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2015年11月

2015年11月29日 (日)

マンションのくい打ち偽装が示す日本の建築業界の質的劣化と堕落=多重下請・ピンハネ構造の下での「経費と時間の制約」を限りなく下請けに押し付ける今の建築業界の在り方を強制的に矯正しない限り、不正事件はまた起きる

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

みなさまご承知の通り、昨今、三井不動産が販売した横浜市の大型高層マンションで、巨大建築物を支える基礎工事中の基礎工事である「くい打ち」の偽装や工事データのすり替え不正が発覚し大問題となっています。マンションが傾いたり、耐震性に疑義が出たりして、表面化しました。不正工事を行っていたのは2次下請けの旭化成建材(元請は三井住友建設、1次下請は日立ハイテクノロジーズ)ですが、事件の内容や背景事情などを少し覗き込んでみますと、どうも今回の事件は旭化成建材という特定の会社や、同社の担当社員・下請けという特定の工事担い手の倫理・良識・誠実性や責任問題だけではすまない、建築業界そのものの構造的な問題が浮かび上がってきます。事実、その後も、このくい打ち偽装が旭化成建材社内では広く多くの役職員が関係して長期にわたり行われてきたことや、旭化成建材のみならず、くい打ち業者の大手である三谷セキサンやジャパンパイルなどでも行われていたことが発覚していますし、横浜のマンションだけでなく他の場所の他の業者のマンションでも同じようなことが起きていること、あるいは東洋ゴム事件などが報じられるようになりました。

 

2005年の姉歯・ヒューザー耐震偽装事件から約10年が経過し、日本の建築業界はあの10年前の事件を教訓として業界企業の隅々にまでその体質の抜本的改善を図り、二度とあのような一般の居住者・消費者・ユーザーを恐怖と不安に陥れない仕組みと体制の立て直しが求められていました。しかし、今回の再びの大事件発覚により(しかも広範囲)、その期待は根底から裏切られています。建築業界の益々の質的劣化と堕落、そして歪んだ業界の構造的問題の深刻化、更には、国土交通省や自治体など、管理監督行政の怠慢と不作為と無責任、あるいは業界との癒着による腐敗堕落と抜本的改善・改革の先送り、そしていわゆる建築確認行政の民間活用(市場原理主義)における利益相反など、これまで隠されつつ進められてきた建築業界・建築行政のさまざまな諸悪が、今回再び(定期的に)不正・不祥事事件として火を噴いているような気がします。私は一消費者・国民として許しがたいことだと考え激怒しています。

 

今やこの日本では、私たち一般の消費者・国民は、自分たちが日常に暮らす居住用の住居でさえもが安心して入手することができない事態に陥っているのでしょうか。事が深刻なのは、このマンションを売り出したのが、日本でもトップクラスのマンション業者である三井不動産であることです。業界のトップがこれでは、日本には信頼のできるマンション業者や建設業者は存在しないことになります。この事件に対するいい加減な対応や責任問題のあいまい化を許さないこと、すなわち関係当事者への厳しい刑事罰(懲役刑等)、厳しい行政罰(関係個人及び会社の関連免許取消等)、厳しい民事罰(万全の損害賠償補償)の各処分を断行することに加え、建築業界や官庁・役所の構造的諸問題の解決とそのための法整備などなどに着手していく必要があります。本来ならば10年前の姉歯事件の際に片づけておくべきことをせずに、いい加減な再発防止対策程度ですませていたことが今回の憂うべき事件をもたらしているのであって、前回のように、なすべきことを棚上げ・先送りにしたままでは、この国の建築物がそれこそ総体として危険建造物の集合体になってしまうように思われてなりません。

 

私は建築業界や建築行政・都市計画行政については全くの門外漢ですが、以下、今回の「くい打ち偽装」事件について思うところ・気が付いたことを列記しておきます。この分野における専門家の方々には、下記に書きましたことをきちんと受け止めていただき、直ちにその抜本改革に着手していただくことにより、事態の改善をお願いしたいところです。また、これまでに申し上げてきた同じようなことをここでも繰り返したくはありませんが、こうした建築業界の不祥事の頻度の高い発覚・大騒ぎの背後には、戦後の日本を世界有数の土建王国にしてしまった自民党政治家達と国土交通省(旧建設省)を中心とした霞が関官僚達の「どうしようもない体質」が横たわっているのであり、これに鋭いメスを入れない限りは、いつまでたってもこの建築業界の「正常化」は図れないだろうと思われることです。彼らにとっては、建築とは一般の消費者・国民・ユーザーのためにあるのではなく、業界と癒着をし、業界とともに自らの利権と利益を増進していくために存在しているのでしょう。だからこそ、一般の消費者・国民・ユーザーの居住の安全性や建築物への信頼などは、業界を支配する一部の建築業者の事業や金儲けが保障されてこそ、のものとして、優先順位が劣後する状態に追いやられています。つまり、今の自民党政権と、そのよって立つ基盤をそのままに放置していては、こうした事件や業界・官庁・役所の構造や体質は今後も変わらないように思われます。私たちの安全で安心できる住居と生活を確保するためにも、腐敗堕落した業界の上で「悪の華」を咲かせている自民党政権と霞が関官僚達は広く一般の消費者・国民・ユーザー=有権者の力で葬り去らねばならないように思います。

 

(ついでに申し上げておけば、日本の裁判所・司法も、都市計画問題や建築紛争事件に関して自身の権力を濫用し、実にひどい判決を出し続けています。政治や行政の抜本改革の次には(あるいは並行して)、日本の堕落し腐った司法も根本から取り換えなければならないという認識でいる必要があると思われます。ほんとうに昨今の裁判の判決はひどいものです。くたばれ裁判所です)

 

 <別添PDFファイル>

(1)管理組合 三井との闘争(『アエラ 2015.11.30』) ← 非常に興味深い記事です、ぜひご覧ください(田中一郎)

 http://blog.livedoor.jp/junyamaoka/archives/51614299.html

 

(2)建築確認 行政の責任で(五十嵐敬喜法政大名誉教授 毎日 2015.11.20)← 必見です(田中一郎)

 ポイントは次の3点です。

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

a.建築確認をもう一度自治体の責任に戻すことを提言したい。

b.ただ、全国で5070万件に上る建築確認を自治体職員だけで検査するのは難しい。そこで欧米のように、建築家に弁護士や医師と同じような強い権限を与えることもあわせて提案したい。中立の立場から専門的に検査し、建築物に責任を持つ制度を新設すれば、自治体作業の分担にもつながる。

c.行政は建築基準法について検討するだけでなく、都市計画法や建築士法など関連法の見直しを含めて議論してもらいたい。耐震偽装事件後は、法改正で構造計算書のチェックを強化しただけだった。当時のように小手先の改革で終わらせてはいけない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(3)旭化成建材、改ざん360件、61人関与、153件なお不明(東京 2015.11.25

 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2643136.html

 

(4)くい打ち最大手も流用、三谷セキサン(毎日 2015.11.26 夕刊)

 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6182135

 

 <関連サイト>

(1)杭データ偽装問題の深層 第一部問題発生の構造と解決策(改) - YouTube ← 注目(田中一郎)

 https://www.youtube.com/watch?v=chuJ-7l6K7M

 

(2)杭データ擬装問題の深層 第二部解決策を探る - YouTube ← 注目(田中一郎)

 https://www.youtube.com/watch?v=iwkjSWALu5M&feature=youtu.be

 

(3)杭打ちデータ「不正流用」は日常茶飯事なのか 企業戦略 東洋経済オンライン 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 http://toyokeizai.net/articles/-/93382

 

(4)マンション杭打ち不正、鹿島施工でも地盤に届いていない可能性|データ・マックス NETIB-NEWS

 http://www.data-max.co.jp/20151026_ymh_01/

 

(5)杭打ちデータ偽装、日本建築業界の「高品質神話」が崩壊―中国紙:レコードチャイナ

 http://www.recordchina.co.jp/a121679.html

 

(6)くい打ちデータ改ざん ジャパンパイルでも18物件でデータ流用 FNN

 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00308367.html

 

(7)<傾斜マンション>厳しい罰則ないと再発の恐れ マンション・住宅最前線 櫻井幸雄 毎日新聞「経済プレミア」

http://mainichi.jp/auth/logined_meter_over.php?url=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Fpremier%2Fbusiness%2Fentry%2Findex.html%3Fid%3D20151102biz00m010052000c&usid=web

 

(8)◆マンション傾斜問題、新築「青田売り」の敬遠広がる(日本経済新聞)

 分譲マンションの完成前に全戸を販売し終える「青田売り」は、日本独自のシステムだ。消費者には間取りなど設計を変更できる利点があるが、購入前に品質をチェックできないという問題が残る。杭のデータ改ざんで不信感を持った消費者が青田売りを敬遠。新築から中古への大転換が起き始めた。

 http://mxt.nikkei.com/?4_41909_1201954_1

 

(田中一郎コメント)

 以下、申し上げたいことを箇条書きにします。

 

1.建築紛争や建築物偽装事件の背景には、市場原理主義というご都合主義が存在する。1999年の建築基準法改悪により、仕様基準の性能基準への転換や、建築確認検査機関の民間活用などが図られ、建築業者やゼネコンなどが出資し経営支配する民間会社が建築確認を行うようになった。これは明らかに利益相反行為そのものであり(雇われ監査法人が自身を雇った企業の会計監査を行うという利益相反行為、料金を支払って企業格付・社債格付をしてもらうというと利益相反と類似 ⇒ かならずロクでもないことが起きる)、中長期的な観点から正常に機能するとは思えない。自分が建てた建築物を、自分の息がかかった検査機関が建築検査するわけだからだ。不正やごまかしは必然的に起きる。「建築確認」(法令が定める基準や規制に適合していれば、すべてOKを出すことが義務化されている)は五十嵐敬喜法政大学名誉教授がおっしゃるように「建築許可」(建築物の法令基準規制適合性だけでなく、都市計画や行政の施策・政策や地域住民合意との合致が必要)に転換したうえで、公共機関=自治体などの行政が行うべきであり、その実働部隊は、責任機関である行政の下にいて働く建築士・建築家という形が現実的(都道府県や市町村の建築課所属の技術系役人でもいい)。

 

2.建築確認を「民営化」し、結果的に建築確認された建築物に誰が最終責任を持つのかがあいまいになってしまった現状は、たとえば食品の表示偽装により「粗悪品を高値で買わされる」「安全性に疑問なものや危険性があるものを食べさせられる」「国産だと思って買ったら外国産だった」などの詐欺(まがい)事件が頻発している食品業界と似ている。食品の安全と表示に責任を持つべき消費者庁、厚生労働省、農林水産省は、いずこも無責任極まりないし、食品の安全と表示については、食品業界や食品輸入業者の事業優先が「当たり前」となっている。建築業界と所管の役所もこの食品業界と同じような状況だ。いずれについても、ただひたすら規制緩和という「やりたい放題」放置政策や、民営化・民間活用という「私物化」奨励政策をその内容とする市場原理主義アホダラ教に基づく政策の結果と言える。

 

3.関係当事者への厳しい処罰・処分は絶対に必要である。業界として構造的問題があることは理解するが、だからといって関係当事者に対して緩い罰則でいいはずがない。今回は2度目の大事件である、絶対に許されない。上記で申し上げたように、刑事、行政、民事の3つのレベルで厳罰に処すべきである(たとえば、民事=倍賞については「手付解約倍返し」に準じて、業者から被害者に建築物代金を払い戻す(事故建築物を買い戻させる)場合には、経過期間利息付きの「倍額返し」で行わさせるよう法制化するなど)。

 

4.建築工事の元請と多重下請の構造が、実際に工事を担う末端下請け業者を「工事期間」制約と「コスト=経費」制約の2つが強く圧迫し、無理な仕事の押付けが常態化している。これを解きほぐさない限りは、追い詰められた現場は必ずや再び同じような不正や擬装事件を引き起こすだろう。そもそも元請けが今日ではかなり無能化、あるいは腐敗堕落していて、インチキ見逃しの単なるピンハネ会社にすぎず、工事の利益や甘い汁だけを吸って、責任と負担を下請けへ押し付けているに過ぎないロクでもない会社になってしまっている可能性がある。つまり元請や一次下請には期待することはできない。まずは、安全な建築物をきちんとつくれる・つくらせることを保障する、ミニマムの「建築期間」と「経費・コスト」をルール化しておく必要があるだろう。

 

また、元請・下請の仕事の分担や責任の持ち方、工事の進め方とその中途段階での検査の在り方やり方、設計と施工の在り方の見直し、そしてそれに見合った利益や報酬の在り方について、過去の不祥事事件を教訓にして「適正化」のためのルール作りや法制化が必要不可欠である(例:下請けは2次までしか認めない、自らが工事を実施しないで下請に出したモジュール工事部分の利益率は●●%を限度にする、公契約を義務化して下請けで働く人々の賃金や労働条件や福利厚生や安全の最低限度を法的に保障するなどなど)。

 

(くい打ちや耐震性が偽装された建物でも、よく調べれば、それほど危険ではない、だから取り壊す必要はない、などという議論が一部の「専門家」から出ているが、それには賛同できない。明らかな「だまし」「虚偽」「偽装」の上の契約は無効であり、少なくとも「倍返しの買い戻し」くらいは補償されなければならない。取り壊すのはもったいない、などというのなら、全部を迷惑料付きで買い戻したのちに、マンション業者なり建築業者なりが判断すればいいだろう。そして、「こういう経過があった建築物です」と明確に表示・説明したうえで再び売り出せばいい。被害者に理屈で「安全ですから心配しないで」などと「押しつける」ことは許されない=他の事件では、建て替えさせる、あるいは買い戻させるのは大変な労力で、結局被害者が泣かされる場合が多い))

 

5.建築業界とその管理監督行政の在り方そのものが旧態依然で腐敗しているのではないか。今回を含めて不正や不祥事はこれらと直接関係がないように見えても、こうした業界としての様々な欠陥や矛盾の複合汚染の結果として表面化してきているのではないか。

 

(1)東京への一極集中と高層マンション・高層ビル乱立の問題 ⇒ 都市無計画制度の矛盾と、建築や土建そのものが目的と化している今日の日本、何のための建築であり土木なのか

 

(2)都市計画や建築基準法上の権限が、依然として政府(国土交通省・大臣)やその「出先」としての都道府県・知事に集中している。そしてその下で動く建築関係や都市計画関係、あるいは社会資本整備関係の審議会などは、業界利権関係者の巣窟のようになっている。現状の体制や人員では、建築業界や都市計画制度の適正化など、とてもとても実現しそうにない。彼ら有力土建業者の事業と利益と、それに結びつく政治家・官僚たちの利権優先となるのは火を見るよりも明らか(昨今はこれに御用学者やマスごみ、更には司法・裁判所までがジョインの状態)であって、地方分権や地方自治など夢のまた夢である。

 

(3)依然として「建てよ増やせよ」の成長至上主義・拡大優先主義=「小さく生んで大きく育てる」のダムやオリンピックの利権土建事業方式、景観も、風情も、居心地も、快適さも、居住の安全や安心も、コミュニティの尊重も、日照権も、およそ人間性のかけらも感じさせない「コンクリート至上主義」の業界文化(だからこそ、建築物の居住者・利用者の安全性など二の次となって、耐震性やくい打ち・基礎工事などが、工期とコストのつじつま合わせのために犠牲にされる)などがまかり通っている。

 

(4)行政の歪みや不作為を正すべき司法もまた、歪みや不作為を続けている、しかも、関係事件の判決内容は劣化するばかり ⇒ 裁判官たちを「弾劾裁判」(不当判決の責任追及)にかけるべき、でなければ、裁判官リコール制度を創設せよ

 

(5)賃貸マンションなどでは、施主が誰なのかはっきりせず、資金の出所が投資FUND(REITなど)であったり投資信託であったりする場合もある。住宅建築が単なる金儲けの手段として位置づけられ、それが住宅建築やマンション業の前面に出しゃばり始めている。住宅建設やマンション業に伴う「社会性」や「人間性」が「利益至上主義」の下でおざなりにされている。

 

(6)この建築業界の出鱈目な構造が、そのまま原発・原子力業界に持ち込まれ、今日ではそれが更にひどい状態で露出している。原発の場合には、設計もひどいけれども、施工もまた出鱈目の山であることが既に明らかになっている(例;平井憲夫さん)。もちろん、原子力規制委員会・規制庁の安全規制など、全く不十分でインチキの固まりであることも申し上げるまでもない。危険性は一般建築物の比ではない。

 

6.都市計画制度・建築基準法の抜本改正が必要(下記参照)

 まもなく出現する人口激減社会に対応した「まちづくり」改革法案として、非常によくできたプランだと思います。ただ、それでもまだ、いくつかの問題はあるように思っていて、たとえば、まちづくりにおける建築業者・大資本=特に大手ゼネコンの資金力や政治力などをどうコントロールするのか、あるいは、地方各地にみられるボス支配の社会構造の中で、理想的な民主と自治の仕組み・制度はかえって危険な面があるのではないか、絶対的な最低限の規制のようなもの=建築物・構造物ナショナルミニマムのようなものが必要ではないか、完全自治へ向けて階段を上がっていくのはいいが、少しずつレベルアップしていくような斬新的なものの方が無難ではないか、等々です。

 

● 都市改革・都市計画制度等改革基本法(案)に注目しよう (画期的な都市計画制度(まちづくり)改革法案ができました) いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-cc7b.html

 

(以上、思いつくことを箇条書きにいたしました。更に思いつきましたら、追っかけてメールを追加いたします)

草々

 

2015年11月28日 (土)

増税消費税などバカバカしくて払えるか:法人税減税の財源確保に消費税増税を使い、軽減税率財源は他の低所得者対策をスクラップしてねん出した4千億円に限定、あとは公明党を戦争法制と同様に無理やり引きずり、有権者・国民を騙せばいい、という自民党税制戦略

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

まあ、ほんとうに安倍晋三・自民党の政治・政策には怒り心頭です。戦争法制と対米隷属、原発再稼働と安全無視、TPP=日本投げ出し、労働法制改悪と非正規化の一層の促進、貧困放置と社会保障絞り込み、特権階層の無責任化と一般・貧困層での自己責任の徹底などなど、数え上げればきりがない悪政の数々で、もはや「モグラたたき」型の単品ブティック主義市民運動・社会運動では解決などできそうにもないひどいレベルに達しています。諸悪の根源=様々な害悪の発生源である日本の政治と政治家達の総入れ替えの時期が来ているのです。が、しかし、今日はそのお話を申し上げるのではありません。

 

今回は民主主義の基礎の中の基礎と言われている税制・税金の話です。今、まさに有権者・国民・市民=納税者の注目のど真ん中にある消費税増税(20174月予定)と軽減税率新規導入の話です。本当は丁寧に書きたいのですが、時間がそれを許してくれません。みなさまには、ぜひ別添PDFファイルの5つの新聞記事をご覧いただき、私がこのメールの表題で速記した「主張」へのご理解をいただきたいと、あつかましくも考えている次第であります。(以下、簡単に。申し上げたいことのエッセンスだけを列記しておきます)

 

この安倍晋三・自民党政権は、有権者・国民・市民=納税者を完璧に愚民視し、バカにしきっています。有権者・国民・市民=納税者などは、ヨラシムべし・知らしむべからずで、テキトーに隠蔽し、ごまかし、嘘八百と美辞麗句で篭絡・世論誘導して、更に、異議申し立ての勢力の中から、いい加減で中途半端な連中を選んで手なずけ、「きちんとしろ」という人々と対立させて、かき回しておけば、たいした抵抗もできはしまい、どうせ選挙になれば、また自民党に投票してくるか、棄権してしまうから、この際、少々のことはやっちまえ、という心づもりで、積極的平和主義ならぬ積極的愚民主義の「攻勢」に出始めています。具体的方法論で自民党のオバカおやじ・おばばに知恵をつけているのは、霞が関官僚に加えて、今日の頭狂(東京)大学を筆頭とする大学の似非教授ども、そしてそれを世の中に対して大宣伝しているのが、かのマスごみ達です。首相官邸に晩メシを何度も食わせてもらって恩義を感じているのかもしれません。

 

しかし、これを切り返すことは、実は困難なようでいてそうでもないのです。有権者・国民・市民=納税者が、自民党への甘い期待観念や同調意識、あるいは「お人好し」センスや「古き良き自民党」という幻想を捨てて(今の自民党は昔の自民党とは似て非なるものです、くれぐれもお間違えなく!! もはや保守政党などではありません)、自分の財布の中を覗き込みながら、自分自身の利害や利益(自分が就職している会社の利害や利益ではありません)をよく考えて行動すればいいのです。まだ、日本は「腐ってもタイ」で、一応の議会制民主主義の建前だけは生きています(といっても、選挙のたびごとに投票結果が改ざんされている、投票のインチキ集計がなされているという「噂」は日に日に高まるばかりですが)。この安倍晋三・自民党政権を構成し、支えているゴロツキ政治家達を今後の選挙で一掃し、「アッと驚く政権交代」を実現させてやれば、さしあたりは事態は大きく変わってくるでしょう(私は誰よりも早く自民党自身が変身するような気がしています)。

 

くだらない現実論になびいたり、ひれ伏したりして、自分の財布の中を見ることもなく、あっちウロウロ、こっちウロウロしているから、上記のように支配権力に付け込まれてしまうのです。私たち一般有権者・国民・市民=納税者から様々なレベルで「むしり取る」企てをしている政府・自民党や財界・巨大資本などに成り代わって、自分自身がそれを合理化する屁理屈をマスコミ報道などからもらってオーム返しに繰り返していても、らちがあきません(中には自分が支配権力の中枢にいるかのごとき勘違いをして、まるで総理大臣か何かになったかのごとき発言をする「お人好し」の人もいます)。

 

戦争法制をはじめ、ロクでもない政治・政策を繰り返す安倍政治と自民党政権にはっきりと終止符を打つ投票行動を、今後の国政選挙のみならず、あらゆる選挙で有権者・国民・市民=納税者が行うこと、それが事態を転換させる最も最短の近道です。市民運動・社会運動は、自分たち固有の課題とともに、この政権交代実現という、もう一つの副業的課題=重責を背負うべき時代となっているのです。

 

 <別添PDFファイル>

(1)軽減税率 家計助かるけど…、低所得者への効果薄く、「税制全体から議論を」(東京 2015.11.21

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015112102000133.html

 

(2)法人税、16年度20%台、首相官邸 財源調整を指示(日経 2015.11.27

http://www.nikkei.com/article/DGKKASDE26H05_W5A121C1MM8000/

 

(3)軽減税率財源4000億円「首相指示」、低所得者 薄い恩恵(東京 2015.11.25

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2015112502000123.html

 

(4)軽減税率「税収減 4000億円以内に」、首相指示(東京 2015.11.24 夕刊)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201511/CK2015112402000229.html

 

(5)「軽減税率 段階的に拡大」 幹事長協議 自民提案、公明は反対(朝日 2015.11.25 夕刊)

http://www.asahi.com/articles/DA3S12085827.html

 

(ずるがしこくも、インボイス導入と軽減税率対象の拡大がセット(合体)されようとしています。公明党はそれに気が付いてか、気が付かずしてかはわかりませんが、さしあたり自分たちの顔がつぶれる、選挙の時に支持者からの風当たりがますますきつくなる、ということで反対しているようです。しかし、下記に見るように、軽減税率を低所得者に対する対策として断固として実現するという姿勢が弱く、早晩、くだらない妥協をして、自分の(その見苦しい)顔だけ自民党に立ててもらうことになるのでしょう。立党精神を忘れ堕落した生臭坊主集団=それが今の公明党です。アホダラ教は消えて無くなれ:田中一郎)

 

 ≪関連サイト>

(1)(朝日新聞)自民の献金集め、財界も呼応 渡した文書に「3千万円」

 http://news.asahi.com/c/alblcxoDl8adc4af

 

 自民党が政治資金を集めるにあたり、強気で企業を回っています。担当者は「あまり強引なことはできない」と言いつつ、しっかり増額をお願いする例もあります。(法人税減税など、いろいろと財界・大資本大企業とその経営者達のために安倍晋三自民党は尽力しているのだから、その恩恵の一部をキックバックして我々自民党によこせ、と言わんばかりですね:田中一郎)

 

(2)自民党税調:主導権は官邸に…「聖域」今は昔

 http://mainichi.jp/m/?y0A3HP

 

(田中一郎コメント)

 最初に、申し上げたいことのエッセンスを箇条書きにいたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.20174月にも必ず実施されるという消費税増税(8% ⇒ 10%)は、政府へのお金の出入り全体から見れば、明らかに法人税減税のための財源確保のために行われるものであって、社会保障や社会福祉の拡充とは全く無縁のものです。消費税増税のうちのわずかばかりの金額で、せいぜいが、過去の政府による税金無駄遣いによる財政巨額赤字の穴埋めにされるのが関の山です。自民党政治家達やその知恵袋の霞が関官僚達の言うことに騙されてはいけないのです。消費税など、バカバカしくて払っておれるか、ということです。

 

2.実際問題、消費税増税による社会保障拡充などという「お題目」は、そもそも消費税が始まった1990年代初頭から言われていたことですが、その当時、併せて提唱されていた「不公平税制の是正」も含めて、消費税増税による税収がまともなことに使われたことなどありませんし、増税付帯の公約がきちんと履行されたこともありません。まともに使われていたのなら、今頃、財政を「まっかっか」にしておいて再び消費税増税などということはあり得ない話ですし、私たちの日常生活や仕事の在り方なども、もっと改善されていいものになっていたに違いありません。思い返せばバブル崩壊以降の約25年間、そのほとんどの期間が自民党支配の政権であったことと今日の事態をセットで考えなければいけません。自民党の財政責任・政策責任は重大なのです。財政巨額赤字や歪んだ諸制度は、他人のせいでもなければ自然現象でもなく、ひとえに自民党の悪政・失政の結果そのものです。

