« (報告) 福島原発告訴団 9.30 院内集会 & 東京地検包囲 | トップページ | 東京新聞・吉田調書シリーズ特集記事に見る福島第1原発事故(その実態と事故原因をさぐる):(5)忘れられたプール、水が蒸発していく »

2014年10月 2日 (木)

東電テレビ会議 49時間の記録:あのとき、福島第1原発で何が起きていたのか (OUR PLANET TV 福島映像祭より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

 2014年9月20日(土)~26日(金)、別添PDFファイルの案内パンフにあるように、ポレポレ東中野において、ポレポレ東中野とOUR PLANET TVとが共催で「福島映像祭」が開催されました。連日、見ごたえのある映像・映画が上映され、また、映像を制作した監督をはじめ、複数のコメンテイターがゲストとして呼ばれて、劇場でインタビューや講話を披露してくれました。下記は、その中の「東電テレビ会議 49時間の記録:あのとき、福島第1原発で何が起きていたのか」という迫真の報道ドキュメンタリー衝撃映像記録を紹介するものです。

 

 この映像記録は、福島第1原発事故直後の2011年3月12日深夜~15日午前0時6分までの約49時間の音声付録画のうち、一般公開されている10時間分を、OUR PLANET TVが編集したものです。下記(1)の別添PDFファイルに、この映像記録に関するわかりやすい解説がなされていますので、目を通していただければと思います。下記のOUR PLANET TVサイトでも案内されているように、この映像記録は、今後も貸し出されて各地・各団体で上映されていくと思われますので、機会があれば、ぜひ見ておいていただきたい「必見」の映像です。

 

 なお、私からは、①1回見ただけでは、見逃してしまった部分もあるかに思えるため、複数回見ることをお勧めします、②ある程度、沸騰水型の原子炉に関する基礎知識を持って見た方が分かりやすいと思われます。(なお、この映像に関して、下記の通り、岩波書店から書籍も発売中です)

 

 <別添PDFファイル>

(1)東電テレビ会議 49時間の記録(解説)(OUR PLANET TV:2014.9

「toudenn_tvkaigi_setumeisyo.pdf」をダウンロード
(2)東電テレビ会議 49時間の記録(パンフ)(OUR PLANET TV:2014.9

(3)福島映像祭(パンフ)(OUR PLANET TV:20149月)

「fukusima_eizousai.pdf」をダウンロード

 

 <URL>

● 東電テレビ会議 49時間の記録 - 報道ドキュメント「東電テレビ会議 49時間の記録」

 http://www.touden49.net/

 http://fukushimavoice.net/2014/08/1618

 

●【予告編】東電テレビ会議~49時間の記録 - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=tX5ceKqfJvQ

 

Amazon.co.jp:福島原発事故 東電テレビ会議49時間の記録 宮崎知己, 木村英昭, 福島原発事故記録チーム 本

http://www.amazon.co.jp/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85-%E6%9D%B1%E9%9B%BB%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E4%BC%9A%E8%AD%B049%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2-%E5%AE%AE%E5%B4%8E-%E7%9F%A5%E5%B7%B1/dp/4000246860

 

●「東電テレビ会議 49時間の記録」自主上映について OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1664

 

 <「東電テレビ会議 49時間の記録(解説)(OUR PLANET TV:2014.9)」から:抜粋>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「「本店! 本店! 大変です! 3号機が爆発しましたj

 故吉田昌郎元所長の緊迫した声を覚えている人は多いだろう。福島第原発事故の対応をつぶさに記録した第一級の映像資料「東電テレビ会議映像」が遂に長編映像として一般公開される。

 本作品は、非営利メディア OurPlanetTVが「福島映像祭2013」で上映するために、独自編集した報道ドキュメン卜である。映像は、福島オフサイトセンタ一、東電本店、福島第1原発、福島第2原発、柏崎刈羽原発を結ぶテレビ会議の分割画面のみ。しかし緊迫した現場の声には、どんな映像よりも臨場感と迫力がある。

 1号機が爆発。次第に3号機の原子炉水位も低くなり、刻々とメルトダウンが近づいてくる様子。本店の調達が後手後手に周り、バッテリ一、ガソリン、水、食糧が不足する現場。打つ手打つ手が、ことごとく失敗する中、2号機、4号機にも危機が迫る様子。そして、ついに、作業員退避の検討がはじまる。

