« (今注目の人)田辺文也さんの説明を知らずして、もはや福島第1原発事故は語れない=東電本店・吉田所長以下、原発緊急時の「手順書」を無視しての素人まがいの場当たり的対応の繰り返しが過酷事故を招いた、2,3号機は炉心溶融を回避できた | トップページ | 原発・原子力トンデモ情報 (1)原発稼働電力との契約打ち切りで経営危機に追い込め (2)原子力規制「先送り」委員会 (3)原子力損失「先送り」名門企業(続き) (4)核燃料サイクルせず (5)内部被曝ゴマカシ科学 他 »

2015年11月17日 (火)

日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その5):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(3)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(最初に若干のこと)

1.TPP交渉差止・違憲訴訟 第2回口頭弁論と、その報告会

 昨日(11/16:月)、標記の第2回公判とその報告会(衆議院第1会館多目的ホール)が開催され、予想を上回る大勢の方々が参集されました。日本のすべてを多国籍大資本と米国の国益のために差し出す売国奴協定=TPPに対する怒りと懸念の声が全国的に高まりつつあります。公判では、裁判の門前払いを画策する国側の抗弁を退けて、少なくとも来年4月11日(月)(午後230分)の第4回公判まで裁判が継続となりました。また、後半の「裁判報告会」では、衆議院第1の大会場である多目的ホールがいっぱいとなって立ち席となるなど、この裁判への注目度の高まりと反TPP運動の盛り上がりを感じさせるものでした。下記には、東京地裁前の集会と、公判後の「報告会」の一部始終が録画されておりますので、ぜひご覧ください。非常に重要な中身になっています。なお、次回の公判は来年の222日(月)(午後230分)とのことでした。追って下記サイトに案内が掲示されると思いますのでご注目ください。

 

(非常に残念なことに、公判前の集会や公判後の報告会には、農協系統・漁協系統や日本医師会、あるいは連合・労働組合など、TPP協定によって大きなダメージを受けそうな団体の「団体参加」はなかったように思います(担当者が様子を見に来ていたかもしれない)。まだ、協定の仔細がすべて固まったわけでもなく、協定書の公式文書も公開されず、もちろん調印もされていないにもかかわらず、これらの団体は早くもTPP断固反対を貫かないままに、「モノくれ、カネくれ、自分を通せ(政策の施行)」という自己組織優先の「条件闘争=物取り闘争」に方針を切り替えてしまったかのような観があります。安倍晋三・自公政権の「国内対策先走り」政策に便乗しているのかもしれません。もしそうだとしたら、情けない限りです。こうした20世紀型の「老朽化・陳腐化」組織が、今後反国民的な自民党政権・支配権力の補完物・翼賛組織となっていくのは時間の問題のように思われてなりません。昔は、こうした団体に力があって自民党の政治を動かしていましたが(圧力団体)、今やこれらの団体が政治の下僕と化して、自己組織存続のために政治に額づいていくような時代になってきています。協同組合、業界団体、労働組合等々、そもそも、そのような組織が何のためにあるのかを、もう一度、徹底して問い直さなければならない時代になっています。)

 

(案内)【重要なお知らせ】11-16(月)TPP交渉差止・違憲訴訟 第2回口頭弁論期日のご案内 TPP交渉差止・違憲訴訟の会

http://tpphantai.com/info/20151030-announcement-of-second-oral-argument-about-tpp/

 

(関連)TPP交渉差止・違憲訴訟にご協力ください!TPP交渉差止・違憲訴訟の会

 http://tpphantai.com/

 

(録画)20151116 UPLAN【東京地裁前集会・院内集会前半】TPP交渉差止・違憲訴訟第2回口頭弁論期日 - YouTube

前半:https://www.youtube.com/watch?v=LEhJy8DkKL4

後半:https://www.youtube.com/watch?v=QGIPZnpDMq4

 

(田中一郎コメント:注目点は次のようなところです)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1)韓米FTA履行4年目の韓国の変化(弁護士ソン・キホさん)⇒ 別添PDFファイルのレポートもご覧ください。米韓FTAはTPP協定の先行版のような協定ですが、施行4年目にして、早くも韓国ではその「弊害」が目立ち始めています。今や「韓米FTAは失敗であった」が韓国での評価として定着し始めているのです。韓国はこれから、米国の経済的属国として、時間をかけて徹底的に搾り取られ、全産業・全生活のあらゆる面にわたりボロボロにされていくに違いありません。今、日本がそれを「自発的」に追いかけようとしているのです。ソン・キホさんによれば、韓米FTAが締結される時の韓国国内の様子と、TPP協定が締結されようとしている今の日本の状況があまりにそっくりなのには驚かされる、とのことです。気を付けよう、暗い夜道と、TPP、です。

