« 第18回 「福島県民健康調査検討委員会」結果と子ども甲状腺ガン検査 (遅くなりました) | トップページ | 放射能モニタリングさえもまともにできない人間たちが原発をコントロールできるはずもない:原発敷地及び周辺地域の放射能モニタリング体制を再点検・監視しましょう »

2015年3月18日 (水)

(見逃せない重要論文(3)):津田敏秀岡山大学大学院教授(疫学・公衆衛生学) 福島県の子どもたちに甲状腺がんのアウトブレイクが始まった=それは放射線被曝の影響か?

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

「見逃せない重要論文」の第3弾は、津田敏秀岡山大学大学院教授(疫学・公衆衛生学)です。ここ1~2か月に一般向けに公表されている津田敏秀先生の論文を3つばかり添付いたしました。著作権上の問題がありますから、転送や転載はなさらないでください。また、下記にURLをお示しした3つの媒体のうち、特に『ママレボ』については、みなさまに強くその定期購読をお勧めいたします(4半期刊:3000円/年)。放射能と被ばくに関する適切な情報が満載されています。また、下記サイト「ママレボ通信」も時折目を通されることをお勧めいたします。、定期的に更新されながら、重要情報が掲載されています(下記には「薪の放射能汚染」についてのシリーズ記事を3つご紹介しておきます)。

 

 <別添PDFファイル>

(1)甲状腺がんのアウトブレイクが始まっている(津田敏秀岡山大学教授 『週刊金曜日 2015.3.13』)

(2)甲状腺がんは被ばくの影響か?(津田敏秀岡山大学教授 『ママレボ 2015.1』)

(3)20141225日「福島県民健康調査」検討委員会発表の甲状腺がんデータの分析結果(津田敏秀岡山大学教授 『科学 2015.2』)

 

 <それぞれの媒体サイト>

(1)週刊金曜日  http://www.kinyobi.co.jp/

(2)ママレボ通信 http://momsrevo.blogspot.jp/

(3)岩波書店月刊誌『科学』 http://www.iwanami.co.jp/kagaku/

 

 <「ママレボ通信」のサイトから>

(1)ママレボ通信 放射能と薪の話(1)――知らされざる薪の汚染

 http://momsrevo.blogspot.jp/2015/01/blog-post_31.html

(2)ママレボ通信 放射能と薪の話(2)――棄てることもできない

 http://momsrevo.blogspot.jp/2015/02/blog-post.html

(3)ママレボ通信 放射能と薪の話(3)――ADRに訴える

 http://momsrevo.blogspot.jp/2015/02/blog-post_28.html

 

 <参考>

●第18 回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成27年2月12日開催)配布資料

https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-18.html

 

(田中一郎コメント)

 福島第1原発事故から早くも4年が経過しましたが、日本政府も福島県も、そしてその意向を内生化して(放射線ムラ)「御用」仕事に邁進する「福島県民健康調査検討委員会」や福島県立医科大学も、福島県をはじめとする東日本に広がる放射能汚染地帯の子どもたちや住民の命と健康を守る対策を、ほとんどまともに打ち出さないまま今日に至っております。それどころか、例えば昨年夏に環境省が音頭を取って、中川恵一東京大学准教授やIAEA所属のレティ・キース・チェム氏による放射線被曝の危険性を矮小化するような政府広報を全国の新聞各紙に一斉に掲載してみたり、あるいは、同じく環境省所管下の(似非)専門家会議が、「福島県民健康調査」を過剰診断・過剰診療などとする「珍説」を反映させた「中間とりまとめ」を公表して、同調査の縮小・廃止、あるいはまた、福島県以外での健康管理調査実施の必要性の否定を行うなど、日本政府主導で福島第1原発事故による放射能汚染や恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)の危険性を歪曲・矮小化・過小評価する露骨な動きが強まってきています。

 

 そうした中で、津田敏秀先生は、「福島県民健康調査」の早い段階から、その問題点を指摘し、背信的ともいえる「福島県民健康調査検討委員会」や福島県立医科大学、あるいはそれに連なる日本の医師や医学者、医療研究者の姿勢を批判し続けてきました。今日、福島第1原発事故後4年目が経過して、ついに福島の子どもたちに甲状腺ガンの多発傾向がはっきりと表れ(201412月末段階で計117人、うち8人が2巡目検査:ほぼ確定のガンの疑いを含む)、その原因として放射線被曝の影響が強く疑われていることから、津田敏秀先生は多くの媒体を通じて、この事態に対して警告を発し続けておられます。

 

 思うに、日本の医師・医学者・医療研究者の中で、福島第1原発事故後において、事故の被害を受けた多くの地域住民や子どもたちの命と健康を守るために、いったい何人の人が真摯に、被害者に対して親身になって、あるいは日本政府や放射線ムラの出鱈目な対応に対して異議を呈しながら行動したでしょうか。長瀧重信やその弟子の山下俊一、あるいはそのまた弟子の高村昇(この男は今でも「福島県民健康調査検討委員会」の委員をしている)をはじめ、日本の大半の医師・医学者・医療研究者たちは、まさに「放射線ムラ」の代理店業務のようなことに日々いそしみ、被害者の命と健康を踏みにじりながら、いとも平然と恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)の危険性を矮小化・歪曲したり、過小評価したりしているのです。

 

