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2014年9月

2014年9月29日 (月)

本日(9/29)のいろいろ情報 (1)ネット署名「応急仮設住宅の無償提供期間の延長を求める署名」、(2)広瀬隆さんより、(3)水産庁公表:魚介類の放射能汚染検査結果 他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

(メール転送その他です)

 

1.(メール転送)ネット署名「応急仮設住宅の無償提供期間の延長を求める署名」へのご協力をお願い申し上げます(避難・支援ネットかながわ)。

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平素より避難者の窮状に心を寄せて下さってありがとうございます。

神奈川県内への避難当事者の自助団体「避難・支援ネットかながわ」です。

 

7月より開始している「応急仮設住宅の無償提供期間の延長を求める署名」へのご協力をお願いしたくお知らせいたします。

 

署名は8月末に第一次集約を行い、集約団体2団体の合計で約2300筆となりました。まずは、署名にご賛同下さった団体様、署名にご協力下さった団体・個人様の温かいお気持ちに対し、被災者を代表して御礼を申し上げます。

 

集約結果をもち、去る919()に「原発避難者がともに住宅問題を考える集会」を参議員会館内で開催いたしました。共催して下さった、震災支援ネットワーク埼玉、「子ども・被災者支援法 市民会議」の各団体と弁護士のみな様など支えて下さる皆さんのおかげをもちまして、非常に有意義な集いを無事に終えることが出来ました。深く感謝をいたしますとともに、開催に携わって下さった皆さま、署名をして下さった皆さまの期待に応えたく、より署名の集約を加速するため、ネット署名を開始することとしました。

 

10月末までの短い期間ではありますが、どうかお力添えを頂きたくお願いを申し上げます。

 

◆◆--- ネット署名 ---◆◆

全国誰でも署名可能です。

詳細および署名はこちら → http://bit.ly/1uMCUN6

 

拡散大歓迎です。特に、被災当事者の要望が重要です。被災者の方へ広くお知らせ頂けますと幸いです。

 

特に、警戒区域外から避難されている避難者は、この3年半で貯えを切り崩して生活しています。住宅の無償提供は命綱でもあります。区域内外に依らず、生活再建の猶予が必要な被災者がおります。ご協力をどうぞ宜しくお願いいたします。

 

◆◆--- 開設のお知らせ ---◆◆

ホームページ(http://hinansien-netkanagawa.org/)に加え、FacebookTwitterでの発信も開始いたしました。お引き立ての程、どうぞ宜しくお願いいたします。

 

Facebook: https://www.facebook.com/hinansienkanagawa

Twitter : https://twitter.com/HsinkTwi

 

 

2.(メール転送)広瀬隆さんより

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さきほど送った大切なメール「リニアと御嶽山と川内原発の 関係」は、多くの方のプロバイダーからメールが返送されてきましたので、再送させていただきます。添付ファイルの容量 が10MBを超えたので、受信できなかったと思われます。

 下記、「日々雑感」サイトに同文とファイルを掲載してありますので、受信できなかった方は、下記を必ずご覧ください。

http://hibi-zakkan.net/archives/40447214.html

 

 また、「山本太郎の永田町恐怖新聞 20140918日」を是非ご覧 ください。

http://www.taro-yamamoto.jp/daily-activities/3668

http://www.taro-yamamoto.jp/wp-content/uploads/2014/09/be4121a04aed7cb1d03237df59272aab.pdf

 

 こちらは、北海道から昨日の鹿児島市まで、全国での街頭演説に 走り回っている山本太郎さんが、現在の日本経済の重要な問題を鋭くえぐり出した、秀逸なレポートです。  このままでは、ほとんどの日本人が金を奪われて殺されます。

 

 そして明日、930日、1130頃から東京・参議院議員会館入口にて入館証を配布の上、12:0013:30参議院議員会館の講 堂にて、院内集会が福島原発告訴団によっておこなわれます。武藤類子さん、 佐藤和良さんたち、告訴団の「最後の闘い」の訴えです。そのあと、14:0014:40東京地検包囲行動がおこなわれます。福島県で は、先日、福島第一原発の事故現場に隣接する国道6号線が開通しました。トテツモナイ線量の地帯です。これは、安倍晋三政権が、福島県民を本気で殺そうとし ていることの象徴的な大事件です。怒りを持って立ち上がりましょう。

 

(さきほど送っ たメール、同 文を再送します。受信された方は、読む必要がありません)

 

全国のみなさま  広瀬隆です

 御嶽山の噴火で、また悲劇がくり返されました。こ の噴火の危険性は、分っていたことです。

 それは、JR東海が計画しているリニア中央新幹線のルートを調べた人であれば、この長野県~岐阜県の一帯がどれほど危ないか、というこ とを・・・

 昨年のリニア中央新幹線「反対集会」で使った、その部分の資料を添付ファイルで送ります。

 

 川内原発周辺の噴火についても、付言しておきます。

 みなさんは、カルデラだけに注目して、巨大な火砕流ばかりを論じていますが、私の不安は、それではありません。

 

 私が心配しているのは、川内原発現地そのものが、北薩火山群のど真ん中にあることです。

 言い換えれば、「川内原発の真下」で噴火が起こっても不思議ではないのです。

 桜島よりも、霧島よりも、もっとおそろしいことが起こります。

 昨日928日、川内原発の現地に200人近い人が全国から集まって、ゲート前の抗議をしてきましたが、私は早く逃げたかったのです。 そこにいること自体がこわかったからです。

 

 それでも、トテツモナイ数の人が、鹿児島市の天文館公園における全国集会に集まりました。

 川内原発再稼働を絶対に阻止する、という意思を持って・・・

 帰途の東京羽田への飛行機は、大幅に到着時刻が遅れました。それは、飛行機が御嶽山の噴火の微粒子をエンジンが吸いこまないように、警 戒していたからではないでしょうか。それが、川内原発周辺での噴火時に起こる、非常用発電機の壊滅を予告していたことになります。

 

 学者たちは、悲劇が起こってから、その原因を論じる。そんなことは、何の意味もない!

 起こる前に警告しろ!

 

3.その他

(1)(別添PDFファイル)歴史と物語(山口二郎:東京 2014.9.14

 http://yamaguchijiro.com/

(画面の中ほどにあります)

 

(2)(別添PDFファイル)「原発制御できず」国連報告、外務省こっそり抗議、3.11直後(東京 2014.9.11

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2014091102000145.html

 

(安倍晋三と並んで、何をやっちょるのかね、この役所は。日本の恥さらしだよ、まったく)

 

 二〇一一年の東日本大震災の直後、日本に派遣された国連チームが作成した報告書で、東京電力福島第一原発の事故を「コントロール(制御)できていない」と記述したことに対し、外務省側が「表現が強すぎるのではないか」と非公式に抗議していたことが十日、分かった。複数の関係者が明らかにした。

 

(3)水産庁-水産物の放射性物質調査の結果について

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/kekka.html

 

(こんなもの、あまり信用しない方がいいですよ。それに魚介類・水産物の場合には、危ないのは放射性セシウムだけではありませんから)

 

●水産総合研究センターによる水産物ストロンチウム等調査結果

http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/pdf/result_strontium_140523.pdf

 

(今年に入ってからはサンプル採取をしていない=調べていないことに加え、過去のものについても、サンプル採取日から、その検査結果を公表する日までの間の時間が長すぎます(1年間も公表されていないものもある)。最も危険で警戒しなければいけない放射性ストロンチウムについて、たったこれだけの調査しかせず、しかも、その調査結果の公表もいい加減でズさんのようです。東日本の太平洋側沿岸・沖合で獲れる魚は食べると危ないです)

草々

 

 

 

東京新聞・吉田調書シリーズ特集記事に見る福島第1原発事故(その実態と事故原因をさぐる):(4)自ら拡大、3号機の危機、「何とかなる」で大ピンチ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

東京新聞が9/15よりシリーズで報道し始めた吉田調書(政府事故調による吉田昌郎福島第1原発所長(当時)証言記録)に関する特集記事「調書は語る:吉田昌郎所長の証言」を見ながら、福島第1原発事故の実態とその原因を探ってみたいと思います。第4回目の今日は、下記の東京新聞記事です。なお、私のメールでは、このシリーズ特集記事にある、主として吉田昌郎所長証言のあいまいさや、証言から推察される福島第1原発事故深刻化の原因となったであろうことがらを取り上げて、簡単にコメントいたします。

 

 <別添PDFファイル>

● 調書は語る(4):自ら拡大、3号機の危機、「何とかなる」で大ピンチ(東京 2014.9.19

http://www2.87sumika.jp/tanutanu9887/e/962dcafef0545259fc3350de237f9ead

 

1.東京新聞記事

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「非常用冷却装置による冷却が続いていた3号機だが、十三日未明に装置が止まると状況は悪化。しかし、吉田昌郎(まさお)所長は官邸にいた東電の部長らしき人物から「海水を使うと廃炉につながる」との電話を受け、注入準備が整った海水を使わず、新たにホースをつなぎ、淡水注入の準備を始めた。この時間的ロスがさらに事態を悪化させる結果につながった。(肩書はいずれも当時)」

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(田中一郎コメント)

 31112日の1号機の場合には、首相官邸や東京電力本社を二枚舌を使ってだましてでも海水の注入を行った吉田昌郎所長が、3号機については、海水を使わずに真水を使おうとしている。海水を使えば、その原子炉は廃炉とせざるを得ないからだ。この期に及んで何をしているのか、という印象を強くするが、こうした吉田昌郎所長の態度の急変の背後には、東京電力本社から吉田昌郎所長に対して(陰に隠れて)猛烈な圧力がかかったものと推測される。「この時間的ロスがさらに事態を悪化させる結果につながった」とあるのは、おそらく3号機の高圧注水系(HPCI)が人為的に作業員の手動で停止されて以降の原子炉炉心の冷却が遅れに遅れてしまったことを意味しているものと推測される。

 

2.東京新聞記事

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「海水注入の準備が整ったのに、なぜ淡水に切り替えたのか。」

 

「基本的に思い出せないんですよ。強く海水がだめだというような指示が本店からあった記憶もないんですね。現場の人間は『海水注入は次にして、淡水という指示に切り替えた』と言っているようですけれども、私はあまり記憶が無くて、淡水であろうが、海水であろうが、やりやすい方でやればいいという判断でやったつもりなんです」

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(田中一郎コメント)

 またぞろ吉田昌郎所長得意の「思い出せない、記憶がない」である。先週末に「ポレポレ東中野」で上映された「東電テレビ会議 49時間の記録」(OUR PLANET TV 白石草氏 提供)の映像で見ても、吉田昌郎所長は、何度も何度も海水ではなくて真水で行くんだ、と頑張っていた(実際には、現場作業員は高い放射線量の下で、まとまった量の真水を探しまわっていた様子)。こんな言い訳が通用するわけがない。おそらくは東京電力本社からの圧力を隠蔽しているものと推測される。

 

(参考)「東電テレビ会議 49時間の記録」自主上映について OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1664

 

(みなさま、この録画は必見です。何とかして見るようにしていただければと思います:ある程度、沸騰水型の原子炉の基礎知識を持っておく方がいいですし、1回見ただけでは記憶に残らないので、2~3度くらい見た方がいいような気もします ⇒ 追って、別途報告します)

 

3.東京新聞記事

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「いろいろ思い出したんだけれども、確かに官邸から淡水で入れろという指示があった。それに引きずられたと今では思っていますけれども、完全に頭の記憶から抜けていました」

 

「私は海水もやむを得ずというのが腹にずっとありますから、最初から海水だろうと、当初言っていたと思います。その後に官邸から電話があって、何とかしろという話があったんで、がんばれるだけ水を手配しながらやりましょうと」

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(田中一郎コメント)

 やっぱりそうだろう。で、これで1件落着ではない。問題は、「指示があった」のは「官邸から」ではなく「東京電力本社」からではないのか、さもなくば、官邸に詰めていた竹黒一郎東電フェローの独断ではなかったのか。場所は官邸からでも、その中身は、東京電力本社幹部(おそらくは勝俣会長と若干名)で吉田昌郎所長に「廃炉にさせるな、真水でやらせろ」なんて、やっていたのかもしれない。1号機が炉心溶融して水素爆発で建屋が吹き飛び、続いて3号機が炉心溶融するかもしれないという時に、「何をやっとンじゃ、バカたれ」ということである。

 

4.東京新聞記事

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「ただ、水の手配はうちだけではできないんで、自衛隊も含めてお願いしますよという形で動いているというのがこの時点なんですね。ある程度、自衛隊が動いてくれれば水の補給は可能であるかなと、まだ期待があった時点なんで」

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(田中一郎コメント)

 これもどうもウソ臭い。「自衛隊」を引き合いに出せば説得力がつくとでも思っているのかもしれない。しかし、上記でご紹介した「東電テレビ会議 49時間の記録」を見ると、1号機が水素爆発を起こし、福島第1原発敷地内が高線量状態となって以降は、自衛隊は福島第1原発に近づくことさえ躊躇し、差し控えていた様子がうかがえる(現場の一部の指揮官が独断で福島第1原発事故現場への乗り込みを抑えていた可能性もある)。この福島第1原発事故直後の自衛隊の行動については、指揮命令系統も含めて、危機管理体制再検証の一環として、徹底して明らかにする必要があるように思われる。

 

5.東京新聞記事

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「1号はメーキャップできない状態で、真水を使えないんで、海水でやりますと腹を決めて海水を注入し始めた。廃炉も何も関係なくて。ここ(3号機)はまだメーキャップできる可能性があるんで、何とかできる範囲は真水を集めてやろうではないかという考え方ですから、海水をどんどんやるという前の日の状況とは違う」

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(田中一郎コメント)

 この段階の3号機は1号機と比べて、何が違うというのだろうか。この吉田昌郎所長の証言も理解に苦しむ。

 

6.東京新聞記事

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「淡水注水が始まるまで六時間四十分くらい空いているが、炉心の状態は」

 

「もうこのときは死ぬと思いましたから、要するにもっと早く入れたいわけですけど、結局ラインアップ(ホースをつないで注水の準備)もできないとか、いろんな条件が整わないということで」

 

「水位が下がっていく状況で、燃料棒がもう露出している認識はあったか」

 

「もちろんあります。水を入れるということと、格納容器の圧力を抜くことだけ考えていた。でも、準備ができないわけですよ。遅いだ、何だかんだ、外の人は言うんですけども、では『おまえがやってみろ』と私は言いたい。人も少ない中でやっていて、それを遅いなんて言ったやつは、私は許しませんよ」