 

3.その消費税増税が原資とされる法人税減税ですが、その目的は大企業を中心に内部留保を設備投資や賃金に回し、安倍晋三・自民党政権の次期目標であるGDP600兆円を実現させるためだ、などと日経は報じています。しかし、2000年以降、日本はリーマンショックの不況の時期を挟んで、企業の業績が過去最高を更新していく経済好調の時期を何年か経験しました。しかし、そこでは、企業利益の大半は、(1)企業自身の内部留保、(2)配当原資、(3)企業の幹部役職員の報酬、の3つに費やされ、更新投資を含む日本国内の設備投資や従業員への賃金引上げに使われることはありませんでした。たとえば、(1)についていえば、設備投資はあっても海外で行われ、内部留保も海外のタックス・ヘイブンなどを使って納税を回避しながらひたすらため込む、(2)についていえば、今や大手日本企業出資金(株主資本)の半分は海外投資家であり、更に投資FUNDや企業間の持ち合いまで入れれば8割以上にもなってしまうため、配当に回ったお金は、日本経済や景気にも、中小零細企業の経営改善にも、一般有権者・国民・市民の生活向上にも、企業自身の営業環境にも関係がほとんどなく、砂漠の砂の中に消えていくわずかな水滴のごときものでしかありません。(3)に至っては、多くの一般従業員や非正規労働者が、低賃金・過重労働・劣悪労働条件で苦しんでいる中で、許しがたい不道徳と言えるでしょう。つまり、法人税減税などしても、今日の事態の改善には全く無縁であるということです。

 

4.法人税減税について更に申し上げれば、法人税を課せられるのは黒字の企業ですから、日本の大半の中小零細企業には何の関係もない無縁の減税であること(ほぼ6割~8割が赤字の企業)、逆に言えば、儲かっている企業に更に減税のお年玉をくれてやるようなもので、そのお年玉は上記のようなことにしか使われない。更に更に、日経記事にあるように、(消費税増税=法人税減税のための財源だ、という批判をかわすために、形だけでもその財源を整えようとしているのでしょうが)法人税減税の原資を、投資減税の削減や、赤字法人への外形標準課税で「調達」するなどということなら、投資企業から内部留保企業へ、中小零細の赤字企業から一部の特権的黒字大企業への所得の移転にすぎず、投資を増やす、賃金を上げて消費も増やす、日本経済と景気をよくする、などといった法人税減税の「お題目」がどこかへ吹き飛んでしまう矛盾した政策ミックスになってしまうでしょう。

 

 結局、法人税減税などは、他の国々との法人税減税の競争状態をつくり出し、ゆくゆく限りなく法人税率をゼロに近づけていくか、逆に企業立地に対してマイナスの税金を課す(補助金の交付など)などの、歪み切った税制体系を招いてしまうことになるのです(事実、日本の一部の自治体では、割に合わない立地企業への支援政策を展開し、自分たちの自治体財政をにっちもさっちもいかない赤字財政に転落させているところが散見されています。例=大阪府の堺市と㈱シャープ)

 

5.何事につけてもちょこざいで中途半端な公明党ですが、今回の消費税増税に伴う軽減税率の導入には、かなり強硬な姿勢を自民党に対して見せているようです。しかし、東京新聞記事にもあるように、この軽減税率のための原資(消費税増税による歳入が一部税率軽減する分だけ減ってしまうことへの補てん)は、他の低所得者層対策として打ち出され約束されていた2つのもの、つまり、(1)医療と介護の合計自己負担額に上限を設ける「総合合算制度」のための原資=4000億円、(2)低所得者向けの交付一時金現金(16000円:計370億円)と追加子ども手当(1人3000円:580億円)、を廃止(スクラップ)することでねん出することにし、それを公明党と自民党とが既に合意しているという信じがたいことをしているだけでなく、そもそも軽減税率が低所得者層よりも高所得者層に対してメリットが大きく、何のためにかようなややこしい制度を入れるのかはっきりしないという2つの点が重要です。公明党よ、お前たちは、いったい何のために政治をしているのか、ということでしょう。この記事には、税法の専門家の間では、ヨーロッパ諸国の消費税軽減税率は、少なくとも低所得者層対策としては失敗であるというのが定評になっているとも書かれています。

 

6.大事なことは、この東京新聞記事の最後に書かれていること、すなわち、軽減税率をどうするかだけを考えるのではなく、(1)そもそも増税すべきなのかどうか、増税の前にやるべきことがあるのではないのか(無駄のカット=たとえば復興財源への霞が関官僚どものシロアリ的タカリ行為や、高速増殖炉「もんじゅ」予算に代表される核燃料サイクル政策及び電源開発予算、あるいは寝ても覚めてもダム・ダム・ダムの治水土建事業などに見る典型的な無駄の削減)、(2)増税するにしても、税制全体を見渡し、適正・公正で、現在の日本のあるべき税制度になっているのかどうか、資産課税を分離課税で軽減・軽課したり、タックス・ヘイブンなどを使った大企業・多国籍企業や資産家・富裕層の納税回避行為が目に余る状態なのに放置されているなどなど、今から25年以上前から言われている不公平税制と合わせて、抜本改革が必要なのではないのか、所得税や法人税、あるいは相続税・贈与税の累進課税をどう改善するのかなど、考慮検討すべきことは山ほどある、(3)消費税という税制をどうするのか、私は一般消費税という制度を廃止し、資産家・富裕層が支出する奢侈品や高額商品・サービスにだけ課税する特定物品税とすべきと考えているがどうかとか、消費税制を続けるにしても、インボイス制度とか、簡易課税制度とか、免税・非課税業者制度などをどうするのかとか、考え直さなければならない欠陥や問題点は少なくない、(4)増税のタイミングは20174月にこだわる必要はあるのか、などなど、消費税や軽減税率の検討とともに、現在の税制全体の歪みや不公正をきちんと是正することと、経済政策としての総合的な観点からの判断が大事なはずです。こうしたことが、今の安倍晋三・自民党政権や公明党のボンクラ政治家達の頭の中から消えてしまっていることが、この問題を大きく歪めている最大の理由だと思われます。

 

(軽減税率の財源を4000億円に絞り込むため、対象を生鮮食品に限定し、加工食品との境界線をどう引くかというバカ丸出しの議論を小田原評定でやっている様子は、こうした自民党と公明党の馬鹿どもを国会議員として選出した有権者・国民・市民=納税者の愚かさを赤裸々に示すものに他なりません。ちなみにご参考までに申し上げておけば、例えば、単品魚種の刺身は生鮮食品で、刺身の盛り合わせは加工食品、肉の切り身は生鮮食品で、たれに漬けたら加工食品、などという区分け基準は、食品表示で原料原産地表示が必要な生鮮、原則は必要がない加工食品、という区分けの中で、できるだけ食品表示を必要なしにしたいがために霞が関の厚生労働省・農林水産省官僚たちが(対象食品について)考え出した典型的な「屁理屈」なのです。すべての食品を原料原産地表示の対象として義務付け(当たり前のことです=そうしないと、国産原料の商品を選べません)、すべての食品を軽減税率の対象にすれば、かような不自然でバカバカしい区分け基準など必要ありません)

 

7.結論:消費税増税分も含めて、現在の税制が抜本改正されるまでは、消費税などバカバカしくて払ってられるか、ということです。社会保障を持続可能とするためには消費税が必要だとか、財政再建のためには消費税やその増税はやむを得ないとか、そんなことを言っている「お人好し」は、ものごとの一部分しか見ていない、安倍晋三・自民党政権や霞が関の官僚達、あるいは納税はできるだけしたくない巨大企業群や資産家・富裕層にとっては、涙がこぼれるくらいにお慈悲深い、ありがたい「お人好し」の「オバカ」ということになります。そして、この消費税増税を世の中にPRして回るマスごみや、それにもっともらしき「屁理屈」をつけてまくし立てている大学や研究所の似非学者どもは、彼ら巨大企業群や資産家・富裕層の「御用聞き」であり、従ってまた、掃いて捨てるべきガラクタ人士・メディアだということになります。

 

「ものごとには「順序」と「礼儀」というものがあんのんや、わてらから税金吸い上げたかったら、やるべきことをまずやったれや、このドアホども」、これが「大阪じゃりんこ」の安倍晋三政権による消費税増税政策(及び軽減税率)への(極力表現を上品にした)意見表明です。

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(5つの新聞記事のうち、注目すべき記事を2つばかりご紹介します)

 上記5つの新聞記事のうち、最も適切でポイントを得ている記事が、上記(1)の東京新聞「こちら特報部」に掲載された1121日付の記事です。この記事の重要部分を下記に一部抜き書きしておきます(みなさまは是非とも原本を入手の上、ご覧ください:図書館、新聞販売店など ⇒ 新聞を取るなら東京新聞です)。それから、必ず見ておいていただきたいのは、法人税減税を前倒しして2016年度から20%台にするための財源調整をせよと安倍晋三首相が指示したという日経記事、そして更に、「関連サイト」にご紹介した朝日新聞記事(「自民の献金集め、財界も呼応 渡した文書に「3千万円」)です。

 

(一部抜粋)

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(中略)さらに問題なのは、軽減税率の導入による減収を穴埋めする財源として、別の低所得者対策の削減をあてにしていることだ。自民、公明両党はすでに「総合合算制度」を見送ることで一致した。これにより、約4千億円を捻出できると踏んでいる。この制度は、医療や介護などの自己負担額を世帯ごとに合算した上限を設定。上限は低所得世帯ほど低く、超えた分を国が支払う。民主党政権時代、消費税増税に伴う低所得者対策として、自公両党との三党合意に盛り込まれたが、たなざらしになっていた。

 

ほかに財源として浮上しているのも、消費税率を8%に引き上げた際に導入した低所得者対策にかかる費用の削減だ。2015年度は一人当たり年6千円を一律に支給した「簡素な給付措置」の廃止で約370億円。子どもに一人3千円を支給する給付費などの廃止で約580億円を見込む。結果として、低所得者が割を食うことになりかねない。

 

一方で、安倍政権は、法人税率について引き下げる方針だ。安倍晋三首相は今月11日の経済財政諮問会議で、法人税の実効税率について16年度の税率引き下げ幅を確実に上乗せし、税率を早期に20%台に引き下げる道筋をつける」と明言。現在の税率32.11%から16年度は31.33%に引き下げることが15年度税制改正で決まっているが、さらに引き下げる考えを示したものだ。

 

みずほ総合研究所の鈴木将覚主任研究員は、「税制の専門家の間では、欧州諸国型の軽減税率は失敗として認識されている。対象品目の食料品は高所得者の方が多く購入するため、低所得者よりも恩恵を多く受けることになる。逆進性の解消には効果的ではない」と指摘する。

 

(中略)「消費税をめぐる議論は税制全体をどうすべきか、個別の消費税をどうすべきか、その中で軽減税率をどうすべきか、の三つが論点となるが、現在は三つ目の軽減税率に議論が集中してしまっているように感じる。所得税の累進税率や、相続税など資産課税の見直しも視野に入れ、税制全体のあり方を議論するのがあるべき姿だ」

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草々

 

2015年11月22日 (日)

本日(11/22)のいろいろ情報(メール転送を含む):(1)スクープ 東芝、室町社長にも送られた謀議メール (2)フクイチ周辺にだけ発生する“怪しい霧” (3)「韓米FTAは失敗だった」(韓国のソン弁護士) (4)GMサケ「フランケン・サーモン」他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

本日(11/22)のいろいろ情報です(メール転送を含む)。

 

(最初にお詫びとお知らせです)

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(1)明日(11/23:月)から3日間ばかり東京を留守にいたします。みなさまよりお送りいただくメールが私の契約するプロバイダーの受信サーバーを満杯にしてしまい、それ以降、メールが着信しない可能性があります。また、いただいたメールに対して適時適切に返信ができません。併せてお詫び申し上げます。帰宅は11/25の夜ですので、それ以降は、通常に戻ります。

 

(2)12/2のイベントのお誘いの「曜日」を間違っておりました。お詫びして訂正いたします。

 

<イベント名>「安倍の政治を許さず、自民党政権に終止符を打つための相談会 第2回目」

 

(正しい)

日 時:2015年12月2日(水) PM6:00~9:50

場 所:東京都中央区 明石町区民館 5号室

    http://chuo7kuminkan.com/about/akashi.html

(聖路加国際病院のすぐそば、隅田川沿い、なお、会場は約30名用の会議室です)

主 催:ちょぼちょぼ市民連合

連絡先:田中一郎(ichirouchan@withe.ne.jp 090-7284-0617)

 

(間違い)

日 時:2015年12月2日(火) PM6:00~9:50

 

(12月2日は、火曜日ではなくて、水曜日でした。ごめんなさい)

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1.NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災、追跡 原発事故のゴミ」の再放送の日程がわかりました。11月27日(金)午前130分からあります。(26日深夜)だそうです。

 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20151121

 

(関連)(別添PDFファイル)安倍政権の籾井NHK「支配」(『週刊朝日 2015.11.27』)

 http://www.zassi.net/detail.cgi?magaid=Wasahi

 

(関連)NHKスペシャル・シリーズ東日本大震災 追跡 原発事故のゴミ 東京電力福島第一原発の事故によって東日本に降り注いだ放射能。 【2015.11.21 とらちゃんのラジオがいいね!!  (ここでも録画を見ることができます)

http://blog.livedoor.jp/hanatora53bann-tanosiiburogu/archives/51933381.html

 

2.12.5 もんじゅを廃炉へ! 全国集会 & 高浜原発3,4号機再稼働を本気で止める! 全国集会

 http://www.page.sannet.ne.jp/stopthemonju/20151205A.pdf

 

3.(メール転送です)大飯原発差止訴訟の原告募集

 第四次原告の募集は,今年末までに1000名増をめざしてきましたが,そこには達しそうにありません。そこで,来年1/13の第9回口頭弁論期日に第四次提訴ができるよう,したがいまして12月中旬までに,これまでの2693名から3000名をこえることを実現可能な目標に設定し,★あと307名の原告★ を確実に増やすよう,10/24の世話人会で確認しました。その結果,★11/16現在の原告は,252名★に達しました。年末まで時間がなくなってきましたが,★あと55名★ で目標を達成できるところまで前進してきました。つきましては,あと一息,原告の皆さまが友人や知人,ご家族にお一人,お二人と声をかけていただきますよう,お願いします。全国どこに住んでいても原告になれます。

 

●原告になることを希望される方は、とりあえず、下の申込書をメールでお送りください。あとは連絡にしたがって順次、手続きしていただけます

kyotodatsugenpatsubengodan@gmail.com

 

4.追い詰められる東芝:スクープ 東芝、室町社長にも送られた謀議メール:日経ビジネスオンライン

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/111900149/?P=1&rt=nocnt

 

(関連)郷原信郎が斬る

https://nobuogohara.wordpress.com/2015/11/20/%E5%81%BD%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%80%8C%E7%AC%AC%E4%B8%89%E8%80%85%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%81%A7%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%92%E9%9A%A0%E8%94%BD/

 

(記事によれば「巨額減損問題、第三者委の調査は“出来レース”だった」そうである。いかにも原子力ムラ中核のインチキ企業だけある。その東芝に「ご協力」申し上げる第三者委員のみなさまも「インチキ人士」のお仲間ということか。これでは「第三者委員会」ではなくて「打算委員会」ですな。何か弁明でもしたらどうですか、第三者委員会のみなさま。:田中一郎)

 

5.フクイチ周辺にだけ発生する“怪しい霧”に“異様な日焼け”が警告するものとは (週プレNEWS - Yahoo!ニュース

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151025-00055426-playboyz-soci

 

(田中一郎コメント)

 記事にある「フクイチの原子炉周辺は濃い霧に包まれることが多いのですが、これも放出量が増えたトリチウムの影響ではないかという意見も聞かれます」の真偽のほどはどうなのでしょう。たしかにトリチウム水蒸気は通常の水に比べて中性子2個分だけ分子量(質量数)が大きいのですが、その場合には「霧」になりやすいのは何故なのでしょうか? 

 

 また、「この海水は、採取1日後から約47時間をかけて測定したので、微量ながら「テルル123」が検出されたことは「採取の数十時間前くらいにフクイチからメルトアウトした核燃料デブリが核分裂反応を起こした?」という見方もできるのだ」、「まず注目されるのが、核燃料そのものといえる「ウラン235」(同約7億年)と「セシウム134」「セシウム137」。それ以外に「タリウム208」(同約3分)、「アクチニウム228」(同約6時間)、「ラジウム224」(同3・66日)、「ユーロピウム」(同4・76年)など、セシウムよりも半減期が短い放射性物質もいくつか検出された。」などと書かれています。

 

 これが事実なら、これをどう解釈するのか、原発・原子力関係の科学者や技術者たちは、しっかり議論・検討する必要があるでしょう。どうしてこういうことが「見過ごされる」「無視される」のでしょうか? 一刻も早く、白黒をつけるべき問題です。それにしても、テルル123などというのもよくわからない物質です。下記のウィキペディアを見ても、さっぱりわからない。半減期が1.0×10の13乗で「ε」=電子捕獲だというのですが、なんじゃこれ? です。上記にある、他の聞きなれない放射性物質についても同様です。科学者は、もっと(福島第1原発から環境放出された)放射性物質について、一般の有権者・国民・市民に対してわかりやすく懇切丁寧に解説をする必要があります。福島第1原発事故・放射性物質辞典でも出版していただけませんか?

 

〔参考)ウィキペディア テルル

http://www.ammanu.edu.jo/wiki1/ja/articles/%E3%83%86/%E3%83%AB/%E3%83%AB/%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%AB.html

 

6.(別添PDFファイル)電力自由化で脱原発シナリオ(『週刊朝日 2015.10.30)』

 http://dot.asahi.com/wa/2015102100041.html

 

(関連)(メール転送です)たんぽぽ舎MGより

┏┓

┗■1.11/28広瀬 隆さんの講座-予約受付開始

 |  第1回「電力自由化で原発と電力会社を葬る!!」

 |  電力の自由化問題5回連続講座(東京電力さようなら講座)開催

 └──── 主催:「スペースたんぽぽ」・たんぽぽ舎

 

 来年4月から電力自由化によって、私たち消費者が電力会社を選べるようになります。これは脱原発への大きなチャンスです。電力消費量は圧倒的に企業が多いのですが、電力会社の企業利益は、7割が一般家庭からとなっています(2012/05)。東京電力に至っては、9割を占めているのです。理由は、家庭への電気代が高く設定されているからです。

 

★電力会社の収益構造(表から抜粋)

 販売電力量   電気事業利益

 家庭:企業 家庭:企業

 東京 3862     91 9

 四国 4159 5446

              以上は、1112日【TMM:No2636】に掲載済み

 

◆第1回「電力自由化で原発と電力会社を葬る!!」

   日 時:20151128()18時より20

   お 話:広瀬 隆(作家)

   参加費:800(資料を用意します)

   ※参加は《予約優先》です。

     定員80名になり次第締め切りとさせていただきます。

     電話かメールで、ご氏名と電話番号をご連絡下さい。

     受付番号をお知らせ致します。

 

7.TPP関連

(1)(別添PDFファイル)場当たり的なTPP対応(『週刊金曜日 2015.11.20』)

「tpp_baatari_kinyoubi.pdf」をダウンロード

(2)(別添PDFファイル)徹底TPP報道:農林水産省 影響分析2年で変節 壊滅的から限定的へ(日本農業 2015.11.20

「tpp_nourinsuisansyou_hyouka_gekihenn.pdf」をダウンロード

(農業がTPPで衰退してしまったら農林水産省もいらなくなるわな。かようないい加減な、出鱈目なことは、自分で自分の首を絞めているというのが、まったく分っとらんのでしょうね。ウソツキが自滅していく典型的な事例ですよね、農林水産省殿。:田中一郎)

(3)「韓米FTAは失敗だった」、韓国のソン弁護士が報告(農業協同組合新聞 2015.11.20), TPP違憲訴訟公判で原告の口頭弁論認めず(農業協同組合新聞 2015.11.20

「tpp_mr.SONN.pdf」をダウンロード
「tpp_ikenn_sosyou_dai_2_kai_kouhann.pdf」をダウンロード

(録画1)http://iwj.co.jp/wj/open/archives/275145

(録画2)https://www.youtube.com/watch?v=LEhJy8DkKL4

     https://www.youtube.com/watch?v=QGIPZnpDMq4

 

(4)TPPで一人負けした日本(『週刊朝日 2015.10.23』)

 http://dot.asahi.com/wa/2015101300114.html?page=2

 

(5)1017日 「TPPで日本の医療制度が崩壊する!?」 1 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=1lNGiQjdV8Y&feature=youtu.be

 

8.恐怖の遺伝子組換えサケ「フランケン・サーモン」をアメリカが認可

 http://www.cnn.co.jp/usa/35073829.html

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-00000034-jij_afp-int

 http://www.afpbb.com/articles/-/3067456

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151120/k10010313841000.html

 

(田中一郎コメント)

みなさま、このGMサーモンの最大の問題は3つあります。1つは、食品としての安全性の問題です。加えて、こんなものを食品として、遺伝子操作していいのかという生命倫理の問題もあります。

 

しかし、それ以上に大問題は環境問題、あるいは種の保存=生物多様性の問題です。もし、このGMお化けサーモンが万が一、海に逃げ出した場合、ズータイが大きいので異性のサーモンを引き寄せる習性があります。オスのサーモンだと、メスを独占してしまうのです。しかし、他方で、このGMお化けサーモンは、生殖能力が極度に低く、子孫を十分に残すことができません。要するにインポテンツです。

 

ズータイのでかいインポテンツのオスがメスを独占しますから子孫を残すことに大きな支障が出てきてしまいます(GMサーモンがメスの場合はどうなのか、よくわかりません)。なので、何代か、何十代かをへたのちに、自然界のサーモンは、生殖能力の極度の低下で絶滅すると言われているのです。

 

そして、最後に表示の問題です。アメリカは非表示で認可しました。表示しなくてもいいではなく、表示させない、です。逆もしかりです。つまりGMサーモンではない、も表示できません。非GMにGMを紛れ込ませて、売ってしまえ、という方針です。

 

TPP協定が発効すれば、日本に対してもその非表示が押し付けられます。日本の消費者・国民は、こんなものを買いたくなくても、選ぶことができなくなるのです。TPPを協定して、GM化け物サーモンをたべましょう。これが日本の安倍晋三・アメリカ傀儡政権の「冗談のような」キャッチフレーズになります。市場原理主義アホダラ教のなせるわざです。

 

鮭がお安く買えるからいいわ、と思う方は、どうぞお食べ下さい。でも、それを押し付けられるのはまっぴら御免です。(下記の「有機農業ニュースクリップ」も是非ご一読ください。

 

(メール転送です)No.689有機農業ニュースクリップ 2015.11.20

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■米国FDA GMサケを「安全」として承認、200万人の反対の声を無視

 米国食品医薬品局(FDA)は11月19日、「成長が早い」というアクアバウンティ社の遺伝子組み換え(GM)サケを食べても安全であるとして承認した。過去最大の200万人が承認反対の意見をFDAに提出していた。このアクアバウンティのGMサケは、日本では承認申請されていない。生産規模からしても、このGMサケがすぐに日本の食卓に上る可能性は微妙だが、このGMサケを手初めとして、GM魚やGM動物(肉)の商業的な販売が取りざたされてくる可能性がある。FDAは、組み込まれたDNAが世代間で安定していて、栄養的にも問題ないと判断したとしている。

 

 FDAはまた、GM動物に組み込まれるDNAが、連邦食品医薬品化粧品法の動物薬の規定と合致するため、この動物薬の規定でGM動物を管理するとした。FDAはまた、消費者の義務的なGM表示要求の声の高まりを考慮し、GMサケととともに、GM作物由来成分を含む食品の自主的なGM表示に関する2つガイダンスの草案を公表し意見募集を始めるともしている。しかし、強制力を持たないガイダンスによる表示が、どこまで実効性を確保できるか大きな疑問が残る。

 

 ◆FDAが示した表示例(案)

 “Not genetically engineered.

 「遺伝子組み換えではない」

 “Not genetically modified through the use of modern biotechnology.”

 「バイオテクノロジーを用いた遺伝子組み換えではない」

 “We do not use Atlantic salmon produced using modern biotechnology.

