八ッ場ダムは「口先やるやる詐欺」政治家集団=民主党の墓銘碑だ:「コンクリートから人へ」は実は「人からコンクリートへ」だった=八ッ場ダム建設をやめさせられない政党に日本の政治が変えられるはずもない
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
この週末の新聞に八ッ場ダム関連の重要な記事が2つ掲載されました(下記)。八ッ場ダムといえば,あの2009年夏の見事なまでの政権交代の折,交代政権を担うこととなった民主党のマニフェストにおける最も象徴的なスローガンの1つであった「コンクリートから人へ」の代表格の公共事業であり,また,圧倒的多数の有権者・国民・市民の批判の的であった,くだらない・無意味そのものの,いや環境破壊や過重な財政負担を残し,ダム建設地元の地域破壊にもつながる,グロテスクなまでにマイナスの,「絶対にやめさせるべき」ダム事業の筆頭格のものでした。
当時,民主党政権への政権交代を支持し,応援した多くの有権者・国民・市民は,これでやっと八ッ場ダム建設は終わると思った方も多いでしょう。それが今日では,今回の新聞記事にあるようなことになっています。八ッ場ダムに限りません(日本国中のダム建設が結局はほとんどまともに見直しされませんでした)し,ダムなどの公共事業のあり方に限るわけでもありません=あらゆることで,民主党に約束を破られた・だまされた・ウソをつかれた・裏切られた,そういう怒りと脱力感に襲われている有権者・国民・市民は,たくさんいらっしゃると思います。
下記にご紹介する2つの記事は,この八ッ場ダム建設とダム事業・治水事業についての少し前の議論を思い出しつつお読みいただければと思います。そして,この政治改革をやるやると言って,結局はマニフェストと正反対のことを,次から次へと徹底してやっていた「口先やるやる詐欺」政治家集団=民主党に,改めて,有権者・国民・市民より「告別の辞」を差し上げましょう。(注)
(注)民主党政権がやっていたマニフェストと真逆の背信行為の数々(代表格のみ:全部ではありません)
対米隷属軍事同盟および外交の継続,原発推進・原発輸出推進から福島第1原発事故を経て,加害者救済・被害者切捨て,放射線安全神話,そして原発再稼働,市場原理主義政策とTPP推進,農業破壊・地方破壊,特定秘密保護法推進と情報公開法「名ばかり」改正,共通番号(マイナンバー)制度,人からコンクリートへ,官僚主導の上の口先政治主導,消費税率引き上げ,社会保障制度改悪ないしは削減・切り捨て,消費者行政の大企業・業界への従属(食の安全と表示など),冤罪検察改革の焼け太り(盗聴法や司法取引など),労働法制改悪放置(改善の妨害),沖縄基地の県外・海外への撤去棚上げ,などなど,まだまだ山ほどあります。(下記はあまりきちんとしたサイトではありませんが,ざっと見るには手っ取り早いのでご紹介しておきます)
(参考)民主党終了・・・民主党のマニフェスト。全てがウソでした。NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2134326621787807101
(参考)マニフェストから民主党の詐欺度合いを確認する~東電そっくりの野田政権
http://blogos.com/article/41985/
こんな連中に,日本の政治・経済・社会の改革を託してみたって,その真逆になることはあっても,改革が前進するなどと言うことは絶対にありません。民主党の客観的な役割とは,自民党の悪政に有権者・国民・市民がそっぽを向いた時に,その自民党政治と同じベースの政治を続けるための「つなぎ」役=有権者・国民・市民をだまして,改革をするようなふりをして,自民党と同じかそれ以上にひどい政治をして,次の自民党政権につなげる役目,を担っているだけの話です。従って,民主党は,有権者・国民・市民の具体的な投票行動によって,解体・解散させる必要があります。そして,かような「口先やるやる詐欺」野党に代わって,文字通り,圧倒的多数の有権者・国民・市民のために(ひと握りの腐敗堕落の労組のためではなく),有権者・国民・市民の参加を保障して,ホンモノの民主主義の上に,有権者・国民・市民の命と健康と権利=基本的人権と平和を最優先で守り抜く,そういう「オルタナティブな政治集団」や政党を育てていかなければならないのです。簡単に言えば,ホンモノの第三極形成です。いや,ホンモノの政治改革ができる政権交代可能野党の形成です。
