射能モニターの数が少なすぎ、かつ、モニタリング体制そのものが貧弱すぎて全く役に立たない(例えば、大事故の時に、猛烈な放射能の下で誰がモニターの数字を見に行って報告するのか? 規制庁の役人に行かせることにしておけばどうか?)。また、福島第1原発事故の教訓は生かされているのかな?(津波を被ったら止まってしまうような場所に置いてある、防水措置もしていない、独自の長時間バッテリーがついていないから地震で停電したら止まってしまう、などというオバカ丸出しのことをやっていたぞ)。原子力規制委員会・規制庁が原発・核施設の立地地域住民の命や健康を守るつもりなど全くないのは今や自明になっているのだから、このままでは地域住民は命が危ないぞ。

 

(関連)東京新聞川内原発周辺 装置の半数、即避難線量を測れず 監視不十分で再稼働政治(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016031402000212.html?ref=rank

http://saigaijyouhou.com/blog-entry-10499.html

 

4.(別添PDFファイル)SPEEDI 自治体の責任で活用 政府が容認、原発再稼働へ地元同意狙う(東京 2016.3.16

 http://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/ASJ3C5G7XJ3CULFA01P

 

(関連)【原発事故】自治体のSPEEDI活用を政府が容認へ!国は使わない方針!安倍政権「活用することを妨げない」|真実を探すブログ

 http://saigaijyouhou.com/blog-entry-10472.html

 

(一部抜粋)

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原発事故時、放射性物質の拡散を予測するSPEEDIを住民避難のために自治体が活用することを、政府が十一日に容認した。一昨年十月に決めた「使わない」方針を転換した。だが、政府自身は「予測通りに拡散するとは限らず、無用の被ぱくを招く恐れがある」という姿勢を崩さず、今後も活用しない。活用の判断を自治体にゆだね、責任を押しつけたような形となっている。

 

(中略)(元民主党衆院議員の)川内(博史)氏は「住民の避難を担当する自治体の切実な要請に対し、『使いたいならどうぞ』という国の姿勢は無責任にすぎる。パニックになるというが、責任を追及されたら因るというのが本音ではないか。パニックになるのは政府や電力会社の方だろう」と話し、政府が積極的に活用しないことの方を問題視する。

 

(中略)「予測データの活用容認は、再稼働対策という意味もあるんじゃないか」と、反原発・かごしまネットの向原祥隆(むこはらよしたか)代表は話した。東電は経営再建のために柏崎刈羽原発の再稼働が欠かせないというが、立地する新潟県の泉田知事は、再稼働を容易に認めそうにない。「SPEEDIで譲歩し、その腰を折ろうというのではないか」

 

一方で、予測データの活用は避難の一助にはなるが、「本質的な部分は何も解決しない」と指摘する。鹿児島県では九州電力川内原発が運転中だが、「避難計画は、渋滞予測や複合災害で道路の寸断が起きるといった想定が甘い。計画通り避難できるとは思えない。安全に避難できない以上、原発を動かすべきではない」。

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(田中一郎コメント)

 立地地域住民や有権者・国民に対しては「SPEEDIは使わない・使えない」などと言っておきながら、アメリカ大使館や在日米軍へは真っ先にSPEEDIのデータを持っていく、この売国奴・亡国者どもがやることは、また同じだろう。原発立地地域住民のことなど二の次でいい、はした金で買収して飼いならしておけばいい、アメリカ様の方が大事・大事、「最後は金目でしょ」(石原伸晃サティアン大臣)、これが日本の原子力ムラとその代理政府の正体だ。みなさま、このロクでもない政府を、みんなでやっつけませんか?

 

5.その他

(1)【スクープ速報!】「想定外の巨大津波」は実は想定の範囲内だった!震災から5年、東電が「巨大津波」を予測できていた「新証拠」を福島原発告訴団・代理人の海渡雄一弁護士が岩上安身のインタビューで証言!「何度も司法記者クラブで話したが、新聞は記事にしなかった」衝撃の事実をIWJで公開!!

 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/291231

 

(参考書)市民が明らかにした福島原発事故の真実 東電と国は何を隠ぺいしたか-海渡雄一/著 福島原発告訴団/監修 :オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033394716&Action_id=121&Sza_id=C0

 

(2)脱原発弁護団全国連絡会 全国脱原発訴訟一覧

 http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/list/

 

(原発運転差し止め裁判の「空白地帯」は、残すところ、青森県の東通原発だけになっているようです:田中一郎)

 

(3)認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちね:最近の測定結果

 http://www.iwakisokuteishitu.com/pdf/weekly_data.pdf

 

(同上:少し前に測った分)

 http://www.iwakisokuteishitu.com/result.html

 

(私は今の国や自治体、あるいはその関係機関による飲食品の放射能汚染測定体制のいい加減・デタラメが改められない限り、また、測定結果のすべてがベクレル表示されない限り、あるいは、測定体制や測定現場実態に関して第三者による抜き打ち検査が高頻度で実施されない限り、福島県をはじめ、関東・東北地方の放射能汚染地域産の飲食物は買いません・食べません。市民が立ち上げた、いわき市の「いわき放射能市民測定室 たらちね」さんがこれだけがんばって測定して下さっているのに、国や自治体は何をしているのか、と思います。国も自治体も、被害者や地域住民や有権者・国民のために仕事をしろよ、どっち向いて仕事をしてんだ、と大声で怒鳴りつけたいですね:田中一郎)

 

(4)安保法制違憲訴訟の会

 https://anpoiken.wordpress.com/

早々

 

 

2016年3月15日 (火)

言論・表現の自由、報道の自由、政治活動の自由を守れ(1)=忍び寄る「言論統制」の時代、うっとうしい世の中はまっぴらご免だ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

みなさまご承知の通り、先般、自民党の政治家で総務大臣をしている高市早苗が、TVの「政治的偏向」を理由に電波停止もありうると発言して物議を醸しています。現職大臣や自民党の政治家たちが、日本国憲法というか、全世界の近代憲法であればどこの国の憲法でも、守られるべき有権者・国民の権利として定められている言論・表現の自由や報道・放送の自由の何たるかを心得ず、政治権力を使って自分たちの思うような言論状況や世論を創り出すために、世の中で展開されている一般の言論・表現に容喙・干渉したり、妨害・排除したり、圧力をかけてやめさせたりと、前近代的な権力乱用を繰り返してきたことは事例に事欠きません。しかし、安倍晋三を総理とする政権においては、その度合いがあまりにひどすぎ、また、多方面から多くの批判や非難を浴びても改めようともせず、今回の高市早苗のように「居直り続ける」という、トンデモ暴走型の態度をとり続けているのです。

 

もしそうであるなら、民主主義や基本的人権を最重視する日本国憲法の主旨に添い、まず真っ先にマスコミ各社がこのアベ政権の暴挙を徹底的に糾弾・追求するとともに、それと並行して、大学教授らの有識者がアベ政権の言論・表現・報道・放送の自由侵害の暴挙に対して「断固としてNO!」との表明を積極的にしていかなくてはいけないはずです。また、アベ政権や政権党の自民党がそういう態度であればあるほど、彼らが打ち出す政策や理念など、その政治全体に対して従来以上に批判的な観点を強め、厳重なチェックや監視をし、もしとんでもない欠陥が隠されていたのなら、それを一刻も早く有権者・国民に還元していく、そんな民主主義としてのフィードバックの機能を活性化しなくてはいけないでしょう。

 

しかし、日本の今日の言論状況や社会のありようは、決してそのような健全な民主主義を体現しているようには思えない、非常に危うくゆがんだ状態に陥っているように思われます。アジア太平洋戦争敗戦後、過去の過ちを深く反省して日本国憲法体制を打ち立て、70年にもわたって続けてきたはずの戦後民主主義は、文字通りの「民主主義」として日本社会に定着しているかと思いきや、実はそうではなかった「実態」が、今頃になって露呈し始めているように思えます。以下、複数回にわたり「言論・表現の自由、報道の自由、政治活動の自由を守れ」をテーマに、日本の病める言論社会の状況と、その問題点をお伝えします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)メディア批評 第100回(抜粋)(神保太郎『世界 2016.4』)

「no.100 MEDIA JIHYOU.pdf」をダウンロード
(2)メディア批評 第 99回(抜粋)(神保太郎『世界 2016.3』)

「no.99 MEDIA JIHYOU.pdf」をダウンロード
(3)「放送電波停止発言」、総務大臣には、停波命じる資格はない(田島泰彦『週刊金曜日 2016.3.4』)

(4)高市氏発言「放送を萎縮」、立憲デモクラシーの会が批判(東京 2016.3.3

(5)私たちは怒っている、高市氏の停波言及(朝日 2016.3.1他)

(6)首相、首相、ここにも安倍首相、もはやグラビア誌?(東京 2016.3.3

(7)批判報道への圧力強化(東京 2016.2.16 他)

(8)政権「高支持率」にご奉仕するメディア(『選択 2016.3』)

 

まず、高市発言をめぐり、放送法の「真髄」を適切に解説した番組をご覧ください。よくできています。

 

[ そもそも総研 ] 政治的に偏った放送は政府に処分されても仕方ないの?(2016225日)

 https://www.youtube.com/watch?v=NnjrQks7QQw

 

こういうのもありました。

 

●そもそも“言論弾圧”って、いったい いつの時代の話なんですか?/そもそも総研(201572日)

 http://www.at-douga.com/?p=14138

 

(最後の部分「言論の自由が危機にあるということであるなら、今こそ国民が立ち上がってそれを勝ち取るべきである」が最重要だと思います。⇒ おい、投票にもいかない「居眠り有権者」、何してんだ! 早く目を覚ませ!! :田中一郎)

 

1.次に、高市早苗発言について、私が見た最も優れたコメントは、岩波月刊誌『世界』の今月号(20164月号)に掲載された「メディア批評」の神保太郎氏のコメントでした。別添PDFファイル(1)をご覧ください。岩波月刊誌『世界』や、それに掲載され続けている神保氏の「メディア批評」については、既にみなさまにお勧めしていますが、ぜひ、今回を契機に定期購読をなさってみてください。また神保太郎氏の「メディア批評」は今月で100回目の掲載を迎えています。これだけの充実した内容の時事評論をこれだけ長期にわたり続けているということに、私は深く敬意を表したいと思います。((1)メディア批評 第100回(抜粋)(神保太郎『世界 2016.4』))

 

2.また、同じく神保太郎氏の前月号(20163月号)掲載「メディア批評」には、大手マスコミ各社のいわゆる「記者クラブ」での記者会見取材の様子などが伝えられていました。これにもぜひ目を通しておいていただきたいと思い、当該部分を抜粋して別添PDFファイルとして添付しました。簡単に言えば、こんな猿芝居に近いような記者会見の戯言を寄せ集めて報じたところで、有権者・国民にはいつまでたっても本当のことや肝心なことは伝わらない・わからないままに置かれてしまう、ということを強く感じさせられました((2)メディア批評 第 99回(抜粋)(神保太郎『世界 2016.3』))

 

3.「放送電波停止発言」、総務大臣には、停波命じる資格はない(田島泰彦『週刊金曜日 2016.3.4』)

 

(ポイントは下記です:田中一郎)

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特に、この点で重要なのは、放送の自由の観点から公平牲を判定し制裁を科すためには、欧米で一般的にみられるような政府からは独立した、専門的な機関が設置されていることが不可欠だということである。

 

日本の場合、こうした独立的な機関はなく、総務大臣という政府の一行政機関が規制権限を直接担うことになるので、本来求められるべき公平性を実施、強制するための組織的、制度的条件を満たしていない。もっとも、政府から独立した規制機関を備えてきたイギリスやヨーロッパなどでも、一般に公平性などの番組基準にはなお不確定性が伴うため、違反の判定は容易でなく、また規制機関も安易に制裁を科してこなかった。

 

以上のような諸条件が整っていないままに、監督官庁などの公権力が公平性やその違反を判定し、制裁を科していくことになると、きわめて恣意的、政治的、一方的な判断の押しつけになる可能性があり、放送内容への露骨な権力的介入と放送の自由の侵害をもたらす危険がある。日本はまさにそういう現状にある。

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4.高市氏発言「放送を萎縮」、立憲デモクラシーの会が批判(東京 2016.3.3

