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2015年2月20日 (金)

(報告)川内原発再稼働審査(「工事計画」他)についての院内交渉集会(2/19)::「黒枠白抜き」で審査内容を隠す原子力「寄生」委員会・「寄生」庁 + 今月号のDAYS・JAPAN(2015/3)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

まず、今月号の『DAYS・JAPAN』(2015/3)のご紹介です。

●『DAYS・JAPAN』(2015年3月号)

 http://www.daysjapan.net/about/index2.html

 http://www.daysjapan.net/

 

●別添PDFファイル「米国の法廷で東電が裁かれる(一部抜粋)(DAYS・JAPAN 2015.3)」

 

 今月号も見逃せない記事が満載です。上記サイトをご覧ください。別添PDFファイルには、特集記事「米国の法廷で東電が裁かれる」(一部抜粋)を添付しておきます。日本では、未曽有の被害をもたらした犯罪ともいえる人災=福島第1原発事故により被害を受けた人たちが、加害者・東京電力や事故責任者・国によって、権力的に切り捨てられていますが、米国では、いわゆる「オトモダチ作戦」によって米海軍空母ロナルド・レーガンに乗船していた米兵に放射線被曝が原因と思われる健康被害が出て、それに伴う損害賠償訴訟が提訴されています。日本では、無理が通って道理が引っ込み、人権と民主主義がないがしろにされる前近代的社会状況が生まれている中で、この米国での被ばく被害賠償裁判が注目されています。

 

(『DAYS・JAPAN』は、記事内容の独立性と真実追及を担保するため、どこからも広告宣伝料をもらわず、購読者のみなさまの購読料のみによって支えられています。どうかみなさまの定期購読を心よりお願い申し上げます。定期購読によって、『DAYS・JAPAN』の取材活動や報道などを支えてください。日本では、『週刊金曜日』)とならんで、数少ない「真実報道」と批判的ジャーナリズムが生きている雑誌です)

 

ここから本文

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 昨日(2/19)、参議院議員会館講堂において、再稼働阻止全国ネットワーク他の市民団体主催による「川内原発再稼働審査についての院内交渉集会」が開催されました。別添PDFファイルは、その際の参加者用配布資料です。また、下記URLは当日の録画です(UPLAN・三輪さん)。主たるテーマは下記の3つです。当日は、川内原発にかかる「工事計画書」(1万ページを超える膨大なもの)を見事読みこなして、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の出鱈目=九州電力追認に鋭く迫る山崎久隆(たんぽぽ舎)さんや、九州電力の届け出書類などを精査して、新規制基準による「工事計画」審査の前に原発施設の改良工事を事前着工していた九州電力と、それを屁理屈で追認する原子力「寄生」委員会・「寄生」庁を追及する山田じゅんいちさんの活躍が目立ちました。また、会場には作家の広瀬隆さんがお見えになり、川内原発再稼働を容認する原子力「寄生」委員会・「寄生」庁に対して鋭く厳しい発言をして下さいましたので、交渉全体がピリッとした緊張感に包まれています。

 

 しかし、交渉当事者として出てきた原子力「寄生」庁の若い官僚たちは、いつものごとく「アイヒマン現象」を繰り返すばかりでした。しかし、山崎さん・山田さんの鋭い追及のおかげで、この九州電力の「工事計画」の出鱈目状況がつぶさに具体的にわかり、したがってまた、その危険性が浮き彫りになったと思われます。交渉の成果は乏しいものでしたが、しかし、この交渉によって明らかにされたことの重大さは非常に大きく重いものと評価できます。お二人の努力と広瀬隆さんの応援には感謝とエールをお送りしたいと思います。(しかし、山崎さん、山田さんが今回この院内交渉集会で問題にされたことは、山のようにある「工事計画」の不合理や理不尽のほんの一部分にすぎず、時間上の制約から十分な陳述や説明ができなかった、お二人のくやしさは、よく理解しておく必要があります。要するに九州電力の川内原発にかかる「工事計画」は出鱈目の山なのだ、ということです。だからこそ、下記にあるように「黒枠白抜き」状態で隠蔽されているのです)

