国や自治体は、被ばく押しつけの「帰還」強制政策をやめ、原発震災被災者を差別・区別することなく、あらゆる方法で支援・救済せよ、加害者・東京電力は何をしているのか
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
みなさまご承知の通り、国や福島県庁は、これまでも、福島第1原発事故の加害者・東京電力や原発を推進してきた原子力ムラの復活、及びそこに群がる事業者群の救済、ないしは利権事業の確保を優先する一方で、被害者住民に対しては、きちんとした救済措置を取ることなく、超党派で全会一致で成立させた「子ども・被災者支援法」も棚上げにしながら、放射線被曝を押しつける「帰還」強制政策や、原発事故の賠償・補償を踏み倒す被害者切捨て・棄民方針をとり続け、あるいはまた、復興予算に「タカリ」行為を働き、利権・土建の事業を積み重ねることで福島第1原発事故からの復旧・復興を演出するというウソ・偽りの政策をとり続けてきた。原発事故から4年半を経過した現在、安倍晋三・自公政権は、いよいよ決定的な「あべこべ政策」を閣議決定し、福島第1原発事故被害者を、恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)による大量被ばくか、または家族解体・コミュニティ破壊の上の貧困化・生活苦か、の二者択一を迫る「権力暴力」の暴挙に出ることを決めたのだ。
とりわけ、政府や自治体が避難指示を出さなかった地域、あるいは出したけれども、それを解消してしまった地域の被害者に対する救済措置の廃止は、避難住宅支援の廃止をはじめ、冷酷無残な重大な「犯罪行為」ともいうべき暴挙である。被害者住民は、何の罪もなく、ある日突然、安全で絶対に事故は起こさないと言われていた原発が火を吹き、あたり一面を放射能だらけにしたために着の身着のままで避難を余儀なくされ、それ以来、そのままに放置されている。政府は、事故直後から、賠償・補償負担の極小化を図ることを目的として、本来は一つであるところの「避難指示区域」を、みょうちくりんな官僚用語を付けた「区域指定」でバラバラにして差別化し、しかもその範囲を「30km圏」+αという非常に狭い範囲内に限定したのである。原発事故直後の初めの段階から、日本の政府は、被害者を守り救済するという姿勢に欠けていた。
<参考:避難区域とその再編>
再編前も再編後も、原発事故の賠償・補償を極小化し、踏み倒すために設けられた官僚用語の「(避難等)地域指定」がなされている。この「地域指定」には何の(科学的実証的実態的な)根拠もない(原発からの距離や年間被ばく線量など)。重大な人権侵害の悪政であることは言うを待たずだ。この「住民分断、賠償・補償踏み倒し」方式の「避難指示政策」は、今後の原発・核燃料施設事故においても踏襲されるであろう、重大かつ反国民的・反地域住民的政策であることもまた、しかと認識しておく必要がある。本来の被害者住民政策・原発事故被害者対策は、こうした霞が関官僚どもがつくった出鱈目の枠組みを、いったんご破算にし、放射能汚染とその危険性に基づいて、被害者住民の命と健康を最優先とし,かつ被害者住民の利益や要望に応える形で再構築するところから始まる。
●再編前=事故直後
警戒区域(20km圏内、強制避難)
緊急時避難準備区域(20km~30km圏内、屋内退避、20mSv/年以内)
計画的避難区域(20km圏外で20mSv/年以上、原則避難)
特定避難勧奨地点(20km圏外で20mSv/年以上、原則避難、計画的避難区域を広げたくないためのインチキ指定:出鱈目な汚染計測と地域住民の分断)
●再編後
避難指示解除準備区域(20mSv/年以下)
居住制限区域(20超~50mSv/年以下)
帰還困難区域(50mSv/年超)
案の定、賠償・補償の手続きが始まると、政府や自治体が避難指示をした区域以外の地域の住民に対しては、放射能汚染の度合いとは関係なく、あるいは、原発事故で受けた被害の度合いとも関係なく、一律にわずか12万円という信じがたい少額の慰謝料を払ったきりで、そのあとは加害者・東京電力も事故責任者・国も何もしないで居直るという出鱈目を続けている。わずかに県庁や基礎自治体が、本当にスズメの涙ほどの支援策や救済策を打ち出してきたが、今回の話はそれをも打ち切って、被害者を完璧に切り捨てて、救済や再建支援の行政上の「重荷」を除去してしまおうというのだから驚きを越えて怒りを覚える。そもそも被害者救済を「重荷」と受け止めること自体がゆがんでいる。