 「バイオテクノロジーを使って生産される大西洋サケ不使用」

 

● 重大な環境影響 天然サケは絶滅の可能性も指摘

 アクアバウンティのGMサケは、陸上の隔離した施設で採卵、養殖されるとしている。しかし、GMサケが海に逃げ出した場合、天然のサケは十数代で絶滅すると試算されている程に、環境への影響は大きいと見られている。FDAは、このGMサケは不妊だとしているが、このGMサケが他のサケと交雑の可能性がある、とが指摘されている。FDAは、このGMサケの物理的封じ込め措置は十分であると 判断できるとした。しかし、米国内での養殖を認めないともしている。

 

 このGMサケは、カナダで採卵し、パナマの山地に設けられた施設で養殖されるという。FDAの認定の一方で、米国の食品安全センター(CFSCenter for Food Safety)などから封じ込め措置が不十分だと指摘されている。アクアバウンティは2013年、パナマのGMサケの養魚場が環境法違反したとして約1万ドルの罰金刑を受けている。英国のガーディアン紙は2013年、パナマの標高1500mの山中にある、かなり「貧弱」に見える養魚施設を映像つきで報じている。外観からは、厳重な封じ込め措置がとられているとは見えそうもない施設だ。

 

 ロイターによれば、このGMサケが一般に販売されるには2年かかると見られているという。しかし、米国のセーフウェイ、クローガーなどの一部の大手食品チェーンは、GMサケの販売はしないと明言している。すでに米国ではGMサケの不買運動が展開され、約9千の食料品店やレストランなどが取り扱わないことを宣言している。米国消費者のGM離れが顕著になっている中、どのように販売されるか不透明だ。

 

● 市民団体は承認取り消し訴訟を準備

 FDAの承認を受けて、市民の大きな反対の声を背景にした米国の市民団体や環境団体は19日、即座に承認反対の声明を出した。この間一貫して遺伝子組み換え食品に反対してきた食品安全センターは19日、承認は環境に深刻な影響があり、FDAは市民を保護する義務を怠った、と承認を非難する声明を出した。その中で、他の反対している団体と協力して、承認取り消しを求めて提訴する方針を明らかにした。

 

 食品安全センターとともに承認に反対してきたFood & Water Watch も19日、GMサケの販売阻止に向けてあらゆる手段を検討しているとの声明を発表した。また、オバマ大統領が、この承認を覆すよう訴えるとしている。大地の友(FoEFriends of the Earth)も19日、承認反対の声明を発表し、このGMサケの承認が、開発中の35種に上るGM魚承認の先例となるとし、GMサケの販売や提供拒否宣言の運動を続けるとしている。

 

 カナダのGM反対の運動を続けているカナダ・バイオテクノロジー行動ネットワーク(CBAN)は19日、環境に重大な脅威をもたらす懸念があるとして承認に反対する声明を出した。アクアバウンティは、カナダのプリンス・エドワード島に採卵施設を設けている。カナダ政府は、この施設での採卵とパナマへの移出を承認している。CBANは2014年1月、この承認の取り消しを求めて提訴し、裁判で争っている。CBANは、なぜ、米国で認められないGMサケの商業生産が、カナダでは認められるのか、と疑問を投げかけている。

 

◆アクアバウンティ

 GMサケを開発したアクアバウンティは2013年、米国バイオ企業のIntrexon社に買収されている。Intrexonは、GMリンゴのオカナガン、GM昆虫のオキシテック(英)も買収し傘下に納めている。

 

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 有機農業ニュースクリップ

 ご 連 絡:info@organic-newsclip.info

 配信停止:clipret@organic-newsclip.info

 

 公開サイト:http://organic-newsclip.info

 遺伝子組み換え関連情報:

  http://organic-newsclip.info/gmo2/gmo_news.html

 ツイッター:

  http://twitter.com/OrganicNewsClip

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8.その他

(1)甲状腺がん「多発」どう考える:津田敏秀岡山大教授、津金昌一郎国立がん研予防センター長(朝日 2015.11.19

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12074780.html

 

(御用学者 VS ホンモノ学者の論争なので、ドシロウトの私が読んでも、どちらの説が正しいかは一目瞭然だ。津金さん、あんた医者をやめなはれ:田中一郎)

 

(2)原子力規制委もんじゅ取り消し回避、逃げた田中委員長(『週刊金曜日 2015.11.20』)
「nigeta_tanaka.pdf」をダウンロード

 逃げたら追いかけないといけません。泣いとったらだめですわ。下記をご参考に。

 

(参考)追いかけて・・・・・

 https://www.youtube.com/watch?v=3QleHpURhb8

 

(3)内堀雅雄現福島県知事は知っていた!? 見送られた津波評価、プルサーマル実施を優先(北国新聞 2015.10.26
「utibori_sitteita.pdf」をダウンロード
 https://www.facebook.com/dainijikokusodan/posts/1022117071143168

 

(この北国新聞の記事、福島県内に大拡散してほしいです。よくもまあ、ぬけぬけと現職の知事をやっているものです。内堀雅雄前副知事・現知事は、福島第1原発事故を招いた立地側の最高責任者ではないですか。11/19の井戸川裁判(福島被ばく訴訟)でも、私が質問をし、弁護士さんや井戸川克隆さんが回答をしてくださっています。下記VTRをご覧ください。井戸川さんのコメントは録画の一番最後のところです。それから、同じく終りの方で話をしている川根さんのスピーチにも内堀雅雄が出てきます。要傾聴です。:田中一郎)

 

(関連)20151119 UPLAN 「被ばくの責任を問う 福島被ばく訴訟」第二回 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=TJZb2zwkMsk

 

(4)美浜原発 存続の瀬戸際(日経 2015.11.20

http://blog.goo.ne.jp/pineapplehank/e/406297abecf000bb90f2d0e197efe0bf

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO94215420Q5A121C1EA1000/

 

(活断層が原子炉の真下にあるか、すぐ横にあるかの差しかない美浜原発は全機が廃炉となって当然である。こんなものを審査していることがどうかしている。やるべきことは、こんなところに3機もの巨大原発を認可した前提とされていた「原発敷地の活断層・地質調査」がどのようなものであったのか、徹底して明らかにすることではないのか。出鱈目の立地調査の実態とその責任追及こそが、再発を防止するのだ。何のための原子力規制委員会・規制庁なのか。:田中一郎)

草々

11.21放送 NHKスペシャル 「シリーズ東日本大震災追跡 原発事故のゴミ」について=NHKは、起きている「人災」の核心部分を外さず、批判的観点をしっかりと保持して公共放送としての使命を果たせ

前略,田中一郎です。

 

みなさまご承知の通り、昨日夜(11/21:土)、NHKが午後9時より「NHKスペシャル:シリーズ東日本大震災追跡 原発事故のゴミ」を放送いたしました。新聞よりも、よりひどく支配権力にこびへつらい、あるいは無内容のバカ番組一色となってしまった日本のTV放送は、見るに値しない「公共電波」の浪費産業になっておりますが、久しぶりのこのNHKの特集番組は、少し期待をもって見てみたのですが、やはりだめでした。以下、簡単に私のコメントを申し述べます。

 

ひとことで申し上げれば、この番組がダメな理由・いたらない訳は、この原発事故ゴミが大問題となっている背景というか、政府・自治体の対応策の根本的な誤りや歪みに対する問題提起の切込みが鈍いこと、あるいは、そもそもこの大量の原発ゴミの原因をつくった当事者たちの今日の無責任な態度に取材が及んでいないからです。それはあたかも、日本の全有権者・国民が、この事態を自然災害か何かのように、甘んじて受け入れ我慢しなければならない困難であるかのごとくの報道であり、また、今現在進められている政府や自治体の「除染と帰還」の政策方針が、それ以外に選択の余地のない「運命」「宿命」であるかのごとき描き方になっているからです。従ってこの番組は、下記に挙げているような、人間や組織の作為による出鱈目を告発し、問題視し、今進められている「除染と帰還」の政策(=それは被害者=地域住民に恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)を強いる危険な方針であり、またその被ばくの危険性をゴマカシ、矮小化し、隠ぺいする、犯罪的な行為でもあります)に代わる、「人間の復興」政策の実現を妨げるものでしかないのです。

 

以下、簡単にこの番組が取り上げなかった、除染と原発事故のゴミについての、いくつかの問題を列記しておきます。今、目の前にある出鱈目や愚かな政策・行政の無理から目を背けていては、社会問題報道・調査報道としては失格です。今日の番組制作世代の「批判的精神」、ないしは「物事を見抜く力」の衰えを感じさせますし、なによりも歪められた番組編集を繰り返すNHKという組織の病理を告発しないではいられません。

 

●NHKスペシャル シリーズ東日本大震災追跡 原発事故のゴミ

 https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20151121

(再放送の予定は書かれておりません)

 

●NHKスペシャル「追跡 原発事故のゴミ」/圧倒的な量の放射能のゴミと、私たちはどう向き合えばいいのか? – @動画

 http://www.at-douga.com/?p=14968

(見れなかった方はこちらをどうぞ、なるべくお早目にご覧ください)

 

(田中一郎コメント)

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1.東日本一帯を汚染した放射能の除染など、所詮はできないこと、それはチェルノブイリ原発事故の後の旧ソ連諸国の教訓であることに、何故言及しないのか。多くの人々によって言われているように、「除染」とは、所詮「汚染移動」=「移染」でしかない。放射能は物理的半減期に従って崩壊する以外に、どうやっても消えることはない。

 

2.その一つの大きな証左として、この日本でも除染の対象に森林が入っていないことが挙げられる。福島県を含む東日本の国土の7割以上が森林であり、その森林を除染できないのなら、およそ除染など不可能である。地下水を含む水の汚染も、また、非常に懸念されるところだが、その調査・検査さえ、対象が膨大であるがゆえに不可能に近い。放射能汚染森林に囲まれ、放射能汚染の水に浸されながら、自分の居住地の周辺だけを、申し訳程度に少し放射能を他の場所へ移す、そんなものは「除染」とは言わない。

 

3.政府は森林を除染するつもりはない、また、汚染してしまった湖沼や河川も放置するつもりである = つまり、除染などできるわけがないと、腹の底では思っている。「除染」は、故郷へ帰りたい、という被害者住民の素朴な願いに付け込み、恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)の危険性をごまかす手段として、あるいは、被害者への賠償・補償・再建支援を極力抑え込む手段として実施されている。一種の棄民政策・住民を馬鹿にした場当たり対策でしかない。だからこそ、「除染」事業は、原子力ムラや霞が関あるいは自治体官僚たちの「利権の巣」のようになってしまっている。

 

3.そもそも宅地や農地を含め、福島県のみならず東日本の各放射能汚染都県は、土地の放射能汚染状況の調査さえロクすっぽやっていない。だから、あちこちに危険なホット・スポットが散在し、そこで子供たちが平気に走り回っている。無残というほかない。「除染」とは、放射能汚染がひどくて放置する他ない場所で実施するのではなく、放射能汚染のレベルが自然減衰などで十分に低くなり、帰還・定住の見通しがついた地域で、危険なホット・スポットを撲滅するために行うものだ。しかし、今、政府や自治体がやっていることはその真逆である。「除染」などやっても無意味な高濃度の汚染地域で、出来もしない「除染」を繰り返し、無意味というよりもかえって危険だともいえる放射能汚染ゴミの山を築いてしまっているのだ。「除染」活動は、岩手、宮城や関東各県の汚染の低い地域でこそ、なされるべきである。

 

4.福島県を中心に、「除染」と言われる事業で、いったい誰が、いかほどの金額の「受注」をし、どれくらいの事業をこれまで終えたのか。兆円単位の巨額の財政資金が、これでもか、これでもか、と投入され、それがもたらす結果はさんざんなものである。そんな「除染」に巨額費用を費やすのなら、その資金を、放射能汚染地帯から避難している被害者の方々に直接役に立つ形で使うべきだ。「除染」の予算とその執行について、その内実を明らかにせよ。原発建設・原子力推進で金儲けをしてきた連中が、また再び原発事故で金儲けをしているのではないのか。また、「除染」事業に絡んで、多くの作業員が、その人件費を暴力団を含む「人材派遣業者」によって、中抜き・ピンハネをされているのではないのか? なぜ、問題提起せぬ? なぜ、告発せぬ?

 

5.原発の放射能汚染ゴミの放送だというのに、そのゴミの汚染の度合いやその危険性についての詳しい分析やコメントが皆無である。また、政府が8000ベクレル/kg以下であれば、一般ゴミとして扱ってよい、その根拠は汚染ゴミ処理作業員の年間推定被ばく線量が1mSv以下になるのが8000ベクレル/kgだという政府の説明を、政府広報機関よろしく、そのまま放送していてどうするのか。福島第1原発事故の前は、放射能汚染ゴミのクリアリングレベル(裾切り処分基準)は100ベクレル/kgだった。それでも危険だということで、一般廃棄物としての処分など許されなかったのである。8000ベクレル/kgなどは、その場しのぎで設けた基準であり、また、作業員の被ばく線量云々は、それを合理化するために官僚たちが考え出した屁理屈に過ぎない。そんなものを無批判に放送していてどうするのか。(違うというのなら、代々木のNHK本社の広大な敷地内に8000ベクレル以下のごみを引き取ったらどうか)

 

6.その8000ベクレル/kg以下の放射能汚染ゴミだが、信じがたいことに、これを「再利用」するなどと、愚かなことの上塗りの動きもある。驚くべきか、そのちょっとしたシーンに児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長が登場していた。私たちが知らぬ間に、放射能汚染物がコンクリートの中に、レンガの中に、建材の中にまぎれこみ、気が付いたら身の回りが放射能だらけ、という時代がやってきそうな雰囲気である。児玉さん、ご自分のやっていることの愚かさを早く気付いていただけませんか?

 

7.飯館村では大「除染」事業が展開し、毎日5千人もの人たちが「除染」に従事しているという。この番組では、その「除染」従事者たちの朝のラジオ体操のシーンを放送していた。さながら、アジア太平洋戦争時代の、村を挙げての竹槍突撃訓練を思い出させる。「除染」の重点は農地だそうで、飯館村でも、南相馬市でも、農地の「除染」と農業の復活・復興が「国策」であるかのごとく行われている様子が映し出されていた。「除染」作業に駆り出されているのは、ここでも地元の農家の方々で、しかも女性が多かったように思う。しかし、飯館村の除染など、出来ないことは自明であり、放射能汚染地帯での農業もまた、無謀である。放射能で汚染されたもの、されるかもしれないものを出荷し、食品流通に乗せるのは「犯罪」である。放射能に安全な基準レベルはないし、そもそも、現在の日本には、放射能汚染をきちんと調べる・検査する体制は出来ていない。また、「除染」作業員も放送で見る限り、あの作業の仕方では、外部被曝や呼吸の内部被曝も含めて、大量被ばくしてしまうのではないか。作業員の大半は、福島県の地元の方々である。福島第1原発事故を引き起こした東京電力幹部役職員や経済産業省役人、原発メーカー・原発ゼネコンの幹部役職員などは、そ知らぬ顔をしている。福島県民は、福島第1原発事故の前も、事故の後も、原子力ムラや政府により翻弄され続けている。

 

8.中間貯蔵施設建設の進め方が出鱈目である。まず、事故を起こした福島第1原発の周辺地域は、放射線被曝の危険性が高く、また、原発事故の収束もままならないことからさらに危険で、今後半永久的に居住はできないこと、従って、政府としては被害者の望む形での移住を全力でサポートし、その費用は全額負担すること、更に、所有地・建物・大型動産(農機具など)等については、特別法により一括買収し、その買収額は事故前の価格を基準にして、時価ではなく、同内容の不動産の再取得価格(というよりも現物)で賠償することを明らかにすべきである。そういうことをしないで、姑息なやり方で進めるから、現状のように、にっちもさっちもいかなくなる。今のままやっていても、いつまでたっても中間貯蔵施設用地の買収は終わらない。政府は原発・原子力を進めたことを土下座して詫びつつ、福島第1原発周辺(10~20km)を非居住地帯とすること、その償いは必ず完璧に実施することを被害者住民に約束せよ(その旨を法律で定めよ)。「近い将来、帰還して居住できるのだ」という甘い幻想を被害者住民にばらまくような卑劣な行為はやめよ。

 

9.中間貯蔵は「中間」ではなく、放射能が消えるまでの厳重な長期隔離貯蔵であり、数百年の時間が必要であることを明らかにせよ。福島県民にウソをつくな。こんな大量の放射能汚染ゴミなど、他に移せる場所などはないし、受け入れる地域もない。

 

10.集中豪雨時のフレコンバッグの流出は予想されたことであることを何故、伝えないのか。田畑や空き地に放射能汚染ゴミをフレコンバッグに入れて積み上げておくこと自体が、まったくの出鱈目であるということを、何故、きちんと放送しないのか。また、フレコンバッグが流出時に破損して、放射能汚染ゴミが外に出てしまった理由は、環境省など政府直轄で「除染」を進めている場所で使われているフレコンバッグが「低価格安物」で、強度の弱いものだったことも明らかになっている。何故、それを伝えないのか?

 

11.その放射能汚染ゴミ入りフレコンバッグだが、驚くことに富岡町など、いたるところで、海抜標高の低い海岸沿いの空き地に膨大な量で山積みされている。それはあたかも、早く東日本大震災の時の様な大津波が再び来て、このフレコンバッグの山を全部、津波が持って行ってくれることを待ちわびているかの如くである。愚かというほかない。何のための「除染」作業なのか。仙台平野を黒い色の津波が覆い尽くしつつ侵食していったあの映像をもう忘れたか。陸の汚染を海にも広げるための「除染」なのか。漁業者や漁協・漁連は何故反対しない? 何故、懸念を表明しない?

 

12.放射能汚染ゴミや下水・上水の汚泥と、その焼却、そしてその保管の問題が取り上げられていた。これについても、放送内容は全く不十分な内容だった。一部の自治体が、厳重に保管をしています、8000ベクレル/kgを下回るゴミであっても、一般ゴミとして捨てないで保管を続けています(横浜市)、とばかりに「美談」として放送していたが、事はその逆をいく自治体の方が多いのではないのか? たとえば鮫川村、たとえば伊達市、たとえば埼玉県(下記)だ。多くの地域で、うまくいったところも含めて、住民運動は大変な努力をしてきている。愚かな政府と愚かな自治体のおかげである。

 

13.また、放射能で汚染されたゴミや汚泥などの汚染物を燃やすな(放射能が拡散する)ということもさんざん言われてきたのに、何ゆえに、その問題を提起しないのか。群馬県の汚水処理場で出てきた放射能汚染ゴミを厳重な厚いコンクリートの壁でできた新設倉庫の中に入れて保管しています、などと放送したが、その倉庫の看板には「(汚泥)焼却灰」と書かれていた。燃やした時にあたり一帯に放射能をまき散らしているのに、その灰だけを厳重保管しても意味がないでしょうに。頭隠して尻隠さずの間抜けのタヌキさながらだ。

 

14.埼玉県は、8000ベクレル/kgを超える指定廃棄物が県内に存在するにもかかわらず、政府に対してその申請を出していない。だからNHKの放送に出てきた棒グラフ付の汚染ゴミ状況地図で、埼玉県のところは「ゼロ」だった。指定されるといろいろ面倒だからだそうである。その代わりに埼玉県として、指定廃棄物を含む放射能汚染ゴミを、きちんと厳重に管理しているかというと、とんでもない、ただ放射能が減衰するのを待って、8000ベクレル/kgを下回ったら、一般ゴミとして処分する計画だという。埼玉県には、廃棄物の再生利用の施設も多くあるので、おそらくはそこへ持ち込む分を相当あるに違いない。出鱈目の最先端を走っているのが埼玉県である。福島第1原発事故直後の狭山茶の汚染で、放射能汚染や被ばくについての認識の低レベル水準を見せつけていた、上田清司(うえだきよし)知事のやりそうなことである。県民の安全のことなど、二の次くらいにしか考えていないに違いない。目を覚まそう、埼玉県民のみなさま。こんな知事、選んじゃだめですよ。

 

15.岩手県一関市市役所の、指定廃棄物の放射能汚染ゴミの一般ゴミとの「混焼」提案にはあきれた。「混焼」すれば、政府の基準である8000ベクレル/kgを下回り、一般ゴミとして処分できるではないかというもの。住民からの強い反対があり、前に進んでいない。行政の劣化と住民の判断レベルの向上がティピカルに出ていた今日的状況だ。放射能汚染物を汚染されていないものと混ぜて濃度基準をクリアして、捨ててしまえ、使ってしまえ、というのは、農林水産省が得意とするインチキ手法である。農林水産省は、農林水産汚染ゴミや肥料・飼料などで、こうしたインチキ手法を自治体に対して強力にご指導されているようである。

 

16.そもそも、この放射能汚染ゴミを大量に生み出した元凶はだれなのか、その大元の東京電力や、壊れた原発をつくった張本人たちの原子炉メーカーや原発ゼネコンは、今何をしているのか? この事態に対して、どう受け止め、どのようにその解決に寄与しているのか、どう責任を取ろうとしているのか。たとえば東京電力にいたっては、こうした福島第1原発事故の後始末もロクすっぽせず、被害者住民に対する賠償・補償・再建支援もきちんとせず、事故原発の収束も汚染水処理も、作業員の被ばく管理や労務管理もきちんとせず、もっぱら柏崎刈羽原発の再稼働のための全社を挙げて邁進中である。原子炉メーカーや原発ゼネコンに至っては、福島第1原発事故は自分たちとは関係がない、福島第1原発事故後は、「除染」事業に「貢献」して、再び金儲けをさせていただいている、という態度である。事態の責任追及を兼ね、どうして、こういう連中=加害者群の出鱈目な態度を取材し、視聴者に向かって告発しないのか。

 

(まだまだ、問題点は山のようにあり、書ききれませんが、この辺でやめておきます。要するに、福島第1原発事故後の政府や自治体の対応が、この「除染」と放射能汚染ゴミの問題一つをとっても出鱈目の極致を走っているということです、そんな中、川内原発や伊方原発をはじめ、日本全国の原発・核燃料施設が再び再稼働されようとしています。私は、日本が、政治や行政の極度の劣化を伴いながら、確実に一歩一歩、滅亡へと向かって歩を進めているような気がしています。もはや今日的な状況は、アジア太平洋戦争直前の軍国主義日本の翼賛国家と同じような雰囲気ができつつあり、原子力翼賛体制の下で、愚か者たちの集まりが日本をロクでもない方向へと引きづっているような気がしているのです。これを食い止められるのは、いや、食い止めなければならない責務を負っているのは、今まさに生きている私たち大人、一人ひとりであることを付記しておきたいと思います。そして、今日のNHKは、今回の放送でも明らかなように、決して日本に正気を取り戻す側にあるのではなく、狂気を推し進める愚か者たちの側にあるのだということも念頭に置いておくべきでしょう)

草々

 

逃げられないのに何故再稼働なのか?(『DAYS・JAPAN』今月号(2015/12):「特集 愛媛県・伊方原発」より)=県民・住民を踏みつけて稼働していく原発と、その県民・住民を守ろうとはしない知事・首長

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

今月号(201512月)の『DAYS JAPAN』が出ました。今月も見逃せない報道で満載です。以下、簡単にご紹介いたします。また、今月号で特集となった伊方原発再稼働問題について、若干のことを申し上げます。『DAYS JAPAN』は、企業などからの広告収入を受け取らず、みなさまの購読料のみにて運営がなされている、日本では数少ない(経営)独立系の「真実報道」「ホンモノ」のフォト・ジャーナリズム雑誌です。みなさまの定期購読が、この『DAYS JAPAN』の取材と報道と若手ジャーナリストの育成を支えています。みなさま、どうぞ定期購読をお願い申し上げます。(お申し込みは、下記の『DAYS JAPAN』のサイトをご覧ください)

 

●『DAYS JAPAN』HP

 http://www.daysjapan.net/

 

●『DAYS JAPAN』最新号のご案内

 http://www.daysjapan.net/about/index2.html

 

(今月の特集記事・注目記事など)

(1)特集:愛媛県・伊方原発:逃げられないのに なぜ再稼働なのか!

(2)特集:地獄化するシリア・イラク

(3)事故5年目を迎える福島:原発事故が奪った村

(4)コラム 編集委員「おしどりマコ・ケンの実際どうなの!?」:放送大学、政権批判の問題文削除で脅かされる学問の独立

(5)辺野古に基地は造れない

(6)コラム「OUTLOOK」:辺野古での国の暴挙は「第二の琉球処分」(文/斎藤美奈子)

(7)その他

 

(伊方原発再稼働で踏みつけにされ、切り捨てられる地域住民=佐多岬半島に居住する人たちは原発過酷事故では逃げられない。にもかかわらず、愛媛県知事も県庁も、伊方町も町長も、地域住民を原発とその過酷事故から守ろうとはしない。近未来に福島をはるかに上回る悲劇が襲うことになる。いったいどうなっているのか)

 

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 全くひどい話です。記事をご覧ください(サイトの記事紹介には、話/阿部悦子(前愛媛県議会議員)、草薙順一(伊方原発をとめる会事務局長、弁護士)、とあります。阿部さんはついこの間まで愛媛県議として脱原発に奮闘されておられた立派な方です。草薙さんは失礼ですが存じ上げません)。こんなところで、どうしてかような危険極まりない原発を再稼働する必要などあるでしょうか。最初のページにある真っ青な海と空に浮かび上がった佐多岬半島と伊方原発の写真を一目見て、これはいかん、と思いました。

 

 あとは記事を読み進むにつれて怒りが込み上げ、また、地域の人々のことに思いをはせ、胸が痛みました。原発にもしものことがあれば、少なくとも伊方原発より西の佐多岬半島にすむ人々は、逃げられないまま、猛烈な放射能の中に閉じ込められ、致死量的な被ばくを余儀なくされるでしょう。こんなことが許されていいのか。これは未必の故意の殺人行為ではないか。伊方原発は廃炉しかない。そう確信させられました(別添PDFファイルは、伊方原発特集記事の最初の部分の一部をコピーしてPDFにしたものです。みなさまには原本を入手の上、ぜひ、全部の記事をご覧いただきたいと思います)。

 

 しかも、伊方原発のある位置は、瀬戸内海の西の端・四国地方の西の端です。原発が過酷事故を起こせば、瀬戸内海と西日本は放射能に汚染され、取り返しがつかない事態となるでしょう。既に東日本は福島第1原発事故で汚染されてしまっていますから、伊方や川内などの西日本の原発が過酷事故となれば、日本はほぼ、絶望的な状態で、放射能汚染国となり、以降、数百年間にわたり有権者・国民は放射線被曝の中での生存・生活を余儀なくされるでしょう。宮崎駿氏のマンガ「風の谷のナウシカ」のような世界が日本に現実化します。(「風の谷」があるかどうかもわかりませんが、もしなければ、日本は滅亡です)

 

(記事から少し抜粋:一部私が加筆修正要約)


*佐多岬半島危険地図(地域全体が高齢化し、要介護・要支援者が増えている。また、いたるところに地滑りなどの危険性が高い箇所が散在している)

 

*驚くのは、ほとんどの集落が、県が定める地滑り危険個所、急傾斜地崩壊危険個所、土石流危険渓流のすべて、またはいずれかを複数抱える。

 

*さらに一時避難所がその指定区域内に入っている。

 

*佐多岬半島は全体が日本三大地滑り地質と言われる三波川変成帯からなっているが、何故か原発が立っている場所だけは地盤が強固ということになっている。(伊方原発が地滑りの土砂で埋まる可能性も大いにあり)

 

*半島唯一の国道197号線にはトンネルが多く、2005年に地滑りによって崩壊したという名取トンネルは今、入り口が塞がれ蔦に覆われていた。

 

*事故時には、半島の人々はこの三崎港からフェリーや県が手配する船舶によって大分に逃げることになっているが、フェリーの定員はせいぜい250人程度だ。(伊方原発より西側の佐多岬半島の人口は約5千人)

 

*ここの風は季節によってはほとんどが東からの風で、(中略)風によってはおれたちは放射能と一緒に逃げることになる。

 

*内閣府が2002年に出した南海トラフ巨大地震による津波想定は、佐多岬半島を含む伊方町で最大21メートル(伊方原発の津波対策は最大8メートル)

 

*世帯数わずか30世帯、60歳以上の人が80%を超える明神集落(1520km圏)も、避難場所にもなっている公民館は海沿いで、土砂崩れ危険個所。

 

*空き家や廃屋が多くあり、地震が来るとそれが崩落する可能性大、道路は狭く急斜面の階段で、車いすも自転車も入れない。(誰がどうやって避難させる?)

