(報告)住宅支援と健康調査に関するシンポジウム・政府交渉(10/8:「子ども被災者支援法」)
前略,田中一郎です。
さる10/8(水)に参議院議員会館で「住宅支援と健康調査に関するシンポジウム・政府交渉」が開催されました。別添PDFファイルは、その際に会場参加者に配布された資料です。以下、簡単にご報告いたします。
<別添PDFファイル>
(1)原発事故被災者に係る生活・住宅支援、健康診断及び健康影響調査、医療支援を求める要請書(2014年10月8日)+「案内チラシ」
「rejime1_youseisyo.pdf」をダウンロード
(2)住宅支援と健康調査・医療支援に関する新法の制定をめざして(海渡雄一弁護士:2014 10 8)
「rejime2_kaito.pdf」をダウンロード
(3)避難者に対する自治体の支援策及び住宅問題等に関する調査(中山均氏 2014 10 8)」
<イベント案内>
● 子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク 情報ブログ 10-8(水)「原発事故子ども・被災者支援法ー住宅支援と健康調査に関するシンポジウム&政府交渉」/東京
http://kodomozenkoku-news.blogspot.jp/2014/09/108.html
<録画:ユーチューブ>
(1)▶ 20141008 UPLAN【第1部・シンポジウム】原発事故・子ども被災者支援法 住宅支援と健康調査に関するシンポジウム・政府交渉 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9S1xALof7tY
(2)▶ 20141008 UPLAN【第2部・酷い政府交渉】原発事故・子ども被災者支援法 住宅支援と健康調査に関するシンポジウム・政府交渉 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ARnTpz0jz_I
(3)住宅支援と健康調査の政府交渉~子ども被災者支援法 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人
アワープラネット・ティービー
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1838
<参考>
(1)「子ども被災者支援法」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24HO048.html
(2)こども いのち: #子ども被災者支援法 ブログ
(3)支援法とは SAFLAN 福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク
(4)10-8 原発事故・子ども被災者支援法 住宅支援と健康調査に関するシンポジウム・政府交渉 ナカヤマヒトシ通信
http://green.ap.teacup.com/nakayama/793.html
(5)祐児三輪 さんのアップロード動画 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA
みなさま、ご承知の通り、福島第1原発事故の加害者・東京電力は言うまでもありませんが、原発事故について重大な責任のある政府や福島県庁、更には一部の市町村・基礎自治体などの政治や行政の、原発事故被害者への対応はひどいものがあります。被害者が放射能による被ばくを避けて、生業・家業や仕事、生活や居住や学校生活、あるいは人間関係や精神的な安定回復など、およそ被害・被災から立ち直るために当然なされてしかるべきことが、最も基本中の基本である賠償・補償をはじめとして、「子ども被災者支援法」という立派な法律にうたわれた「法定事項」でさえもがないがしろにされ、棚上げにされ、足蹴りにされ、遅々として進んでおりません。
一方では、原子力安全神話に代わる放射線安全神話を御用学者を中心に、政府・自治体・国際原子力マフィア・マスごみらが一体となって「広宣流布」につとめ、放射線防護や被ばく医療のためのなすべきことをせぬままに、日々、無内容ないしは虚偽の安全安心キャンペーンを繰り広げている現状にあります。福島県だけでなく、東日本の放射能汚染地帯一体に広がって居住を余儀なくされている被害者の方々は、もう我慢の限界に来ています。先般は、飯館村村民の7~8割の人達が、この状況に耐えかねて、怒りの告発・損害賠償請求に立ち上がられることが伝えられています。
