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2014年10月29日 (水)

(その2) 新刊書ご紹介 『被ばく列島』(小出裕章・西尾正道著:角川ONEテーマ新書):放射能と被ばくに関する基礎知識や必須情報が平易な「対談」言葉の中に満載、必見です

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

(昨日のメールの続きです:最初の部分は昨日のメールをコピー&ペーストしておきます)

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「天高く馬肥ゆる秋」は「読書の秋」です。その秋にぴったりの好書が出ました。下記にご紹介する『被ばく列島』(角川ONEテーマ新書)が、まさにそれです。私たち脱原発・脱被ばく市民にとっての必読書です。放射能と被ばくに関する基礎知識や必須情報が、平易な「対談」言葉の中に満載されています。著者は、脱原発・脱被ばくの世界で著名なお二人=小出裕章京都大学原子炉実験所助教と西尾正道元(独)国立病院機構北海道がんセンター院長です。

 

以下、複数回に分けて、この新書から、私が特に注目すべき重要箇所と思った部分のうち、ほんの一部だけを取り出して皆様にご紹介申し上げます。このメールが、みなさまの秋の食欲とともに、この新書への読書欲をかきたてることを願っております。

 

 <新書ご紹介>

●『被ばく列島』(小出裕章・西尾正道著:角川ONEテーマ新書)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033163383&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 <別添PDFファイル>

(1)NO.5 ガラスバッジの罠 (『被ばく列島』 小出・西尾著』)

(2)NO.6 除染についても物申したい (『被ばく列島』 小出・西尾著』)

(3)NO.7 放射線の概念とその単位 (『被ばく列島』 小出・西尾著』)

(4)NO.8 海洋汚染は、なぜ深刻か (『被ばく列島』 小出・西尾著』)

 

1.NO.5 ガラスバッジの罠 (『被ばく列島』 小出・西尾著』)

 

(以下、一部引用)

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 放射線が当たったバッジの中にある特殊なガラス素材は紫外線窒素レーザーを当てると発光する(ラジオフォトルミネッセンス現象)ので、その蛍光量を測定し、被ばく線量を測ります。しかしこのガラスバッジは放射線の方向性に絡んできますし、背後からの放射線は体を通過してからガラスバッジに当たりまずから減弱して測定されます。また外部被ばくの線量は、1センチメートルの深さの線量で代替えするので、空間線量率からの計算と比べると低い値となり、被ばく推定値の約60%となります。

 

 事故直後のように線量が高い場合は、ガラスバッジはそれなりに被ばく線量の評価手段として使用できます。しかし3年も経過した今では、実際に被ばくした線量の4分のl程度しか出ないし、さらに線量が低い地域では感光限界(100マイクロシーベルト)の問題もあり、20分のl以下となるともいわれています。低く出た測定値を振りかざして為政者は帰還政策の1つとして利用しようとしているのです。ガラスバッジで低い測定値を根拠に帰還を促す罠には気をつけてもらいたいと思います。

 

 実際にいろんな職種がガラスバッジを使っていますが、最も被ばくしている診療放射線技師でも平均0.8ミりシーベルトで、医師は0.31ミリシーベルトです。またこうした職業被ばくをモニタリングしている人たちは、放射線防護の教育訓練や健康診断が義務づけられています。そういう点では、ガラスバッジを配って、少ないからといって、帰還させようとしていますが、これ自体も大変大きな問題です。ガラスバッジを持っている人は、職業被ばくの範疇として考えて、放射線についての教育訓練と最低限年1回の健康診断をするのが筋です。

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(田中一郎コメント)

 ガラスバッジは、利用の仕方による様々な理由から、放射線被曝の実態よりもかなり低い値を示すものだということはわかっていましたが、ガラスバッジ自体が上記のように、そもそも被ばくの実態を表さないものであることは知りませんでした。高線量域で使った場合で実態の約60%程度、低線量域だと実態の約1/4以下、ひどい場合には1/20以下だというのには驚きです。こんなものをシロウトの地域住民に持たせて、あたかも放射線被曝の量がたいしたことはない、十分に低いと信じ込ませて帰還を促すなどということは、これはもう犯罪ですよ。単なる詐欺ではなく、詐欺ならびに殺人・傷害罪です。

 