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016030302000132.html

 

5.私たちは怒っている、高市氏の停波言及(朝日 2016.3.1他)

 http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y5HH6J2YUCVL01Z.html

 

(関連)(別添PDFファイル)高市総務相「電波停止」発言、「息苦しさまん延」「負けられぬ戦い」(東京 2016.3.1 他)

 http://blog.livedoor.jp/u_ono_u/archives/53161345.html

 http://p.twipple.jp/zPckN

 

6.首相、首相、ここにも安倍首相、もはやグラビア誌?(東京 2016.3.3

 http://www.asyura2.com/16/senkyo202/msg/330.html

 

(あまりにも「アベアベしい」「アベい」「アベすぎる」:田中一郎)

 

(参考)【ゴリ押し】「女子高生の間で『アベ過ぎる』という言葉が流行している」⇒ネットの記録では1月以前の投稿は一つも無し|真実を探すブログ

 http://saigaijyouhou.com/blog-entry-9629.html

 

7.批判報道への圧力強化(東京 2016.2.16 他)

 http://blog.livedoor.jp/votunez/archives/2075717.html

 http://matome.naver.jp/odai/2145104184253685201

 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10152613685

 

●放送法遵守を求める視聴者の会

 http://housouhou.com/

 

●同上 新聞広告

http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E6%94%BE%E9%80%81%E6%B3%95%E9%81%B5%E5%AE%88%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%8B%E8%A6%96%E8%81%B4%E8%80%85%E3%81%AE%E4%BC%9A

 

(関連)日本のテレビ報道めぐり「放送法遵守を求める視聴者の会」が会見で非難と産経新聞報道 - NAVER まとめ

 http://matome.naver.jp/odai/2144853735189165001

 

(関連)報道圧力団体「視聴者の会」賛同者はやっぱり安倍応援団と日本会議だらけだった! 憲法改正のための報道統制が狙い|LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

 http://lite-ra.com/2016/02/post-1994.html

 

(一部抜粋:「メディア批評 第100回(抜粋)(神保太郎『世界 2016.4』)」)

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ところで、昨年11月に読売と産経の二紙、今年二月に読売に1ページ大の意見広告を出したのは、市民団体「放送法遵守を求める視聴者の会」。作曲家のすぎやまこういち氏や渡部昇一・上智大名誉教授、タレントのケン卜・ギルバー卜氏など同会の呼びかけ人には安倍政権の政策と重なる主張をする人が目立つ。読売に記載された賛同者には、勝間和代氏(経済評論家)、溝口敦氏(ジャーナリスト)、岸博幸氏(慶応大大学院教授)といった名前もあった。同会は、安保法や特定秘密保護法に関し、反対よりも賛成の意見を取り上げた放送時聞が短いことを問題視しており、高市氏に質問状を出していた。高市氏は回答を124日付で出している。同会にはこの政府統一見解と同じ内容が先だって示されていたのだ。

 

安倍政権と、この会が示し合わせたかどうかはわからないが、統一見解は、一つの番組内での公平性を求める同会の主張に近づいているようにも見える。それは、今回「一つの番組を見て全体を判断する」と、従来より踏み込んだ表現を使ったことだ。今後どのような影響があるのか。

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(田中一郎コメント)

 この紙面上で薄気味悪く「にらみ」を利かせている目は、「放送法遵守を求める視聴者」の目というよりも、支配権力に逆らうものに圧力をかけ、あわよくば叩き出すための「スパイ」の目、「タレこみ」の目、「いちゃもん付け」の目、東ドイツ秘密警察「シュタージの目」、ナチスドイツ秘密国家警察「ゲシュタポ」の目、特高警察の目だ。「放送法遵守」や「公平な報道」はそのための口実でしかない。そもそも放送法の解釈が間違っていて、放送法の上位に日本国憲法があることを忘れている。また、「報道」や「放送」の「公平」とは、支配権力監視ができていてこそのことであることも棚上げにしてしまっている。うっとうしい言論統制・監視社会・翼賛強要社会がすぐそこまで来ているようだ。このトンデモ広告を載せたのは読売新聞とサンケイ、もはや新聞ではない。(追:ここにも「大学教授」という「おかしな生物」がたくさん「賛同者」としてくっついている)

 

8.政権「高支持率」にご奉仕するメディア(『選択 2016.3』)

 http://www.sentaku.co.jp/category/politics/post-4459.php

 

(一部抜粋)

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折しも、政権批判で安倍官邸の不興を買っていたNHK・テレビ朝日・TBSのニュースキャスターやアンカーたちが今春、一斉に降板する。代わってTBSの新キャスターに就く星浩・朝日新聞社特別編集委員は、前出の時事通信・田崎と共に、往年の経世会(竹下派)番記者で、今は菅義偉官房長官に最高の賛辞を惜しまない「取り巻きコンピ」である。

 

甘利の辞任会見は、涙を浮かべ、時に絶句し、「辞めるのは、政治家としての美学、生き様、矜持」と飾り言葉をちりばめ、不祥事の引責なのに、苦渋の英雄と錯覚させるほどの芝居っ気たっぷりに約一時間行われ、内閣支持率が上がると自民党内から「最高のパフォーマンス」と絶賛する声も聞かれた。

 

そんなことになったのは、甘利の演技・弁舌力のためではない。質問した記者は八人、だけ。多くは元秘書の言動確認と「悪意を持つ人が近づいてきたらどうしたらいいのか」「どうしてこんなことになってしまったと思うか」など、間抜けな問いを繰り返して助けたからだ。

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(田中一郎コメント)

 平成の世では、新聞記者とは記者会見に於いて、徹底した「間抜け」でいる人種のことを言う。

早々

 

2016年3月12日 (土)

NHKスペシャル 「原発避難 7日間の記録 福島で何が起きていたか」 + 3/11 報道ステーション「福島子ども甲状腺ガン」特集関連サイト + あと2つ(「小児甲状腺がん家族会」発足記者会見 他)

前略,田中一郎です。

 

3/5(土)と昨日の深夜(3/12)に放送された番組です。是非ご覧になってみて下さい。私は地域住民の避難計画を棚上げにしたまま原発再稼働にOKを出した鹿児島県知事や愛媛県知事、そして福井県知事に、この番組に関しての詳細なコメントがほしいと思います。おそらくは、川内原発、伊方原発、そして若狭湾の原発・核施設に大事故が起きれば、この番組にある状態よりも、一層ひどい状況が生まれるであろうと思います。

 

(原子力ムラの代理店をつとめる現安倍晋三政権・自民党政府や原子力規制委員会・規制庁に何を言っても、もう駄目でしょう。早く国政選挙で一掃してしまいましょう。原子力規制委員会・規制庁は設立根拠法を廃止する法案を国会で可決成立させて消滅させるのが最適な方法です。それに代わる「ホンモノ」の原発・原子力規制機関を一から創らないといけません)

 

(番組)NHKスペシャル 原発避難”7日間の記録 〜福島で何が起きていたのか〜

 https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160305

 

(必見録画)NHKスペシャル 原発避難”7日間の記録 〜福島で何が起きていたのか〜

 http://urx.mobi/sD5p

 http://video.search.yahoo.co.jp/search?p=%E5%8E%9F%E7%99%BA%E9%81%BF%E9%9B%A3+7%E6%97%A5%E9%96%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2+%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%81%A7%E4%BD%95%E3%81%8C&tid=28bdf8fad3632c6da21e16dfe54d00c7&ei=UTF-8&rkf=2&dd=1

 

(私のこの番組に対する疑問)

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1.SPEEDIが機能しなかったことやその理由についてのNHKの説明は事実に反しているのではないでしょうか。また、SPEEDIの情報が真っ先に在日米軍やアメリカに提供されていた事実の報道が抜けています。

 

2.安定ヨウ素剤を緊急時に一般住民に服用させるのに、なぜ、医師の判断や指示やつきそいなどが必要なのでしょうか? 安定ヨウ素剤はそんな劇薬ではないはずで、原発事故時などの緊急事態時には飲ませない選択の方が、その副作用よりも、よほど大問題なのに、NHKの説明はおかしなことになっているように思います。安定ヨウ素剤の一般住民への服用をめぐる当時の判断・動き・そして今後の対応の仕方について、再度、総点検が必要だと思われます。

 

3.原発事故直後の避難をめぐる不備などで、2011年3月中に少なくとも99人の方がなくなりましたとのこと。この人的被害に対する日本政府のレビューや反省と再発防止の検討がなさすぎるように思います。

 

4.原発から20~30km圏(緊急時避難準備区域)の「屋内退避」指示がとんでもない結果を現場にもたらしていたことがこの番組で明らかになっています。これは、現在の原発再稼働における地域防災計画にどう反映されているのでしょうか?

 

5.当時の民主党政権の幹部たち、とりわけ菅直人や枝野幸男、あるいは細野豪志らは、この録画を見てどう思うのでしょうか?

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NHKのこの放送は一定の意味があったと思われるが、しかし、実際に今、原発が無謀にも再稼働され、地域住民の避難計画=地域防災計画がないがしろにされている現状を鑑みた場合、全く不十分の内容だったと言わざるを得ません。この国では、いったい誰が、ほんとうのことを伝え、重要なことを有権者・国民・市民に問題提起するのでしょう? 私は、この国が、もはやどうしよいうもない状況に陥っていることを痛切に感じます。近い将来、このままでは、再び大参事は必至だと思います。

 

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(追1)3/11 報道ステーション「福島子ども甲状腺ガン」特集関連サイト

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(1)子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白3-11報道ステーション(内容書き出し) - みんな楽しくHappyがいい♪

 http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3607.html

 

(2)報道ステーションの甲状腺癌特集が「凄い」と話題に!福島で発生した33人の小児甲状腺癌!45年後という定説も間違いか!?|真実を探すブログ

 http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2007.html

 

(3)福島の子、甲状腺がん「数十倍」 悪性・悪性疑い167人 放射能から子どもを守る企業と市民のネットワーク

 http://hokinet.jp/45.html

 

(参考)「小児甲状腺がん家族会」発足記者会見

 https://www.youtube.com/watch?v=Cj4raPndOK0

 http://www.ourplanet-tv.org/

 

(参考)ホーム - 311kazoku ページ!

 http://311kazoku.jimdo.com/

 

(参考)甲状腺がん悪性・悪性疑い166人〜福島県調査

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2028

 

(参考)福島の甲状腺がん推計を近々更新-国立がん研究センター(まさのあつこ) - 個人 - Yahoo!ニュース

 http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20151210-00052304/

 

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(追2)ノーベル賞物理学者益川氏の日経への投稿について

 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO98261630Q6A310C1M13100/

 

(田中一郎コメント)

困ったものです。益川氏が放射線被曝について考えが甘いことは伝え聞いていましたが、原発についてまでかような発言をしているとは驚きです。一般的な傾向で恐縮ですが、放射線被曝に対して甘いのは物理系・工学系の学者の特徴なのかもしれません。(例:槌田敦氏、今中哲二氏)。しかし、未だに原発についてまでかようなことを言う人は少なくなっています。

 

私は、共産党や原水協、あるいは被団協などの、3.11福島第1原発事故の前の「原子力平和利用」路線=原発は科学技術のたわもので原爆・核兵器とは違う、という方針や考え方がきちんと「清算」されていないことによるものではないか、と推察しますがいかがでしょうか。

 

また、社民党・民主党・原水禁系の「原発は即時廃止ではなく、段階的に時間をかけて徐々に廃止していくべきである」などという日和見方針もまた、この益川氏に影響を与えている可能性もあるように思います。

 

憲法9条や戦争論議や核兵器禁止の世界では、影響力のあるポジティブな発言をしている学者が、放射線被曝や原発のことになると、福島第1原発事故のことも忘れて、原発・被ばくの現場や実態を知らぬままにかようなことを発言する、これも、日本の学者や大学教授どもの「特権意識」の表れなのかもしれません。大学歩けば詐欺師にぶち当たる、大学教授を見たら泥棒(デマゴーグ)と思え、はここでも生きているようです(昨日の報道ステーションに出てきた「福島県民健康調査検討委員会」関連の学者どももそうでしたね:鈴木真一(福島県立医大)や津金昌一郎(国立がん研究センター)や床次眞司(弘前大学)もひどいものでした)。