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(田中一郎コメント)

「要するにもっと早く入れたいわけですけど」という吉田昌郎所長証言が、上記5.の「ここ(3号機)はまだメーキャップできる可能性があるんで」という吉田昌郎所長証言と矛盾しているのが分かる。ともあれ、「結局ラインアップ(ホースをつないで注水の準備)もできないとか、いろんな条件が整わないということで」証言に見られるように、現場の作業は混乱に混乱を極めていた。

 

 しかし、その大きな原因の一つが「準備ができないわけですよ。遅いだ、何だ、かんだ、外の人は言うんですけども、では『おまえがやってみろ』と私は言いたい。人も少ない中でやっていて、それを遅いなんて言ったやつは、私は許しませんよ」などと言うのなら、何故、東京電力本社や首相官邸に、きちんと人員や資材等の補給を要請しないのだろうか。道路事情が悪くて物資や人員等を福島第1原発まで届けられないのなら、ヘリコプターで運べばいいし、民間の運転手やパイロットが被ばくを恐れて担ってくれないのなら、自衛隊を出動させて運べばいい。私が福島第1原発事故直後の対応で不思議でしょうがないのは、事故現場に対する人員や資材の補給が全然だめで、対応にあたっていた現場や作業員が孤立無援のような状態だったことである。この「原発非常事態時における人員及び物資・資材の補給」についても、詳細にそれを振り返って検証することで、その問題点を浮き彫りにしなければならないと思う次第だ。

 

 それからもう一つ、吉田昌郎所長の自覚していた焦眉の問題は、証言にもあるように「水を入れるということと、格納容器の圧力を抜くことだけ考えていた」だった。この話は、ここ以外でも複数回出てきている。しかし、ここの場の発言は3号機の話(おそらく3/13)なので、1号機の水素爆発を経験した後である。何故、吉田昌郎所長は、この2つのことに加えて、1号機以外の各号機について、水素爆発をどう回避するか、という重要課題認識が念頭に浮かばなかったのだろうか。また、4号機の爆発は3号機からの水素が共用のベント用配管を通じて逆流した結果であったらしいので、そもそもベント用配管が3,4号機で共用になっていたことを吉田昌郎所長は知っていたのだろうか。更には、吉田昌郎所長が気がつかなかったのであれば、東京電力本社の技術系の人間が、何故、吉田昌郎所長に強く注意を促さなかったのだろうか。

 

(「東電テレビ会議 49時間の記録」を見ると、3/13の早い段階で、吉田昌郎所長や東京電力本社の人間は、3号機の水素爆発の危険性を察知し、1号機と同じようなことが起きるかもしれないから、大至急、対策を検討する、などと発言していた。にもかかわらず、何も手が打たれないままに、3/14の午前11時過ぎの3号機爆発に至ってしまっている。同録画では、2号機建屋の「ブローアウトパネル」(建屋の壁にある窓)が開いている(1号機の水素爆発で開いたのではないかとのこと)ことがわかり、みんなで大喜びしている場面もあった。ああ、なさけなや、なさけなや、だ)

 

 何度も繰り返して恐縮だが、原発事故時における水素爆発の危険性の認識は、スリーマイル島原発事故を通じて、世界共通の危機管理マターとなっていた。日本の東京電力を含む電力会社や原子炉メーカー、それに原子力ムラ御用学者どもが(斑目春樹原子力安全委員長がその代表格)、いかにレベルの低い、いい加減な連中であったかが、この3/13~14の3号機水素爆発に至るまでの経緯を見ることでよくわかる。

 

7.東京新聞記事

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「<しかし、消防車を一台増強し、重いホースを引き回して確保した八十トンの淡水は昼すぎに枯渇。再び海水に切り替える必要に迫られた。注水はその間五十分ほど途切れ、貴重な冷却時間を失うことになる>」

 

「だから、ホウ酸を入れて、それから海水という段取りを、私の記憶ではそう思っているんですけど、現場から聞くと、最初、海水といっていたのを淡水に戻してというような指示があったと言っているんですけども、私にはその記憶が無いんですよ。パラ(並行)では検討させた」

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(田中一郎コメント)

「私にはその記憶が無いんですよ。パラ(並行)では検討させた」 吉田君、ウソを言っちゃいかんよ。

 

8.東京新聞記事

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「<その夜、テレビ会議では、2号機の水源をどうするかが議論された。吉田氏が海水注入の方針を伝えると、本店社員が「いきなり海水っていうのは(炉内の)材料が腐っちゃったりしてもったいない。なるべく粘って真水(淡水)を待つという選択肢もある」と議論を蒸し返した。朝、水源を急に変える判断をし大ピンチを自ら招いた吉田氏は「今から真水というのはないんです。時間が遅れます。また」と言い放った>」

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(田中一郎コメント)

 東京電力本社には、まるでアイヒマンのような役職員がうじゃうじゃいるようだ。今度は2号機でも真水で行け、もったいない、などと言っている。ひょっとすると、その後ろで、勝俣恒久会長や竹黒一郎フェロー、あるいは武藤栄副社長が、へらへら笑って控えていたのかもしれない。

 

9.東京新聞記事

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「その時、政府や東電は… 官邸の指示は誰?」

 

「吉田氏が3号機への注水方法を、海水から淡水へ切り替えると指示したのは官邸からの1本の電話がきっかけだった。その場面は、東電のビデオ会議にも記録されている。13日午前6時43分。東電本店の社員がテレビ会議で「本当に緊急です。吉田所長、官邸から電話がかかってるんで転送します」と伝えた。」

 

「この電話の直後、吉田氏はこう指示する。「官邸から。ちょっと海水を使うのは早すぎるんじゃないかとコメントがありました。廃炉につながるだろうと。極力、ろ過水なり、真水を使うことを考えてくれと」 1号機では海水注入の中止命令を無視した吉田氏だが、この時は指示をすんなり受け入れる。電話の相手は誰だったのか。」

 

「吉田調書では「■■(黒塗りだが、東電の原子力品質・安全部長と判明)と話をした後、誰かに代わったんですよ」と、吉田氏の判断を変えさせたのはこの部長とは別人のような発言になっている。」 東電の武黒一郎フェローや原子力安全・保安院の安井正也氏、細野豪志首相補佐官ら数人の名前が挙がったが、吉田氏は「ここの記憶は全く欠落している」と繰り返した。」

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(田中一郎コメント)

 吉田昌郎所長が誰かをかばっているのは明らかである。

 

 

 <最後に>

 3号機には、いくつか「わからないこと」(謎)がある。その一つが、3/13昼ごろまでは正常に動いていた高圧注水系(HPCI)を作業員が手動で止めてしまったことがある。何故、そのようなことをしたのか。政府事故調では、それに代替する冷却手段を確保しないまま止めたことが3号機の深刻化を早めたとしているが、果たしてそれが、現場作業員の単純なミスにすぎなかったのかどうか。私は、高圧注水系(HPCI)の配管が地震の揺れでやられて漏水を起こし、放置すれば冷却水喪失状態となるので、作業員が気を利かせて急きょ止めてしまったのではないかと疑っている。

 

 また、もう一つの謎は、3号機の使用済み核燃料プールの状態である。この3号機はいわゆるプルサーマル炉であり、使用済み核燃料プールに入れてある核燃料も通常の原子炉のものとは違い、プルトニウムを多く含むより危険なものだった。一説によれば、この3号機の使用済み核燃料プールにあった核燃料が、3/14に3号機が水素爆発をしたのを契機に、ほぼ同時に即発臨界事故=核爆発を引き起こしていた、という。その真偽はどうなのだろうか。

 

 更に、空気作動弁が動かないこと(地震の揺れで制御系配管が損傷した可能性)や、原子炉圧力容器の水位計が早い段階からどうもおかしいことなど、3号機の制御系機器類のぜい弱性も非常に気になるところである。しかし、これらの機器類が、新規制基準でどの程度厳しく規制され、点検されているのか、怪しい限りであると思われる。ということは、再びの過酷事故の際には、福島第1原発事故と同じことが起きるとみておいて間違いないだろう。

 

 今後の3号機の事故検証の進展の中で注目していきたい。

草々

 

 

2014年9月28日 (日)

福島県知事選挙について + もう読まれましたか? 必読 『福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞』 (日野行介毎日新聞記者著 岩波新書)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

まず最初に、福島県知事選挙の情報です。

 

● 自・民・公・社は内堀氏相乗り 福島県知事選 河北新報オンラインニュース

 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140925_61020.html

 

(一部抜粋)

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 任期満了に伴う福島県知事選(10月9日告示、26日投開票)で、県内各政党の支持動向が24日、ほぼ固まった。自民、民主、公明、社民4党が内堀雅雄前副知事支援で相乗りし、共産党と新党改革は元宮古市長の医師熊坂義裕氏を支援する。東日本大震災と福島第1原発事故後初の知事選は、今期限りで引退する佐藤雄平知事(66)の路線を継承するかどうかが最大の焦点となる。前双葉町長の井戸川克隆氏ら新人5人も無所属での立候補を表明している。

 佐藤氏の2期8年を副知事として支えた内堀氏は「佐藤県政を継承し、発展させる」と訴え、佐藤氏も事実上、後継指名した。熊坂氏ら新人6人は「県政刷新」を訴え、内堀氏への対決姿勢を鮮明にしている。

 

(中略)

 

 共産党県委員会や福島県労連、県農民連などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」は24日、「原発ゼロや再稼働反対の姿勢が明確だ」として熊坂氏支援を決めた。共産党県委員会の久保田仁委員長は、自民党本部が内堀氏支援を決めた経緯に触れ、「原発再稼働を進める安倍政権が知事選に乗り込んできた以上、(熊坂氏支援を)政治判断した」と述べた。

 内堀、熊坂、井戸川の各氏は福島第1、第2原発計10基の全基廃炉で一致。県外の原発再稼働については内堀氏が明言を避ける一方、熊坂、井戸川両氏は反対している。

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<福島県知事選挙について、若干のコメントをしておきますと>

 

(1)脱原発は福島県では「当り前」のこと、争点は福島県外の原発をどうするかである(とりわけ柏崎刈羽原発や女川原発や東海第二は過酷事故を起こした場合には福島県も重度の被害エリアとなる)。脱原発をまじめに考えれば、日本の全ての原発・核燃料施設の廃止以外にあり得ない。

 

(2)それ以上に重要な争点は、賠償・補償を中心にしての被害者の救済をどうするのかということと、避難・疎開・移住も含めて予想される健康被害に対してどう備えるか=脱被ばく県政をどう構築するか、である。福島県の復興が争点であるかのごとく言うのは誤り、何故なら、人間が復興せず、人間が放射線被曝による健康被害や遺伝的障害の危険性の中にあって、真の意味での復興などありえないからだ。放射能に色も匂いも痛みもない、人間の五感では感じないからと言って、恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)状況を甘く見ることは、将来大きな禍根を残すことになる。それはすなわち、子どもたちや、これから生まれてくる未来世代に対する重大な背信・犯罪行為である。(この争点では、たとえば福島県が今現在自在にできるお金をどう使うか、という問題も含まれている)(

 

 私は、今回の知事選挙の最大の焦点は、賠償・補償を万全な形で実現させることと、被害者の選択を尊重する「子ども被災者支援法」を、その法律文の文字通りに実現させる、そういう県政かどうか、という点にあると考えている。決して、県民への被ばく押し付け付きの利権・土建優先復興の実現性ではない。

 

(3)内堀雅雄前副知事は候補者の中で最悪の候補である。この男は、そもそも福島県民ではなく、霞が関(総務省)から送られてきた「原子力ムラ代理店政府」の現地「お目付け役」である。家族は被ばくを回避するため、福島県外に居住させているとも伝えられている。この男は、これまで現知事の佐藤雄平の背後にいて、福島第1原発事故以降の福島県の「被ばく隠し」をはじめとする県民に対する背信行為や、復興事業に関わる利権・土建事業の促進(その多くは、いわゆる「除染」を含め、被災便乗型の無駄で無意味な事業であり、喜ぶのはそれを請け負った大手ゼネコンなど、一握りの連中だ)、あるいは脱原発と称しながらも国際原子力マフィアと言われる国際原子力機関(IAEA)や「国連科学委員会(UNSCEAR)」・国際放射線防護委員会(ICRP)などを県内に呼び込むなど、深刻な被害状況にある県民をよそに、原子力ムラに寄り添う県政を続けてきた人間で、この候補者が県知事になるということは、これまでのひどい県政が「居直り」態度でより一層、ひどくなることを意味している。

 

(4)脱原発・脱被ばくを求める市民運動・社会運動の知事選挙に対する取組や準備が全く不十分である。原発・原子力推進は、何の合理性も経済性も倫理性もないまま、政治の力だけで強引に推し進められている。また、福島県民を苦難の地獄に突き落とすような政策が進められているのも、ひとえに原発推進体制の再確立をせんがためである。これを「ひっくり返し」、被害者を完全救済しながら「脱被曝」を実現するためには、いやでも何でも、政治に対して真剣に取り組まなければ、その実現はおぼつかない。(その意味で、立候補する必要もなかった東京都知事選挙に出てきた小泉純一郎・細川護煕のグループは、一体何をしているのだろうか。先般の鹿児島衆議院補欠選挙、滋賀県知事選挙、今般の福島県知事選挙と、原発を廃絶していく上で非常に重要な選挙に対して、高みの見物を決め込んでいる。やる気あるのか、と申し上げなければならない)

 

(5)内堀雅雄前副知事候補を応援する既成政党は、もはや反県民性・反国民性丸出しの、目先利益だけで動く、政治ゴロツキ集団である。特に自民党は、これまでの原子力政策の誤りが福島第1原発事故で立証されたことを徹底して隠しつづけ、ごまかし続け、有権者・県民・国民の関心事にならないよう、原発の争点化・被ばくの争点化の回避を最優先している様子である。民主党という悪質極まる「口先やるやる詐欺」集団が押し立てた内堀雅雄前副知事候補に相乗り・便乗することで、まるで「フクシマ原子力翼賛会」の雰囲気を醸成させ、真の政治争点から県民の目をそらそうと躍起である。「勝てなくてもいい、目に見える形で負けたくない」、これが自民党(特に本部)の基本姿勢であり、それが故に、地元福島の自民党県連が候補者にと推薦した鉢村健氏(日銀支店長)の立候補を断念させている。こんな政党や、その推薦候補者に投票している限り、福島県民は永久に救われることはないだろう。

 