 

(TPP協定の内容も確認しないまま、市場原理主義アホダラ教を信じ込み、マスごみや御用学者の言論の乗せられて情緒的に賛同していく日本の今日の様は、没落の経済大国の悲哀を感じさせます。この支配権力盲従の人たちをどこまで正気に戻せるかが勝負です:田中一郎)

 

(2)TPP交渉差止・違憲訴訟の公判報告と今後の見通しについて、担当弁護士や複数の人が語っています。日本の裁判所が、原発差止裁判と並んで、ここでも司法としての認識と良識が問われています。TPP協定のISDS条項や秘密交渉取り決めなどなどによって日本国の裁判権や国会の審議権・議決権・立法権、あるいは有権者・国民の知る権利や食料主権という国家主権が奪われる・脅かされる事態に対して裁判所がどう判断するのかということです。被告の国は「早く門前払いせよ」との立場で原告側の陳述さえ認めるななどと申し立てているようですが、原告側弁護団の頑張りで当面は来春まで裁判の継続が決まっています。

 

(3)民主党衆議院議員の篠原孝氏が、①TPP協定交渉参加国の中で日本は米国に次ぐGDP大国であるにも関わらず、協定書の公式文書は英語・仏語・スペイン語の3つの言語で書かれていて日本語のものはないというトンデモ事態になっていること(これ自体を国会で追及せよ:田中一郎)、②民主党内はTPP反対一枚岩ではない=今月のたった1日の国会臨時審議で、衆議院民主党はTPPについて、ほとんどまともな質疑や政府追及をしていない(参議院は徳永エリ議員が質疑を行ってOK状態)=こんな民主党でいいのかなとのこと、③アメリカの対日輸出の筆頭格は、医薬品、航空機、医療機器、なので、アメリカの狙いは日本の皆国民健康保険をつぶすことではなく、そこに税金をもっと入れさせて、米国産の医薬品や医療機器を高い値段で買わせること、TPP協定の大きな狙いはそこにあり、などの発言があった。的を得ている。財・サービス貿易の面では、保険・金融、医療・医薬、特許・知的財産権、農産物・食品などが狙われている。

 

(4)TPP協定に並行して、日米並行協議や協定参加各国との個別取り決めのようなことが行われている。これらについてはTPP協定の一部を構成するものと考えていいのか(つまり国会承認が必要なのか)、また、これらについても、日本語や英語以外の言語での合意文書は作られているのか、との質問を私の方からしております。日米並行協議はTPP協定を上回る内容の市場原理主義的措置になっているようです。(回答はVTRをご覧ください)

 

(5)アレルギー症状に苦しむ子供たちの親子でつくる団体「あとぴっこ」の赤城さん・近藤さんからスピーチがあり、TPP協定によって飲食に含まれるアレルギー物質の混入基準や表示基準が緩和されたり撤廃されたりすることは本当に困る、命に関わる死活問題である旨、お話がありました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

なお、別添PDFファイルには、引き続きTPPと農業関係の新聞記事を添付しておきます。農業については、もう少ししてからまとめてご説明いたします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)韓米FTA履行4年目の韓国の変化(前半)(ソン・キホ弁護士 2015.11.16

「beikan_ffta_sonkiho_1.pdf」をダウンロード
(2)韓米FTA履行4年目の韓国の変化(後半)(ソン・キホ弁護士 2015.11.16

「sonkiho_2.pdf」をダウンロード
(3)日本の農業は壊滅の恐れ、米国追随の「合意」を絶対に認めてはならない(鈴木宣弘『週刊金曜日 2015.10.21』)

(4)TPP大筋合意という茶番劇(『選択 2015.11』)

(5)TPP;乳製品 新たに民間の輸入枠(日本農業 2015.11.7

(6)畜産危機とTPP 酪農と肉牛衰退は連動(日本農業 2015.11.2

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35210

(7)TPP価格はこうなる:水産品、関税低く影響限定的(日経 2015.11.16

 

 <関連サイト>

(1)サルでもわかるTPP:TPPは農業問題じゃないヨ! 放射能のように、日本人すべての上に降りかかってくる大問題! 原発よりも危険かも!!