草々

 

何故、福島第1原発事故の賠償・補償をきちんとしないのか=再開(1): 「事故被害の賠償・補償の対象や金額は加害者が決める、被害者はつべこべ言うな」=そんな「賠償・補償」の仕方があるのか?=それが、あるんです、日本の福島第1原発事故と、加害者・東京電力や事故責任者・国がそれです

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

(最初にお知らせ)

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1.TPPを批准させない3.30国会行動

 http://nothankstpp.jimdo.com/

 

2.報告集会:TPP協定の全体像とその問題点(4/3 全水道会館)

 https://www.facebook.com/events/841986249246060/

 

3.福島の小児甲状腺がん、家族会発足へ 医療改善など要望:朝日新聞デジタル

 http://www.asahi.com/articles/ASJ395SDYJ39UGTB00S.html

 

4.(別添PDFファイル)(チラシ)第9回ちょぼゼミ:放射線被曝の評価単位「シーベルト」と国際放射線防護委員会(ICRP)(2016411日(月))

「tyobozemi_no.9.pdf」をダウンロード

5.(別添PDFファイル)放射能汚染への恐怖が日本の原発事故避難者の帰宅を妨げている (1)

「hinansyakitaku_bougai.pdf」をダウンロード

http://bigstory.ap.org/article/7014a1ffc6bb41a69f5143ba19e00252/radiation-fears-keep-japans-nuclear-refugees-returning

 

(別添PDFファイルは上記英文サイトの翻訳です。私のように英語の苦手な方は別添PDFファイルをご覧ください:田中一郎)

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(ここから本文)

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福島第1原発事故から5年がたちました。この国は何とひどい国なのかということが、この5年間で赤裸々にわかりました。かつてチェルノブイリ原発事故が起きた旧ソ連・ウクライナですが、1986年のあの当時、ソ連共産党に牛耳られていた原発事故被害を受けたソ連邦諸国のひどい状況を私たち日本人が目の当たりにして、「ソ連という国は何というひどいことをする国か、まさに「悪の帝国」ではないか」と思ったものでした。それから約30年、今度はこの日本が原発大事故に見舞われることになりましたが、その事故に対する国の対応の悪さ・ひどさはソ連の比ではありません。まさに「悪の帝国」どころか「極悪非道の帝国」=それが日本です。

 

本日より、「福島第1原発事故の損害賠償・補償を何故きちんとしないのか」のシリーズを再開します。何故なら、上記で申し上げた福島第1原発事故対応のひどさの中でも、この被害者に対する損害賠償・補償の問題は、その最たるものだからです。メールの表題にも書きましたが、「事故被害の賠償・補償の対象や金額は加害者が決める、被害者はつべこべ言うな」=そんな「賠償・補償」の仕方があるのか? =それが、あるんです、日本の福島第1原発事故と、加害者・東京電力や事故責任者・国がそれです、という状態が、改善されることもなく、日本社会のリーダー格の人間達や組織からも「おかしいぞ」のさしたる声も出ず(その典型が日本の大学と、そこにいる御用教授どもです)、今日に至っています。

 

そして、こうしたひどい状況を創りだしている張本人が安倍晋三・自民党政権であり、霞が関官僚達であるにもかかわらず、それに対しても、まともに非難・批判の声も挙がってこないのです。この件以外にも、さまざまな出鱈目を繰り広げている「ゴロツキ」政治家集団の政権とでもいうべき安倍晋三・自民党政権に対するマスコミ報道上の支持率は、なんと今日に至るも、さして下がりもしないというありさまです。この国の有権者・国民は、あるいはこの国全体が、どうかしてしまったのではないかと思われるような状態です。私は、許しがたい、と強烈に思いますので、このシリーズ・メール(及び私のブログ「いちろうちゃんのブログ」)で告発を続けていきます。みなさまには可能な限りでのこの告発メールや私のブログの拡散をお願い申し上げます。

 

さて、そもそも、その理不尽極まる賠償・補償のことですが、その金額算定の区域分けの基礎とされてしまっている、福島第1原発事故直後の「避難指示」が、実はその後の損害賠償・補償負担を念頭に置いて、それを可能な限り極小化すべく極端に狭い範囲に限定されてしまっていたことを最初に申し上げておくべきです。「避難指示」は、放射能の汚染状況とは無関係に、近い将来の国の出費や東京電力の負担をひたすら軽減するための施策として展開されたのです。当時の枝野幸男官房長官の「直ちに健康に影響なない、それほどの放射能汚染ではない」という発言が、それを象徴しています。要するに、国庫のカネの方が、原発事故で被ばくさせられる地域住民の命や健康よりも、ずっとずっと大事だという態度を示した=それが民主党・菅直人政権下で実施された「避難指示」だったのです。私は、この点1つだけをとってみても、もはや民主党政権は絶対に許しがたいと思っています。国民・住民を守らずに、何を守ってんだ、このバカ野郎ども、です。

 

 <避難指示の区域区分:2011年の事故当初 ⇒ その後、解除・再編>

●警戒区域(20km圏内)

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%A6%E6%88%92%E5%8C%BA%E5%9F%9F

●緊急時避難準備区域(2030km圏内)

 http://www.kantei.go.jp/saigai/faq/20110415_2.html

●計画的避難区域(「警戒区域」外で20mSv/年超)

 https://kotobank.jp/word/%E8%A8%88%E7%94%BB%E7%9A%84%E9%81%BF%E9%9B%A3%E5%8C%BA%E5%9F%9F-671088

●特定避難勧奨地点地点(「警戒区域」外、及び「計画的避難区域」外で20mSv/年超)

https://kotobank.jp/word/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E9%81%BF%E9%9B%A3%E5%8B%A7%E5%A5%A8%E5%9C%B0%E7%82%B9-672626

 

201212月に野田佳彦民主党政権に代わって政権をとった安倍晋三・自民党政権もまた、民主党と同じ穴のムジナでした。いや、むしろ、民主党政権の時よりも一層ひどくなったと言っていいでしょう。福島県をはじめ、東北・関東の東日本大震災被災地は、被害者や地域の願いとはかけ離れた形で「利権・土建」のための「復興」=「人よりもコンクリート」政策で覆い尽くされ、福島県など、原発事故による放射能汚染地域では、被害者は文字通り踏みつぶされ、切り捨てられようとしています。巨額の税金を使って住民のために行われているとされる「除染」事業でさえもが、元請けでこれを請け負うゼネコンや原子力ムラ組織などの「利権」と化し、出鱈目な作業が地元の被害者を酷使する形で、言い換えれば、元請け・下請けの企業がピンハネする形で実施されていることもわかってきました。その上に環境省の政治家や役人が君臨しています。

 

賠償・補償で申しあげれば、加害者・東京電力や事故責任者・国による踏み倒し(支払い拒否、対象範囲の限定、金額抑え込み(古い物件や動産の時価評価では代替品は買えないなど)、請求根拠の立証の必要以上の厳格化(領収書など)、請求事務の被害者への過大負担(請求意思をそぎ落とす)、その他「口コミ嫌がらせ」などの放置)が、ありとあらゆる手段を使って強引に推し進められており、それが改善の方向へ転換される様子はほとんどないと言っていいでしょう。こうした理不尽極まる事態に多くの被害者の方々は怒り、苦しみ、悲嘆、陰鬱、絶望に明け暮れています。多くの方々が、損害賠償の提訴に踏み切られています。当然と言えば当然です。

 

原告となった被害者の方にも多大な負担が覆いかぶさる裁判提訴回避のための切り札とされた「原発ADR」は、実はそれを所管する文部科学省と、その「御用聞き」として動き回る悪徳弁護士や御用大学教授どものおかげで、水面下で通常の「事件・事故」の賠償・補償金額の半額以下へ抑え込む「工作」が行われていたことが2年前に発覚しています(毎日新聞スクープ)。そして、驚くべきか、そのインチキADRと言っていいものでさえ、別添PDFファイルの東京新聞・福島民報記事にもあるように、東京電力は合意しない(口先では「尊重する」などといいながら)のですから、本当に驚きです。いったい誰が福島第1原発事故を引き起こしたのだ、どんな原因で起きたのか忘れたのか、と、東京電力を怒鳴りつけたくなる思いです。

 

しかし、実は東京電力の支配株主は国です。上記のようなことは、国が東京電力をして、間接的に被害者切捨て政策を強行させているようなものです。何故なら、東京電力の役職員幹部人事は支配株主としての国が握っているのですから、幹部人事や賠償・補償対応を変えようと思えば簡単に変えられるからです。国はゾンビ企業・東京電力を隠れ蓑にして、被害者切捨て・踏みつぶし政策を遂行しているということです。

 

そもそもの間違いは、民主党政権下で創られた原子力損害賠償支援機構と「東京電力救済」の仕組みです。民主党政権は、(1)まず、国の賠償・補償負担への財務省による強い拒否にあい、加害企業の東京電力を「ゾンビ」状態で残すことにより、被害者や社会からの「きちんと賠償しろ」の風圧をかわす「仕組み」をつくった、(2)賠償負担は、まず東京電力自身の拠出金に加え、奉加帳方式で原発を電源とする地域独占の大手電力9社から「賦課金」徴収を行うことで調達し、それでは全然足りない分を、東京電力に「将来返却させる」との全くあやしい約束付きで資金を無償注入するとともに、他方で、国自身が自腹を切る=有権者・国民に税金で負担させる、という出鱈目をやったのです。本来であれば会社更生法適用となる東京電力に国から資金を注入することで東京電力の倒産を回避させ、その大口債権者である金融機関や社債債権者、及び株主までもを守ったということです、いわば、加害者を救済し、被害者を切り捨てる、そういう「基本スキーム」を民主党の菅直人政権が創ってしまっていたということです。

 

(東京電力が国から受け取る兆円単位の巨額なカネ(賠償・補償や廃炉、除染などに充当)は、本来なら、将来国へ返却するとされているのだから、東京電力にとっては長期負債である。当然、受け入れ時には「長期負債」として経理処理されなければいけないのだが、それが驚くべきか、「益金」=利益金、として計上され、東京電力の収支改善に大きく寄与しているというのだから、これほど公然と行われる粉飾経理・決算はないだろう。インチキ行為もここまで来たら、もうおしまいだ。なりふり構わずで、法治国家も会計原則も、証券取引ルールもへったくれもあったものではない。この国は、インチキ企業のインチキ経理、インチキ行為がまかり通る無法者国家に成り下がってしまったということだ。いやいや違う、というのなら、それは、国が東京電力に兆円単位の有権者・国民の税金(財政資金)を無償でくれてやったということだから、なお許せんという話である)

 

この国では、福島第1原発事故について、(1)誰一人として刑事責任を問われ検察自身の手で起訴されるものはいなかった(刑事的無責任の国家追認)、(2)民事上の責任追及である損害賠償・補償について、そのほとんどを踏み倒している、特に、避難指示が出なかった中通り地方や県南地方の放射能汚染地域の被害者は、わずか十数万円の「お見舞い金」程度で切捨てられている(民事的賠償責任の不履行とその国家追認)、(3)東京電力に対して原発稼働による発電認可の取り消しという電気事業法上の行政処分もなされないので、柏崎刈羽原発を再び再稼働し、福島第2原発もそのうちに再稼働しようとしている(行政罰免除)、という、信じがたい「東京電力無処分無答責」がなされてしまっている。電力会社は大日本帝国の天皇のように「無答責」身分のようだ。

 

しかも、今後の原発事故では、電力会社の賠償・補償責任を「無限責任」から「有限責任」に転換するための検討まで始まった。御用学者が既に日本経済新聞紙面などでピーチク・パーチク言い出している。彼らにとって「福島第1原発事故の教訓を活かす」とは、事故の責任や賠償・補償を絞り込み、事故を起こした会社の経営を不審に追い込まず、いかなる出鱈目があっても原発稼働や原子力推進には、致命的な影響をもたらさない「体制」を築くことを意味している様子である。

 

