確率論的リスク評価(PRA)を原発・核燃料施設に用いることのどこがおかしいか
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
昨今、原子力ムラの似非科学者や御用技術者らから、原発・核燃料施設の安全管理に.「確率論的リスク評価(PRA)」の手法を用いるよう、強い働きかけがなされているようです。ご承知のように、先般、国際原子力機関(IAEA)が福島第1原発事故の実態とその原因に関する最終報告書を策定したことが報道されましたが、そこでも、この.「確率論的リスク評価」の導入が勧められているようです。
では、この.「確率論的リスク評価」とやら、ほんとうに原発・核燃料施設の安全管理の質やレベルを向上させ、私たちをその過酷事故から守ってくれるものなのでしょうか。現時点で、私はこの点について大いに疑問であり、むしろ原発・核燃料施設の超危険性を覆い隠して、次の過酷事故を準備するインチキ手法の一種なのではないかと疑っております。以下、簡単に私の問題意識・疑問点をメモ書きにしておりますので、ご参考にしてください。
<別添PDFファイル>
●IAEA報告書 「大津波の危険認識 福島第一対策怠る」(東京 2015.5.25)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015052401001632.html
http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/9f9a401e7fdf37550891372ae1813262
(一部抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
IAEAは福島の事故前から、加盟国に対し原発の安全性を評価する際、機器の故障などが大事故に至るすべての可能性を把握する確率論的安全評価(PSA)の適用を勧告。二〇〇七年の専門家による訪日調査では「日本には設計基準を超える事故について検討する法的規制がない」と指摘し、過酷事故に十分備えるよう求めていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(関連)「想定外」を一蹴 IAEA報告書 「国際慣行に従わず」批判(東京新聞)
赤かぶ
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/880.html
<参考サイト:別添PDFファイル>
下記のうちのいくつかは,URLが頻繁に変更されている様子なので,別添PDFファイルで同じものをメール添付しておきました。URLが変更されていてアクセスできない場合には,文書の名前(例:「確率論的リスク評価手法
(PRA)について」)でネット検索をしてみてください。
(1)確率論的リスク評価手法 (PRA)について - 原子力委員会(Adobe PDF)
(2)(日本、米国、英国、仏国)における 確率論的リスク評価の ... - 経済産業省(Adobe PDF) - htmlで見る
(3)(2)
決定論的評価と確率論的評価 の統合の課題 - 日本原子力学会(Adobe
PDF)
(4)みずほ情報総研:確率論的リスク評価(PRA)
http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/column/2014/0408.html
(別添WORDファイルの私のメモを転記)
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1. 「確率論的リスク評価」とはどういうものか(別添参照)
2. 「確率論的リスク評価」の問題点
(1)大数法則が確認できない=サンプルの数の過少
自然界事象と人工事象との違い=「作為」「意図」「判断」「必然」・・・・
本来はプロセスを問わずに結果だけを集計する手法
経験科学的な実験検証ができない、過去にもデータは存在しない
過去の原発・核燃料施設過酷事故は「確率論的リスク評価」の誤りを実証している
(2)確率分布の形状が決められない
正規分布、ポアソン分布,その他
似たものに「生物学的半減期」や「信用リスク定量化」などがある
(3)事故の定義、トラブルの定義の問題
定義しきれない・恣意性
事象や事故(イベント)の細分化の恣意性
事故シーケンスまたはイベントツリーの恣意性(あるいは限定性)
(設計外的事象や事故,及び事象や事故の連鎖の怖さ、事象や事故の予測可能性)
(4)建設から運転まで「善管注意義務完全履行」が前提条件=「悪意」のサボリが存在しない
施工が設計通りであることが前提(平井憲夫氏)
保安規定や事故対応マニュアル通りに事故が進展し,かつ人間がそれに対応して動くことが前提(時間概念も重要(実際は間に合わない))
対応時における人為ミス(大数法則に従うと見ていいのか?)
⇒ 確率計算の前提があやふや=あらかじめ見えないリスクは無視される
(4)事象・事故(確率変数)の独立性=因果連鎖の評価
「A事故」発生頻度(確率)=事象1×事象2×事象3×事故4×事故5×事故6・・・・・
(事故・事象シーケンス,又はイベントツリーを掛け算しながら追いかけて「A事故」確率算定
⇒ 全ての事故を合計)
事故や事象は複雑な連関性を持っていて連鎖的に発生・同時多発を引き起こす
=掛け算はダメ
自分達に都合のいい「お化け屋敷」方式では複雑系施設の過酷事故(巨大事故)は把握しきれない
(5)損害・被害の巨大さ
「確率論的リスク評価」=発生頻度(確率)×事故発生による影響(損害)
掛け算はダメ
発生頻度0.0001(0.01%)× 損害10000兆円 ⇒
リスク=1
発生頻度0.1(10%) × 損害10兆円 ⇒ リスク=1
上記2つを「同等」「同値」であるとリスク評価をしてはいけない
巨大で不可逆的なダメージをもたらすリスクのある技術を人間は使ってはいけない
(原子力ムラの(御用)似非科学者・技術者たちに私たちの命や生活、人生を託すことはできない)
3. 「確率論的リスク評価(PRA)」のねらいは何か
安全管理の手抜き=コスト削減(リスク評価の低い安全対策をカット)
安全性の見せかけイメージアップ、科学的装いによる異論の排除
<追1>
政府は従来の「原発過酷事故は2000炉年に1度」を「4000炉年に1度」に変更したらしい:魚魚魚魚魚魚魚
<追2>「事象」という言葉のおかしさ
「過渡現象記録」なども同じ
旧大日本帝国軍隊用語的
撤退 ⇒ 転進 全滅=玉砕
原子力ムラの精神的退廃示す
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以 上
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