いわゆる「自主避難者」と言われている方々は、そうした状況の下で、放射能汚染がひどく、子どもたちや自身の健康を懸念して、やむにやまれぬ思いで避難をされた方々である。決して「自主的」に、「喜んで」「自ら進んで」「避難をしたくて」避難をしたのではない。その被害者の方々に対して、政府や福島県庁などの都県は、「自主避難者」などという、一種の差別選別用語を用い、避難することが、さも復旧・復興の妨げとなる自分勝手なふるまいであるかのごとく印象付けるための言葉を使って、これまで一貫して差別的対処を続けてきた。被害者虐待の行政・被害者いじめの行政そのものだが、今回はそのわずかばかりの支援策の大黒柱ともいうべき避難住宅への支援さえ,やめてしまうという。
そのために節約できる予算は年間約80億円、年間の除染費用が今年度だけでも6500億円、放射能汚染物の中間貯蔵施設を含むトータルの放射能対策費が約4兆円も予算化されている中で、80億円の用意ができないなどという言い訳は通用しない。放射能汚染とその危険性をもみ消すための被害者踏みつぶし=つべこべ言わずに元いた場所へ戻れという、被ばく押しつけの「帰還」強制政策以外の何物でもない。被害者の意向を十分に聞いて、それを反映させて遂行すべき原発震災からの復興政策が、原子力ムラ主導の被ばく押しつけ政策に転換されてしまっているのだ。まさに「あべこべ」政権の「あべこべ」政策である。
●東日本大震災に係る応急仮設住宅の供与期間の延長について-福島県ホームページ
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16055b/260528-kasetukyouyoencyou.html
どこの世界に、あるいは歴史を振り返ってみて、悪質な人災で多くの人々に大規模な被害が出ているにもかかわらず、その被害者を救済しない支配者、あるいは政権・政策というものが存在したことがあるのだろうか。現日本政府は、現福島県庁は、信じがたい人権侵害と被害者踏みつぶしの政策を開始している(同じく、放射能汚染に見舞われている福島県庁以外の都県庁も、われ関せず・関係なしの、素知らぬふりをしているだけで、事は同じである。福島県以外の放射能汚染地域の被害者の方々もひどい状態に放置されている)。
放射能汚染とそれに伴う恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)の危険性を、原子力ムラ・放射線ムラの力を借りて、新たな放射線安全神話を築きながら軽視・無視・矮小化し、原発事故の広範な被害者への償いも救済もしようとはしない。他方では、できもしない除染を巨額の復興予算を割いて原発推進事業者たちに分け与え、除染事業を「利権」化して、原発事故を食い物にする、そして、その行きつく先が原発再稼働と再びの原発・原子力推進である。こんなことが許されていいはずはない。かようなことをする「反逆者」どもは、政治や行政の世界から追い払う必要があるのだ。
今回、大きく申し上げて、政府の原発被害者切捨て・棄民化方策として、次の3つが同時並行で進められることとなった。本来なら、その政府方針に抵抗し、被害者住民の立場に立って行政を行うべき自治体は、ことごとく政府の下請け・原子力ムラの手下のごとく、被害者を踏みつける施策に邁進しているようだ。狂気の原子力翼賛社会が台頭している。まるで原発事故などなかったかのごとく、偽りの復興が飾り立てられ、フクシマ万歳・フルサト万歳の大合唱とともに、放射能と被ばくが忘れ去られようとしているのだ。その行きつく先は、子どもたちを中心に、多くの人たちの健康被害・遺伝的障害となっていく可能性は極めて高い。福島県やその周辺の放射能汚染地域の汚染状況は、とてもではないが、人間が住み続けることができる線量ではないことは明らかである。原発事故が起きてしまったら、「放射線管理区域が消えてなくなる」などということはあり得ないのだ。
<安倍晋三・自公「あべこべ」政権が打ち出した3つの被害者切り捨て・踏みつぶし政策>
(1)賠償・補償の打ち切り(就業(失業)補償はすでに打ち切られている(2014年3月)、今回の打ち切りは、精神的被害補償(慰謝料・迷惑料)と営業補償の2つ、物損被害への賠償・補償は続く)
(2)避難指示区域外からの避難者(いわゆる「自主避難者」)への住宅支援の打ち切り
