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2015年11月14日 (土)

日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その4):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(2)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

(TPP協定は市民運動・社会運動に共通した最悪の亡国協定と考えております。もちろん原発や放射能汚染・被ばくとも大いに関係します)

 

下記ブログに既に掲載いたしておりますが、1か月ほど前の1018日にお送りしたメールに続き、「日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その4):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(2)」をお送りいたします。これまでに私からお送りした同シリーズのTPP関連メールは下記の3点です。

 

(1)日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その1):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(1)  いちろうちゃんのブログ http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-a416.html

 

(2)日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その2):(この動画、今すぐにご覧ください)「TPPで日本の医療制度が崩壊する!?」  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/2-7be1.html

 

(3)日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その3):(メール転送です)「TPP大筋合意」は「大ウソ合意」だった=マスごみの繰り広げる政権広報報道(内田聖子氏インタビュー他)  いちろうちゃんのブログ http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-41b9.html

 

また、さる1113(金)の午後3時半~5時、衆議院第1議員会館において「TPP交渉における情報公開と大筋合意からの撤退を求める院内集会」がTPPに反対する市民団体の主催で開催されました。それについては、下記の録画(VTR)をご参照ください。当日は複数の国会議員(民主党、共産党)も集会に参加し、興味深い発言がなされました。ぜひVTRをご覧になってみてください。(三輪さん、いつも貴重な録画映像のご提供、ありがとうございます)

 

特に民主党の篠原孝議員(衆議院:長野)からは、TPP協定の正式な文書としては、英語、フランス語、スペイン語の3つの言語のものしかなく、TPP協定参加国の中では日本がアメリカに次いでGDPが大きな国であるにもかかわらず、おかしなことになっている。加えて、英語圏の国々では、その英語版の協定書がオープンになって一般の有権者・国民・市民もその内容を知ることができるのに対して、日本だけが英語のものしかなく、それを日本政府が日本語に翻訳して公開しないことから、参加国の中で日本の有権者・国民・市民だけがその内容を知らない状態に陥れられている旨の発言がありました。(それでどうしてTPP協定賛成などと言えるのか、という当たり前の発言もありました。TPP協定を情緒的に賛成してはいけません。しっかりと協定や付属文書の内容を確認する必要があります)

 

また、私からは、マスコミのTPP報道が全国紙はいずこもあまりにひどい内容なので、特に朝日新聞と毎日新聞について、強力な申し入れや抗議の電話などにより、TPP協定の危険な内容をきちんと報道する本来のマスコミの役割を求める運動も併せて取り組むべきである旨の発言をしています(VTR参照:最後の方です)。

 

20151113 UPLAN TPP交渉に関する情報公開と大筋合意からの撤退を求める院内集会-このまま進めることは許さない!100団体を超える市民の声をぶつけよう- - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=CyKNgWMIaFQ

 

今後については、まず1116日(月)に下記のイベントが予定されています(以下はメール転送その他です)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆TPP交渉差止・違憲訴訟 第2回口頭弁論期日のご案内 11/16 月曜日 1430分~ 東京地方裁判所103法廷

 http://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai/

 

13時30分 東京地方裁判所門前集会(東京地方裁判所正門付近)

14時00分 抽選券・傍聴券配付開始(東京地方裁判所入口付近(正門側))

 

※抽選に漏れた方は、1430分~衆議院第1議員会館多目的ホールの集会にご移動ください。

14時30分 第2回口頭弁論期日開始(東京地方裁判所103法廷)

 

【期日の概要】

①原告代理人(弁護団)意見陳述元外務省国際情報局長・孫崎享氏(予定)

 NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク事務局長・赤城智子氏(予定)

②今後の裁判の進行に関する議論ほか

 16時00分 報告集会(衆議院第1議員会館多目的ホール)

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkaimap.html

 

▼フェイスブックイベントページ「裁判でTPPを止めよう!」はこちらから。

 https://www.facebook.com/events/544742285692801/

 

●TPP交渉差止・違憲訴訟にご協力ください! TPP交渉差止・違憲訴訟の会

 http://tpphantai.com/

 

次に、2015129日(水)に、参議院議員会館「講堂」において「検証TPP:全国フォーラム」が計画されています。

 時 間:13:00~17:00

 内 容:(第1部)TPP「合意」を検証する

     (第2部)TPP協定の調印を止めるために

 

