大義なき解散・総選挙を逆手にとり、安倍政権を退陣させましょう(3):なぜ「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりなのか(「アベノミクス」と暮らしのゆくえ)
前略,田中一郎です。
なお,別添PDFファイルは著作権上の問題がありますので,第三者転送・転載はご容赦ください。くれぐれも第三者転送・転載をなさいませんようお願い申し上げます。
別添PDFファイル、及び下記URLは、「アベノミクス」に関連して、山家悠紀夫さんの直近の著書の一部と、関連する新聞記事などを集めたものです。「アベノミクス」の正体がコンパクトにわかりやすく説明されています。以下、簡単にご紹介いたします。(山家悠紀夫先生の今回の岩波ブックレットは非常にいい本です。「アベノミクス」の正体が一発でわかります。ブックレットですから、簡単に読めます。必読です)
前回の総選挙(2012年12月)は、ひどすぎた民主党政権に対する有権者・国民の「叱責」が大きく影響した選挙でした(だからといって、ダメだったから政権交代をさせた自民党に再び投票しても事態がよくなるわけがないし、投票に行かなければ、組織票・支配権力票が流れ込む自民党が小選挙区制の下で圧勝するのは目に見えている)。しかし、今回の選挙はそうではありません。私は最初から今回の衆議院総選挙での野党敗北・安倍自民党の圧勝を予想しておりますが(何故なら、そういう「野党」達だからです。こんな連中に投票したいなどと思う有権者はそう多くないでしょう。しかし、それでも、いやでも、投票しなければなりませんが)、下記の新聞情報はそれを肯定するかのごときです。「選挙」は、選挙が始まる頃には、その大勢は決まっています。選挙が始まってからジタバタしてもはじまりません。
私は今回の衆議院総選挙が、(昭和軍閥による破滅的戦争への突入に続き)再び日本を暗黒時代に突き落とす大きな契機になるだろうと予測しています。日本国民は、再び愚かな選択をしそうな気配です。だからこそ、細川護煕・小泉純一郎の勢力とも共同して、来る国政選挙で1人区を中心に「候補者調整」を行い、安倍晋三・自民党政権を退陣に追い込んで、まずもって原発・原子力にとどめをさすことを呼び掛けていましたが、かないませんでした。とても残念に思います。
先般5つの「選挙の争点」をご案内いたしましたが(①「アベノミクス」、②原発再稼働、③特定秘密保護法、④日本国憲法、⑤利権土建と国土強靭化)、この5つの中でも、②原発再稼働=原発・核燃料施設の即時廃棄は最も重要な争点です(これを最重要と意識できない日本の有権者・国民、させられない野党各党や脱原発市民運動・社会運動は、今回の選挙情勢に関して真剣に反省をし、不退転の決意で今後に臨むべきです。何故なら、「後がない」からです。
現在の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁や安倍晋三・自公政権に原子力政策をゆだねるということは、東条英機内閣に大日本帝国を任せることよりも、もっとひどい結果となるでしょう。あのような原発規制で、原発が安全になることなど絶対にありません。また、地域住民を守るべき立場にある全国都道府県の知事たちにも、ロクなのがいません。大地震・大津波・巨大噴火は、もうすぐそこまで来ています。いい加減な原発管理で、天災がなくても大事故が起きる可能性だってあります。日本列島滅亡のカウントダウンの中で、我々一人ひとりが何ができるのかを真剣に考える時が来ています。
<ご推薦申し上げる必読図書>
● アベノミクスと暮らしのゆくえ-山家悠紀夫/著(岩波ブックレット)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033160780&Action_id=121&Sza_id=B0
<別添PDFファイル>
(1)なぜ「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりなのか (『アベノミクスと暮らしのゆくえ
』 山家悠紀夫 岩波ブックレット)
(2)法人税減税の効果とその代償 (『アベノミクスと暮らしのゆくえ 』 山家悠紀夫 岩波ブックレット)
(3)安倍政治2年、くらしはこう変わった:医療・介護(東京 2014.12.1)
(4)おごる安倍政権(山口二郎 東京
2014.11.30)
<関連URL>
●(日経)自民、300議席うかがう 衆院選序盤情勢(有料会員限定)
http://mxt.nikkei.com/?4_29832_1088140_2
