(原子力ムラ代理店)政府が住民の理解がないままに南相馬市の特定避難勧奨地点指定解除を強行=損害賠償の切り捨て、放射線被曝の押し付けと、偽りの「復興」の演出が狙いだ
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
(最初に3つばかり新着情報)
●東電、推奨より10倍希釈 福島第一、がれき飛散防止剤 規制庁「効果落ちた」:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/DA3S11531890.html?ref=nmail
(朝日新聞の無料デジタル会員になれば全文が読めます)
●【緊急セミナー】 切迫する放射線被ばくの健診対策(1-7) 「避難の権利」ブログ
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/17-d93b.html
●南相馬市に揚がったマダコから放射性セシウムを検出(放射性セシウム134=14.3、放射性セシウム137=35.5、合計49.8ベクレル/kg)、また、二本松市や相馬市の干し柿(放射性セシウム計43ベクレル/kg)や、南相馬市の切り干し大根(放射性セシウム137=8.35ベクレル/kg)などからも放射性セシウムを検出(福島民報 2014.12.26)
食べものの放射能汚染は終わっておりません。放射性セシウムだけを調べていても安全だなどとはとても言えません(海産物の放射性ストロンチウムは危険極まりなし)。乾燥された加工食品は危険度が高くなります(濃縮)。厚生労働省が定める残留放射性セシウムの基準値=100ベクレル/kgを下回っていても安全であるなどとは絶対に言えません。「安全安心キャンペーン」にだまされないように致しましょう。放射能汚染地域での全ての産業活動をやめ、被害者に対して完全な形で損害賠償・補償と、その再建支援を実施せよ。
(以下、本文です)
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既に報道されております通り、原子力ムラ代理店政府は、このほど住民の理解が全く得られないまま、南相馬市の特定避難勧奨地点の指定解除を強行いたしました(12/28付)。下記に見るように、この地域は今もなお放射能汚染がひどく、とても危なくて居住することはできない地域です。住民のほとんどが今回の特定避難勧奨地点の指定解除に反対をし、南相馬市の市長も解除に賛同していません。にもかかわらず、政府は、一方的な「説明」と称する通知を行い、指定解除を強行しました。
これは、被害者住民に対する損害賠償の打ち切り・切り捨てと(特定避難勧奨地点の指定解除後、3カ月で今現在支払われている毎月々の損害賠償(精神的被害)が打ち切られます)、放射線被曝の押し付けによる事実上の強制的帰還、そして、そのことによる偽りの「復興」の演出が狙いです。被害者住民の意思や願いを全く顧みることなく、徹底して踏みつけにしながら、福島第1原発事故がなかったかのごとく「復興」の演出を続けて、原発事故前の状態に戻して行く、これが政府の方針であることが、今回ほど赤裸々に示されたことはありません。許しがたい暴挙だと思います。
そもそも特定避難勧奨地点などという地域指定が歪んでいます。政府の役人達は、同じ放射能汚染地域に居住しながら、指定される被害者と、そうでない被害者を、あえて生み出し、指定されなかった被害者に対しては、除染や指定要請など、その要望や意見を「税金の無駄づかいだ」などと暴言を吐きながら排除するのです。そもそも特定避難勧奨地点の指定の根拠となった各戸別の放射能汚染状態の計測把握がいい加減・出鱈目(計測マニュアル違反)で、住民の抗議・異議申し入れに対しても馬耳東風で対応してきました。そうして住民を分断・差別しておいて、住民の間に対立やトラブルを生みだし、「分割し統治」する(押さえつけ踏みつける)、まことに汚いやり口です。本来は、放射能で汚染された地域を一括で避難区域に指定すべきなのです。
以下、抗議集会当日の配布資料と関連サイトをご紹介しておきます。資料はとてもよくできたものですので、目を通していただきますようお願い申し上げます。南相馬の被害者住民みなさんは、今回の乱暴かつ理不尽極まる政府の対応に激怒していて、今後、法的な対抗措置を取りたい旨のご発言もありました。引き続きみなさまのご支援をお願い申し上げます。