 使用した映像は、既にインターネット上には公開されているものだ。しかし、その映像は細切れな上、誰が発言しているかが分からないという問題があった。作品では、なるべく状況がわかるように、基本的な情報を挿入した。2011312日から15日までの3日問、福島第1原発で何が起きていたのか。当時の中央制御室と同じ真っ暗な環境で、あの時間、あの原点に立ち戻る体験を共有したい。(OurPlanetTV白石草)

 

東電テレピ映像とは

「東電テレビ映像」とは、福島第一原子力発電所の事故当時、東京電力本店の2階にある非常災害対策室と福島第一、第二、柏崎刈羽原発非常災害対策室、オフサイトセンターの間を結んだテレビ会議の様子をそのまま録画した映像を指す。

 東京電力によると、映像の録画をはじめたのは311日の午後627分から。そのうち、設定ミスや八一ドディスク容量の問題などで、音声が記録されている映像があるのは、3122259分から51506分までと、その後、約1日空けて16318分以降から46日までの約650時間分だ。OurPlanetTVでは、このうち、312日から15日までの49時間の映像のうち、一般公開されている約10時間分を編集して前編1時間47分、後編1時間39分、計3時間26分にまとめた。」

 

「音声つきの初期のテレビ会議映像は、前述のとおり限定的で、地震発生直後の初動や1号機爆発が起きた312日、撤退問題が浮上し菅総理が東電に乗り込んだ15日の深夜から明け方、ブラントから衝撃音が間こえ、高濃度の放射能が広がった15日の昼間の様子は存在しないと主張する。また、「社員のプライバシー」を守るとの名の下、画像人はモザイクが入り、音声分の固有名詞にはピー音が入る。しかも現在、東京電力は、マスメディアに対しては、上記の映像を全て公開しているものの、一般市民に対しては、更に限定的な細切れの映像をインターネット上に公開しているのみである。

 従って、一般公開された素材のみを利用した本映像「東電テレビ会議49時間の記録j は、肝心な部分が欠けた限定的な内容と言わざるを得ない。しかし、そうであっても、この映像は事故の検証には欠かせない「一次資料」である。実際、政府事故調や国会事故調など、公的な事故調査においても重要な役割を果たした。

 なお、東電テレビ会議映像はその存在が明らかになって以降も、容易に公開にされなかった。事故から1年半を経て、朝日新聞のキャンベーン報道や東電株主代表訴訟原告団らの保全の申立てなどを経て、ようやく公開された。朝日新聞の同キャンベーン報道は、2013年度の石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム賞奨励賞(公共奉仕部門)の奨励賞を受賞している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(この「解説」(別添PDFファイル)は重要ですので、残りも目を通されておくとといいと思います)

 

(田中一郎コメント:この映像を見て感じたこと

1.東京電力は、この期に及んでも、まだTV会議記録をきちんと公表しようとしていない。東京電力は事実上、政府が大株主で、政府が経営権を握っているようなもの。全部公開しろと政府が断固たる態度をとればいいだけの話なのに、政府が知らんぷりをしているので、公開されるべきものが公開されずに、真相がいつまでたっても明らかにならない(詳しい経緯は「解説別添PDFファイル」のP3「東電テレビ会議の開示に至る経緯」をご覧ください:「東電株主代表訴訟原告団らの保全の申立て」が裁判所に認められたことが大きく影響か?)。そもそも肝心な部分(3/11、3/15)の映像が隠されているような感じがする他、ピー音で音声が消されていたり、一般人に対してはネット上で10時間分しか公開されていないなど、この東京電力の事実隠蔽態度は許しがたい。政府や原子力「寄生」委員会はいったい何をしとるのか。

 

2.TV会議では、話題・課題としてはいろいろ出るが、結局、東京電力は深刻化する福島第1原発の状況に対して、有効な対応・対策がほとんど打てなかったように見えた。吉田昌郎所長は「(その時)考えていたことは、原子炉(圧力容器」内に(海水を含む)水を入れて冷やすことと、格納容器が壊れないように(ドライベントを含む)ベントを成功させること、の2点であったというが、見ていて、1~3号機のいずれについても、うまくいかなかったように見えた。原発の過酷事故に対しては、人間は手も足も出ない、という印象を強くした(そういう中で、福島第1原発が、間一髪のところで最悪の事態に陥らずに、格納容器や使用済み核燃料プールなどが生き残る形で「平衡状態」となったのは、本当に偶然のなす技で、ラッキーだったという以外に言いようがない)。

