国際原子力マフィアと放射線ムラが福島で国際会議、そして、あの日本財団が安倍首相に提言=「フクシマ・エートス」の精神を徹底普及させよ
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
このほど、福島市のビューホテルにて、国際原子力マフィアと日本の放射線ムラ重鎮を集めた国際会議「放射線と健康リスクを超えて」(実質は「超えて」ではなく「踏みつぶして」です)が開催されました。別添PDFファイルは、その会議を報道する地元の新聞・福島民報の記事です。
ひどいものです。チェルノブイリ原発事故の後に起きた被害者住民の被ばく踏みつぶし・もみ消しと同じようなことが、当時と同じような組織と同じような人間達によって、再び繰り返されようとしております。私はこの国際会議に出席したわけではありませんが、記事を読むだけでも胸が悪くなります。
科学的・実証的な根拠もなく(というよりも、放射線被曝の健康障害や遺伝的障害の実証研究は、これまで、ことごとく妨害され、隠蔽され、つぶされ、歪曲・矮小化されてきた経緯があります)、福島県住民をはじめ福島第1原発事故によって無用に被ばくを余儀なくされた人々に、自己責任による放射線防護を強要し、従ってまた、人体実験的な「被ばく限界」にチャレンジをさせ、原発事故による猛烈な放射能汚染と地域住民との「共存」を狙っております。
一方では、被害者の再建・再生のための損害賠償・補償・支援や、避難・疎開・移住のための施策などを足蹴りにし、まるで被害者を経済的苦境に陥れることで「兵糧攻め」にしておきながら、他方では、放射線管理区域指定基準を超えるような放射能汚染地域に被害者を帰還させるための、あれやこれやの「欺瞞的寸劇」を、国を挙げて、いや、世界の原子力ムラ・放射線ムラ・国際原子力マフィアを挙げて、大騒ぎをしているのです。
そして、きわめつけは、かつて25年前にチェルノブイリ原発事故後の旧ソ連地域を調査し、かの放射線影響研究所(RERF)理事長の故重松逸三とともに、チェルノブイリ原発事故被害者の放射線被曝被害を「そんなものはない」と報告して踏みつぶそうとした、あの日本財団が、今回も全面に登場してきて、安倍晋三首相宛に提言をしております。この連中の厚顔さ・馬耳東風たるや、馬も顔負けです。
みなさまには、この記事に目を通していただき、これからの私たち市民運動・社会運動の主戦場が、脱原発とともに、脱被ばくと被害者の完全救済にあることを、どうかご理解いただきたいと思います。下記には、新聞記事に取り上げられたことについてのみ、簡単に私のコメントを付記しておきますが、ことは、かような簡単・簡略なものではなく、彼ら原子力ムラ・放射線ムラ・国際原子力マフィアの「総攻撃」ともいうべき言動は、まさに「巨大な仕掛けと鉄のように固い意思=計画された悪意」で固められております。彼らとの最終戦争としての全面戦争は避けられません。彼らに騙されて子子孫孫とともに放射線に焼き殺されるか、彼らを社会的に葬り去るかのいずれかです。
*国際原子力マフィア=国際原子力機関(IAEA)、国際放射線防護委員会(ICRP)、「国連科学委員会(UNSCEAR)」、世界保健機関(WHO)
<別添PDFファイル>
(1)福島 国際専門家会議「放射線と健康リスクを超えて」(福島民報 2014.9.9/10)
(2)日本財団が提言 福島の放射線国際専門家会議受け(福島民報 2014.9.12)
1.福島 国際専門家会議「放射線と健康リスクを超えて」(福島民報 2014.9.9/10)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014090917960
「国際放射線防護委員会(ICRP)のクリストファー・クレメント科学事務局長は県民との対話集会などICRPの取り組みを紹介し、専門家と住民の連携が重要だと指摘。「放射線防護の文化を創出し、普及していく必要がある」と主張した。」
(田中一郎)⇒ 彼ら国際原子力マフィアの言う「放射線防護の文化」とは、放射能汚染や被ばくをもたらした原因や責任を追及することなく、従ってまた、その再発を徹底して防止するでもなく、猛烈な放射能汚染・被ばく環境の中で、自己責任に基づいて被ばく管理をしながら、各自各自で強く生き抜け、という意味である。言い換えれば、政府や加害者に依存して、避難・疎開・移住や医療・治療など、費用=お金のかかるようなことを要求するな、ということを意味している。彼らはこれを「ALARA原則」と呼んでいる。「あらら、変ね」の「ALARA」である。
「ニューメキシコ大のフレッド・メトラー医学部放射線科名誉教授は、子どもへの放射線被ばくの影響をテーマに研究内容を発表した。「子どもは成人の3~5倍ほど放射線の影響を受けやすい」とされていることに、「全ての健康影響に対するリスクが高いわけではない」との見方を示した。」
(田中一郎)⇒「リスクが高いわけではない」と言いたいがために、忘れてもらえるような修飾語をいっぱいくっつけて、自分の発言がデマだと言われないようにするための防護までして、「リスクが高いわけではない」と大宣伝している。しかし、本来このテーマで発表されるべきは、子どもの放射線被曝の健康影響のあらゆる面での実証的研究結果であるべきなはずだ。この男はわざわざ日本まで来て、何をしゃべっているのか!?