 それから、このガラスバッジによる被ばく量の測定は、内部被曝がカウントされていないことに十分な注意が必要です。食べものからくる内部被曝を仮に問わないとしても、放射能汚染地帯に居住すれば、呼吸による被ばくや皮膚の傷口から侵入してくる放射性物質による被ばくは、累積すると相当に大きなものになってしまいます。特に妊婦や子どもたちの呼吸被ばくは非常に懸念されるところです(最近では、福島県その他の放射能汚染地帯であっても、マスクもしなくなったし、ちりやほこりが舞い上がるような校庭やグランドで体育の授業や部活、各種スポーツや運動会などがなされていると聞いています。やめた方がいい、危ない限りです)。恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)の危険性は、何度強調しても言い過ぎることはないようです。

 

 福島県の浜通り地方・中通り地方のみなさま、そして、それ以外の都県のホット・スポットや放射能汚染地帯に居住されているみなさま、一刻も早く避難・疎開・移住をされてください。このままでは危険です。(千葉県の事例ですが、下記のようなことが危ないことの一つであり、また、日常茶飯に起きます)

 

● 枯れ木燃やし煙 児童14人搬送 NHKニュース

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141028/t10015752551000.html

 

2.NO.6 除染についても物申したい (『被ばく列島』 小出・西尾著』)

 

(以下、一部引用)

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 また除染に関しては無駄なことをしています。政府は除染の目的は50%といっているが半減期約2年のセシウム134の時間的な減弱が40%、10%が除染作業で、トータル50%という、そんな馬鹿げた計算をしているわけです。安心安全プロジェクトの吉田邦博さんの実測データでは、家の外壁と室内の内壁を比較すると、壁の遮蔽率は12%程度ですし、除染前と除染後の比較では低減率は25%です。しかしこの低減率の20%は半減期2年のセシウム134の自然減弱によるものです。

 

 (中略)また、つねに政府や行政のやっていることは、後出しジャンケンです。だから人間では体表面汚染が6000CPM(カウント・パー・ミニッツ)以上は除染が必要とされていますが、SPEEDIのデータ公開を止めた県知事は、2011年3月13日には1.3万CPMまでOKとし、さらに翌14日には基準を10万CPMにまで引き上げました。とんでもない数値です。

 

 また政府は年間1ミリシーベルトを、これは無理だと思ったら、20ミリシーベルトに上げる。作業員は緊急時100ミリシーベルトだったのが、急逮250ミリシーベルトまで上げる。・・・・・

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(田中一郎コメント)

 できもしない除染を、なんとかちょろまかして、できているように見せかけようとしているのがよくわかります。少なくとも半減期が比較的短い放射性セシウム134や、その他の1~5年くらいの半減期の核種が自然減衰するのを待っていればいいものを、ゼネコンをはじめ原子力ムラ団体や業者を使って、除染と称する「移染」をやり、巨額の財政資金を浪費しているわけです。そんなお金は、被害者の方々の避難・疎開・移住のために使えばいいのです。

 

 それから、「後出しじゃんけん」もインチキの一種です。つまり、原子力の世界は原発も放射能も被ばくも、何から何まですべてインチキ、ペテン、ゴマカシ、隠蔽、矮小化、歪曲、過小評価、根拠レス、楽観等々、およそあらゆる単語を並べても足りないくらいの出鱈目が「てんこ盛り」です。要するに、原子力ムラ・放射線ムラが、有権者・国民・市民や地域住民を「なめてかかっている」「馬鹿にしている」「虚仮にしている」ということです。

 

● 被曝限度20ミリシーベルト (/年) なんて,とんでもない(1) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/20-36a0.html

 

● 被曝限度20ミリシーベルト(/年)なんて,とんでもない(2) いちろうちゃんのブログ http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-9848.html

 

 チェルノブイリ原発事故後、国際原子力マフィアの一角である国際放射線防護委員会(ICRP)は、どうにも手がつけられない放射能汚染と人々の被ばくについて「現存被爆状況」なる言葉を「開発」しました。なんだか自然現象のようですね。しかし、その「現存」なるものは、自然現象でも神様からの賜りものでもありません。やらなくてもいい原発・核燃料施設を運転して、しかも設計上の欠陥(チェルノブイリ原発事故、スリーマイル島原発事故)やずさんな安全管理(福島第1原発事故)が原因で過酷事故を引き起こした結果としてそうなっているのです。「現存」などという言葉がふさわしくない、ものごとの本質や実態を表現していないのは明らかですね。たとえば、「原発事故被爆状況」とか「安全管理手抜き過酷事故被爆状況」とか、表現されてしかるべきものです。

 