 また、この内堀雅雄前副知事を推すガラクタ既成政党中に社民党福島が入っているのは如何にも嘆かわしい。福島県では、社民党は「おなくなりになった」と理解しておいて間違いないだろう。選挙はまだ始まっていないのだから、政治的に消滅したくなければ、社民党は内堀雅雄前副知事候補への応援を止めよ。社民党本部は、社民党福島を説き伏せよ。

 

(6)最悪の内堀雅雄前副知事候補の当選を阻止するためには、今の福島県の政治情勢を鑑みた場合、脱原発・脱被曝の候補の統一に努力する必要がある。しかし、上記でも申し上げたように、選挙間際になって、こんなことを繰り返していては、脱原発・脱被曝など、今後もおぼつかないことを強く申し上げておきたい。何故、重要な選挙に向けて関係者が一堂に会し、自分達の候補者と政策を決めようとしないのか。誰かがやってくれるとでも思っているのか。

 

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もう読まれましたか? 必読 『福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞』 (日野行介毎日新聞記者著 岩波新書)

 

福島県の皆様には、この本は知事選挙の前にぜひともご一読していただきたいと思っています。ここに出てくる政府や原子力ムラ・放射線ムラの人間達の出鱈目と歩調を合わせて「頑張っていた」のが、佐藤雄平・内堀雅雄県政であったということを念頭に置いておく必要があります。別添PDFファイルに、その中でも、もっとも注目すべき「「子ども被災者支援法」基本方針の閣議決定」についての「第5章」を添付しておきました。

 

でも、この別添PDFファイルだけをご覧になるのではなく、この本を書店でお求めいただいて、ぜひ、全部をご一読ください。下記には、この「第5章」の小見出しだけを並べておきます。

 

● 『福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞』(日野行介毎日新聞記者著 岩波新書)  http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033147587&Action_id=121&Sza_id=B0

 

(日野行介毎日新聞記者の前著)

 これも必読です:佐藤雄平・内堀雅雄県政が福島第1原発事故による被ばく被害を「ないことにする」ための努力の仔細がわかります。

 

●『福島原発事故県民健康管理調査の闇』(日野行介毎日新聞記者著 岩波新書) 

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032981090&Action_id=121&Sza_id=B0

 

 <第5章 激しい反発を無視して閣議決定>

突如発表した基本方針案

大臣会見から読み取れること

健康影響はない前提

声を聴く気はない

被災者はどう聞いたか

黒塗りの会議資料

説明責任の放棄

批判相次いだ説明会

福島県の本音は

県外自治体からの批判

ホットスポット

母親たちの怒り

批判のパブコメは反映せず

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草々

 

 

2014年9月27日 (土)

東京新聞・吉田調書シリーズ特集記事に見る福島第1原発事故(その実態と事故原因をさぐる):(3)海水注入ためらったか、堀に水「これしかない」

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

東京新聞が9/15よりシリーズで報道し始めた吉田調書(政府事故調による吉田昌郎福島第1原発所長(当時)証言記録)に関する特集記事「調書は語る:吉田昌郎所長の証言」を見ながら、福島第1原発事故の実態とその原因を探ってみたいと思います。第3回目の今日は下記の東京新聞記事です。なお、私のメールでは、このシリーズ特集記事にある、主として吉田昌郎所長証言のあいまいさや、証言から推察される福島第1原発事故深刻化の原因となったであろうことがらを取り上げて、簡単にコメントいたします。

 

 <別添PDFファイル>

● 調書は語る(3):海水注入ためらったか、堀に水「これしかない」(東京 2014.9.18

ココログhttp://blog.goo.ne.jp/tanutanu9887/e/323d3c76f0fdec24a5eb091edb33e1e1

 

1.東京新聞記事

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「吉田昌郎(まさお)所長が最も心配していたのが水の確保だ。過熱した炉心を冷やすには、大量の水が必要となる。十二日早朝から消防車による淡水注入が始まったが、水源は建屋周りの防火水槽。一つの水槽には四十トンほどしかなく、使い果たすのは時間の問題だった。」

 

「淡水はどこかで尽きるのは決まっていますから、もう海水を入れるしかない。私がこのとき考えたのは『格納容器の圧力を何とかして下げたい』『原子炉に水を入れ続けないといけない』。この二点だけなんですよ」

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(田中一郎コメント)

 福島第1原発事故では、原発停止の3原則=「止める」「冷やす」「閉じ込める」のうち、「止める」についてはかろうじて成功した(実は、沸騰水型原子炉は、重力に逆らって制御棒を原子炉の下から炉心に「水圧」を使って挿入していくので、下手をすると地震の揺れのために制御棒が炉心に入らず、核分裂反応を止められないという事態もあり得た)。

 

 しかし、その次の「冷やす」に失敗し、その結果「閉じ込める」もできなくなってしまった。上記で吉田昌郎所長が「原子炉に水を入れ続けないといけない」と念じ続けたのは当然のことだったと言えるだろう。では、何故、この当たり前の「冷やす」ということが福島第1原発事故時には困難だったのか。

 

 釈迦に説法のような気がするが、ここで「原発とはどういうものか」のプリミティブな話を簡単にしておきたい。

 

 <原発の基本的特徴>

(1)人間が完全には制御できない原子核核分裂反応によるエネルギーを熱エネルギーの形で水を媒介にして取り出し(つまり湯を沸かし)、それでタービンを回して電気をつくる。簡単に言えば、原発とは、核分裂を利用して湯を沸かしてタービンを回して電気をつくっているだけの、単純でつまらない、レベルの低い技術・設備にすぎない。エネルギー効率は極めて悪く、原子炉が生み出すエネルギーの3割が電気となり、残り7割は温排水などとして海に捨てられている。その3割相当の電気も、原発が消費地の都会から遠い過疎地につくられるため、送電の間に、これまた大きなロスが発生し、実際のエネルギー効率は20%台になってしまう。

 

(2)原子力発電の結果、死の灰と呼ばれる厄介で危険で始末に負えない放射性廃棄物や、それ以上に危険な使用済み核燃料が大量に発生する。この原発の排出物の後始末については、全く対処のしようがないままに放置され、それでもどんどん原発が進められていく。従って原発は、「トイレなきマンション」と言われている。

 

(3)原発は単純でレベルの低い技術で出来ているが、それを経済的に他の方法による発電施設並以上のものとするために(発電コストをドラスティックに引き下げるために)、無理に無理を重ねて、a.超巨大化、b.核燃料の濃縮、c.高温高圧状態、という、一歩間違えば取り返しがつかないような巨大な怪物のような発電設備にしてある。その結果、その無理を制御するための装置類が複雑かつ巨大化し、設備全体の危険性が破滅的に巨大化してしまった。

 

(4)結局、原発は、ローテク・ハイリスク・重厚長大・複雑・低採算低エネルギー効率・持続不可能性の「無理」の固まりのような設備となり、それをさまざまな嘘八百や政治的テコ入れでやりくりして今日に至っている。そしてこれに対して、いい加減・ズサン・無責任な管理がなされて原発が運転されているのである。

 

 スクラム(原子炉の緊急停止)後の原子炉(核燃料)冷却が必要であるにもかかわらず、それができなかったのは、上記の(1)~(4)がその原因と考えてよい。すなわち、東日本大震災の大きな揺れにより、複雑で巨大な原発施設のうち、冷却系の配管や制御系のパイプなど、どこかがおかしくなり、ついで津波に襲われて全電源を喪失後は、まったく原子炉・原発施設を制御できなくなっただけでなく、原子炉内の状況さえつかめなくなって、にっちもさっちもいかなくなってしまった。原子炉圧力容器の内部は、制御できなくなった核燃料が熱を出し続けるために(制御を超えて際限なく)高温高圧となり、ここに冷却水を注入しようとすれば、原子炉内圧力に負けないくらいの相当の高圧のポンプやコンプレッサーが必要となるが、それが手配できなかった。

 

 また逆に、原子炉圧力容器内の高圧状態を下げるという方法もありうるが、そうしようと思えば、原子炉につながれた冷却系その他の配管についている「弁」を開けて炉内の水蒸気等の気体を炉外に排出(ベントという)して圧力を下げてやる必要があるが、これも、電気がない、放射能が強くて弁に近づけない(手動操作できない)、空気圧で動く制御系が地震で壊れた、などの理由から、結局、タイミングよく実施することができなかった。

 

 そして、注水するにしろ、ベントするにしろ、原発施設のどこがどのようにおかしくて、それができないでいるのかもわからないままに、いたずらに時間が過ぎて、原子炉の状態がどんどん危機的状況に陥っていくという事態になったのである。こういう状態の中で、吉田昌郎所長は、①原子炉(核燃料)冷却用の水を炉心に注入すること、②冷却できない核燃料の出す熱による高圧・高熱状態が原因で圧力容器から漏れ出てくる気体によって格納容器内の圧力も上がってきているので、格納容器がそれによって壊れてしまわないように、何とか格納容器内の圧力を下げようとしていた。

 

2.東京新聞記事

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「海水注入の準備など、そういうやりとりをしていることについて、本店などは把握していたか。

「準備しているだとか、細かい状況については報告していなかったんですね。別に情報を知らせたくないということではなくて。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

 ここでも福島第1原発サイドから東京電力本社への情報提供がきちんとなされていなかった様子がうかがえる。東京電力本社の現場支援の対応はまことによろしくないが、かといって、現場の方も、適切な対処ができていたかどうかは疑問である。危機管理体制が東京電力は、上から下まで、本部から現場末端まで、全然ダメという状態だったことがこういう証言から見えてくる。(昨日(9/26)にポレポレ東中野で開催された「福島映像祭2014」にゲストとして招かれて話をした元東京電力職員の井戸川りょうた氏(事故当時1,2号機の中央操作室内にいた)は、現場に対する福島第1原発内での指示もあいまいなものが多く、現場をいたずらに混乱させていたと発言していた)

 

3.東京新聞記事

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「十九時四分に海水を注入した直後、官邸にいる武黒から電話がありまして『官邸ではまだ海水注入は了解していない、と。だから停止しろ』との指示でした」

 

「(私は)『できませんよ、そんなこと、注水をやっと開始したばかりじゃないですか』と。はっきり言うと、(武黒氏から)『四の五の言わずに止めろ』と言われた」

 

「何だこれはと思って取りあえず切って、(テレビ会議で)本店に『(武黒氏が)こういうことを言ってくるけれどもどうなんだ。そっち側に指示がいっているのか』と聞いた。指示がいっていたような、いないような、あいまいなことを言っていました」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

 今ではすっかり有名になったシーンだが(結局、吉田昌郎所長が「二枚舌」を使って官邸側にウソを言い、現場では独断で海水注入を続けさせた)、この海水注入を止めろという指示は、誰がどのように行ったのか、そろそろ明らかにすればどうかと思う。状況証拠からは、武黒一郎フェローの単独判断のような印象を受ける。しかも、その後3月13日には3号機でも同じようなことが起きるが、その時は吉田昌郎所長は、海水ではなく真水を探し出して入れる方針を取り、1号機とは違った判断をすることになる。

 

 いずれにせよ、炉心溶融を起こして危機的状況になっている原子炉・原発を目の前に置いて、廃炉にしたくないから(もったいないから)海水ではなく真水にしろ、というその精神状態というか、認識状況には、あきれ返るばかりである。

 

4.東京新聞記事

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「水素爆発後、やっと1号機の海水による冷却が再開されたのに、官邸に詰めていた東電の武黒氏が、吉田氏に海水注入を止めるよう指示した背景には、官邸で1時間も続いた「(連続的に核分裂が起きる)再臨界論争」があった。」

 

「破損したホースをつなぎ直し、注入準備が整ったところで海江田経産相が報告のため、官邸に行った時のこと。菅直人首相が「海水を注入した場合、再臨界の危険はないのか」と質問し、班目春樹・原子力安全委員長が「可能性はゼロではない」との趣旨の答えをした。その場にいた人は「え?」と思ったが、班目氏の答えを聞いて危険があるのかどうかの議論が始まってしまった。」

 

「議論の末、「危険なし」でまとまったが、結論が出る前に、武黒氏が「官邸の了承が得られていない。現場先行が将来の妨げになっては困る」と判断。命令もないのに吉田氏に中止を指示した。」

 

「通常なら、班目氏も「なし」と明言したかったはずだが、「なし」と明言したのに1号機で水素爆発が起きた。「その辺の負い目みたいなものがあったと思うんですよ。確信を持って言うのはまずい、という」。細野豪志首相補佐官や海江田氏は調書で、班目氏の心境を推測している。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

 上記を読んで、再びあきれてしまった。斑目春樹氏(=頭狂(東京)大学教授、「でたらめ春樹」と言われている)は原子力安全委員会委員長である。本来であれば、原発過酷事故時には首相のそばにいて、事実上、過酷事故対策の総指揮者とならねばならないはずである。それがこんな調子で、結局、福島第1原発事故直後の最も深刻な数週間を通じて、まったくクソの役にも立たなかったのである。何のための原子力安全委員会なのか。

 

 この斑目春樹委員長は、菅直人(当時)首相に「水素爆発はない」と言ったにもかかわらず1号機が爆発した際、「あああああ・・・」などと呟きながら、頭を抱えてうずくまってしまったそうである。こんな人間達が、原発の安全を差配し、原発を推進していたのである、このこと1つを取ってみても、原発の再稼働など、絶対にあり得ない話である。福島第1原発事故につながるすべての原子力ムラ御用学者どもを「公職追放」しなければいけない。平成の世において、戦後のGHQの役回りをするのは、我々有権者・国民である。

 

 それからもう一つ、1号機の水素爆発の直後にTV番組に解説者として現れた御用学者は、その水素爆発を「爆破弁」による作業であって、意図しない爆発などではないのではないか、とうそぶいていた(下記参照)。かような人間が、まだ東京工業大学の教授様だそうである。日本の大学も立派なものだ。ちなみに、この有冨正憲の名前でネット検索をしてご覧になるとよい。ロクでもない話がわんさとヒットするではないか。今後も忘れないで覚えておきたい名前だ。

 

●御用学者の正体 (東工大 有冨正憲教授) 院長の独り言

 http://onodekita.sblo.jp/article/45297988.html

 http://keibadameningen.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-a735.html

 

5.最後にもう一言

 いろいろ工夫をして、福島第1原発の各号機の原子炉圧力容器内には「消火系」と呼ばれる本来は原子炉内を冷却する目的でつくられたものではない注水系を使って、真水や海水が大量に注水された。しかし、後からわかったことは、その水の大半が炉心にはいかずに、海水へ原子炉の熱を捨てるための「復水器」と呼ばれる装置の方に行ってしまい、実際には原子炉内の冷却には、ほとんど役に立っていなかったということである。