原子力ムラとその代理店である自民党の政治家ども、並びに国=特に財務省(財政支出を所管)・経済産業省(原子力ムラの出先)・文部科学省(原子力損害賠償を所管)の3省は、福島第1原発事故の損害賠償・補償をきちんとしようという意思は皆無である。壊滅的な被害を受けた被害者に対しては、狭い範囲で線引きをして、その範囲内で賠償・補償額を値切りに値切って形だけ行い、それ以外の被害者に対しては、わずかばかりの「見舞金」「手切れ金」を支払って踏みつぶすか切り捨てる、そして、ある程度の損害や少しばかりの被害を受けた被害者には、そのうちに忘れてもらって、また、自民党に国政選挙で投票をしてもらいながら、原発・原子力推進を徐々に徐々に、だましだまし復活遂行させていく、そういう大胆にも不届き千万の福島第1原発事故後始末大方針を首尾一貫して貫徹遂行している。こうした連中に、淡い期待や自己鍛錬のような「お人好し」反応は無用のことである。むしろ、原発事故再発防止のためにも、そしてもちろん被害者の完全救済のためにこそ、被害者の被害は国を含む加害者に徹底的に償わせることが、福島第1原発事故後対策の中では最も重要なことである。

 

(更に、昨今の安倍晋三・自民党政権は、福島第1原発事故の放射能から逃れるために避難・疎開・移住している人たちを切り捨てるため、無償みなし仮設住宅の提供終了や精神的慰謝料支払いの終了を打ち出している。そもそも避難指示区域以外からの避難者の「定義」さえも国として行わず、福島県内外の放射能汚染地域からの被害者の調査さえも一度も実施せず、いったい何人の避難者がいるのかさえ把握していないというのが、驚くべき日本政府の現状である。そして、少なくとも2020年の東京オリンピック前には、オフィシャルには福島第1原発事故の「避難者」は存在しない状態を福島県内・外に「既成事実」としてでっち上げるため、今、復興庁を中心に、政治家や官僚が全力を挙げている。この嘆かわしき日本政府の実態を前にして、私は、この国家犯罪に与する政治家や官僚どもを、中央政府からも地方政府からも一掃してしまいたい気分である)

 

福島県をはじめ関東・東北に広がる福島第1原発事故被害者の皆様、このまま、この加害者・東京電力や事故責任者・国の理不尽極まる不誠実な「損害賠償・補償の踏み倒し行為」を許さず、断固たる姿勢を示して、賠償・補償提訴に立ち上がりましょう。福島第1原発事故は、避けられなかった自然災害や天災ではありません。東京電力による明らかな原発の安全管理の手抜きであり、ずさんな対応が事故を招いており、それをわかっていて見逃していたのが原子力安全保安院や原子力安全委員会、あるいは経済産業省・文部科学省などの国の各省庁・機関です。人災というよりも、犯罪行為だったといった方がより適切です。だからこそ、その結果に対して、その加害者・責任者にきちんと償いや後始末を付けさせなければいけないのです。被害者の損害賠償・補償は、その最も重要なもののうちの1つです。

 

泣き寝入りや、わずかばかりの手当てで我慢することなど、全く必要ありません。彼ら加害者や原子力ムラの連中は、たくさんの被害者のみなさまが一斉に立ち上がることを最も恐れています。提訴に参加する人数が多ければ多いほど、この原発事故による賠償・補償の提訴の勝利の可能性は高まりますし、賠償・補償の金額も「まともな」「正当な」ものに近づいていきます。被害者みんなが力を合わせ、1千万人規模での損害賠償・補償訴訟に立ち上がりましょう。それが福島第1原発事故後の様々な理不尽と悲劇を解決していくもっとも近道な方法です。賠償金・補償金で放射能汚染から避難をし、生活を立て直し、人生の再出発を可能にしましょう。これは当たり前のことです。こうなって当然なのです。そして、加害者・東京電力や事故責任者・国には、原発事故の責任をしっかりとってもらって、その重さを十分に認識してもらいましょう。

 

以下、直近のマスコミ報道を若干ご紹介してこのメールを終わります。実にひどいものばかりです。

 

 <別添PDFファイル>

(1)原発賠償、備え甘く(毎日 2016.3.11

(2)震災 原発事故5年:営業賠償に不満の声(福島民報 2016.3.2

(3)震災 原発事故5年:ADR審理が長期化(福島民報 2016.3.2

(4)原発賠償 因果関係の事例提示、営業損害一括賠償で東電(福島民報 2016.3.3

(5)原発ADR機能せず、和解案、東電「拒否」相次ぐ(上)(東京 2016.3.12

(6)原発ADR機能せず、和解案、東電「拒否」相次ぐ(下)(東京 2016.3.12

(7)プロメテウスの罠:「明るい未来(12)」(朝日 2016.3.2

(8)復興を問う 閣僚インタビュー(文部科学相): 賠償指針見直しせず(福島民報 2016.2.25

 

 ≪関連サイト>

●いわゆる「自主避難者」に対する京都地裁の賠償命令判決について(速報) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-ca7d.html

 

(関連)福島から自主避難、東電に3千万円賠償命じる 地裁判決:朝日新聞デジタル

 http://www.asahi.com/articles/ASJ2L53T6J2LPTIL018.html

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016021801001382.html

 

1.原発賠償、備え甘く(毎日 2016.3.11

 http://mainichi.jp/articles/20160311/ddm/008/040/060000c

 

(田中一郎コメント)

「国の関わり方があいまいなのだ」とか、「東電が破綻して賠償できなくなる事態をひとまず回避した」だとか、いい加減で無責任な記述が散見される記事だが、ポイントは次の2つである。すなわち「実質的な国民負担は7割以上。わかりにくい形で国民にツケが回されている」と「発電コストには十分な事故リスクや安全対策が織り込まれず、事故責任の所在もあいまいだった。それが国民にツケを回して東電を延命させる結果につながった」だ。

 

 要するに、福島第1原発事故に伴う賠償・補償は、(1)賠償・補償の支払い方も出鱈目(対象者、金額、支払い方、支払期間など、一切のこと)なら、(2)賠償・補償の負担のさせ方も出鱈目だということ。特に後者については、結局は有権者・国民=電力消費者の税金と電気料金で、その負担を原子力ムラ以外へ転嫁する形で行われているということ、本来なら、事故を起こした直後の加害者・東京電力の株主資本を含む自己資本全額と、金融機関等の大口債権者の貸出金等を含む東京電力の全資産をもって、この福島第1原発事故の損害賠償・補償に充当されるべきものが、それは温存され、金融機関も東電株主も、賠償・補償の実質的な負担をすることはなかった。まさに「出鱈目の極致」なのだ。

 

2.震災 原発事故5年:営業賠償に不満の声(福島民報 2016.3.2

 http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/03/post_13398.html

 

3.震災 原発事故5年:ADR審理が長期化(福島民報 2016.3.2

 http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/03/post_13397.html

 

4.原発賠償 因果関係の事例提示、営業損害一括賠償で東電(福島民報 2016.3.3

 http://www.minpo.jp/news/detail/2016030329290

 

(田中一郎コメント)

 しつこいですが、このメールの表題通りです。「事故被害の賠償・補償の対象や金額は加害者が決める、被害者はつべこべ言うな」=そんな「賠償・補償」の仕方があるのか?=それが、あるんです、日本の福島第1原発事故と、加害者・東京電力や事故責任者・国がそれです。こんな厚顔な行為をしてはばからないのが原子力ムラの連中です。裏で、経済産業省や文部科学省が蠢いているのが目に見えるようです。「原子力損害賠償紛争審査会」や「原子力損害賠償紛争解決センター」なども、何の重みもありません。この国の福島第1原発事故への対応の仕方は「狂気の沙汰」の前近代的暴力行為丸出しです。引っ込め・東京電力、何をしているのか・日本政府、です。ふざけるな!!

 

5.原発ADR機能せず、和解案、東電「拒否」相次ぐ(上)(東京 2016.3.12

6.原発ADR機能せず、和解案、東電「拒否」相次ぐ(下)(東京 2016.3.12

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016031202000170.html

 

7.プロメテウスの罠:「明るい未来(12)」(朝日 2016.3.2

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12236194.html

 

(一部抜粋)

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(中略)が、東電側との交渉の中で、2人の怒りや不満は募るばかりだった。事故直後、着のみ着のままで逃げてきたのは明らかだ。なのに東電は、逃避中に購入した物品の代金一つ一つに領収書の提出を求めた。避難先で買った家財道具については「(福島県双葉町に)何度も一時帰宅しているのになぜ持ち出さなかったのか」などとも尋ねてきた。

 

限られた滞在時間、放射線量による持ち帰り品の制限や優先順位。そんなことさえ、東電の賠償担当者には分からないのか。それとも、わざと? 疑心暗鬼になる。「加害者とは思えない東電の姿勢」に、いら立ちの日々が続いた。

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(田中一郎コメント)

 これ以外にも、「東京電力の賠償・補償の担当が代わるたびに同じ説明をさせられる」などというのもあった。賠償請求を値切れないと見るや、今度は山のように請求手続き書類を書かせ、帳票類を準備させ、何度も何度もくだらない説明を強要する、その狙いは、賠償・補償を被害者にあきらめていただくことである。弁護士や司法書士に手続きをお願いし、賠償・補償を受けるべきものは、ビタ一文まけず、全部、東京電力に払っていただきましょう。そして、その支払金額が理不尽なら、みんなで一緒に手をつなぎあって、正当な賠償金額・補償金額を求めて提訴いたしましょう。訴訟についても弁護士の方々にきちんとしていただけますから、心配無用です(ただし、悪質な弁護士や司法書士に引っかからないよう、既存のちゃんとした損害賠償訴訟を担っている弁護士さんに相談しましょう)。

 

8.復興を問う 閣僚インタビュー(文部科学相): 賠償指針見直しせず(福島民報 2016.2.25

 

(田中一郎コメント)

 この文部科学大臣は、安倍晋三自民党政権の馳浩文です。被害者の苦しみ、現場の苦難など、この男の「判断」にとっては何の関係もない、ということなのでしょう。最近はかような政治家ばかりになってきました。選んでいるのは私たち有権者・国民です。次の選挙で、この男だけは葬り去りましょう。二度と政治の世界に顔を出すな!! 馳浩文よ、自民党よ!!

 

(一部抜粋)

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「避難指示解除などにより被災者を取り巻く環境に変化が生じている。原子力損害賠償紛争審査会の中間指針を、実態を踏まえて見直す考えは」? ⇒ 「現時点で見直す考えはない。ただ、被災者の個別の実情から同様の類型が多く出てきた場合、指針を見直す可能性はあるかもしれない」(この部分以外は、福島県民や原発事故被害者問題そっちのけの、オリンピックがどうのこうのといった「ちょうちん」インタビューなので割愛します)

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草々

 

 

2016年3月 9日 (水)

(報告)3.8 (川内・高浜各原発)規制委院内ヒヤリング:原子力規制委員会は再稼働を推進するな=緩んでいたのは原発のボルトだけではなく、関西電力と原子力規制委員会・規制庁もだった

前略,田中一郎です。

 

(最初に若干のことです)

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1.キャンペーン · 法務大臣:岩城光英殿ー 司法と市民の連帯から新たな時代が始まるー ◆国を形成して行くのは政治や行政や司法の規範ではなく、国民の総意で形成されて行くものであり、より健全で意欲に満ちた市民の意識が原点にあって、初めて国家は正常に機能して行く

 https://goo.gl/gp9e5p

 

2.伊方原発運転差止広島裁判-プレスリリース

 http://saiban.hiroshima-net.org/pressrelease/003_20160309.html

 

3.玄海原発 MOX訴訟

◆報告、書面等を下記にまとめています。

 http://saga-genkai.jimdo.com/2016/02/29/a/

 

◆控訴審の進行状況

 http://saga-genkai.jimdo.com/裁判について/裁判最新情報/

 

4.Greenpeace 福島原発事故 もうすぐ5年

 http://ext.greenpeace.or.jp/html_mag/hmag2016_0206_ns.html

 

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(ここから本文)

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昨日(3/8)、参議院議員会館で「3.8 規制委院内ヒヤリング:原子力規制委員会は再稼働を推進するな」が開催されました。以下、当日の参加者用資料のご紹介とともに簡単にご報告いたします。下記に原子力規制庁に対して出された主な質問を列記しておきますが、決してこれだけで全部ではなく、当日はもっとたくさんの疑問や質問が多くの参加者から出され、原子力規制委員会・規制庁の追求がなされました。しかし、それに対する回答は、いつものとおりの「ひねもす、のたり、くたりかな」でした。聞いていて、非常にストレスのたまる、うんざりさせられる回答で、このままでは高浜原発(1~4号機)どころか、若狭湾にある関西電力のすべての原発が危険であることをうかがわせるに十分なお粗末さでした。関西電力もひどいですが、原子力規制委員会・規制庁も、規制機関の体をなしていないというありさまです。何が「世界一厳しい規制基準」でしょうか!!?

