(報告)「放射能汚染防止法」制定を求める院内学習会:放射線被曝のインチキ評価単位「シーベルト」にだまされず、しっかりと厳しい「放射能汚染防止」の法的規制・法的管理・法的責任の制度を実現していきましょう
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
昨日(2016年2月16日(火))、多方面より注目されていました「「放射能汚染防止法」制定を求める院内学習会、及び対政府(環境省)交渉&院内集会」が参議院会館の101号室で開催されました。当日は主催者側の市民団体や弁護士の方々が札幌その他、全国からお見えになり、また東京の多くの市民も参加しての盛況な会合となりました。とりわけ学習会のメイン講師の山本行雄弁護士のお話は、理路整然としていてわかりやすく、非常に感銘を受けるものでした。また、山本弁護士とともにこの課題に取り組んでおられる山田文雄弁護士は元札幌市長であり、現職市長当時には、福島第1原発事故で汚染したがれきの焼却の受け入れを拒否し続けた、全国でも数少ない首長の一人だった方です。この学習会の最初にご挨拶を兼ねて基本的な考え方をお話しされましたが、まさにその通りの立派な講演だったと思います。
これまで、福島第1原発事故の前はもちろん、事故後においても、原発・核施設が事故を含む様々な理由から環境に放出する放射能について、他の汚染原因物質(たとえば有害化学物質や重金属類)に対する法的管理措置のように、国を含む関係当事者に対して、罰則付きで厳格な規制や、モニタリングや、拡散防止・封じ込めなどの管理や、その他の様々な対処対応責任を法律によって厳しく律していくという、ごくごく当たり前のことがなされないままに放置され、その結果、国や事業者による、ずさんで恣意的かつ不適切かつ無責任な放射能=放射性物質の管理がなされ続け、様々な方面で様々な問題と無用の危険を引き起こしてきました。
その典型は、1つには、青森県六ケ所村再処理工場であり、この施設は一般の原発が1年間に環境に排出・放出する量の放射能をわずか1~2日間で放出してしまうほどの、ひどい環境汚染施設であるにもかかわらず、何の法的な放射能排出放出規制・規則・基準がないままに今日に至っています。わずかに事業者の設置許可申請書の中で、再処理工場の通常操業時においては、青森県民はこの施設の放出放射能により、わずかに年間22マイクロシーベルト(0.022mSv/年)の被ばくを受けるだけだとされ、野放図な放射能放出と環境汚染がやりたい放題に放置されているのです(既に10年ほど前のアクティブ試験で大量の放射能が環境放出されました)。
また、もう一つは、過酷事故後の福島第1原発であり、現在大問題となっている(放射能)汚染水はもちろん、溶融核燃料を今でも抱え込んだままの原子炉建屋からは、様々な放射性物質が日々大気中にも大量に放出され、空と海と陸地とを際限なく放射能汚染し続けているのです。この福島第1原発からの環境放出放射能についても、何の法的な規制も規則も基準もないままに今日に至っています。従って、青森県六ケ所村再処理工場も福島第1原発も、誰も放射能汚染のずさんな管理について法的責任を問われることはなく、誰も罰を受けず、罪も問われず、これからも規制や規則や基準がないままに、ずさんな放射能管理が続けられていくことになります。
今回の学習会・政府交渉・院内集会で取組まれたことは、こうした原発・原子力・核の世界の、いわば無法地帯=無政府状態を改めさせ、法治国家としての基本ルールをきちんとさせようという、ごくごく「当たり前」の試みです。驚くべきか福島第1原発事故までは、たとえば環境関連法(基本法、大気、河川・水質、海洋、土壌などの汚染防止・環境保全の各個別法)の条文の中で放射性物質だけを例外扱いして、別途、原子力関連法の中で定めるなどとしておきながら、実は核産業の遂行に邪魔になるからとそのまま放置して、放射能による環境汚染を法的に取り締まらない=規制・管理しない状態が続いていました。「放射能汚染防止法」は、それにストップをかけて、放射性物質もまた危険な公害原因物質=つまり環境汚染原因物質=人体や生物に危害を及ぼす危険性を持った規制管理されるべき物質であると法的に認知し、それに対してしかるべき法規制をかけていく、というものです。