 http://luna-organic.org/tpp/tpp.html

 

(2)サルでもわかるTPP:プロジェクト99

 http://project99.jp/?page_id=75

 

(ここから本文)

===================================

さて、今回コメントを続ける政府公表のTPP概要のペーパーは下記のサイトにあります。

 

(1)内閣官房 環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要(2015.10.5

 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou.pdf

 

(2)農水省 TPP農林水産物市場アクセス交渉の結果(2015.10.5

 http://www.maff.go.jp/j/kokusai/tpp/pdf/tpp_1.pdf

 

また、上記を含めて、政府が公表したTPP協定関連の諸文書類は下記のサイトにあります。

 

(関連)TPP政府対策本部(内閣官房)

 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/

 

(関連)農林水産省 HP(TPP関連サイトは画面中央の一番上に「注目情報」の中に2つ並んでいます)

 http://www.maff.go.jp/

 

(上記(1)のP18「第9章.投資」からです)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.P18「第9章.投資」

「投資財産の設立段階及び設立後の内国民待遇及び最恵国待遇、投資財産に対する公正衡平待遇並びに十分な保護及び保障、特定措置の履行要求(現地調達,技術移転等)の原則禁止、正当な補償等を伴わない収用の禁止等を規定している。また、投資家と国との間の紛争の解決(ISDS)のための手続も規定している。」と書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 今や悪名とどろきわたる、いわゆるISDS条項に関する記述である。投資受入国の国内法制に従いたくない多国籍大企業群が、国家主権である司法権・裁判権を越えて、自分たちの利益に反するあらゆる投資受入国の法制や慣習などを世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」という第三者機関に訴えることができるという制度・仕組みのことである。昔の言葉で言えば「治外法権」、これまで述べてきた関税撤廃=「関税自主権の放棄」と並んで、国際取引協定が「先祖がえり」をしているかのごとくである。しかも、この「国際投資紛争解決センター」における裁判がインチキそのもので、非公開、一審制、訴えを拒否できない、勝っても被告の政府は裁判費用を一定額負担など、投資受入国には最初から不利であるだけでなく、このセンターがアメリカ傘下の世界銀行の付属組織のようなところであるため、社会的な公正の観点で審議・判決がなされるのではなく、アメリカの息がかかった判事の下で、多国籍大企業群に有利な判決が次々に出されるという「不公正」「我田引水」のトンデモ組織なのである。かような条項は自国の主権の放棄=国民主権侵害以外の何物でもなく、断固として退けられなければならないものだ。

 

 詳しい説明は、さしあたり下記の3つのサイトをご覧いただければと思う。各サイトにある「ラチェット条項」という、もう一つの「毒薬条項」(ポイズンピル)についてもご覧になっておいていただきたい。

 

(1)米国丸儲けの米韓FTAからなぜ日本は学ばないのか 「TPP亡国論」著者が最後の警告!|エディターズ・チョイス|ダイヤモンド・オンライン

 http://diamond.jp/articles/-/14540

 

(このサイトのNO.4~6あたりにISDS条項やラチェット条項が出てきます)

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さらに米韓FTAには、いくつか恐ろしい仕掛けがある。その一つが、「ラチェット規定」だ。ラチェットとは、一方にしか動かない爪歯車を指す。ラチェット規定はすなわち、現状の自由化よりも後退を許さないという規定である。

 

 締約国が、後で何らかの事情により、市場開放をし過ぎたと思っても、規制を強化することが許されない規定なのだ。このラチェット規定が入っている分野をみると、例えば銀行、保険、法務、特許、会計、電力・ガス、宅配、電気通信、建設サービス、流通、高等教育、医療機器、航空輸送など多岐にわたる。どれも米国企業に有利な分野ばかりである。加えて、今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が米国に対する条件よりも有利な場合は、米国にも同じ条件を適用しなければならないという規定まで入れられた。

 

 もう一つ特筆すべきは、韓国が、ISD(「国家と投資家の間の紛争解決手続き」)条項を飲まされていることである。このISDとは、ある国家が自国の公共の利益のために制定した政策によって、海外の投資家が不利益を被った場合には、世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」という第三者機関に訴えることができる制度である。

 