(当日は、内閣府の原発震災被害者に対する「支援チーム」なる組織に所属する若造の官僚が2人、抗議集会に説明に来ていました。しかし、この内閣府の「支援チーム」は、商業用原子力推進の大本営=経済産業省の人間が出向して牛耳っている「ウソ偽りの看板」を掲げたセクションであり、このことは、福島第1原発事故後においてもなお、事故の後始末や被害者の救済政策にまで、原子力ムラの支配が及んでいることを意味しています。もはや「利益相反」などという甘い言葉では表現するにふさわしくない、事実上の「犯罪者集団」による「犯罪の上塗り」が行われているのです。日本の原子力ムラ代理店政府は、まさに旧ソ連の「悪の帝国」(米レーガン大統領)を超える「極悪の帝国」と言えるでしょう)
<別添PDFファイル>
(1)ちらし 南相馬市 特定避難勧奨地点の一方的な解除に抗議(2014年12月26日)
(2)南相馬市 特定避難勧奨地点指定解除に対する住民側公開質問書(2014.12.26)
(3)南相馬市 特定避難勧奨地点指定解除に対する住民側要請書(2014.12.26)
(4)南相馬市 特定避難勧奨地点指定解除の12月21日住民説明会lこ住民が用意した質問リスト(2014.12.26)
(5)南相馬市 特定避難勧奨地点指定解除反対の声明(2014.12.26)
(6)資料 「ダマされないでください 根拠のない年20mSV未満で解除(2014.12.26)
(7)南相馬市 特定避難勧奨地点指定解除の撤回要請集会(レジメ:上)(2014.12.26)
(8)南相馬市 特定避難勧奨地点指定解除の撤回要請集会(レジメ:下)(2014.12.26)
(9)南相馬の避難勧奨
解除反対(東京 2014.12.27)
(10)南相馬の避難勧奨解除、住民理解ないまま強行(東京 2014.12.28)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014122802000102.html
http://financegreenwatch.org/jp/?p=48948
<関連サイト>
(1)南相馬の皆さんが東京に! 緊急記者会見と集会を開催 12/26 13時半~@参議院議員会館)
http://www.foejapan.org/energy/evt/141226.html
(2)政府の原子力災害現地対策本部による南相馬市の「特定避難勧奨地点」解除に抗議します=損害賠償打ち切りと被害者住民への被ばくの押し付けを許すな
いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-340b.html
(当日の私の集会メモ)
1.南相馬市の特定避難勧奨地点の住民1,210人に対して、政府の役人が戸別訪問して回った家はわずかに80軒程度、どこが住民のみなさまに丁寧に説明する、なのか?
2.特定避難勧奨地点の指定については、同じ放射能汚染地域なのに、指定を受けている家とそうでない家があり、全く納得性がない。今回の指定解除の話は、そのおかしなことを更にねじ曲げる暴挙で、住民のだれ一人として納得していないし、南相馬市の市長もOKだとは言っていない。にもかかわらず一方的に解除強行しようとしている。
3.地域全体がひどい汚染状況にあるのに、まったくその実態を把握しないような出鱈目な放射能汚染測定をして、特定避難勧奨地点の指定解除をしようとしている。1軒の家の玄関や庭をちょこちょこっと、計測マニュアルにも違反するようなやり方で計測して、それで20ミリシーベルト/年以下だから解除です、はないもんだ。いたるところで、10マイクロシーベルト/時(約88ミリシーベルト/年)を超えるような放射能汚染があるのに無視している。とても帰還して住めるような場所ではない。子どもや孫も呼び戻せない。
4.放射線管理区域指定基準は5.2ミリシーベルト/年、除染作業員を守る「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(「除染電離則」)では、2.5ミリシーベルト/年が被ばく限度とされているのに、何故、南相馬市の特定避難勧奨地点は例外扱いされるのか。日本には、原子力施設従事者や除染従事者を守る法律があるのに、放射能汚染地域に居住を余儀なくされる一般住民を守る法律は全くないという、本末転倒した、おかしなことがまかり通っている。