ここで私が下手な解説をくどくどとするよりも、今回の学習会でいただいた(かなり分厚い)資料やメイン講師の山本行雄弁護士のレジメ、更には当日の録画(UPLANさん)などを直接ご覧いただいた方が早いので、下記にそのご紹介をさせていただきます。また併せて、今回の問題に関する関連サイト等も調べておきましたのでご参考にしてください。(当日の配布資料が多いので、私のブログを2つに分けてアップしてあります:下記参照)
この「放射能汚染防止法」制定の取組を早い段階から着手され、全国レベルで学習会や意見交換会などを積み重ねつつ、その法制化実現に向けてこれまで精力的に動いてこられた上田文雄・山本行雄両弁護士、並びに北海道・札幌の市民のみなさま、市民団体のみなさまには厚くお礼申し上げたいと思います。これからは私たち東京をはじめ全国の脱原発・脱被ばくの仲間も北海道や札幌の方々とともに手をつなぎ、協力をしあって、この「放射能汚染防止法」の制定に向けて努力してまいりましょう。
●(イベント情報)放射能汚染防止法制定を求める院内集会のお知らせ
http://gomif.blog.fc2.com/blog-entry-331.html
http://chikyuza.net/archives/60195
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/25f0ae1870d4e58f46f851e490d11308
●(当日録画)20160216 UPLAN「放射能汚染防止法」制定を求める院内学習会 -
YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=2eejuQvnOUA
<別添PDFファイル:その1>
(1)「放射能汚染防止法」制定を求める院内学習会(プログラム)(2016.2.16)
「housyanouosenbousi_pgm.pdf」をダウンロード
(2)「放射能汚染防止法」制定を求める院内学習会 山本行雄弁護士
レジメ(2016.2.16)
「yamamoto_bengosi_rejime.pdf」をダウンロード
(3)「放射能汚染防止法」関連の院内集会資料(2016.2.16)
「housyanouosenbousi_innaisyuukai_siryou.pdf」をダウンロード
(4)「放射能汚染防止法」を制定しよう「放射能汚染防止法」を制定する札幌市民の会 2016・1)
「sapporo_siminnokai.pdf」をダウンロード
(5)「放射能汚染防止法」(仮称)ガイドブックの要点(山本行縫 2015.6.11)他 資料
「gaidobukku_pointo_yamamoto.pdf」をダウンロード
(6)(パンフ)燃やしていいの?
放射能ごみ
「punfu_housyanou_gomi_moyasuna.pdf」をダウンロード
(7)「放射能汚染防止法制定を」、札幌発の市民運動(東京 2016.2.17)
<別添PDFファイル:その2>
(8)「「放射能汚染防止法」制定を求める院内学習会」、及び対政府(環境省)交渉&院内集会
資料 いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-8237.html
≪関連サイト:その1
「放射能汚染防止法」を制定する札幌市民の会>
(1)「放射能汚染防止法」を制定する札幌市民の会
http://snet21.jp/boushihou/_m.htm
(2)「放射能汚染防止法」を制定しよう(「放射能汚染防止法」を制定する札幌市民の会)
http://snet21.jp/boushihou/boushihou.pdf
(3)「放射能汚染防止法」を制定しよう - 弁護士山本行雄 情報提供
http://blog.goo.ne.jp/zzyukio8989/e/053029559d9268bb6b43d20146696b87
(4)「放射能汚染防止法」(案) 要点(「放射能汚染防止法」を制定する札幌市民の会)
https://www.s-coop.or.jp/datsu/hbs002.pdf
<関連サイト:その2>
