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2015年6月16日 (火)

60年安保から55年=樺美智子さんの死は警察権力による組織暴力が原因だった(明らかにされるあの日のこと) + 岩波月刊誌『世界』を購読しましょう

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(最初に必見のフィルム:必ずご覧ください。戦争の何たるかを少しだけでも垣間見ることができます)

 

●NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル「沖縄戦 全記録」

 http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586683/

 

(再放送は、617日(水)午前010分~午前110分 です。

 

(関連)NHKスペシャル 「沖縄戦 全記録」 より 2015 6 14

 https://www.youtube.com/watch?v=Rf3hF3eTTIw

 

(ここから本文)

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昨日(6/15)は、かつて日本の民衆が「安保反対」の炎に燃え上がった「60年安保闘争」から55年になります。そして、その55年前の6月15日夜7時ごろ、その「60年安保闘争」を闘っていた東京大学文学部の優秀な一女子学生が、闘争の混乱の中で死去しました。その女子学生の名は樺美智子さん、当時大学4年生でした。

 

毎年6月15日になると、国会の門の前で、亡くなられた樺美智子さんを偲んで、有志による追悼の催しが行われているということは、少し前にどこかから聞いて知っておりました。しかし今年は、まさにあの時の「60年安保闘争」を、そのまま新時代に焼き直したような「二回目の闘争」が、よりによって「60年安保闘争」の諸悪の根源男・(しかもアメリカCIAから金や便宜をもらっていたと言われている)岸信介の孫の安倍晋三・自公政権が強引に持ち出してきた「戦争法制」によって、日本全土に燃え上がらんとしている、その年であります。「60年安保闘争」を昭和の(日本国憲法を守れの)第一次護憲運動とするならば、今、燎原の火のごとく広がりつつある「戦争法制反対・九条まもれ」の闘争は、平成の(日本国憲法を守れの)第二次護憲運動といえなくもないでしょう。まるで歴史は、私たちを皮肉っているかの如く、同じ人間に向かって同じことを繰り返しているかのように見えます。

 

そういう情勢の中で、私は今回初めて、この毎年しめやかに行われてきたという樺美智子さんの6.15追悼会に参加してみました。当日は初夏の晴れた日で、木陰に入ればともかくも、炎天下ではかなりの温度にまで気温が上昇する暑い日でしたが、開催場所の国会南門・通用口の前に、約60人くらいの老々男女の方々がお集まりでした。老若男女ならばもっとよかったでしょうが、私の世代を含めて樺美智子さんのお名前が記憶にある世代は、どの辺まででしょうか、少し残念に(というか、なさけなく)思います。私は(歳がばれてしまいますが)「60年安保闘争」のころは、小学校に入るか入るちょっと前くらいの小さな子供でしたので(既にTVは自宅にありましたから、安保闘争はTVで見ていたと推測します)、具体的なことの成り行きは全く記憶にありませんし、樺美智子さんが亡くなられたことも記憶にありません。しかし、「安保粉砕」「安保反対」というデモ行進のシュプレキコールは当時の「流行語」になって、小さな子どもたちにも広まっておりましたし、当時の道路いっぱいに広がるジグザグデモの様子もまた、自分の脳裏にうっすらと残っています。それだけ、当時の安保闘争が日本全土に染みわたっていたのでしょう。

 

当日、参加者に配布されたのが別添PDFファイルの3つの文書です。驚いたことに、というか、やはりと言った方がいいと思いますが、樺美智子さんは、当時の警察・検察当局が発表し、マスコミが流布させた「人なだれによる胸腹部圧迫」(大勢の学生と警察が敵対し合いながらもみ合う大混乱の中で、いわゆる「将棋倒し」が起きて、樺美智子さんがその下敷きになった)などによって事故死したのではなく、当時の治安警察の組織的な悪意による暴力によって殺害されたというのが本当のことであり、また検察はそれを知りつつ、樺美智子さんの死因を、解剖医に権力的な圧力をかけてまで歪めて報告書を出させ、それを公表もしないまま、闇から闇に葬って、でっち上げの死亡原因を「既成事実」化してしまった、ということのようです(死因は、警棒で腹部を強く突き上げられたことによる膵臓その他の内臓損傷と、それにより体力が低下した状態で、何者かの右手で首を絞められたことによる窒息死です)。詳しくは別添PDFファイルをお読みになってください。

 