 

(決定的なのは、公表されている「工事計画」が、あちこち「黒枠白抜き」状態の「情報隠蔽」「不都合隠し」であることです。この「情報非公開」について、原子力「寄生」庁の役人たちは最後の最後まで説明できず=説明責任を果たしませんでした。明らかに情報公開法、並びに原子力規制委員会設置法違反です(下記参照)。また、市民側からの川内原発の安全性に対する懸念と質問に対して、原子力「寄生」庁は「審査中ですので答えられない」という許されない答弁を繰り返しておりました。かようなことがまかり通る社会は、とても国民主権の民主国家とは言えません。原発・原子力は、他方で、日本社会や国のそもそもの在り方をも一方的に破壊している、ということを強く認識する必要があります。原発・原子力に対してノーテンキでいることは、自ら墓穴を掘ることになるのです)

 

(参考)原子力規制委員会設置法

 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24HO047.html

 

(情報の公開)

第二十五条  原子力規制委員会は、国民の知る権利の保障に資するため、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならない。

 

 <別添PDFファイル>

●川内原発再稼働審査についての院内交渉集会(2015219日:参議院議員会館講堂)

「219_sendaigenpatu_innaikousyousyuukai.pdf」をダウンロード

 <関連URL>

(1) 20150219 UPLAN【酷い政府交渉・前半】規制委の工事計画審査を問う(院内ヒアリング)~「黒枠白抜き」隠しと「認可前事前工事」を止めろ~ - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=C2ranme0co0

 

(2) 20150219 UPLAN【酷い政府交渉・後半】規制委の工事計画審査を問う(院内ヒアリング)~「黒枠白抜き」隠しと「認可前事前工事」を止めろ~ - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=X7JeNEsgbd0

 

 <交渉の主要テーマ:別添PDFファイル参照>

(1)川内原発「工事計画」について:「黒枠白抜き」公開で審査内容を隠すな

(2)「工事計画」認可前に川内原発現地では事前工事が行われている事に対する質問

(3)規制行政について(原子力規制の行政について尋ねます(①3.11以前の規制行政から反省すべきことは何ですか? ②原子力安全・保安院から原子力規制委員会・規制庁になって、何が改善されましたか? ③どこが悪くなりましたか? )。

 

 (田中一郎コメント)

 下記に、主として「工事計画」に関する九州電力・原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の「癒着連合」による出鱈目・インチキの具体例を、いくつか備忘録として列記しておきます。「黒枠白抜き」の(隠蔽)「工事計画」を読み込んで、これを見抜いた山崎久隆(たんぽぽ舎)さんの努力と眼力に敬意を表したいと思います。

 

1.許されない情報非公開・隠ぺい=他の電力会社の「工事計画」や過去のいろいろな公開文書において既に公開されているにもかかわらず、この九州電力の「工事計画」だけが非公開・隠ぺいしている箇所・項目がやたら多い。また、原発の安全評価をする上で決定的に重要な箇所が非公開・隠ぺいされている(専門家が見れば「これは変だ」「これではダメだ」とすぐに判断がつきそうなところが「黒枠白抜き」状態=明らかに、九州電力の安全性無視=インチキ計画が隠蔽されている)

 

2.非公開・隠ぺいをしているものについて、原子力「寄生」庁がその理由を説明できない。一般論として、営業秘密、個人情報、テロ対策を挙げるのみで、個々の非公開・隠ぺい部分について、それぞれこの3つのどれにあたるかを言えない状態。追求すると「個々の「黒枠白抜き」個所について、いちいちその理由をチェックしていない」と開き直り、「原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が申請者の九州電力の合意が得られたものについてのみ、委員会・庁の独自の取り組みとして(特定の法律に基づくものではなく)、HP上に公開しているもの」などと、わけのわからないトンチンカン回答を繰り返すばかりであった。要するに九州電力の言うがままに、ノーチェックで、「工事計画」を形だけ公開している、ということにすぎない。規制当局の体をなしていない。

 