今回の集会は、主として「子ども被災者支援法」に定められた「住宅の確保」と「被ばくに関する健康調査や医療」を中心に、現状における被害者救済の行政措置の抜本見直しや、被害者の声をしっかり聞く・施策に反映させるなどの「救済の進め方」の見直しなど、「子ども被災者支援法」の精神に舞い戻って、その基本方針の抜本見直しや、新たな被害者救済立法を求めるために開催されました。
別添PDFファイルの「原発事故被災者に係る生活・住宅支援、健康診断及び健康影響調査、医療支援を求める要請書」は、まさにこの集会の主旨をコンパクトに適切に記載しており、みなさまには、ぜひとも目を通していただきたいものです。私は、ここに書かれていることに目を通し、これらはまさに、福島第1原発事故の被害者の(加害者・東京電力や事故責任者・国による被害者救済措置の出鱈目に対する)悲痛の叫び・抗議の声明であり、また、心の底からの怒り・憤りと、かくの通りせよ、という強い要請であり意思表示であると受け止めました。そして、この要請書の背後には、様々な事情でこの集会に来ることのできなかった、それはそれはたくさんの被害者の方々の悲しみ・苦しみ・苦難と未来への希望を返せという、訴えがあるのだと感じました。
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さて、当日は、主催者が招いた2人の方より、上記別添PDFファイルにある報告がなされています。この2つも、みなさまには必見していただきたい、タイムリーで核心的ですぐれた内容であり、まさにGOOD
JOBなのです。
そのうちの一つは、海渡雄一弁護士による「住宅支援と健康調査・医療支援に関する新法の制定をめざして」という、被害者救済を求める(政府の責任を明確にした)新法の制定運動への支援の呼びかけです。原発事故の被害は、他の天災被害からの復旧・復興のように、いずれ時間が経過すれば成就していくというものではなく、放射能汚染という事故後においても、事故が半永久的に続いていくような、取り返しのつかない悲惨な事態が継続していきます。今の政府や一部自治体は、それを承知の上で猛烈な放射能汚染の中で、住民に「我慢して居住を続けろ」とばかりに、被害者を「兵糧攻め」にし、放射線被曝を強要しています。しかし、そんな出鱈目な人権蹂躙のようなことは許されるはずもありません。日本の政治や行政を一刻も早く正常なものに転換させ、海渡雄一弁護士がおっしゃるように、遅れている被害者救済の法的なしっかりとした対策や措置を、追加的に拡充させながら実施していく必要があるのです。
私は、海渡雄一弁護士のご説明を聞いて、これまで日本の法曹界や司法が携わり解釈してきた「損害の賠償や補償」の考え方が、より被害者に近づき、根本的に変わりつつあるのではないかと感じました。もし、海渡雄一氏が説明することが実現していくならば、日本の法律も、その運用も、より有権者・市民や被害者に寄り添う、その権利を守ることを第一義にする、よりよき「法の風土」が出来上がってくるだろうな、と思いました。
しかし、私は、まだそれでも、原発事故と言う未曽有で地獄のような苦しみに被害者を陥れる悲惨な事態(=重大なる犯罪行為)からの被害者救済のあり方として、不十分さを払拭できなかったので、当日、会場では「日本の法律界の賠償・補償の考え方を、徹底して被害者の立場に立つ、これまでの考え方を180度転換するものに変えることはできないのでしょうか」と質問いたしました、海渡雄一弁護士の回答はとても適切なもので、詳しくは上記録画をご覧下さい(海渡雄一さんには私の無礼を何卒ご容赦いただきたくお詫び申し上げます)。
私は、今進められているような賠償・補償のあり方=加害者・原子力ムラ総本山の文部科学省が黒子として背後にあって、原子力損害賠償紛争審査会や原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)を取り仕切り、被害者への賠償・補償を切り捨てるか、最低限以下に切り詰めるよう暗躍し、その方法として、たとえば、慰謝料(精神的被害賠償)の基準に交通事故の自賠責を使うだの、被害者の財産を個々別々につまみ上げては、時価評価して現金金額を切り詰めるとか、そうした屁理屈の体系としての現在の賠償・補償の「基準」なるものに猛烈な怒りを感じています。賠償・補償は、一からやり直せ、というのが基本ではないかと思っているのです。もちろん、賠償・補償を受けるべき方々は、すべての被害者であり、避難区域の方々だけが賠償・補償を受ければいいというものではありません。