(1)放射性廃棄物を「再生利用」!? 放射性廃棄物 OSHIDORI Mako&Ken Portal
- おしどりポータルサイト
http://oshidori-makoken.com/?p=1863
(2)もっとわかってきた!放射能は環境基本法上の公害物質になってるで!ほな、他と同様取り締まらせよう! - ウィンザー通信
http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/45dbe5670f7b7781a6308d85a5b24ba8
(3)国は放射性物質による環境汚染防止法を整備せよ!(「三陸の海を放射能から守る岩手の会」)
http://sanriku.my.coocan.jp/rad%20protect0801.pdf
なお、当日は会場参加者との質疑応答の時間がありましたので、私も発言の機会をいただきました。上記の当日録画の1時間26分あたりから数分間、しゃべらせていただいております。ただ、自分で言うのもなんですが、少しあがっていてスピーチが非常に聞きづらい稚拙なものになっていて、まことに申し訳なく思います。下記に申し上げたかったことを勘定書きにしておきますのでご参考にしていただければ幸いです。私の意見に応えて山本弁護士より適切なコメントを頂いておりますので、あわせてご報告申し上げます。また、このメールの最後尾には、下記で申しあげたことを私のブログ上で少し詳しく解説しておりますので、併せてご参考にしていただければ幸いです。
(上記で山本弁護士の「放射性セシウムなどは、原発の通常運転では環境には出てこない放射性物質だから、規制値はゼロ・ベクレルでいい」というご発言もあり、私は山本弁護士のお話を聞いて「ホッとした」次第です。ちなみに原発の通常運転(事故なし)時には、トリチウムや放射性希ガス(不活性ガス:キセノンやクリプトンなど)が大量放出されます。しかし、再処理工場の場合には、さまざまな危険な放射性物質が膨大な量で大気中と海中に放出されます)
1.放射性物質による被ばくの危険性について、戦後一貫してアメリカの核(兵器)戦略の支配下にあった日本では、きちんとした実証科学的な研究や検証はほとんど行われていない(核兵器開発や原子力推進の妨げになるとの理由で、妨害されたり弾圧されたりしてきた。これは海外においても大なり小なり同様である)。特に外部被曝よりも危険な内部被曝については、国際放射線防護委員会(ICRP)においても、その検討委員会が解散させられるなど、支配権力側では、まともな研究・検証は今日に至るまでできていない。メジャーな被ばく論の根拠となっている広島・長崎の被ばく研究は、アメリカ軍部の指揮・統制の下、内部被曝を無視した形で、しかもスタート時点から危険性のかなりの過小評価になるような方法で実証研究がなされてきた。しかも、その研究データは、未だに多くが公開されていない(広島市の放射線影響研究所(RERF)の倉庫に隠されたまま)。
今日、一般的に言われている放射線被曝の評価は、かなりの過小評価(歪曲・矮小化の結果)になっているというのが、これまでの放射線被曝の歴史が教えるところである。ICRPも含めて、政府機関や大学アカデミズムが認証している放射線被曝の危険性の度合いについては、極めて疑わしいと見た方がいい(戦後の放射線被曝評価の見直し=危険性評価の厳格化は、非政府・被支配の側の民間研究により進められ充実されてきた歴史がある。要するに支配権力側の被ばく論は信用できない)。そして、放射線被曝を可能な限り(理屈をつけて)過小評価、または無視軽視しようという傾向は、福島第1原発事故後の今日においても変わっていないどころか、よりひどくなっていることを常に意識しておくべきである。
2.放射能や被ばくの規制値や基準を決める場合には、その規制値や基準が「ここまでだったら大丈夫」という認識につながって、汚染や被ばくを抑制する目的だったものが、その逆に、野放図に環境放出や放射能汚染を容認してしまうものに=合理化し正当化するものに転換してしまう危険性があるので要注意。特に、上記1のような事情が「政治的」に「権力的」に押し付けられている現状から鑑みた場合、規制値や基準を決める場合には、よほど厳しいスタンスや態度を持って臨まないと逆効果に陥ってしまいかねない。