 かつて作家の広瀬隆隆さんは、「ドイツではお医者さんがきちんとしているので脱原発は大過に至らないうちに早く成功させることができたが、翻ってこの日本では、お医者さんが全然ダメなんです、だから原発のことも被ばくのこともきちんとできていないのです」と、よく講演会でおっしゃっていました。私はまさにその通りだと思います。この日本では、情けなくも、医者・医師・医学界と弁護士・法曹界という、世論をリードする2つの2大自由業の人間たちが、広瀬隆さんのおっしゃるように「全然ダメ」であるが故、政治家や高級官僚たちの出鱈目と腐敗に対峙する社会的勢力が形成されにくくなって、日本社会全体が団子のようにおかしくなっているように思えてなりません。

 

 こうした情勢下では、市民運動・社会運動の盛り上がりも大切ですが、加えて、私たち一人一人が、医者や弁護士、あるいは大学教授などが抱えている、根拠の乏しい世俗的権威や権力にひれ伏すことなく、彼等もまた、自分たちと同じ一人の人間であり、専門領域から一歩出れば、ただの「おやじ、おばはん」であり、従ってまた、目先の利益や利害で嘘八百を垂れることもあるのだ、という「冷めた目」で彼らの言動を見抜く必要があるように思われます。実際問題、彼らの言動は往々にして、その全域にわたって専門領域を超えた「越権的行為」であることが多く、それはつまりは、彼らの背後にある利己的な利害に突き動かされた、ただの「生臭おやじ」の戯言、あるいは「うぬぼれ」発言であることも多いということを意味します。従って、私たちは常に「彼らの言うことはひょっとするとおかしいのではないか」という「相対的な受け止め」方に慣れておくことが必要であるように思われます。

 

 ともあれ、こうした現代日本の悲しいまでの放射能や被ばくをめぐる(歪みきった)言論状況の下、今回ご紹介する津田敏秀先生の発信は、目先利害に左右されずに「背筋がまっすぐ」していて、物事の核心を貫く貴重な金言で満ちているように思われます。私たち一般の有権者・国民・市民は、津田敏秀先生のような、似非科学者・医学者でない人をきちんと見抜き、そうした人たちの活動・言動を様々な意味で支えることによって、日本社会に広がる言論や認識の抜本的な変革を積み上げていかなければならないだろうと思います。以下、上記3論文のうち『ママレボ』から、若干のご紹介をしておきます。

 

『ママレボ』(2015年新年号)より一部抜粋

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●チェルノブイリのデータを正しく見るべき

編集部:県立医大や福島県は、あくまでも「被ばくの影響とは考えにくい」と発表しています。その根拠として、次の3つの点をあげています。これらについて、どういう点がおかしいのか教えていただけますか。

 

根拠①:地域差がない


津 田:県立医大は、あたかも子どもの甲状腺がんが見つかっている地域に差がないかのように発表していますが、地域差は出はじめています。(以下略)

 

根拠②:チェルノブイリ原発事故では、0~5歳の子どもに甲状腺がんが多く見られたが、福島の場合は10歳以上に多い。


津 田:(前略)それを見ると、事故後3年間の発症率は10歳以上の子に多いのです。0~5歳に多く見られるようになったのは、事故から4年目以降です。また、私が心配しているのは、18歳以上の住民です。チェルノブイリの事例を見ると、19歳以上の青年の甲状腺がんもふえています。(以下略)

 

根拠③:チェルノブイリと比べて初期被ばく量が少ない


津 田:福島では、初期被ばく量について十分な調査がなされていません。仮に、チェルノブイリとくらべて初期被ばく量が少なかったとしても、福島では、チェルノブイリ周辺よりはるかに人口密度か高いのです。福島県全体では、汚染のひどかったベラルーシのゴメリ州とくらべても人口密度が3倍です。つまり、被ばく量が同じでも甲状腺がんも3倍多発する可能性があるということです。この点を忘れてはいけないと思います。

 

●『100ミリシーベルト以下はがんにならない』は、うそ

編集部:なぜ、被ぱくのリスクが過小評価されているのでしょうか?


津 田:そもそも、すべてのまちがいは、「100ミリシーベルト以下なら、がんにならない」ということを、政府も学者も、官僚も、そして県立医大の先生たちまでもが信じていることです。そして、福島県民はもちろん、日本国民全員が、それを信じ込まされている。(以下略)

 

●今からでもできる手立てを

編集部:今後被害を拡大しないためにどんな対応策をとればよいのでしょうか。


津 田:(前略)しかし福島の場合は、これほど多発しているにもかかわらず、被ばくとの因果関係ばかりが議論されていて、肝心の被害を拡大させないための対応策がとられていません。ベラルーシやウクライナなどの事例を見ると、本格的に甲状腺がんがふえてくるのはこれからですから、因巣関係の究明以前に、まず、今後の多発に備えるべきです。また、白血病も、そろそろ最短の潜伏期聞を過ぎていますので注意が必要です。その他、リンパ腫や、がん以外の血管疾患なども調査する必要かあります。

 


 現段階では、空間の放射線量が、がん発生に影響するのか、それとも放射性ヨウ素による初期被ばくが大きく影響しているのか定かではないので(WHOは空間の放射線量率も大きく影響していると述べています)、できるだけ放射線量の低い地域に身を置くことが大切です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以 上

« 第18回 「福島県民健康調査検討委員会」結果と子ども甲状腺ガン検査 (遅くなりました) | トップページ | 放射能モニタリングさえもまともにできない人間たちが原発をコントロールできるはずもない:原発敷地及び周辺地域の放射能モニタリング体制を再点検・監視しましょう »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 第18回 「福島県民健康調査検討委員会」結果と子ども甲状腺ガン検査 (遅くなりました) | トップページ | 放射能モニタリングさえもまともにできない人間たちが原発をコントロールできるはずもない:原発敷地及び周辺地域の放射能モニタリング体制を再点検・監視しましょう »

最近の記事

無料ブログはココログ