 

(後日談では、3/11から1週間くらいの間でなされた警察官、消防署職員、自衛隊員らによる様々な作業は、ほとんど役に立たなかったそうである。たしかに素人目で見ても、ヘリコプターで大きな袋に入れた水を事故原発の上からザザーと落とすような作業は、落とした水が霧のようにあたり一面に飛散して、役に立っていないのがよくわかった。しかし、それ以外の作業についても、(作業員が被ばくするだけで)ほとんど役に立たなかったというのは驚きである。そもそも、原発本来の非常用炉心冷却装置のECCS(非常用復水器(IC),原子炉隔離時冷却系(RCIC),高圧注水系(HPCI)など)が期待通りに動いていないような中で、もともと原子炉を冷やすための装置ではない「消火系」配管を使って冷却水を原子炉に供給するということ自体が無理があったのだろう:事実、注入あ荒れた水の大半は原子炉炉心には向かわず、原子炉の外の復水器の方へ流れて行ってしまったという)

 

3.福島第1原発の現場に対して、東京電力本社や首相官邸(原子力災害対策本部)からの人員や物資の補給が全く不十分で、かつ、うまくいかない。たとえば、民間の自動車運転手やヘリコプター・飛行機パイロットが被ばくの危険性を理由に協力を拒否していただけでなく、なんと、自衛隊までもが、福島第1原発現場の放射能の危険性を理由に、物資の補給さえをも要請拒否していた有様である。その結果、福島第1原発の現場は「孤立無援」の「自助努力」しかできない状態に陥り、さまざまな対策・対応が不可能になっていたように思えた。東京電力本社や首相官邸は何をしていたのか(但し、福島第1原発からの東京電力や首相官邸への(人員・物資の補給を含む)要請があいまいだったり、きちんとしていなくて、タイムリーに対応できていない様子もうかがえた)

 

OUR PLANET TVの白石草氏は、まるでアジア太平洋戦争時にガダルカナル島などの太平洋諸島群にいた日本軍守備隊のようだ(補給を受けられずに孤立・ジリ貧となり、「玉砕」突撃を繰り返して全滅している)と表現していた。全くその通り。

 

4.1号機の水素爆発の後、3/13の早い段階から「2,3号機についても水素爆発の危険性あり」という認識はあったようなのが驚きである。そうなら何故、更なる水素爆発を防止するための対応や対策を取らなかったのか。取らなかったのではなく、取れなかったというのなら、その理由は何か。まさか、関係責任者達が一同に会して評論家家業をしていたというわけではあるまいな(1号機の水素爆発によるものなのか、2号機のブローアウトパネル(建屋の横窓)が開いているのが発見され、みんなで喜んでいる映像が印象に残った)。

 

 高橋フェローが水素爆発対策をしようと発言して間もなく、あの勝俣恒久東電会長がTV会議に現れて、水素爆発の可能性は低い、まず、ないと考えていい、社長記者会見で否定する、などと発言していた。3/13には、水素爆発対策を検討するぞという雰囲気が出ていたが、ひょっとして、この勝俣会長の発言で消えてしまったのではあるまいね。アイヒマンのような人間の多い東京電力のことだから、なおさら心配だ(映像の中で、武藤栄副社長が「TEPCOスピリッツでがんばろう」と関係者を激励する一幕がある。私には「皮肉」に聞こえた)。

 

5.同じく、1~4号機の使用済み核燃料プールの水の温度が上がりつづけ、冷却できないままになると、原子炉の状態よりもより深刻で危険なことになるという認識もあった様子だ。これは実は、米国及び在日米軍がもっとも懸念していたことらしく、あの80km圏内の米国人の避難勧告が出された理由も、この使用済み核燃料プールの破綻に対する懸念にあったらしい。それだけ各原発の使用済み核燃料プールは危険であるにもかかわらず(使用済み核燃料を含む核燃料が水につかっているだけで、格納容器もなければ、放射能環境放出を防ぐ手立ても何もない状態である)、その後、3年半の間に、全国の原発・核燃料施設にある使用済み核燃料プールに対して強固な安全対策がなされたという話は全く聞かない。何をしているのだろうか。

 