 

 この「消火系」と呼ばれる注水系も、ベント装置などと同様、1990年代に、米スリーマイル島原発事故の教訓を受けてアメリカで原子炉の追加安全対策が義務化された時に、日本でも同じような対応を、ということで追加装着されたものである。しかし、以前にも申し上げたように、この日本での「追加安全対策」は「義務」ではなく「(電力会社の)任意対応」として位置づけられたため、ただ「あればいい」式の、いい加減なものだった可能性が高い。今回の福島第1原発事故直後の対応・対策は、こんな「危うい」安全装置の上で展開されていたわけで、これでは物事がうまく行く方が不思議というものである。

草々

 

2014年9月25日 (木)

東京新聞・吉田調書シリーズ特集記事に見る福島第1原発事故(その実態と事故原因をさぐる):(2)苦悩のベント、水素爆発、「早くやれ」一点張り

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

東京新聞が9/15よりシリーズで報道し始めた吉田調書(政府事故調による吉田昌郎福島第1原発所長(当時)証言記録)に関する特集記事「調書は語る:吉田昌郎所長の証言」を見ながら、福島第1原発事故の実態とその原因を探ってみたいと思います。昨日に続き、第2回目は下記の東京新聞記事です。なお、私のメールでは、このシリーズ特集記事にある、主として吉田昌郎所長証言のあいまいさや、証言から推察される福島第1原発事故深刻化の原因となったであろうことがらを取り上げて、簡単にコメントいたします。

 

 <別添PDFファイル>

● 調書は語る(2):苦悩のベント、水素爆発、「早くやれ」一点張り(東京 2014.9.17) http://blog.goo.ne.jp/tanutanu9887/e/f9e111b71b840643a820ec874da0e486

 

1.東京新聞記事

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「 東京電力福島第一原発1号機では、吉田昌郎(まさお)所長ら現地対策本部は、非常用冷却装置(IC)による炉心冷却がずっと続いていると誤認していた。冷却が止まった炉内では、三月十一日夕には炉心溶融が始まっていた。」

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(田中一郎コメント)

 非常用復水器(IC:Reactor Core Isolation Cooling Condenser)はスクラム(原子炉緊急停止)とともに自動的に止まり、その止まること・止まっていることを吉田昌郎所長は知らないでいて、非常用復水器がずっと炉心を冷やし続けていると思っていた、などという証言は怪しい限りである。現場では、作業員が何故だかわからないが、非常用復水器を手動で止めたり稼働したりしていた。やはり元日立の原子炉設計技師・田中三彦氏が言うように、非常用復水器か、あるいはその周辺にある配管類に地震の揺れによる破損が生じ、そこから冷却水が漏れ出す事態になっていて、それを何とか現場が食い止めようとしていたのではなかったか。そのことは、福島第1原発1号機周辺で高い放射線量が検出されていることとも平仄が合う。また、田中三彦氏が国会事故調調査員だったときに1号機に現場調査に入ろうとして、東京電力からウソをつかれて調査を妨害されたこととも整合的だ。東京電力他の関係者は「何かを隠している」(地震の揺れによる1号機の破損)のではないのか?

 

2.東京新聞記事

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「私もこの事象に初めて直面しているので、はっきり言って分からないんですよ。細かい現場の状況が。計器が見えていないし、中操(中央操作室)の状況の電源、真っ暗だとか、主要計器が消えている。AO弁(空気作動弁)のエアがない、もちろんMO弁(電動駆動弁)は駄目だと。・・・・・」

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(田中一郎コメント)

「AO弁(空気作動弁)のエアがない」とはどういうことか。NHKがだいぶ前に福島第1原発事故の特集番組を放送した際、福島第1原発の3号機では、原発の弁その他の機器類を作動させる「空気圧」を使った制御系の配管が地震で破損して高圧の空気が漏れ、制御系として機能しなくなった旨の説明をしていた。ここの意味はそういうことなのか。いずれにせよ、この吉田昌郎所長証言からの教訓は、(1)中央制御室の「明り」を独立した非常用電源で確保しておけということ=中央制御室はいかなることがあっても真っ暗にはならない、(2)AO弁(空気作動弁)の耐震性や非常事態時の機能性確保について、万全の対応をせよ、ということだ。しかし、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、そのような問題意識もないまま、こうした福島第1原発事故の教訓を生かすこともなく、川内原発再稼働にGOサインを出そうとしている。また、安倍晋三・自民党政権の阿呆の政治家どもは、何でもいいから原発をそろそろ動かせと大騒ぎ状態だ。

 

3.東京新聞記事

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「本店なり、東京に連絡しても、その辺は伝わらないですから。早くやれ、早くやれというだけの話です。本当の現場、中操という現場、準現場の緊対室(対策本部の円卓)、現場から遠く離れている本店と認識の差が歴然とできてしまっている」

 

「一番遠いのは官邸ですね。大臣命令が出ればすぐに開くと思っているわけですから、そんなもんじゃないと」

 

「十二日六時五十分に、経産相からベント実施命令が出たが経過は。

 「知りませんけれども、こちらでは頭にきて、こんなにはできないと言っているのに何を言っているんだと。実施命令出してできるんだったらやってみろと。そういう精神状態になっていますから。できないんですよと言っている話がちゃんと通じていかなくて、何か意図的にぐずぐずしていると思われていたんじゃないかと思うんですけれども」

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(田中一郎コメント)

 吉田昌郎所長の証言には、こうした本店に対する「うらみ事、苦情」がやたら多い。その気持ちはよくわかる。今回の福島第1原発事故後の対応において、勝俣会長・清水社長以下の東京電力幹部達、あるいは本店実務部隊の対応のお粗末ぶりにはあきれるばかりである。私の経験で申し上げれば、東京電力本社の幹部達が、、日々、会議用ペーパー作りに励み、現場を軽視して会議ばかりをやって、言い訳上手のノーナシ状態が続いていたが故の必然的結果と見ていいと思う(そして、民主党の政治家どもが牛耳る首相官邸(対策本部)に至っては、そのお粗末さ加減は極致に達していた)。

 

 しかし、それの裏返しとして、吉田昌郎所長自身の東京電力本社や首相官邸(対策本部)や、現地のオフサイトセンターとの意思疎通・情報共有化・本部への必要事項の要請などなど、現場のトップとしての当然の責務は果たしていたのか。自分が身に余るほどの仕事量になっていたのなら、その役割を一定の範囲で発電所の幹部クラスの部下に分担分けをし、現場組織としての対応能力向上にどれだけ努めていたのだろうか。ひょっとして、福島第1原発では、吉田昌郎所長以外は現場管理を全くできない無能人間ばかりが幹部クラスを構成していたということなのか。原発・核燃料施設の危機対応の現場での在り方として、吉田昌郎所長以下の役割分担や動き方について、実際に起きたことを厳しい目でレビューし、今後の現場危機管理体制構築の教訓にすべきである。

 

(危機的事態になって現場が大変だった場合、日本は昔から現場にいてがんばった人間を英雄化し、返す刀で本部=指揮命令者を馬鹿呼ばわりして、それで終わってしまい、本来なすべき「組織的な危機対応の在り方、役割分担や一つ一つの行動の反省」などをやろうとしなくなる傾向にある。これはまことによろしくない精神構造・組織風土で、こういうことだから、何度も何度も「敗戦」={失敗」を繰り返すのだろう。「失敗の研究」が全く足りない)

 

4.東京新聞記事

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「できないんですよと言っている話がちゃんと通じていかなくて、何か意図的にぐずぐずしていると思われていたんじゃないかと思うんですけれども」

(中略)

「なかなかその雰囲気からしゃべれる状況ではなくて、現場は大変ですよということは言いましたが、何で大変か十分説明できたとは思っていません」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

 上記3.で申し上げたことが、この2つの相反する吉田昌郎所長証言によく出ていると思われる。簡単に言えば、東京電力本社もひどいけれども、吉田昌郎所長の方にも問題は山ほどあるのだということである。だからこそ、菅直人(当時首相)をはじめ首相官邸には全くと言っていいほど現場情報が入らず、どうなっているのかさっぱり分からないまま、悪い情報が逐次、結果だけ伝えられるという事態が続いていたのだろう。この状態に菅直人がプッツンして、福島第1原発へ飛んでいき直接現場を自分の目と耳で確かめたり、東京電力本社へ乗り込んで東京電力幹部どもの尻を蹴り上げたのはやむを得ないことだったと思われる。そうしなければ、何が何だか分からないままに事態は推移し、結果はよりひどいものになっていた可能性が高い。

 

5.東京新聞記事

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『ベントどうなった』というから、『われわれは一生懸命やっていますけれども、現場は大変です』という話はしました。記憶はそれくらいしかない。時間はそんなに長くなかったと思います」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

「記憶はそれくらいしかない」というのはおかしな話である。吉田昌郎所長証言には、肝心なところでこれが多い。何かを隠してしゃべらない、あいまいにしてごまかしている雰囲気がある、紙一重の幸運により、かろうじて最悪事態を免れた福島第1原発事故の教訓をしっかりと後世に残し、二度と自分が経験したような地獄を誰にも経験させない、という強い意志が吉田昌郎所長には感じられない。かような人間を「英雄」に仕立て上げてはいけない。

 

6.東京新聞記事

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-水素爆発の可能性は全く考えなかったのか。

 「われわれは思い込みが強いんですけれども、格納容器の爆発をすごく気にしたわけです。今から思えばあほなんですけれども、格納容器が爆発するぐらいの水素、酸素が発生しているのに、それが建屋にたまるところまで思いが至っていない。今回の大反省だと思っているんだけれども、思い込みが、あそこが爆発するとは思っていなかった。原子力屋の盲点、ものすごい大きな盲点」

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(田中一郎コメント)

 福島第1原発事故から30年ほど前にスリーマイル島原発事故があり、その時に水素爆発の危険性が最も懸念される焦眉の大問題になっていた。スリーマイル島原発は福島第1原発とは違い加圧水型の原子炉で格納容器が大きく、炉心溶融などの過酷事故があって水素が大量発生しても、水素爆発は比較的起きにくいといわれていた、その型の原発で、まさに水素爆発の危険性が事故対策に当たる関係者を深刻に悩ましていたのである。そのスリーマイル島原発事故の教訓を、日本の原子力ムラや東京電力、あるいは日本の原子炉メーカーらは、どのように学び、どのようにそれを実際の原発に活かしてきたのか。

 

 「今から思えばあほなんですけれども」と吉田昌郎所長は話すが、まったくその通りの「あほ」としか言いようがない。どうしてくれるのだ! 炉心溶融 ⇒ 水蒸気・ジルコニウム被覆管反応 ⇒ 水素ガス大量発生 ⇒ ガス漏れ ⇒ 爆発、というのは、容易に考えが及ぶ危機シナリオである(最近は「事故シーケンス」などと言うとるらしい=言葉でかっこつけても、中身がすっからかんの原子力ムラの”あほ”言葉にすぎない)。その何十年も前に明らかになっていた原発事故のリスクを、むざむざと、何のなすすべもないままに、そのまま顕在化させてしまっているのである。腹立たしいにもほどがある。何故なら、この水素爆発によって、福島県をはじめ東日本一帯が猛烈な放射能汚染地帯となってしまったからだ。許してくれと言われても許せん話である。

 

 加えて、もう一つ言っておくべきは、1号機の水素爆発から、3号機、4号機、2号機と、それぞれ爆発していくまでには、相応の時間があったはずで、何故、その間に、更なる水素爆発の防止対策・対応を、東京電力本社や首相官邸などと相談しながら手を打たなかったのか。少なくとも2号機は、原子炉建屋の壁にある大きな窓が開いていたので、建屋の水素爆発はなかった。建屋の窓を開ける、ダメなら、建屋の一部を壊して、水素が外へ逃げて行くようにする、くらいのことはできなかったのか。

 

 また、4号機の水素爆発は、3号機と4号機のベント管が「共用」となっていたために、3号機からベント排出された水素ガスが4号機に逆流して、それが爆発したという。それが本当なら、この4号機の水素爆発は、業務上過失、として、刑事告発する必要があるだろう。ドライベント装置は、アメリカではスリーマイル島原発事故を受けての原発の安全性の再検証の結果、設置が義務化された追加安全装置の1つである。しかし、日本では、それは設置義務化されることはなく、「電力会社の一層の安全性確保へ向けた努力事項」として、当時(1990年頃)の原子力安全委員会の原子力ムラ御用人間たちによって位置づけられ、(設置するか否かは電力会社の任意であり、プラスアルファの装置なのだから、とばかりに)手抜き工事がされたり、設置見送り(日本原電・敦賀原発1号機)となったりしてしまった。こうした追加安全対策の「手抜き」の結果が、4号機の水素爆発である。

 

7.東京新聞記事

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「首相、ヘリ視察強行

ベント成功の報が入らない官邸では、いら立った菅直人首相が、ヘリで福島第一に行くと言いだした。だが、首相が官邸を空けることになる。

 

「政治的には絶対にあり得ない。政治的パフォーマンスとしてやるんだったら、むしろマイナス効果の方が大きい。それは分かっていますね」。枝野幸男官房長官は明確に反対した。

 

細野豪志首相補佐官は内心は反対だったが、「あの首相にスイッチが入った」「行くと決めたら行く人」と考え、反対は口にしなかった。「ベントを遅らせたのでは」との念に苦しんだが、後に吉田昌郎所長がまったく影響がなかったと聴取に答えていることを聞き、ほっとしたという。

 

 賛成だったのは福山哲郎官房副長官。「原発の状況も確認したい。相当、首相の中でストレスがたまっているのです。『私が直接、吉田昌郎所長とやる』という感じ。行かなかったら、現場も見ないで指揮したのかと、マスコミにたたかれる」と聴取に答えている。

 

海江田万里経済産業相は「原子力の問題で責任を果たさなければいけないのは、自分一人しか今、官邸にはいなくなったな、と思いました」と振り返った。

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(田中一郎コメント)

 上記は当時の民主党政権幹部達のそれぞれの個性が出ている証言である。よく見ておかれるといい。どいつもこいつもロクでもないが、最も腹立たしいのは、この連中が、福島第1原発事故で放出される猛烈な放射能によって、最も被害を受ける地域住民がどのように被ばくさせられてしまうのか、それを最小限に食い止めるためにはどうすればいいのか、言いかえれば、地域住民の身の安全を図るには、どうすることが一番重要なのかを真剣に、優先して検討していた様子がうかがえないことである(放射能汚染を隠すことはいろいろと工夫をしていた様子あり)。許しがたい限りである。全員、とっとと消えちまえ、馬鹿野郎ども、ではないか。