それから、TPP協定により、日本農業は壊滅的な打撃を受け、中長期的に政策的に「安楽死」させられる方向に向かうことになりますが、これまで幾度となく申し上げてきましたように、TPP協定は農業だけの問題ではありません。消費者・国民の全生活・全存在に関係して、対米隷属と一握りの多国籍大資本・資産富裕層の金儲け事業に翻弄されることになります。従いまして、見えやすいけれども農林水産政策と密接に関係して少し複雑な農林水産業とTPP協定の関連については後日ご説明申し上げることにして、今回のメールでは、さしあたり農業に関して、主要品目ごとに、コンパクトにまとめられた直近の新聞記事だけを別添PDFファイルで添付しておきます。

 

そして、申し上げるまでもありませんが、自国の農業を「安楽死」させるTPPのような国際協定など、認めるわけにはいきません。主食のコメを粗末にし、自国の農業を足蹴りにして衰退させるような国や国民の行く末には、暗い未来が待ち受けています。

 

 <別添PDFファイル>

(1)知りたいTPP 輸入米 最大7.8万トン増(毎日 2015.11.13

http://mainichi.jp/auth/logined_meter_over.php?url=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Fshimen%2Fnews%2F20151113ddm008020041000c.html&usid=web

(2)徹底TPP報道:農水省 影響を分析、米麦 価格が下落(日本農業 2015.10.30

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35179

(3)TPP どうなる日本農業:牛肉、関税 16年目に9%(日本農業 2015.10.29

 http://image.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35171

(4)TPP どうなる日本農業:豚肉、安い肉の輸入増懸念(日本農業 2015.10.31

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=33935

(5)TPP どうなる日本農業:鶏肉・鶏卵、全品目で関税撤廃(日本農業 2015.11.11

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151009-00010000-agrinews-pol

(6)TPP 価格はこうなる:野菜、店頭への影響限定的(日経 2015.11.13

 http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0191247.html

(7)TPP価格はこうなる 果実:オレンジ、原価高で相殺(日経 2015.11.5

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35142

 

(上記は必ずしも当該記事と同じサイトではありません。当該記事のサイトが存在しないので、同主旨のサイトのURLをご紹介しています。なお、日本農業新聞のTPP関連記事については、下記のサイトにまとめられています)

 

●日本農業新聞 e農ネット - TPP報道

 http://image.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?cat_id=97

 

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さて、今回コメントを続ける政府公表のTPP概要のペーパーは下記のサイトにあります。

 

(1)内閣官房 環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要(2015.10.5

 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou.pdf

 

(2)農水省 TPP農林水産物市場アクセス交渉の結果(2015.10.5

 http://www.maff.go.jp/j/kokusai/tpp/pdf/tpp_1.pdf

 

また、上記を含めて、政府が公表したTPP協定関連の諸文書類は下記のサイトにあります。

 

(関連)TPP政府対策本部(内閣官房)

 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/

 

(関連)農林水産省 HP(TPP関連サイトは画面中央の一番上に「注目情報」の中に2つ並んでいます)

 http://www.maff.go.jp/

 

(前回(その1)の続き=P12「ルール分野の概要」の「第2章.内国民待遇及び物品の市場アクセス」からです)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.P12「Ⅲ ルール分野の概要 第2章 内国民待遇及び物品の市場アクセス」

「物品の貿易に関して、各国の譲許表に従い関税を撤廃等することを規定するとともに、内国民待遇、輸出入の制限、再製造品の取扱い、輸出入許可手続の透明性、行政上の手数料及び手続、輸出税等、物品の貿易を行う上での基本的なルールを規定する。また、農産品の貿易に関連する、輸出補助金、輸出制限等について規定する。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

