東京新聞・吉田調書シリーズ特集記事に見る福島第1原発事故(その実態と事故原因をさぐる):(6)3号機も水素爆発、ものすごい恨みつらみ
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
東京新聞が9/15よりシリーズで報道し始めた吉田調書(政府事故調による吉田昌郎福島第1原発所長(当時)証言記録)に関する特集記事「調書は語る:吉田昌郎所長の証言」を見ながら、福島第1原発事故の実態とその原因を探ってみたいと思います。第6回目の今日は下記の東京新聞記事です。なお、私のメールでは、このシリーズ特集記事にある、主として吉田昌郎所長証言のあいまいさや、証言から推察される福島第1原発事故深刻化の原因となったであろうことがらを取り上げて、簡単にコメントいたします。
<別添PDFファイル>
● 調書は語る(6):3号機も水素爆発、ものすごい恨みつらみ(東京 2014.9.22)
http://blog.goo.ne.jp/tanutanu9887/e/e2b7df9fc5309fc5bfe33df4474358d3
1.東京新聞記事
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東京電力福島第一原発3号機が、水素爆発を起こした1号機と同様の危険な状態になりつつあることは、吉田昌郎(まさお)所長も重々認識していた。建屋に水素がたまりつつある危険性も。それでも暴走を始めた原子炉はどうにもならず、建屋の上部に行って水素ガスを抜こうにも、放射線量が高く、手の出しようがなかった。結局、3号機も水素爆発を起こしてしまった。(肩書はいずれも当時)
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(田中一郎コメント)
1号機の水素爆発から3号機の水素爆発までは、丸2日間の時間的余裕があったけれども、3号機の水素爆発、そしてそれに続く4号機や2号機(?)の水素爆発をついに止めることはできなかった。1979年のスリーマイル島原発事故において、あれだけ焦眉の大問題となった原発の水素爆発の危険性について、日本の原子力ムラは「それはアメリカでの話だから」とばかりに、軽視してきた結果が今回の事態である。
なお、原発の水素爆発には、次の3種類があり、それぞれについて、水素爆発防止の設備対応が必要であることは言うまでもない。しかし、今般、川内原発を再稼働させんとしている原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の新規制基準においては、この水素爆発防止の対策がまことに心もとない状態にある。このままでは、再びの水素爆発の可能性は否定できない。
(1)原子炉建屋での水素爆発=建屋内に水素を溜めないよう、ブローアウトパネルのような建屋の「窓」を、停電時においても自在に開閉できるようにしておくといいのではないか
(2)使用済み核燃料プールでの水素爆発=使用済み核燃料プールの安全対策の一環で、厳重かつ詳細に検討される必要がある。今現在の原発管理において、最も「手抜き」がひどく、原発が動いていない時であっても、この使用済み核燃料プールの(地震・津波・火山・航空機墜落等での)崩壊による原発過酷事故の可能性・危険性が懸念される。
(3)格納容器内での水素爆発=これが起きると、原子炉の核燃料が粉々になって四方八方に飛び散り、原発周辺は破局的な終末を迎える。こうならないように、実際の原子炉では、格納容器内に窒素ガスを入れておく(沸騰水型原子炉のみ)ことや、ベント装置を機能させるなどなど、さまざまな水素爆発防止対策がなされている。しかし、その有効性については疑わしく、川内原発などの加圧水型原子炉の場合には、格納容器の大きさが大きい(他方で、格納容器の耐圧性が低く=要するに壁の厚みが薄い)、沸騰水型に比べて格納容器が壊れやすい)ことだけを根拠にして「水素爆発は起こりにくい」とし、たとえば格納容器への窒素ガス注入をやめるなど、水素爆発防止対策の「手抜き」がみられる。
また、原発で起きうる爆発としては、次の4つがありうるので、これもテイクノートしておかれるといい。
(1)水素爆発:燃料溶融に至るほどの高温の核燃料棒の被覆管であるジルコニウム金属と水(蒸気)との反応で水素が大量発生する他、溶融核燃料と原子炉構造物の素材であるコンクリートが反応しても(「コア・コンクリート反応」)水素が発生する。
(2)水蒸気爆発:溶融した高温の核燃料が大量の水と触れた時に爆発的な反応を示すことがある。チェルノブイリ原発事故で大問題となった。
(2)一酸化炭素爆発(CO爆発):上記の「コア・コンクリート反応」)では、水素だけでではなく、コンクリートに含まれている石灰岩の炭素と溶融核燃料が反応して一酸化炭素を大量発生させる。一酸化炭素はよく知られた爆発性の気体だ。昨今では、3号機の爆発は、ひょっとすると、この一酸化炭素爆発を伴っていたのではないかという人が出てきた。
(4)核燃料の臨界爆発(即発臨界、再臨界):核燃料が一定量以上、接近しすぎた場合や、核燃料を冷やす水に含まれるボイド(泡)のつぶれ具合で、水の中の中性子が核分裂を引き起こしやすくなり、一気に核分裂反応が進むことがある(臨界爆発)。3号機の爆発はまさにこれだ、という説が有力。