 しかし、このISD条項には次のような問題点が指摘されている。ISD条項に基づいて投資家が政府を訴えた場合、数名の仲裁人がこれを審査する。しかし審理の関心は、あくまで「政府の政策が投資家にどれくらいの被害を与えたか」という点だけに向けられ、「その政策が公共の利益のために必要なものかどうか」は考慮されない。その上、この審査は非公開で行われるため不透明であり、判例の拘束を受けないので結果が予測不可能である。また、この審査の結果に不服があっても上訴できない。仮に審査結果に法解釈の誤りがあったとしても、国の司法機関は、これを是正することができないのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

●ちなみに『TPP亡国論』の著者とは中野剛志氏です。

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032556008&Action_id=121&Sza_id=B0

 

(2)弁護士川口創のブログ:TPPのISD条項の違憲性

 http://kahajime.exblog.jp/20771497/

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ISD条項の特徴をまとめれば、次の点が上げられます。

<1>国家対国家、という国際法の概念から離れて、投資家(企業)に国家を提訴する権利を与えている点、

<2>国内で起こった紛争であるにもかかわらず、提訴した投資家が紛争解決を「国際投資紛争解決センター」などの国際仲裁機関を選択した場合、当該国際機関によって司法判断が下される点、

<3>国際機関に訴えられた政府等には、当該裁判を拒む権利が認められていない点、

<4>国際投資紛争センターが世界銀行参加の組織であり、公正中立性が保証されない点、

<5>ISDの適用範囲が極めて広汎であり、あらゆる分野が「非関税障壁」として投資家から訴えられるリスクを抱える点

などが、ISD条項の特徴です。

 

 つまり、ISD条項は、第一次裁判権を日本の司法ではなく外国投資家が選択する国際投資仲裁機関に付与することを認めるため、日本国内で生じた紛争であるにもかかわらず、日本国内での裁判を行う司法権限が奪われることになります。憲法に照らしてみた場合、司法権が我が国の裁判所に属するとした76条1項に反するものであり、我が国の司法主権の侵害に他なりません。政府が今行おうとしていることは、司法主権の売り渡しです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(3)【TPPのデメリット】ISD条項とは①

 http://www.news-3.com/tpp-yougo/tpp-isdjyoukoutoha1.html

 

それから、更にP12には次のようにも書かれています。

「(4) 地方政府の措置に関する国家間協議メカニズムの導入

米国、カナダ、オーストラリア等の連邦制国家では州政府が多くの規制を行っているところ、地方政府による協定違反の投資規制に対して国家間で対応策を協議するメカニズムを新たに導入。」

 

(田中一郎コメント)

 これはかねてより申し上げているように、TPP協定は米国、カナダ、オーストラリア等の連邦制国家の場合には、州政府・州法制には適用されない=TPP協定に従わなくてもいい、ということを意味しています。他方で、日本をはじめアジアや南米のTPP協定参加国はTPP協定が国内法の上にくる形になっています。かような「不平等条約」「不均衡・不均等協定」など、締結する意味があるのかということです。

 

更に更に、P12~13には次のように書かれています。

「ISDS手続に関しては、例えば、以下のような濫訴抑制につながる規定が置かれている。

〇 仲裁廷は、国家の義務違反の有無を判断する段階に至る前に、訴えが仲裁廷の権限の範囲外であるとの被申立国による異議等について決定を行う。

〇 全ての事案の判断内容等を原則として公開することを義務付ける。

〇 申立て期間を一定の期間に制限する。

 また、TPP協定投資章において、投資受入国が正当な公共目的等に基づく規制措置を採用することが妨げられないことが確認されている。」

 

(田中一郎コメント)

 全くバカバカしい「お慰め」文章です。上記のようなことで「カネと利益の亡者」である多国籍大企業が提訴を躊躇したり抑制したりするはずもありません。また、「投資受入国が正当な公共目的等に基づく規制措置を採用することが妨げられない」などと一般的抽象的に書いたところで、それが具体的にどういう場合に当てはまるのかを、上記の「国際投資紛争解決センター」なるインチキ裁判所が決めるのであれば、何の慰めにもお助けにもなりません。過去の事例から判断すると、多国籍大企業や投資FUNDなどは、敗訴がほぼ確定的に見込まれる場合であっても、裁判提訴によって被告となる諸国の政府や行政機関が委縮することを狙って提訴を乱発してくる可能性があるのです。特にアメリカ系の多国籍大資本は非常に行儀が悪くタチが悪いのです。やがて日本は多国籍大資本によって、政府も自治体も共にねじ伏せられる時代が来ることでしょう。我々の先祖が命がけで不平等条約の「条約改正」を実現させ、ようやく100年ほど前に欧米帝国主義諸国と少なくとも条約上はまがりなりにも「対等」の関係となったことも忘れてしまい(歴史を学ばないのだから知らないのかも)、そのボンクラの末裔が、今度は自分から、アメリカの永続的属国化の法制的固定化に「志願」していくのですから、開いた口がふさがりません。TPP協定に賛成だという大馬鹿者が、この日本に少なくないのは、まさに嘆かわしい限りです。ほんとうに心から「お前ら、アホか」と申し上げたい。