3.配管関連施設等について、その一部分を新しい基準に基づいて強度を強化するなりして取り替える場合、その隣接する部分を含む全体を再度、強度計算し直して、関連施設トータルとしての強度や耐性を点検しなければいけないのに、九州電力の「工事計画」では、取り替える部分だけの計算しかしていなくて、それ以外のところは「旧来基準参照」などとして手抜きしている。参照すべき旧基準が書いていないから「工事計画」がきわめてわかりにくくなっているだけでなく、隣接部分を含む施設全体が、強度や耐性のいびつな組み合わせになっていて、特定の箇所に想定外の大きな応力などがかかって破壊されてしまう危険性が増している。こういう手抜き審査は、施設の工学的な常識判断からは考えられないことである。

 

4.本来、緊急炉心却装置(ECCS)ではない「ホウ酸注入設備」用のポンプについて、臨界防止のための緊急時対応機能を付加している様子がうかがえる(下記9参照)。しかし、上記3.で申し上げたように、この設備のポンプだけを強化して、それ以外を従来のままにすると、緊急時に緊急炉心却装置(ECCS)も含めて、様々な施設がフル稼働した際に、配管が持たない可能性が高くなる。従来基準のものも含め、関連する施設全体を1つのものとして、その強度や耐性を見直す必要がある。また、緊急炉心却装置(ECCS)でないものを、このように「工事計画」で、勝手に緊急事態用施設として位置付けて、いびつな強度補強工事を行うこともおかしな話である。

 

5.川内原発の敷地について、地震に襲われた時の地すべりの安全率に関して、図面などがすべてマスキング(「黒枠白抜き」)されてしまって中身が分からない。過去においては、柏崎刈羽原発では斜面崩壊や液状化で原発施設が大きく傷ついたし、福島第1原発事故の際には、外部電源供給用の鉄塔が地盤崩落によって破壊され全電源喪失に陥っている。川内原発の場合には、裏山が崩落して、原発自体が土砂に流される・埋まることもありうる話で、何故、こういう原発敷地の安全性評価に欠かせないようなデータを隠してしまうのか。

 

6.川内原発のような加圧水型原子炉には加圧器が装備されているが、その強度計算が、基準地震動の数値が引き上げられたにもかかわらず、設置許可申請時のままになっている。これで大丈夫なのだという説明が欠けている。また、この加圧器につながる配管は、加圧水型原子炉にとっては「心臓動脈」のように重要な箇所で、絶対に破損してはならない箇所だが、そこの強度計算が「簡易弾塑性分析」という、ごくごく例外的にしか使ってはいけないはずの簡便法で評価され、数値的にはぎりぎりの水準で許容するような内容になっている。かような「原子炉の心臓にカテーテルをつなぐ」ようなきわどい=危険な設備を、「はいそうですか」というわけにはいかないし、そもそも、九州電力の出してきた「工事計画」は、こういう原子炉の危ない個所にやたら多くの「簡易弾塑性分析」が使われていて、すれすれでOK、という解析数値結果となっている。これでは川内原発はとてもじゃないけれど、安全性が厳しくチェックされた、などとはとても言えない。「簡易弾塑性分析」の使い方や、すれすれ数値の箇所について、改めてその妥当性を見直せ。

 

7.原子炉冷却系施設の中には、疲労累積係数が「1」に近い値を示すものがあり(「1」になったらアウト)、耐震強度計算結果が危ういものが散見される。こうしたものについて、いったいどこに「破壊点」があるのか、どの程度の地震が来たら破壊されるのかを明らかにし、必要な強度補強を必須とする必要がある。(いわゆる原発施設の重要度分類=これ自体がおかしいのだが、に応じて、強度余裕が決められているが、その余裕範囲内にすべての機器類がおさまっているのかどうか(あるいは分類を緩い方へ変えたりしてゴマカシていないかどうか)。また、配管類については、そもそも強度余裕を決めていない、というインチキをしているのはおかしい)

 