2.東京新聞記事
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(問い)「ベントの準備は」
「圧力が上がって、ラプチャーディスク(誤って弁が開いても、汚染蒸気を外部に出さないよう配管内をふさぐステンレス板)を開けば(炉内の蒸気が)自動的に出るようにしておけという指示はしてあった」
「(開いたかどうかは)分からないんですよ。本当に分からない状態で操作しているんです。本来、確認すべき監視項目が何も見られない状態ですから。あたかも完璧な原子炉でベント(排気)するようなイメージで話をされると、これもまたムカつくんですけど」
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(田中一郎コメント)
「本来、確認すべき監視項目が何も見られない状態です」とは、原子炉や核燃料の状態を把握するための計器類(水位計、圧力計、温度計、その他)がSBO(全電源喪失)以降、ほとんど機能しなくなったことを意味しているのであろうが、この事態は深刻だ。この福島第1原発事故の経験を踏まえて、新規制基準では、こうした計器類や、電気力あるいは空気圧で動く制御系装置などについて、動かなかった原因、適切な表示ができなかった原因、などを明らかにし、そうしたことが起きないような「改良」が義務付けられていなければならないはずである。しかし実際は、こうした困難の経験は新規制基準には活かされていない。原発の過酷事故時には、再び同じことが起きると思っておいた方がよい。
また、吉田昌郎所長は「あたかも完璧な原子炉でベント(排気)するようなイメージで話をされると、これもまたムカつくんですけど」と証言するが、これまで絶対安全だと吉田昌郎所長らが何度も何度も言い続けてきたにもかかわらず、たかが震度6強程度の地震と、太平洋沖合が震源の地震には常に「付き物」の「わずか15~20m程度の高さの津波」で、にっちもさっちもいかなくなった、この福島第1原発のザマに対して、私たちの方がムカつく。
3.東京新聞記事
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「私は中にいたので、外からどういう動きをしていたかはちっとも分からないので、結果として何もしてくれなかったということしか分からない」
「逆に被害妄想になっている。結果として誰も助けに来なかったじゃないか。本店にしても、どこにしてもこれだけの人間で、これだけのあれ(作業)をしているにもかかわらず、実質的な効果的なレスキューが何もない。ものすごい恨みつらみが残っていますね」
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(田中一郎コメント)
吉田昌郎所長の証言にある理不尽とも言うべき現場の困難については、深刻な事態であるという認識が必要だ。首相官邸も、東京電力本社も、霞が関の各省も、自衛隊も、原子炉メーカーや原子力ムラの学者どもも、いったい何をしていたのだろうか。危機管理対応能力が完ぺきに欠如している。こんな状態・体制のまま、原発・核燃料施設を再稼働するなど、正気の沙汰ではないか。
4.東京新聞記事
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<平常時なら、パネルの表示を見れば炉の状況は簡単に把握できる。しかし、判断するための材料はほぼ得られず、建屋から水素ガスを抜こうにも、水素がたまっているとみられる場所は三十メートルほど上。放射線量の問題もあり、とても建屋には入れなかった>
(問い)「海水をどんどん入れているのに、なぜ(炉の)水位が下がっていくのか」
「(圧力容器から)水が相当漏れていると」
(問い)「炉圧力が下がらない原因は」
「結局、ラプチャーディスクを割るような、圧力バランス(一定の圧力まで高まらないと、配管内のディスクが割れず、ベントもできない)まで行っていないんだろうと。開けたつもりでいるが、開いていない可能性が高いんだろうと思っていました」
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(田中一郎コメント)
「建屋から水素ガスを抜こうにも、水素がたまっているとみられる場所は三十メートルほど上。放射線量の問題もあり、とても建屋には入れなかった」は、2号機については、1号機の水素爆発の衝撃でブローアウトパネル(建屋の横窓)が開いたように、3号機についても、建屋にたまった水素ガスを外へ逃がすために、ブローアウトパネルを開けたかったが、放射能がきつくて近寄れなかったということだろう。
しかし、これはほんとうなのか? 爆発前の3号機原子炉建屋内の放射能は、人が近寄れないくらいに殺人的な線量だったのだろうか。私は怪しいように思う。むしろ、爆発するまで、水素ガスのことなど真剣に考えていなかったのではないか。また、ブローアウトパネルについても、現状のままでは、水素爆発防止の観点から見て「欠陥設備」そのものである。非常時にもっと簡単に開けられるような造りにしておく必要があるだろう。
5.東京新聞記事
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(問い)「(作業を)やられているのは」
