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2015年3月12日 (木)

(似非)成長戦略で破壊される食品表示(1):(新)「第3の機能性表示」は事業者の商売のためのものであって消費者のことなどどうでもいいそうだ=信ずる者こそだまされる

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

今般、健康への効果を消費者庁に届け出れば事業者の責任で表示できる新しい食品表示制度「機能性表示食品」のガイドライン案が32日、同庁から発表された。サプリメントや加工食品だけでなく生鮮食品にも活用できるのが大きな特徴で、今夏にも新制度の商品が発売される見通しだ。これまで「機能性表示」ができる食品は、「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」の2つがあったが、それにこの第3の機能性表示制度が加わることとなる。

 

しかし、この新しい食品表示制度は、事業者の届け出を所管庁である消費者庁が1件ずつ審査をするわけではなく、届け出をした事業者が、表示でPRをする食品の機能について、その科学的根拠を示す論文を用意して(どこかで見つけてきて)公表すれば、自由に、事業者の責任で表示ができるのである。消費者はそれを自分の目で見て是非を判断して、当該商品(食品)を購入することになる。しかも、いわゆる健康食品やサプリメントだけではなく、一般の加工食品や生鮮食品にまで表示が可能となるのである。まさに、事業者も自己責任、消費者も自己責任の、究極の市場原理主義(アホダラ教)の極致を行く「規制緩和」である。

 

が、しかしである。世の中は私たちのような善人ばかり・善良な事業者ばかりではない。事業者の中には悪質なのがいて、「第3の機能性表示」をするには自己責任で届け出だけをすればいいのだから(他方、消費者庁の役人は、届出書を段ボールにでも入れて役所の地下室に積み上げておけばいいだけだから、何の責任も取らなくていいのでラクチンだ)、適当な論文を見つけてもっともらしく機能・効能を装い、インチキ表示を誇大にしながら商品を売りさばく「やから」が、ほぼ確実に、しかも大量に出てくることになるだろう。「大量に」というのは、今現在の食品表示規制(事実上の手抜き状態)の下であっても、いわゆる健康食品の世界では、虚偽表示や、誇大広告や、それに近いような「思わせぶり」「雰囲気猛烈」の空虚な表示・広告・宣伝が氾濫しており、中には体に有害なものまであって、日本のあちこちで健康被害や虚偽表示(「まがい」を含む)に伴うトラブルが絶えない状態である。いわゆる「優良誤認」や「有利誤認」を促す表示が氾濫しているのである。

 

この状況については、多くの消費者団体や市民運動・社会運動、あるいは市民個人から、その抜本的改善と厳重な取り締まり・再発防止が消費者庁・厚生労働省などに対して要請されているが、各省庁とも、体制がどうだこうだとか、取り締まりや規制についての権限がどうだこうだとかの屁理屈で言を左右にし、逃げ回ってきたのが実態である(中には、表示と広告・宣伝は違うから所管が違うだの、権限がないだのと、戯言を垂れる小役人までいる始末)。そこへきて、今回の「第3の機能性表示」である。こんなものがまともに機能するはずもない。そう長い時間がたたぬうちに、この「第3の機能性表示」はインチキ誇大表示・宣伝・広告の「殿堂」となり、やりたい放題・やりっぱなし・無責任の事業者天国・消費者地獄が生まれてくるのは目に見えている(ペーパーカンパニーやネット通販を使って、やりたい放題をやって、責任が問われるようになったら「店じまい」「トンズラ」をする、あるいは「表示の仕方を少しずつ変えていく」などの悪質なものも既に出ている気配あり=要するに「売れれば勝ち」なのだ。儲けてしまいさえすれば、あとはどうでもいい)。今のいわゆる健康食品市場がそうなっているのだから、これもそうなるのは目に見えているが、しかし、「第3の機能性表示」はいわゆる健康食品やサプリメントに限定されないで、広く食品全てにおいて可能なので、その混乱ぶりは広範囲なものになるだろう。

 

以下、別添PDFファイルの岡田幹治氏が『週刊金曜日』(2014.12.12)に載せたレポートを若干紹介しながら、この新食品表示制度である「第3の機能性表示」がいかにひどいものか、簡単にご説明申し上げる。この新制度は、まさにアメリカの類似の制度の「猿まね」に近いが、しかし、タチが悪いことに、都合のいいところだけをつまみ食いして、制度の悪用を防ぐ部分などについては知らんぷりをしているというお粗末さ、しかも、そのアメリカの制度が、ご当地のアメリカで、とんでもない事態を生み出して混乱を極めている・被害者も出ている、というのだから、何をかいわんやなのだ。そして、やはり黒幕というか、安倍晋三に結びつく実業界の「仕掛けおやじ」もいるというから穏やかではない。

 

もともと、今の自民党や安倍晋三政権に、成長戦略をつくれるほどの政策能力はない。わけのわからない人たちが、規制緩和だ、市場尊重主義だ、食品産業の活性化だ、などと、抽象的なことを言っている間はともかく、それをいざ具体化するとなると、現場のことも知らないで、消費者を守ったり、現場の秩序や安全を支えているような大事な規制や決まりや決め事を、「規制改革」の名のもとにぶち壊してしまう。しかも、もともと消費者のことなど念頭にないので(消費者はおバカだと見下しているので)、消費者の権利や安全や利益のことなど、「口先だけ」で十分と考えて、いとも平気でかような「トンデモ表示制度」を創設してしまうのである。

 

