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2014年12月12日 (金)

(報告)12.11原子力規制庁院内交渉集会 (再稼働阻止全国ネットワーク主催、 反原発・かごしまネット、鹿児島反原発連合 共催)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

昨日(12/11 木)、参議院議員会館講堂において、「再稼働阻止全国ネットワーク」主催、「反原発・かごしまネット」「鹿児島反原発連合」共催で、12.11原子力規制庁院内交渉集会が開催されました。別添PDFファイル、及び下記URLは、その当日配布資料、及び関連サイトです。以下、簡単にご報告申し上げます。

 

最初に主催者側から、いくつか報告や説明があり、その後、午後2時から約2時間半くらい(30分ばかり予定オーバー)、原子力規制庁の若い役人たちとの交渉になりました。原子力規制庁の役人たちの態度は、いつもとかわらぬ「ひねもすのたら、くたらかな」で、当たり障りのない一般論をつぶやいて、時間がたつのを待って帰って行きました。まったくお話になりません。何の説明責任も果たそうとはしておりません。具体的には下記の「録画」、及び東京新聞記事をご覧下さい。

 

申し上げるまでもなく、こうしたことは、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が、福島第1原発事故の教訓を活かし、原発・核燃料施設の安全性を最優先にして「規制」をしていく機関ではもはやなくなり、原発・核燃料施設の再稼働を前提に、新たな原子力安全神話をつくりながら、福島第1原発事故前と同じような原発推進体制をつくりあげる機関に「先祖がえり」してしまったということを意味しています。会場からは、今の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、かつての原子力安全委員会・保安院よりも悪くなっている、という声も聞かれました。まさに「規制」ではなく「寄生」の委員会であり「庁」になっているのです。

 

今回の政府交渉の「見どころ」=着眼点は、原子力規制庁ではなく、原子力規制庁を追及する市民の側にありました。一つは、鹿児島からおいでになったお二人の鋭くも説得力のある追及です。地震の問題、火山の問題、過酷事故時の格納容器の水素爆発や水蒸気爆発の問題などについて、先般、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が鹿児島で実施した説明会の内容がお粗末で説得力の乏しく、地元鹿児島の人達がこうしたこと=つまり再稼働しようとしている川内原発の安全性について、全く理解できない、表面的で通りいっぺんで形式的な説明で納得がいかない、まるで馬鹿にされているようだった、という受け止め方をしているので、再度、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁として、きちんと説明に鹿児島に来たらどうか、と追及されていました。九州電力をその説明会に呼び、原発の安全性について厳しい目で見ている科学者・技術者にも入ってもらって、議論形式でやっていけばいい、とおっしゃり、非常に説得力のある追及だったと思います。

 

そもそも、この12.11の政府交渉の場においてすら、川内原発のたくさんの安全性・危険性問題に関して、まともな説明になっていない・説明できていないので、説明する側=つまり今日やってきた原子力規制庁の若手の役人たち自身が「理解できていない」ということではないか、と、鹿児島のお二人をはじめ、会場からの発言者に叱責されておりました。なさけなくも、みっともなくも、また、背信的でもありました。(ご参考までに、鹿児島の現地の方々がお作りになった下記パンフもご覧下さい)

 

●(冊子)川内原発直近の巨大活断層と幾度も襲った火砕流(川内原発の再稼働はこれで消える):反原発・かごしまネット

http://www.synapse.ne.jp/peace/sendaigenpatusaikadouhantaipanph.pdf#search='%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%AE%E5%86%8D%E7%A8%BC%E5%83%8D%E3%81%AF%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A7%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8B%E3%80%8D%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95'

 

(参考)【広瀬隆】原子力規制委員会の川内原発審査書案に対するパブリックコメント 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/39291506.html

 

(参考)福島原発事故の原因もわからずに、原発を再稼働していいのか(2)=川内原発再稼働パブリックコメントへの意見書提出 (8/15 締め切り)  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-cc7b.html

 

もう一つの見どころは、たんぽぽ舎の山崎久隆さんの、九州電力が作った「工事計画」についての規制庁への追及でした。膨大な量の「工事計画」に目を通した山崎さんは、公表されている九州電力「工事計画」が、いかにおかしいものか、具体例を挙げて追及し、その内容は適切かつ非常に迫力のあるものでした。ほんとうにすばらしい、まるで工学博士並みの鋭さです。

 