 きわめつけは、原発・核燃料施設の過酷事故がない状態での放射線被曝のことは「計画被爆状況」などと称していることです。つまり、原発を動かして、地域住民や作業員らを計画的に被ばくさせますよ、と言っているわけです。その背景にある考え方は「ちょっとぐらい被ばくしたって、大したことはねえんだから、なんで被ばくがよくねえんだよ」という、原子力ムラ・放射線ムラの「居直り」です。ふざけんじゃねえ、とやり返しましょう。「計画被曝状況」は「加害被曝状況」とか「計画的加害被曝状況」と言い変えましょう。

 

● 放射線防護の最適化-現存被ばく状況での運用- -首相官邸ホームページ-

 http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g36.html

 

(いわゆる「ALARA」原則などが説明されています。簡単にいえば、放射線被曝防護や除染などは、「カネや費用がかかるから、ほどほどにしとけ、ちょっとくらいは我慢しろ」ということです。「じゃかましい」と言い返しましょう。「放射能で環境を汚した奴が、さっさとそれを元通りに戻せばいいだけの話だ、費用は、汚した奴が負担するのは、あったりまえだ」と更に言い返しましょう:田中一郎)

 

3.NO.7 放射線の概念とその単位 (『被ばく列島』 小出・西尾著』)

 

(以下、一部引用)

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 放射線に関する単位と概念のまとめを図表27に示しますが、人体の影響を考える場合の実効線量シーベルト(Sv)は、吸収線量(Gy)× 放射線荷重係数×組織荷重係数、となります。なお、1Sv=1、000mSv=1,000,000μSvです。人体への影響は単にSvの単位を用いて考えています。しかし、実際の影響は、時間的因子(急性か慢性か)、被ばくした範囲(全身か局所か)、被ばく形態(外部被ばくか内部被ばくか)によりその影響は異なります。

 

 ところで、医療法や放射線障害防止法では放射線発生装置を設置している病院などの放射線管理区域は、3カ月で1.3ミリシーベルト以上、管理区域の境界から出していけないと決まっています。放射線管理区域では労働基準法で18歳未満の就業は禁止され、また医療法では飲食が禁止されていますが、今は妊婦も子どもも住まわして、飲み食いもさせているという状態です。労働基準法違反や医療法違反をしている異常な事態です。

 

 また調べていて分かったことは、ICRPが年間1ミリシーベルトを一般公衆の基準にしているのですが、日本にはこうした基準はなく、原子力規制の法律において原発敷地外には年間1ミリシーベルト以上出してはいけないという法律があるだけです。

 

 (中略)セシウム137のエネルギーは662キロエレクトロンボルト(KeV)です。(人間の体内の水の水素と酸素の結合エネルギーに比べて:田中一郎が補記)約10万倍高いエネルギーです。なぜこんなに違うエネルギーの問題を考えないのか。海洋汚染の問題でトリチウムは分離できず大量に海に流出していますが、最近になって政府はトリチウムのエネルギーは低いので人体への影響は少ないと弁明していますが、冗談ではない。

 

 トリチウムの平均エネルギーは、57KeVぐらいですから、体内の電気信号の約1、000倍です。原発稼働により、トリチウムは事故が起こらなくても大量に海に出されていますから、周辺地域の人たちの健康被害はトリチウムが関与していると私は考えているくらいです。

 

 (中略)それから30~40年前は中性子線による放射線治療の研究がなされました。それは、同じエルギーでも普通のX線やγ線、β線より1.7倍くらいの殺細胞効果がある。同じ放射線の量でも1.7倍くらい細胞に障害性を持つということで中性子線が注目されました。しかし深部に到達することが難しかったので中性子線治療は止められ、今やられているのは、陽子線とか炭素イオン線を使った粒子線治療です。

 

 (陽子線とか炭素イオン線などの粒子線治療装置は:田中一郎が補記)X線やγ線、F線に比べて、1.1~3倍程度の強い効果があるとされています。それは線エネルギー付与(LET=リニアエネルギートランスファー)という言葉で説明されますが、同じエネルギー量の放射線でもどんな放射線の種類かによって軌道内の電離密度の違いがあり、細胞障害性が違います。炭素イオン線などは高LET放射線で、通常の診断用に使用するX線は低LETの線質です。核反応生成物は最も高いLETの線質です。従って、より影響が強いのです。

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(田中一郎コメント)