 

(ちなみに、ISDS条項で投資受入国が提訴されると、仮に勝訴した場合であっても裁判費用の一部負担が投資受入れ国政府に課せられることになっているようです。こんなところにも、多国籍大企業有利の不合理な仕組みが隠されています。:田中一郎)

 

(TPP協定の本質は「貿易協定」ではなく「投資協定」を含むところの「国際取引協定」です。その主眼は関税撤廃などにあるのではなく(関税撤廃が重要なのは農業分野など、一部に限られています)、上記のISDS条項やラチェット条項をはじめ、物品貿易や投資など関税以外のさまざまな国際取引に関する取り決めにこそ、TPP協定の狙いがあると言っていいでしょう。マスごみなどの報道に惑わされないようにいたしましょう。:田中一郎)

 

2.「第10章.国境を越えるサービスの貿易」

「国境を越える取引、海外における消費の態様によるサービスの提供、自然人の移動によるサービスの提供に関し、内国民待遇、最恵国待遇、市場アクセス(数量制限の禁止等)等について規定している。原則全てのサービス分野を対象とした上で、内国民待遇、最恵国待遇、市場アクセス等の義務が適用されない措置や分野を附属書に列挙する方式(いわゆるネガティブ・リスト方式)を採用している。これは、WTOのサービスの貿易に関する一般協定(GATS)が採用している上述の義務の遵守を約束する分野のみを列挙する方式(いわゆるポジティブ・リスト方式)と比較して規制の現状が一目でわかるため透明性・法的安定性・予見可能性が高い。」

 

「また、内国民待遇等の自由化に関わる規律を適用しないことが認められた措置について、協定発効後に、規制の緩和や撤廃を行った場合は、変更時点でとられている措置よりも後退しない、すなわち自由化の程度をより悪化させないことを約束するラチェット条項が置かれている。この条項は、投資・サービス分野において海外で日本企業が長期的に活動するに際し、規制の予見可能性が高まることを通じて、想定外の規制強化によって損害を被ることを防ぐ効果がある。他方、政策上、将来にわたって規制を導入し、又は強化する必要があり得る分野については、留保することが認められている(「包括的な留保」=いわゆる「将来留保」)。包括的な留保をした分野にはラチェット条項は適用されない。」

 

「日本は、社会事業サービス(保健、社会保障、社会保険等)、政府財産、公営競技等、放送業、初等及び中等教育、エネルギー産業、領海等における漁業、警備業、土地取引等について包括的な留保を行っている。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 ラチェット条項の危険性については、上記にご紹介したサイトにもある通りですが、やはり最大の危険性は、これから何が起きるかわからないし、経済や社会がどう変化し、どのような問題を抱えていくのか、完全に予測することなど不可能だという点にあります。さまざまな自然環境、経済環境、社会環境の変化の中で、政策や行政は場合によっては規制をかけたり強化したり、適正化のためのルールを決めたりしなければならないことも出てくるでしょう。しかし、この「ラチェット条項」があると、これがネックになって、そうしたことができなくなる、できにくくなってしまうのです。あらかじめ「ネガティブ・リスト」に入れたり、留保条項に入れたりしたとしても、それ以外の項目で様々なことが起きるのはいわば必然で、そうした場合に、この「ラチェット条項」は、それに対する対応を必ずや妨害してしまいます。

 

 また、ネガ・リストや留保に入れなかった事項については、現状では不十分な規制状態にある場合=たとえば遺伝子組換え食品の表示などの食品表示や、危険なものがたくさん混在・混入している食品添加物規制など、今ある状態以上の事態の改善や規制の強化ができなくなってしまうのです。それでは困ります。何故にかようなバカなことを約束しなければいけないのでしょうか。多国籍大資本のために、今後の経済的社会的な規制やルール作り=つまりは立法権を放棄するものに他なりません。

 