 

*伊方町の原子力災害時避難行動計画では、原発から5キロ圏外の住民は、原発の状況がA~Dの4段階のうち、3段階のCレベル「全面緊急事態段階」になっても、基本的には「屋内退避の指示を実施する」と書かれている。

 

*自宅退避をさせた後、放射能が充満する場所に誰が助けに来られるんですか? 買い物にも行けない、助けも来ない、ライフラインも使えるかどうかわからない、「屋内退避じゃなくて、これは屋内安楽死だよ」

 

*同計画では、住民への事故の周知に際して、Cレベルまでは「現在のところ、環境の放射能の影響はありません」とアナウンスすることが明記されている(ウソだ!!)。

 

*河田恵昭関西大学教授が、南海トラフ巨大地震が来たら、四国は全部の火力発電所が津波で被災し、5か月以上停電する、という論文を出している。

 

*浄水場のポンプも電気を使いますので断水の可能性大 ⇒ 愛媛県は「各家庭においては7日分を目標として飲料水の備蓄に努めるよう県の防災計画に入れる」(お話にならない。飲料水の確保も危うい)

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(田中一郎コメント)

 ちなみに、四国地方は伊方原発が発電などしていなくても、電力は十分に足りていて、更に圏外の関西電力に売電をしている状態。つまり伊方原発は、四国4県にとっては全く必要のない発電装置であり、ただ単純に、四国電力という一私企業の金儲けのために稼働されているに過ぎない。四国にとっては必要性はゼロだ。

 

(伊方原発3号機について、少し前の私の伊方原発についてのコメント)

 福島第1原発事故の教訓を踏まえていない点や、加圧水型原発として川内原発や高浜原発と同様の安全上の大問題があること,更に西日本に位置する原発であるため、過酷事故等による放射能の大量放出は、日本全土を取り返しのつかない放射能汚染地帯に変えてしまうことになることに加え,下記の諸点に注目

 

(1)伊方原発の立地上の問題(緊急時のアクセスや支援ができない,地域住民の避難ができない)

 

(2)日本最大の活断層である中央構造線が目の前にある

 

(3)近未来に高い確率で南海・東南海大地震が予測されている=650ガル、8m(津波)の想定ではとうてい間に合わない=自殺行為

 

(4)伊方原発周辺では、瀬戸内海の対岸にある米軍岩国基地に離着陸する米軍機などが頻繁に墜落事故・航空機事故を引き起こしてきた=危険(無防備),昨今は、悪名高いオスプレイまで日本に上陸している。

 

(5)MOX燃料を使う=MOX無審査は高浜原発と同じで危険極まりないことに加え、使用済みMOX燃料がやっかいだが行き場がなく、加えて伊方原発の場合には置き場もない。

 

(6)四国電力は地域独占の既存電力会社の中では北陸電力と並んで体制が脆弱であり、役職員や財務状況の現状のレベルでは過酷事故に対して対応できない、などの大問題を抱えている

 

〔参考)伊方原発を止めておくべき5つの理由:グリーンピース

 http://m.greenpeace.org/japan/ja/high/news/blog/staff/5/blog/52900/

 

(たんぽぽ舎MG(2015.11.21)より)

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┗■1.四国伊方原発の広域避難訓練の問題点少しでも小型船舶の知識があれば

 |  津波の後、漁船で避難することが不可能である

 └──── 井出久司 (原発さよなら四国ネットワーク)

 

 愛媛の井出ですが、先程行われた広域避難訓練。船で住民が避難する、とありますが、小型船舶はまず役には立ちません。主に漁船を想定しているようですが、津波の後、漁船は利用できる可能性はほとんどありません。津波で港が使えない等の理由より前に、津波の後の海の中が普段の状態ではないからです。天候もありますが、それ以前に津波の後の海水は瓦礫だらけ。流木、ロープ等が当たり前に海を漂っているので、小型船舶のスクリューはロープが絡まる、流木や瓦礫に当たる等でスクリューが変形、エンジンが故障することは目に見えるようである。

 

 少しでも小型船舶の知識があれば津波の後、漁船で避難することが不可能であることは言わずとも明らか。先日、知り合いの漁師と奥さんと話した時、そうだそうだと言われてました。逃げられる訳はない! と。そもそも現場を知らぬ官僚の作った避難計画だからものの役に立つ訳はない! 津波の後の海がどういう状態か、小型船舶のスクリューの弱点がどうか、ということを全く知らない官僚が避難計画を作ることからしてそもそも笑止である。その他、避難計画は誠に杜撰(ずさん)で役立たずではあるが、一般市民がニュース等の報道で洗脳されるには十分なのかも知れない。

 

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┗■2.再稼働は見直すこと、再稼働には30キロ圏自治体の同意と住民説明会を求める意見書を国と県に提出せよ

 |  自治体議員191名が伊方原発30キロ圏6自治体に請願・陳情提出

 └──── けしば誠一 (反原発自治体議員・市民連盟 杉並区議会議員)

 

◯ 1116日、全国191名の自治体議員が、伊方原発30キロ圏自治体の首長と議会に、伊方原発再稼働に関する請願・陳情を提出しました。1022日伊方町長が伊方原発3号機の再稼働に同意を表明し、1026日愛媛県知事が、四国電力社長に再稼働同意を伝えたことに対する反撃です。反原発自治体議員・市民連盟が呼びかけ、11月2日に、愛媛県と伊方町に180名の連名で30キロ圏自治体の同意と住民説明会を求める請願・陳情を提出しています。

 

◯ 福島第一原発事故後、原発から30km圏にある160の自治体にも避難計画の策定が義務付けられました。福島原発事故の被害状況をみれば、30キロ圏内はもとより50キロ圏を超える飯館村においても全村避難が続いており、チェルノブイリでは30キロ圏が立ち入り禁止区域とされています。30キロ圏自治体を無視し、伊方町と愛媛県の同意だけで再稼働を認めるわけにはいきません。

 

◯ 周辺自治体議員が超党派で賛同、紹介議員に

 請願は、「避難計画に実効性がなく、住民の安全を確保できない現状で再稼働は見直すこと、再稼働には30キロ圏自治体の同意と住民説明会を求める意見書を国と県に提出せよ」とするものです。当日議員・市民連盟から、けしば杉並区議、布施清瀬市議、柳田事務局長ら、地元から山本鬼北町議、堀内美鈴さんが参加。自治体によっては無所属、社民党、共産党、自民党まで紹介議員となり、再稼働への党派を超えた危機感がわかります。16日朝8時半宇和島市に集まり、西予市、八幡浜市、大洲市、内子町、伊予市と6つの自治体を回り、首長と議会議長あてに請願・陳情を提出しました。

 

◯ 八幡浜市ではマスコミが取材・報道

 伊方原発の再稼働をめぐる住民投票の直接請求署名運動が行われている八幡浜市では、NHK愛媛、愛媛テレビ、愛媛新聞が、市当局とのやり取りを取材し、翌日新聞で報道されました。11月2日の新城杉並区議、有賀日野市議、布施清瀬市議らの行動には、山本鬼北町議、渡辺愛媛県議が同行、愛媛新聞やNHKテレビ等が報道しました。原発立地の議会では少数派の反原発議員を激励し、粘り強く闘う地元市民運動との連携を強めることができました。愛媛県内30キロ圏6市町での12月議会の審議結果を受け、来年2月の第1回定例会(県と6市町)に向けさらに賛同を拡大し、再稼働を止める取り組みを強めます。

 

(たんぽぽ舎MG(2015.11.20)より)

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┗■3.伊方原発に反対し、住民説明会の開催を求める愛媛県・伊方町への要請行動を実施 (112日)

 |  NHKや毎日新聞が取材に訪れ、その後、愛媛新聞や朝日新聞、産経新聞から問い合わせ

 └────新城せつこ(東京・杉並区議会議員、反原発自治体議員・市民連盟)

 

○伊方原発の再稼働に反対し、住民説明会を求める「全国自治体議員の会」の愛媛県知事・県議会、伊方町長・町議会への請願・陳情は、全国から178名の連名で提出することができました。うち四国4県は47名、福島からは原発被害自治体21名の賛同が得られ、要請には新城せつこ杉並区議と山本勣鬼北町議が提出者となり、岩城泰基宇和島市議や有賀精一日野市議、布施由女清瀬市議、市民からは堀内美鈴さんらが参加しました。県知事要請には、渡部伸二県議や田中克彦県議が付き添い、渡部県議には伊方町まで車でご案内いただき心から感謝申し上げます。

 

○県議会では渡部県議から「遠くの人たちも自分たちの問題だと来ているのだ。県議会は議論もしていない」と厳しい一言。私たちからも30㎞圏住民への説明が行われていないことや大半が賛成しているという知事の認識は間違いであること、福井地裁判決が250㎞圏を当事者であるとしていること、見学をした福島の現実などを訴えました。午後の伊方町では、岩城泰基宇和島市議が合流。八幡浜市民にもご協力いただきました。

 

○伊方原発が危険な場所に立地している問題や半島に住む5,000人の避難問題、大分の非現実性を指摘しました。ここではNHKや毎日新聞が取材に訪れ、その後、愛媛新聞や朝日新聞、産経新聞から問い合わせの電話がありました。NHKは当日2度にわたりニュースでとりあげ、20時過ぎは全国自治体議員の会の伊方町申し入れ行動が大きく報道されました。

 

○今後について考えました。今回の取組みで、伊方原発再稼働問題が愛媛県だけの問題ではなく福島を経験した全ての人々の問題であることを印象付けました。今後さらに拡大すること、伊方原発30㎞圏内にある宇和島市など周辺自治体への働きかけも重要だと思いました。

 

 今回の取組みに先立ち、市民は伊方町を一軒一軒を回りアンケート調査を行い、52%が再稼働に反対であることが判明しました。私達はこの報告を力として県や町に訴えることが出来ました。県議会では47名中反対者はわずか7名。議会では少数でも、大多数の県民・市民の思いを体現していることを改めて確認しました。全国からさらにエールを送り、行動をともにしたいと思います。

 

(たんぽぽ舎MG(2015.11.19)より)

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┗■1.交渉の途中で「時間だから出て行け」という強圧的態度は許さない!

 |  四国電力伊方原発3号機の再稼働を止めよう! 

 |  11/18第2回四国電力東京支社抗議行動

 └──── 久保清隆(再稼働阻止全国ネットワーク)

 

◎ 18日、第2回四国電力東京支社抗議行動を行ないました。雨模様にもかかわらず大勢の方の参加がありました。やはり、「川内に続いて伊方もか」の危機感があるようです。集会に先立ち、5人の方々が申し入れ行動を行いました。「再稼働阻止全国ネットワーク」と「反原発自治体議員・市民連盟」が『申し入れ書』を読み上げ、手交しました。

 

◎ 四国電力は、前回の「申し入れ」に対し本社広報部から回答がきました。このことは他の電力会社になかったことで特筆すべきことかも知れませんが、肝心の回答の中身はお寒いものでした。例えば、再稼働の必要性の問いには「エネルギー資源の大部分を海外に依存しているから」とか、基準地震動や地盤の安定性については「原子力規制委員会による審査において新規制基準への適合性が確認されている」とかいう他人任せの回答です。また避難問題についても政府の原子力防災会議の計画が具体的、合理的なものと答えています。しかし、集会中の電話インタビューで地元の方が答えていましたが、原発が破壊されるような大地震の地からの漁船での避難はありえない、机上の計画だと言い切っていました。四国電力は本当に住民の安心・安全について真剣に考えているのかと疑がわざるを得ないものです。

 

◎ 四国電力に一つ忠告しておきたい。今回、話し合いの途中にもかかわらず、業務担当責任者なるものが突然あらわれ「時間だから出て行け」と強圧的態度で私たちを排除しようとしたことだ。交渉ごとは互いの配慮と譲り合いで成り立っているものだ。今後こうした対応が続くなら許すことはできない。交渉の場でも、集会の場でも発言があったが、これからも何度も何度も来て私たちの反原発の意志を突きつけるだろう。

 

☆次の四国電力東京支社抗議行動は1216()1830分からです。大手町の東京銀行協会ビル前に集まってください。

 

草々

 

2015年11月18日 (水)

原発・原子力トンデモ情報 (1)原発稼働電力との契約打ち切りで経営危機に追い込め (2)原子力規制「先送り」委員会 (3)原子力損失「先送り」名門企業(続き) (4)核燃料サイクルせず (5)内部被曝ゴマカシ科学 他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

今日は、昨今の原発・原子力関連の入手情報から「原子力トンデモ情報」をお送りします。原発・原子力=どうしようもありませんね。「これみんなウソ」(小泉純一郎元総理)ですわ。早くやめさせませんと、あの原発・原子力の「すっとこどっこい」(注)どもと心中の憂き身となりまする。

 

(注)「すっとこどっこい」

 http://zokugo-dict.com/13su/suttokodokkoi.htm

 

(最初に)

●まず、これをご覧になって、お気持ちを軽快に、ほがらかに

 https://www.youtube.com/watch?v=EcR-b9M6YU0

 

(それから報告です)

●11/16 原子力資料情報室 第88回 公開研究会 どうする核のゴミ 日本学術会議 暫定保管提言を考える(東京)

 http://www.cnic.jp/6663

 

(当日のレジメ)(別添PDFファイル)日本学術会議 暫定保管を考える(長谷川公一東北大学大学院教授 2015.11.16

「rejime_hasegawa.pdf」をダウンロード

(当日の録画)20151116 UPLAN 長谷川公一「日本学術会議暫定保管提言を考える」 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=c-uiHGnFVgU

 

1.来春の電力自由化対応:原発稼働電力との契約打ち切りで経営危機に追い込め

 広瀬隆さんのおっしゃる通りになってきています。原発にしがみつく地域独占の大手電力会社の背中を押してさし上げましょう。電力自由化で、私たち一般零細家庭の電気料金に寄生して経営をやりくりすることは、もうできませんよと、はっきり態度で示してあげるのが一番です。

 

●(別添PDFファイル)値上げ頼みの電力決算、始まった深刻な客離れ(『週刊東洋経済 2015.11.21』)

http://store.toyokeizai.net/user_data/contents/toyo/2015/t_9900111607.pdf

 

(お猿のおケツと関西電力・九州電力の収支はまっかっか。猿でもわかる「原発やめ得」の理屈がわからないおやじたちの会社が関西電力・九州電力であり、サルでもわかる「原発危ない」の理屈がわからないおやじ・おばはんの政党が自民党・公明党なり。既に、事業者や自治体などでは、割高電気料金の既存電力会社から新電力への契約替えが相次いでいる。関西電力などは、経営に危機感を感じて、大口の電力ユーザーに対してなりふりかまわない料金値下げプランを売り出し始めた。来年の4月以降、彼らが原発を「や~めた」というまで、契約する電力会社を変えてしまいましょう:田中一郎)

 

●(メール転送です)たんぽぽ舎MGより

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┗■1.来年4月 電力自由化「原発の電気は買わない」大キャンペーンを

 └──── 広瀬隆(作家)

 

【人民新聞 1565号  2015115日号】掲載より

 来年4月から電力自由化によって、私たち消費者が電力会社を選べるようになります。これは脱原発への大きなチャンスです。電力消費量は圧倒的に企業が多いのですが、電力会社の企業利益は、7割が一般家庭からとなっています(2012/05)。東京電力に至っては、9割を占めているのです。理由は家庭への電気代が高く設定されているからです。

 

 私たちは高い電力を買わされているのですから、安い新電力への切り替えは大きく進むはずです。実際、東京新聞によると、「電力会社を変えたい」と答えた人が64%(3月時点)です。さらに、愛媛県において69.3%の人が再稼働に反対している、というアンケート結果が示されています。つまり、再稼働に反対している愛媛県民が四電から新電力に切り替えれば、四電の利益は37%激減することになります。だから四電は、原発を再稼働して利益を確保しようとしているのです。

 

 新電力事業者は、各電力会社の管内ごとにhttps://enechange.jp/ に記載されています。ただし、「イーレックス(株)」は、原発メーカーである東芝・日立が主要株主になっているので、要注意です。「原発を動かそうとしている電力会社との契約を破棄して、原発を使わない新電力へ移行しよう」という一大キャンペーンを展開すれば、大きな圧力になることは間違いありません。

 

 さらに、既存の電力会社から電気を買っている企業に対しても、「なぜ原発を再稼働しようとしている四電から電気を買い続けるのか?」という働きかけを行うことも可能です。 電力自由化は、原発を止める大きなチャンスです。これは、勝てる闘いです。

 

 ★電力会社の収益構造(表から抜粋)

 販売電力量      電気事業利益

 家庭:企業 家庭:企業

 東京 3862       91 9 

 四国 4159 5446

 

 ※「電力自由化で原発と電力会社を葬る!!」第1回(5回シリーズ)

     日 時:20151128()18時より20

     お 話:広瀬 隆(作家)

 

2.原子力規制「先送り」委員会 

 田中俊一曰く「いたずらに運転を止めて基準を適用することは合理的でない」。なーんちゃって、これ、また、やってますわ、この男は口先だけの「規制リップサービス係長」の役割はしっかり果たしている。この男は福島第1原発事故をもう完璧に忘れてしまったらしい。この原子力「寄生」委員会に助けられつつ川内原発1,2号を違法に再稼働した(30km圏内の立地地元の了解を得ていない)悪質会社の九州電力などは、「特定重大事故等対処施設」など、さらさらつくる様子はない。今回延長してもらった期限の2020年が近づくころまでに、規制を変えてしまうか、再延長すればいい、くらいに考えているのだろう。伊方原発の四国電力も兄貴分の九州電力をまねて、右に倣えを決めこんでいる。記事によれば、この施設はテロ対策という位置づけのため、「秘密」が付きまとっている別の問題もあるそうだ。原子力ムラは不都合隠蔽の理由探しには長けている。テロとか商業上の秘密などと言えば、なんでもかんでも全部隠せるとタカをくくっているのだ。

 

ちなみに川内原発だが、福島第1原発事故の際に「これがなかったら最悪の事態になっていた」とされる免震重要棟もない。そんな状態で、ボロボロの蒸気発生器(建設時以来一度も交換されていない、福島第1原発事故がなければ2012年9月までには交換される予定だった)という加圧水型のアキレス腱を引きずって稼働がスタートした。地獄行き「片道切符」が改札されたのだ。

 

また、この記事の後半の部分には興味深いことが書かれているので引用しておこう。「大手電力九社が新基準で必要となった原発の安全対策費は今年四月現在で、少なくとも総額二兆三千七百億円に上る。経済産業省が13年秋に公表した約一兆六千五百億円から七千億円以上も膨らんだ。四月の時点で、五社は特重施設の費用を計上しておらず、対策費はさらに上積みされる見通しだ。」(こんなことまでして、なんで原発せんといけんの?)

 

●(別添PDFファイル)原発のテロ対策先送りの怪、猶予さらに延長(東京 2015.11.18

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015111802000128.html

 

3.原子力損失「先送り」名門企業 

 また出た新事実=米原発子会社WH(ウェスティングハウス)の減損処理隠しは1156億円と巨額、こんな巨額の悪質粉飾をしている企業に対して、これまた、処分や責任追及が出鱈目だ。いくつか報道記事をご覧いただいて、ポイントを申し上げる。

 

(1)(別添PDFファイル)東芝 課徴金70億円超 監視委 最高額勧告へ(日経 2015.11.18

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151118-00000026-mai-bus_all

 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H5A_X11C15A1MM8000/

 

(2)(別添PDFファイル)東芝、身内に大甘の追及、たった3億円の賠償請求(『週刊東洋経済 2015.11.21』)

http://store.toyokeizai.net/user_data/contents/toyo/2015/t_9900111607.pdf

 

(3)(別添PDFファイル)監査法人も見限り始めた東芝原発子会社の減損リスク(『週刊ダイヤモンド 2015.11.21』)

 http://diamond.jp/articles/-/81638

 

(田中一郎コメント)

 日経の記事について、次の点を指摘しておきたい。

 

(1)証券取引等監視委員会は、アメリカの証券取引委員会(SEC)などとは違い、単に不祥事や法令違反等をした会社や人間について「こういう処分が妥当だ」という提言を、監督官庁であり金融推進官庁でもある金融庁(旧大蔵省)に対してするだけで、自身には何の権限もない。つまり、事業推進と規制とが「どんぶり状態」になっているという日本の行政ではおなじみの「利益相反行為」丸出しなのだ。組織の体制も貧弱で、そのTOPに居座る幹部達は軟弱である。こんな組織で金融市場や資本市場ににらみがきかせられるはずがない。アメリカ、アメリカと、日々、やかましい日本の市場原理主義者たちだが、こういう肝心なところはアメリカの真似事をしようとはしないのだ。私が市場原理主義とはご都合主義であると申し上げている所以である。

 

(2)記事には「社債や新株の発行額が課徴金の算定根拠となる」「東芝は課徴金の対象となる1014年に個人向けを合む3000億円を超える社債を発行しており、金額が膨らむ要因となったもようだ」などと書かれている。しかし、この計算方法だと、既存株式を株式市場で買った投資家は、その後の隠蔽されていた予期せぬマイナス情報の発覚で株価値下がりの損失を被っており、救われない。7080億円などという課徴金の金額が小さすぎるのは明らかだ。しかし、これが過去最高の金額だということは、これまでがいかに出鱈目で「やったもの勝ち」の金融市場だったかということがわかるというものである。(アメリカだと、おそらくは天文学的な金額の罰金が課されるに違いない。アメリカは粉飾や非開示(隠蔽)、インサイダー情報などの金融市場の不正に対しては非常に厳しい)

 

(3)記事の最後に「刑事告発」のコメントがあるが「難しい」などと書いてある。何が難しいのか。こんな巨額で悪質な粉飾が組織ぐるみで行われているのに、何故にその責任者が刑事告発されないのか。日本は法治国家なのか? 権力・財力のある組織や人間は、何をやっても罰せられないのか? 