6.時間がたつにつれて、現場で頑張る作業員の被ばく量が増大、法定の上限である100mSvを超えてしまう人が出てきた。やがて首相官邸は、放射線被曝の上限を一時的に250mSvに引き上げるという「ご都合主義」を採用した。結局役に立たなかった作業で、たくさんの作業員が大量被ばくをしてしまうという、悲しくも悔しい結果になってしまっている。原発の安全神話に胡坐をかいて、原発事故の際の対応・対策をまじめに考えてこなかった加害者・東京電力や事故責任者・国の出鱈目な方針のしわ寄せが、ここでも現場作業員にのしかかっている。

 

7.SBO(全電源喪失)になって以降、電源の確保に苦労していたようだったが、バッテリーくらいは、何故、大量にヘリコプターででも福島第1原発の現場へ運搬・補給できなかったのだろうか。自衛隊が一貫して補給用ヘリの運転を拒否し続けていたということか? 映像の中では、職員がいわき市まで車でバッテリーを買いに行くなどという話が出ていた(結果は買えなかった)。ちょっと理解しがたい。危機意識が希薄だったのだろうか。あるいは、東京電力本社や首相官邸に、物資補給や人員追加の要請をきちんとしていなかったのではないか。(ガソリンや軽油などについても同じ)

 

8.官邸と吉田昌郎所長とが電話で容易にはつながらないという。何故、ホットラインを用意しないのか。あるいは、つながった電話は切らずにずっとそのままにしておけばいいのではなかったか。関係機関の意思疎通がどうのこうのという前に、基本的な準備や手配が出来ていない様子だ。要するに、東京電力本社も、首相官邸も、霞が関官僚たちも、福島第1原発現場も、すべて危機管理能力がゼロに近い。

 

9.2号機の危機と、福島第1原発からの退去・撤退問題だが、映像を見る限りでは「いつごろ福島第1原発から全員が撤退するのか」という高橋フェローの言葉や、「今、しかるべき人に聞いている」という清水社長の言葉から、少なくとも東京電力本社は、福島第1原発からの全員撤退を考えていたことは明白である。無責任な奴らだ、と一瞬は思ったが、しかし、ひょっとすると福島第1原発に残っていると放射線被曝で死ぬかも知れないという時に、「残って事故収束にあたれ」などと、誰が命令することができるのだろうか。そもそも、事故になったら誰かが事故対応で死ぬかも知れないような発電設備などが稼働していること自体が大問題である。この点からも、原発・核燃料施設の再稼働は許されない。

 

10.3号機の爆発で、東京電力職員が4人、下請け職員が3人負傷、それ以外に自衛隊も4人がけがをしたらしい。また、爆発で、福島第1原発敷地はあたり一帯ががれきの山と化してしまったようである。それにしても、この3号機の爆発は、何故、1号機の爆発と、あんなに違っていたのだろうか。1号機のように白煙が横へ広がるのではなく、黒い煙が垂直に上がり、デブリや破片のようなものが空からバラバラと落ちるのが見えた映像を思い出す。使用済み核燃料プールでの核爆発(即発臨界)と水素爆発のセットだった可能性を言う人がいる。さもありなん。

 

11.電源やケーブルをやっとの思いで調達して、いざ使おうと思ったら、コネクタ(インターフェース)の規格があってなくてつながらない=使えない、という話はだいぶ前に聞いたが、今回の映像でみたのは、トランシーバー50台を差し入れてもらったが、使用周波数が全部同じだったので、同時に使うと混線して、何が何だか分からなくて、結局使えない、というのがあった。これもバカみたいな話である、原発・原子力の技術水準と平仄が合っている、ずいぶんとレベルのお高い話だ。

 

12.ベント、ベントと騒ぐ中で、ベントをする場合には記者会見をしなければならないとか、風向きはどっちからどっちへ吹いているのかを気にするなど、一応、ベントが周辺の環境に猛烈な放射能汚染を引き起こすという意識だけはあった様子だ。しかし、映像を見ていて、ついぞ、周辺の住民の避難状況や被ばくの危険性回避に言及するような場面は一度もなかったように思う。これはおそらく首相官邸でも同じだったのではないか。福島第1原発事故では、福島県民をはじめ、広く東日本の放射能汚染予定地域の住民は、最初から「棄民」されていたと言っていいだろう。加害者・東京電力や事故責任者・国のこの本音は、やがて賠償・補償や「子ども・被災者支援法」をめぐる動きの中で、だんだんと露骨になり、居直りに変わって行く。民主党政権の最大の誤り・犯罪性は、この被害者の切り捨て(その裏返しの加害者・東京電力救済)であり、また、福島第1原発事故の検証や教訓を生かさずに原発再稼働に走ったことである。住民・国民を守らず背信行為を繰り返した彼らに、二度と政権を握らせてはならない。

