「食べて応援・買って支援」(放射能に汚染されたもの・汚染の危険性があるものを食べても)は、原発事故被害者への応援・支援にはならない。
前略,田中一郎です。
日本政府が総力で取り組む、おかしな、おかしな、「食べて応援・買って支援」運動について、以下に簡単にコメントいたします。
● 農林水産省-「福島県産食品の即売会」及び「食べて応援する会」の開催について
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/ryutu/141017.html
相も変わらぬ「安全安心キャンペーン」が繰り広げられています。困ったものです。放射能に汚染されたもの(汚染されている危険性があるもの)を買って食べても、応援・支援にはなりません。そもそも、そんなことを自発的にする一般の消費者・国民はあまり多くありませんし、する必要もありません。
(1)福島県産のみならず、広く東日本に広がる放射能汚染地帯から獲れる農林水産物、あるいは加工食品については、飲食品の残留放射能検査が不十分極まりなく、未だ安全が確保されたとは言えない状態です。そもそも検査機器類の数・検査員の数が絶対的に不足しており、流通している食品はほとんど無検査の状態で流通しているのが現状です。唯一の例外が福島県産のコメで、一応、放射性セシウムについてだけですが、全袋検査が行われています。しかし、福島県産以外のコメはほとんど検査されておりません。隣の栃木県産のコメなどからは無視できない放射性セシウムが検出されたりしています。
くわえて、放射性セシウム以外の放射性核種が無視されているのは大問題です。放射性セシウムだけを調べていても、放射能の危険性は除去できません。特に福島県沖のみならず隣接する宮城県や茨城県などの沖合で獲れる海産物は、放射性ストロンチウム等の放射性セシウム以外の放射能汚染が非常に懸念されるところです。絶対に買って食べないよう、ご注意ください(水産物の場合には、産地偽装も要注意です。水産庁や消費者庁など、政府は産地表示偽装を本気で取り締まる意思はありません)。
また、少し前には、汚染されていない大根を使って、切干大根をつくったところ、空中をただよう放射性セシウムで、大根を干している間に汚染されてしまって、数千ベクレル/kgの放射能汚染になって出荷できなくなった話も福島県から伝えられました。生鮮のみならず、加工食品についても要注意と言えるでしょう。(一般的に、乾燥させたものは危険性が高いです)
更に、2012年4月に厚生労働省が定めた飲食品にかかる放射性物質(といっても放射性セシウムだけですが)の残留規制値は、とてもじゃないですが、食品の安全を担保するものではありません。放射線に感受性の高い妊婦(胎児)や子どもに対する配慮もほとんどされておりません。はっきり言って危険です。食品の残留放射能規制値をクリアしているからと言って、安全であるなどと言うことはありません。
政府は、3年半も飲食の放射能汚染検査体制を拡充させずに放置し、放射能の残留規制値を見直すこともなく、消費者・国民に無用の放射線内部被曝を強要しています。許されないことです。日本政府の放射線防護対策・被ばく医療対策は、「悪の帝国」と言われた旧ソ連よりもひどい最悪の状態です。
(2)福島県の漁協は、福島県沖での漁業を止めるどころか、更に拡大しようとしています。危険極まりない話です。福島第1原発からは、地下水を経由して、毎日のように猛烈な放射能汚染水が海に漏れ出ているのです。わずかばかりの漁獲物について、放射性セシウムだけを計測して、それで安全だなどと、何を言っているのか、ということです。放射性ストロンチウムが懸念されています。福島県沖合いの漁獲物は絶対に買って食べてはいけません。また、福島県のみならず、茨城県及び宮城県も含め、少なくともこの3県の沿岸・沖合での漁業は当分の間、休漁とし、それによって被害を受ける漁業者に対しては万全の賠償・補償をすべきです。そして、かようなことをしていないで、海洋生態系の放射能汚染による影響の大規模な観測体制を一刻も早く確立すべきです。(福島第1原発の汚染水問題を早く解決すべきことは申し上げるまでもありません)