別添PDFファイルに山崎さんの作成資料も添付しておきましたので、併せてご覧下さい。少し原子力工学というか、機械工学の知識がないと、わかりにくい内容ですが、山崎さんの追及はその辺のところも意識されて、一般の人にも理解できるよう、内容をわかりやすく砕いて追及されていたように思いました(具体的には録画をご覧下さい)。なお、この政府交渉&集会で、私が特にテイクノートしたことを下記に箇条書きにしておきます、決してこれがすべてではありませんが、ご参考にして下さい。

 

(政府交渉で書き落とした私のメモ)

 

1.原子力規制庁は、九州電力作成の「工事計画」を公表したと言うが、それを見ると、肝心なところ=たとえば様々な計算結果やパラメータの数字などが「真っ白塗り」にされてしまって「非公開」となっている。これでは第三者が、この「工事計画」の検証のしようがなく、公開していることにはならない。テロの危険性や企業秘密などを口実にしているが、それらは、こうした「非公開」=隠蔽行為を合理化できない。早く公表せよ。

 

2.蒸気発生器が過酷事故時のような高温高圧状態に耐えきれず、連続大量破断を起こす可能性があるが、その最も重大なトラブル可能性や、それに対する対応・対策が検討されていない(蒸気発生器=熱交換機は、加圧水型原子炉の最大の弱点である:田中一郎)。こんなことを手抜きしていてどうするのか。

 

3.川内原発2号機は、2014年9月までに、その古い(建設以来30年近く経過)蒸気発生器を新しいものに取り換えるということになっていたが、取り換えた様子がない。まさか、その古いままの、いってみればボロボロの蒸気発生器をそのまま使って再稼働をするのではあるまいな。(未確認のまま)

 

4.火山リスクのうち、いわゆる巨大カルデラ噴火を引き起こす可能性は、鹿児島の場合には数万年(おそらくは2~3万年に1回)ではないかと火山学者達は言っている。しかし他方で、被害を受ける可能性のある川内原発は、稼働期間が最大60年として、あと30年、それに加えて使用済み核燃料の残存の問題があり、鹿児島県外へ移送するすることは簡単ではないので、仮に、その管理も考慮に入れると、今後100年近い間、危険極まりない核燃料との「お付き合い」が続く。つまり、100年間のリスク期間を分子にして、破局的噴火の可能性の2万年ぐらいを分母に考えると、確率的には100/20000=1/200となって、これは決して低くない、危ない確率になっていると言える。火山学者の多くが、火山噴火の予知を、確実に、数年も前から行うことなど不可能だと言っている中で、これでは危険極まりない。(また、使用済み核燃料は、使用し終わってから5年間くらいは水のプールで冷やしておかないと動かせないくらいに発熱が激しい)

 

5.任期が来て交代した島崎邦彦原子力規制委員(東京大学名誉教授)が在任だった時に、火山噴火リスクをきちんと見るために、川内原発敷地や周辺の地質調査・岩盤調査をしましょうということになり、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁や九州電力も「やりましょう」となっていたが、それはどうなったのか。また、九州電力が川内原発の再稼働審査のために出してきた活断層の評価書は、政府の地震調査研究推進本部(推本)が「これはあまりにひどい」と批判した、九州電力がもともと作成していた活断層評価書だった。まさに「オーチャク」そのもので、ふざけるな、という批判を受けて、今の活断層評価書が出し直しで出てきた経緯がある。そんな出鱈目な会社に地震や活断層の調査や、火山のモニタリングや調査などをさせていいのか。(九州電力は、火山リスクのモニタリングなど、全くやっていないし、やろうともしていない、適当にデータを見つけてきて、もっともらしくふるまっているだけ、との指摘もあった)

 

6.格納容器の水素爆発防止対策ができていない。福島第1原発事故では建屋の爆発で済んだが、今度は格納容器ごと爆発しかねない。そもそも格納容器内の水素ガスの発生状況を正確に把握できる計測機は取り付けられているのか(また、仮に取り付けられても、あの巨大な加圧水型の格納容器内全部について、水素ガスの発生状況=濃淡の状況を、過酷事故時において(停電もありうる)正確にタイムリーに計測できるとも思えない)。また、過酷事故対策として、格納容器の下部に水を張って、溶融核燃料の落下を待つ、などと「お気楽」なことを言っているようだが、水蒸気爆発の危険性があって、危なくてしようがない。

 