政策能力のない無能で鈍感な政治家たちが、(消費者のためになる政策を)やる気のない官僚たちと組んで何かすると、こうなりますよ、ということの典型事例=それが今回の「第3の機能性表示」制度である。信ずる者こそだまされる、(新)「第3の機能性表示」は事業者の商売のためのものであって消費者のことなどどうでもいい、ということなのだ。消費者庁、それに、この制度を審議してOKを出すような消費者委員会も、併せてスクラップしてしまいましょう。賞味期限はとうの昔に切れています。こんな組織・役所は捨てて、また新しいものをつくればいいだけです(但し責任者は永久追放ですが)。

 

 <別添PDFファイル>

(1)「体によい」食品に指針 第3の表示制度、今夏にも発売(朝日 2015.3.3

 http://apital.asahi.com/article/story/2015030300006.html

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11629413.html

 

(2)食品に新表示制度、国の許可なく「効能」うたえる(東京新聞「こちら特報部」 2015.3.9

 http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20150309152012670

 http://p.twipple.jp/wD5sq

 

(3)食品の「機能性表示」が来春にも解禁へ(岡田幹治 『週刊金曜日 2014.12.12』)

 

 <参考>

●•健康食品の表示制度の概要(平成2311月)[PDF2MB]

 http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin616_01.pdf

 

 

(「食品の「機能性表示」が来春にも解禁へ(岡田幹治 『週刊金曜日 2014.12.12』)」より一部抜粋)

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1 食品の新たな機能性表示に係る食品表示基準(案)の骨子

・名 称:機能性表示食品

・対象者:疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦・授乳婦を除く)

・対象食品:食品全般(アルコール含有飲料などを除く)

・事前届出制:以下を販売日の60日前までに消費者庁に届け出る。

 表示の内容、食品関連事業者名、安全性と機能性の根拠に関する情報、生産・製造・品質の管理に関する情報など

・義務表示事項:科学的根拠を有する機能性関与成分とその機能性

 1日当たりの摂取目安量、国による評価を受けたものでない旨、摂取上の注意事項など

・表示禁止事項:疾病の治療効果・予防効果を標榜する用語、機能性関与成分以外の成分を強調する用語など

・施行規則で規定:以上の各事項の具体的な内容など

・ガイドラインで規定:安全性・有効性の根拠に関する情報の細目、可能な機能性表示の範囲など

 

機能性表示とは「体脂肪の減少を助ける」「骨の健康を維持する」など、その食品を摂取すれば体にどんな効果があるかを明記すること。いまは国が許可した「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」(二つ合わせて「保健機能食品」という)にしか認められていないので、それに続く「第三の健康食品」とも呼ばれる。

 

それをサプリメント(錠剤カプセルなどの形をしたもの)や加工食品だけでなく、野菜・魚などの生鮮食品にも認めるというのだ。トクホなどと決定的に違うのは、効果と安全性の判断を企業に任せること。事業者は製品の効果と安全性を確認できた場合、その情報を60日前までに消費者庁に届け出れば発売できる。同庁は判断に必要な条件を示すものの、それを満たしているかどうかの審査はしない(届け出の内容はウェブサイトで公開されるから、誰でもチェックはできる)

 

新制度導入の是非は首相の諮問機関、規制改革会議の健康・医療ワーキング・グループ(座長・翁百合日本総合研究所理事ら9委員)で審議されたが、委員に食品や栄養学の専門家はいなかった。しかも意見聴取したのは健康食品業界と関係官庁だけ。わずか4カ月で結論を出したのは、首相の強い要請があったからとされている。

 

なぜ首相は熱心だったのか。一つは米国の市場開放要求に応え、オバマ政権に恩をうるためとみられている。同時に、健康食品大手ファンケルの池森賢治会長の存在も見逃せないと関係者はいう。

 

(中略)国内の健康食品市場は、トクホなどと「いわゆる健康食品」(政府の認可を受けていないもの)を合わせて約17000億円。健康食品の問題点が指摘され出した2006年ごろから伸び悩んでおり、業界としては新しい突破口が何としてもほしいところだった。

 

(中略)米国では、1994年に「ダイエタリーサプリメント(DS)健康教育法(DSHEA:ディーシェ)」を制定し、企業が製品の健康効果を認めれば、発売後30日以内に食品医薬品局(FDA)に通知するだけで機能性表示ができるようにした。

 

(中略)半面で、制度の欠陥もあらわになっている。米保健福祉省の観察総監室が2012年に127商品を調査したところ、事業者提出資料557件のうちFDAのガイドラインに合致したものは一つもなく、ほとんどの商品の科学的裏づけが不十分だった。また米連邦議会の行政殴査局(GAO)の報告書(昨年3)によれば、重篤な被害が出た場合の届け出を事業者に義務づけた2008年から被害報告が増加。11年までに6307件の報告があり、1836人が入院、80人以上が死亡している。事業者を訴える訴訟も急増。

 

(主婦連)

(問い)政府は米国の制度を参考にしたと言っていますが。

(回答)業界に都合のいいところだけつまみ食いしたもので、事故の報告義務化などは採用していません。米国では事業者の規定違反が蔓延し、制度の見直し強化が志向されているところなのですから、安易に真似をするのでなく、教訓をくみ取るべきです。

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こんなもの、本当に実施するのだろうか? ならば、みなさま、この「第3の機能性表示」のある食品は、今後市場に出てきても一切買わない、という断固たる拒否を貫きましょう。みなさまがそうすれば、かような悪質表示は市場から消えてなくなるでしょう。くれぐれもご用心を。

草々 

 

 

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