上記の文言だけを読むと、貿易の輸出・輸入について、あたかも対等平等に、その制限や規制が撤廃され、自由な輸出入が行われるようになるかの印象を受けるが、実際はそうではない。農林水産物を中心に、輸入する国は、自国の農林水産業を守る等のための輸入制限や制限につながる関税などが厳しく限定され、あるいは禁止・撤廃されるが、他方で、輸出する側は原則として自由に輸出の制限を行うことができる、おかしな取り決めになっている。これはWTOでも同じである。これでは、食料などの生産産業を低価格品の輸入品の洪水で潰してしまった国が、いざ食糧危機に陥った場合に、食料を必要な量だけ輸入で確保できない事態に陥りかねない。WTOやTPP協定などの国際協定が、輸出をやりたい放題にしながら輸入制限に偏っていることは、これらの協定の本質的な性格をよく現している。つまり、輸出の大半を牛耳る巨大多国籍資本の金儲け事業の妨げにならないよう、輸入サイドのさまざまな国境措置や経済的社会的規制を取り払うけれども、輸出サイドのフリーハンドは保持しておくという身勝手なものである。輸出制限のみならず輸出税や輸出割当をはじめ、輸出サイドの基本ルールはほとんど改善されておらず、輸入サイドへの極端な規制緩和・撤廃の押付けと比較して、その不均衡が目に余る。

 

それから直接は関係がないが、もう一つ、理不尽なアンバランスのことを申し上げておくと、TPP協定は、アメリカの様ないわゆる連邦国家(複数の独立した州が連邦を形成している)では、少なくとも州法についてはTPP協定は効力を発しないということだ。最初、これを目にしたときには目を疑ったが、どうも本当のようである。アメリカのみならず、カナダもそうだし、ひょっとするとオーストラリアもそうかもしれない。他方で、日本のような国に対しては国内法に対してTPP協定が優越する。これはまさに「不平等条約」そのものではないか。今から100年近く前に明治政府・大正政府がやっとの思いで撤廃をさせた不平等条約を、今回は国を挙げて喜んで締結しようというのだから気が知れない。更に昨今では、前回のメール(その2)でご紹介したTV番組で、評論家・執筆業の堤美果氏が「TPP協定は、アメリカでは国内法の下にある」などと発言している。これだと、州法のみならず連邦法もTPP協定には従わないということになり、およそ国際協定の体をなさないこととなる。堤美果氏の発言の信ぴょう性についてはよくわからないが、少なくとも州法レベルでは、片務的な縛りが強制される不平等条約そのもののようである。

 

2.P13「第3章.原産地規則及び原産地手続」

「(2) 輸出者、生産者又は輸入者自らが原産地証明書を作成する制度の導入(貿易手続の円滑化)」と書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 これで本当に大丈夫なのだろうか? 原産地規則が「自己証明」などという方法でゴマカシなく運営できるのだろうか? 第三者の抜き打ちチェックや違反の場合の罰則などもないのか?

 

3.P14「(4)広域FTA化による原産品輸送の容易化(立証負担の緩和)」

「なお、自動車の原産地規則について、完成車については、控除方式による付加価値基準を用いる場合は55%となっている。」と書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 55%でも、メキシコなどの部品の自国生産割合が高い自動車生産国は不満だったと報道されている。他方、日本のようにTPP協定に参加しない国(たとえばタイ)で自動車の部品を多く生産しているような場合には、逆に55%は高すぎると言われているようだ。これで自動車産業の日本側利益が守れたと言えるのか?

 

4.P15「第4章.繊維及び繊維製品」

「内国民待遇及び物品に関する市場アクセス章、原産地規則及び原産地手続章、貿易救済章とは別に、TPP域内における繊維及び繊維製品の貿易に関する原産地規則及び緊急措置(セーフガード措置)等を規定する。具体的には、原産地規則や緊急措置のほか、関税法令違反等に係る締約国間の協力、原産品であること等の確認等について規定する。」などと、霞が関文学の文章でサラリと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 しかし、自動車産業などと比較して、繊維産業の場合には、関税撤廃やセーフガードなど、多くの点において、自動車産業の国内保護ないしは国内産業振興のための政策的コミットが不当に小さいように思われる。産業部門間において、かように極端に不平等・不均一・不均等の国際協定を締結していいのか。自由経済を政府・政策が歪める、競争政策上、問題のある協定となってしまっているのではないか(政府が特定産業に正当な理由もなくテコ入れをしすぎている)。

 

5.P16「第5章.税関当局及び貿易円滑化」

「税関手続について予見可能性、一貫性及び透明性のある適用を確保するとともに、締約国間の協力の促進、国際基準への調和、通関等の手続の迅速化、行政上及び司法上の審査の確保等について規定。本章のルールにより、例えば以下のようなメリットが考えられる。

(1)迅速通関(関税法の遵守を確保するために必要な期間(可能な限り貨物の到着から48時間以内)に引取りを許可)