草々

2014年9月24日 (水)

東京新聞・吉田調書シリーズ特集記事に見る福島第1原発事故 (その実態と事故原因をさぐる)(1) : 津波で全電源喪失、「絶望」

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

今回より数回に分けて、東京新聞が9/15よりシリーズで報道し始めた吉田調書に関する特集記事「調書は語る:吉田所長の証言」を見ながら、福島第1原発事故の実態とその原因を探ってみたいと思います。私のメールでは、このシリーズ特集記事にある主として吉田証言のあいまいさや、証言から推察される福島第1原発事故深刻化の原因となったであろうことをとりあげて、簡単にコメントいたします。第1回目は、9/15付東京新聞「津波で全電源喪失、「絶望」」です。

 

 <別添PDFファイル>

● 調書は語る(1) 津波で全電源喪失、「絶望」(東京 2014.9.15

http://blog.goo.ne.jp/tanutanu9887/e/8f1734ef4f219214a7217aa7b51db2aa

 

1.東京新聞記事

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「 ■「冷却中」と思いこみ

 <十五時四十分ごろ、保安院から官邸危機管理センターに「福島第一原発全電源喪失、冷却機能停止」の連絡が入る。吉田氏らは、予想もしない事態に呆然としていた> -全交流電源喪失の報告を受けて、どういったことをしようと考えたか。

 

 「はっきり言って、まいってしまっていたんですね。シビアアクシデント(過酷事故)になる可能性が高い。大変なことになったというのがまず第一感。DGを生かせられないかとまず考えるんです。津波によって水没したかどうか、その時点では分かりませんから。それがなくなったらどうしようと」

 

 -次にどういう対応を取ろうと考えたか。

 

 「絶望していました。どうやって冷却するのか検討しろという話はしていますけれども、自分で考えてもこれというのがないんですね。DD(ディーゼル駆動の消火ポンプ)を動かせば、(水が)行くというのは分かっていて、水がなさそうだという話が入り、非常に難しいかなと思っていました」

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(田中一郎コメント)

吉田(当時の東京電力福島第1原発所長の吉田昌郎氏:以下同じ)発言の「DD(ディーゼル駆動の消火ポンプ)を動かせば、(水が)行くというのは分かっていて、水がなさそうだという話が入り、非常に難しいかなと思っていました」については、理解に苦しむ。津波を受けて直後の全電源喪失時の吉田所長の話なのに、どうしてこの段階で「冷却用の水がない」などという話になるのか。ECCS(緊急炉心冷却装置:Emergency Core Cooling System)が非常時に大量の水を使うことはわかりきった話である。その水が、少なくとも数日間は原子炉炉心の冷却を維持できるくらいの量で用意されていなければ「ECCS」などとはとても言えない(機能しない)のではないか。

 

2.東京新聞記事

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「 <ICは、圧力容器の蒸気をタンクの水で冷やして水に戻し、その水を注水する仕組み。作動中は「豚の鼻」と呼ばれる建屋壁面の排気口から、蒸気が勢いよく噴き出し、ごう音がとどろく。しかし、現場の運転員は「作動経験がなく、訓練も受けていなかった」(事故調報告書)>」

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(田中一郎コメント)

1号機のIC(非常用復水器: Reactor Core Isolation Cooling Condenser)については、「ごう音がとどろく」はずが、そんな音を聞いた現場作業員はいない、というのが実態らしい。つまりICは、ほとんど動いていなかったということ。この非常用復水器(IC)については、原発に批判的な元日立の原子炉設計技師の田中三彦氏が、事故の早い段階から、地震の揺れによる破損の可能性を指摘しており、それには相当の説得力がある。

 

たとえば、この1号機ICは、事故直後から現場作業員によって「停止されたり、再び動かされたり」を繰り返している。何故、かようなことを作業員が行ったのか。東京電力の説明は、急速に原子炉を冷やすことによる炉の痛みを和らげるため、マニュアルに書かれているようにやった、などと説明しているが、不自然な辻褄合わせっぽくておかしい。原発が地震で緊急事態に入っている時に、一般的にはかようなことはしないものだ。

 

また、圧力容器内の圧力の推移が事故直後からおかしい。現場の運転員の「作動経験がなく、訓練も受けていなかった」発言も、ほんとうなら東京電力の管理責任が厳しく問われなければいけないし、それ以上に、吉田所長も含めて、非常用復水器(IC)のことを知らないというのは不自然である。

 

更にまた、非常用復水器(IC)が(大きな音が出ないので)動いている様子がないのに、現場作業員がICを停止させてしまうというのはいかにも不自然である。想像できることは、この非常用復水器の長い長い老朽化したパイプ配管に、地震の揺れによる亀裂または破損が入り、そこから水蒸気が環境に漏れ出ることによって、原子炉の周辺を放射能で汚染するとともに、まもなくの冷却材喪失事故へ至る可能性があった、そのため、現場作業員が気を利かして非常用復水器を止めてしまった、ということではないのか。このことは、事故当日3/11の夕方早い段階で、1号機付近で高濃度の放射能が観測されていたこととも平仄が合う。

 

3.東京新聞記事

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「SOSが来ていれば人を手配するが、1号機だけではなくて、炉の中に燃料が入っているもの、全部見ていますから、いちいちここはどうだということをこちらから指示することはなかなか難しい。炉水位があるんじゃないかという思いこみがあり、私から聞かなかったことに関して、今、猛烈に反省している」

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(田中一郎コメント)

この吉田発言もいただけない。何故なら、1号機の水器(IC)は、原子炉隔離時冷却系(RCIC)や高圧注水系(HPCI)(いずれも2号機、3号機の場合)とともに、全電源喪失時の、非常用の緊急炉心冷却装置だからだ。これらに頼らなかったら、いったい何に頼って、燃え盛る原子炉炉心を冷却するというのだろう。私は、吉田昌郎所長が、こうした緊急炉心却装置(ECCS)が十分に期待された通りに動かないことを悟り、それゆえに福島第1原発事故をめぐる証言を歪めているのではないか、と疑っている(ECCSが見かけ倒しで機能しないということになれば、全国の原発は稼働できない)。

 

●非常用炉心冷却装置 - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%B8%B8%E7%94%A8%E7%82%89%E5%BF%83%E5%86%B7%E5%8D%B4%E8%A3%85%E7%BD%AE

 

4.東京新聞記事

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-今にして思うと、何が誤認の原因か。

 「水位計をある程度、信用していたのが間違い」

 

 -水位計が信用できないと思い始めたのは。

 「線量が上がってきて、おかしいと。放射性物質が外に出るということは、圧力容器から漏れて、その漏れたものが格納容器から漏れているようにしか考えられない。水位があって、漏れることはまずない。燃料損傷に至っている可能性はあるなと」

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(田中一郎コメント)

しかし、この原発事故に極度に弱い水位計は、同じものが全国の原発・核燃料施設で使われている。福島第1原発事故の大きな教訓の一つは、こうした原子炉内の状況を適切に把握するための計器類(水位計、温度計、圧力計)が脆弱であり、この計器類の総見直しは原発の安全確保のためには必要不可欠なものだ、という認識である。しかし、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、この原子炉計器類の審査強化・性能向上について、何の対策も規制も掛けていない。計器類が危険な役立たずのまま、原発再稼働へ向かって走り出している。

 

5.東京新聞記事

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事故時は原発周辺にあるオフサイトセンターに政府や自治体、電力会社が集まり、対策の拠点とするはずだったが、全く機能しなかった。

 

池田元久経済産業副大臣は17時、原発の南西5キロのセンターに向け、専用車で東京・霞が関をたったが大渋滞。「パトカーの先導がつくというのが来ない。まずいと思い、自衛隊のヘリを手配した」

 

日付をまたぐころ、ようやく到着したが、センターでは停電。非常用発電機も動かなかった。

 

現場、東電本店、官邸の3者の連携不足について、官邸につめていた細野豪志首相補佐官は「ものすごいフラストレーション。保安院にも、東電本店にも情報が入らない。オフサイトセンターも機能しない」と吐露した。

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(田中一郎コメント)

「専用車で東京・霞が関をたったが大渋滞」「パトカーの先導がつくというのが来ない」「センターでは停電。非常用発電機も動かなかった」「現場、東電本店、官邸の3者の連携不足について、官邸につめていた細野豪志首相補佐官は「ものすごいフラストレーション」」=全くバカバカしい限りである。いちいちコメントする気にもなれない。

 

 しかも、この記事に書かれている池田元久経済産業副大臣(民主党政治家)は、真っ先に、このオフサイトセンターから逃げ出し、その後は「病気だ」などと称して、福島第1原発事故後対応から逃げてしまった人間である。こういう危機管理能力ゼロ状態で、どうしようもない無責任人間たちが、今の日本の原発・原子力を牛耳っているのだ。この次の過酷事故と大悲劇が起きないわけがない。何を言っても聞く耳持たずの「ウマ」たちに原発の安全な管理は無理な話である。

草々

シロウトでもこれくらいはわかる高温ガス炉の「危なさ」と「おかしさ」:高速増殖炉「もんじゅ」に代わる原子力ムラの食いぶち=高温ガス炉で税金を取れるだけしゃぶり取れ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイル及び下記URLは、1週間ほど前に東京新聞に掲載されました「高温ガス炉」(高温工学試験研究炉(HTTR)」に関する批判的記事です。高速増殖炉「もんじゅ」をもて遊んで深刻なナトリウム事故を引き起こし(1995年)、その後も、いつまでたっても(燃料を使えば使うほど、燃料がどんどん増える)「夢の原子炉」など実現することもなく今日に至っている、そんなウソ寒い原子力ムラの明日を切り開くため、またぞろ、ロクでもない「大人のおもちゃ」ならぬ「ムラのおもちゃ」を持ち出そうとしています。

 

こんなもの、ただ危ないだけでクソの役にも立たず、動かせば使用済み核燃料などの核のゴミが増えて、将来世代の負担を増やすだけです。以下、記事に沿って、この高温ガス炉の「危なさ」と「おかしさ」を指摘しておきましょう。私のような原子力工学についてのまったくのドシロウトでも、これだけのことは言えます。それだけ、レベルの”ひく~い”、お粗末きわまる発電装置だと思っていただけたらいいと思います。

 

 <別添PDFファイル>

(1)大洗の高温ガス炉 再開へ、「原発依存低減」に逆行(東京 2014.9.18 夕)

(2)新型原子炉 見えぬ実用化、政府、再開申請へ(東京 2014.9.19

 

1.大洗の高温ガス炉 再開へ、「原発依存低減」に逆行(東京 2014.9.18 夕)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091802000256.html

 

(一部抜粋)

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政府は十八日、東京電力福島第一原発事故の影響で運転を中止している新型原子炉の一つの高温ガス炉「高温工学試験研究炉」(HTTR、茨城県大洗町)について、運営主体の日本原子力研究開発機構(原子力機構)が十一月に、新規制基準に基づく研究再開のための審査を原子力規制委員会に申請する見通しだと明らかにした。世耕弘成官房副長官が十八日午前の記者会見で述べた。安倍政権は原発依存度をできるだけ下げる方針を掲げるが、逆行する動きとなった。

 

世耕氏は、高温ガス炉について「安全性、経済性に優れているとされ、早期の運転再開が必要だと認識している」と述べた。政府が四月に閣議決定したエネルギー基本計画は「原発への依存度を可能な限り引き下げる」とする一方、高温ガス炉の研究開発を推進するとも明記している。

 

世耕氏は、HTTRの運転再開や安全性の実証試験のため、文部科学省が来年度政府予算で十六億円を概算要求していると説明した。HTTRは一九九一年に着工し、九八年に核分裂反応が持続して起こる「臨界」を達成した。しかし、二〇一一年三月の震災を受け、運転を停止したままになっている。

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2.新型原子炉 見えぬ実用化、政府、再開申請へ(東京 2014.9.19

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091902000154.html

 

(一部抜粋)

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政府が十八日、東京電力福島第一原発事故を受けて運転を中止していた新型原子炉の一つである高温ガス炉「高温工学試験研究炉」(HTTR、茨城県大洗町)の再開に向けて動きだした。原子力への国民の不安が払拭(ふっしょく)されないまま実用化のめどが立たない研究に多額の税金を費やすのは一兆円以上をつぎ込んで頓挫している高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の二の舞いになりかねない。

 

世耕弘成官房副長官は十八日の記者会見で、HTTRの運営主体の日本原子力研究開発機構(原子力機構)が十一月、原子力規制委員会に新規制基準に基づく運転再開のための審査を申請する見通しを表明。「安全性、経済性に優れているとされ、早期の運転再開が必要だと認識している」と述べた。文部科学省はHTTRの運転再開のため、二〇一五年度政府予算で十六億円を概算要求している。

 

従来の原発(軽水炉)が核燃料の冷却に水を使うのに対し、高温ガス炉は気体のヘリウムなどを用いる。

 

 <高温ガス炉> 原子炉内に水を循環させて沸騰させる「軽水炉」に対し、ヘリウムなどの気体を加熱してタービンを回す。事故を起こしても核分裂反応が自動的に止まり、核燃料を空気で自然に冷却できるなど、軽水炉より安全性が高いとされる。一方、扱う温度が高く原子炉内の材料の耐久性など技術的に難しい点も多い。高温工学試験研究炉は1991年に着工し98年に核分裂が持続する「臨界」を達成。2011年の福島原発事故後は運転を停止した。

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(田中一郎コメント)

 以下、記事に沿ってコメントします。

 

1.まずは高温ガス炉についての簡単な説明のところから

「原子炉内に水を循環させて沸騰させる「軽水炉」に対し、ヘリウムなどの気体を加熱してタービンを回す。事故を起こしても核分裂反応が自動的に止まり、核燃料を空気で自然に冷却できるなど、軽水炉より安全性が高いとされる・」

 

(田中一郎)⇒ ヘリウム(ガス)というのは、いわゆる不活性ガスで化学反応性に乏しく(たとえば燃えない=酸素と化合しない)、空気中で安定している。だから、このガスが何らかの事故で漏れたりしても、爆発したりすることはないし、人間などの生物に対しても有害性はほとんどない。が、しかし、である。そのヘリウムを原子炉核燃料の冷却材に使っているからといって、「核分裂反応が自動的に止まり」というのは「なんじゃらほい」である。そんな虫のいい話があるのかよ、ということだ。

