「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(5):見れば見るほど、聞けば聞くほど、いったいこれは何なのだ、です=日本にはびこる「(原子力・核)無法地帯」に目を背けてはいけない
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(5)です。見れば見るほど、聞けば聞くほど、いったいこれは何なのだ、です=日本にはびこる「(原子力・核)無法地帯」に目を背けてはいけないのです。こうした出鱈目の積み上げが、結局は日本を破滅に導いていきます。
1.記者の目 特定秘密保護法と会計検査=青島顕(東京社会部) - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20151218/ddm/005/070/015000c
(関連)秘密保護法「業務に支障」=憲法上問題と指摘—検査院 - WSJ
http://jp.wsj.com/articles/JJ10248485494151623559018985448412306273630
(田中一郎コメント)
なかなかいい社説(記者の目)です。毎日新聞もこれくらいのことが書けるのなら、どうしてもっと常日頃頑張らないのでしょう。ポイントは次の2つです。特定秘密保護法は、日本の民主主義を守るため、絶対に廃止しなければならない法律です。原子力や核は、かつて話題となった「核密約」の事例を挙げるまでもなく「特定秘密」の中核をなしています。そして、この法律の制定に走った政治家や官僚達が誰だったかを忘れてはならないのです。彼らを政治の世界=永田町や霞が関から追放しなければいけません。
(1)(一部抜粋)「法案が国会に提出される1カ月前の2013年9月。秘密指定された文書が会計検査の際に提示されなくなる恐れがあるのではないか、と会計検査院が指摘した。条文では、秘密文書を管理する省庁が「国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれ」があると判断すれば、会計検査を拒否できると読める。検査院の担当者は「すべての国の収入・支出を検査する」とする憲法90条に抵触する恐れに気づき、内閣官房に質問した。しかし答えは「会計検査院と省庁が調整をすれば、(会計検査に)提供を受けることは可能」だった。検査院は納得しなかったが、内閣官房は法案を修正せずに法律は成立した。」
(田中一郎コメント)
ちなみに日本国憲法第90条は下記のとおり。
「第九十条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
○2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。」
そして、この憲法の規定は戦前の大日本帝国の時代の反省からきている。記事には次のように書かれている。
「元会計検査院局長の有川博・日本大教授(公共政策)は言う。「戦前だって検査の例外は、機密費と軍事用物品と明示されていた。『国の安全保障に著しい支障がある』と行政機関が判断すれば検査対象外になる秘密保護法には、例外の歯止めがない。戦前以上に検査の対象外が広がる恐れさえ考えられる」
更に、外務省では、次のような出鱈目がついこの間発覚している。機密費が職員の競争馬を買うために使われていた。記事には次のようにある。
(一部抜粋)「01年に発覚した外務省不正経理事件では、機密費が長期間ずさんに流用されていた。何年も前に週刊誌で疑惑が取りざたされたのに、本格的に検査のメスが入ったのは、機密費が職員の競走馬の購入費用などに化けた後だった。それでも、外務省で不正経理が表ざたになった後、身内の調査では分からなかった事実を会計検査が明らかにしていった。」
(2)(一部抜粋)「特定秘密が漏れて刑事裁判になった場合、起訴状に秘密の中身が書かれず、弁護士は秘密を知らないままの弁護活動を強いられる恐れが強い。憲法で保障された被告の権利を侵すとの懸念は根強い。13年9月の政府内の法案協議では、法務省が「立法的方策を講じない限り、本法(秘密保護法)違反の罪を通常の刑事訴訟手続きで取り扱うこと自体が、不可能ないし著しく困難なのではないか」と質問したが、内閣官房は特別の措置は必要ないとの従来の説明を繰り返した。」
(特定秘密保護法をめぐる裁判が憲法に定める公開原則に従ってきちんとできないということ、これは特定秘密保護法制定の前から大問題と言われてきたことです。:田中一郎)
2.(別添PDFファイル)2つあります
(1)原子力機構業務ほぼ独占 関連企業の落札率99%超(東京 2015.12.18)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015121802000135.html
http://digital.asahi.com/articles/ASHDK452KHDKUTFK003.html?rm=465
(関連)東京新聞原子力機構 続く「不透明な契約」 関係企業・団体に222億円社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120402000120.html
(関連)東京新聞原子力機構入札問題 自民、行革相に改善要請へ政治(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201512/CK2015121802000132.html
(この自民党の「要請」ですが、どこまで本気なのかはわかりません。アリバイ行為丸出しの様な気がします。記事の最後には「PTは十七日に報告書を発表予定だったが「桜田義孝推進本部長から手続きに不備があるとの理由で中止の指示があった」(平氏)として先送りされた」などとあります。なんのこっちゃ、です。:田中一郎)
(2)福島原発事故 2・3号機 部品溶融(東京 2015.12.18)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015121802000133.html?platform=hootsuite
(関連)福島原発事故、2号機の最重要弁動かず 高温・高圧で:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASHDK3CJ1HDKULBJ003.html
(田中一郎コメント)