今も昔も変わらぬ警察・検察の人権蹂躙と権力弾圧・抑圧、そして悪意の組織暴力、まさに「強きの味方」をし「権力を背に」、まるで「権力の番犬」のごとく民衆に対してふるまう、その唾棄すべき威圧的態度と精神構造、そして、そのことを多くの有権者・国民に対しては露骨に隠蔽しながら事を進めていく歪みきった組織体質、私たちが生きる平成の現代社会もまた、樺美智子さんの生きた時代と、そう大差があるわけではありません。今も昔も、警察や検察は、日本最大の暴力団なのです。

 

今、私たちは、こうした警察・検察の「巨悪」を横目でにらみつけながら、安倍晋三・自公政権が強引に推し出す「戦争法制」その他の、もろもろのロクでもない日本破壊政策に断固として立ちはだかり、撤回させようと闘っています。樺美智子さんの遺影の前で焼香をし、献花をしながら私が心に誓ったのは、樺美智子さんの死に対して恥ずかしくない、現代を生きるものとしての最低限の振る舞いとしての「戦争法制反対・九条まもれ」を、この悪辣な政治権力に対してしっかりと突き付けていきます、ということでした。改めて、樺美智子さんのご冥福を祈ります。

 

 <別添PDFファイル>

(1)樺糞智子さんの「死の真相」(60年安保の裏側で)(御庄博実(丸屋博)20101224日)

「kanba_mitiko_san_1_misyousann.pdf」をダウンロード
(2)樺美智子の死因をめぐって(江刺昭子『インパクション 176 2010.9』)

「kanba_mitiko_san_2_esasisann.pdf」をダウンロード
(3)御庄さん、真実を語り続ける勇気を教えていただきました(金田晋)

「kanba_mitiko_san_3_kanedasan.pdf」をダウンロード
(4)メディア時評:安倍事態、TPP(神保太郎『世界 2015.7』)

 

1.樺糞智子さんの「死の真相」(60年安保の裏側で)(御庄博実(丸屋博)20101224日)

 エッセンス部分を一部抜粋しておきます。著者の丸屋博さんは、広島共立病院の名誉院長で2010年当時85歳の医師の方です。

 

(一部抜粋)

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一九六O 年六月の『安保』は、樺美智子さんの死に燃えあがった日本を目の前に、時のアメリカ大統領・アイゼンハウワーが直前まで予定していた来日を中止し、ヒロヒト天皇との面会もキャンセルして、急逮マニラから帰国するという国際的事件でした。日本の現代史の中でも特筆する大きな事件です。『安保五十年』と言うべきいま、棒美智子さんの闇につつまれたままであった「死の真相」が、もう一度語られてよいのではないでしょうか。

 

(中略)樺さんは腹部に(警棒様の)鈍器で強い衝撃を受け、外傷性膵臓頭部出血と、さらに扼頚による窒息で死亡した、という結論をまとめた。

 

当日の朝日新聞の記事を借ります。樺さんの死因「ヤク死の疑い」

樺美智子さんの司法解剖に立ち会った参議院議員坂本昭氏、代々木病院副院長中田友也氏は二十一日夕「樺さん死因は窒息であり、ヤク死の疑いが強い」と参議院会館で記者団に中間発表した。両医博の発表は樺さんが死ぬまでの状況や、加害者については一言も触れていない。両医博は樺家の知人として、慶大教授中舘久平医博の執万する解剖に終始立会い、その所見をまとめたものである。発表によると、両医博は、次の理由で結論を出したと言う。

 

(1)まぶたの裏の大きな出血ハンや、肺臓のうつ血など体内各所に窒息死の徴候がある。窒息の原因はノドボトケの両側に筋肉内出血があり、特に右側がひどいので右手による扼死の可能性がいちばん強い。胸を圧迫されたための窒息ということは立証する所見がない。

 

(2)すい臓出血がある。きわめて珍しい症例で、比較的面積がせまく、かつ固い鈍体が強〈作用した結果と認められるが、出血量が五・六0立方センチという少量で、かつ、すい蔵の外へあふれ出ていないので、これが死因とは考えられない。(60.6.22、朝日新聞)

 

社会党、『警視総監らを告発』ー殺人、職権乱用で日本社会党不当弾圧対策特別委員会(委員長木原津与志代議士)は二十三目、小倉謙警視総監、伊林長松警視庁第四機動隊長、岡村端同第七方面隊長と六・一五統一行動の当時,衆院南通用門付近にいた機動隊全員を殺人、職権乱用、傷害罪で東京地検に起訴した。告発状によると、六月十五日午後五時頃、南通用門付近にいた請願中の学生数百人に警棒をふるって暴行、東大生樺美智子(ニニ)さんをなぐったりけったりして倒したうえ、首を押さえつけ腹を強圧、結果として窒息死させた。また学生、学者、一般市民数百人に暴行、障害を加えたと言うもの。(60.6.24、朝日新聞)