3.放射能の危険性にはしきい値がない、というのは、ようやく科学者の一般的な「常識」となってきた(残念なことに、そうではない(似非)「学者」がまだ日本には多い)。化学物質の規制の場合には、動物実験の結果を1/100くらいに薄めて安全バッファとしておけば、たいていの場合には大丈夫だが(例外は環境ホルモンなど)、放射能の場合には、たとえ少量のベクレル値であっても、例えば子供や胎児(特に特定の妊娠期間中)に対しては危険であるなど、一筋縄ではいかない。しきい値がないからだ。御用学者がやるような軽率な決め方は慎むべきである。
4.また、同じ1ベクレルの放射性物質であっても、①放出される放射線のエネルギーの大きさが違う(エネルギーが大きいほど危険)、②放射性物質にはそれぞれの化学特性があり、生物体内・人体内では様々にその挙動が違う(特定臓器への集積や体外排出までの期間など)、などの理由から、その危険性は一律には評価できない。(たとえば放射性セシウム137を基準にして、他の放射性物質を「加重係数」を掛けて、いわゆる「放射性セシウム換算」などをやる場合があるようだ。その場合には、その「係数」の実証的根拠を厳しく問う必要がある)。総量規制で、あらゆる放射性物質を一律に、そのベクレル数だけで足し合わせるようなやり方はあまりに乱暴である。
5.放射線被曝の単位である「シーベルト」がきわめて怪しい概念であること(簡単に言えばインチキ)。特に内部被曝については、「シーベルト」はその被ばく実態を全くと言っていいほど現しておらず、かような方法で評価することは、決定的な内部被曝の過小評価につながる。従ってまた、外部被曝と内部被曝は全くの別ものであって、これを「シーベルト」単位で単純に足し合わせるようなことはしてはいけない。また、食べものその他による内部被曝の計算の際に使われる実効線量換算係数(ベクレルとシーベルトの換算係数)や生物学的半減期も、その実証的な裏付けが極めて怪しい信用できない概念である。そもそも、原発に対する地震と同様に、人体に対する危険性を評価する科学係数を算定する場合には、平均値ではなく、もっとも弱い数字=つまり危険性が高い数値を使うべきであり、そうしないと、相対的に他者と比べて放射線被曝に弱い個体は放射線防護において「切捨て」られることになってしまう。(詳しくは下記の私のブログを参照)
6.その他、内部被曝評価に出てくる「実効線量」概念を導き出す「放射線荷重係数」や「組織荷重係数」もまた、科学的実証性を伴っておらず、特にアルファ線やベータ線の内部被曝が非常に過小評価されているというのが、支配権力側の放射線被曝研究に批判的な科学者のもっぱらの考え方である。「放射能汚染防止法」において、内部被曝に関係する規制や基準を定める場合には、「シーベルト」単位は使わずに「ベクレル」単位で徹底する、というのが適切であると思われる。
7.いずれにせよ、具体的な規制値や基準、そして管理や監視(モニタリング)などを決めて法制度化する場合には、御用学者にだまされないよう、厳しいスタンスと批判的な観点をもって臨む必要がある。メールの表題にも書いたように「放射線被曝のインチキ評価単位「シーベルト」にだまされず、しっかりと厳しい「放射能汚染防止」の法的規制・法的管理・法的責任の制度を実現していきましょう」ということである。
<「いちろうちゃんのブログ」より>
●新年になりました、今年もよろしくお願い申し上げます:元旦のメールは、国際放射線防護委員会(ICRP)や放射線ムラの「学説」の根拠となっている広島・長崎の被爆者データ(LSS)がいかに問題の多い過小評価されたものかのお話です
いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-8a4f.html
●(資料集)国際放射線防護委員会(ICRP)は生まれながらにして内部被曝をゴマかすインチキ組織だった:広島・長崎での放射線障害の過小評価から始まった
いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-7b19.html
草々
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