8.原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の審査は、いわゆる机上の書類審査であって、原発の実際の現場に即したものになっていない。つまり「建前」だけを屁理屈でチェックしているに過ぎない。原発という危険極まりない施設は、単に施設の工学的な設計上の問題にとどまらず、設計図通りの施工がなされるのかどうかや、施工される機器類一つ一つが妥当で適正な製品なのかどうか、溶接や接続は適切になされたかどうか、また更には、そうした機器類や部品などが適切な素材でできているのかどうか(不純物や粗悪品の使用、あるいは製造手抜きが含まれていないかどうか)などなど、原発建設のすべての段階で危険性がビルトインされる可能性がある。それを原子力「寄生」委員会・「寄生」庁がきちんと見抜く「審査能力」を持ち、現場にも頻繁に抜き打ちでチェックに入るような「審査努力」もして、その総合的な審査力を持ち合わせないと、原発は絶対に安全にはならないどころか、いつか近未来に、とてつもない予期せぬ大惨事をもたらすことになる。しかし、今の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁を見ている限りでは、とてもそんなレベルに達しているとは思えない。(電力会社=原子炉メーカー=ゼネコン=部品屋=素材メーカーと連なる原発関連の業者の1か所でも手抜きやゴマカシがあれば、その原発はとてつもなく危険な状態となる)

 

●平井憲夫さん「原発がどんなものか知ってほしい」

 http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html

 

9.原発が大地震に襲われた時に、制御棒が予定されている2.2秒以内に必ず挿入できるのかどうかについて、大きな疑義がある。九州電力では、入らない場合もあることを想定してか(圧力容器内の核燃料集合体が、想定されている場所からわずか4cmを超えるゆがみを生じてしまった場合には、制御棒は入らない。設備は重力で落下するだけの仕組みなので、地震の揺れによるズレをカバーして制御棒を挿入できる仕組みはセットされていない)、上記4で申し上げた「ホウ酸注入設備」用のポンプの強度アップなどを手当てしている様子がうかがえる。こんな場当たり方式・間に合わせ方式ではだめだ。

 

10.川内原発や高浜原発などの加圧水型原子炉の最大のアキレス腱(弱点)は蒸気発生器である。川内原発では、1号機の方は、既に旧型(51F)の蒸気発生器が新型(54F)に交換されていて、地震の揺れに対して強度が少しはアップされているが、2号機については、2013年9月に交換される計画でずっと来ていたのが、今も交換されずに、建設当時のままの旧型(51F)である。この旧型蒸気発生器は、既に老朽化してボロボロに近い状態になっている。川内原発2号機は、よりによって再稼働第1号の原発だというのに、最大の弱点の蒸気発生器を、こんなポンコツでボロボロのままにして、机上の計算審査だけでパスさせるのか? まず、川内原発2号機について、蒸気発生器の交換を九州電力に対して申し送りし、少なくとも2号機の工事計画を九州電力に突き返すべきだ。

 

(今回の交渉集会で原子力「寄生」庁は、旧型(51F)の蒸気発生器についても、新規制基準への適合性を机上審査でやるだけだ、と答弁していた=きわめて危険な行為で、十中八九、川内原発が大地震に襲われれば、この旧型蒸気発生器は、熱交換用の細管の連続大量破断を引き起こし冷却不能となり炉心溶融に至るものと推測される)

 

11.「余熱除去系統RHR」の配管の強度について、解析がきわめて不自然である。結果が厳しいものになっているにも関わらず、データの多くが非公開で、かつ系統図面も非公開であるため、その健全性について第三者チェックができない。隠す必要もないものをこれだけ徹底して隠すというのは、ひょっとすると、九州電力が「工事計画」を無視してヤミ工事を行い、それを隠している可能性がある。

 

(当日は、上記以外についても、多くの点が問題だとされ、原子力「寄生」庁への追及が行われましたが、一つとして、誰もが納得できるような回答はありませんでした。会場参加者からは、怒りの声が絶えませんでした。なお、「(2)「工事計画」認可前に川内原発現地では事前工事が行われている事に対する質問」については比較的わかりやすいので、別添PDFファイルをご覧ください)

草々

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