 大事なところです。要するに、シーベルトなどという放射線被曝の単位は内部被曝の実態を表していないということです。放射線被曝を考えるときは、難しく考えるのをやめましょう。ポイントは、αだろうが、βだろうが、γだろうが、Xだろうが、およそ放射線はものすごいエネルギー(勢い)を持っていて、人間の体にぶち当たると、それをめちゃくちゃに壊してしまうということです。人間の体を造っている細胞、その細胞を造っているさまざまな分子は、いわゆる水素とか酸素とか炭素などの原子(元素とも言います)が結合してできていますが、その結合のエネルギー(結びあう力)に比べたら、放射線のエネルギーはすさまじく大きいということです。

 

 これを直感的に理解するには、猛烈な勢いで飛んでくる硬式野球のボールを自分の顔面で受け止める事を想像してみてください。ボールのエネルギーは顔面にぶち当たることで、顔面に吸収されます。しかし、あなたの顔面は、そのおかげでボロボロになるでしょう。それと同じようなことが放射線被曝なのです。あるいは、燃え盛るまきストーブの横で暖をとるのが外部被曝、そのストーブの燃え盛るまきを口から飲み込むのが内部被曝です。さぞ、熱いことでしょう。

 

●(増補版) 放射線被ばく評価の単位 「シーベルト」 への疑問 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-9ead.html

 

● 放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか? いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html

 

 それから、上記で出てくる中性子線のことですが、この中性子線の殺傷力を利用したものが「中性子爆弾」です。中性子爆弾は、原爆や水爆などの他の核兵器とは異なり、建造物を破壊せず、その中にいる人間を含む生物を皆殺しにする爆弾として開発されたと、かつて言われていたことがあります。最近では、あまり聞かなくなりました。また、この中性子線の危険性が注目されたのが、1999年の茨城県東海村でのJCO臨界事故です(JOCではありません。それは日本オリンピック委員会のことです。JCOです)

 

● 東海村JCO臨界事故 - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%9D%91JCO%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85

 

4.NO.8 海洋汚染は、なぜ深刻か (『被ばく列島』 小出・西尾著』)

 

(以下、一部引用)

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 しかし現在のような放射能汚染水の流出が発表される前のものですから、今はもっと深刻だと思います。海洋汚染の情報をキャッチしている情報大国の米国は2013年の7月に、緯国は9月に日本の海産物の輸入を規制しました。韓国が規制した時に新聞は大きく取り上げましたが、実は米国が7月にいち早く規制し、9月にはさらに規制を拡大しています。報道されませんが、本年(2014年)5月23日現在、63カ国において放射性物質による汚染に関わる輸入規制が行われています。

 

 (中略)(放射性ストロンチウムが:田中一郎が補記)神経細胞間の神経伝達物質の組成成分の1つであるカルシウムと置換し、本来の神経伝達物質としての機能を果たせなくなる。そういうことで何が起こるかというと、自閉症スペクトラムの症状に似た発達障害を生じるという可能性です。ストロンチウムも発がんだけでなく発達障害に関与している可能性も考える必要があります。

 

 (中略)核分裂は基本的には、質量数約130~140のセシウムやヨウ素と質量数約90前後のストロンチウムなどにほぼ等分に分裂して自然界に出されますので、ストロンチウムは大量に海に行っています。測定していないだけの話です。またストロンチウムは骨に取り込まれますから、白血病などの骨髄疾患の発症をもたらします。そのためセシウム以上に純β核種のストロンチウムのほうが実際には深刻だと思っています。

 

 (中略)セシウムは体内ではカリウムと類似した動態ですので、カリウムとチェンジすることによって、心筋の伝導障害を起こし、ポックリ死の原因となります。年をとってから冠動脈の血管障害で心筋梗塞を起こすのとは違って、不整脈や心伝導系の障害を起こします。カリウムは多くても少なくても心拍の異常をきたします。米国では死刑執行にカリウムを点滴し心臓を止めています。

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(田中一郎コメント)

 汚染水による海洋汚染で最も懸念されるのが放射性ストロンチウムです。この問題については、下記の諸点を追記しておきます。

 

(1)放射性ストロンチウムは、人間の体内に入ると骨や歯に蓄積するとともに、容易には体外に出てきません。従って、放射性ストロンチウムを摂取し続けると、どんどん体の中に蓄積してたまって行くことになります。しかも、その蓄積する場所が骨ですから、人間の体内でも最も細胞分裂が盛んな場所である骨髄が半永久的に被ばくさせられることになってしまいます。人間の体内では、偏りはあるとはいえ、1か所に集中することなく全身に広がって蓄積し、一定期間を経ると、相当程度体外に出ていく放射性セシウムに比べると、放射性ストロンチウムの危険性はかなり大きいと考えていいでしょう。

 