 

(イベント情報)3-8()14時半~ 原子力規制委員会 院内交渉、当日の質問要旨 再稼働阻止全国ネットワーク

 http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/rn/archives/11715

 http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/ed19675d81e665bf8ac0e7b0d5114921

 

(当日録画:一部抜粋です)2016-03-08 規制委院内ヒヤリング・原子力規制委員会は再稼働を推進するな~嘘つき九電:免震棟を造らない川内原発は直ちに止めろ~・~傲慢関電:老朽原発の廃炉逃れを許すな、高浜4号機原子炉緊急停止を問う! IWJ Independent Web

 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/290827

 

(ストレスのたまる原子力規制庁の役人の出鱈目な話や形式論・手続き論の言い逃れを聞き、多くの参加者が怒りの声を挙げていました。中でも大声で「ヤジきた」怒声を挙げて録画に「声だけ出演」しているのは私です。あとで主催者の木村さんから叱られましたが、だって、腹立つんだもん:田中一郎)

 

 <別添PDFファイル>

(1)規制委院内ヒヤリング:原子力規制委員会は再稼働を推進するな(資料1)(2016.3.8

「hering_kisei_1.pdf」をダウンロード

 
(2)規制委院内ヒヤリング:原子力規制委員会は再稼働を推進するな(資料2)(2016.3.8

「hering_kisei_2.pdf」をダウンロード

 
(3)免震棟は何のため?(資料3)(山崎久隆(たんぽぽ舎) 2016.3.8

「yamazaki_siryou.pdf」をダウンロード

 
(4)川内原発免震重要棟問題、原子炉容器の照射脆化、耐震強度の盲点(資料4)(後藤政志 2016.3.8

「gotou_siryou.pdf」をダウンロード

 
(5)高浜4号機の1 次冷却水漏れが示す実にずさんな安全管理(美浜の会 2016.3.1

 http://www.jca.apc.org/mihama/News/news139/news139leak.pdf

「mihama_takahama4_mizumore.pdf」をダウンロード

 
(6)高浜3・4号の使用済燃料ピットには臨界の危険性がある(美浜の会 2016.3.1

「mihama_siyouzumi_pitto.pdf」をダウンロード

 
(7)原子力「寄生」委員会と原発再稼働 スピーチ原稿(田中一郎 2016.3.13

「itanaka_genkityou.pdf」をダウンロード

 ≪関連サイト>

(1)関電高浜原発の運転差し止め決定 大津地裁、3号機停止へ - 共同通信 47NEWS

 http://this.kiji.is/80189696566378500?c=39546741839462401


 
(2)40年超の老朽炉・高浜12号は廃炉に!(投稿:原子力規制を監視する市民の会)

 http://www.jca.apc.org/mihama/News/news139/news139t1-2.pdf


 
(3)高浜4号の再起動阻止! 3号も停止せよ!

 http://www.jca.apc.org/mihama/News/news139/top139.pdf

 

(主な質問・疑問と追及)

1.川内原発の「免震重要棟」設置許可申請について


 
(1)原子力規制委員会・規制庁は、福島第1原発事故の時に「これがなくては大変なことになっていた」と関係者が口をそろえて言っている「免震重要棟」について、それを必ずしも必要とはせず、「免震重要棟」よりもずっとずっと延べ床面積が小さい(1/10以下)「緊急時対策所」で事足れりとし、かつ、その構造も「免震」ではなく「耐震」でいいとしていることについて、全く合意できない。福島第1原発事故の教訓を無視している。(「耐震」は建物は壊れないかもしれないが、建物の内部が大きく揺れて、人も家具類もめちゃめちゃになる。「免震」はそれを防ぐ ⇒ 上記資料の(3)の山崎久隆さんのレジメを参照)

 

(2)昨年20158月の川内原発再稼働時には、その「緊急時対策所」さえ存在しないまま再稼働させてしまっている。これもおかしな話である。

 

(3)更に、再稼働認可を受けて、わずか3~4か月で、今度は20163月までに「造ります」と言っていた「免震重要棟」でさえも、九州電力はつくらないと言い出した。認可直後にかような「(安全性)マイナス」方向での「変更許可申請」など世間一般の常識から見てもありえない話なのに、何故、原子力規制委員会・規制庁はこの申請を受け付けているのか。突き返すべきだ。さもなくば、川内原発をいったん止めて、再度認可の是非を審査すべきである。

 

(私は、原子力規制委員会・規制庁が、政府交渉等の場で、3年前に新規制基準を作った時から「免震重要棟」とは言わずに「緊急時対策所」「緊急時対策所」と何度も言っていたのを記憶している。すなわち、原子力規制委員会・規制庁は、最初から、こういうシナリオで、つまり「免震重要棟」を造ると見せかけておいて再稼働認可を行い、しかる後に、その免震重要棟の必要性を、機能面から見たら必ずしも必要はない、と理屈付けして、結局はつくらなくていいことにする、というシナリオを持っていて、それを電力業界と「裏談合」しながら進めている可能性がある。要するに、免震重要棟というコストのかかる設備省きのための「サル芝居」を原子力規制委員会・規制庁と電力業界が共同・協力して演出しているということではないかと私は疑っている)

 

(4)この九州電力・川内原発の出鱈目が他の電力にも伝播して、関西電力をはじめ、多くの電力会社が「免震重要棟」はつくらずに、お粗末で狭くて小さな「緊急時対策所」で済ませるなどと言い出している。こんなことでは原発のいざというときに、どうしようもなくなるではないか。

 

2.高浜原発1,2号機の40年超えについて


 
(1)新規制基準適合性審査と老朽化原発稼働期間延長審査を「分けてやる」というのはおかしい。両者は一体のものとして扱い、福島第1原発事故前の考え方(基本的には60年稼働を予定)を捨てて、原発が建設後40年もたてば基本的には危ない、という認識の下で「老朽化原発審査」がなされるべきだ

 

(2)原子炉圧力容器の脆性遷移温度に関して井野博満東京大学名誉教授(金属材料学)や小岩昌宏元東北大学金属材料研究所教授・京都大学工学部教授らの専門家より、予測値がおかしい・非科学的である・このままいくと危ない(中性子照射脆化により原子炉圧力容器が脆くなっていて、緊急冷却時等に冷水を原子炉に入れたら「パリン」と割れてしまう)、という意見が出ている。それをきちんと受け止めて安全面から厳重に対応すべきである。今の対応の仕方はいい加減すぎる。(高浜1,2号機は、廃炉となる玄海1号機よりも更に脆性遷移温度が高く、100℃近い。こんなものは危なくて原子炉にはできないハズ。しかも、40年前当時の原子炉圧力容器の素材の鉄鋼には不純物の銅(Cu)が多く含まれていて、金属としての脆性がよりひどくなっている)

 

(3)例えばコンクリートの中に埋め込まれた配管類やバルブ類など、人間の目では見えない部分での老朽化や劣化が進んでいる可能性がある。老朽化する中で「わからない部分」があること、「見えない部分があること」を前提に原発の安全性の担保を考えなければいけないのに、見えるところだけ、わかるところだけの安全性を確認して、それでOKだと言っているが、それはあまりに無謀で危険である。原発の安全哲学が後退し過ぎている。

 

(4)40年も大昔に設計された原発が新規制基準に照らして何の問題もないというのは常識から考えておかしい。これまでの40年間の間に、国内外で、加圧水型の原発の安全性向上のための「改良」や「増機能」などの「大きな変化」はなかったのか。それらについて、40年前のオンボロ原発はそれぞれどう対応しているのか、具体的に説明せよ。大昔の設計の原発では、近年の安全上必要となる対応や対策には、ついていけなくなっているのではないのか(原発の老朽化問題というのは、単に設備が古くなって、脆くなるとか、錆が出るとか、腐るとか減肉するとか、といった「老朽化現象」だけが問題ではなく、新たに必要となった安全上の対策・対応について、設計が古すぎて、どうやっても対応できないという「設計古すぎる」問題がある)。何故、そんなに重くて多くの作業が伴う設計内容の審査が、わずか1年程度の期間でできてしまうのか納得できない。結局、適合性審査、などと言いながら、原発の実態とは離れたところで、書類上の理屈合わせに終始しているだけではないのか。

 

(5)そもそもそんな40年以上も前につくった原発の設計図は、その後の改良部分も含めて、きちんとフルセットで残っているのか。それをちゃんと確かめてあるのか。しかも、その設計図通りに施工がなされているというのは、ちゃんと現場で確認をしてあるのか。きっと、そんなものは確認もせずに、新規制基準に適合している、などと、GOサインを出しているのではないのか。

 

(6)工事計画をはじめ、原子力規制委員会・規制庁が公表している原発再稼働審査関連の書類は「伏字」「白塗り」の非公開だらけである。これでは我々一般の有権者・国民・市民には、たとえその分野の専門家であっても、何が何だかさっぱりわからない。原発・原子炉の再稼働審査の具体的内容を隠蔽したまま再稼働を強行しようとするのは、原子力規制委員会設置法に違反している。企業秘密やテロ対策では説明がつかないくらいに「隠ぺい」だらけである。有権者・国民・市民をバカにしているのか。(後藤政志さんからは、これをこのまま認めるわけにはいかないので、原子力規制委員会・規制庁解体、ないしは情報公開裁判に取り組む必要性が出てきそうだとの認識が示されました)

 

(7)高浜原発1号機は197411月(2号機は197511月)に運転開始をしているので、そこから計算すると、今年2016年夏は、およそ42年の経過ということになる。これだけで両原発は40年を経過していて既にアウト=つまり廃炉以外にないはずなのに、妙な手続き上の屁理屈を付けて、原発の経年計算をゴマカシ、なんとか再稼働に持ち込もうとしている。これはインチキ行為であって、原子力規制委員会・規制庁がそんなことを認めていてどうするのか。

 

3.高浜原発4号機の原子炉緊急停止問題


 
(1)何故、原子炉にスクラムが起き、警報機が鳴ったのか、未だにその原因が確定できない。戦後の原発稼働の歴史上、はじめてのことだ(これまでは原因は1日以内ですぐにわかって記者会見で公表されていた)。関西電力や原子力規制委員会・規制庁に、このトラブルが大変なことであるという認識はあるのか?

 

(2)原因の一つがボルトのゆるみだという。ゆるみが生じたのは、最初から緩んでいたか、運転を続ける中で徐々に緩んでいったかのどちらかだが、後者だとすると、このボルト部分の設計ミスの可能性がある。そうだとすれば、他の場所についても、4号機だけでなく3号機についても、設計の再評価・見直しと一斉点検を要するので再稼働どころの話ではない。また、後者=つまり締められていなければいけないのに緩んでいたとなると、それは現場の点検労務管理のずさんさを意味しているのだから、再発防止のためには責任者の明確化やその責任の追及、そして処罰など、労務管理の抜本見直しが必要になるはず。

 

 そもそも、日本の原発以外の配管が多いメーカー(鉄鋼や化学のプラントなど)では、ネジ締めの点検は1年に1回が常識、ましてや、3年も4年も動かしていなかったプラントを動かす場合には、会社を挙げて徹底して様々な点検を行い、ネジの締め漏れなどということはあり得ない厳しさだ。それなのに、ただでさえ危険な原発を動かす電力会社がかような体たらくで、許されるはずがない。緩んでいたのはボルトというよりも関西電力であり、原子力規制委員会・規制庁の方だ。他の日本の会社がやっていること・出来ていることさえも出来ないような電力会社に原発を運転させるな!!