「復旧班と発電班です。うちの連中は本当にベテランのプロで、優秀だと思います。部下たちは少なくとも、日本で有数の手が動く技術屋だったと思います。それでこのレベルです」
(問い)「逆に言うと、だからここで収まっている」
「収まったと思っています」
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(田中一郎コメント)
下請けも含めて優秀な作業員がそろっていたのは「不幸中の幸い」だった。しかし、それでも、福島第1原発はご承知のような状態に陥った。やはり原発は、過酷事故の場合、どうしようもないのであり、また、その過酷事故も必ず起きるものなのだ。
まら、福島第1原発事故後の現場では、東京電力による事故後の対応・対策が全くの出鱈目・愚かそのもので、何よりも、わずかな目先の費用を惜しんで次々と現場トラブルを連鎖的に発生させてしまい、現場の優秀な作業員たちを無用に被ばくさせ、作業をできなくさせてしまった(限度被ばく量=50mSv/年に達してしまった人が増加)ことは悔やまれる。政府は、当事者能力の欠如する東京電力に、いつまで福島第1原発事故後の対応を担わせるつもりなのか。
6.東京新聞記事
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<現場がベント、注水を試みる間、東電本店では建屋の水素を抜き、水素爆発を防ごうと検討した。しかし、建屋上部に付いているガス抜き穴が大きな板(ブローアウトパネル)でふさがっている。開く操作をしようにも、付近の放射線量が高く近づけない。テレビ会議の記録では、「ヘリで重いものを落として壊す」「自衛隊に頼んで砲撃し、パネルを吹っ飛ばす」「ウオータージェットで穴を開ける」などの案が検討された。結局、どれも実現しなかった>
「パネルは、新潟県中越沖地震のからみで開かないようにしている。(新潟では)地震でがたっと落ちてしまって、開いてしまったから、逆に開きづらい方向に改造していたんです。最後ははしご車を持ってきて切るとか、準備にえらい時間がかかる。(対策を指示した)『(経済産業省の旧原子力安全・)保安院来てやれ、ばかやろう』と言いたくなるわけですよ」
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(田中一郎コメント)
「パネルは、新潟県中越沖地震のからみで開かないようにしている。(新潟では)地震でがたっと落ちてしまって、開いてしまったから、逆に開きづらい方向に改造していたんです」ということは私は知らなかった。つまり、東京電力は、原発の水素爆発の危険性については、何の心配もせずに、他のつまらぬことを優先的に考えていたという、初歩的なミスを犯したということだ。
7.東京新聞記事
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<八方ふさがりの中、十四日未明、注水が一時止まり、格納容器内の圧力が急上昇した。テレビ会議で、技術的にはあり得ない重大事故を指す「仮想事故」という言葉が、吉田氏の口から漏れた>
(問い)「(汚染蒸気をそのまま出す)ドライウェルベントの検討は」
「もちろんしています。(水をくぐらせて放射性ヨウ素などを千分の一程度に放射性物質を取り除く)ウエットウェルベントを先行してしまったんですね。それをやっている間に爆発してしまった」
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(田中一郎コメント)
「十四日未明、注水が一時止まり、格納容器内の圧力が急上昇した」というのは、政府事故調で「作業ミス」とされた高圧注水系(HPCI)の手動での停止のことである。この記事では、この点についての言及はないし、吉田昌郎所長の証言にも、この高圧注水系(HPCI)の停止に関する説明はない。しかし、どう考えても、何故、止めたのかの理由がはっきりしない。政府事故調が言うように、代替注水手段を確保しないうちに止めてしまうのは失敗だった、というのはその通りかもしれないが、現場にはそうしなければならない理由があったのではないか。その一つが、3号機の冷却系配管、あるいは高圧注水系(HPCI)を含む「非常用炉心冷却装置(ECCS)」の地震の揺れによる破損と、そのために起こるLOCA(冷却剤喪失事故)である。作業員は、冷却水が漏れ出て行くのを止めるために高圧注水系(HPCI)を手動停止したのではないか。同じような話が、1号機の「非常用復水器(IC)」についても言うことができる(1号機の非常用復水器(IC)についての元日立バブコックの原子炉設計技師の田中三彦氏の主張)。
8.東京新聞記事
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(問い)「(汚染蒸気をそのまま出す)ドライウェルベントの検討は」
「もちろんしています。(水をくぐらせて放射性ヨウ素などを千分の一程度に放射性物質を取り除く)ウエットウェルベントを先行してしまったんですね。それをやっている間に爆発してしまった」
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(田中一郎コメント)
