(報告)「市民のための公益通報者保護法の抜本的改正を求める全国連絡会」結成式と結成記念全国集会
前略,田中一郎です。
一昨日(7/2),衆議院第二議員会館において「市民のための公益通報者保護法の抜本的改正を求める全国連絡会」の結成式,並び結成記念全国集会が開催されました。当日は約80名くらいの様々な関係者が参加し,政治家や弁護士のみならず,公益通報をしたために,さまざまな理不尽でおかしなことで,甚大な不利益や不愉快な経験をされた方々も複数名参加し,更に,主婦連や消費者団体等,「公益通報者保護法の抜本的改正」の賛同団体もいくつか顔を見せていました。
「公益通報」とは,いわゆる「内部告発」のことですが,この「内部告発」をして,雇い主である会社や組織・団体などの不正や悪事などを広く社会に知らしめてくれる「通報者」を,そうした「内部告発」によって不利益を押し付けられたり,嫌がらせを受けたりすることがないように,わざわざ法律で保護します,というのがこの制度です。しかし,日本の「公益通報者保護法」は,まさに「名ばかり」の「通報者保護」であり,実際は「通報者」がひどい被害や迫害を受けているにもかかわらず,それが放置されているのが実態です。こんなことでは,この「公益通報者保護法」も「公益通報」も,機能するはずがありません。
たとえば,通報を受けた役所などが,その通報をまともに取り合わないどころか,せっかく通報をしてくれた人の名前などの個人情報を,告発されている雇用主の会社・組織・団体側の方に知らせてしまい,それによって通報者が所属する会社・組織・団体などから,「通報者」がさまざまないやがらせや不利益処分(人事,給与,処遇など)を受けるという,本末転倒の事態が頻発しています。
本来はこうした事態が起きないよう,たとえば「通報者」の個人情報を漏らした者は「犯罪者」として厳罰に処すとか,上記のような事態が生じた場合には,迅速にその事態が行政や司法の力で修復され,「通報者」への不利益やいやがらせについては慰謝料を含む巨額金額の賠償がなされ,そして公益通報後も,何の心配も憂いもなく仕事や生活が続けていけるようであらねばなりません。また,不利益処分や嫌がらせをした者や組織に対しても厳しいペナルティが課される必要があるでしょう。不利益処分や嫌がらせなどは,様々な口実を付けて行われるでしょうから,そのことも十分に勘案した形で判断が下されなければなりません。しかし,日本の今日の現実は決してそのようにはなっていないのです。まさに,この「公益通報者保護法」は,「通報者」バッシング追認法・黙認法となっているのが実態です。
「公益通報者保護法」は,2004年6月18日に制定され,直近では2013年6月28日に改正されています。しかし,この法律の欠陥は相変わらず放置されたままで,おかしな状態は全くと言っていいほど改善されておりません。その抜本改正を終始一貫して妨害してきたのは,現在の政権党の自民党です。自民党という政党が,いかに有権者・国民・市民の立場に立っていないか,あるいは,社会をよくすることよりも,一握りの特権者や特権会社のために政治権力を行使し,日本の社会をいかに歪めているかがわかるというものです。今回のキックオフ集会には,いわゆる超党派ということで,複数の政党から国会議員が参加していましたが,自民党議員はいなかったように思います。(自民党に加えて公明党も来ていなかったようです。公明党という政党は,過去のこの党の行動からは考えられないようなことを,最近では平気でやっています)
この「公益通報者保護法」を所管している官庁は,建前上は消費者庁のようですが,実態はおそらくそうではなく,さまざまな官庁が利害関係を持つ複雑怪奇な力関係が霞が関や永田町では働いているものと推測します。そういうこともあってか,この賞味期限切れした消費者庁という役所は,この「公益通報者保護法」の適正化・正常化のための抜本改正に対しては極めて消極的で,自分自身のレゾンデートルを発揮しようとはしてきませんでした。しかし,最近になって,この問題に関する審議会を設けるなど,少し動きが出てきているようです。いずれにせよ,この賞味期限切れ官庁である消費者庁の尻を蹴飛ばさない限り,ことは前には進まないように思われます。
また,この「公益通報者保護法」の問題は,他方で,あの天下の悪法=特定秘密保護法との関連があります。特定秘密保護法の存在を前提にしての「公益通報者保護法」の適正化は容易ではないように思われますが,この辺をどう対処していくのか,行方が注目です。私は単純に,特定秘密保護法を多数の有権者・国民・市民の意向に沿って廃止すればいいと考えています。