 

(4)アメリカ子会社WHの減損隠しの合計金額は1156億円と巨額で、当然ながら東京証券取引所の「適時開示」の基準に引っかかる。にもかかわらず、東証は東芝に対してほとんど何の処罰もせず、また、記事には「(法的にも)WH社の減損額を非開示にしたことは虚偽記載には含まれない」などと書かれている。そんなバカな話があるか。何のための財務情報開示であり有価証券報告書なのか。また、これだけ巨額の連結子会社の減損を、東芝本社は自身の財務諸表に反映させていない。当然ながら、WH買収時に資産計上した「のれん代」の3500億円は減損処理しなければならないところである。しかし記事によれば「同社は「連結決算では他部門も含めた原子力事業全体として評価する」として資産価値を維持している」などと書かれている。明らかに保守性の原則をモットーとする会計基準に反している。こんなものを「ああ、そうですか」などと認めている日本の監査法人や金融監督当局、そして東証には、金融市場を司る資格はない。

 

(5)東芝自身が設けた「役員責任調査委員会」という「役員責任見逃し委員会」は、このほど大甘の報告書を提出した。それに基づき東芝は、過去3人の社長と2人の財務責任者に対して、わずか3億円の損賠賠償を請求するという。しかし、これでは、訴える役員の数も少なければ、賠償請求金額も少額すぎるではないか。上記の日経記事にもあるように、課徴金だけでも7080億円にもなるというのに。株主を馬鹿にしているのだろう。別添PDFファイルの週刊東洋経済記事に詳しいので、それをご覧いただきたい。

 

 ところで、こうした場合、株主はこの5人に対しては株主代表訴訟を起こせないのだろうか?(5人以外の役員に対しては起こせるらしい)、起こせないとしたら、東芝が株主代表訴訟に先駆けて賠償請求の提訴することで、その妨害をしたということだろう。ということは、東芝自身がこの5人によって損害を被りながらも、まだこの5人をかばい続けているということを意味している。何という会社なのか。株主はやはり馬鹿にされ続けている。

 

4.核燃料サイクルせず

●(別添PDFファイル)核燃サイクルに12兆円、コスト年1600億円 廃炉費も(東京 2015.11.17

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015111702000135.htm2l

 

(関連)(別添PDFファイル)再処理もってのほか(『アエラ 2015.11.23』)

 http://blogs.yahoo.co.jp/kotyannomama/18043965.html

 

(田中一郎コメント)

 東京新聞の記事には敬意を表したいが、記事の解説にもあるように、廃炉・解体費用の試算が10年前のもので過小評価の可能性が高い。実際には、今やめてももっと大きな金額が必要になるだろう。そして、このまま愚かなことを続けていけば、その必要金額は天文学的な巨額な金額となっていき、手当てできなくなって、経費カットのためにテキトーなことをやりだすのは目に見えている(東京電力による福島第1原発でのずさん極まる汚染水対策などがそうしたことの一例だ)。2枚目の記事「核燃サイクル事業費 青天井」にある「核燃料サイクル事業一覧」に並んだ事業を見ていると無性に腹が立ってくる。ふげん、もんじゅ、MOX、RETF、開栄丸、高レベル放射性廃棄物最終処分場、などなど、もういい加減にしろというべき様なものがずらっと並んでいる。そしてその費用合計は、低く見積もっても12兆円だ。税金をドブに捨てたようなものである。

 

 私が「追っかけファンクラブ」の代表をしている原子力資料情報室の澤井正子氏のコメントが記事に出ているので抜き書きしておこう。

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核燃サイクルを長年調べてきた原子力資料情報室の沢井正子氏は自らの調査経験と本紙の集計結果を重ねながら、「再処理工場をみても、トラブル続きのひどいありさまだ。コストはもっと膨れあがっていてもおかしくない」と指摘。その上で、「事業の全体像が分からないので費用の天井もなく、『足りなければ国民から取ればいい』という認識で続いてきた。だが、もんじゅの問題で注目が集まれば、国民の疑念も高まるのではないか」と話した。

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 ともあれ、民主党時代に行われたインチキ・イベント「事業仕訳け」では手が付けられなかった核燃料サイクルに何とかメスをいれようと、河野太郎氏ががんばっている。しかし、最後は内閣・政権の方針に従いますよ、ではだめでしょう。閣僚辞任・自民党脱党の覚悟をもって臨まないと、まもなく竜頭蛇尾になってしまいますよ。サイクルなんかしない核燃料サイクル、増殖なんかしない高速増殖炉「もんじゅ」、カネばかりかかって、もたらすものは日本破滅クラスの巨大放射能放出リスクだけ、狙いは核兵器製造能力の温存と、その原料のプルトニウムにあることはミエミエです。

 

5.内部被曝ゴマカシ科学

 原子力・核を地球上で人類が手にして以来、愚かにも、ずーーーーーーーっと、その放射能による内部被曝の危険性はゴマカされ(嘘八百)、矮小化され、隠蔽されてきた。ちょうど、東芝の粉飾決算と同じようなものと考えていただいていい。原子力ムラの人間達は、都合の悪いことはすべて、嘘八百、矮小化、隠蔽を常としてきたので、それが今さら「悪い」「ダメだ」などと言われても、他にやりようがない。危険極まりない恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)のゴマカシなどは、その典型事例の一つである。愚かの上塗りで、福島第1原発事故後の今日も、これまで以上に露骨に、恥も外聞もなく、放射線被曝リスクのゴマカシ、矮小化、そして隠蔽が続けられている。(下記は西尾正道氏(元(独)国立病院機構北海道がんセンター長)の論文ですが、内部被曝ゴマカシのエッセンスがわかるいい内容です)

 

●(別添PDFファイル)放射線の健康被害を通じて科学の独立性を考える(西尾正道『北海道医報 2015.11.1』)

「hibakutokagaku_nisio.pdf」をダウンロード

「参考)放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか?

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html

草々

 

2015年11月17日 (火)

日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その5):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(3)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(最初に若干のこと)

1.TPP交渉差止・違憲訴訟 第2回口頭弁論と、その報告会

 昨日(11/16:月)、標記の第2回公判とその報告会(衆議院第1会館多目的ホール)が開催され、予想を上回る大勢の方々が参集されました。日本のすべてを多国籍大資本と米国の国益のために差し出す売国奴協定=TPPに対する怒りと懸念の声が全国的に高まりつつあります。公判では、裁判の門前払いを画策する国側の抗弁を退けて、少なくとも来年4月11日(月)(午後230分)の第4回公判まで裁判が継続となりました。また、後半の「裁判報告会」では、衆議院第1の大会場である多目的ホールがいっぱいとなって立ち席となるなど、この裁判への注目度の高まりと反TPP運動の盛り上がりを感じさせるものでした。下記には、東京地裁前の集会と、公判後の「報告会」の一部始終が録画されておりますので、ぜひご覧ください。非常に重要な中身になっています。なお、次回の公判は来年の222日(月)(午後230分)とのことでした。追って下記サイトに案内が掲示されると思いますのでご注目ください。

 

(非常に残念なことに、公判前の集会や公判後の報告会には、農協系統・漁協系統や日本医師会、あるいは連合・労働組合など、TPP協定によって大きなダメージを受けそうな団体の「団体参加」はなかったように思います(担当者が様子を見に来ていたかもしれない)。まだ、協定の仔細がすべて固まったわけでもなく、協定書の公式文書も公開されず、もちろん調印もされていないにもかかわらず、これらの団体は早くもTPP断固反対を貫かないままに、「モノくれ、カネくれ、自分を通せ(政策の施行)」という自己組織優先の「条件闘争=物取り闘争」に方針を切り替えてしまったかのような観があります。安倍晋三・自公政権の「国内対策先走り」政策に便乗しているのかもしれません。もしそうだとしたら、情けない限りです。こうした20世紀型の「老朽化・陳腐化」組織が、今後反国民的な自民党政権・支配権力の補完物・翼賛組織となっていくのは時間の問題のように思われてなりません。昔は、こうした団体に力があって自民党の政治を動かしていましたが(圧力団体)、今やこれらの団体が政治の下僕と化して、自己組織存続のために政治に額づいていくような時代になってきています。協同組合、業界団体、労働組合等々、そもそも、そのような組織が何のためにあるのかを、もう一度、徹底して問い直さなければならない時代になっています。)

 

(案内)【重要なお知らせ】11-16(月)TPP交渉差止・違憲訴訟 第2回口頭弁論期日のご案内 TPP交渉差止・違憲訴訟の会

http://tpphantai.com/info/20151030-announcement-of-second-oral-argument-about-tpp/

 

(関連)TPP交渉差止・違憲訴訟にご協力ください!TPP交渉差止・違憲訴訟の会

 http://tpphantai.com/

 

(録画)20151116 UPLAN【東京地裁前集会・院内集会前半】TPP交渉差止・違憲訴訟第2回口頭弁論期日 - YouTube

前半:https://www.youtube.com/watch?v=LEhJy8DkKL4

後半:https://www.youtube.com/watch?v=QGIPZnpDMq4

 

(田中一郎コメント:注目点は次のようなところです)

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(1)韓米FTA履行4年目の韓国の変化(弁護士ソン・キホさん)⇒ 別添PDFファイルのレポートもご覧ください。米韓FTAはTPP協定の先行版のような協定ですが、施行4年目にして、早くも韓国ではその「弊害」が目立ち始めています。今や「韓米FTAは失敗であった」が韓国での評価として定着し始めているのです。韓国はこれから、米国の経済的属国として、時間をかけて徹底的に搾り取られ、全産業・全生活のあらゆる面にわたりボロボロにされていくに違いありません。今、日本がそれを「自発的」に追いかけようとしているのです。ソン・キホさんによれば、韓米FTAが締結される時の韓国国内の様子と、TPP協定が締結されようとしている今の日本の状況があまりにそっくりなのには驚かされる、とのことです。気を付けよう、暗い夜道と、TPP、です。

 

(TPP協定の内容も確認しないまま、市場原理主義アホダラ教を信じ込み、マスごみや御用学者の言論の乗せられて情緒的に賛同していく日本の今日の様は、没落の経済大国の悲哀を感じさせます。この支配権力盲従の人たちをどこまで正気に戻せるかが勝負です:田中一郎)

 

(2)TPP交渉差止・違憲訴訟の公判報告と今後の見通しについて、担当弁護士や複数の人が語っています。日本の裁判所が、原発差止裁判と並んで、ここでも司法としての認識と良識が問われています。TPP協定のISDS条項や秘密交渉取り決めなどなどによって日本国の裁判権や国会の審議権・議決権・立法権、あるいは有権者・国民の知る権利や食料主権という国家主権が奪われる・脅かされる事態に対して裁判所がどう判断するのかということです。被告の国は「早く門前払いせよ」との立場で原告側の陳述さえ認めるななどと申し立てているようですが、原告側弁護団の頑張りで当面は来春まで裁判の継続が決まっています。

 

(3)民主党衆議院議員の篠原孝氏が、①TPP協定交渉参加国の中で日本は米国に次ぐGDP大国であるにも関わらず、協定書の公式文書は英語・仏語・スペイン語の3つの言語で書かれていて日本語のものはないというトンデモ事態になっていること(これ自体を国会で追及せよ:田中一郎)、②民主党内はTPP反対一枚岩ではない=今月のたった1日の国会臨時審議で、衆議院民主党はTPPについて、ほとんどまともな質疑や政府追及をしていない(参議院は徳永エリ議員が質疑を行ってOK状態)=こんな民主党でいいのかなとのこと、③アメリカの対日輸出の筆頭格は、医薬品、航空機、医療機器、なので、アメリカの狙いは日本の皆国民健康保険をつぶすことではなく、そこに税金をもっと入れさせて、米国産の医薬品や医療機器を高い値段で買わせること、TPP協定の大きな狙いはそこにあり、などの発言があった。的を得ている。財・サービス貿易の面では、保険・金融、医療・医薬、特許・知的財産権、農産物・食品などが狙われている。

 

(4)TPP協定に並行して、日米並行協議や協定参加各国との個別取り決めのようなことが行われている。これらについてはTPP協定の一部を構成するものと考えていいのか(つまり国会承認が必要なのか)、また、これらについても、日本語や英語以外の言語での合意文書は作られているのか、との質問を私の方からしております。日米並行協議はTPP協定を上回る内容の市場原理主義的措置になっているようです。(回答はVTRをご覧ください)

 

(5)アレルギー症状に苦しむ子供たちの親子でつくる団体「あとぴっこ」の赤城さん・近藤さんからスピーチがあり、TPP協定によって飲食に含まれるアレルギー物質の混入基準や表示基準が緩和されたり撤廃されたりすることは本当に困る、命に関わる死活問題である旨、お話がありました。

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なお、別添PDFファイルには、引き続きTPPと農業関係の新聞記事を添付しておきます。農業については、もう少ししてからまとめてご説明いたします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)韓米FTA履行4年目の韓国の変化(前半)(ソン・キホ弁護士 2015.11.16

「beikan_ffta_sonkiho_1.pdf」をダウンロード
(2)韓米FTA履行4年目の韓国の変化(後半)(ソン・キホ弁護士 2015.11.16

「sonkiho_2.pdf」をダウンロード
(3)日本の農業は壊滅の恐れ、米国追随の「合意」を絶対に認めてはならない(鈴木宣弘『週刊金曜日 2015.10.21』)

(4)TPP大筋合意という茶番劇(『選択 2015.11』)

(5)TPP;乳製品 新たに民間の輸入枠(日本農業 2015.11.7

(6)畜産危機とTPP 酪農と肉牛衰退は連動(日本農業 2015.11.2

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35210

(7)TPP価格はこうなる:水産品、関税低く影響限定的(日経 2015.11.16

 

 <関連サイト>

(1)サルでもわかるTPP:TPPは農業問題じゃないヨ! 放射能のように、日本人すべての上に降りかかってくる大問題! 原発よりも危険かも!!

 http://luna-organic.org/tpp/tpp.html

 

(2)サルでもわかるTPP:プロジェクト99

 http://project99.jp/?page_id=75

 

(ここから本文)

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さて、今回コメントを続ける政府公表のTPP概要のペーパーは下記のサイトにあります。

 

(1)内閣官房 環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要(2015.10.5

 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou.pdf

 

(2)農水省 TPP農林水産物市場アクセス交渉の結果(2015.10.5

 http://www.maff.go.jp/j/kokusai/tpp/pdf/tpp_1.pdf

 

また、上記を含めて、政府が公表したTPP協定関連の諸文書類は下記のサイトにあります。

 

(関連)TPP政府対策本部(内閣官房)

 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/

 

(関連)農林水産省 HP(TPP関連サイトは画面中央の一番上に「注目情報」の中に2つ並んでいます)

 http://www.maff.go.jp/

 

(上記(1)のP18「第9章.投資」からです)

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1.P18「第9章.投資」

「投資財産の設立段階及び設立後の内国民待遇及び最恵国待遇、投資財産に対する公正衡平待遇並びに十分な保護及び保障、特定措置の履行要求(現地調達,技術移転等)の原則禁止、正当な補償等を伴わない収用の禁止等を規定している。また、投資家と国との間の紛争の解決(ISDS)のための手続も規定している。」と書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 今や悪名とどろきわたる、いわゆるISDS条項に関する記述である。投資受入国の国内法制に従いたくない多国籍大企業群が、国家主権である司法権・裁判権を越えて、自分たちの利益に反するあらゆる投資受入国の法制や慣習などを世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」という第三者機関に訴えることができるという制度・仕組みのことである。昔の言葉で言えば「治外法権」、これまで述べてきた関税撤廃=「関税自主権の放棄」と並んで、国際取引協定が「先祖がえり」をしているかのごとくである。しかも、この「国際投資紛争解決センター」における裁判がインチキそのもので、非公開、一審制、訴えを拒否できない、勝っても被告の政府は裁判費用を一定額負担など、投資受入国には最初から不利であるだけでなく、このセンターがアメリカ傘下の世界銀行の付属組織のようなところであるため、社会的な公正の観点で審議・判決がなされるのではなく、アメリカの息がかかった判事の下で、多国籍大企業群に有利な判決が次々に出されるという「不公正」「我田引水」のトンデモ組織なのである。かような条項は自国の主権の放棄=国民主権侵害以外の何物でもなく、断固として退けられなければならないものだ。

 

 詳しい説明は、さしあたり下記の3つのサイトをご覧いただければと思う。各サイトにある「ラチェット条項」という、もう一つの「毒薬条項」(ポイズンピル)についてもご覧になっておいていただきたい。

 

(1)米国丸儲けの米韓FTAからなぜ日本は学ばないのか 「TPP亡国論」著者が最後の警告!|エディターズ・チョイス|ダイヤモンド・オンライン

 http://diamond.jp/articles/-/14540

 

(このサイトのNO.4~6あたりにISDS条項やラチェット条項が出てきます)

 

(一部抜粋)

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 さらに米韓FTAには、いくつか恐ろしい仕掛けがある。その一つが、「ラチェット規定」だ。ラチェットとは、一方にしか動かない爪歯車を指す。ラチェット規定はすなわち、現状の自由化よりも後退を許さないという規定である。

 

 締約国が、後で何らかの事情により、市場開放をし過ぎたと思っても、規制を強化することが許されない規定なのだ。このラチェット規定が入っている分野をみると、例えば銀行、保険、法務、特許、会計、電力・ガス、宅配、電気通信、建設サービス、流通、高等教育、医療機器、航空輸送など多岐にわたる。どれも米国企業に有利な分野ばかりである。加えて、今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が米国に対する条件よりも有利な場合は、米国にも同じ条件を適用しなければならないという規定まで入れられた。

 

 もう一つ特筆すべきは、韓国が、ISD(「国家と投資家の間の紛争解決手続き」)条項を飲まされていることである。このISDとは、ある国家が自国の公共の利益のために制定した政策によって、海外の投資家が不利益を被った場合には、世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」という第三者機関に訴えることができる制度である。

 

 しかし、このISD条項には次のような問題点が指摘されている。ISD条項に基づいて投資家が政府を訴えた場合、数名の仲裁人がこれを審査する。しかし審理の関心は、あくまで「政府の政策が投資家にどれくらいの被害を与えたか」という点だけに向けられ、「その政策が公共の利益のために必要なものかどうか」は考慮されない。その上、この審査は非公開で行われるため不透明であり、判例の拘束を受けないので結果が予測不可能である。また、この審査の結果に不服があっても上訴できない。仮に審査結果に法解釈の誤りがあったとしても、国の司法機関は、これを是正することができないのである。

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●ちなみに『TPP亡国論』の著者とは中野剛志氏です。

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032556008&Action_id=121&Sza_id=B0

 

(2)弁護士川口創のブログ:TPPのISD条項の違憲性

 http://kahajime.exblog.jp/20771497/

 

(一部抜粋)

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ISD条項の特徴をまとめれば、次の点が上げられます。

<1>国家対国家、という国際法の概念から離れて、投資家(企業)に国家を提訴する権利を与えている点、

<2>国内で起こった紛争であるにもかかわらず、提訴した投資家が紛争解決を「国際投資紛争解決センター」などの国際仲裁機関を選択した場合、当該国際機関によって司法判断が下される点、

<3>国際機関に訴えられた政府等には、当該裁判を拒む権利が認められていない点、

<4>国際投資紛争センターが世界銀行参加の組織であり、公正中立性が保証されない点、

<5>ISDの適用範囲が極めて広汎であり、あらゆる分野が「非関税障壁」として投資家から訴えられるリスクを抱える点

などが、ISD条項の特徴です。

 

 つまり、ISD条項は、第一次裁判権を日本の司法ではなく外国投資家が選択する国際投資仲裁機関に付与することを認めるため、日本国内で生じた紛争であるにもかかわらず、日本国内での裁判を行う司法権限が奪われることになります。憲法に照らしてみた場合、司法権が我が国の裁判所に属するとした76条1項に反するものであり、我が国の司法主権の侵害に他なりません。政府が今行おうとしていることは、司法主権の売り渡しです。

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(3)【TPPのデメリット】ISD条項とは①

 http://www.news-3.com/tpp-yougo/tpp-isdjyoukoutoha1.html

 

それから、更にP12には次のようにも書かれています。

「(4) 地方政府の措置に関する国家間協議メカニズムの導入

米国、カナダ、オーストラリア等の連邦制国家では州政府が多くの規制を行っているところ、地方政府による協定違反の投資規制に対して国家間で対応策を協議するメカニズムを新たに導入。」

 

(田中一郎コメント)

 これはかねてより申し上げているように、TPP協定は米国、カナダ、オーストラリア等の連邦制国家の場合には、州政府・州法制には適用されない=TPP協定に従わなくてもいい、ということを意味しています。他方で、日本をはじめアジアや南米のTPP協定参加国はTPP協定が国内法の上にくる形になっています。かような「不平等条約」「不均衡・不均等協定」など、締結する意味があるのかということです。

 

更に更に、P12~13には次のように書かれています。

「ISDS手続に関しては、例えば、以下のような濫訴抑制につながる規定が置かれている。

〇 仲裁廷は、国家の義務違反の有無を判断する段階に至る前に、訴えが仲裁廷の権限の範囲外であるとの被申立国による異議等について決定を行う。

〇 全ての事案の判断内容等を原則として公開することを義務付ける。

〇 申立て期間を一定の期間に制限する。

 また、TPP協定投資章において、投資受入国が正当な公共目的等に基づく規制措置を採用することが妨げられないことが確認されている。」

 

(田中一郎コメント)

 全くバカバカしい「お慰め」文章です。上記のようなことで「カネと利益の亡者」である多国籍大企業が提訴を躊躇したり抑制したりするはずもありません。また、「投資受入国が正当な公共目的等に基づく規制措置を採用することが妨げられない」などと一般的抽象的に書いたところで、それが具体的にどういう場合に当てはまるのかを、上記の「国際投資紛争解決センター」なるインチキ裁判所が決めるのであれば、何の慰めにもお助けにもなりません。過去の事例から判断すると、多国籍大企業や投資FUNDなどは、敗訴がほぼ確定的に見込まれる場合であっても、裁判提訴によって被告となる諸国の政府や行政機関が委縮することを狙って提訴を乱発してくる可能性があるのです。特にアメリカ系の多国籍大資本は非常に行儀が悪くタチが悪いのです。やがて日本は多国籍大資本によって、政府も自治体も共にねじ伏せられる時代が来ることでしょう。我々の先祖が命がけで不平等条約の「条約改正」を実現させ、ようやく100年ほど前に欧米帝国主義諸国と少なくとも条約上はまがりなりにも「対等」の関係となったことも忘れてしまい(歴史を学ばないのだから知らないのかも)、そのボンクラの末裔が、今度は自分から、アメリカの永続的属国化の法制的固定化に「志願」していくのですから、開いた口がふさがりません。TPP協定に賛成だという大馬鹿者が、この日本に少なくないのは、まさに嘆かわしい限りです。ほんとうに心から「お前ら、アホか」と申し上げたい。

 

(ちなみに、ISDS条項で投資受入国が提訴されると、仮に勝訴した場合であっても裁判費用の一部負担が投資受入れ国政府に課せられることになっているようです。こんなところにも、多国籍大企業有利の不合理な仕組みが隠されています。:田中一郎)

 

(TPP協定の本質は「貿易協定」ではなく「投資協定」を含むところの「国際取引協定」です。その主眼は関税撤廃などにあるのではなく(関税撤廃が重要なのは農業分野など、一部に限られています)、上記のISDS条項やラチェット条項をはじめ、物品貿易や投資など関税以外のさまざまな国際取引に関する取り決めにこそ、TPP協定の狙いがあると言っていいでしょう。マスごみなどの報道に惑わされないようにいたしましょう。:田中一郎)

 

2.「第10章.国境を越えるサービスの貿易」

「国境を越える取引、海外における消費の態様によるサービスの提供、自然人の移動によるサービスの提供に関し、内国民待遇、最恵国待遇、市場アクセス(数量制限の禁止等)等について規定している。原則全てのサービス分野を対象とした上で、内国民待遇、最恵国待遇、市場アクセス等の義務が適用されない措置や分野を附属書に列挙する方式(いわゆるネガティブ・リスト方式)を採用している。これは、WTOのサービスの貿易に関する一般協定(GATS)が採用している上述の義務の遵守を約束する分野のみを列挙する方式(いわゆるポジティブ・リスト方式)と比較して規制の現状が一目でわかるため透明性・法的安定性・予見可能性が高い。」

 

「また、内国民待遇等の自由化に関わる規律を適用しないことが認められた措置について、協定発効後に、規制の緩和や撤廃を行った場合は、変更時点でとられている措置よりも後退しない、すなわち自由化の程度をより悪化させないことを約束するラチェット条項が置かれている。この条項は、投資・サービス分野において海外で日本企業が長期的に活動するに際し、規制の予見可能性が高まることを通じて、想定外の規制強化によって損害を被ることを防ぐ効果がある。他方、政策上、将来にわたって規制を導入し、又は強化する必要があり得る分野については、留保することが認められている(「包括的な留保」=いわゆる「将来留保」)。包括的な留保をした分野にはラチェット条項は適用されない。」

 

「日本は、社会事業サービス(保健、社会保障、社会保険等)、政府財産、公営競技等、放送業、初等及び中等教育、エネルギー産業、領海等における漁業、警備業、土地取引等について包括的な留保を行っている。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 ラチェット条項の危険性については、上記にご紹介したサイトにもある通りですが、やはり最大の危険性は、これから何が起きるかわからないし、経済や社会がどう変化し、どのような問題を抱えていくのか、完全に予測することなど不可能だという点にあります。さまざまな自然環境、経済環境、社会環境の変化の中で、政策や行政は場合によっては規制をかけたり強化したり、適正化のためのルールを決めたりしなければならないことも出てくるでしょう。しかし、この「ラチェット条項」があると、これがネックになって、そうしたことができなくなる、できにくくなってしまうのです。あらかじめ「ネガティブ・リスト」に入れたり、留保条項に入れたりしたとしても、それ以外の項目で様々なことが起きるのはいわば必然で、そうした場合に、この「ラチェット条項」は、それに対する対応を必ずや妨害してしまいます。

 

 また、ネガ・リストや留保に入れなかった事項については、現状では不十分な規制状態にある場合=たとえば遺伝子組換え食品の表示などの食品表示や、危険なものがたくさん混在・混入している食品添加物規制など、今ある状態以上の事態の改善や規制の強化ができなくなってしまうのです。それでは困ります。何故にかようなバカなことを約束しなければいけないのでしょうか。多国籍大資本のために、今後の経済的社会的な規制やルール作り=つまりは立法権を放棄するものに他なりません。

 

3.「第11章.金融サービス」

「越境での金融サービスの提供等に関し、内国民待遇、最恵国待遇、市場アクセス制限の禁止、行政における透明性の確保といったWTO協定と同種の規律のほか、経営幹部等の国籍・居住要件の禁止、支払・清算システムへのアクセス許可、保険サービス提供の迅速化等の貿易自由化の促進のための規律を協定本文で定めている。」

 

「また、連邦制国家の州政府による規制措置について、①情報提供の要請や、②当該措置により金融サービス提供上の重大な障害が生じている場合における国家間の協議の要請に係るメカニズムが設けられている。また、連邦制国家の州政府による規制措置について、①情報提供の要請や、②当該措置により金融サービス提供上の重大な障害が生じている場合における国家間の協議の要請に係るメカニズムが設けられている。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 金融の分野はアメリカにとっては「比較優位」の分野ですから、さまざまなことを狙っていると考えていいでしょう。とりわけ保険分野で、簡保と農協共済という2つの(アメリカ金融資本にとっての)「金城湯地」が狙われています。しかし、上記のような、一般的で抽象的で、しかも文章の主旨がよく読み取れない=何を言っているのかよくわからない文章の裏側には、有権者・国民・市民にはオープンにはできないロクでもないことが隠されていますので要注意です。そもそも、日本の金融市場・資本市場は、規制当局がきちんと機能しない「インチキ市場」の様相を呈して久しく、アメリカの厳しい市場規制からクレームがついているような状態ですので、これ以上「自由化」すれば、やりたい放題になるのではないか、との懸念が強いのです。 

 