 

 このヘリウムだって、説明にあるように高温(かつ、おそらくは高圧)なのだろうから、原子炉及びその配管から大量に漏れ出して「冷却材喪失事故」ということはありうるだろう。あるいは核燃料が何らかの理由で「暴走事故」(勝手に核反応が爆発的に増大すること)を引き起こすかもしれないが、そんなときでも「核分裂反応が自動的に止まり」などということなのか。そんなバナナである。

 

 また、「核燃料を空気で自然に冷却できる」についても、ヘリウムガスを1000度まで温度上昇させる膨大な核燃料の熱量をどうやってかわしながら、空気でもって原子炉炉心を自然に冷却できる」などと言えるのだろうか。かようなお気楽なことを書いていないで、実際に高温ガス炉の過酷事故がどのようにして発生し、それがどのような展開をすると考えられるのか、もう少し詳しい説明を具体的にしてもらわなければ話にならない。

 

 それから、高温ガス炉の原子炉炉心で発生する中性子によって、このヘリウムガスが放射化ないしは原子核反応を起こして、危険な物質に物理的に変化することはないのか。もしありうるとするのなら、とてもじゃないが、安全などとは言えそうにない。

 

 従って、高温ガス炉が軽水炉(沸騰水型、加圧水型)よりも安全性が高いなどとは、現段階ではとても納得のできることではない。どうもこの記事の、この高温ガス炉の簡単な説明は、原子力ムラの人間が言ったことをそのまま無批判に紙面に移し書きしただけではないか。もしそうだとしたら、この記事の書き方は、まことに情けないね。

 

2.続いて、高温ガス炉の説明から

「一方、扱う温度が高く原子炉内の材料の耐久性など技術的に難しい点も多い。」

 

(田中一郎)⇒ この点は高温ガス炉のポイントの一つである。加えて、ヘリウムガスの圧力はどれくらいなのだろうか。いずれにせよ、この高温高圧ヘリウムガスもまた、原子炉や配管から漏れ出すことはありうる話で、その場合、高温高圧であればある程、危険度は高いと言っていいだろう(美浜原発では、経年劣化と無点検により配管破断が起き、高温高圧の水蒸気を全身に浴びて、複数の作業員の方がなくなった)。

 

[2004年8月美浜原発3号死傷事故]140度の蒸気 一気 肌ただれ「痛い、痛い」床一面に高温の湯 - 脱原発・放射能

 http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/511bde0540f12b734a8372689455161b

 

3.更に続いて、高温ガス炉の説明から

「高温工学試験研究炉は1991年に着工し98年に核分裂が持続する「臨界」を達成。2011年の福島原発事故後は運転を停止した。」

 

(田中一郎)⇒ おかしな話である。今から20年近く前に研究がスタートしているのに、未だに成果らしい成果もなさそうであることに加え、1998年という、ずいぶんと昔に「臨界」にまで達していた、この高温ガス炉が、その後、どうして実用化へ向けての取組につながらなかったのだろうか。私はおそらく、そうできなかった、何らかの重大な欠陥が、この高温ガス炉にあるような気がする。たとえば、経済性の問題だ。冷却材として使われるヘリウムガスは、現在品薄で、価格が高騰しているというニュースを見たことがある。原子炉冷却に使うほどのヘリウムガスを、その予備分を含めて大量に確保して貯留しておくには、相当の費用負担となるのではないか。

 

 それ以外でも、冷却材としては、水という液体の方が、ヘリウムガスという気体よりも扱いが平易で、その分、原子炉施設建設のための費用が少なくて済むのではないか。つまり、ヘリウムガスという気体を冷却材に使うことによる、何らかのデメリットや危険性、及び経済的負担の増大があるのではないか。一般的に、液体の水(H2O)と気体のヘリウムガスとを比べた場合、閉じ込めておくには高温高圧のヘリウムガスよりも、液体の水の方が容易ではないかという気もする(但し、水蒸気という気体になっているうちは変わらない)。

 

 それから、読売新聞や日本経済新聞などの御用言論の高温ガス炉の説明図では、この高温ヘリウムの副次的利用として、水素ガス生産設備の併設などが描かれていることがある。しかし、これもおかしな話である。高温ガス炉でなくても、原発の余熱利用はいろいろありうるわけで、何も水素ガス調達だけとは限らないし また、余熱利用は高温ガス炉の専売特許でもない。直接関係のないものを混ぜくって、高温ガス炉を高品質・高度設備に見せようと厚化粧しても、化け物は化け物でしかないし、高温ガス炉のエネルギー効率の悪さは原発と大差ないだろう。

 

4.原発依存度が下がらない

「安倍政権は原発依存度をできるだけ下げる方針を掲げるが、逆行する動きとなった」

 

(田中一郎)⇒ 原発依存度を下げるという大方針があるのに、なんでまた、新型の原子炉を開発する必要があるのか。東京新聞の言うとおりだ。

 

5.原子力利権に絡みとられた政治家の無責任「安全」発言・「経済性」発言

「世耕氏(世耕弘成官房副長官)は、高温ガス炉について「安全性、経済性に優れているとされ、早期の運転再開が必要だと認識している」と述べた。」

 

(田中一郎)⇒ 安全性や経済性をしっかり確認もしないで、原子力ムラの言うことを鵜呑みにしたまま、かような戯言をしゃべくっている。この和歌山の若手自民党政治家もロクでもない人間の1人なのか。原子力利権擁護の発言丸出しである。

 

6.文部科学省は引き続き原子力推進の総本山

「文部科学省はHTTRの運転再開のため、二〇一五年度政府予算で十六億円を概算要求している」(中略)「「二〇一一年三月の震災を受け、運転を停止したままになっている。」

 

(田中一郎)⇒ 高速増殖炉「もんじゅ」に代わる、次世代の原子力ムラ「食いぶちプロジェクト」なのだろう。文部科学省が予算獲得にショショリ出てきた。福島第1原発事故によって凍結状態にしていたものを、再び今に至って、そろそろそれを解凍しようというのである。つまり、有権者・国民は、福島第1原発事故の経験を忘れ始めているだろうから、もうそろそろ、少しばかり税金をかすめ取ってもさしたる問題にはならないだろう、などと推測し、有権者・国民を馬鹿にしているのだろう。かような予算請求は、無駄と危険の限りを尽くした高速増殖炉「もんじゅ」の責任者たちを処分してからのことにしたらどうだ。

 

7.自民党・河野太郎議員の批判

「安倍政権は四月に閣議決定したエネルギー基本計画に、高温ガス炉の研究開発推進をもぐり込ませた。原子力機構はもんじゅの運営主体であり、自民党の河野太郎衆院議員は「もんじゅがだめだから高温ガス炉を突然入れてきた。予算確保が見え見えだ」と批判していた。」

 

8.九州大学副学長の吉岡斉(ひとし)教授(原子力政策)の批判

「九州大の吉岡斉(ひとし)教授(原子力政策)は「今やる理由が分からない。原子力機構は他に動かせそうなものがないから、研究機関としての稼働度を上げるために高温ガス炉に目を付けたのでは」と指摘した。」

 

9.全くその通り

「政府は三〇年に高温ガス炉の実用化を目指しているが、成功しても「核のごみ」は発生する。最終処分場が見つかる見通しはなく、行き場のない核のごみは増え続ける。安倍政権は一二年の衆院選公約に脱原発依存を掲げ、原発依存度を下げると繰り返し表明しているが、逆行する動きとなる。」

草々

 

 

2014年9月21日 (日)

本日(9/21)のいろいろ情報 (1)TPP違憲訴訟、(2)カジノ議連、(3)原発被災者がともに住宅問題を考える集会 (4)外環道反対訴訟 他

前略,田中一郎です。

本日(9/21)のいろいろ情報です。

 

まず最初にコレです。

●随論「老いる」1 人間みなチョボチョボや

 http://www.odamakoto.com/jp/Article/oiru1.html

 

(参考)作家 小田実のホームページ - OdaMakoto.com

 http://www.odamakoto.com/jp/index.html

 

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1.東京新聞 秘交渉「知る権利侵害」 「TPP違憲」有識者ら提訴へ政治(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014092002000137.html

 

(なお、TPPについては、下記の東京新聞記事にご注目を。この訴訟を、日本国民の過半が参加する巨大集団訴訟に発展させたいものです)

 

2013-10-12 TPPで「聖域」撤廃か 自民党の「嘘」を鈴木宣弘教授が糾弾 「このままでは“限界列島”に」~岩上安身による東京大学・鈴木宣弘教授インタビュー IWJ Independent Web Journal

 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/106294

 

2.カジノを推進する国会議員達:「国際観光産業振興議員連盟(IR議連))

http://www.pfikyokai.or.jp/outline/ol-dep/ir2013/data/131118_meibo.pdf

 

(IRとは、Integrated Resort の略。ばくち場を「統合されたリゾート」などと、よく言ったものです。この議連の会長は(事実上の)原発推進議連の会長の自民党・細田博之です。細田は公共土建事業に対しても影響力を行使している様子があり、日本の「悪」を代表しているかのごとき人間です)

 

3.(再び注目です)2020年「オリンピック候補会場の放射線を測る会」市民グループのHP

 http://olympicsokuteikai.web.fc2.com/

 

(東京湾の放射能汚染はこれから深刻になってきます。関東平野北部や千葉県北西部地区に降り注いだ放射能が、これから土砂にまみれて川を流れ下り、東京湾の岸辺近くに蓄積していくことでしょう。すでに、東京湾のウナギや汽水域の魚から放射性セシウムが検出されています。潮干狩りや海辺でのレジャーは、東京湾では差し控えた方が無難です。オリンピックなど、とんでもない話でしょう。)

 

4.原発被災者がともに住宅問題を考える集会(91913時~@参議院議員会館) - 市民会議

 http://shiminkaigi.jimdo.com/2014/09/12/140919/

 

●(録画) 20140919 UPLAN 原発被災者がともに住宅問題を考える集会 - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=COguyrKKyyA&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

 

5.矢ケ崎克馬氏 追加意見書(原爆訴訟:2014.9.10

 http://yagasaki.i48.jp/doc/ICRP-criticism-20140910.pdf

 

6.中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る検討会|除染で取り除いた土壌等の管理|除染情報サイト:環境省

http://josen.env.go.jp/soil/interim_storage_facility_transportation_advisory_committee.html

 

7.外環道絶対反対!! いつまでこんな巨額無駄遣い・百害あって一利なしの公共土建事業をやってんだよ

 大深度地下だから、地権者の皆様はご心配いりません、なんて、嘘八百言って地域住民をだまして、日本の大深度地下を「盗み出す」、怪盗ルパン並の「合法化された詐欺行為」が、まかり通っております。地域住民から訴訟が起きるのは当たり前です。道路をつくれば交通渋滞が解消される、などというのは、実際とは全く正反対の嘘八百です。道路をつくれば、車は増えるのです。首都圏は時間をかけて「モータリゼーション」から脱却する必要があるのに、何をやっとんじゃ、この馬鹿ども(国土交通省と自民党・民主党などの政治家ども)、ということです。

 

(国土交通省や東京都は、大深度地下工事だから、地上には何の悪影響もない、などと言いながら、当該工事予定地には、その後、さまざまな法的規制が掛けられ、更に浅いところでの工事では地上への物理的影響も十分に考えられ、かつ、直下型大地震が来た時には、地上部分の陥没を始め、さまざまな危険性が考えられる。しかも、工事予定地の周辺地になると、土地買収ではなく「区分地上権」とかいう訳の分からない権利が設定され、それによる地権者への保障金は、時価よりも低く評価された土地評価額のわずか30%だというではないか。これでは移住・移転冴えもままならない。こんな出鱈目、許してたまるか)

 

● 東京外環道青梅街道IC 認可取り消し求め提訴 住民10人「住環境破壊」 /東京 - 毎日新聞

 http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20140919ddlk13040185000c.html

 

(一部抜粋)

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 東京外郭環状道路(外環道)の練馬世田谷間(16キロ)に計画されている青梅街道インターチェンジ(IC)を巡り、計画に反対する練馬区内の地権者と町会長ら住民10人が18日、国を相手取りIC建設の認可取り消しを求めて東京地裁に提訴した。同ICは「住環境を破壊し、住民の基本的人権を侵害する」などと訴えている。

 

 外環道(総延長約85キロ)は都心から半径約15キロの地点を環状につなぐ。1966年に計画決定され、練馬世田谷間は2007年、高架から深さ約40メートルの地下化に変更された。

 

 同ICは当初、練馬と杉並両区にまたがる計画だったが、03年に山田宏・杉並区長(当時)が大気汚染や騒音・振動などの懸念から反対を表明。同区内は予定地から外され、南向き車線の一般道との接続はなくなった。一方、練馬区は渋滞緩和などを理由に外環道とICの建設を一体で求めており、国は今年3月、計画を認可し予定地の収用を公告した。

 

 訴状では、同IC建設は、第1種低層住宅専用地域の環境を大きく破壊する▽関越道練馬ICへの所要時間が10分程度しか短縮されず公益性に乏しい▽住民の環境権、人格権、財産権を侵害する−−などとし、予定地の練馬区関町南1、同区上石神井南町の収用取り消しを求めている。

 

 東京地裁で記者会見した元関町1丁目町会長の須山直哉さん(89)は「ICは生活道路を分断し、高齢者の生活に支障を生む。排ガスは子供にも影響を及ぼす」と訴えた。

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www.fnn-news.com 東京外環道・青梅街道...