「公益通報者保護法」を正常化するためには,文字通りの「通報者保護」を万全なものにしなければいけませんが,それに加えて,日本のビジネスカルチャーを変えて行く,運動論的な観点も必要であるように思われます。公益通報は,企業や団体・組織をよくするために行われるものであり,奨励されることはあっても非難されるようなことではない,人として当然の道徳的な行為の一環であり,抑制されることがあってはならないどころか,むしろ改善提案を含めて,奨励されてしかるべきもの,肯定的にとらえるべきものであることが,広く政府や自治体などの行政機関によって広報されるべきです。
また,現状のように,国や自治体の役所が直接「公益通報」=内部告発を受け取る仕組みは,当分の間,やめた方がいいと思われます。日弁連から弁護士のチームを出してもらい,そこが責任を持って「通報」を受け取り関係セクションへつないでいく,当然ながらその過程では守秘義務を厳守する,そういう第三者を介在させた仕組みが必要かと思われます。(以前に,ある集会で,この話をしましたところ,日弁連の関係弁護士と思わしき人間が私のところにやってきて,実に不愉快そうな顔で私に名刺交換を求めてきた記憶があります。そんなことでは,この「公益通報者保護法」の正常化・適正化はおぼつかないでしょう)
以下,簡単に,この集会のご紹介等をしておきます。なお,この連絡会へのご参加を希望の方は,別添PDFファイルの加入申込書を所定の先へご提出なされば,加入できると思います。この新しい団体が,期待される役割をきちんと発揮し,一刻も早く「公益通報者保護法」が適正化されることを願っております。
<別添PDFファイル>
(1)(パンフ)「市民のための公益通報者保護法の抜本的改正を求める全国連絡会」結成式と結成記念全国集会のご案内(2015.6)
「kesseisiki_koueki_renrakukai.pdf」をダウンロード
(3)「市民のための公益通報者保護法の抜本的改正を求める全国連絡会」結成記念全国集会(資料その1)(2015.7.2)
「syuukaisiryou1_koueki.pdf」をダウンロード
(4)「市民のための公益通報者保護法の抜本的改正を求める全国連絡会」結成記念全国集会(資料その2)(2015.7.2)
「syuukaisiryou2_koueki.pdf」をダウンロード
(5)「市民のための公益通報者保護法の抜本的改正を求める全国連絡会」加入申込書
「kanyuu_mousikomisyo.pdf」をダウンロード
(6)「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」の開催について(消費者庁 2015.6.10)
<「公益通報者保護法」>
(1)公益通報者保護法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO122.html
(2)公益通報者保護制度 消費者庁
http://www.caa.go.jp/planning/koueki/
(3)公益通報者保護法と制度の概要について 消費者庁
http://www.caa.go.jp/planning/koueki/gaiyo/
(4)「公益通報者保護法」の概要(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/planning/koueki/gaiyo/
(5)公益通報者保護法 - Wikipedia
<関連サイト>
(1)朝日新聞デジタル:公益通報者保護法に関するトピックス
(2)法改正検討に告発経験者 機能しない公益通報者保護法:朝日新聞デジタル
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11801985.html
(3)オリンパス現役社員のブログ
「公益通報者が守られる社会を!ネットワーク」
<参考図書>
(1)オリンパスの闇と闘い続けて-浜田正晴/著 本・コミック : オンライン書店
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032745434&Action_id=121&Sza_id=C0
(2)「公益通報者保護法」関連図書
草々
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