そして、最後の方に申し訳なさそうに

「なお、金融サービス章の規定は、公的年金計画又は社会保障に係る法律上の制度の一部を形成する活動・サービス(公的医療保険を含む)、締約国の勘定、保証又は財源を利用して行われる活動・サービスには適用されないこととなっている。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 公的年金や医療保険は対象外ですよ、などと書いて、TPP協定の「真実」「正体」を知り始めた多くの有権者・国民・市民に広がり始めている不安や懸念に対して「慰め」を書いているわけです。それがどうした、ということにすぎません。こんな日本政府の「お慰め」文章では、本当のことはわかりません.原文を当たる他ありません(英語では困るんですけど)。

 

4.「第12章.ビジネス関係者の一時的な入国」

「日本は、「短期の商用訪問者」、「企業内転勤者」、「投資家」、「資格を有する自由職業家」(弁護士、公認会計士等を含む。)、「独立の自由職業家」、「契約に基づくサービス提供者」及び「(「短期の商用訪問者」を除く)それらの者に同行する配偶者及び子」に対し、入国及び一時的な滞在を許可することを約束しているが、いわゆる「単純労働者」の受入れを義務付けるような規定はない。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 しかし、国連人権委員会などから「現代の奴隷制度」「重大な人権侵害」などと指摘されています、かの悪名高き「外国人研修制度」についてはどうなのでしょうか、。この後、環境や労働など、関係当事者の心中には「みじん」もないような「美辞麗句」の「申し合わせ」や「目標」文言が出てきますが、そもそも足下の出鱈目でグロテスクな制度を放置しておいて、どんなきれいごとを言ってみてもむなしいでしょう。

 

(メールが長くなるので、今回はこの辺で終わりにいたします。次回はP26「第14章.電子商取引」からです)

草々

 

(今注目の人)田辺文也さんの説明を知らずして、もはや福島第1原発事故は語れない=東電本店・吉田所長以下、原発緊急時の「手順書」を無視しての素人まがいの場当たり的対応の繰り返しが過酷事故を招いた、2,3号機は炉心溶融を回避できた

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

今、福島第1原発事故の実態解明と原因究明をめぐり、ある方に注目が集まっています。その方のお名前は田辺文也さん、(独)日本原子力研究開発機構を経て、現在は「社会技術システム安全研究所」を主宰されている原発・原子炉の工学研究者・技術者=プロの方だ。その田辺さんが、このほど岩波月刊誌『世界』の201510月号と12月号に論文を掲載され、福島第1原発事故は、実は東電本店や吉田昌郎所長以下、東京電力が組織として、原発・原子炉緊急時の対応のために用意された「手順書」(3種類ある)を活用せず、それを全く無視してシロウトまがいの場当たり的な対応を繰り返したことが過酷事故の一番の原因であったと主張されています。

 

この論文が、原発・原子力業界に衝撃を与えているのです。何故なら、田辺さんのいう通りであったとすると、東京電力の少なくとも幹部・責任者たちは、コンプライアンス違反、つまり原子炉等規制法違反で刑事責任を追及されかねないからです。以下、関連する情報を含め、簡単にご紹介申し上げます。みなさまにおかれましては、岩波月刊誌『世界』をはじめ、下記にご紹介申し上げる諸情報に、ぜひ直接アクセスされ、その内容をご確認いただけたら幸いです。

 

 <別添PDFファイル>

(1)解題 吉田調書 NO.6(イントロ部分のみ)(田辺文也『世界 2015.10』)

「sekai_201510.pdf」をダウンロード

(2)解題 吉田調書 NO.7(イントロ部分のみ)(田辺文也『世界 2015.12』)

「sekai_201512_tanabe.pdf」をダウンロード

●(1)解題 吉田調書 NO.6(田辺文也『世界 2015.10』)から一部抜粋

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この夏、二つの霊要な出来事が日本の原発であった。一つは九州電力川内原発の再稼動、そしてもう一つは東京電力の元最高幹部三人の強制起訴だ。本来前者は後者の決着がついて初めて判断されるべきだったが、順序が全く逆になってしまった。しかし遅ればせながら幹部の起訴により、福島原発事故の責任が司法の場で初めて問われることになり、途上だった事故原因や事故プロセスの解明が期待されている。事故対応の現場の最高責任者・吉田昌郎所長の調書(「吉田調書」)を解読してきた私たちは、計400ページ超の調書のなかにあった、ある発言に注目した。

 

「全交流電源が喪失した時点でこれはシビアアクシデント事象に該当し得ると判断しておりますので、いちいちこういうような手順書間の移行の議論というのは、私の頭の中では飛んでいますね」

 

この発言からは、吉田所長が事故発生時の対応を定めた「手順書」通りに対応しなかったことを読み取ることができる。これは事故発生直後にとるべき対応が、吉田所長ら東電幹部の認識不足と判断ミスで疎かになり、拡大してしまったことを意味する。この「手順書」からの逸脱は、事業者の刑事責任と直結する可能性があるため、今後は司法の場でも、重要な論点として解明が進められることは必至だ。アメリカのスリーマイル島原発事故などの経験から、福島原発事故が起きてからの対応は、「想定外」ではなく、実は「想定内」だった。人為的ミスが事故の被害を「想定外」に拡大してしまった可能性が出てきたのである。

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●(2)解題 吉田調書 NO.7(田辺文也『世界 2015.12』)から一部抜粋

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東京電力が福島第一原発事故において事故対応のガイドとして重要な役割を持っている手順書を適切に参照せず、ないがしろにしたことが事態の深刻化を招いたと考えられる。このことを前回の論考(10月号)から論じているが、端緒になったのは福島第一原発の吉田昌郎所長が、吉田調書で語っていた証言だった。

 

(中略)本稿では、炉心溶融まで時間があった23号機では徴候ベース手順書を使うチャンスが何度もあり、それらのチャンスを活用できていれば、実際の状況を顧慮しても実行可能な手順がガイドされて炉心溶融を回避できたことを明らかにする。徴候ベース手順書をないがしろにしたが故に戦略を欠いた場当たり的な対応に陥ってチャンスを逃し、事故の深刻化を招いてしまったことを、以下、記していく。

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 <TBS放送:田辺文也さんに加えて田中三彦さんも登場です>

●公開1年「吉田調書」が問うもの - Dailymotion動画

 http://www.dailymotion.com/video/x37130g

 

(田中一郎コメント)

 約40分の番組では、田辺文也さん、田中三彦さん、の他に、もう一人、番組を通じてのコメンテーターとして「倉澤治雄」という科学ジャーナリストが登場する。しかし、この男のコメントはマユツバである。最初の方では、田辺文也氏から次のような「発言の誤り」を指摘されているし、また、最後の部分では、TBSのキャスターから「川内原発の再稼働にあたり、原子力規制や原子炉の安全性に関して、福島第1原発事故の教訓が必ずしも十分に活かされているとは言えないですね、いかが思われますか」と振られた同氏が、ハードはずいぶん安全になったがソフトが問題、人間がその安全になった装置を使いこなせるかどうかが問題、などと、一方で原子力規制委員会・規制庁の代弁をしつつ、事の本質をボカし歪める発言をしている。また、他にも、多くの点で首をかしげることがあり、とてもまともには聞ける内容ではない。

 

「ところが、あろうことか筆者の問題点指摘の後、スタジオで科学ジャーナリストが次のようなコメントをし、正確な理解が妨げられる結果となってしまった。そのコメントとは、「事故の進展が極めて速く、電気がなくなってから二時間で炉心損傷になり、・・・・(分厚い)手順書を全部読み解いて運転するのは現実的でなかった」というものであった。

 

 筆者が手順書逸脱について論じたのは、津波来襲から炉心溶融まで二日弱の余裕があった3号機と、岡じく三日強の余裕、があった2号機である。にもかかわらず、炉心溶融まで数時間の余裕しかなかった1号機と混同し、視聴者に誤った情報を与えた。また、言うまでもなく手順書は対応部分を参照すればいいのであって、全部をその場で読み解く必要など全くない。伴然とするコメントであった。」

 

 こんな男のコメントなどよりも、録画に登場する田辺文也さんの発言と、そしてその後の田中三彦さんの発言に注目していただきたい。田中三彦さんは、田辺さんとは別の観点から、原子炉に緊急事態が起きた時に、原子炉に精通した過酷事故対応チームが対策・対応をしていくのではなく、たまたま現場の所長をやっていた、原子炉の専門家でもない人間(今般の福島第1原発事故では吉田昌郎所長)が泥縄式で対応したところに、過酷事故対策の根本的な欠陥・誤りがある、とおっしゃっている。

 

 まさにその通りである。ちなみに吉田昌郎所長は、いわゆる原発・原子炉の補修や整備の専門家であって、過酷事故時を含む原子炉運転や原発の機器類の専門家ではなかった。だからこそ、1号機については非常用復水器(IC)の機能の特性について、まったく無知であり、1号機への対応判断を間違って、炉心溶融を早める結果となってしまっている。また、東京電力や原子力安全委員会・原子力安全保安院、あるいは背後にいた原子炉メーカーも含めて、原子炉建屋等の水素爆発の可能性・危険性が全く考慮外であったことは驚くべきことと言わざるを得ない。米スリーマイル島原発事故に対して、日本の原子力ムラの御用学者どもはいったい何を学んだのか。

 

 しかし、この田辺さんや田中さんの鋭いコメントが、川内原発や伊方原発などの今日の原発再稼働には、何にも活かされず、再び同じ過ちが繰り返されようとしているのが恐ろしい。今度の原発過酷事故は西日本の加圧水型原子炉となる可能性が高く、その場合には、福島第1原発事故の際に起きた「偶然の幸運」はもうありえず、しかも、格納容器が沸騰水型原子炉に比較して大きいだけに、過酷事故の度合いは福島の比ではなくなってしまうだろうと推測する。まもなく南海、東南海、東海の大地震が「連動」の可能性も伴いつつ日本列島を西から襲ってくる可能性が高いと言われているのに、こうした原子力ムラの出鱈目行為の繰り返しは、日本を破滅へと向かわせる無謀極まる無責任なものと言わざるを得ない。断固として、やめさせていきましょう。

 

 <吉田調書をはじめ、政府事故調ヒヤリング記録:内閣官房サイト>

●政府事故調査委員会ヒアリング記録 - 内閣官房

http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai_8/hearing_list_8.html

 

(参考)政府事故調査委員会ヒアリング記録の公表(更新)について - 内閣官房

http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai_8/hearing_koukai_8.html

 

(参考)原子力規制組織等の改革 - 内閣官房

 http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/index_sosiki.html

 

(田中一郎コメント)

 サイトの主催は「内閣官房」ながら、その内容は「被災者支援チーム」という経済産業省の役人たちが牛耳っているらしいことが、私の問い合わせの電話でわかった。しかも、簡単な問い合わせの内容であるにもかかわらず、散々待たされ、あちこちたらいまわしにされ、担当が電話口に出てきたのは、電話をしてから約30分後だった。まったくふざけた対応で、そもそも内閣官房や経済産業省に、有権者・国民・市民に対して説明責任を果たそうという意思や責任感が全くないことが、こうした低レベルサービスの根本原因ではないかと思われる。おい、内閣官房、電話代と無駄な時間を返せ!!

草々

 

<追>福島第1原発事故を経験したにもかかわらず、これはいったいなんだ。原子力ムラは不死身=ゾンビそのものだ。原子力ムラを社会的に葬り去るか、我々が彼らとともに再びの原発・核燃料施設過酷事故=放射能の大量放出地獄に叩き込まれるか、2つに1つの選択が迫られている。彼らとの妥協などはあり得ない。

 

(1)国直轄の除染袋、耐久性に欠ける(東京 2015.11.12

 http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=141078

 

(2)事業レビュー 核燃運搬船「打ち切りも」(東京 2015.11.12

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201511/CK2015111202000139.html

 

(関連)行政事業レビュー 核施設「ムダ」批判集中

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2015111202000148.html

 

(関連)核燃船が停泊 室蘭港、地元知らない 近づけない(東京 2015.11.13

 http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0200636.html

 

(3)「もんじゅ」の頓挫が揺るがす日本の原発政策の根幹 (HARBOR BUSINESS Online - Yahoo!ニュース

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151106-00066912-hbolz-soci 

(4)燃料再処理工場 完成は18年上期に (デーリー東北新聞社) - Yahoo!ニュース

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151031-00010001-dtohoku-l02

 

(5)川内原発、放射線監視装置に設計ミス 計7千時間測定できず taked4700

 http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/280.html

 

(6)原発テロ対策 先送り、第2制御室 設置申請少なく:規制委が方針(毎日 2015.11.13

http://mainichi.jp/auth/logined_meter_over.php?url=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Fshimen%2Fnews%2F20151113ddm041040133000c.html&usid=web

 

(そして、きわめつけはコレです)

●原子力規制委員会の勧告について|日本原子力研究開発機構:プレス発表

 http://www.jaea.go.jp/news/newsbox/2015/111301/

草々

 

2015年11月15日 (日)

本日(11/15)のいろいろ情報(メール転送を含む) (1)第7回ちょぼゼミ(TPPその1) (2)広がる遺伝子組換え発泡酒・第三ビール (3)原発真下に活断層でも再稼働なの? (4)村田光平元スイス大使からのメール (5)東京湾セシウム調査結果 他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

本日(11/15)のいろいろ情報(メール転送を含む)です。

 

1.(イベント情報)(別添PDFファイル)第7回ちょぼゼミ

 たんぽぽ舎さんのご好意で第7回ちょぼゼミを開催させていただくことになりました。
「tyobo_zemi_no.7.pdf」をダウンロード

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史上最悪の国際協定TPPの内容を問う(1)

= マスコミは何故、TPP協定の危険性をきちんと伝えないのか =

 

さる115日、政府・安倍政権は難航を重ねていたTPP協定が概ね妥結したとして、その具体的な概要を公表しました。これまでTPP交渉の内容は有権者・国民や国会議員にまで秘密裏にされていましたが、それ自体が憲法違反の行為と言わざるを得ません。加えて、今回公表されたTPP協定の内容は、日本にとってはほとんど得るものが何もないにもかかわらず、農業や医療、労働をはじめ、広範囲にわたり無謀な「市場開放」なるものと、社会的規制の撤廃ないしは自己抑制によって、国民生活に深刻な悪影響を与える可能性を持つ危険なものとなっています。第7回ちょぼゼミでは、このTPP協定について、新聞報道を参考に逐条的に内容をチェックし、その危険性や反国民性を明らかにするとともに、マスコミによるTPP報道へのリテラシーアップを目標にします。

 

日 時:12月14日(月)19時~21時(開場18時30分)

会 場:スペースたんぽぽ

参加費:800円(学生400円)

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2.(メール転送です)(別添PDFファイル)村田光平元スイス大使からのメール

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田中一郎様

 

東京五輪返上を求める動きが内外で強まりつつありますが、その背景にある福島事故の深刻な現状の一層の表面化が危機意識を生みつつあります。対応を誤れば第一次、二次の対応の失敗により、第三の失敗(社会的混乱)が起きると警告する川上直哉氏(神学博士、東北ヘルプ事務局長)作成の資料論文『「原子力災害の第二段階」を前にして』をお届けいたします。極めて注目される資料です。反響を別添いたします。

 

その骨子は下記のとおりです。

2011 3 11 日に起こった地震と津波によって、東京電力福島第一原子力発電所が爆 発事故を起こした。この際起こった被害は、徐々に明らかになった。避難時の不手際などに よる悲劇を含めて、これを「原子力災害の第一段階」と呼ぶ。原子力災害の第一段階」において、たとえば予防原則に基づいて適切な措置が取られて いれば起り得なかった災害が、今、起りつつある。それを「原子力災害の第二段階」と呼ぶ。原子力災害の第二段階」が始まる転機は、2015 年秋に認められる。この 2015 年秋には、「福島安全宣言」に類する動きが活発化してきている。これは、震 災以後続いた体制の行き詰まりを示すものとも見える。2016 年中には、内外の惨状がある種の「閾値」に達し、原発事故直後に起こったと同様 の社会的変動が起こると見通せる。」

 

川上直哉氏の略歴です。

1973年、北海道に牧師の息子として生まれる。神学博士(立教大学)・日本基督教団正教師。宮城県教誨師(日本基督教団東北教区から派遣)、宮城県宗教 法人連絡協議会常任幹事(日本基督教団東北教区宮城中地区から派遣)、仙台白百合カトリック研究所研究員、仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク (NPO法人「東北ヘルプ」)事務局長、食品放射能計測プロジェクト運営委員長、東北大学「実践宗教学」寄附講座運営員長、世界食料デー仙台大会実行委員 長(20154月現在)

 

国家の危機が実感されます。放射能の垂れ流しへの対応に日本として全力投球するためには五輪返上の決定が先決と考えます。

この資料が幅広く国民に理解されれば五輪は返上となり、地球環境加害国の汚名返上のための最大限の努力を行うことが可能になると考えます。

 

村田光平

 

(別添PDFファイル)

(1)企画書 原子力災害の第二段階(村田光平様より 2015.11.14

「muratasann_kikakusyo.pdf」をダウンロード
(2)反響例(村田光平様より 2015.11.14

「muratasann_hankyou.pdf」をダウンロード

3.(メール転送です)以下、お知らせします。

■第21回「県民健康調査」検討委員会 平成271130()1330~1600

 http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/140094.pdf

 

■米国の医療データー】甲状腺癌を発病した男子の「平均余命」はわずか20年

 https://plus.google.com/113492938695327349650/posts/d8uGt8hnwiA

 

■雪印メグミルク

 http://beguredenega.com/archives/6750

 ごくわずかですが、セシウム検出されています

 

4.(イベント情報)(メール転送です)特定放射性廃棄物および最終処分地に関する政府との会合へのご案内

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各 位 

特定放射性廃棄物の最終処分施設候補地選定・絞り込み問題について、ベクレルフリー北海道・核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会・地方自治を考える市民の会の呼びかけによる私たち「核ゴミ問題研究会」が、関係諸省庁・法人の方々にお越し戴き、昨年729日・820日と2回にわたる院内会合を開いてから一年以上が過ぎました。

 

本年5月、最終処分地選定に関する新方針の閣議決定以来、北海道内だけで既に、経産省資源エネルギー庁による深地層処分についての自治体向け非公開説明会が2日間で3度、市民向けシンポジウムも6月と10月に行われました。同様の説明会・シンポジウムは全国9都市で行われており、政府によって特定放射性廃棄物の最終処分地選定が前のめりに推し進められて行く懸念が深まっています。

 

この院内会合での質疑と回答によって、特定放射性廃棄物及び使用済核燃料の輸送・加工・保管・地上冷却の各段階における防災対策の不透明さ、安全性・経済性に関する新たな疑問を抱くこととなり、詳細にうかがいたい質問項目をまとめました。また、危機感をもってこの問題について学んできた私たちは、改めて、核ゴミの問題が、単に最終処分地選定だけの問題ではないこと、関連した種々の廃液・廃棄物の、各段階での安全性と費用、防災と補償の問題を明らかにしなければならないことを確認しました。

 

 原子力施設と放射性廃棄物の安全問題に関し、記憶に新しいところでは、今年6月に原燃輸送の低レベル放射性廃棄物コンテナボルト破損問題、11月初めに日本原燃による放射性固体廃棄物の違法管理と規制庁よる見過ごしの問題が、同じく11月初旬には、「もんじゅ」の管理・運営を巡って原子力規制委員会が文部科学省に対し、異例の勧告を行うよう決めた事が報道されました。

 

また現在、核燃料物質等の運搬作業者の緊急時に係る手続き・被曝に関する基準を規定する「核燃料物質等の事業所外運搬に係る危険時における措置に関する規則」の一部改定案について、意見募集が行われています。

 

 そこで私たちは、最終処分地選定問題にとどまらない核ゴミ問題全体にわたり、前会合で残された疑問とその後見聞きした事柄について、関連省庁・法人の方々から現在の状況を詳しく伺う機会を設けたく、社民党の福島瑞穂参議院議員のお世話で、院内会合を企画致しました。お忙しい時期とは存じますが、何卒ご参加いただきたく、別記のようにお知らせ致します。

 

開催日時: 20151222日 午前10

開催会場: 参議院議員会館 

 

【お誘いする省庁と関係機関】

経済産業省資源エネルギー庁、文部科学省、国土交通省、厚生労働省、内閣府、環境省、原子力規制委員会(廃棄物埋設事業 放射線審議会 核燃料安全専門審査会)

原子力発電環境整備機構( NUMO)、日本原子力研究開発機構(JAEA)、日本原燃株式会社(JNFL)、日本原子力発電株式会社 ほか

 

協力・賛同:福島みずほ事務所 

主催・呼びかけ団体:

「核ゴミ問題研究会」、核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会(幌延町議員)、鷲見悟、釧路市議会議員:宮田団、地方自治を考える市民の会:深町ひろみ、ベクレルフリー北海道:マシオン恵美香

 

【お問い合わせ】

ベクレルフリー北海道 マシオン恵美香

電話・FAX 0154-43-0697 携帯 090-9436-8632

電子メール emika69@yahoo.co.jp

 

5.フランケンシュタイン・フード&ドリンク(遺伝子組換え)が大挙してやってくる

(1)(別添PDFファイル)広がる遺伝子組換え発泡酒・第三ビール 

http://mainichi.jp/auth/logined_meter_over.php?url=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Fshimen%2Fnews%2F20151110ddm012040058000c.html&usid=web

 

(清涼飲料水(甘味)、発泡酒、第三のビールは遺伝子組換えの(フランケンシュタイン・フードである)コーンスターチ原料になりました。口にするのをやめましょう。圧倒的多数の方がお飲みになるのをやめ、これらの商品が売れなくなれば、市場からおのずと消えていきます。そのためのも「表示」をきちんとさせましょう。また、安全性の確認が不十分極まりないので、まず動物実験で、その安全性を確認させましょう。:田中一郎)

 

(2)(別添PDFファイル)ゲノム操作、豚 筋肉質(読売 2015.11.13

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151113-00050011-yom-sci

 

(まさに生命操作そのものであり、かようなことは生命倫理に反していますし、そもそも造物主=神に対する冒涜です。遺伝子がもつ生命体内での連関性や相互補完性などはミクロの世界の複雑系を形成しており、人間のご都合主義でいじくれば、必ずや手痛いしっぺ返しを食らうことになるでしょう。問題は食品としての安全性のことだけではありません。愚かなことはやめなさい、ということです。(似非)科学者どもよ、うぬぼれるなよ。:田中一郎)

 

6.(別添PDFファイル)原電 敦賀2号機 再稼動へ躍起、活断層認定顧みず(東京 2015.11.13

https://silmarilnecktie.wordpress.com/2015/11/13/1113%E6%B4%BB%E6%96%AD%E5%B1%A4%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E9%A1%A7%E3%81%BF%E3%81%9A%E3%80%80%E3%80%80%E5%8E%9F%E9%9B%BB%E3%80%80%E6%95%A6%E8%B3%80%EF%BC%92%E5%8F%B7%E6%A9%9F%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D/

 

(信じがたい話だが、こんな原発がまだ再稼働申請されてくるなんて、いったいどうなっているのか? 原子力規制委員会・規制庁は、こんなものは「門前払い」すべきものを、あの「悪魔が来たりてホラを吹く」の田中俊一委員長は、微妙に言い回しを変えながら再稼働への道を掃き清め始めているかの観がある。冗談ではない。:田中一郎)

 

7.(別添PDFファイル)東京湾セシウム 河口部汚染 高止まり(東京 2015.11.13) 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201511/CK2015111302000138.html

 

(少し前にも同じ内容の報道が東京新聞からなされました。今回で2回目です。念のために申し上げておきますと、これは東京湾だけの話ではありません。福島第1原発事故による放射能が降った東日本全域で言える話です。川と河口ですから、太平洋側だけでなく、日本海側もそうです。一番放射能汚染が大規模にひどそうなのが、福島県から宮城県へ流れ出ている阿武隈川河口です。ここでは採貝採藻や青ノリ養殖などもなされているようですので要注意です。絶対に口に入れてはいけません。それ以外の東日本のすべての河川・河口は放射能によって汚染されています。また、新聞記事は放射性セシウムだけに注目していますが、それ以外の放射性核種=放射性ストロンチウムやトリチウムなどのベータ核種についても注意が必要です。東日本のみなさま、子どもを連れて海に海水浴や潮干狩りに行ってはいけませんよ。:田中一郎)

 

8.福島第1原発事故の損害賠償踏み倒し悪質会社=東京電力

 つべこべ言ってないで、早く払えよ。ちゃんと3.11に遡って遅延損害金も付けて支払うのだぞ。

 

(1)(別添PDFファイル)自治体賠償、支払い依然1割、15市町村 ADR検討 (福島民報 2015.11.1

 http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2015/11/post_12475.html

 

(自治体の方も、遠慮していないで(自己抑制していないで)、福島第1原発事故で被った損害・被害はすべて賠償・補償させるべきです。自治体の財政は地域住民のものですからね。:田中一郎)

 

(2)(別添PDFファイル)東電など争う姿勢、原発作業のがん訴訟初弁論、札幌地裁(東京 2015.11.6

 http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0198554.html

 http://www.asahi.com/articles/ASHC53K1CHC5IIPE005.html 

 

(福島第1原発の現場で、あんないい加減な労務管理をしておいて、この態度はいったいなんだ。また、そもそも、労災認定をはじめとする放射線被曝リスク評価も含めて、原発・核施設の労働者の被ばく管理やデータ蓄積を「放射線影響協会」などという文部科学省外郭団体の「ムラ」組織にさせていること自体が間違いだ。:田中一郎)

 

(参考)ウィキペディア 放射線影響協会

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E5%8D%94%E4%BC%9A

 

9.(別添PDFファイル)格納容器内の水蒸気爆発の危険性について(高島武雄『科学 2015.11』)

 http://gotomasashi.blogspot.jp/2015/10/pdf-20159.html

 

 再稼働され始めている加圧水型原発の過酷事故対策が、いかにいい加減で危ないか、これをお読みいただけるとよくわかります。2000度以上の灼熱状態に溶融した核燃料を、格納容器の下に容器に水を入れて、溶けて落ちてくるのを待つ、などという「過酷事故対策」なるものを「真顔」で言っていること自体、原発・原子力の平和利用なるものが末期症状を呈している大きな証左です。寝言は寝て言え、でしょう。:田中一郎)

 

(参考)(報告)原子炉格納容器内の水蒸気爆発の危険性(現代技術史研究会+APAST共催勉強会:9/20) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-27d3.html

 

10.その他

(1)放射性廃棄物を「再生利用」!? 放射性廃棄物 OSHIDORI Mako&Ken Portal - おしどりポータルサイト

 http://oshidori-makoken.com/?p=1863

 

(2)(毎日新聞)■注目ニュース■ 年金積立金の損失「8兆円」、真相は

 年金財源の一つである年金積立金に一時、巨額の損失が発生した--。そんなニュースが金融関係者の間で話題になっている。その額は約8兆円という試算もある。積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)は昨年来、運用益を増やそうと、株式での運用比率を高めてきたが、それが裏目に出たのか。真相を追った。

 

▽特集ワイド:続報真相 年金積立金“ギャンブル化” GPIF、世界同時株安で損失一時「8兆円」

 http://mainichi.jp/m/?Bj1gJK

 

(3)(VTR)杭データ偽装問題の深層

◎一部 杭データ偽装問題の深層 事件発生の構造と解決策

 https://youtu.be/chuJ-7l6K7M

◎二部 杭データ擬装問題の深層 解決策を探る

 https://youtu.be/iwkjSWALu5M

 

(3)橋下氏と対談した高校生(当時)、維新政治やめさせようと訴え きょういくブログ

 http://kyouikublog.wpblog.jp/9084.html

 

(4)ホーム - 政治はくらしのためにこそ。

 http://aizujyuku2015.jimdo.com/

 

(一部抜粋)

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●はじめまして、「女性の政治スクール」会津塾です。

私たちは、くらしと、こどもたちの未来の為に活動しています!