 

(3)今回漏れた汚染水が格納容器の外にまで出てしまっている。考えられないことだ。漏れた汚染水の量が少なかったからいいでしょう、などという話には絶対にできない。一次冷却系という原子炉を冷やす最重要の部分での水漏れが格納容器の外に出てしまう状態というのは、原発として失格だ。(実は、今回汚染水が漏れた箇所の配管は、一次冷却という通常運転機能に加えて、緊急炉心冷却装置(ECCS)としての機能も併せ持つ原発の重要機器の一つだったそうである)

 

(なお、この汚染水漏れについては、上記の「美浜の会」のコメントにも目を通してください。非常に重要なことが書かれています:たとえば、汚染水漏れを起こした配管内で異常な高圧力になった(これが水漏れのもう一つの原因)理由がわからない、かつその圧力が配管内の設計上限圧力を超えてしまっていた、⇒ 設計上、欠陥品の可能性が大きい などなど)

 

(今日、大津地裁が高浜原発の稼働停止を命ずる仮処分判決を下しました(上記URL記事参照)。ひとまず、やれやれです。裁判に取り組まれておられた方々に心より感謝申し上げます。そして、大津地裁の山本善彦裁判長以下の裁判官の皆様、ありがとう。勇気ある判決に感謝です)、

草々

 

2016年3月 8日 (火)

史上最悪の国際協定=TPPに関する瞬間風速情報 + 若干のこと

前略,田中一郎です。

(史上最悪の国際協定TPPはあらゆる市民運動・社会運動に共通の大問題だと考えております)((別添PDFファイルは、その多くを添付できませんでした)

 

(最初にいつもの若干情報です)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.(別添PDFファイル)(イベント情報)『「避難の権利」を求める全国避難者の会』第1回政府交渉のご案内

 http://hinannokenri.com/news

「youbousyo_hinan.pdf」をダウンロード
「press_release_hinannnokenri.pdf」をダウンロード


日 時: 3月9日(水)12~14時 *通行証を11時半より配布いたします。

 *14時に政府交渉終了後、振り返りと今後について考える時間を持ちます。


場 所: 参議院議院会館B109


内 容: 「自主避難者への住宅支援打ち切り撤回と新たな住宅保障策を求める要望書」および質問書を事前提出し、回答を求めます。


出席予定省庁:内閣府防災担当、内閣府被災者支援チーム、復興庁、環境省、原子力規制委員会


お問い合わせ:080-1678-5562(中手) hinannokenri@gmail.com

 

2.(イベント情報)#脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会) 3.27 世界の物差しで福島原発事故を再定義する世界社会フォーラム2016「福島での犯罪と命の救済」のお知らせ

 http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2016/03/blog-post_7.html

 

3.軍事機密を公然と…中谷防衛相は「秘密保護法違反」第1号 日刊ゲンダイDIGITAL

 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/176499/1

 

(特定秘密保護法では、特定秘密を扱える公務員や関連民間企業の役職員を「適正評価」するという人権侵害丸出し・プライバシー踏み潰しの憲法違反行為を法制化しているが、そんなものは早くスクラップして、それよりも、そもそもこういう自民党の愚か者・大バカ者を閣僚にしていいのかどうかという「閣僚適正評価」を制度化しなければいけないでしょ。パンツ泥棒の高木毅(つよし)、不勉強トンデモ暴言のマルタマ(丸川珠代)にアホウ太郎(麻生太郎)、カネに汚い(アマリにひどい)甘利明や森山裕(ひろし:農林水産大臣)、ネオナチとツーショットの似非右翼言論弾圧大臣・高市早苗、「最後は金目」のサティアン大臣・石原伸晃などなど、まあ、日本広しといえども超サイテーの人間ばかりを集めてつくったようなこの安倍晋三内閣は日本の恥さらし、ちゃんと政治家としての「適正評価」をせなあきまへんのや。愚かな有権者・国民諸君、こんな奴らに選挙で投票すんなよ!! :田中一郎)

 

4.食品中の放射性物質の検査結果について(第970報) |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000114225.html

 

(流通している食品のほんの僅かばかりの、ただただ放射性セシウムだけの検査で、しかも検査品目が米や牛肉に極端に偏っている。汚染されているのは当たり前の野生動物(イノシシやシカやクマなど)の肉まで測って、安全基準でもない厚生労働省の規制値を超えた分だけ表示する。食品検査として測る必要もない野生生物をひっきりなしに測っているのは、その肉をジビエとして使いたいからに他ならない。すなわち、出荷制限解除ができるまで徹底して測るということだ。私は毎回、この厚生労働省が公表している検査結果を見続けているが、一度としてこの検査が私たちの健康のため=内部被曝防止のためになされていると感じたことはない。これではほとんどの食品・食材は、いわゆるホット・スポットを抱えたまま、私たち一般消費者には、それとはわからないまま流通していくだろう。みなさまには、放射能汚染地域で生産された食品・食材は、こうした出鱈目な検査体制が改められるまではお食べにならないことをお勧めします(下記参照)。そして、虚偽表示にはくれぐれもご注意を。何が「風評被害」だ。お前たちの出鱈目を正してから言え!!:田中一郎)

 

*「放射線管理区域指定基準」を超える放射能汚染地域での、農業や食品産業を含むすべての産業の活動を停止させよ(その分は東京電力が損害賠償)

*飲食品の残留放射能規制値を現在の厚生労働省基準の少なくとも1/10、子供についてはゼロベクレルとせよ

*検査品目を増やし、各品目ごとに検査品数も増やし、流通でも検査をして、隠れた汚染物をあぶりだす工夫をして、放射能汚染物を食卓から一掃せよ

*加工食品や外食の放射能検査「業者丸投げ」をやめよ

*農地の土壌の放射能汚染検査を汚染地域全域で実施し、それを周期的に繰り返せ

*放射性セシウム以外の放射性核種をもっと徹底的に調べよ(アルファ各種、ベータ核種を含む)

*汚染物が発見されたら、その理由を徹底調査せよ

*出荷制限解除の条件が甘すぎる=規制値超過の原因解明と徹底した除染が終わるまでは解除するな

*福島県での漁業試験操業を中止させ、宮城県南部(牡鹿半島以南)、及び茨城県・千葉県沿岸での操業もストップさせよ(すべて同上損害賠償)

*福島県・宮城県南部・茨城県・千葉県の各県沖では検査操業を行い、獲れた海産物の全個体検査を多くの放射性核種について実施せよ(海産物は動き回るので個体個性が強い、相当期間の悉皆調査が必要不可欠:海藻類以外)

*飲食品の放射能検査の適性性について、放射能汚染に批判的な人も入れての第三者委員会チェックの仕組みを作れ

 

5.放射性廃棄物を「再生利用」!? 放射性廃棄物 OSHIDORI Mako&Ken Portal - おしどりポータルサイト

 http://oshidori-makoken.com/?p=1863

 

(先般、おしどりマコ・ケンさんのご紹介をした時に、このサイトもあわせてご紹介しましたが、あらためて、このサイトは絶対に見てください。マコ・ケンさんの力作レポートです。それもそのはず、原子力ムラとそれに「寄り添う」御用人間たちが、日本国中に福島第1原発事故による放射能汚染物をまき散らかそうとしています。とんでもない話です。放射能管理の原則は、原発と同じく、止める、冷やす、閉じ込める、です。このアホウどもは、その逆を行くといって、言うことを聞きません。「だって、福島第1原発事故の放射能汚染物の量が多いから、減らさないといけないから」などと言いつつ、「再生利用」=リサイクルに乗せて、全国あちこちで、嫌がる人間や団体・会社をねじ伏せてでも使わせようとしています。福島県から、あるいはその周辺県から、放射能汚染物がどこかよその土地に運ばれて見えなくなればいい、それだけのことしか考えていない様子です。そして、おそらくは放射能汚染ごみの焼却問題の時と同じように、たいした放射能じゃないから、福島との絆のために、使いましょ、使いましょ、と、放射能全国拡散に「協力」する別のアホウも出てくるでしょう。これが安倍晋三・自民党政権の「美しい日本」のありのままの姿です。断固阻止、日本全土を放射能汚染から守るには、それしか方法はありません。そして先般ご紹介した「放射能汚染防止法」の制定を急ぎましょう:田中一郎)

 

6.田母神俊雄元航空幕僚長 続報

 http://www.asahi.com/articles/ASJ374D47J37UTIL011.html

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160308-00000045-nksports-pol

 http://mainichi.jp/articles/20160308/k00/00m/040/095000c

 

(今回は報道陣から聞かれて、田母神さんは「ノーコメント」とか言っているようですが、この前みたいに「身内の恥は隠すもの」「あれでいいんだ同好会」「そんなの関係ねえ」とはおっしゃらないのかしら。なんで?:田中一郎)

 

 

(ここから本文)

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史上最悪の国際協定=TPPに関する瞬間風速情報をノーコメントでお届けいたします。ご参考にしてください。特に、TPP協定を肯定的に受け止めたり、TPP協定に代表される市場原理主義について、プラスのイメージをお持ちの方は、今回ご紹介する文献等をじっくりとご覧になってみて下さい。それでもまだ、TPP協定や市場原理主義について、OK、とおっしゃるのであれば、それはその方の脳内が既に少し異常をきたしていると言ってもいいことになります。

 

 <別添PDFファイル>

(1)TPPが日本農業を崩壊させる、今だけ、カネだけ、自分だけ(鈴木宣弘『自然と人間 2016.3』)

(2)TPPめぐり不安拡大 輸入肉の薬剤 表示義務なし(東京 2016.3.5

(3)TPP影響試算はまやかし、米農家の不信払しょくせよ(梶井功 農業協同組合新聞 2016.2.10

(4)TPP国試算 地方から異論 コメ「影響ゼロ円」 本当?(朝日 2016.3.5)

(5)TPP特集:ISD条項、遺伝子組換え(三雲崇正、河田昌東 『週刊金曜日 2016.2.12』)

(6)TPP特集:酪農 なぜ、EUのように、住民の命を守る安全基準をつくれないのか(中村冨美子『週刊金曜日 2016.2.12』)

(7)農の神髄は小農にあり(山下惣一『現代農業 2016.4』)

(8)米韓FTA発効四年後の韓国農業の実態(柳京熙『現代農業 2016.4』)

 

 <関連サイト>

 下記の(2)は重要文献です。

 

(1)政策提言│PARC NPO法人アジア太平洋資料センター

 http://www.parc-jp.org/teigen/2016/tpptext201601.html


(2)「TPP協定の全体像と問題点:市民団体による分析報告 VER2 (TPPテキスト分析チーム 201625日))

 http://www.parc-jp.org/teigen/2016/TPPtextanalysis_ver.2.pdf


(3)TPP反対は次世代への責任 この国の医・食・農・労働を守る16氏の提言-農山漁村文化協会/編 金子勝/〔他〕

 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033394054&Action_id=121&Sza_id=B0

 

 <TPP協定関連 重要イベントのご案内>

●4/3(日)報告集会「TPP協定の全体像とその問題点」@全水道会館

 http://www.labornetjp.org/EventItem/1457352294377staff01

 

日 時:2016年4月3日(日) 10:0017:00 ※開場9:30

会 場:全水道会館 4階 大会議室

    http://www.mizujoho.com/front/bin/ptlist.phtml?Category=9177 <http://www.mizujoho.com/front/bin/ptlist.phtml?Category=9177>

資料代:1000円 ※先着順(定員160名)

25日に公開した報告書に新たな分野、補足分析を加え今回公表します

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その1):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(1) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-a416.html

 

●日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その2):(この動画、今すぐにご覧ください)「TPPで日本の医療制度が崩壊する!?」 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/2-7be1.html

 

●日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その3):(メール転送です)「TPP大筋合意」は「大ウソ合意」だった=マスごみの繰り広げる政権広報報道(内田聖子氏インタビュー他) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-41b9.html

 

●日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その4):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(2) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-aaca.html

 

●日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その5):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(3) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-2d8b.html

 

●日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その6:LAST):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(4) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-25fc.html

早々http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-25fc.html

 

2016年3月 7日 (月)

「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(18):(メール転送他)原子力規制委員会・規制庁が職責を果たさない + いろいろイベントあります

