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2014年10月28日 (火)

新刊書ご紹介 『被ばく列島』(小出裕章・西尾正道著:角川ONEテーマ新書):放射能と被ばくに関する基礎知識や必須情報が平易な「対談」言葉の中に満載、必見です (その1)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

「天高く馬肥ゆる秋」は「読書の秋」です。その秋にぴったりの好書が出ました。下記にご紹介する『被ばく列島』(角川ONEテーマ新書)が、まさにそれです。私たち脱原発・脱被ばく市民にとっての必読書です。放射能と被ばくに関する基礎知識や必須情報が、平易な「対談」言葉の中に満載されています。著者は、脱原発・脱被ばくの世界で著名なお二人=小出裕章京都大学原子炉実験所助教と西尾正道元(独)国立病院機構北海道がんセンター院長です。

 

以下、複数回に分けて、この新書から、私が特に注目すべき重要箇所と思った部分のうち、ほんの一部だけを取り出して皆様にご紹介申し上げます。このメールが、みなさまの秋の食欲とともに、この新書への読書欲をかきたてることを願っております。

 

 <新書ご紹介>

●『被ばく列島』(小出裕章・西尾正道著:角川ONEテーマ新書)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033163383&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 <別添PDFファイル>

(1)NO.1 原発の立地周辺地域でもガンが多発している 北海道泊村のデータ(『被ばく列島』 小出・西尾著)

(2)NO.2 根拠となる被ばく実測データがない(『被ばく列島』 小出・西尾著』)

(3)NO.3 セシウム・ホットパーティクルに注目せよ(『被ばく列島』 小出・西尾著)

(4)NO.4 瓦礫を燃やした結果(『被ばく列島』 小出・西尾著』)

 

1.NO.1 原発の立地周辺地域でも、がんが多発している 北海道泊村のデータ (『被ばく列島』 小出・西尾著)

 

(以下、一部引用)

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 また世界的には原発事故が起こらなくても原発立地周辺の子どもの健康被害は報告されています。実際に北海道の泊原発なんかの周辺地域では、がんの患者数がダントツに多い。道内平均の1.4倍程度です。岩内町と積丹町は近隣町ですが、これらの原発周辺地域でも年齢補正をしてもがん死亡率が増えています[図表9]。この集計は北海道庁管轄の北海道健康づくり財団(理事長は北海道医師会会長)によるものです。事故が起こらなくても水の形で存在してβ線を出すトリチウム(三重水素:H3)が関係しているのだと、私は思います。この問題は本当に難しく、放射化したものが水の組成になっていますから、体の中に入ったら分離できないし、測定できないでしょう。福島事故後に続いている海洋汚染水にも大量のトリチウムが含まれています。

 

 私の友人である濁協医科大学放射線医学講座の名取春彦医師は、DNA合成期の細胞のDNAにトリチウムが取り込まれていることを画像で証明しています。

 

(中略)実際にカナダの重水を用いる原子炉(CANDU炉)のトリチウム排出と、その結果の周辺地域に住む子どもたちの健康被害(ダウン症、新生児死亡率、小児白血病)の増加が報告されています。

 

(中略)関西電力は美浜、高浜、大飯の3原子力発電所から2010年度(20104月~20113月)の1年間で13.4兆ベクレルのトリチウムを、液体の形だけで(若狭湾に)放出しています。

 

 生命現象に重要な役割を果たしているすべての化合物の中には水素原子がありますから、その放射化した水素が影響はないとはいえません。分かっていないだけの話です。ですからまったく無根拠にトリチウムは影響がないという政府の言い訳は説得力がありません。原発を稼働させるだけで、事故が起こらなくても、トリチウムは大量に海に放出されますので、原発稼働そのものが健康被害の原因となりえるのです。

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(田中一郎コメント)

 原子力ムラやその代理店政府だけでなく、脱原発を主張する学者や活動家の中にも、トリチウムの有害性・危険性について、軽率な発言をする人がいるようですので要注意です。確かに、その他の放射性核種に比べてトリチウムが放つベータ線(トリチウムはβ核種です)のエネルギーは比較的小さいですが、それでも私たちの体の細胞を形作る分子の結合エネルギーに比べたら、とてつもなく大きく、その破壊力は甚大です。

 

2.NO.2 根拠となる被ばく実測データがない(『被ばく列島』 小出・西尾著』)

 

(以下、一部引用)