(2)また、放射性ストロンチウムについては、放射性物質としての危険性ではなく、化学的性質としての危険性も考慮することが大事だということ=つまり、放射性ストロンチウムと類似の化学物質であるカルシウムと、人間の体内で入れ替わってしまう可能性があるということです。その結果が、神経伝達組織での機能障害などで(これに限らない)、放射性ストロンチウムの恐ろしい毒性は倍加されるのです。更に、科学者の中には、放射性物質の化学毒性と放射性毒性は、いわゆる「相乗効果」を引き起こし、単純に1+1=2ではなく、3にも4にも、なってしまう可能性もあると指摘している人もいます。

 

(3)にもかかわらず、放射性ストロンチウムは、放射性セシウムの1/10程度で見ておけばいい、などという非科学的・非実証的な出鱈目な理由づけで、まともに調査・検査されておりません。福島第1原発事故から3年半もたつというのに、放射性ストロンチウムの調査・検査体制は全くできておりません。ご承知の通り、福島第1原発から放射性ストロンチウムを含む大量の汚染水が毎日のように海に流れ出しており、海洋生物群にそれが蓄積し、生体濃縮を引き起こしていることはまず間違いありません。東日本産の海産物を食べることは危険です。福島沖や茨城沖あるいは宮城沖などでの漁業は、いわゆる試験操業も含めてやめさせなければなりません。わずかばかりの漁獲物の放射性セシウムだけを調べていても、放射能汚染の実態はわからないのです。

 

(4)放射性ストロンチウムの調査・検査をするのは大変だ、などの理由を付けて、危険極まりない放射性ストロンチウムの調査・検査を棚上げにしてしまっていますが、そもそも放射性ストロンチウムの検査方法が簡易化されてきていること、放射性ストロンチウムに限らず、まず「ベータ核種トータル」で調べてみて、そこで高い値が出たものを更に綿密に調べるという方法もとれること、そして何よりも、放射性ストロンチウムを溜めこみやすいもの=野生生物や被ばく牛・家畜や海洋生物などの骨や歯を定期的に採取してしらべていけばいいのです。たとえば、福島県をはじめ、関東・東北各地の家畜の屠畜情に行けば、大量の家畜の骨があるでしょう。それを定期的に調べる方法だってあるではないですか。

 

●(セシウムの百倍の危険性) 放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-cc7b.html

 

(5)それから上記で言及されている海外諸国の放射能汚染食品に対する輸入規制の概要は下記の農林水産省のサイトをご覧ください。アメリカの輸入規制については、何にも言えない日本政府の人間達・自民党や民主党の政治家達が、日本にとっては大切な隣国・韓国の輸入規制については、理不尽きわまる高圧的な態度で「規制を撤廃せよ」などと暴言を吐いています。この国の政府・役人は、人間のクズのような連中です。

 

● 農林水産省-東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応

 http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/hukushima_kakukokukensa.html

 

●諸外国・地域の(輸入)規制措置(2014年10月1日現在)

 http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/pdf/141001_kakkoku_kisei.pdf

 

 それと、もう2つ。

 西尾正道氏(元(独)国立病院機構北海道がんセンター長)がお書きになっているように、原子炉内にある核燃料はウラン235やプルトニウム239などですから、だいたい230~240くらいの質量数(原子核の陽子と中性子の数の合計)ですので、これらが核分裂をしてできるのは、放射性セシウムや放射性ヨウ素などの質量数が130~140くらいの放射性元素と、放射性ストロンチウムなどの質量数が90くらいの放射性元素です。この2つの合計が、だいたいで230くらいになっているということです。つまり、核分裂して出てくるのは、放射性セシウム・放射性ヨウ素などと、放射性ストロンチウムなどは、だいたい量的に似たようなものだ、ということを心得ておいた方がいいということです。(質量数の数が合わない分(約10弱)は放射線になって飛んでいく、と解釈できます)

 

 それから最後の記述、セシウムとよく似た物質のカリウムですが、米国で死刑執行=心臓を止める に使われているというのは、いかにもショッキングな話ですね。そのカリウムに似た放射性セシウムが心臓に侵入してくれば、心臓ショック=心筋梗塞を引き起こして突然死する、というのは十分に理解できる話です。いわゆるセシウム心筋症(突然死)は、チェルノブイリ膀胱炎や甲状腺がん、白内障や白血病、それに小児糖尿病や死産・流産などとともに、チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国で多発し、いまや放射線被曝による健康障害の大きな経験・教訓となっています。

草々

 

 

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