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

昨日は、「脱被ばく実現ネット」主催の新宿デモでメールを作成できませんでした。その分、今日のメールが多くて恐縮です。「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(18)です。メールの表題には「原子力規制委員会・規制庁が職責を果たさない」と書きましたが、それだけではありません。やまんごたる「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」です。

 

20160305 UPLAN 福島も関東も危ない!子どもを放射能から守ろう!35新宿デモ - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=pTLvxGOMO0s

 

(最初にいろいろイベント情報です)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(便利です)レイバーネット:イベントカレンダー

 http://www.labornetjp.org/EventItem

 

(自分がイベントの主催者になる時の(レイバーネット)登録用サイト)

 http://www.labornetjp.org/domail

 

1.3.7 キビタキの会 原発事故避難者の住まいの安定を求める復興庁・東京都との話し合い 取材のお願い

 http://kibitakinokai.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html

 

(関連)キビタキの会 HP

 http://kibitakinokai.blogspot.jp/

 

2.3-8()14時半~ 原子力規制委員会 院内交渉、当日の質問要旨 再稼働阻止全国ネットワーク

 http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/rn/archives/11715

 

3.3.9 第1回政府交渉のお知らせ 「避難の権利」を求める全国避難者の会

 http://hinannokenri.com/info/224

 

(関連)「避難の権利」を求める全国避難者の会 つながろう!たしかめあおう足跡、そして未来へ

 http://hinannokenri.com/

 

4.3.10 DAYS 12周年イベント@中野 (@daysjapan_yoko)さん Twitter

 https://twitter.com/daysjapan_yoko

 

5.3.10、3.11 東電本店抗議 - たんぽぽ舎

 http://www.tanpoposya.com/東電本店抗議/

 

(関連)たんぽぽ舎 新HP

 http://www.tanpoposya.com/

 

6.(別添ファイル)(チラシ)3.13 さよなら原発 in 飛鳥山(東京都北区恒例イベント)

「sayonaragenpatu_asuka_3.13.jpg」をダウンロード

7.3.23 古賀茂明氏講演会「どうして市民活動は広がらないのか 3.23討論 in中野」

 http://chiiki-net.jimdo.com/

 

8.南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟支援の会 第3回口頭弁論期日…328日は東京地裁へ!

 http://minamisouma.blogspot.jp/2016/03/328.html

 

(関連)南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟支援の会 HP

 http://minamisouma.blogspot.jp/

 

(関連)年20ミリシーベルト 安全か問う 南相馬住民ら 避難指示解除基準 訴訟が本格化(朝日 2016.3.3

 http://www.asahi.com/articles/ASJ3330VYJ33UBQU00B.html

 

9.マンガ・イラストを集めました。さまざまな市民運動・社会運動にお使いください  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-ad35.html

 

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(ここから本文)

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1.(メール転送です)(別添PDFファイル)村田光平元スイス大使からのメール:「経済界と福島事故」

 別添PDFファイルとともにご覧ください。

 

皆様

高浜4号機のトラブル続きは原子力規制委員会の信頼性を根底から崩したといえます。川内原発の審査に関しても衝撃的な情報が本日寄せられましたのでお届けいたします。

 

原発の寿命を60年に延ばす暴挙も規制委員会のレベルを露呈するものといえます。市民の直感の方が遥かに勝るといえます。小泉元総理が日本には原発の安全に関して責任を負う体制がないことを嘆かれておりますが、このような現状を容認する国民は目覚める必要があります。マスコミの責任は誠に重大です。国家の危機を電力会社の経営危機として対応することは最早許されません。放射能による地球環境加害国としての日本に対する国際社会の批判は高まる一方です。

 

今こそ福島事故の教訓である「経済重視から生命重視」に立ち戻るべきです。安全に責任を負わない組織により認められた再稼働は全て運転停止とすることが緊急に求められます。日本国家の将来に関わる重大な問題です。皆様のご理解とご尽力をお願い申し上げます。(村田光平)

 

(衝撃的な情報)

皆様

原子炉の寿命延長という暴挙について、ご報告します。原発の寿命が40年と決まっているのは、原子炉が、高温高圧にさらされるうえ、放射能被ばくがあるからです。放射線にたたかれあの強靭な圧力容器を構成するニッケルクローム鋼がもろくなってしまい、何らかの応力で炉が破壊するのです。これを「脆性破壊」といいます。ビルの鉄筋コンクリートがくさって、倒壊するのと同じことです。検査で、見つかればいいのですが、放射線が鋼の結晶構造を破壊しているので、目で見えません。まして、古い原発は放射能レベルが高く、まともな検査作業は古い原発ほど困難です。

 

設計時、その寿命を40年と見込みましたが、もし見込み違いが出たら大変なので、試験片を炉内におきます。そのもろさは、もろくなる温度で表しますが、普通は極低温です。それがなんと玄海原発1号で摂氏98度というトンデモナイ試験片が出てきました。ほとんど再稼働の雰囲気の中、一人の学者が反対して事なきをえました。添付の報告を見てください。高浜原発再稼働は、今後の審査過程で中止になってもらいたい。

 

経営支援NPOクラブ プロジェクト推進担当:市岡 篤

 

 <別添PDFファイル>

●今後のプロジェクト推進担当の運営方針(99)原子力規制委員会川内原発審査OK~九電は無責任体制下で再稼働できるか?

「sendai_komento.pdf」をダウンロード

2-1.(メール転送です)高浜原発再起動時のトラブルについて

「takahama_4gou_osensuimore.pdf」をダウンロード

 皆さま、渡辺悦司より。この間立て込んでおりまして、遅くなりましたが、高浜原発の再稼働時トラブルについて短いものですが、若干の分析を試みてみました(転送していただいてかまいません)。関連資料は関電のホームページに(いまなら)あります。いくつか挙げておきます。

 

(1)http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/npower.html

(2)http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/0222_1j.html

(3)http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/pdf/0222_1j_01.pdf

 

結論は、(憂慮というよりは)恐怖すべき深刻な事態であるということです。高圧がかかる配管のバルブのボルトを、起動時に増し締め・点検するのは、常識的な手順です。しかもメルトダウンにもなりかねない一次系の配管です。それを事前にしなかったということは、関西電力の安全意識や安全規律が、トップから現場にいたるまで、恐ろしいほどたるんでいると考えるほかありません。事故が起こってもよい、住民が被曝してもかまわないことを前提に、再稼働を急いでいるとしか考えられません。恐怖の事態が進んでいるのです。

 

 <別添PDFファイル>

(1)Fukushima 再稼働 高浜原発4号機の一次冷却水漏れ・原子炉緊急停止

(2)高浜4号機 変圧器の保護機器に問題(朝日 2016.3.4

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12240178.html

 

2-2.(メール転送です)高浜原発再起動時のトラブルについて/追加

 皆さま、渡辺悦司より。追加ですが、たまたま○○が鉄鋼メーカーに勤めておりまして、話をしていると高圧ポンプや真空ポンプの製造に従事していたこともあるそうなので、念のためこの件、聞いてみましたが、やはり、

 

(1)毎年あるいは最長でも3年ごとぐらいに、高圧バルブや配管のボルトの増し締めや点検をするのが普通であろう、

(2)4年以上動いていなかった装置を動かす際には、高圧部のボルトの増し締めするのが常識だと思う、

(3)8年も増し締めも点検もしないで放置するというのは(コスト削減のためであろうが)、一般には考えられない、との答えでした。

 

私のボイラー・メーカー下請け会社時代の経験と一致しました。拡散される際には、これも書き加えていただければありがたいと思います。関電の対応は、「安全無視」「常識はずれ」という評価は、間違いないと思います。

 

また、これも私の業界経験ですが、装置の制御盤に付いている、いろいろな配線を接続している端子台のネジも、接触不良になって誤動作などのトラブルが生じるのを避けるため、定期的に(当時は1年に一度程度だったと記憶しています)増し締めするのが常識でした。関電では、こちらの基本的な手順も実行されていなかった可能性が高いと思います。

 

「そんな原始的なことを」と思われるかもしれませんが、これは非常に重要な基本手順です。これが遵守されないと、端子台の接続部での電気的な接触不良の恐れがあり、完全に電気的に切れてしまえば、まだしも分かりやすいので傷が浅いのですが、変につながっていて時たま切れたり、信号にノイズが乗ったり、信号が化けたりすると大変なことになります。

 

この措置も、もしもきちんと実施されていないとすると、高浜原発は、データが正常に受信できなかったり、コンピュータや制御機が送った制御信号がきちんと機器に届かなかったり、変な信号に化けて誤作動する危険が高まった状態になっている可能性があると思われます。229日の原子炉停止とこのことが関係あるかどうかは、分かりませんが。

 

3.(別添PDFファイル)電力側評価委員に810万円、川内原発 安全判断に関与(東京 2016.3.4

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016030402000121.html

 

(原子力規制委員会・規制庁が居直っているのはいつものことですが、恥知らずにも、電力会社側からカネをもらった評価委員の2人の大学教授も「居直り」をきめこんでいる。昨今の大学教授は、どいつもこいつも、こんな奴ばかりである。だから大学など解体してしまえと申し上げている。支配権力・巨大資本による「科学の包摂」の典型だ:田中一郎)(電力からカネもらった大学教授の2人よ、早く自発的に評価委員を辞任しろよ、それが学問を職とするものの節操だぞ、バカヤロー:田中一郎 追加)

 

4.急増する難病患者と流産死産、脳卒中→矢ヶ崎克馬名誉教授が警告 福島原発事故の真実と放射能健康被害

 http://www.sting-wl.com/yagasakikatsuma20.html

 

5.(別添PDFファイル)元会長ら強制起訴の意味、15.7メートル津波試算なのに事故なぜ?(東京 2016.3.4

 http://saigaijyouhou.com/blog-entry-10256.html

 

6.広島平和研 存在意義は?、被曝研究者2人契約切り 懸念の声(東京 2016.3.3

 https://silmarilnecktie.wordpress.com/2016/03/03/33%e5%ba%83%e5%b3%b6%e5%b9%b3%e5%92%8c%e7%a0%94%e5%ad%98%e5%9c%a8%e6%84%8f%e7%be%a9%e3%81%af%e3%80%80%e8%a2%ab%e7%88%86%e7%a0%94%e7%a9%b6%e8%80%85%ef%bc%92%e4%ba%ba%e5%a5%91%e7%b4%84%e5%88%87/

 

(一部抜粋)

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広島市立大広島平和研究所が昨年来、安全保障の研究者らを防衛省など国から教授陣に招く一方、被爆者に関わりの深い研究に取り組んできた講師2人に相次いで契約の打ち切りを通告した。被爆地の研究機関としての役割をどう果たしていくのか、懸念する声が上がっている。(同記事の上にある竹田茂夫さんの「インドの原発リスク」も併せてご覧ください)

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(これで「平和研」と言えるのかしら。しかも、被爆地ヒロシマの話です。何考えてんだ、でしょ?:田中一郎)

 

(関連)じつは原子炉メーカーが嫌がるインドへの原発輸出  国際環境NGOグリーンピース

 http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/blog/45350/

 

7.科学の目が選ぶ核のごみ処分場(日経 2016.3.4

 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO97991330T00C16A3TJN000/

 

(関連)(時時刻刻)核のゴミ、見えぬ行き先 最終処分場、19道府県すでに拒否 朝日新聞調査=訂正・おわびあり:朝日新聞デジタル

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12179263.html

 

(田中一郎コメント)

 この記事には2つのウソが書かれている。更に、記事を読んで感じるのは、どうも離島(又は過疎地)の沿岸部海底が狙われている様子がうかがえるということ。警戒しましょう。まず、鹿児島県大隅半島が、既に週刊誌等で話題になっている。次に危ないのは、記事にある離島各地だ。

 

(ウソ:その1)「処分場の建設地としての適性が高い地域を示す「斜学的有望地」を年内には公表する」「南鳥島や神ノ鳥島を合む小笠原諸島(東京都)、対馬(長崎県)のほか、種子島(鹿児島県)から与那国島(沖縄県)にかけて連なる島々、大東島(同)なども同様の評価だ。高橋さんは「地球上で第一級の変動帯である日本列島でも長期間にわたり安定している地域はある」と語る」(ここで「高橋さん」とは、日本大学教授の高橋正樹)⇒ そんなところが日本列島にあるわけねーだろうが。何ウソこいてんだ。