日本経済新聞社は第47回衆院選について世論調査を実施し、公示直後の序盤情勢を探った。衆院定数475議席のうち、自民党は300議席をうかがう勢いだ。参院で否決された法案を衆院で再可決できる3分の2(317議席)を与党で維持する可能性がある。民主党は伸び悩み、維新の党は苦戦している。
● 東京新聞自民 過半数から大幅増も 衆院選序盤情勢政治(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014120402000147.html
1.なぜ「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりなのか (『アベノミクスと暮らしのゆくえ
』 山家悠紀夫 岩波ブックレット)
下記に一部だけ抜粋をしておきます。
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こうした、企業のための、至れり尽くせりともいえる「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりの施策ですが、これを見てきて最初に浮かぶ疑問は、なぜこれほどまでに、一国の政府が民間企業のための施策を展開しなければならないのか、ということです。
その一は、「世界で一番企業が活動しやすい国」をつくることによって企業の稼ぎ(ないしはそこから税金を差し引いた資金)が増え、それによって企業の投資も増え、その結果、日本経済が成長すると安倍首相が考えているからでしょう。アベノミクスの「第三の矢」を「民間投資を喚起する成長戦略」と表現しているゆえんです。
その二は、「世界で一番企業が活動しやすい国」をつくることによって、「企業収益の更なる拡大が実現し、雇用機会の拡大、賃金の上昇、配当の増加という様々なチャネルを通じて、脱デフレの果実が最終的に国民に還元される、真の好循環が実現する」(「再興戦略」)と安倍首相が考えていることです。すでに2013年1月の記者会見で、安倍首相自身が「企業の収益を向上させて、そして雇用や賃金の拡大につなげていきたい」とも語っています。
そこで問題は、この二つの考えは正しいかどうか、ということになります。正しければ「世界で一番企業が活動しやすい国」づくりも納得できるというものです。
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(田中一郎コメント)
かつての高度経済成長期、及びその後の安定成長期の日本では、企業(=おらが会社)が利益をあげれば、その恩恵は従業員に必ず還元される、そういう企業カルチャーが支配的でした。その弊害も山のようにありましたが、今日では、その弊害だけが増幅されて残り、企業の利益を従業員で分かち合うという企業カルチャーは、ほぼ完ぺきに消滅したと言えるでしょう。そんな中で、企業が利益を出せば自分たちの暮らしも少しは良くなる、などと考えるのは、よほどのお人好しか、間抜け以外の何物でもありません。だます方が悪いのはその通りですが、だまされる方も悪い。
2,法人税減税の効果とその代償 (『アベノミクスと暮らしのゆくえ 』 山家悠紀夫 岩波ブックレット)
下記に一部だけ抜粋をしておきます。
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第一に、法人税率の引き下げについてです。まず、引き下げの根拠について、いくつかの疑問があります。
一つは、「再興戦略」に「法人実効税率を国際的に遜色のない水準に引き下げる」「20%台まで引き下げる」とありますが、「国際的に遜色のない水準」とは何でしょうか。それがなぜ「20%台」なのでしょうか。日本の法人実効税率は、目下のところ約35%です。対してアメリカは約41%、フランス、ドイツは30%近傍です。日本の実効税率はアメリカとフランス、ドイツなどヨーロッパ主要国との中間にあって、先進国の平均的な水準にあると見てよいでしょう。(中略)そうすると、なぜそこまで下げなければならないのか、という疑問が出てきます。引き下げる根拠が不明です。
二つは、ヨーロッパ諸国を引き合いに出すのであれば、企業の社会保険料負担も合わせて考えるべきではないかということです。ヨーロッパ諸国の企業は、税の負担率こそ日本より低目ですが、社会保険料の負担を合わせれば、日本より負担率が高いという調査結果があります。日本企業の税負担率を下げるのなら、同時に、社会保険料の負担率を上げて「国際的に(ヨーロッパ諸国並みに)遜色のない」水準にするべきでしょう。