民主党とは,逆立ちした自民党,すなわち民主自由党であり,言い換えれば,自民党の落ちこぼれ3流以下政治家(自民党が2流なので,そこから落ちこぼれたら3流以下)と自民党の補完勢力を寄せ集めた選挙互助会集団,であり,まさに何の政治能力・政権担当能力も持たぬ,どうしようもない政党です。烏合の衆と大差ないでしょう。確かに民主党の中には,いわゆるリベラルと言われている政治家はいますが,もし,そのリベラルがホンモノだというのなら,そのホンモノとしての仕事をしていただくしかないでしょう。
マニフェストと真逆の反有権者・国民・市民政策が,3人の愚か者の首相の下で,有権者・国民・市民を踏みつけにして強行されて行く中で,指をくわえて見ていただけの「口先リベラル」では,リベラルなどという単語がその実態を現わしていないと言えます。少なくとも,党内において,徹底して悪政・悪法(案)に反対をし,徹底してその改善に尽力をし,それでもかなわぬのなら,徒党を組んで党を出て行く,あるいは党をぶっ壊す(小泉純一郎),そういう「覚悟」があってこそのリベラルなのです。覚悟の決まらぬ腰抜けの政治家達をリベラルなどとは言わないものです。演歌歌手・坂本冬実が「夜桜お七」で歌うように,「いつまでたっても「せぬ」(しない)人と,死んだ人とは同じこと」なのです。
今日の日本の転落状況は,もはや民主党ごときの三流自民党落ちこぼれ集団や自民党の補完勢力,ないしは日本型ファシズムの端緒グループなどによっては,改善・改革していくことはできません。こんな連中にいくら期待をして投票をし続けても,絶対に事態は改善もしなければ,改革にもつながりません。むしろ下手をすると,事態の悪化を速める効果しか持たないのです(たとえば,2009年民主党政権の背信行為と政治改革の失敗が,その後の自民党の政権復帰と,政権交代前よりもよりグロテスクな政権である安倍晋三政権誕生につながっていることを忘れてはならないでしょう。似非改革・中途半端な改革は,その後に,改革前よりもひどい政治・政権を生みだすことは,これまでの歴史でも,たくさんの事例があることです。
八ッ場ダムをやめさせられるかどうか,言い換えれば,日本のダム行政・治水行政を転換できるかどうか,それが政権や政治家集団を有権者・国民・市民が判別・識別・評価する際の,一つの重要なリトマス試験紙になっていると言えるでしょう。(もちろん,最重要は,原発即時廃棄と戦争法制廃案と市場原理主義政策の転換ですが)
民主党は解体されなければなりません。似非リベラルでは日本の政治は変わりません。「口先やるやる詐欺」では,益々日本の転落はひどくなる一方です。有権者・国民・市民は,自分達の側にしっかりと立脚する,これからの日本を担っていける,ホンモノの改革派政治家集団や政党を育てるような投票行動を行うこと,それが底なしの転落を続ける日本を救済できる唯一の道なのです。その意味では,民主党よりも,もっと早く,もっとしっかりと,私たち有権者・国民・市民が変わらないといけないとも言えるでしょう。(このままいくと,全国どこかの原発・核燃料施設が地震・津波・火山噴火・または自損事故などにより火を吹いて過酷事故となり,深刻な事態に陥ると思われます(放射能汚染地獄)。あまり残された時間はない,と考えておくべきです)
<別添PDFファイル>
(1)八ツ場ダムの土地収用公聴会、「生前葬の気持ちで来た」「建設目的が失われている」(東京 2915.7.5)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015070502000141.html
http://media.jorudan.co.jp/news/db6956bb555628c0771b964da88f68a3?type=39
(一部抜粋)