(3)居住制限区域、及び避難指示解除準備区域の区域指定の解除(目的は(1)の賠償・補償の打ち切りと、原発震災復興本格化、ないしは完了の演出)
福島第1原発事故の全ての被害者のみなさま、泣き寝入りはやめて、被害者同士で団結をして、まず、福島第1原発事故によるすべての被害・損害を、加害者・東京電力や事故責任者・国に賠償・補償をさせる裁判に立ち上がりましょう。すでにある損害賠償の集団訴訟に参加するか、新たに損害賠償訴訟を提訴していきましょう。みなさまが、原発事故で失ったものを全て返せ、元に戻せ、戻せないのなら相応の賠償・補償をせよ、と訴えることは全く正当なことであって、何ら躊躇すべきことではありません。そして、全ての被害者が提訴に立ち上がることによって、1000万人を超える巨大訴訟にしていきましょう。
また、それと並行して、こうした理不尽極まる出鱈目な被害者政策や救済切捨て行政を、こともあろうに加害者・東京電力や原子力ムラの人間・企業たちと手を組んで進めている、今の安倍晋三・自公政権の人間達や、自民党・公明党、及びその補完勢力を選挙で落選させて、政治の世界から葬り去りましょう。日本は民主主義の国です。安倍晋三・自公政権の独裁国家ではありません。みなさまがお持ちになっている権利をフルに行使することにより、少し時間はかかるかもしれませんが、今起きている理不尽で出鱈目極まる状態は、必ずや払拭し、変えていくことができます。案ずるより産むがやすしです。かような理不尽・出鱈目の政治・政策・行政に終止符を打ちましょう。手を取り合って、みなさまの権利を、みんなで行使していきましょう。
<別添PDFファイル>
(1)自主避難者 無償住宅打ち切り、福島県、17年3月まで(東京 2015.6.16)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20150617/CK2015061702000153.html
(2)自主避難、家賃補助に縮小、17年3月 住宅提供廃止(毎日
2015.6.16)
http://mainichi.jp/select/news/20150616k0000m040087000c.html
(3)仮設、借り上げ無償提供、29年3月まで1年延長(福島民報
2015.6.16)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150616-00000043-fminpo-l07
http://www.minpo.jp/news/detail/2015051922886
(4)「安心して帰れるのか」(朝日 2015.6.13)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11805913.html
(5)復興指針改定 閣議決定、居住制限・避難指示解除準備区域、28年度まで集中支援(福島民報 2015.6.13)
https://www.minpo.jp/news/detail/2015061323436
(6)柏崎刈羽 再稼働の準備加速、東電新潟本社「名ばかり」(東京 2015.6.14)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2015061402000127.html
<関連サイト>
(1)ママレボ通信 福島県庁に直接声を届けよう!
ハンスト中の坂本さん、集まったみなさんの、避難者支援課への要請(文字起こし)
http://momsrevo.blogspot.jp/2015/06/blog-post_8.html
(2)ママレボ通信 「どこが決めるんですか!?誰が責任者なんですか――!?」自主避難住宅提供終了報道をうけて「きびたきの会」院内集会(文字起こし)
http://momsrevo.blogspot.jp/2015/06/blog-post.html
(別添PDFファイル(5)復興指針改定
閣議決定、居住制限・避難指示解除準備区域、28年度まで集中支援(福島民報
2015.6.13)
https://www.minpo.jp/news/detail/2015061323436
(下記の通り,この復興指針や支援策のメニューから強く感じられることは,放射能汚染や放射線被曝に対する無警戒,ないしは警戒の甘さです。信じがたい気がします。福島県民を何だと思っているのでしょうか?