「アルゼンチン原子力規制庁のアベル・ゴンザレスシニアアドバイザーは放射線による健康への早期の影響はなく、晩発も想定されていないとの見方を示した。ただ、「放射線は心理的副作用を与えている」として精神面への対応を課題に挙げた。」
(田中一郎)⇒ チェルノブイリ原発事故以降、言い尽され、嘘八百であることが、たくさんの犠牲者を出すことによって明らかになっていることである。にもかかわらず、わざわざ福島までやってきて、嘘八百の言論を繰り返す。怒りを通り越して、あきれるばかりだ。放射能・放射線が「健康への早期の影響はなく、晩発も想定されていない」というのなら、この男が家族ともども福島の高濃度汚染地域にやってきて住んでみればいい。
「復興に向けた専門家の役割については「住民の教育を担う人々に正確な情報を伝える必要がある」などの声が上がった。福島医大の丹羽太貫特命教授は「住民からの信頼と共感が重要。専門家は現場の声を聞くべき」と訴えた。」
(田中一郎)⇒ 専門家がやるべきことは、放射線被曝の危険性=健康障害や遺伝的障害の実証的証明である。しかし、そんなことには、微塵も真摯に対応するつもりなどない。他方で、「住民への教育」=「放射線は安全である、ないしは、大した危険性はない、と住民を洗脳すること」などは、まさに「政治」の仕事であって、専門家が関わることではない。しかし、こんな話になると、決まって出てくるのが丹羽太貫という放射線ムラの学者だ。彼は、福島県の放射線被曝問題が「問題化」しないように、わざわざ福島県立医大にまで赴任して、福島県の大学教授や医師らの上に君臨している、いわば、放射線安全神話確立のための、放射線被曝の危険性の言論封じのための、漬物石のような人間であるように見える。「知らしむべからず、由らしむべし」=原子力を推進する人間達から、(放射線被曝の)本当のことが聞けるはずなどない、このことに早く気がつくべきである。
「会議終了後、記者会見した山下俊一福島県立医大副学長(長崎大学理事・副学長)は、「放射線の直接的な健康影響は考えにくい。一方、避難の長期化などが住民の心理面に影を落としている。放射線防護の枠を超えた包括的な支援が必要」
(田中一郎)⇒ また、だますつもりのようだ。「放射線の直接的影響」などという言葉はあいまいで非科学的だ。確定的影響のことなのか、また、内部被曝は含まれているのか、などなど、ものごとをごまかす時に使う言葉である。また、避難の長期化によるストレスがたまる原因は、加害者・東京電力や事故責任者・国が、被害者に対して賠償・補償・再建支援をきちんとしないからであり、また、政府が「子ども被災者支援法」の精神を踏みにじって、きちんとした政策を打ち出さないからである。また、「放射線防護の枠を超えた包括的な支援」の狙いは、そもそもの原因である「放射能汚染」「放射線被曝」から被害者住民を含む有権者・国民・市民の目をそらし、いつのまにか放射能・放射線の危険性と放射線防護の必要性を忘れてもらうための舞台装置であることに留意しておく必要がある。まずは、放射線防護をしっかりとやることが、最も重要かつ必要不可欠なことだ。
2.日本財団が提言 福島の放射線国際専門家会議受け(福島民報 2014.9.12)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014091218012
(一部抜粋)
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日本財団は11日、福島市で開催した国際専門家会議「放射線と健康リスクを超えて」の成果を踏まえた提言を安倍晋三首相に提出した。放射線防護基準の柔軟な設定、県民健康管理調査への国の支援などを求める内容で、安倍首相は「努力したい」と応じた。