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(中略)喪服は抗議の意思表示だという。「土地収用手続きは、まるで国がピストルを突きつけ、出て行かないと引き金を引くと言っているようだ。思い出が詰まり、母親のように大事な故郷を捨てられない。だったら故郷とともに(私を)撃っちやってくださいよ」。静かに語る高山さんの声が会場に響いた。
(中略)「国側は『早く代替地(の希望場所)を決めてくれ』と言ってくる。でも代替地の安全対策がどうなるかも、鉄鋼スラグがどれだけ使われたかも分からないじゃないですか。スラグから有害物質が出れば、下流住民に影響を与えかねない。これで安心して移れますか」 高山さんの言う安全対策やスラグ問題とは何か。
(中略)国交省は、水没予定地の住民が移る代替地五力所でも補強対策を検討するとしてきた。ところが、公聴会では、国交省・関東地方整備局の八ツ場ダム工事事務所の担当者は「ボーリング調査の結果をみて、専門家の助言を得ながら対策の必要の有無や内容の検討・設計を行う」として具体策を示さなかった。(中略)。国交省は昨年十二月、住民の移転先など八力所で有害物質が検出されたと発表した。有害物質が含まれている鉄鋼スラグが原因とみられる。
(中略)市民団体のメンバーは、八ツ場ダムの洪水調整機能は限定的で、終戦直後を除けば、利根川で堤防を越えるような洪水が発生していない点を指摘。関東地方の水使用量が減少していることも挙げ、ダムは不要で土地収用の公益性もないと強調した。
(中略)嶋津氏は国などの対応に憤る。「指摘に正面から答えていない。具体的計画がない導水施設を用いて減電量を低くみせようとしている。もし導水施設を建設すれば数十億円はかかるだろう。こうした実態を説明にせず土地収用手続きに入るのは許されない」
浅間山の天明大噴火で、火砕流が流れ込み、不動院の住職が山を駆け上って助かったという記録が残るという。古来、日本人は自然に畏敬の念を抱いてきた。ダム建設は、この思想と相いれないように思う。
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(魔神のお山=浅間山が八ッ場ダムとその建設主の国土交通省関東地方整備局に激怒している。先般の噴火の兆しは「大魔神」様のお怒りの表れだ。まもなく,国土交通省関東地方整備局の悪党どもが,八ッ場ダム建設現場とともに,浅間大魔神に踏みつぶされ退治されるだろう。覚悟しておくことだ:田中一郎)
●大魔神怒る
(2)(インタビュー)変わらぬダムに物申す(宮本博司:朝日 2015.7.4)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11840486.html
http://suigenren.jp/news/2015/07/04/7525/ (全文)
<関連サイト>
(1)八ツ場ダムをストップさせる埼玉の会
八ッ場ダムの土地収用公聴会の特集記事「生前葬の気持ちで来た」
http://yambasaitama.blog38.fc2.com/blog-entry-3523.html
(2)東京新聞八ッ場ダム 「建設中止」の声相次ぐ 強制収用可否 判断で公聴会群馬(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150627/CK2015062702000151.html
(3)八ッ場(やんば)あしたの会 八ッ場あしたの会は八ッ場ダム本体工事の中止と水没予定地域の再生を目的としたNGOです
(4)水源連(水源開発問題全国連絡会)
(5)水資源開発促進法 立法と公共事業-政野淳子/著 本・コミック : オンライン書店e-hon
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032830071&Action_id=121&Sza_id=C0
(6)八ツ場ダム 過去、現在、そして未来-嶋津暉之/著 清澤洋子/著 本・コミック : オンライン書店e-hon
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032535187&Action_id=121&Sza_id=C0
草々
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