 

13.水素爆発の後の1号機や3号機は、どういう状況だったのだろうか。また、2号機では、結局何が起きてどうなったのか、この映像からは、まったくと言っていいほどわからなかった。3つの原子炉とも、炉心溶融していることは間違いなく、危険な状態であることも間違いない。違いと言えば、ベントができたかどうかの違いしかなく、ベントができなかったと言われている2号機についても、3/15朝に、圧力抑制室内や格納容器内の気圧が大きく下がってしまったので、結果的には1,3号機と同じ状態になってしまっている。3/15以降の、この3つの炉の状況と、それに対してどのような対策・対応が打たれ続けたのか、詳細に知りたいところである。

 

14.緊急時のセンターとなるべきオフサイトセンターが機能している様子がない(一応、3/15未明に一足先に福島市へ逃げ出すまで、オフサイトセンターには池田元久経済産業省副大臣(民主党)他の人間たちがいたはず)。なにをしちょったのか?

 

15.福島第1原発事故直後の大変な時に、計画停電で大騒ぎをしていたようだ。記者会見でどう説明するかで、大声で騒いでいる。こいつらあほか、という印象だ。ただ単純に、ピーク時の間だけ、大口のユーザーに電力消費を止めてもらえばいいだけではないか(こういうときのために、緊急時は電力消費を押さえてもらい、その分、通常時の電気料金を割り引く特別な契約を、大口ユーザーとしていたはず)。他の地域から、あるいは大口自家発電などから、電気を分けてもらうこともできるだろう。総理官邸の枝野幸男も枝野幸男で、なんでもかんでも東京電力がやれと、ふんぞり返っている様子だった。枝野幸男も対策本部の政府首脳として、計画停電などしなくていいように、記者会見でもやって、大口ユーザーらに協力要請をすべきだったのではないか(「平成子泣きじじい」の海江田万里では役に立たないだろうから)。

 

16.教訓

(1)原発をモニターする装置・設備・仕組みが全然できていない。放射能測定できなかった(バッテリーがついていないので停電したら動かない、津波にやられたなどのお粗末なものがたくさんあった)、地震や津波の測定できず、原発全体の映像が見れない(2,4号機の爆発映像がない)、圧力・温度・水位計がすぐに壊れる、TV会議の映像がない(3/11、3/15他)、その他。

 

(2)通信手段の貧困:ホットラインがない、現場の連絡通信手段がない

 

(3)東京の対策本部が東京電力と、政府・首相官邸と、霞が関各省に分かれていてバラバラのような印象を受ける:1つにすべき。緊急時にまで「縦割り・セクショナリズム・不作為」を決め込んでいてどうするのか。

 

(4)東京電力以外の技術系人間=原子炉メーカー、原子力安全委員会、科学者(顧問含む)、原子力安全保安院を含む技術系官僚たちの姿が見えない。何をしていたのだろうか。役に立たないのなら、今のうちのやめていただこう。

 

(5)住民避難対策や福島第1原発現場への補給支援などが専門部署によって適切に行われていたのかどうか。いつものことなかれ・不作為をつづけていて、結局、現場が物資や人員の補給を受けられす、まともなことができなかったのではないのか。

 

(6)原発・核燃料施設過酷事故時の緊急対応体制について抜本的に見直さないと、再び同じことが起きることになるだろう。

草々

 

« (報告) 福島原発告訴団 9.30 院内集会 & 東京地検包囲 | トップページ | 東京新聞・吉田調書シリーズ特集記事に見る福島第1原発事故(その実態と事故原因をさぐる):(5)忘れられたプール、水が蒸発していく »

福島原発事故」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« (報告) 福島原発告訴団 9.30 院内集会 & 東京地検包囲 | トップページ | 東京新聞・吉田調書シリーズ特集記事に見る福島第1原発事故(その実態と事故原因をさぐる):(5)忘れられたプール、水が蒸発していく »

最近の記事

無料ブログはココログ