【安倍首相への提言要旨】
(1)放射線防護基準は地域状況や個人の生活状況に応じて柔軟に設定すべき
(2)被災者が個々の放射線状況を理解し、管理できるよう情報伝達のインフラを整備すべき
(3)帰還以外の選択肢を取る避難者の権利も確保されないといけない
(4)復興に関わる成功事例の奨励、共有などを進めないといけない
(5)保健医療・地域福祉サービス従事者を大幅に増やす取り組みを支援することは極めて重要
(6)県民健康管理調査に対する支援と評価を継続すべき
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(田中一郎コメント)
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「(1)放射線防護基準は地域状況や個人の生活状況に応じて柔軟に設定すべき」」
⇒ 放射能汚染や放射線被曝の状況に応じて、被ばく限度を引き上げろ、というご都合主義。人間の体の方が持たない。
「(2)被災者が個々の放射線状況を理解し、管理できるよう情報伝達のインフラを整備すべき」
⇒ 被害者が個人線量計で被曝量を計測したり、環境放射能や飲食品の放射性セシウムを測ったりしながら、自己責任で放射能汚染と共存して生きて行け、という「原子力ムラ・放射線ムラ・国際原子力マフィア」からの「命令」である。そのためには、個々人の思想的洗脳が必要だと述べている(「情報伝達のインフラ整備」とは、放射線被曝に関する言説を統制し、その危険性を訴える言論を徹底して排除・抑圧し、有権者・国民・市民や被害者住民の耳に届かないようにしろ、ということを含意している)。これからも起きるであろう原発・核燃料施設の過酷事故に対する事前準備でもある。
「(3)帰還以外の選択肢を取る避難者の権利も確保されないといけない」
⇒ 言うだけ、リップサービスだ。違うというなら態度で示せ。本音は「すべての住民は帰還せよ、帰還せぬものは非国民として切り捨てよ」ということ
「(4)復興に関わる成功事例の奨励、共有などを進めないといけない」
⇒ もちろん、帰還、除染、汚染食品販売、汚染地域への旅行受入れなど、放射能汚染・放射線被曝との共存の成功事例を大宣伝せよという意味。避難・疎開・移住で生活や仕事を再建した方々の成功事例は紹介しない。
「(5)保健医療・地域福祉サービス従事者を大幅に増やす取り組みを支援することは極めて重要」
⇒ 当面増やさなければならないのは、充実したメニューの健康管理調査体制(福島県以外を含む)と、そのための人員・予算の確保である。被ばく被害者を、あたかも精神異常者のごとく扱うための「保健医療・地域福祉サービス従事者」など、全く不要。
「(6)県民健康管理調査に対する支援と評価を継続すべき」
⇒ 今のままの「福島県民健康調査」及び「「福島県民健康調査検討委員会」ではだめだ。抜本的に改革する必要あり。
要するに、この日本財団の提言は「「フクシマ・エートス」の精神を徹底普及させよ」ということである。福島第1原発事故被害者=被ばく被害者を、生活や健康や将来への懸念によって精神的に不安定になった一種の異常者であるがごとくの言論は許しがたいものがある。原子力翼賛社会=現代のネオ・ファッショ社会を類推させるに十分な、卑劣かつ唾棄すべき、被害者踏みつぶしの言論に他ならない。
負けられません、勝つまでは。
こんなものに、だまされて、殺されてたまるか。
(上記の私のコメントに反論があるのなら、違うということを態度で示せ=違うように実践せよ)
草々
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