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もう一つの報告は、「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟
福島原発震災情報連絡センターの中山均さん(新潟市議会議員)が、多くの方々の協力を得ながらおまとめになった「避難者に対する自治体の支援策及び住宅問題等に関する調査」の報告です。この内容は、被害者のためにも貴重なもので、まさに時宣を得たGOOD
JOBでした。別添PDFファイルを、中山さんの説明文章とともに、ご覧いただきたいと思います。
特筆すべきは、政府が福島県庁を経由して補助金を交付している事業だけでなく、全国の各自治体独自の判断で避難する被害者を救済している事業があり、これが福島第1原発事故後3年半を経て、そろそろ危なくなっているという点です。また、一覧表の最後には、自治体による「保養支援」(放射線被曝回避)の現状も付記されています。まだまだ「保養」や「避難・疎開・移住」の公的支援が絶対的に不十分である様子が見て取れます。
中山さんのご説明では、今回の東京都の自治体の状況だけでなく、千葉県についても調査を進めていて、追って公表をします、ということでした。ぜひ、今回の資料と併せてネット上に公開していただいて、多くの方々に役立てていただければと思います。
最後に、福島第1原発事故の被害者の方々に、住宅支援、健康調査と被曝医療の十分な無償提供、そして「子ども被災者支援法」のあり方の改善・基本方針抜本見直しや新たな被害者救済立法を含む、被害者救済の法的・行政的措置の拡充を求めて、みなさまにご支援を訴えたいと思います。
草々
<私・田中一郎 の考える被害者救済のあり方>
● 賠償・補償・再建支援:5原則+α(同時代に生きる人間としての使命・倫ここ理)
賠償・補償・再建支援が全く不十分で出鱈目=21世紀最大の人権侵害事件
賠償・補償・再建支援がきちんとならないと被害者はいつまでも救われない
(1)全ての被害者の全ての被害・損害が何の留保条件を付けられることなく全額賠償または原状復帰されること(逸失利益含む)
(2)全ての被害者の生活及び経営が再建されること(費用,段取り,その他の負担のすべてを加害者が負うこと)
(3)上記(2)の再建が確認できるまでの間,全ての被害者の生活及び経営を補償すること
(4)2011年3月11日以降,上記の賠償・補償・再建費用が実払いされるまでの間,電気料金遅延にかかる「遅延損害金」と同利率(10%)の「遅延損害金」が被害者に支払われること
(5)悪質な交通事故被害の場合以上の慰謝料(迷惑料)が被害者に支払われること
(6)(+α)被害者の被害は「お金」に変えられないものも多い。その部分を加害者・東京電力(及び原発メーカー)や事故責任者・国が万全にフォローすること
加害者・東京電力や事故責任者・国は、まず真っ先に、被害者の完全救済を行え。すべてのことは、それからのことだ。これまで原発を容認してきた日本の有権者・国民は、この被害者の完全救済のために、いかほどの公的資金が必要になろうとも、それを覚悟すべきである。放射能に汚染された飲食物を買って食べる覚悟など、必要ない。そんなことは、放射能汚染物を食べた人が内部被曝によって健康を害したり遺伝的障害を生じたりする危険性を背負うだけでなく、加害者・東京電力や事故責任者・国の賠償・補償責任をあいまいにして、ゆくゆくは被害者切り捨てにつながる愚行である。そもそも、厚生労働省の定める食べものに関する放射能残留規制には、科学的実証的根拠などなく、とても安全だなどと言える代物ではない。
繰り返す。加害者・東京電力や事故責任者・国は、福島第1原発事故の被害者の完全救済のため、直ちに賠償・補償を万全に行え。
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