 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00276915.html

 

こんなサイトもありました。

http://syakujiigawa.web.fc2.com/gaikan-index.html

 

8.(メール転送:イベント情報)国際シンポジウム「原発災害と人権―法学と医学の協働」:別添PDFファイル

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日時:2014 10 14 日(火)-15 日(水)

場所:早稲田大学国際会議場

主催:比較環境法国際センター、リモージュ大学環境法・土地利用・都市開発学際研究センター、

早稲田大学東日本大震災復興支援法務プロジェクト

共催:早稲田大学比較法研究所

後援:公益財団法人社会科学国際交流江草基金、フランス大使館、早稲田大学法学会

言語:日仏同時通訳あり ただし、2日目の医学ワーキング・グループ・セッションのみ英語

参加費:無料

懇親会費:5,000 円 当日受付にて申し受けます

会場案内:早稲田大学国際会議場(早稲田総合学術情報センター内)

 

9.その他

(1)グリーンピース:川内原発再稼働にNO!

 http://ext.greenpeace.or.jp/html_mag/hmag2014_0920_ns.html

 

(2)共同声明:国連気候サミットに向けて-原発も気候変動危機もない世界へ eシフト

 http://e-shift.org/?p=3107

 

(3)朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解 冷泉彰彦 コラム&ブログ ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2014/09/post-677_1.php

 

(4)戦争をさせない1000人委員会

 http://www.anti-war.info/

 

(5)Ustream.tv ユーザー IWJ_EHIME 20140907 「原発いらんぜ 宇和島市民の会」木村俊雄氏講演会①, 201497日(日)午後1時より開催された、「原発いらんぜ 宇和島市民の会」による、元東京電力・木村俊雄氏の講演会の模様で

 http://www.ustream.tv/recorded/52385491

 

(6) 20140512 UPLAN【理事長記者会見】政府は,大きな誤りに基づいた『汚染地帯』への「帰還施策」をやめ、最新の科学的知見に基づいた対策を実行して住民の健康を護るべきである - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=1XuUmdLh5Fs

 

● 【別冊 南海日日新聞】「原発いらんぜ市民の会」 気になるニュース 674 俺的メモあれこれ

 http://magicmemo.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/674-e3bf.html

(ここに木村俊雄さんの講演のニュースが出ています。画面は見にくいですが、プリントアウトとするときれいに見れます)

草々

2014年9月20日 (土)

本日(9/20)のいろいろ情報 (1)米の検査企画、(2)TV朝日・報道ステーションと規制委、(3)イベント情報 他

前略,田中一郎です。

 

<最初に3つばかり>

 

(最初の1)必読=推薦図書2冊

(1)福島原発事故被災者支援政策の欺瞞-日野行介/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033147587&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 毎日新聞記者・日野行介氏による2冊目、まだ目を通しておりませんが、必読と思われます。福島第1原発事故から3年半、ここで被ばく対策を間違うと、将来、大きな悲劇が生まれてしまいます。ちなみに、昨今の毎日新聞は、日野行介記者が福島第1原発事故後の放射能汚染や被ばくの問題を鋭く追いかけている他、他の記者も、大問題の被害者に対する賠償・補償問題の歪みを追及して告発するなど、なかなかいい報道をしています。みなさま、是非、ご注目ください。

 

 ちなみに、日野行介毎日新聞記者の前著は下記です。

● 福島原発事故県民健康管理調査の闇-日野行介/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032981090&Action_id=121&Sza_id=B0

 

(2)2020年東京五輪の黒いカネ-一ノ宮美成/著 グループ・K21/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033096378&Action_id=121&Sza_id=B0

 

 東京オリンピックは「スポーツと夢の祭典」だって!? 冗談ではありません。今や薄汚い金や利権が飛び交う国際的なスポーツマフィアの「夢の祭典」であるオリンピック(利権土建ピック=リドケンピック)、その東京版のカネの動きがどのようなものか、この本が教えてくれるかもしれません(まだ読んでいません)。ちなみに、著者の「一ノ宮美成とグループ・K21」は、他にも日本の闇社会を曝露するスクープ本が何冊かあり、それはなかなか興味深いものでした。

 

(最初の2)ネット署名

●キャンペーン よみがえれ長良川「河口堰開門調査」の実現を求めます Change.org

https://www.change.org/p/%E6%84%9B%E7%9F%A5%E7%9C%8C%E7%9F%A5%E4%BA%8B-%E5%A4%A7%E6%9D%91%E7%A7%80%E7%AB%A0-%E6%A7%98-%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E5%B8%82%E9%95%B7-%E6%B2%B3%E6%9D%91%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%97-%E6%A7%98-%E3%82%88%E3%81%BF%E3%81%8C%E3%81%88%E3%82%8C%E9%95%B7%E8%89%AF%E5%B7%9D-%E6%B2%B3%E5%8F%A3%E5%A0%B0%E9%96%8B%E9%96%80%E8%AA%BF%E6%9F%BB-%E3%81%AE%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99

 

(最初の3)9/23脱原発大集会は代々木公園ではなくて江東区の亀戸中央公園です

●【広瀬隆】923日の集会に関する緊急のおしらせ 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/40151725.html

 

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1.米の検査規格の見直しを求める会 賛同者募集中です

 http://hantenmai.sakura.ne.jp/sandou2014/s2014.html

 

2.TV朝日・報道ステーションと原子力「寄生」委員会・田中俊一

 TV朝日・報道ステーションがせっかく言い報道をしてくれましたが、その報道のちょっとしたケアレスミスを取り上げて報道つぶしに動いた原子力「寄生」委員会と、たちまち腰砕けとなったTV朝日、こっちは朝日新聞の経営陣よりなおひどい「現場軽視」

 

●【原子力規制委員会】9月10日放送分の報道ステーション(テレビ朝日)での報道について

 http://www.nsr.go.jp/news/26/09/0911.html

 

●原子力規制委員会委員長定例会見 速記録

 https://www.nsr.go.jp/kaiken/data/h26fy/20140910sokkiroku.pdf

 

●テレ朝が事実誤認と謝罪 Reuters

 http://jp.reuters.com/article/idJP2014091201001970

 

【参考:ロイター記事】

●九電・川内原発の基準適合を正式決定、再稼動は越年の公算=規制委

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H505T20140910?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0

 

●〔焦点〕-川内原発審査で火山噴火リスク軽視の流れ、専門家から批判

 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0OG1EW20140530

 

(以下,メール転送です)

┏┓

┗■2.「朝日」新聞叩きに加担する規制委員会

 |  パブコメ無視を棚上げし厳しい質問が相次いた記者会見を反省せずに、

 |  テレビ朝日を恫喝する原子力規制委員会

 │  原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会! その19

 └──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 

○ 規制委が「川内原発の新規制基準合格」を出した9月10日、その日の夜の報道ステーション(テレビ朝日)について、原子力規制委員会が2点の指摘をした文を11日に規制委サイトに公表、テレビ朝日が12日付で「放送内容についてのお詫び」を規制委に出し、それも規制委サイトに公表された。テレ朝が認めた2点の重大なミスは次の通り。

 

1「火山影響評価ガイド」と「竜巻影響評価ガイド」とを混同して編集していた。

2 記者とのやり取り部分で委員長の回答を割愛し、あたかも委員長が回答を拒否したかのような印象を与えてしまった。

 

1については記者の初歩的ミス。

2については委員長はロイター・ハマダさんの質問には確かに答えなかったし、他の質問に対してもいつもの様に誠意なくはぐらかした答えが多い。テレ朝が言うように「記者の(厳しい)質問が相次いだ」ことを伝えようとしたことは当然の報道姿勢だ。このことを次で確認していただきたい。

 

(記者会見)

 http://www.nsr.go.jp/kaiken/

10日の動画)

http://www.youtube.com/watch?v=MZbr9kJcCqk&list=UU5_urTtPY2VjNc1YOI4rBCg

10日の速記録)

 http://www.nsr.go.jp/kaiken/data/h26fy/20140910sokkiroku.pdf

 

○以下に、この日の各社記者の厳しい質問をピックアップして、各記者のあきれようをお伝えする。

 

☆産経・アマノ 審査書案が了承された後に火山に対する有識者を集めて検討会を開くというのが、どうにも外から見て泥縄式でしか見られないような受け止めをしているのです。

 

☆ロイター・ハマダ 巨大噴火を事前に予測できるとか、現在の科学の知見をねじ曲げて、これで審査書を出すということになると、後々の審査にも響くのではないでしょうか。それがいわゆる安全神話の復活になるということは言えないのでしょうか。

 

 これに対する田中委員長の発言が、「答える必要がありますか。なさそうだから、やめておきます。」

 

☆赤旗・ミウラ (火山について)「しばらく起こらないと確認したと言っている限りは、住民に誤解を与えると思います。

 

☆フリー・ヨコタ (安全性担保について)国民に誤ったイメージを与えているというご自覚、罪悪感はお持ちではないのでしょうか。避難計画のチェックもないのに、コアキャッチャーもなしで、原発テロ対策が不十分だと泉田知事がおっしゃっている、そういう抜け穴だらけの基準が何で世界一レベルなのかよく分からないのですが。

 

☆NHK・モトキ 少なくとも国のどこかしらの機関が責任を持って避難計画の中身、充実度、妥当性などをチェックするような仕組みに変えていくべきではないかという考え方があると思う

 

☆毎日・シュドウ パブコメ1万7千を超えるが、実質はほとんど原案どおり。(火山について)やはりルールを後付けしているという印象はすごく感じられるのですけれども。

 

☆共同通信・シズメ 原子力安全・保安院も同じことをずっと言っていたのです。それで、つまり新たな知見を得られたときにどうやって実際に反映するかという、そこのトリガーというか、そこの仕組みがなかったのではないかという指摘をしている人もいるのですが。

 

☆TBS・クロカワ 今の科学では噴火の可能性が小さい、低いと判断するのはやはり難しい、分からないとおっしゃるのですね。それでもあえて公の場で可能性が低いと判断されたという、明言されたという、その根拠は委員長はどうお考えになるのでしょうか。

 

 この会見を詳細に観れば、二人の「吉田」証言についての朝日新聞叩きと同様に、規制委員会がテレ朝の些細なミスを叩いて恫喝して、メディア

全体を委縮させ真実の隠蔽を図っていることが分かる。各社が負けずに規制委批判報道を続けることを期待するが…。

 

3.12日の伊達市議会で高橋議員が仁志田市長の除染基準緩和の動きを追及しました。

 https://www.youtube.com/embed/U87O1RhjKgY

 

4.被爆69周年の六ヶ所──米国、韓国などから見た日本のプルトニウム政策

 http://kakujoho.net/npt/pu2014jpn.html

 

5.放射性プルーム、2度にわたり広く拡散~新データで裏付け OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1829

 

6.APAST Essay_004A 「ウクライナ危機に見る原発と領土」 APAST

 http://www.apast.jp/news/475/

 

● APAST NPO the Union for Alternative Pathways in Science & Technology

 http://www.apast.jp/

 

7.その他

(1)animo bildo kaj animacioImage and Animation/映像とアニメーションの1

 http://bunkaanime.exblog.jp/

 

(2)平成26年 国際協力60周年 世界と日本の未来のために 日本のODA - 政府インターネットテレビ

 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg10296.html

 

(3)焦点:古い原発の廃炉本格化へ、活断層・地元同意も電力会社に逆風  Reuters

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H30GW20140908?pageNumber=4&virtualBrandChannel=0

 

(4)特集ワイド法人減税、献金再開 政策をカネで買う? 経団連の露骨 - 毎日新聞

 http://mainichi.jp/shimen/news/20140911dde012020002000c.html

(毎日新聞の無料ネット会員になると全文が読めます)

 

8.イベント情報

(1)福島映像祭|福島映像祭|ふくしまのこえ

 http://fukushimavoice.net/fes

 

● 汚された村から~福島 チェルノブイリ~|福島映像祭|ふくしまのこえ

 http://fukushimavoice.net/2014/08/1573

 

● シンポジウム「なぜ被ばくは語れないのか〜放射能とメディア」|福島映像祭|ふくしまのこえ

 http://fukushimavoice.net/2014/08/1648

 

●“自主避難”~原発事故から3年・家族の苦悩|福島映像祭|ふくしまのこえ

 http://fukushimavoice.net/2014/08/1569

 

● トークセッション「風化する原発事故~テレビの限界と挑戦~」|福島映像祭|ふくしまのこえ

 http://fukushimavoice.net/2014/08/1646

 

(2)9-23 さようなら原発 全国大集会 プログラム さようなら原発1000万人アクション

 http://sayonara-nukes.org/2014/09/3748/

 

● さようなら原発1000万人アクション 脱原発で持続可能・平和な社会をめざす

 http://sayonara-nukes.org/

 

(3)起訴へ!9.30院内集会&東京地検アクション

2014年9月30日(火)

11:30~ 参議院議員会館入口で通行証配布

12:00~13:30 院内集会(参議院議員会館講堂)

14:00~14:40 東京地検包囲行動

 

●詳細はブログで

 http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2014/08/blog-post_31.html

 

(以下,メール転送です)

┏┓

┗■1.923大集会から9/28の鹿児島集会に繋げよう

 |  再稼働止めよう。天王山だ。

 └──── 広瀬 隆

 

○ 全国のみなさま、広瀬隆です。

いよいよ9月23日秋分の日が近づいてきました。

午後1時に、東京・亀戸中央公園に集まりましょう。

 みなさんのよく知っている総武線の御茶ノ水から5個目、秋葉原から4個目の「亀戸(かめいど)駅」から歩いてゆけますが、1キロちょっとあるので、亀戸駅で東武亀戸線に乗り換えて1駅の「亀戸水神」でおりれば徒歩2分で会場です。

 

○ 主催者の鎌田慧さんが檄を飛ばしています。「わたしたちは、頑張り抜くぞ!

 規制委員会が「決定」を出しても、即座に反撃しないのは、腰抜けだ。そして、この923大集会から9/28の鹿児島集会に繋げよう。どうか、みなさんの放送局で拡大、宣伝して下さい、お願いします。この日は、13時から亀戸中央公園第一ステージで大集会だ。規制委をトコトン批判しよう」

 そうだ、鎌田慧、頑張れ! 絶対に再稼働止めよう。天王山だ。これまで三年半続けてきたみなさんの原発反対運動が、ここで成果を出さなければ、意味ないものになる。冗談じゃない。

 

○ 9月15日に原発ゼロ一年を達成したではないか。原発はもう全国どこでも、春夏秋冬、必要ないことが実証されたのだ。それで経済が崩壊したのか? 江戸時代に戻ったのか? おい、安倍晋三は、答えろ。「原発は安定な電源だ」って?安定な電源がなぜ発電せずに止まっているんだ。新聞は、しっかりそれを書け! 当たり前のことが、新聞に書いてないぞ。原発は安いって?一体、いくら税金と電気料金を呑みこめば、福島原発事故の処理が終るんだ!電力会社は、ビジネスマンとして恥ずかしくないのか!

 

 福島原発事故の被害者はどうなるんだ!! 朝日新聞叩きをしている読売新聞と産経新聞や週刊新潮や櫻井よしこや池上彰は、福島原発事故を起こした責任について、一度でも懺悔をしたのか。恥ずかしくないのか。お前たちのおかげで、地震のあるたびに国民が震えあがらなければならないのだ。いい加減にしろ。集まれ! 東京・亀戸中央公園だ。恋人に伝えろ、親友に伝えろ、家族に伝えろ・・・みんなで手を取り合って集まろう。電車に飛び乗れ!