(2)急送貨物(通常の状況において、必要な税関書類の提出後6時間以内に引取りを許可)」

などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 しかし、輸入品が常に安全で適正であるとは限らない。様々な危険性を伴っていたり、社会的に必要不可欠な規制・規則に違反しているなどの可能性もある。にもかかわらず、(1)48時間以内、(2)6時間以内、で無条件に国境でのチェックをパスさせていいはずはないだろう。それを「メリット」などとはよく言ったものである。輸入品についての様々な観点からの厳格なチェック(例えば食料品であれば、食品としての安全性と表示の適正性チェックなど)は消費者・国民から見れば最優先されるべき価値であるが、輸出による金儲けが目当ての多国籍大資本にとっては、商売の邪魔者以外の何物でもない。TPP協定は、後者に重きを置き後者を最優先にして、前者の安全や利益を踏みにじっても、貿易品の国境措置を小さく押し縮めてしまおうという内容となっている。日本政府はどっちを向いて仕事をしているのか。

 

6.P16「第6章.貿易上の救済」

「輸入急増による国内産業への重大な損害を防止するため、一時的に緊急措置(経過的セーフガード措置)をとることができる旨を規定する他、ダンピング防止措置及び相殺関税措置に関する規定を置いている。(中略)なお、セーフガード措置については、同一産品に対する二回以上の経過的セーフガード措置の発動の禁止等、WTO協定にはない内容が規定されており、各締約国による経過的セーフガード措置の濫用を抑制する効果が期待される。」などと、何の問題もないかの如くサラリと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 しかし、既に新聞報道されているように、アメリカとカナダの自動車の輸入に関しては、他の国や産品には見られない特権的なセーフガード措置が保障される一方で、日本の豚肉については、一定期間後にはセーフガード措置は廃止、牛肉についても、4年間発動されなければ廃止とされ、しかもその発動水準が年々、日本側に不利になっていくような内容になっていて、これまた不平等条約さながらである。日本政府は、アメリカやカナダの自動車産業は精一杯保護し大切にしなければならないが、日本国内の豚肉・牛肉などの畜産・酪農業については、テキトーにあしらっておけばいいと考えている様子である。日本の有権者・国民・市民は、こういう売国奴的な人間達(自民党政治家や霞が関幹部官僚ども)を政府の要人にしてはいけない。今後のあらゆる選挙で自民党議員たちを落選させ、政権交代を経て、こんどこそ霞が関の官僚組織の抜本的改革に踏み出そうではないか。

 

(関連)車輸入で米・カナダに特例…TPP全章判明 経済 読売新聞(YOMIURI ONLINE

 http://www.yomiuri.co.jp/economy/20151105-OYT1T50058.html

 

7.P17「第7章.衛生植物検疫(SPS)措置」

「各締約国が実施する衛生植物検疫措置が貿易に対する不当な障害をもたらすことのないようにすることを確保することに関する規定を設けている。」「SPS章は、科学的な原則に基づいて、加盟国に食品の安全(人の健康又は生命の保護)を確保するために必要な措置をとる権利を認めるWTO・SPS協定を踏まえた規定となっており、日本の制度変更が必要となる規定は設けられておらず、日本の食品の安全が脅かされるようなことはない。」「(2)SPS章の規定の下で生ずる事項について懸念がある場合には、180日以内に解決することを目的として、要請の受領から37日以内に専門家が関与する協議(TPP協定独自の協力的な技術的協議)を求めることができる。」

 

(田中一郎コメント)

 このSPS協定に関連することは、食品の安全性や輸入動植物の安全性に関連して多くの問題があるが、下記では次の3点だけをさしあたり申し上げておく。

 

(1)WTOもTPP協定も、SPSについては、いわゆる「科学主義」なる一見もっともらしく見える「インチキ制度」を協定締約国に押し付け、輸出する側の利益の極大化を図ろうとしている。この「からくり」は簡単なことで、国際的な基準をつくる組織=たとえばコーデックス委員会などを輸出側の多国籍大資本が牛耳って、その規制基準を非常に低いレベルに抑え込み、これを上回る規制は規制をする輸入側がその規制の上乗せ強化の科学的根拠を示せ、というものである。本来は、食品などを輸出する側がその安全性を立証すべきものなのだが、その「安全性立証責任」を輸入する側に転嫁・転換して押し付けているのである。