5.今回指定解除される地域は、浪江町や飯館村と隣接する地域で、常に西側の山から放射能が風に吹かれて舞い降りてきている地域だ。除染しても除染しても、元の木阿弥になってしまう。にもかかわらず、政府の役人は、東京電力のボランティア職員による「地域の清掃」をしました、ということで、ていねいな除染が終わりました、などとうそぶいている。ふざけんじゃないぞ。(政府の役人が毎日南相馬市のこの地域に来て清掃活動をやったらどうか)
6.政府の役人達は「特定避難勧奨地点の指定解除後も、住民の皆様をていねいにフォローしていきます」などと言うが、その具体策は何もない。
7.政府が常に持ちだす国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告だが、そこには、「緊急時被曝状況」から「計画的被曝状況」へ移行する際には(この言葉の使い方については、私は徹底して嫌悪感を感じているが、今回はあえて使っておく)、1~20ミリシーベルト/年の中間で「参考値」を設定し、漸次それに近づけながら段階的に空間線量を落として行く=除染や汚染解消・被ばく回避を行っていく、とあるのに、政府はこの「参考値」すら明らかにしようとしない。また、ICRPは住民との意見交換を行い、住民の意向を反映しながら、ことを進めていくべきであるとも書かれている。しかし、日本政府は住民の意見や希望に耳を傾けたことなど一度もない。つまり、日本政府が持ちだす国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告とは、被害者住民に被ばくを押しつけて我慢を強いるために使われるご都合主義の「屁理屈の引用」にすぎない。ICRP勧告を都合のいい部分だけ「つまみ食い」するな。
8.今回の南相馬市の特定避難勧奨地点の指定解除は、出鱈目な汚染状況計測を根拠に、3.8マイクロシーベルト/時(正確ではない・過小評価だが=20ミリシーベルト/年)以下だ、が唯一の根拠とされている。つまり、指定解除の正当な根拠は存在しない。
9.被害者住民から、この間、数回にわたって要望書、公開質問状、声明などを政府に提出しているが、政府はこれらに対して何一つ回答しようとしない。不誠実極まりなしである。また、特定避難勧奨地点に指定された家がたくさんある地域の住民なのに、あなたは指定外の住民だなどとして、政府は説明会から特定避難勧奨地点地点指定外住民を排除している。信じがたい暴挙である。
10.政府の放射線被曝の基準は、1つの線源からくる放射線による被ばくが対象だが、原発事故後の放射能汚染では、外部被曝は「全方位」被ばくである(加えて「一過性」ではなく、恒常的な被曝(外部被爆・内部被曝)である)。また、内部被曝をWBC(ホールボディカウンター)で計測するなどと言うが、WBCはガンマ線しか測れない。放射性ヨウ素129などは半減期1570万年もあるベータ核種だ。
11.政府はこれまで住民側が提出した公開質問状や要請書に文書で回答せよ。また、今回の南相馬市の特定避難勧奨地点の指定解除方針を撤回せよ。このまま強行するというのなら、住民側は法的手段による対抗措置も辞さない。ただ、住民側は、放射能汚染の深刻さや復興の困難さも十分に理解しており、放射線被曝を極力回避しながら、徐々に徐々に汚染度の低いところから除染を続け、線量が落ちたところから帰還を進めていくこと自体に反対ではない。政府は住民側と、しっかりと綿密に相談の上、住民の意向を尊重しながらことを進めてくれれば、それに真っ向から反対するという姿勢は必ずしもとらない。
・・・・・・・・・・・・・・・
日本政府よ、南相馬の住民の皆様のおっしゃるように、よく地域住民(特定避難勧奨地点指定されていない地域住民を含む)と相談をして、その意向をしっかりと反映しながら、文字通り、慎重かつ丁寧にことを進めよ。住民を裁判提訴に追い込むようなことは絶対にやめろ!!
草々
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