3.「第11章.金融サービス」

「越境での金融サービスの提供等に関し、内国民待遇、最恵国待遇、市場アクセス制限の禁止、行政における透明性の確保といったWTO協定と同種の規律のほか、経営幹部等の国籍・居住要件の禁止、支払・清算システムへのアクセス許可、保険サービス提供の迅速化等の貿易自由化の促進のための規律を協定本文で定めている。」

 

「また、連邦制国家の州政府による規制措置について、①情報提供の要請や、②当該措置により金融サービス提供上の重大な障害が生じている場合における国家間の協議の要請に係るメカニズムが設けられている。また、連邦制国家の州政府による規制措置について、①情報提供の要請や、②当該措置により金融サービス提供上の重大な障害が生じている場合における国家間の協議の要請に係るメカニズムが設けられている。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 金融の分野はアメリカにとっては「比較優位」の分野ですから、さまざまなことを狙っていると考えていいでしょう。とりわけ保険分野で、簡保と農協共済という2つの(アメリカ金融資本にとっての)「金城湯地」が狙われています。しかし、上記のような、一般的で抽象的で、しかも文章の主旨がよく読み取れない=何を言っているのかよくわからない文章の裏側には、有権者・国民・市民にはオープンにはできないロクでもないことが隠されていますので要注意です。そもそも、日本の金融市場・資本市場は、規制当局がきちんと機能しない「インチキ市場」の様相を呈して久しく、アメリカの厳しい市場規制からクレームがついているような状態ですので、これ以上「自由化」すれば、やりたい放題になるのではないか、との懸念が強いのです。 

 

そして、最後の方に申し訳なさそうに

「なお、金融サービス章の規定は、公的年金計画又は社会保障に係る法律上の制度の一部を形成する活動・サービス(公的医療保険を含む)、締約国の勘定、保証又は財源を利用して行われる活動・サービスには適用されないこととなっている。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 公的年金や医療保険は対象外ですよ、などと書いて、TPP協定の「真実」「正体」を知り始めた多くの有権者・国民・市民に広がり始めている不安や懸念に対して「慰め」を書いているわけです。それがどうした、ということにすぎません。こんな日本政府の「お慰め」文章では、本当のことはわかりません.原文を当たる他ありません(英語では困るんですけど)。

 

4.「第12章.ビジネス関係者の一時的な入国」

「日本は、「短期の商用訪問者」、「企業内転勤者」、「投資家」、「資格を有する自由職業家」(弁護士、公認会計士等を含む。)、「独立の自由職業家」、「契約に基づくサービス提供者」及び「(「短期の商用訪問者」を除く)それらの者に同行する配偶者及び子」に対し、入国及び一時的な滞在を許可することを約束しているが、いわゆる「単純労働者」の受入れを義務付けるような規定はない。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 しかし、国連人権委員会などから「現代の奴隷制度」「重大な人権侵害」などと指摘されています、かの悪名高き「外国人研修制度」についてはどうなのでしょうか、。この後、環境や労働など、関係当事者の心中には「みじん」もないような「美辞麗句」の「申し合わせ」や「目標」文言が出てきますが、そもそも足下の出鱈目でグロテスクな制度を放置しておいて、どんなきれいごとを言ってみてもむなしいでしょう。

 

(メールが長くなるので、今回はこの辺で終わりにいたします。次回はP26「第14章.電子商取引」からです)

草々

 

« (今注目の人)田辺文也さんの説明を知らずして、もはや福島第1原発事故は語れない=東電本店・吉田所長以下、原発緊急時の「手順書」を無視しての素人まがいの場当たり的対応の繰り返しが過酷事故を招いた、2,3号機は炉心溶融を回避できた | トップページ | 原発・原子力トンデモ情報 (1)原発稼働電力との契約打ち切りで経営危機に追い込め (2)原子力規制「先送り」委員会 (3)原子力損失「先送り」名門企業(続き) (4)核燃料サイクルせず (5)内部被曝ゴマカシ科学 他 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« (今注目の人)田辺文也さんの説明を知らずして、もはや福島第1原発事故は語れない=東電本店・吉田所長以下、原発緊急時の「手順書」を無視しての素人まがいの場当たり的対応の繰り返しが過酷事故を招いた、2,3号機は炉心溶融を回避できた | トップページ | 原発・原子力トンデモ情報 (1)原発稼働電力との契約打ち切りで経営危機に追い込め (2)原子力規制「先送り」委員会 (3)原子力損失「先送り」名門企業(続き) (4)核燃料サイクルせず (5)内部被曝ゴマカシ科学 他 »

最近の記事

無料ブログはココログ