 

 これにより、科学的な立証体制の整わない発展途上国はお手上げとなる。また日本などの国でも、立証するためのコストや体制づくりの問題、あるいは様々なレベルからの政治的な圧力もあって、国際基準を上回るような安全規制や適正化規制を入れることを規制当局(国や自治体など)が逡巡したり自己抑制したりする傾向が目立ってきている。結果として、低レベルの安全・適正化基準のまま、輸出入がなされていく事態に陥っているのが現状なのである。TPP協定が発効となれば、ISDS条項とも相まって、益々この傾向は強くなり、貿易品から消費者・国民の安全や健康、あるいは社会的公正を守ることができなくなってしまう可能性が高まる。本来、貿易される品物は輸出する側=売る側がその安全性や適正性を科学的に立証する責任がある。この当たり前のことを国際ルールにしていないような協定は締結してはいけないし、WTOも含めて、現状を変えていく必要があるのである。世界各国の多くの有権者・国民・市民と協力して進めていけば、必ずこの「インチキ制度」=「科学主義」は撤廃でき、それに代えて「予防原則」が導入されなければならないのだ。

 

(2)上記の「(2)SPS章の規定の下で生ずる事項について懸念がある場合には、180日以内に解決することを目的として、要請の受領から37日以内に専門家が関与する協議(TPP協定独自の協力的な技術的協議)を求めることができる。」は、簡単に言えば、輸入国に対して「つべこべ言うのも180日以内にしておけよ」という、輸出する側からの一種の政治的恫喝であると考えておけばよい。そんなことまでして、輸入を促進する必要など全くない。安全でないもの、適正でないものは、断固として国境措置ではねつけ、輸入など認めてはならない。

 

(3)WTOも含めて、このSPS協定のおかげで、貿易品目に対する新たな事態に対応した安全規制や社会的な適正化規定が非常に導入しにくくなっている。加えて日本の場合には、政府が対米隷属色を強めているため、アメリカからのごり押しに対してSPS協定を理由に、その対抗措置がとれない事態が散見されるようになってきている(たとえばBSE汚染リスク牛肉の輸入解禁や成長ホルモン残留牛肉の輸入フリーパスなど)。SPS協定は、今や自由貿易体制の悪性ガンの一つともいえる。

 

8.P17「第8章.貿易の技術的障害(TBT)」

「強制規格、任意規格及び適合性評価手続の導入に際し、他の締約国の利害関係者の参加及び意見提出の機会を与えること、国際規格に適合的な措置であっても貿易に著しい影響を与える場合はWTOに通報すること、WTO通報と同時に締約国に当該通報及び提案を電子的に送付すること等を規定している。」「遺伝子組換え食品表示を含め、食品の表示要件に関する日本の制度の変更が必要となる規定は設けられていない」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 かような規定は明らかに国家主権の侵害であり、削除されるべきものだ。逆に言えば、この規定により、輸出する側は徹底して輸入側の国内規制措置や規格・品質規定、産業ルールなどを叩くことにより、自分たちの利益・利害のための「自由化」をごり押ししてくるだろう。本来は、輸出業者が各国の規制に素直に従って貿易をすればいいだけの話である。それに対して不満があるのであれば、自国政府を通じて政府間交渉に持ち込むよう努力すればいい。それを「意見提出の機会」の付与はともかくとして、「手続の導入に際し、他の締約国の利害関係者の参加」を輸入国に認めさせるとは、いったい何事ぞ、ということだ(しかも自国民の参加さえ全く認めない日本のような国がだ)。

 

また、遺伝子組換え食品の表示についても、「今の日本の制度の変更が必要となることはない」だけでは話にならない。何故なら、日本の食品表示制度は、今や遺伝子組換え食品表示も含めて、発展途上国よりもひどい「非表示」「まぎらわしい表示」「ウソの表示」となっており、これを抜本的に消費者のためになる形で厳しく改正しなければならないからだ。今回のTPP協定におけるかようなTBT規制があると、日本の現状の食品表示の規制の抜本改正がますます困難になってしまう。

 

つまり、かようなTBT条項は撤廃あるのみなのだ。

 

(メールが長くなりますので、今回はこの辺で終わります。次回はP18「第9章.投資」からです)

草々

 

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