7.鹿児島県知事は、川内原発が事故を起こしても、最大で5.6テラ・ベクレル程度の放射能(放射性セシウム換算)の環境放出に留まり、地域住民や県民に命の問題は起きない、などといい加減なことを言っている。これを原子力「寄生」委員会・「寄生」に正したところ、絶対に安全だとまでは言わないが、いくつかの事故シーケンスのシミュレーション(仮想事故事例の進展モデル計算)により、大量の環境放射能放出のリスクは非常に小さいレベルにまで抑え込まれている、知事の発言にはコメントしない、を繰り返していた。しかし、シミュレーションは、あくまでシミュレーションであって、机上の計算にすぎない。そんなもので「リスクはとても小さい」などということは、少なくとも非科学的である。科学は実験・実証に裏付けられていなければ、お話にならない。それに、シミュレーションのみをもって、格納容器の破壊がない、と断定するのは、全く理解に苦しむ暴挙と言わざるを得ない(格納容器が破損したら、5.6テラ・ベクレルどころではすまない:テラ=1兆)

 

8.石橋克彦神戸大学名誉教授が指摘している「プレート間地震、プレート内地震、について検討されていない=法令違反である」という点について原子力規制庁は、「その2つは震源が原発から遠いので、たいした震度にならないため、省略した、検討していないわけではない」を繰り返し、真摯な返答をしなかった。本来は、そういうことなら、そういうことである理由や根拠を明確にして「検討結果」とすべきであるところを、説明責任を放棄して「省略」してしまっている。つまり法令違反である。日本でも、著名な地震学者であり、またプレート・テクトニクスの権威でもある学者をこうして無視するということは、原発の安全性を検証する場合には許されないことだ。

 

10.避難計画や津波の問題など、上記以外の問題は、今回は交渉されなかった。しかし、こちらも大問題だらけ。

 

(結論)要するに、原発の安全性の問題や地域住民の命と健康の問題を山のように未解決のままにして、川内原発を再稼働するなど、許されんぞ、ということである。

 

 <別添PDFファイル>

(1)12.11原子力規制庁院内交渉集会 (レジメその1)(20141211日)

「rejime_1_1211.pdf」をダウンロード

(2)12.11原子力規制庁院内交渉集会 (レジメその2:山崎久隆さん)(20141211日)

「rejime_2yamazaki_1211.pdf」をダウンロード

(3)12.11原子力規制庁院内交渉集会 (レジメその3)(20141211日)

「rejime_3_1211.pdf」をダウンロード

(4)川内原発再稼働と火山問題に関する「かごしま反原連」の基本見解(20141211日)

「rejime_kagoshima_hangenren.pdf」をダウンロード

(5)川内原発の審査書案は規則第5号に違反して違法だ (石橋克彦 『科学 2014.9』)


(6)川内原発再稼働 まだ争点 市民団体、規制委を追及 「事業者寄り」に不信(東京 2014.12.12

 

 <関連サイト>

●12.11原子力規制庁院内交渉集会 福島原発事故緊急会議 情報共同デスク(案内パンフ)

 http://2011shinsai.info/node/5760

 

●(録画)20141211 UPLAN【前半】鹿児島から訴える「川内原発再稼働の不当性」工事計画と保安規定の審査はどうなっているか - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=3nRryWbAd44

 

●(録画)20141211 UPLAN【後半】鹿児島から訴える「川内原発再稼働の不当性」工事計画と保安規定の審査はどうなっているか - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=7msbHhuwmEI

 

●【パンフレット】川内原発~避難計画のここが問題 これでは命は守れない!

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/27/テーマ別パンフレット-川内原発-避難計画のここが問題-カラー版-8ページ/

 

● <パンフレット>川内原発・火山審査のここが問題<カラー12ページ>

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/19/パンフレット-川内原発-火山審査の問題点/

 

● 川内原発・火山審査の3つの誤り-火山検討チーム会合の議論から

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/09/04/kazan2kai/

草々

 

(追:参考)

(別添PDFファイル)被ばく量と健康被害 1年に100ミリシーベルト」は誤解(井戸謙一 河北 2014.12.8

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/b4/0f87c551411e5a935af2c23024caa55f.jpg

 

(これって、ほんとに基本的なことなんだけど、あまりに当たり前の顔をしてごまかされるもんだから、ついつい「その気」にさせられてしまうんですよ。しかし、ちょっと深呼吸をして、ちゃんと考えると、政府やら自治体やら御用学者やらが言っている「20ミリシーベルト/年」なんて、5年もしたら100ミリシーベルトになっちゃうんだから、危ないなー、ということに気がつくんですが、でも、見ざる、言わざる、聞かざる、なんてやっていると、それにも気がつかないで時間だけが過ぎてしまうのです。核時代は被ばく時代だから、被ばくを考えるのは、自分の人生を考えることと同じくらいに思っていた方がいいと思います。:田中一郎)

 

(それにしても、原子力ムラ・放射線ムラのインチキ野郎ども、ごまかすな―、)

 

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