:田中一郎)
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<改訂された復興指針>
▽居住制限、避難指示解除準備両区域の避難指示を遅くとも平成29年3月までに解除。
▽居住制限、避難指示解除準備両区域の精神的損害賠償は,、早期に避難指示を解除した場合でも,解除時期にかかわらず平成30年3月まで支払う
▽旧緊急時避難準備区域で復興施策を積極的に展開
▽帰還困難区域は放射線量の見通し、住民の帰還意向などを踏まえ地元と検討。復興拠点となる地域の避難指示の見直しを早急に検討
▽平成27、28年度の2年間、特に集中的に自立支援策を展開
▽官民一体のチームを創設。事業者への個別訪問や相談支援
▽事業再建や人材確保、農林水産業の再生,医療・介護護・福祉施設の再開などに向けた各種支援施策を充実
▽営業損害賠償は27、28年度は適切な対応。その後は個別の事情を踏まえる
▽中間貯蔵施設への除染廃棄物の迅速な搬入のため,地権者への丁寧な説明、用地交渉に関する人員確保などに取り組む
▽復興の動きと連携した除染の推進。
▽JR常磐線のできるだけ早期の全線開通
▽イノベーション・コースト構想の具体化。
▽官民連携による新産業創出。
▽中長期的な廃炉を支える環境整備・体制強化
<避難区域か設定された12市町村の事業・生業の再建・自立、生活の再構築に向けた支援策>
▽事業者への個別訪問を通じた実態や課題の把握、各種支援策の活用に向けた後押し
事業再建、転業、新分野進出、資金繰りなどを支援する。中小企業診断土や税理士、中小企業経営コンサルタントなどを活用した訪問・相談型の支援を行う。
▽事業・生業の再建・自立や働く場の確保のための支援策
試行的な事業再開場所として仮設施設の整備を進め、企業立地支援や企業誘致の支援を行う。福島再開投資等準備金を活用し、避難指示のあった区域での事業再開を支援する。
▽人材確保のための支援策
雇用のミスマッチ解消に向け、国や地方自治体が連携して総合的な雇用対策を講じる
▽農林水産業再生のための支援策
放射性物質の吸収抑制対策や検査を引き続き支援する。除染の進捗〈しんちょく)状況に合わせた農業関連インフラの復旧、大規模化、施設園芸の導入などを進める。森林は間伐による森林整備と土砂流出抑制で放射性物質対策を進める。漁業の試験操業は対象種と海域を拡大する
▽風評被害対策、諸外国・地域における農林水産物・食品の輸入規制、渡航制限撤廃・緩和に向けた働き掛け
廃炉・汚染水対策の進捗状況を含めた情報、科学的知見に基づく説明、地元の魅力を国内外に発信し、働き掛けを徹底する
▽販路開拓のための支援策
大手企業との商談機会を提供する他、大手企業と被災事業者とのワークショップを開催する
▽商業・小売I苫の買い物環境整備のための支援策
仮設店舗での再開、補助金を活用した商業施設の整備、関連企業の誘致を後押しする
▽医療・介護・福祉施設の再開・整備のための支援策
国のリーダーシップで県や市町村と連携し、施設整備や専門職の人材確保を進める
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<追1>【拡散・傍聴お願いします】7/15(水)福島原発被害東京訴訟 第12回期日
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福島原発被害東京訴訟 [mailto:311himawari@gmail.com]
【拡散・傍聴お願いします】7/15(水)福島原発被害東京訴訟 第12回期日
一人でも多くの方の傍聴をお願いします(チラシ添付します)
【福島原発被害東京訴訟 第12回期日 及び 報告会】
日時:7月15日(水)10時00分~
国・東京電力の責任を問う!![第12回期日]
日時:7月15日(水)10時00分~
場所:東京地方裁判所 101号法廷[東京都千代田区霞が関1-1-4]
原告及び弁護団からの意見陳述を行います。
(その後の期日予定)9/18(金)10:00、11/11(水)10:00
[報告会]
日時:7月15日 裁判終了後(10:40頃)
場所:弁護士会館10階1006AB会議室[東京都千代田区霞が関1-1-3]
当日の裁判の説明,これまでの経過報告とともに,今後の手続の流れや方針などについて,弁護団からご報告します。
最寄り駅は、いずれも
東京メトロ丸ノ内線,日比谷線,千代田線「霞ヶ関駅」A1出口
もしくは、東京メトロ有楽町線「桜田門駅」