活動といっても。。 なんでも、できることから。。わいわい楽しくおしゃべりしながら。。情報の交換も大きな出来る事のひとつ。

「なんか、心配だわ」を出来る事から行動にしていきましょう♪

 

●本日は福島県県議会選挙日です。

ご協力いただいた多くの皆様、このホームページ宣伝してくださった皆様、訪れてくださった皆様、そしてお忙しい中アンケートにお答えくださった皆様、ありがとうございました!

 

そして、 まだ投票に行ってない方、まだの方を誘って必ず出向きましょう。

有権者の無関心が独裁者を育て政治を暴走させるきっかけとなります。

このホームページを作り、質問状を発送しまとめたのも、独裁者を作らず政治を暴走させたくないからです。

 

政治は何をしようとしているかを見るのではなく、

私たちに何をさせようとしているのか、、、を見極めて参りましょう。(#^.^#)   2015年11月15日

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草々

 

2015年11月14日 (土)

日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その4):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(2)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

(TPP協定は市民運動・社会運動に共通した最悪の亡国協定と考えております。もちろん原発や放射能汚染・被ばくとも大いに関係します)

 

下記ブログに既に掲載いたしておりますが、1か月ほど前の1018日にお送りしたメールに続き、「日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その4):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(2)」をお送りいたします。これまでに私からお送りした同シリーズのTPP関連メールは下記の3点です。

 

(1)日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その1):オブラートに包まれ嘘八百のシロップに漬けられたTPPを国民に騙し飲ませするための役人文書から見るTPPの危険性とインチキ(1)  いちろうちゃんのブログ http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-a416.html

 

(2)日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その2):(この動画、今すぐにご覧ください)「TPPで日本の医療制度が崩壊する!?」  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/2-7be1.html

 

(3)日本破壊の国際市場原理主義「亡国協定」=TPPをぶった斬る(その3):(メール転送です)「TPP大筋合意」は「大ウソ合意」だった=マスごみの繰り広げる政権広報報道(内田聖子氏インタビュー他)  いちろうちゃんのブログ http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-41b9.html

 

また、さる1113(金)の午後3時半~5時、衆議院第1議員会館において「TPP交渉における情報公開と大筋合意からの撤退を求める院内集会」がTPPに反対する市民団体の主催で開催されました。それについては、下記の録画(VTR)をご参照ください。当日は複数の国会議員(民主党、共産党)も集会に参加し、興味深い発言がなされました。ぜひVTRをご覧になってみてください。(三輪さん、いつも貴重な録画映像のご提供、ありがとうございます)

 

特に民主党の篠原孝議員(衆議院:長野)からは、TPP協定の正式な文書としては、英語、フランス語、スペイン語の3つの言語のものしかなく、TPP協定参加国の中では日本がアメリカに次いでGDPが大きな国であるにもかかわらず、おかしなことになっている。加えて、英語圏の国々では、その英語版の協定書がオープンになって一般の有権者・国民・市民もその内容を知ることができるのに対して、日本だけが英語のものしかなく、それを日本政府が日本語に翻訳して公開しないことから、参加国の中で日本の有権者・国民・市民だけがその内容を知らない状態に陥れられている旨の発言がありました。(それでどうしてTPP協定賛成などと言えるのか、という当たり前の発言もありました。TPP協定を情緒的に賛成してはいけません。しっかりと協定や付属文書の内容を確認する必要があります)

 

また、私からは、マスコミのTPP報道が全国紙はいずこもあまりにひどい内容なので、特に朝日新聞と毎日新聞について、強力な申し入れや抗議の電話などにより、TPP協定の危険な内容をきちんと報道する本来のマスコミの役割を求める運動も併せて取り組むべきである旨の発言をしています(VTR参照:最後の方です)。

 

20151113 UPLAN TPP交渉に関する情報公開と大筋合意からの撤退を求める院内集会-このまま進めることは許さない!100団体を超える市民の声をぶつけよう- - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=CyKNgWMIaFQ

 

今後については、まず1116日(月)に下記のイベントが予定されています(以下はメール転送その他です)。

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◆TPP交渉差止・違憲訴訟 第2回口頭弁論期日のご案内 11/16 月曜日 1430分~ 東京地方裁判所103法廷

 http://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai/

 

13時30分 東京地方裁判所門前集会(東京地方裁判所正門付近)

14時00分 抽選券・傍聴券配付開始(東京地方裁判所入口付近(正門側))

 

※抽選に漏れた方は、1430分~衆議院第1議員会館多目的ホールの集会にご移動ください。

14時30分 第2回口頭弁論期日開始(東京地方裁判所103法廷)

 

【期日の概要】

①原告代理人(弁護団)意見陳述元外務省国際情報局長・孫崎享氏(予定)

 NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク事務局長・赤城智子氏(予定)

②今後の裁判の進行に関する議論ほか

 16時00分 報告集会(衆議院第1議員会館多目的ホール)

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkaimap.html

 

▼フェイスブックイベントページ「裁判でTPPを止めよう!」はこちらから。

 https://www.facebook.com/events/544742285692801/

 

●TPP交渉差止・違憲訴訟にご協力ください! TPP交渉差止・違憲訴訟の会

 http://tpphantai.com/

 

次に、2015129日(水)に、参議院議員会館「講堂」において「検証TPP:全国フォーラム」が計画されています。

 時 間:13:00~17:00

 内 容:(第1部)TPP「合意」を検証する

     (第2部)TPP協定の調印を止めるために

 

それから、TPP協定により、日本農業は壊滅的な打撃を受け、中長期的に政策的に「安楽死」させられる方向に向かうことになりますが、これまで幾度となく申し上げてきましたように、TPP協定は農業だけの問題ではありません。消費者・国民の全生活・全存在に関係して、対米隷属と一握りの多国籍大資本・資産富裕層の金儲け事業に翻弄されることになります。従いまして、見えやすいけれども農林水産政策と密接に関係して少し複雑な農林水産業とTPP協定の関連については後日ご説明申し上げることにして、今回のメールでは、さしあたり農業に関して、主要品目ごとに、コンパクトにまとめられた直近の新聞記事だけを別添PDFファイルで添付しておきます。

 

そして、申し上げるまでもありませんが、自国の農業を「安楽死」させるTPPのような国際協定など、認めるわけにはいきません。主食のコメを粗末にし、自国の農業を足蹴りにして衰退させるような国や国民の行く末には、暗い未来が待ち受けています。

 

 <別添PDFファイル>

(1)知りたいTPP 輸入米 最大7.8万トン増(毎日 2015.11.13

http://mainichi.jp/auth/logined_meter_over.php?url=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Fshimen%2Fnews%2F20151113ddm008020041000c.html&usid=web

(2)徹底TPP報道:農水省 影響を分析、米麦 価格が下落(日本農業 2015.10.30

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35179

(3)TPP どうなる日本農業:牛肉、関税 16年目に9%(日本農業 2015.10.29

 http://image.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35171

(4)TPP どうなる日本農業:豚肉、安い肉の輸入増懸念(日本農業 2015.10.31

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=33935

(5)TPP どうなる日本農業:鶏肉・鶏卵、全品目で関税撤廃(日本農業 2015.11.11

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151009-00010000-agrinews-pol

(6)TPP 価格はこうなる:野菜、店頭への影響限定的(日経 2015.11.13

 http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0191247.html

(7)TPP価格はこうなる 果実:オレンジ、原価高で相殺(日経 2015.11.5

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35142

 

(上記は必ずしも当該記事と同じサイトではありません。当該記事のサイトが存在しないので、同主旨のサイトのURLをご紹介しています。なお、日本農業新聞のTPP関連記事については、下記のサイトにまとめられています)

 

●日本農業新聞 e農ネット - TPP報道

 http://image.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?cat_id=97

 

===========================

さて、今回コメントを続ける政府公表のTPP概要のペーパーは下記のサイトにあります。

 

(1)内閣官房 環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の概要(2015.10.5

 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2015/10/151005_tpp_gaiyou.pdf

 

(2)農水省 TPP農林水産物市場アクセス交渉の結果(2015.10.5

 http://www.maff.go.jp/j/kokusai/tpp/pdf/tpp_1.pdf

 

また、上記を含めて、政府が公表したTPP協定関連の諸文書類は下記のサイトにあります。

 

(関連)TPP政府対策本部(内閣官房)

 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/

 

(関連)農林水産省 HP(TPP関連サイトは画面中央の一番上に「注目情報」の中に2つ並んでいます)

 http://www.maff.go.jp/

 

(前回(その1)の続き=P12「ルール分野の概要」の「第2章.内国民待遇及び物品の市場アクセス」からです)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.P12「Ⅲ ルール分野の概要 第2章 内国民待遇及び物品の市場アクセス」

「物品の貿易に関して、各国の譲許表に従い関税を撤廃等することを規定するとともに、内国民待遇、輸出入の制限、再製造品の取扱い、輸出入許可手続の透明性、行政上の手数料及び手続、輸出税等、物品の貿易を行う上での基本的なルールを規定する。また、農産品の貿易に関連する、輸出補助金、輸出制限等について規定する。」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

上記の文言だけを読むと、貿易の輸出・輸入について、あたかも対等平等に、その制限や規制が撤廃され、自由な輸出入が行われるようになるかの印象を受けるが、実際はそうではない。農林水産物を中心に、輸入する国は、自国の農林水産業を守る等のための輸入制限や制限につながる関税などが厳しく限定され、あるいは禁止・撤廃されるが、他方で、輸出する側は原則として自由に輸出の制限を行うことができる、おかしな取り決めになっている。これはWTOでも同じである。これでは、食料などの生産産業を低価格品の輸入品の洪水で潰してしまった国が、いざ食糧危機に陥った場合に、食料を必要な量だけ輸入で確保できない事態に陥りかねない。WTOやTPP協定などの国際協定が、輸出をやりたい放題にしながら輸入制限に偏っていることは、これらの協定の本質的な性格をよく現している。つまり、輸出の大半を牛耳る巨大多国籍資本の金儲け事業の妨げにならないよう、輸入サイドのさまざまな国境措置や経済的社会的規制を取り払うけれども、輸出サイドのフリーハンドは保持しておくという身勝手なものである。輸出制限のみならず輸出税や輸出割当をはじめ、輸出サイドの基本ルールはほとんど改善されておらず、輸入サイドへの極端な規制緩和・撤廃の押付けと比較して、その不均衡が目に余る。

 

それから直接は関係がないが、もう一つ、理不尽なアンバランスのことを申し上げておくと、TPP協定は、アメリカの様ないわゆる連邦国家(複数の独立した州が連邦を形成している)では、少なくとも州法についてはTPP協定は効力を発しないということだ。最初、これを目にしたときには目を疑ったが、どうも本当のようである。アメリカのみならず、カナダもそうだし、ひょっとするとオーストラリアもそうかもしれない。他方で、日本のような国に対しては国内法に対してTPP協定が優越する。これはまさに「不平等条約」そのものではないか。今から100年近く前に明治政府・大正政府がやっとの思いで撤廃をさせた不平等条約を、今回は国を挙げて喜んで締結しようというのだから気が知れない。更に昨今では、前回のメール(その2)でご紹介したTV番組で、評論家・執筆業の堤美果氏が「TPP協定は、アメリカでは国内法の下にある」などと発言している。これだと、州法のみならず連邦法もTPP協定には従わないということになり、およそ国際協定の体をなさないこととなる。堤美果氏の発言の信ぴょう性についてはよくわからないが、少なくとも州法レベルでは、片務的な縛りが強制される不平等条約そのもののようである。

 

2.P13「第3章.原産地規則及び原産地手続」

「(2) 輸出者、生産者又は輸入者自らが原産地証明書を作成する制度の導入(貿易手続の円滑化)」と書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 これで本当に大丈夫なのだろうか? 原産地規則が「自己証明」などという方法でゴマカシなく運営できるのだろうか? 第三者の抜き打ちチェックや違反の場合の罰則などもないのか?

 

3.P14「(4)広域FTA化による原産品輸送の容易化(立証負担の緩和)」

「なお、自動車の原産地規則について、完成車については、控除方式による付加価値基準を用いる場合は55%となっている。」と書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 55%でも、メキシコなどの部品の自国生産割合が高い自動車生産国は不満だったと報道されている。他方、日本のようにTPP協定に参加しない国(たとえばタイ)で自動車の部品を多く生産しているような場合には、逆に55%は高すぎると言われているようだ。これで自動車産業の日本側利益が守れたと言えるのか?

 

4.P15「第4章.繊維及び繊維製品」

「内国民待遇及び物品に関する市場アクセス章、原産地規則及び原産地手続章、貿易救済章とは別に、TPP域内における繊維及び繊維製品の貿易に関する原産地規則及び緊急措置(セーフガード措置)等を規定する。具体的には、原産地規則や緊急措置のほか、関税法令違反等に係る締約国間の協力、原産品であること等の確認等について規定する。」などと、霞が関文学の文章でサラリと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 しかし、自動車産業などと比較して、繊維産業の場合には、関税撤廃やセーフガードなど、多くの点において、自動車産業の国内保護ないしは国内産業振興のための政策的コミットが不当に小さいように思われる。産業部門間において、かように極端に不平等・不均一・不均等の国際協定を締結していいのか。自由経済を政府・政策が歪める、競争政策上、問題のある協定となってしまっているのではないか(政府が特定産業に正当な理由もなくテコ入れをしすぎている)。

 

5.P16「第5章.税関当局及び貿易円滑化」

「税関手続について予見可能性、一貫性及び透明性のある適用を確保するとともに、締約国間の協力の促進、国際基準への調和、通関等の手続の迅速化、行政上及び司法上の審査の確保等について規定。本章のルールにより、例えば以下のようなメリットが考えられる。

(1)迅速通関(関税法の遵守を確保するために必要な期間(可能な限り貨物の到着から48時間以内)に引取りを許可)

(2)急送貨物(通常の状況において、必要な税関書類の提出後6時間以内に引取りを許可)」

などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 しかし、輸入品が常に安全で適正であるとは限らない。様々な危険性を伴っていたり、社会的に必要不可欠な規制・規則に違反しているなどの可能性もある。にもかかわらず、(1)48時間以内、(2)6時間以内、で無条件に国境でのチェックをパスさせていいはずはないだろう。それを「メリット」などとはよく言ったものである。輸入品についての様々な観点からの厳格なチェック(例えば食料品であれば、食品としての安全性と表示の適正性チェックなど)は消費者・国民から見れば最優先されるべき価値であるが、輸出による金儲けが目当ての多国籍大資本にとっては、商売の邪魔者以外の何物でもない。TPP協定は、後者に重きを置き後者を最優先にして、前者の安全や利益を踏みにじっても、貿易品の国境措置を小さく押し縮めてしまおうという内容となっている。日本政府はどっちを向いて仕事をしているのか。

 

6.P16「第6章.貿易上の救済」

「輸入急増による国内産業への重大な損害を防止するため、一時的に緊急措置(経過的セーフガード措置)をとることができる旨を規定する他、ダンピング防止措置及び相殺関税措置に関する規定を置いている。(中略)なお、セーフガード措置については、同一産品に対する二回以上の経過的セーフガード措置の発動の禁止等、WTO協定にはない内容が規定されており、各締約国による経過的セーフガード措置の濫用を抑制する効果が期待される。」などと、何の問題もないかの如くサラリと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 しかし、既に新聞報道されているように、アメリカとカナダの自動車の輸入に関しては、他の国や産品には見られない特権的なセーフガード措置が保障される一方で、日本の豚肉については、一定期間後にはセーフガード措置は廃止、牛肉についても、4年間発動されなければ廃止とされ、しかもその発動水準が年々、日本側に不利になっていくような内容になっていて、これまた不平等条約さながらである。日本政府は、アメリカやカナダの自動車産業は精一杯保護し大切にしなければならないが、日本国内の豚肉・牛肉などの畜産・酪農業については、テキトーにあしらっておけばいいと考えている様子である。日本の有権者・国民・市民は、こういう売国奴的な人間達(自民党政治家や霞が関幹部官僚ども)を政府の要人にしてはいけない。今後のあらゆる選挙で自民党議員たちを落選させ、政権交代を経て、こんどこそ霞が関の官僚組織の抜本的改革に踏み出そうではないか。

 

(関連)車輸入で米・カナダに特例…TPP全章判明 経済 読売新聞(YOMIURI ONLINE

 http://www.yomiuri.co.jp/economy/20151105-OYT1T50058.html

 

7.P17「第7章.衛生植物検疫(SPS)措置」

「各締約国が実施する衛生植物検疫措置が貿易に対する不当な障害をもたらすことのないようにすることを確保することに関する規定を設けている。」「SPS章は、科学的な原則に基づいて、加盟国に食品の安全(人の健康又は生命の保護)を確保するために必要な措置をとる権利を認めるWTO・SPS協定を踏まえた規定となっており、日本の制度変更が必要となる規定は設けられておらず、日本の食品の安全が脅かされるようなことはない。」「(2)SPS章の規定の下で生ずる事項について懸念がある場合には、180日以内に解決することを目的として、要請の受領から37日以内に専門家が関与する協議(TPP協定独自の協力的な技術的協議)を求めることができる。」

 

(田中一郎コメント)

 このSPS協定に関連することは、食品の安全性や輸入動植物の安全性に関連して多くの問題があるが、下記では次の3点だけをさしあたり申し上げておく。

 

(1)WTOもTPP協定も、SPSについては、いわゆる「科学主義」なる一見もっともらしく見える「インチキ制度」を協定締約国に押し付け、輸出する側の利益の極大化を図ろうとしている。この「からくり」は簡単なことで、国際的な基準をつくる組織=たとえばコーデックス委員会などを輸出側の多国籍大資本が牛耳って、その規制基準を非常に低いレベルに抑え込み、これを上回る規制は規制をする輸入側がその規制の上乗せ強化の科学的根拠を示せ、というものである。本来は、食品などを輸出する側がその安全性を立証すべきものなのだが、その「安全性立証責任」を輸入する側に転嫁・転換して押し付けているのである。

 

 これにより、科学的な立証体制の整わない発展途上国はお手上げとなる。また日本などの国でも、立証するためのコストや体制づくりの問題、あるいは様々なレベルからの政治的な圧力もあって、国際基準を上回るような安全規制や適正化規制を入れることを規制当局(国や自治体など)が逡巡したり自己抑制したりする傾向が目立ってきている。結果として、低レベルの安全・適正化基準のまま、輸出入がなされていく事態に陥っているのが現状なのである。TPP協定が発効となれば、ISDS条項とも相まって、益々この傾向は強くなり、貿易品から消費者・国民の安全や健康、あるいは社会的公正を守ることができなくなってしまう可能性が高まる。本来、貿易される品物は輸出する側=売る側がその安全性や適正性を科学的に立証する責任がある。この当たり前のことを国際ルールにしていないような協定は締結してはいけないし、WTOも含めて、現状を変えていく必要があるのである。世界各国の多くの有権者・国民・市民と協力して進めていけば、必ずこの「インチキ制度」=「科学主義」は撤廃でき、それに代えて「予防原則」が導入されなければならないのだ。

 

(2)上記の「(2)SPS章の規定の下で生ずる事項について懸念がある場合には、180日以内に解決することを目的として、要請の受領から37日以内に専門家が関与する協議(TPP協定独自の協力的な技術的協議)を求めることができる。」は、簡単に言えば、輸入国に対して「つべこべ言うのも180日以内にしておけよ」という、輸出する側からの一種の政治的恫喝であると考えておけばよい。そんなことまでして、輸入を促進する必要など全くない。安全でないもの、適正でないものは、断固として国境措置ではねつけ、輸入など認めてはならない。

 

(3)WTOも含めて、このSPS協定のおかげで、貿易品目に対する新たな事態に対応した安全規制や社会的な適正化規定が非常に導入しにくくなっている。加えて日本の場合には、政府が対米隷属色を強めているため、アメリカからのごり押しに対してSPS協定を理由に、その対抗措置がとれない事態が散見されるようになってきている(たとえばBSE汚染リスク牛肉の輸入解禁や成長ホルモン残留牛肉の輸入フリーパスなど)。SPS協定は、今や自由貿易体制の悪性ガンの一つともいえる。

 

8.P17「第8章.貿易の技術的障害(TBT)」

「強制規格、任意規格及び適合性評価手続の導入に際し、他の締約国の利害関係者の参加及び意見提出の機会を与えること、国際規格に適合的な措置であっても貿易に著しい影響を与える場合はWTOに通報すること、WTO通報と同時に締約国に当該通報及び提案を電子的に送付すること等を規定している。」「遺伝子組換え食品表示を含め、食品の表示要件に関する日本の制度の変更が必要となる規定は設けられていない」などと書かれている。

 

(田中一郎コメント)

 かような規定は明らかに国家主権の侵害であり、削除されるべきものだ。逆に言えば、この規定により、輸出する側は徹底して輸入側の国内規制措置や規格・品質規定、産業ルールなどを叩くことにより、自分たちの利益・利害のための「自由化」をごり押ししてくるだろう。本来は、輸出業者が各国の規制に素直に従って貿易をすればいいだけの話である。それに対して不満があるのであれば、自国政府を通じて政府間交渉に持ち込むよう努力すればいい。それを「意見提出の機会」の付与はともかくとして、「手続の導入に際し、他の締約国の利害関係者の参加」を輸入国に認めさせるとは、いったい何事ぞ、ということだ(しかも自国民の参加さえ全く認めない日本のような国がだ)。

 

また、遺伝子組換え食品の表示についても、「今の日本の制度の変更が必要となることはない」だけでは話にならない。何故なら、日本の食品表示制度は、今や遺伝子組換え食品表示も含めて、発展途上国よりもひどい「非表示」「まぎらわしい表示」「ウソの表示」となっており、これを抜本的に消費者のためになる形で厳しく改正しなければならないからだ。今回のTPP協定におけるかようなTBT規制があると、日本の現状の食品表示の規制の抜本改正がますます困難になってしまう。

 

つまり、かようなTBT条項は撤廃あるのみなのだ。

 

(メールが長くなりますので、今回はこの辺で終わります。次回はP18「第9章.投資」からです)

草々

 

原発事業という斜陽産業に足をすくわれ経営破たんへと転落していく、見掛け倒しの「張りぼて」名門企業・東芝=現段階は決算粉飾・損失隠ぺいと監査法人への恫喝・そそのかしの段階の様子=日立、三菱重工も似たようなものではないか?