1号機も、3号機も、建屋内の爆発であって、格納容器内の爆発ではない。ベントは格納容器マターなので、ドライベントができたかどうかは、1,3号機建屋での爆発回避とは関係ありません。
9.東京新聞記事
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(問い)「保安院とか官邸がプレス発表を止めているんだというような話は」
「そんな話は初耳です」
(問い)「安心の状況にしてから公表しないと、不安をあおってしまうと考え、発表しなかったのか」
「私はほとんど記憶ないです。広報がどうしようが、プレスをするかしないか、勝手にやってくれと。現場は手いっぱいなんだからというポジションですから。発電所は知りません、勝手にやってくれと、こういうことですね」
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(田中一郎コメント)
「東電TV会議」の録画を見ると、たしかに吉田昌郎所長は、記者会見のやり方をめぐる云々カンヌンの議論には、あまり興味がないようである。しかし、東京電力の経営陣や幹部達は、記者会見による被害者住民や有権者・国民への情報還元を、できれば避けた方がいい、何か「よけいなこと」「やらないほうがいいこと」「やる場合には(必要以上に)慎重を期した方がいいこと」のように認識しているのではないか、という印象を受けた。
10.東京新聞記事
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<十一時一分、3号機の原子炉建屋で水素爆発。数百メートル上空まで噴煙が上がった。1号機の苦い経験を踏まえ、同じ失敗は繰り返すまいと現場は奮闘したが、実を結ばなかった>
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(田中一郎コメント)
3号機の爆発が水素爆発かどうかは「確定」したわけではない。水素爆発に加えて核爆発、ないしは一酸化炭素爆発が同時並行で起きた可能性がある。3号機が水素爆発ではなく核爆発であった証拠と言われているものは下記の通り。
(1)爆発の煙(3号機は黒い煙がまっすぐに上へ、1号機は白い煙が横へ広がる
⇒ この煙の違いを説明する原子力工学の科学者・技術者が未だに誰もいない)
(2)遠く離れた飯館村にプルトニウムが降り、更に間もなくしてアメリカにも微量のプルトニウムが降った。
(3)3号機はプルサーマル炉でプルトニウムを大量に含むMOX燃料を使っていた。
(4)屋根フレームの鉄骨が飴細工のように熱で曲がってしまっている(水素爆発ではこんなことは起きない)。
(5)使用済み核燃料プールの床に被覆管の破片が散らばっている。
(6)3号機近辺が福島第1原発敷地内では最も線量が高い(致死量)。
(7)東京電力も、政府も、3号機のことについて言及を避け、また、現状がどうなっているかを隠そうとしている様子がある。
(8)3号機についてはマスコミ他の外部による取材が一切できない状態が続いている。
●(別添PDFファイル)第一原発3号機
核燃料プール、がれき撤去中断続く(福島民報 2014.10.3)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014100318407
(福島民報のこの記事は、多分に推測に基づく断定的記載が散見される。3号機のプールは事故後3年半たっても、現場に近寄ることもできないほど、放射線量が高い=これ、本当なのか、短い間なら調査や検証のために近寄れるのではないのか、もし本当なら、何故なのか)
11.東京新聞記事
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「本店と電話でやりとりし、いつまで退避させるんだという話があって、爆発の可能性があって現場に人間をやれないと私は言ったんです。電話で武藤(栄副社長)から、そろそろ現場をやってくれないかという話があった。ちょっと圧力が落ち着いてきたら、現場に出したら、爆発した」
「最初、現場から上がってきたのは四十何人行方不明という話。私、その時、死のうと思いました。四十何人亡くなっているんだとすると、腹切ろうと思っていました。その後、確認したら、一人も死んでいない。私は仏様のおかげとしか思えないんです」
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(田中一郎コメント)
しっかりと記憶しておきたい吉田昌郎所長の証言である。二度とこのようなことが起きてはならない。
<最後に>
記事には「本紙がこの問題を報じたこともあり、原発の新規制基準ではディスクの圧力を適切に見直すか、いざという時はディスクを迂回(うかい)する別の配管を設置するよう求めている。」と書かれている。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、小手先でできることなら、それなりのことはするようだ。しかし、小手先対応は、小手先対応でしかない。
草々
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