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 この間、甲状腺がんが問題になりましたけど、甲状腺の被ばく線量だって根拠となる実測したデータが全然ない。科学の基本的姿勢は現実のデータを把握することから始めなければなりませんが、こうした基本的な姿勢がなさ過ぎます。科学者としては失格です。それは事実を隠す姿勢にもつながりますし、具体的なデータがなければ国や東京電力にとっては訴訟されても有利です。事故直後に当時の国立がん研究センターの嘉山孝正理事長が大量に準備したガラスバッジ(図表23の中の写真参照)は、政府レベルで配布を止められました。しかし今になって、帰還を促すために住民にガラスバッジを配りだしました。

 

(中略)また何よりも、福島県内で空間線量率の高いところに住む人たちの生涯にわたる被ばく線量を測定して、長い年月をかけてどういう健康被害が出るかという実測値との相関をきちんと分析する対応が一番大事なことだと思います。もちろん小児の甲状腺がんの検査だけではなく、職業被ばくに準じた地域に住まわしているわけですから法治国家であるならば住民全員に対して、法律に従って放射線に対する教育訓練や健康診断をするべきです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

 福島第1原発事故で環境放出された放射能によって、福島県民のみならず、広く東日本の汚染地域の住民の初期被ばくは、原子力ムラ代理店政府やその下請け自治体によって、ことごとく妨害され、あるいは「未必の故意」により、不作為のまま放置されました。たとえば「福島県民健康管理調査検討委員会」が「裏委員会」を開いて、尿検査実施案の握りつぶしをしていたことは今や有名な話となっています。それどころか、SPEEDI情報の隠ぺいやヨウ素剤服用の妨害など、地域住民の命と健康を放射能による被ばくから守る行政としての当然のことを、放棄したり妨害したりする行為を、日本の行政は繰り返していたのです。上記のことも、そうしたことの一環として、追加的に判明した事実です。こうしたことは「犯罪」として、きちんと裁かれ、その責任が追及されるべきです。

 

3.NO.3 セシウム・ホットパーティクルに注目せよ(『被ばく列島』 小出・西尾著)

 

(以下、一部引用)

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 しかし、つい最近になって、気象研究所の人が汚染をずっと調べて、試料を少しずつ分画していったら、セシウムは分散しているわけじゃなくて、塊で存在していることを見つけた。溶けていなくて、粒子になって、他の金属なんかと多分、混合して合体して、粒子として存在している。そうすると溶けないんです。

 

 それはセシウムが放射性微粒子として存在しているということ、いわゆるセシウム・ホットパーティクルですね。

 

 事故後に生じた鼻血もこうした大気中に浮遊した塵と結合したセシウム・ホットパーティクルを吸い込み、湿潤した鼻腔粘膜に付着したため局所的に被ばくしたことによるものだと説明がつきます。2013年8月末の『ネイチャー』電子版に筑波の気象研究所で事故後の大気中の浮遊塵を捕集した研究で、放出されたセシウムを高濃度に含む不溶性の球状微粒子について足立光司氏が報告しています[図表20]。ICRPは低線量被ぱくの影響をブラックボックス化していますが、これが体内に影響するわけですから、かなり考え方を変えるべきだと思いますし、低線量被ばくによる諸症状の説明もつきます。

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(田中一郎コメント)

 このホット・パーティクルですが、サイズは様々です。そして、そのサイズが小さいもの=いわゆるナノサイズ・ホット・パーティクルは、中でも要注意ではないかと思われます。何故なら、血管やリンパ管などの中に入り込み、全身を駆け巡ぐる可能性があり、その場合の挙動が良くわからないからです(下記参照)

 

●(セミナー報告)PM2.5とナノ粒子=次世代へのリスクを減らすために知っておきたいこと (& ナノサイズの放射性物質=ホットパーティクルの危険性を推測する)  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/pm25-e3f5.html

 

4.NO.4 瓦礫を燃やした結果(『被ばく列島』 小出・西尾著』)

 

(以下、一部引用)

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 こういう低線量のところに住むことは、単純に空気中の問題だけではない。例えば瓦磯を北九州市が行って、燃やした。2013年1月15日の九州各県(佐賀県・福岡県・長崎県・熊本県)の空間線量率グラフを見ると、見事に福岡県だけが、瓦磁を燃やしているので高くなっています[図表21]。周辺の他の3つの県は、0.05マイクロシーベルト/時ぐらいで平坦に推移しているのに、福岡県だけが高い。

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(田中一郎コメント)

 放射能の管理は「徹底して閉じ込める」です。放射能汚染がれきを全国にばら撒いて燃やす、など、放射能のことを知らない馬鹿ものがやることです。何が「絆を大切に」ですか。放射能汚染と放射線被曝に有権者・国民を「慣らす」ための、原子力ムラ代理店政府のロクでもないたくらみです。馬鹿なことはやめさせなければなりません。お上や政府のやることは間違いがない、などと考えていることが間違いです。原子力時代にそんなことを信じていたら、殺されてしまいます。

草々

 

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