三つは、日本には、研究開発投資減税その他の減税措置があり、これを利用できる日本の大企業の税負担率は、実効税率約35%よりはるかに低くなっているということもあります。表面税率を下げるなら、多くの特例措置を廃止するのが筋というものでしょう。
次に、引き下げの効果についても疑間があります。一つは、法人税率の引き下げの結果として生まれてくる企業の余剰資金の増加が、投資の増加にはほとんどつながらないであろうことです。また、賃金の引き上げや一雇用の改善を約束するものでないことです。
二つは、「法人税改革の目的」として、「日本の立地競争力の強化」と「我が国企業の競争力を高めること」の二つが挙げられていますが、その効果も疑わしいということです。
また、「我が因企業の競争力強化」とは、減税した資金が企業の設備投資や研究開発投資に向けられ、それによって日本企業の国際競争力が高まるとの論理のようですが、すでに十二分に余剰資金を抱えている企業がそういう行動を取ることは期待できず、減税で増えた手元資金は、そのまま余剰資金となって企業に蓄えられるだけ、と考えるべきでしょう。
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(田中一郎コメント)
論より証拠、2001年以降、小泉・竹中市場原理主義改革以降は、景気の回復とともに企業の業績・利益も拡大しましたが(ただし、一部の特権的企業に限られますが)、その利益は、内部留保、配当原資、そして役員・幹部職員への報酬に向けられ、一般従業員を含む庶民の生活向上には、文字通り、まったく関係ありませんでした。それどころか、若い世代や女性、及び高齢失業者を中心に「非正規労働者」が増え続け、人材派遣や請負業者のピンハネが横行する中、貧困がこの日本に蔓延していったのです。「アベノミクス」とは、これを更にスケールを巨大にして、徹底的にやって行くぞ、という経済政策です。
3.安倍政治2年、くらしはこう変わった:医療・介護(東京 2014.12.1)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014120102000157.html
「税と社会保障の一体改革」の名目で進められる「税と社会保障の別居改革」では、たとえば医療・介護でこの記事にあるようなことが「政治主導」で行われているのです。消費税が社会保障に使われる、などと思う人は、よく現実をみることが大事です、
<1>今年四月、特例で一割に据え置かれてきた七十~七十四歳の医療費の患者負担が、二割に引き上げられた。二〇一四年度に七十歳になった人から適用される。
<2>政府が来年の通常国会への提出を検討中の法案では、七十五歳以上の低所得者らに対する特例的な保険料軽減が廃止される方向だ。(これは困る人がたくさん出るのではないかと推測されます:田中一郎=おじいちゃん、おばあちゃん、ちょっとしんどいけど、必ず選挙に行って、こんな政治に一矢報いましょうね)
<3>介護保険料(六十五歳以上)の平均月額は〇〇年度の制度導入後、上昇傾向に歯止めがかからず、一二年度の改定で八百十二円アップして四千九百七十二円に。一五年度の次回改正で五千円を超える見通しだ。
<4>要支援1、2の人を対象に国が担ってきた訪問・通所介護事業は、一五年度から三年間かけて市町村に移される。ボランティアなどの力も借りる予定だが、地域によっては人材がおらず、サービスに格差が出る恐れがある。
<5>施設介護では、一五年四月から特別養護老人ホーム(特養)の新規入所は原則、中重度の症状の人に限られる。同八月からは、単身で年金収入が年二百八十万円以上ある人の利用者負担が一割から二割になる。
(「こうした制度改革は、膨らみ続ける社会保障分野への税金投入を抑えるためで、国の財政事情を考えればそれなりに理屈がある」などと記事にありますが、なにをゆうとんじゃ、ですね。財政全体、税のあり方、使われ方をよく見てみよ、ということです。こんな記事にだまされてはいけません)
4.おごる安倍政権(山口二郎 東京
2014.11.30)
http://blog.goo.ne.jp/shirakabatakesen/e/5741cc79b73661ded3c00d006a671c3e
(田中一郎コメント)
お書きになっている通りだと思いますが、山口先生も、民主党なんぞに”うつつ”をぬかしていないで、早く、しっかりした柱を持った「野党」形成にご尽力いただきたいものです。また、原発レジーム」に対する先生のご認識も、少し甘いように感じますが、いかがでしょう?
草々
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