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

西田厚聡(当時社長)と佐々木則夫(当時副社長)という、愚か者の大企業経営者を絵で描いたような、しかも仲が悪いと言われる2人に引率・引きずられた東芝という名門企業が、よせばいいのにの斜陽産業=原発事業にのめりこんで、にっちもさっちもいかなくなってきているようだ。今般、経済週刊誌の『日経ビジネス』(2015.11.16)が「東芝、米原発赤字も隠蔽」というスクープ記事を載せている(別添PDFファイル)。驚くべき内容だ。ここでいう米原発赤字とは、ご承知の通り、東芝が数年前(2006年)に業界が仰天してしまうほどの破格の金額(6600億円)で買収したアメリカ原発メーカーのWH(ウェスチングハウス)のこと。このWHは、東芝がずっと扱ってきたGE仕込みの沸騰水型原発ではなく、それとは違う型の加圧水型原発を扱うメーカーで、大半の予想では三菱重工業が東芝の落札額の半額以下の3千億円程度で落札するであろうとの下馬評だった。それを、この愚か者の経営者2人を抱く東芝が、まるで「横取り」をするかのごとく破格の金額で買収劇を制覇し、沸騰水型と加圧水型という「両刀づかい」となることで世界原子力王国の覇者・原発ルネサンスの最高峰を夢見たという次第である。もちろん、沸騰水型原子炉の技術を持つGEは、この東芝のM&Aの振る舞いに「裏切り」を感じ取り激怒したことは言うまでもない。このことが、GEと(もう一つの日本の沸騰水型原子炉メーカーである)日立単独とのジョイントベンチャーにつながったのだろうと、巷では噂されている。

 

しかし、その後の経緯は、福島第1原発過酷事故により、大きく負の方向に転換してしまった。もともと原発事業(核分裂発電)は、純粋な民間事業としては経済性が極めて悪く、かつ巨額の投資が必要となって事業リスクが大きすぎ、割に合わない・採算に合わない事業だった。しかも、発電の後には始末におえない大量の使用済み核燃料や放射能汚染ゴミが残り、かつ、原発事業に従事する多くの作業員や職員が放射線被曝による健康被害を余儀なくされてしまうのだ。もちろん原発建設地元の反対(政治的に押さえつけられて表面化しにくい)も福島第1原発事故前から根強いものがあった。およそこんなものは、まともな神経や良識のある人間・経営者なら、手を出すことはない。だからこそ、将来の見通しが極めて暗い斜陽産業=原発事業のお荷物を、アメリカ資本が売りに出し、属国日本の「小金持ち」のバカ者どもに押し付けようとしたのだが(おそらく裏側ではアメリカ政府から日本政府に働きかけがあり、日本側でも政治家や霞が関幹部官僚たちが動いていた可能性がある)、そんな「スクラップ企業」を破格の金額で「横取り」よろしく落札したのが東芝である(私の推測は経済産業省の幹部官僚・有力者OBが買収推進勢力として背後にいたのではないか=経済産業省の「東芝びいき」はかねてより「噂」になっていた)。バカもここまでくると、もうどうしようもない。

 

福島第1原発事故後の原発・原子力事業の行き詰まりの表面化は、アメリカや日本だけの話ではなく、フランスの原発企業・アレバでも表面化するなど、世界に共通の事態になっている。カッコつきの名門企業・東芝も例外ではなく,WHだけでなく東芝本体の原発事業部門も含めて、福島第1原発事故後の収支状況は火の車の様子である。自民党のゴロツキ政治家どもが、躍起になって原発・原発とわめいているのは、地域独占の既存大手電力会社の経営不振のみならず、原発事業の中核=原子炉メーカーにも原発事業の凋落と経営不振が襲っているからに他ならない。そして、電力会社の方はともかく、この原発メーカーの方は、いわゆる軍事産業でもあり、アメリカ属国のプチ帝国としてアジアに君臨したがっている安倍晋三・チンピラおぼっちゃま連合にとっては、元気でいてくれなければ困る企業群なのだ。原発は軍事と裏腹の関係にあることは、こうしたことからも見て取れる。

 

その原発・軍事産業の盟主=三菱重工業は、アメリカ・カルフォルニア州のサンオノフレ原発における蒸気発生器の欠陥が発覚して廃炉となり、それに関して巨額の損害賠償訴訟の被告となった。同社製造の蒸気発生器の製品検査プロセスが出鱈目であったことも、同社工場へのアメリカ・原子力規制委員会(NRC)の抜き打ちの立ち入り検査で明らかになっている。この会社の幹部どもは、インチキは日本でしか通用しないということを理解できないでいたようだ。三菱重工業が原発事業で沈没の危機に陥るのは、私は時間の問題ではないかと思っている。もう一つの原発・軍需企業の日立製作所については、今のところ手元に経営状況の真相を示す資料や情報は持ち合わせないが、推測するに、おそらくは原発部門がお荷物となっているに違いない。過酷事故を起こした福島第1原発は、日立が扱ってきた沸騰水型の原発だ。

 

ところで、話はそれるが、1990年代初頭のバブル崩壊以降、日本の産業や大資本の経営者どもが、あまりにお粗末すぎる醜態を表すことが多くなった。かつての日本の大企業や名門企業では、あまり見られなかったことである。かつては、不祥事や醜態が隠されていて、右肩上がりの経済成長によってそれが自然解消していたのかもしれないが、私はそれ以上に、日本の大企業経営者どもの質の低下が著しいように思う。私の推測の域を出ないが、どこの大企業も下請けや系列企業の上に君臨する巨大な官僚組織(テクノクラート)となり、日々、事業現場やプロジェクトの実態を知らぬままに、つじつま合わせと夢物語の書類作りと小田原評定会議を続け、誤った判断を繰り返しながら、そんなくだらない社内文化の中で処世術だけにたけた小賢しい馬鹿者たちが会社幹部になっていったからではないか(人事の「縮小再生産」というのもある=自分よりも少しだけ劣る人間を最優秀だと思い込んでしまう人間の習性だ=その習性に無反省に人事を長期間続けると、気が付いたら幹部はバカばかりということになる)。結局、そうした「放漫経営」のツケは、一般従業員や下請け・系列、並びに、何よりも非正規労働者の労働条件切り詰め・賃金抑え込み・解雇自由、あるいは地域住民・自治体への損害の押付けと踏み倒し、などの形で、立場の弱いものへと押し付けられていく。福島第1原発事故は、まさにその典型であるように思う。

 

現代日本の経済的な苦境の一つ=労働法制改悪をはじめとする「働きにくさ」「住みにくさ」「生きづらさ」や、デフレ経済や経済環境・経済状態の年々の悪化と貧困や欠乏の蔓延、の原因と責任の多くは、この日本の大企業の経営者どもの質的劣化にあるように思われる。私は、日本をいい方向に転換するためには、産業の構造やビジネススタイルを変えつつ、このどうしようもなくなってきた「無能の大群」の日本の大企業経営者どもを時間をかけて入れ替えていく必要があるのではないかと思っている。(もちろんこの劣化経営者群と、今の安倍晋三一派に率いられたゴロツキ集団の自民党政治家どもが「グル」であることは言うに待たない。日本における「本当の意味での」政権交代がなければ、日本はいつまでたっても変われない)

 

以下、『日経ビジネス』(2015.11.16)の当該記事の重要個所を抜粋して、下記にご紹介しておく。また、東電株主代表訴訟の堀江鉄雄さんが、タイムリーで非常に鋭い分析をしておられるので、そのメールも下記にご紹介しておきたい。それから、別添PDFファイルの朝日新聞や毎日新聞の記事にあるように、今般、東芝自身が設置した「役員責任調査委員会」が出した報告と、それに基づく東芝の損害賠償訴訟は、今回の事件の大きさに比較して、まさに悪質巨大な粉飾決算事件の「もみ消し」にも近い「犯罪隠ぺい的」ともいえるほどの、事件の矮小化が行われている。そもそも事件の大きさに比較して、損害賠償金額(総額3億円)が小さすぎることに加え、請求した旧役員の範囲も狭すぎるのだ。これでは、株主代表訴訟による同様の損害賠償訴訟を、東芝サイドが先手を打って妨害するために起こした訴訟と言われても致し方ないのではないか。

 

にもかかわらず、金融庁も、証券取引等監視委員会も、監査法人業界も、東京証券取引所も、この不正適正化のために動こうとはしていない(もちろん経済産業省が動くはずもない。この経済産業省は、かつての大蔵省と同様に解体あるのみだ)。この日本という国では、上場企業(公開企業)の粉飾決算がきちんと取り締まられることがなく、安心して投資すらできない状態に陥ってきている。出鱈目もここまで来たらもう限界である。この東芝事件を今進められているような形で矮小化し、火消しをした後に来るのは、日本の資本市場=証券市場=株式市場への不信と長期低迷であることを、当の日本資本主義の幹部たちはよく心得ておくことだ(アメリカで今回の東芝のようなことをやれば、ただでは済まない)。インチキ市場に未来はないのである。

 

 <別添PDFファイル>

(1)東芝、米原発赤字も隠蔽(『日経ビジネス 2015.11.16』)

(2)東芝 役員93人提訴せず(朝日 2015.11.10

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12058609.html

(3)東芝 9役員は不問(毎日 2015.11.10

http://mainichi.jp/graph/2015/11/10/20151110ddm008020101000c/001.html

 

(上記(1)を一部抜粋)

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東芝、米原発赤字も隠蔽

 

東芝が2006年に買収した米原子力子会社で、計1600億円の減損が発生していたことが内部資料で判明した。子会社単体では2年連続で赤字に陥っていたが、本誌が指摘するまで東芝は事実を開示しなかった。東証は内部管理体制に問題があるとして調査に乗り出す方針で、東芝の不正会計問題は新たな局面を迎えた。

 

東芝の中核子会社で原子力発電所の建設や保守を手掛ける米ウエスチングハウス(WH)が、計1600億円の減損処理を行っていたことが本誌の取材で分かつた。東芝経営陣の電子メールのやり取りなどを記録した内部資料から判明した。WHは原発の新規建設が不調だったことなどを受け、単体決算で2012年度に92600万ドル(約1110億円)、2013年度に約4億ドル(約480億円)を減損処理した。資産価格を大幅に切り下げたことが損失となり、2012年度と2013年度はWH単体で赤字に転落している。」

 

だが、東芝は「当社の連結決算には影響がなく、会計ルール上も問題がない」(広報)として、本誌の指摘があるまで開示してこなかった。東芝はこれまで、ほぼ一貫して原発関連事業は好調だと説明してきた。しかし、対外的な説明と内情が全〈違っていたことが明らかになった。これに対して東京証券取引所の幹部は「WH単体で巨額の減損があったのなら、今までの説明とは食い違う。企業ぐるみの隠蔽と言わざるを得ない」と指摘する。

 

(中略)もくろみは2011年の東日本大震災で大きく揺らぐ。新規の受注実績は、2015年に至っても計10基にとどまる。それでも東芝は、WHを含む原子力事業で5156億円の「のれん及び無形資産」を9月末時点で計上している。一方でWHの売上高や利益、資産状況は明らかにしていない。東芝は、WHのピジネスは好調だと説明し続けている。117日に開かれた201549月期決算会見で、上席常務CFO(最高財務責任者)の平田政善は「サービスや燃科事業が着実で、福島第1原発事故以降は安全対策というビジネスが伸びている」と述べた。だが平田は直近の利益額など、主張を裏付ける数字は提示しなかった。

 

内部資料は、WHの実情が凍芝の説明と乖離していたことを示している。経営不振を続けるWHの処理に苦慮した経営陣が、様々な手法を駆使して本体への飛び火を防いできた姿が、克明に記されている。仮に東芝本体が抱えるWHののれんの減損につながれば、「配当の財源がなくなる」(内部資料から)などの可能性があるからだ。

 

(記事では、この後、次のような記述と、その詳しい説明が続いていく:下記は抜粋)


●WHの経営不振が明るみに出ると、東芝の連結で計上するのれんの議論につながりかねない。滅損が1000億円規模と巨額なだけに、影響をWH単体だけにとどめたかったはずだ。


●減損に対するEY(WHの監査法人でアーンスト・アンド・ヤングのこと:田中一郎)の見解を変えたかった。その期待に応えられなかった新日本に対して、「ビット」(監査法人契約変更のための入札のこと:田中一郎)という言葉で契約打ち切りを示唆したのだ。東芝が新日本に支払う監査費用は毎年10億円程度。大口顧客として圧力をかけた。(中略)その後、EYにおけるWH監査担当者はKという日本人に代わり、東芝と密接に連携を取るようになっていく。


●その後もWHのビジネスは好転せず、東芝幹部の聞では緊迫したメールがやり取りされるようになる。


20143月、東芝の財務部門で「連結ベースでの影響極小化に向けた対応」が始まった。●●も「非常事態としての対応よろしくお願いします」とのメールを部下に送信した。その後、東芝社内では「新日本が受け入れるための“屁”理屈」(電力部門幹部のメール)を考える動きが活発化する。


●束芝経営陣が最も恐れていたのが、WHの巨額減損が本体に飛び火すること。東芝は、WHが計1600億円も減損したにもかかわらず、連結決算に反映していない。


2012年度末、東芝の利主主剰余金は約1017億円だった(不正会計による修正前)。これに2013年度の利益を積み上げたとしても、確かに配当原資は吹き飛ぶ可能性が高い。無配転落は東芝も避けたかったはず。


●さらに東芝本体にはリーマシショックが起きた2008年度から財務制限条項が付いている。これは銀行などが、貸し付けの際に借り手に対して付ける条件である。自己資本比率などの指標が約束値を下回ると、借り手に債務の返済を即座に迫るというものだ。2013年度末の東芝の長期借入金は約6000億円。巨額減損で財務制限条項に触れる事態も避けたかったはずだ。


●瀬戸際の危機を前に、東芝は2つの「奇策」打った。一つは、減損判定の際の手法を変えること。(中略)もう一つの奇策は、収益の日米合算化である。

 

(そして記事の最後の部分)

だが奇策を駆使して「見栄え」を良くしてみても、WHの苦しい経営状況が好転するわけではない。201549月期決算では電力・社会インフラ、電子デバイスなど5つの事業セグメントがすべて前年同期に対して営業減益になった。このタイミングで、過去9年間、社運を賭けて取り組んできたWH事業の不振が表面化すれば、東芝の経営は根幹から揺らぐことにもなりかねない。

 

WHに関わる一連の会計処理を新日本は「適正」と認めているが、結果はすべて東芝に都合のいい形になっている。内部資料からはWHの減損が本体に燃え移らないよう必死に「努力」する東芝と、その気迫に押されて「譲歩」してきた新日本の姿が読み取れる。総額2248億円の東芝の利益水増しについても新日本の「譲歩」があったのではないか。疑念を抱いた金融庁は現在、新日本の調査に入っている。

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(確かに監査法人も問題で、それは特定の監査法人が悪いというよりも、現在の上場企業や公開企業の監査の仕組み=ルール=法制度の方に問題がある。そもそも監査を受ける企業が金を払って監査法人を雇うという形をとる限り、まともな監査など期待できない。何故なら、利益相反行為そのものだからだ(ここでは多言しないが、監査を「共同利用施設」化して、証券取引等監視委員会などの公的機関が監査法人を雇って監査をさせる、費用はその公的機関が「課金」として徴求する、ような形にしないとだめだろう)。しかし、問題の核心は監査法人ではない。まさに東芝自身が問題なのである。:田中一郎)

 

 

★(以下はメール転送です)堀江鉄雄さんのメールをご紹介します。

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堀江鉄雄です。重複ご容赦ください。転送・利用可です。

 

日経ビジネスオンラインのスクープです。これに日経、毎日などが続いたようです。東芝の米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)で、計1600億円の巨額減損が発生していたことが日経ビジネスの取材で分かった。WHの単体決算は2012年度と2013年度に赤字に陥っていたが、本誌が指摘するまで東芝は事実 を開示しなかった。

 

これまで東芝は、原子力事業については一貫して「順調」だと説明し、WHの売上高や利益、資産状況については明 らかにしてこなかった。5月に発足した第三者委員会もWHの減損問題については踏み込んでいない。

 

本誌(日経ビジネス)が独自に入手した内部資料によると、WHの実情は東芝の説明とは大きく乖離している。経営 陣の電子メールなどを基に、東芝とWHが抱える“秘密”を明らかにしていく。

 

日経ビジネスオンライン:スクープ 東芝、米原発赤字も隠蔽

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/111100135/?n_cid=nbpnbo_mlpa13&rt=nocnt

    

東芝:原子力事業に関する一部報道について(恥ずかしい東芝の言い訳)

http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20151113_1.pdf

 

東芝は、これらの内容を否定せずに連結決算では事業部門全体の評価をしているので計上しなかったとしています。問題ないとしているのです。

 

1 東芝の闇原子力事業にメスが入ったこと

 このスクープの大事なところは、東芝の不正会計の源である原子力事業部門を開示させる突破口となることです。東芝の決算書、有価証券報告書を見ても「電力・社会インフラ部門」としか報告されていません。原子力事業は勿論のこと、新規建設、燃料、メンテナンス、海外取り分けWH(ウエスチィングハウス:WEC)についての資産、売上及び損益についての報告はありません。

 

 このスクープにより東芝が順調だと説明をし、隠し続けたていた原子力事業の実態の一部が明るみに出たのです。このことで東芝は、さらなる説明をしなければなりません。米国会計基準の減損テストで1600億円の減損処理、損失計上しています。しかし、東芝は、国内連結ベースでの減損テストでは事業部門別で収益が上がっているから減損処理、損失計上はしないと言っているのです。この論理で行けば、黒字の事業あるいは会社では減損処理はあり得ないことになります。

 

2 減損処理

 東芝の減損処理で分かり易いのは、1109日公表された「役員責任委員会の報告書」p11のG案件(STP:サーステキサスプロジェクトだと思う)です。2007年に受注した原発建設工事で、設計変更等により2013年度には見積工事原価総額が4100万米ドル増加しているから「工事損失引当金」を計上すべきと米国会計事務所から指摘されていた。しかし、29300万米ドルしか計上しなかったことが「善管注意義務違反」だとしています。

 

 つまり減損処理は、部門別などではなく具体的かつ実態的なプロジェクトで行うものだと分かります。G案件で赤字だけどH案件で黒字だから良いということではないのです。この米会計も国内会計も同じだと思うのです。また、東芝は、この「善管注意義務違反」をどう捉えているのでしょうか。少なくとも東芝は、米会計基準規則を採用していると高言しているのに恥ずかしくないのでしょうか。

 

 

3 のれん代処理

 このプロジェクト毎の減損処理とは別にのれん代の処理があります。これも具体的にWHののれん代を考えれば、15年までには売上1兆円、30基の原発建設受注とした「事業計画」が達成できたか否かの検証をしなければなりません。つまりWHの毎年度の売上、損益の実績と今後の見通しを「事業計画」と比較(減損テスト)し、落ち込んでいれば、その分を減損処理する必要があります。

 

 不正会計処理を受けての臨時株主総会への事前質問でも、WHの売上、損益、のれん代は全く説明していません。説明出来ないから「隠ぺい」したと言うことです。WHの事業の売上と採算性が悪いとなれば、4000億円からののれん代を損失処理しなければなりません。そして、繰延税金資産の取り崩しとなれば、東芝の主力事業の原子力事業だけではなく、東芝そのものが崩壊することになるのです。

 

4 新日本有限責任監査法人も“屁”理屈に荷担した責任

 スクープのメールには「連結の評価を行うことを新日本(監査法人)が受け入れるための“屁”理屈をアピールすることが必要となっている。」とあります。新日本は、米会計規則でSTPの損失計上を知っていながら、連結では損失計上しなかったのです。まさに部門全体の“屁”理屈を受け入れたのです。

 

 新日本は、2013年度に「STP減損▲310億円」、不正会計発覚後の見直し修正では2014年度分で「STP減損▲410億円」減損処理をしています。これは何なのと聞きたいところです。また、のれん代の減損処理は、何故しなかったのか。新日本の責任は大です。

 

5 第三者委員会の責任と役員責任調査委員会

 第三者委員会は、当初より5年間、監査法人対象外と限定していたものの原子力事業についての制限はありませんでした。しかし、原子力事業での指摘は前項で出たSTP1件だけです。他のSPT及び原子力事業の減損処理は全くありませんでした。2012年度の1100億円も知っていたはずです。東芝の屁理屈に同調するべきではありません。

 

また、WHの減損処理の事実を明らかにした上で、WHののれん代の減損評価をするべきであり、隠ぺいした責任は大です。本当の第三者委員会で調査するべきです。

 

 役員責任調査委員会は、第三者委員会の報告そのままに原子力事業における元役員の賠償責任も1件のみとなっています。支払能力があるか否かではなく、まずは会社の損失、損害額をすべて明確にするべきです。

 

6 田中社長も、財務担当者も、原子力担当者も「隠ぺい」に必死だった。

 この関係者の「隠ぺい」メールは、株主代表訴訟の保安院「津波評価の隠ぺい」メールに酷似しています。東電にも同様のメールが存在しているはずです(処分していなければ)。これを見れば「部門別とか」「連結決算だから」の言い訳は通用しません。まずは「損失の隠ぺい」ありきです。東電も東芝も同じ国策会社であり、同じ体質だと言うことが良く分かります。

 

 ここまでの醜態を東芝、監査法人、第三者委員会は晒しながら「WH損失隠ぺい」を謀っているのです。以前、私が予想したように役員の損害賠償訴訟も、株主代表訴訟になれば全てのことが法廷で明らかにされてしまうので、自ら損害賠償請求をしたのです。「隠ぺい」ありきです。

 

この「隠ぺい」を剥がしましょう。事前質問の未回答分の説明を要求する手はずでした。今回のことで再質問を逃れることは出来なくなったと思います。

以上

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草々

 

2015年11月12日 (木)

どん底へ向けて転落していく日本の現状は「ちんぴら右翼化」(野卑下劣)なのか、それとも「シンガポール化」(成長独裁)なのか? (内田樹・白井聡対談 『日本戦後史論』より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(最初に若干のこと)

1.(別添PDFファイル)ちばてつやさん執筆イラスト(6) 放射能は今でもこわいよ! 

「tiba_irasuto_6_housyanou.pdf」をダウンロード

https://drive.google.com/file/d/0B07Aw0TeW8fHQjVJZ3prV09Tb0U/view?pli=1


 漫画家のちばてつやさんが書いてくださいました。脱被ばくの市民運動・社会運動にご活用ください。

 

(関連)マンガ・イラストを集めました。さまざまな市民運動・社会運動にお使いください  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-ad35.html

 

(関連)★寄稿:「新宿デモを取材して」 現代報道フォーラムの村田氏より、★郡山から川崎への避難者の訴え 等

 http://fukusima-sokai2.blogspot.jp/

 

2.(イベント情報)(メール転送です)たんぽぽ舎MGより

┏┓

┗■1.電力の自由化・連続講座(東京電力さようなら講座)開催

 |  来年4月から電力会社を選択できる・原発さよならだ

 |  北海道や九州の「新電力会社」からも電気を買えます

 └──── 主催:「スペースたんぽぽ」・たんぽぽ舎

 

◆第1回「電力自由化で原発と電力会社を葬る!!」

 日 時:20151128()18時より20

 お 話:広瀬 隆(作家)

 参加費:800(資料を用意します)

 

◆第2回「電力改革と脱原発」

 日 時:201512月8日()19時より21

 お 話:熊本一規(明治学院大学教授)

          緑風出版から「電力改革と脱原発」を出版

 参加費:800(資料を用意します)

 

◆第3回「新電力から購入・自治体でやれること」

 日 時:20151224()19時より21

 お 話:大沢 豊(立川市議会議員)

     (新電力からの電力購入で、立川市の電力料金=税金を大節約した人)

 参加費:800(資料を用意します)

 

3.(別添PDFファイル)(毎日新聞)■注目ニュース■ 原子力規制委 肝心の情報、やぶの中

 原子力規制委員会・規制庁で先月、公文書管理法違反が発覚した。情報公開請求のための文書目録とも言える「行政文書ファイル管理簿」を発足以来3年間も作らず、文書管理の組織内点検も怠って「点検した」と内閣府にウソをついた。これらは明白に違法だが、規制委の情報公開には他にも疑問が多い。

 

▽特集ワイド:原子力規制委・規制庁 肝心の情報、やぶの中

 http://mainichi.jp/m/?Tbqrtu

 

(重要な内容なので昨日のメールを再掲しておきます。委員長の田中俊一を含めて、この連中を委員に選んだのは、まず民主党(野田佳彦政権)であり、続いて自民党(安倍晋三政権)です。つまり自民も民主も同じ穴のムジナだということを意味しています。:田中一郎)

 

4.(別添PDFファイル)(毎日新聞)■注目ニュース■ 核燃 輸送4回の船に100億円

 政府の行政改革推進本部は11日、国の事業の無駄を点検する「行政事業レビュー」の公開検証を行った。高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構については、ほとんど使われていない核燃料運搬船の維持費などに年間12億円かかっていることに「打ち切り、見直しも含めた将来的な選択肢」を示すよう注文が付くなど、批判が相次いだ。

 

▽行政事業レビュー:核燃批判続々…4回運搬の船100億円

 http://mainichi.jp/m/?8PwolZ

 

(関連)核燃サイクル、瀬戸際 もんじゅ見直し、規制委あす勧告:朝日新聞デジタル

 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12062686.html?rm=150

 

5.Broadcastk~福島原発事故は収束したのか?~ - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=AV_H11XBiC8&feature=youtu.be

 

(ここから本文)

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少し前に発売された新刊書『日本戦後史論』(内田樹(たつる)氏・白井聡(さとし)氏の対談)を、今、読み進めております。その中で非常に興味深い内容のものがありましたので、以下、簡単にご紹介いたします。同書のP5663「右傾化と金儲けの親和性」の章です。内田氏によれば、現在の日本の政治や社会の状況は、いわゆる「右傾化」(戦前の天皇制軍国主義日本のような政治や社会へ向かっている)というよりも「シンガポール化」=「経済成長崇拝独裁」とでも言った方がより適切に思われるとのことです。白井聡氏も、この内田説に共鳴し、いくつかのことを付け加えています。下記に若干の部分を引用しておきます。皆様におかれましては、ぜひ、元本をお買いもとめてお読みになられることをお勧めいたします。

 

ところで、この本に限らないのですが、内田樹(たつる)氏も白井聡(さとし)氏も、その立論は非常に鋭く興味深いものが多いのですが、若手の白井聡氏の言論がしっかりと物事の核心を突いて徹底して正論なのに対して、年輩の内田氏の立論には、ところどころ首をかしげたくなるようなことが書かれています。下記には、今回、そう感じさせられた部分も抜き書きしておきます。図書にしろブログにしろ、内田氏の議論については要チェックであり、丸飲みは禁物であることを注意喚起しておきます。

 

●『日本戦後史論』(内田樹/著 白井聡/著:徳間書店)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033227347&Action_id=121&Sza_id=B0