圧力容器内の異常高圧を圧力抑制室(SC)へ逃がすためのこの弁=「主蒸気安全逃し弁(SRV)」は、原子炉の安全装置の基本中の基本です。これがきちんと働かなかったら、緊急時の炉心冷却が不可能になり、また、時間がたてば、格納容器ではなく圧力容器が高圧で吹き飛びかねません。しかし、そんな最重要の機器=心臓の「弁」のような機器類を動かすためのものが、熱に弱いゴム製でカバーされていたとは驚きです。
しかし、このSRVが正常に働かなかった理由はそれだけではありません。SRVが格納されている格納容器内部が緊急事態などの場合に高圧になると、SRVが正常には開かなくなることは、このSRVを設計・製造したメーカーの技術者が平然と「機能しません」と言っているそうですから(伝聞)、これまた驚きです。朝日新聞記事にもあるように、格納容器内部の圧力(SRVの背景圧力)の高さも問題なのです。
所詮、原子力ムラの「安全性は万全です」などというのは「こんな程度」です。記事には「東電は、再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)では高温下でも長時間の使用に耐えられるシール材に交換する方針」と書かれています。格納容器内の高圧時対策はどうするのでしょうか。全く安易極まりなしです。マスコミは東京電力にだけに取材をしているのではなく、このSRVを製造しているメーカーや技術者にも取材をして、もっとこのSRVの弱点や欠陥性をあぶりだしてください。
ところで、最も重要なことは、福島第1原発事故の時がどうだったか以上に、この「主蒸気逃し安全弁(SRV)」が日本全国すべての原発で今でも使われ続けていることです。過酷事故を起こした沸騰水型や、そうではない加圧水型ともに、原発の炉型いかんに関係なく、全部の原発で使われているのです。もちろん、再稼働してしまっている川内原発も、これから再稼働しようとしている伊方原発や高浜原発もそうです。冗談ではありません。しかし、新聞記事には、そのことは書かれていませんね。しっかりして下さい、新聞社さま。
3.(別添PDFファイル)柏崎刈羽6号機 事故の資産、30キロ圏外 100ミリシーベルト超す(毎日 2015.12.17)
(一部抜粋)
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東京電力と新潟県は16日、安全審査が進む柏崎刈羽原発6号機の事故で放射性物質が放出された場合の被ばく量試算をそれぞれ公表した。最悪条件の事故後3日間の被ばく量は、原発近くで約2700ミリシーベルトと脱毛や白血球減少など急性放射線障害を起こしうる値に達し、緊急防護措置区域(UPZ)30キロ圏の外でも100ミリシーベルト超の地域があった。複数基の事故ならより深刻になる恐れもあり、自治体が策定する避難計画への影響も予想される。
(中略)厳しい想定では、降雨や風力などの条件によって、原発敷地境界付近の屋外に3日間いた場合、被ばく量は東電試算で約2700ミリシーベルト、県試算は1728ミリシーベルトに達した。被ばく地域は幅数キロ~10キロ程度の扇状で風下に延び、3日間で100ミリシーベルトを超える地域が30キロ圏外に広がる場合もあった。
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(田中一郎コメント)
これで柏崎刈羽原発は再稼働できませんね。こんなことを覚悟してまで原発を動かす必要はありません。それに上記は6号機だけですから、柏崎刈羽原発の全機7機が同時多発過酷事故となった場合には、東日本が壊滅することはほぼ間違いありません。それにしても、この東京電力ですが、福島第1原発事故の後始末もきちんとできない、被害者への賠償・補償や救済もきちんとしない、汚染地帯の除染や汚染物の厳重管理もできない・責任持たない、国から巨額の税金を与えてもらって、いったい何をやっとるのか、だ。こんな会社、解体しかないですね。(東京電力は、4期連続の「黒字」だとか言って喜んでいるようですが、頭の中がどうかしているのかもしれませんね)
(関連)柏崎再稼働なくても 東電は黒字|社会|新潟県内のニュース|新潟日報モア
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20151218224091.html
4.(別添PDFファイル)原発ケーブル設置不備
女川、東通でも違反(東京 2015.12.16)
http://jp.wsj.com/articles/JJ11470604925856993359718183514684034724609
(田中一郎コメント)
先ほど申し上げたように、原子力ムラ諸君の「世界一厳しい規制基準」が担保する原発の安全性とはこの程度のものでしかありません。「東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)などで安全設備関連のケーブルが新規制基準に反して分離されていなかった問題で、東北電力は15日、女川原発3号機(宮城県)と東通原発1号機(青森県)でもケーブルが分離されていなかったと発表した。中部電力浜岡原発4号機(静岡県)や北陸電力志賀原発1号機(石川県)でも類似のケースが確認されており、問題は拡大している。」のだそうですが、もちろん原子力規制委員会・規制庁は、こうした新規制基準で規制したことについて、自分たちが現場に行って確認などしておりません。「ちゃんとやっとけよ」と電力会社などの現場の人間に「申し送り」して、あとは肩で風を切って帰ってくるだけです。
5.子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク 情報ブログ
放射性濃度下回った指定廃棄物の解除手続き検討 環境省
http://kodomozenkoku-news.blogspot.jp/2015/04/blog-post_55.html
(指定廃棄物=8000ベクレル/kg、冗談ではありません。こんなものを「指定解除」だなどといって、あちこちにテキトーに捨てられたのでは、日本中が放射能だらけになってしまいます。8000ベクレル/kg=平方メートルに換算すると、×60で480,000ベクレル/m2ですよ。放射線管理区域指定基準は、40,000ベクレル/m2、その12倍、です。みなさま、「環境省よ、ふざけるな」、と思われませんか? ちなみに福島第1原発事故前は、放射能汚染ゴミは100ベクレル/kgがクリアリングレベル(足切レベル)でしたが、それでも危険だということで、自由に処分できませんでした。それが福島第1原発事故後は様変わりです。ご都合主義も甚だしきです。それ以上に危険です。:田中一郎)
6.(別添PDFファイル)内堀雅雄現福島県知事は知っていた!?