です。
☆当日、9時30分より地裁前でチラシ配布・アピールなどいたします。こちらにもご参加ください。
【お問い合わせ】
福島原発被害首都圏弁護団
〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目19番7号 新花ビル6階 オアシス法律事務所内
電話: 03-5363-0138 FAX: 03-5363-0139
Mail: shutokenbengodan@gmail.com
ブログ:http://genpatsu-shutoken.com/blog/
FB:https://www.facebook.com/genpatsuhigai.shutoken.bengodan
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<追2>「原発事故子ども・被災者支援法3周年シンポジウム」
2015年6月21日(日) 13:30~16:30 開場 13:00 上智大学12号館502号室
原発事故子ども・被災者支援法支援会議
http://shiminkaigi.jimdo.com/
河崎健一郎弁護士ほか
※申込必須 http://kokucheese.com/s/event/index/299839/
※問合せ FoE Japan 03-6909-5983
<追3>(6)柏崎刈羽
再稼働の準備加速、東電新潟本社「名ばかり」(東京 2015.6.14)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2015061402000127.html
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東京電力が相崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた動きを加速させている。三年ぶりに核燃料を搬入した一方、地元の同意を得るために、新潟市にこの春、新潟本社を設置し、住民や自治体への広報活動に力を一入れる。しかし新潟県の泉田裕彦知事は本紙のインタビューに「情報開示に消極的な東電の体質は変わってない」と指摘。「名ばかり本社」への不信感をあらわにした。
(中略)新潟県の泉田知事との一問一答は次の通り。
ー新潟本社ができた後、東電の姿勢に変化は。
「真実を語らないという根本的な体質は変わっていない。例えば東日本大震災の一週間後、東電に福島第一原発の状況を聞いた。燃料の中にしかない放射性物質が建屋の外で検知され、炉心溶融は明らかだったのに担当者は『燃料は溶けていない』と説明した。国も虚偽の情報を公表していた。なぜ真実を語らなかったのか検証せず、いまだに社内処分もない。そんな会社は安全を確保できない」
「新潟本社が東電本社から独立し自分たちで責任を取り、予算を確保して安全を追求するなら話は別だ。しかし名前を『本社』にしただけで実際には何の権限もない。営業所のようなもので議論に値しない」
ー東電は柏崎刈羽原発の再稼働を急いでいる。
「東電に投融資している金融機関や株主は原発事故の責任を逃れている。本来なら自らが投融資した企業が安全を担える会社かどうか、チェックすべきだ。だが現状ではこうした機能が働かず、安全対策が二の次になりかねない。そうしたリスクの高い状態で原発を動かし、お金を生み出そうというのは筋違いだ」
ー東電は二O一三年に「福島復興本社」をつくったが、福島第一原発の汚染水を海に流していた情報を公表せず、地元との信頼関係が崩れた。
「名前だけの『本社』をつくっても本質は遠い東京の目線。情報を隠したら発電所の周りで暮らす住民がどう思うのか、想像できないのだろう。O二年の(福島第一、第二、柏崎刈羽の各原発での)トラブル隠しに始まり、ずっと隠蔽の歴史だ。まずは、その体質を根本から変えなげればならない」
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(田中一郎コメント)
福島第1原発事故の被害者への賠償・補償や再建支援もろくすっぽせず、福島第1原発事故の実態解明や原因究明も棚上げ・隠ぺい、柏崎刈羽原発の地元への説明もいい加減で、この会社、いったい何をしているのか。さっさとつぶせ。(泉田裕彦新潟県知事のおっしゃることは,全くその通りだ)
草々
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