 

(ウソ:その2)「再処理によって高レベル放射性廃棄物の量は、使用済み核燃料を直接処分した場合に比べて大幅に低減できるという」⇒ そんなわけねーだろうが。使用済みMOX燃料のことを忘れてんじゃないの? 馬鹿こぐでねえ。

草々

 

 

2016年3月 6日 (日)

市場原理主義(新自由主義)をめぐる他のMLでの議論です。ご参考までにご紹介します。

前略,田中一郎です。

下記は他のMLでの市場原理主義(新自由主義)に関する議論です。ご参考までに転送します。

 

以下はメール転送です。

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市場原理主義を一言で言いますと、何だか形容矛盾のようですが、「1%が99%を支配・利用・収奪するためのご都合主義」だということです。言い換えれば、「原理主義」が1%には適用されないことに加え、その99%に適用される「原理主義」は、99%からの収奪が目的です。

 

●(再論)市場原理主義とはどういうものか  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-e3dd.html

 

●「我々にはできる!」=真性「YES WE CAN!」=国際市場原理主義に苦しむスペインに現れた左翼の星「ポデモス」党と,党首パブロ・イグレシアス(われら日本の世直し改革派が学ぶことはないのか)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-561a.html

 

●日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その1):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(1)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-a416.html

 

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Aさんの解説は概ねその通りですが、少し補足します。

 

1.「新自由主義の源流は、学問的にはシカゴ学派」

 新自由主義の源流は、ハイエクに見ておいた方がいいでしょう。私は、このハイエクの経済学説を「新自由主義」といい、Aさんの言うシカゴ学派・Mフリードマンに代表される学派を「市場原理主義」といっています。世の中では両者はあまり区別されていませんが、私は決定的に違うと考えています。

 

 前者のハイエク・新自由主義は、純粋に経済学的な「学派」で、人間の社会的作為や設計主義的な政策論に根本的な不信と疑義を持ち、徹底した経済自由主義を提唱する、かなり経済学の中では異端に属する学説です。経済学の世界でも、あまり相手にされませんし(極論の代表として引用される程度)、実際の経済政策の現場でも全くと言っていいほど相手にされていません。

 

 一方、後者のシカゴ学派の市場原理主義ですが、これは最初のうちはハイエク学派と似たようなモノだったのですが、1970年代ころからサッチャー政権やレーガン政権に代表される時の政治勢力と結託し、珍妙極まる屁理屈を積み重ね、Aさんが下記で述べているようなロクでもない経済政策や、時にはチリ・アジェンダ政権を暴力で倒してアメリカ資本の支配下に置くといった、反社会的暴力に与していく、極めてたちの悪い「ゴロツキ集団」です。前者のハイエク学派には、「学問」としての矜持や倫理観のようなモノは生きていますが、後者のシカゴ学派・市場原理主義にはそのようなものはありません。巨大多国籍資本やその代理店政府に与することなら、どんな屁理屈でも作って見せます型の、害悪垂れ流しご都合主義です。(先般、惜しまれて亡くなった近代経済学の数理経済学者=宇沢弘文氏のシカゴ学派及びM・フリードマンについてのコメントをぜひ見てください)

 

(参考)経済学は人びとを幸福にできるか(宇沢弘文著、東洋経済新報社):会長の読書(旧「社長の読書」)株式会社プラネット

 http://www.planet-van.co.jp/president_bookreview/20140324.html

 

2.「潮目が変わったのはリーマンショックでした」

 日本の政治や経済や社会で、本当に潮目が変わったかどうかは怪しいものがあります。少なくとも自民党のみならず、その他の野党の多くの政治家どもも、市場原理主義アホダラ教から抜け出たかどうかはわかりません。2009年民主党のマニフェストはリーマンショックの後にできた、比較的内容のいいものでしたが、ご承知の通り「口先やるやる詐欺」でした。ほとんど何一つ実現できていませんし、実現しようともしなかったと言ってもいいでしょう。そして民主党政権がやったことは、たとえばTPP協定推進、たとえば労働者派遣法改悪、マイナンバー(共通番号)制度推進、農業者戸別所得補償制度、消費税増税などですが、これらはすべて、その根底に市場原理主義(アホダラ教)があるのです。

 

 こんどアベ政治に反対する地域ネットの方々が古賀茂明氏を呼んで講演会を開きますが(3/23:中野区産業振興センター3F)、その古賀茂明氏もTPPに賛成をしたり、マイナンバーカードを使うと言ってみたりで、市場原理主義からきちんと脱却できていません。こういうリベラルな知識人や著名人は結構多いのです。しかし、市場原理主義と決別をし、新しい時代の有権者・国民・市民のための政治・政策を、違う考え方できちんと組み立てていかないと、「市場にまかせれば万事うまくいく」などと言っている限りは、同じことの繰り返しになるでしょう。多国籍型巨大資本が世界市場を独占・寡占化しているときに、その巨大資本と私たち吹けば飛ぶようなちょぼちょぼ市民とを同列・対等の関係において、市場に任せよ=弱肉強食のなすがままにせよ、などというのは、少し常識があればダメなことは理解できるでしょう。しかも、その多国籍型の巨大資本は、今や日本を、世界を破壊する利己主義の固まりの害悪垂れ流し組織です。

 

3.(市場原理主義を)救い出すものがあるとすれば、新自由主義の原理を強者に貫徹させることになるように思います。

 市場原理主義は、(1%の特権的支配者たちには向けられず)99%に向けられるから市場原理主義というのです。社会全体に社会的に公正で優しい政策を展開するときに、あるいは強きをへこませ弱きを救い上げる(こういう社会的弱者保護の思想は現代の社会的ルールにはいたるところに存在します。その一つが道路交通法ですし、日本国憲法もそうです)、というとき、その強きをへこませる理屈・理論は市場原理主義ではありえません。もっと別の論理体系や考え方を持たないといけないでしょう。政策の表面だけを取らまえて、都合のいい部分だけをつまみ食いをしてはいけないのです。まして市場原理主義をつまみ食いすることは、後々まで市場原理主義の影響力を払しょくできず、アホダラ教の復活につながってしまいかねません。(ご紹介した私の論文をご覧いただければわかりますが、財政政策無効論だの、貨幣数量説だの、合理的期待仮説だの、サプライサイダーだの、ラッファー曲線だの、ロクでもない嘘八百の出鱈目を基本において経済政策・社会政策などありえません、ということです)

 

 市場原理主義政策の扇動の手段に、人間のいやしき性格=ねたみやそしりなど、を十分に活用するという卑劣なやり方が入っていることもに留意が必要です。既得権益を打破せよ・特権的な利益を許すな、そのもっともらしい掛け声で、公務員がバッシングされ、在日をはじめ社会的弱者が叩かれ、日本農業や医者の世界や労働組合などが利権の巣窟のように言われてきました。しかし、冷静によく考えてみることです。いったい、誰が、どの組織が、最たる既得権益者であり特権階級なのでしょう。財界のボスども、巨大多国籍資本、自民党や地方の政治ボスたち、原子力ムラ、メガバンク、巨大ゼネコン、注目しなければいけないものは、いくらでもあるでしょうに。

 

 暴力的で圧倒的に大きな権力ににらまれた小心者が、身の回りのちょっとした差に目を奪われ、本来、叩かなければいけないもの、社会的に改善・改革しなければいけないもの、格差是正を抜本的にしなければいけないもの、人権としてしっかり守らなければならないものなどをそっちのけで、些末なことで、弱者いじめをする、こういうゲスのセンチメントを市場原理主義政策は十分に利用するのです。加害者・東京電力や事故責任者・国が何の罪も責任も問われず、賠償・補償さえもまともにしない状況があるにもかかわらず、福島の故郷を奪われた人たち、放射能の健康被害を避けて避難する人たちを「特権的だ」「いい身分だ」などとバッシングをしたり、皮肉を言ったりする、その腐った根性が、未だに蔓延しているでしょう。そうした、ゲスの根性が、市場原理主義政策扇動の絶好の手段となるのです。

 

 もういい加減にしましょう。世界の多くは市場原理主義など、とうの昔に捨てています。いつまでも、いつまでも、不勉強もののアホウの代表格=政治家が、何周期も遅れた市場原理主義を振り回し、上記で申しあげた、悲しいかな人間である有権者・国民・市民の内面にある「ゲスの根性」を煽り立て、今、その最悪の政策的帰結=TPP協定が発効しようとしているのです。バカは死ななきゃ治らない、はまさにこのことでしょう。

草々

 

-----Original Message-----

Re: 新自由主義(Aさんのメール)

 

<新自由主義のイメージと実態>

新自由主義で議論があったので、コメントをします。

新自由主義の源流は、学問的にはシカゴ学派で、単純化すれば「市場原理主義」と言っていいでしょう。政治的には、サッチャー、レーガン、中曽根(敬称略)に代表される、福祉削減、公共部門の民営化、企業活動を阻害する規制緩和などが新自由主義として推しすめられました。暴力的な例は、Bさんも指摘したチリのクーデター(もうひとつの9・11)でした。ラテンアメリカでもアメリカの圧力で80年代から90年代にかけては新自由主義政策が押し付けられてきました。2000年代にラテンアメリカで左翼政権の誕生は、それへの反撃という側面がありました。

 

日本においては、バブル崩壊後、新自由主義的な改革が自民党政治のオルタナティブという認識が野党や野党支持者の中に根強く存在しました。Cさんがよく言及する土建国家批判はその典型で、自民党の長期政権による業界団体との政治と官僚の癒着構造を変えるイメージが存在していました。

 

実際、小泉内閣での民主党の国会論戦は、新自由主義的改革の旗手はどちらかという論点でした。当時の鳩山党首が小泉首相に対して「あなたの屍を乗り越えて(自民党では改革ができないので)、民主党が改革を断行する」という趣旨の質問をしたことに象徴されています。

 

また、小沢自由党は、当時は新自由主義政党でした。経団連の政策評価では、当時の自由党が政策的には最も財界の要求に沿ったものという評価が与えられ、当時の民主党・自由党の合併は財界の影響があったといわれています。財界にとって、二大政党の一方の極である民主党が彼らにとってはリベラル色が強く、自由党が合流することで政策的にも彼らの望む二大政党体制ができること期待してのことです。

 

潮目が変わったのはリーマンショックでした。市場原理主義のはずが、弱者には冷たい対応をした一方で、破綻した金融資本を救済しました。新自由主義の政治の実態は、自己責任といいながら、強者の責任は不問にふし、市場原理というルールも強者が作ったルールにすぎなかったことが明らかになりました。学問的批判もあるとは思いますが、学問的な新自由主義と政治的実践として

 

新自由主義はイコールでなかったのが明らかになったといってもいいと思います。

新自由主義に救い出すべきものがあるか、それが今回の議論のポイントになるように思います。救い出すものがあるとすれば、新自由主義の原理を強者に貫徹させることになるように思います。弱者に向かうと生活保護や公務員バッシングなどにつながりますが、強者に向ければ東電の責任追求や大企業応援政治への批判となります。

 

追伸

当時の野党の状況に触れていますが、過去の主張をもって批判をする意図はありません。念のために付言しておきます。

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草々

 

「公益通報者保護制度」(内部告発者保護制度)の見直し=この消費者庁有識者検討委員会案ではダメなのではないか

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

このほど、別添PDFファイル、及び下記URLの東京新聞(201634日夕刊)で、「公益通報者保護制度」の見直しにかかる有識者検討委員会案の概要が報道されました。一読して、これではダメだ、と思いましたので、以下簡単にコメントします。

 

 <別添PDFファイル>

●不正告発たらい回し防止、消費者庁に窓口設置、有識者提言案(東京 2016.3.4 夕刊)

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016030401001636.html

 

まず、過去の若干の事例をご紹介しましょう。但し、これは氷山の一角です。日本では公益通報者(内部告発者)に対して、告発された企業と役所が混然一体となって「公益通報者」=内部告発者に不利益攻撃を仕掛けています。どうしようもない前近代的体質です。こんなことでは内部告発はつぶれてしまいます。誰も見て見ぬふりをしてしまうでしょうし、告発される企業は、それがねらいであり、その企業と結託する役所も、そのねらいを企業と共有しているのです。