(3)「食べて応援・買って支援」の「安全安心キャンペーン」のねらいは、第一に、加害者・東京電力や事故責任者・国の原発事故被害者に対する賠償・補償の負担を軽減すること(消費者・国民が放射線被曝を覚悟して「食べて応援・買って支援」をしてくれれば、それだけ被害者の被害金額は減少し、加害者・責任者が賠償・補償する金額は少なくて済みますし、また、被害者の仕事や家業再建もそれだけ容易なものになるでしょう。つまり、「食べて応援・買って支援」は、加害者・東京電力や事故責任者・国の賠償・補償責任の多くを一般の消費者・国民に転嫁するものに他なりません。
第二に、被害者への賠償・補償や再建支援は、加害者・東京電力や事故責任者・国が責任を持って誠実に遂行すべきものですが(現在のところ不誠実極まりなく、無残にも多くの被害者が切り捨てられています。特に、旧警戒区域外(20km圏の外側)の放射能汚染地域の方々がひどい状態に置かれています)、「食べて応援・買って支援」を実施することで、その責任をあいまいにすることができます。福島県の電力を使っていたのは遠く首都圏の消費者だったのだから、首都圏の消費者も、少しは福島県産のものを買って食べてほしい、そんな声もちらほら聞こえます。
しかし、これは筋違いの話であって、あくまで原発事故の責任は加害者・東京電力や事故責任者・国が負わなければならないことです。むしろ首都圏を含む一般の消費者・国民は、福島県をはじめ東日本に広がる多数の原発事故被害者への賠償・補償や、救済・再建のためには、天文学的な金額の費用が必要となることをきちんと認識し、その金額がいかほどになろうとも、言い換えれば、国の財政負担がいかほどになろうとも、きちんと被害を受けた方々に、その被害を回復していただけるだけの費用を投じる「覚悟」をすべきなのです。決して、放射能に汚染された・汚染されている危険性のあるものを食べる「覚悟」が求められているのではありません。判断を間違っていはいけないのです。
(4)「食べて応援・買って支援」は、福島県をはじめ原発事故被害に見舞われた地域の食品産業の復旧・復興を目に見える形にしたいという意図も込められています。しかし、放射能汚染が消えていない中で、とりわけホット・スポットといわれる高濃度汚染の地域では、とてもではありませんが、農林水産業を含む食品関連の事業は無理というものです。それを放射能汚染はなくなってしまったかのごとく、放射能や放射線被曝は少々なら大したことはないかの如く、でっちあげの「安心・安全」を創造して、原発事故からの完全復旧・復興を演出しようとしているのです。これもまた、加害者・東京電力や事故責任者・国の責任と賠償・補償負担回避を目的としたもので、倫理・道徳的にも、ものごとの道理としても、健康上から考えても、本来の復旧・復興のあり方から考えても、経済的な面からも、許されるものではありません。
みなさま、「食べて応援・買って支援」などを相手にするのはやめましょう、放射能で汚染された食べもの・汚染されている可能性のある食べ物は断固として拒否し、それに代わって、原発事故で被害を受けられた方々への万全の賠償・補償と、再建支援が実現するよう、全力を挙げて行きましょう。何故なら、上記で申し上げたように、「食べて応援・買って支援」は、結局は被害者の方々を応援・支援することにはならず、いたずらに賠償・補償問題を長引かせ、加害者・東京電力や事故責任者・国の責任をあいまいにする結果となるからです。
だまされません「食べて応援・買って支援」、うそつくな「安全安心キャンペーン」
草々
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(*^・ェ・)ノ コンチャ♪
「放射性核種の入った食品を食べて応援」
これって、素人でもおかしいって思うはずなんだけどね。
100ベクレルとは、たった一秒間に100回放射線を出すって意味。
体からでるまで放射線を出し続け、DNAの鎖も焼き切ってしまう。
正常な細胞がやられ続けてガンになる。
汚染地域の食品は、もう食べられない。被ばくする。
「原発事故で被害を受けられた方々への万全の賠償・補償と、再建支援が実現するよう、全力を挙げて行きましょう」
同感です。
ここから目をそらすための「食べて応援」だと私は思います。
東電の社長も官僚も訴えられていない、責任を追及されていない。
この人達は放射性物質の入った食事など「していません」
食べていないんですよ!被ばくするから食べていないのです。
投稿: メメ | 2014年10月27日 (月) 17時19分