 

関連して検察庁から「根拠のない『虐殺』」であることのパンフレットが配られていることが、朝日新聞の同じ紙面の記事に載せられている。

 

幾日か遅れて、司法解剖をした慶応大学の中舘教授からの鑑定書が提出されました。『鈍器で腹部を突かれ膵臓挫滅出血、首を絞められた(頚部扼こん反応)』というこの第一次鑑定書は、検察の受け取るところとならなくて書き直しを迫られました(当時、慶大法医の解制の助刀を勤めた中山浄先生から、逐一連絡がありました)。訂正鑑定書では上記の死因に「人なだれによる胸腹部圧迫」が加えられたと知らされました。この「人なだれによる胸腹部の圧迫が窒患の原因」は六月十五日、樺さんの死体を検察局で検視した監察医務院医師・渡辺富雄氏の「監察医意見書」として検察当局に提出されていたものでした。

 

なお追記すれば渡辺監察医は慶応大学の司法解割には立ち会っていません。この第二次の中舘鑑定書は検察局の受け取るところとなりましたが、当局はこの内容に不満で、東大関法医学・上野教授へ「再鑑定」の依頼をしました。上野教授からは「人なだれによる圧迫死・内臓臓出血も窒息による」としたようです。この上野再鑑定書によって、鑑定書は公表されないまま社会党の告訴はとりさげられ、棒美智子さんの死の真相は閣に葬られたこととなりました。

 

(中略)僕が受け取った樺美智子さんのプロトコールは,彼女が警棒様の固い鈍器で上腹部を激しく突かれて、脊柱と聞にはさまれて挫傷して出血したことを示しています。「人なだれ」は、デモの後方で起きており、当夜「人なだれによる死」が、彼女ただ一人であって、そのために骨折など怪我をしたりした学生のあったことは聞いた事がありません。一人の学生が「死」に至るような「はげしい人なだれ」は、あったのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(それにしても、何故、社会党は告訴を取り下げたのでしょうか? また、樺美智子さんの両親も娘さん殺害の告訴告発には踏み切らなかったようです。それはなぜなのでしょうか。権力による一人の女子学生の虐殺が闇から闇に葬られていくことが、私には他人事のようには思えないのです:田中一郎)

 

(参考)(毎日新聞)■注目ニュース■安保法案で協力要請か

 安倍晋三首相は14日夜、維新の党最高顧問の橋下徹大阪市長と東京都内のホテルで会談した。首相は安全保障関連法案の今国会成立に向け、維新の協力を要請したとみられる。維新は安保法案の修正や、労働者派遣法改正案の採決に前向きな姿勢で、民主党と一線を画している。首相側には会談を通じて野党を分断する狙いもありそうだ。

 

▽安倍首相:安保法案で協力要請か 橋下氏と会談

 http://mainichi.jp/m/?kjNzmU

 

(参考)(毎日新聞)■注目ニュース■防衛相「砂川判決を根拠とせず」

 衆院平和安全法制特別委員会は15日、一般質疑を行った。中谷元防衛相は、1959年の最高裁の砂川事件判決が集団的自衛権の行使容認を合憲だと判断する根拠になるかどうかについて「直接の根拠としているわけではない」と明言した。

 

▽集団的自衛権:防衛相「砂川判決が根拠とせず」

 http://mainichi.jp/m/?wZKLEJ

▽安保関連法案:長谷部と小林両氏、政府・与党を厳しく批判

 http://mainichi.jp/m/?LsHjIJ

▽安保関連法案:「国民を愚弄」「珍妙な引用」 長谷部・小林両氏の与党批判詳報

 http://mainichi.jp/m/?lYOd7z

 

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草々

 

<追>みなさま、岩波月刊誌『世界』を定期購読いたしましょう。


 岩波月刊誌『世界』がなかなかいいんです。みなさま、マスごみの垂れ流すごみニュース、くず雑誌が垂れ流すくず情報の氾濫の中で、今、岩波月刊誌『世界』の言論が光っています。別添PDFファイルには、私が毎月愛読している神保太郎さんの「メディア批評」を添付しておきます。今月は「安倍事態(アベリスク)」やTPP交渉、あるいは大阪都構想住民投票などについて、鋭くも厳しい論評が加えられています。ご一読されてみてください。そして、ぜひ、この混迷する現代社会を見定めるしっかりしたリテラシーを持つためにも、また、自身の批判力を鍛えるためにも、毎月の定期購読をお勧めいたします。

 

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