見送られた津波評価、プルサーマル実施を優先(北国新聞 2015.10.26)
https://www.facebook.com/dainijikokusodan/posts/1022117071143168
(みなさま、この話ですが、もう拡散していただきましたか? 福島県議会でも追及が必要です。:田中一郎)
7.(別添PDFファイル)「中間貯蔵」積もる不信(東京 2015.11.27)
http://p.twpl.jp/show/orig/zmM3W
(この問題の急所というか、出鱈目のポイントは2つです。第一に、福島第1原発周辺地域の被害者住民の方々に、除染すればあたかも安全に住むことができるようになるかのごとき嘘八百の幻想を示し続けていること(本来は、早期に、「安全上のため、この地域には住めません、万全の賠償・補償により、みなさまの移住を政府として責任をもってやりますので安心してください」と申し上げるべき)、第二に、その賠償・補償で、被害者の所有地を買い上げるのに、環境省が、福島第1原発事故後の時価を基準にするとか、福島第1原発事故前の時価の半額程度を基準に考えるとか、ふざけたことを言って被害者の方々の不信を買っていること、の2点です。
なすべきことは、被害者の完全救済の保障を国が責任をもって行った上で、福島県のみならず、東日本一帯の放射能汚染ゴミを、福島第2原発敷地を含む福島原発周辺の津波が襲うことがない標高地に集積して厳重保管することです。:田中一郎)
8.(別添PDFファイル)東芝減損隠し:原発幹部さえ疑う「64基計画」(『日経ビジネス 2015.12.7』)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/depth/120100143/?ST=pc
(名門企業・東芝の「終わりの始まり」はスタートしています。いわゆる「のれん」(企業買収時の企業価値以上の支払いプレミアム分)だけで東芝自己資本約1兆1千億円とほぼ同額の金額があります。これに「繰延税金資産」(将来、黒字になったら税金を払わなくて済む分、あるいは還付が受けられる分)という資産性の乏しい資産を加えると、債務超過転落は時間の問題でしょう。連結子会社で米原発メーカーWH(ウェスチングハウス)社の「のれん」償却を東芝本社が屁理屈を付けて償却しなかった理由は、償却できるだけの財務体力が残っていないというのが本当のところです。ちなみに、2006年ころまでは、東芝の貸借対照表上の「のれん」や「繰延税金資産」は大した金額ではありませんでした。西田、佐々木、田中と続いていく幹部経営者による東芝の原子力部門への傾斜経営方針=つまり、愚かにも原発にのめり込んでいったボンクラ経営者たちがなせる結果なのです。そして、その背後に現日本郵政の西村泰三がいました。彼は今頃になって東芝の顧問をやめると言っているようです。:田中一郎)
(関連)相談役ポスト廃止へ=西室氏、任期途中で退任―東芝
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20151217-00000211-jijf-bus_all
9.「広島2人デモ」さんの優れものレポート紹介
(1)「原発から5km圏の5歳未満の子ども達に白血病が多発している」とするドイツ連邦政府のKiKK研究(広島2人デモ vol143 2015.12.4)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151204.pdf
(2)長期間低線量外部被曝は過剰ながん死を増大させる(広島2人デモ vol142 2015.11.27)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151127.pdf
(3)原発苛酷事故や放射能からの避難を覚悟してまで伊方原発を再稼働させる経済合理性はない(広島2人デモ vol139 2015.11.6)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151106.pdf
草々
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会計検査院の指摘、他紙で見て気になっていました。毎日の記事の紹介ありがとう
ございます。
投稿: katsukoのブログ | 2015年12月20日 (日) 09時29分
会計検査院の指摘、なるほど、そうですね。紹介ありがとうございます。
それから、「なすべきことは、被害者の完全救済の保障を国が責任をもって行った上で、福島県のみならず、東日本一帯の放射能汚染ゴミを、福島第2原発敷地を含む福島原発周辺の津波が襲うことがない標高地に集積して厳重保管することです。」 そうですね。急いでそのように軌道修正しないと日本中がどんどん汚れてしまいますね。また拝見させていただきます。
投稿: | 2015年12月20日 (日) 16時19分