 

☆事故情報編集部より

 たんぽぽ舎も9月23日、全力で参加します。目印は、黄色のノボリ旗(もう原発やめよう たんぽぽ舎)。よければ、ご一緒に。

 

(4)(メール転送です)DAYS JAPAN 10月号発売 と 写真展開催 のご案内

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DAYS JAPANの根本です。

 

朝と夕は気温がさがり、すっかり秋らしくなりました。

いつもDAYS JAPANを支えてくださり本当にありがとうございます。

 

原発事故から3年半。政府や一部の医者などによる福島の「安全論」が強調され、沖縄の辺野古では、日米政府によって新基地の建設が強行され、世界には命の権利すら守られない人々がいます。この激動時代だからこそ、DAYS JAPAN は「人間と自然の尊厳が奪われていることを告発」というメディアとしての役割を果たしていかなければならないと考えます。ぜひ今後もDAYS JAPANをどうぞ宜しくお願い致します。

 

DAYS JAPAN 9月号 特集:フォトジャーナリスト広河隆一】

すでにお送りしております、9月号はDAYS JAPAN発行人である広河隆一の編集長としての最後の号。お読みいただきましたでしょうか。広河の原点パレスチナそしてイラク、アフガニスタン、チェルノブイリやそのほかの核の大地など『人間の尊厳』が奪われ、踏みにじられている場所を取材してきた広河の写真を多数掲載しています。

 

その写真は、そこに生きた人々の証であり、今に続く権力への告発でもあります。

 http://www.daysjapan.net/bn/1409.html

 

永久保存版の内容です。日頃お忙しく、まだ読めていない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひじっくりお読みいただきたいです。

 

DAYS JAPAN 10月号は新編集長 丸井春の2大特集】

今週、920日(土)発売の10月号は丸井春が新編集長としてお送りする最初のDAYSJAPANになります。購読者のみなさまからは、あたたかいエールのお電話や手紙がDAYSに届いています。本当にありがとうございます。広河から丸井へ、きちんとバトンがつながれるかご心配をされている方もいらっしゃると思いますが今後も広河が編集長の時代と同じく、DAYSの根底にあるジャーナリズムとしての信念がぶれることはありません。本当は何が起きているのかを知るという人々の「知る権利」を守り引き続き、フォトジャーナリズム雑誌としての使命を果たしていきます。

 

10月号は、2大特集

『特集1「慰安婦」が見た日本軍 - インドネシア、フィリピン、日本の公文書』

『特集2 福島 100ミリシーベルトのウソ -放射能による小児甲状腺がんの多発ー/ 話:津田敏秀(岡山大学教授)・インタビュー:広河隆一』

 

など、今週末ごろからお届け予定です。ぜひご期待ください。

 

DAYS JAPAN8月号別冊付録 919日(金)まで特別割引価格577円で販売 】

福島の保護者たちの不安や不満の声を無視し、国や政府が進める福島の安全PRや原発の再稼働。今、福島の人たちの声と子どもたちの健康にどんな変化が表れているのか。福島の母たちの真の声を集めた、DAYS JAPAN8月号の別冊付録『福島の母440人の証言集』は発売当初から反響が大きくこのたび、期間限定で、この別冊のみを577円(税・送料込)で販売することに致しました。この別冊は、残念ながらまだまだ、この本を手に取っていただきたい方のもとへ拡散できていません。ぜひお知り合いの方がいましたらご紹介ください。宜しくお願いします。

 

919日(金)まで期間限定となりますが、DAYS JAPAN 8月号の別冊付録『福島の母440人の証言集』を(8月号本誌はついておりません) 特別価格577円(税・送料込)で販売します。お申込みは info@daysjapan.net まで。それ以後も販売致しますが、価格を変更させていただく予定です。

 

DAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展 この秋も全国各地で開催!】

今週の20日からDAYS JAPANフォトジャーナリズム写真展が名古屋に上陸!!4日間限りの展示です。また、映画「ファルージャ」の上映、講演会もあります。また、その後も北九州、京都で開催予定です。多くの方のご来場をお待ちしています。

 

【名古屋】2014920日(日)~23日(祝・火)会場:名古屋国際センター http://goo.gl/1sKGVl

【北九州】20141014日(火)~19日(日)会場:北九州市立美術館黒崎市民ギャラリー http://goo.gl/PonBIf

【京都】20141023日(木)~118日(土)会場:京都造形芸術大学 http://goo.gl/i2YZIB

 

◇◆◇◆DAYS JAPANでスタッフとして働いてみませんか? DAYS JAPAN編集部募集中 http://goo.gl/eAiNRL ◇◆◇◆

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DAYS JAPAN 営業・企画・イベント

根本美樹

 

156-0043

東京都世田谷区松原1-37-19武内ビル302

TEL:03-3322-0233 FAX:03-3322-0353

Email: nemoto@daysjapan.net

Web: http://www.daysjapan.net/

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草々

 

2014年9月18日 (木)

米価暴落、日本の稲作農業=水田が危ない(自国の農業を亡ぼす国は必ず自らも滅ぶ)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

米の値段が暴落しています。

 

現在の暴落米価である7000円~10000円/1俵(60kg)は、平均的な生産原価(コスト)=16000円/1俵の約半分でしかありません。どうやっても赤字です。このままでは経営が続けられません。

 

このままでは、日本の稲作農業がつぶれてしまいます。稲作がつぶれれば、大豆や麦や露地野菜なども同時につぶれます。担い手が同じだからです。日本は、個人家族経営を中核にした労働集約型の水田農業が、もっとも風土や気候に合致した、日本にふさわしい農業です。そうした小規模経営の農業が、生産者・農家の創意工夫やいろいろな努力によって支えられ、世界的に見ても超一流の高品質で美味で安全な農産物を生みだしてきたのです。それが、今や、おろかな市場原理主義イデオロギーと、軽率・安易極まりない「安けりゃいい」主義=大規模粗放型経営化政策=資本主義的農場制農業化政策によって、つぶされようとしております。

 

市場原理主義にもとづく、低米価放置政策と、野放図な貿易自由化の結果です。自民党・民主党の政治家達が振り回す政策に原因があります。まさに、100%人災です。少し詳しく申し上げれば、4つの優先農業政策(①アメリカ優先,②WTO・FTA・EPA優先,③財政再建優先(安上り農政),④政治家・官僚・食品関連産業の利権優先)の必然的帰結です。

 

国土の半分以上が中山間地域か山村地域である島国・日本で、アメリカやオーストラリアのような「侵略により先住民から強奪した広大な土地」をベースにした新大陸型の農場制農業を志向して、国際競争力を付けるために大規模化する、などという、勘違い丸出しの農業政策・農業イデオロギーを、1961年の農業基本法以来、日本政府や全国の自治体はずっと続け、それがため、日本の優れた宝物のような農業を、徐々に徐々に、ぐちゃぐちゃにしてしまっています。今では、ほとんどの担い手が高齢化し、労多くして割に合わないどころか、そもそも農業だけでは食べていけない経済条件・社会情勢の下で、後継者が見つからず、耕作放棄地もどんどん増えて行く状態です。(日本の農業が「過保護」だなどと言っている人間は、その「過保護」の恩恵に浴すべく、すべての私財を投じて農業に転業すればよろしい。政府の農業政策によって生産者・農家が受け続けている理不尽を身をもって知ることができるでしょう)

 

こんな中で、日本農業の最後のよりどころである主食・米づくり=稲作農業=水田農業が、米価暴落放置により、まもなく潰されようとしています。どこまで日本の農業と生産者・農家を痛めつけば気が済むのでしょうか。およそ、自国の農業や主食を粗末にする国と、その国民が、豊かに繁栄することなどありえない話です。いわゆる「罰あたり」に明日はありません。(日本の食料自給率=40%を辛うじて支えているのが、転作を含む水田農業です。水田農業をつぶせば、日本は事実上、農業がなくなることになります:畜産や野菜・果樹なども遅れて衰退していくことになるでしょう)

 

自家労働への支払い(ペイ)をほとんど放棄させられるような米価で、生産者・農家は、先祖伝来の田んぼを守るべく、来る年も来る年も、稲作に励んできました。おかげで、日本でとれる米は、まさに芸術品に近いくらいに高品質で美味です。生産性を上げる努力も積み重ねられてきましたから、反収だって、世界的にダントツに高い状態が維持されています。しかし、愚かな農業政策・食料政策が、これを破壊しているのです。

 

たとえば、いつまでたっても米飯給食にならない学校給食が放置されたまま、米の需要が年々減少していく(自国の子どもたちに自国の主食を食べさせない「教育」とは一体なんぞ? 愛国心もへったくれもあるか)、たとえば、生産者・農家の高品質米への努力を無残にも踏み潰す「格上げ混米と偽装表示」を取り締まらない(有毒低価格な非食用米や古古米・外国産米を国産米に混ぜて売って消費者をだまして利益を稼ぐ)、あるいは、需要に合わせて米の転作をしようにも、転作用の穀物類(大豆、麦など)が関税ゼロ状態で全く採算に合わない(大半をアメリカから輸入する穀物植民地状態:いわゆる「米だけは(何とかしましょう)」政策)、備蓄米の売買を米の需給調整に使えばいいものを、貿易自由化のために低米価政策(その低米価も国際価格並みの低米価)に固執し、採算価格から大幅に下落した低米価が生産者・農家に押し付けられる、などなど、書いていたらきりがないくらい、出鱈目な農業政策が続いているのです。

 

低米価は、兼業農家よりも、稲作で生計を立てている専業農家にストレートに打撃を与え、その没落を速めます。また、稲作がつぶれた後に残る農村地帯は、それは無残な荒廃した地域と化し、日本の農村地方・地域社会の見るも無残な崩壊状況を生み出していくことになります。生産者・農家が農村からいなくなった時、日本の愚かな消費者・国民は、生産者・農家の、貴重ながらも目に見えない社会貢献や地域づくりの努力があったことを思い知ることになるのでしょうか。

 

米の値段を国際価格なるもの並みに破格に安くしろというのなら、米をつくるために必要な費用=農機具、肥料、農薬、販売手数料、地代、利子、そして人件費も、国際価格並みに安くしろ、ということになるでしょう。つまり、日本の消費者・国民の賃金もまた、国際価格並みに安くしてしまえ、ということです。何故に、生産者・農家にだけ、国際価格並みの二束三文の賃金で働けというのでしょう。そんなことは、ありえない話です。また、円高すぎる為替レートの問題も、この上に重なります(工業なら、円高になれば海外に出ていけばいい、しかし、農業はそうはいかない)。

 

つまり、米を含む農産物もまた、一国の国民経済のバランスの中で、相応に妥当な、他の財やサービスの値段とバランスのとれた価格というものが必要であるということです。それをストレートに国際価格競争にさらして、農産物価格を国際価格並みに下げろというのは、乱暴きわまる話であるということです。それに、農業の生産性とは、土地生産性に大きく左右され、さらに天候などの自然条件にも大きく影響されます。ドラスティックな生産性向上などありえない話です。大量に大規模につくれば、問題が解決するかのごとく考えるのは、相当に、頭が単純な人間=ものごとを深く実態に即して考えられない馬鹿ものだ、と言っていいでしょう。それが、今の世にはびこる市場原理主義者達です。大学などによくいる経済学者なるものたちが、その典型事例です。

 

こうした愚かな認識に反して、実は農業は21世紀型の、人間を心底から幸福にしてくれる、「しあわせ産業」です。一刻も早く、農業を国際価格競争の呪縛から解放し、持続可能型社会を構築すべく、農業の基本である地産地消に徹し、危険な農薬や化学肥料を大きく減らしていって、近い将来、有機農業に変えて行く、日本社会を分散型の社会に切り替えて、食料やエネルギーや、介護・ケアなどを「自給」していく、していけるような経済社会構造に変え

て行く、そんな課題が私たちの眼前に広がっているのです。その場合、農業は、その中核的な基幹産業となるでしょうし、地域の生業の大黒柱の一つになるのです。農村には、人と、豊かさと、自然の恵みと、すがすがしさと、笑顔が戻ってくるでしょう。

 

諸悪の根源は、低米価主義・国際価格競争力強化の、この愚かな農業政策をやめようとはしない、似非保守ゴロツキ政党の自民党と、「口先やるやる詐欺」政党の民主党です。いずれも、その単純単細胞頭脳が市場原理主義にイカレていて、今後、益々、この時代錯誤でロクでもない市場原理主義に執着した「既存経済社会焼き尽くし政策」を繰り広げて行くでしょう。このままでは、日本農業は滅びてしまいますし、やがて日本社会も取り返しがつかないほどにボロボロにされていくことでしょう。やめるなら今です。

 

 <別添PDFファイル>

(1)新米 安値(朝日 2014.9.14

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140914-00000001-asahik-soci&pos=3

(2)政府の責任で米価を安定させ、国産米の安定供給、自給率アップを!(農民連・吉川利明 『食べもの通信 2014.8』)

(3)採算割れの概算金、稲作、継続できぬ恐れも(日農 2014.9.17

(4)農政談義(大柿好一 『農業と経済 2014.10』)

 

最後の『農業と経済』掲載の小論文では、安倍晋三政権の農業政策や、その下で翻弄されるJA系統のことが書かれています。目の付けどころが表面的で、問題の核心に迫れていない、大きな視点から見ると一過性のつまらない内容の記事ですが、情勢分析的に読めば、現下の農業政策事情が大体わかります。日本農業が危機的状況下にあるというのに、この「農業・農政関係者」達は、いったい何をしているか、という印象を強くします。

 

日本農業にもまた、救世主が必要のようです(農業を守るというのは、保守の専売特許のようなものなのに、日本には保守政治家はいないのか)。

草々

 

 

2014年9月17日 (水)

(必読必見)記者会見 「ついに公開された政府事故調 吉田調書 私はこう見る」(朝日新聞報道へのバッシングはお門違いだ)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、昨日(9/16:月)午前に参議院議員会館にて開催されました「記者会見「ついに公開された政府事故調 吉田調書 私はこう見る」」での配布資料、並びに関係報道です。去る9/11(木)に朝日新聞社は社長自らが記者会見を行い、吉田調書報道のスクープ記事について、その「誤報」を認め、謝罪表明を行いました。

 

はたして、そんな謝罪は必要だったのか。私は、この間、この吉田調書報道に対する朝日新聞社の対応姿勢を、「それは”やり過ぎ”ではないか、取材現場軽視の姿勢ではないか(梯子はずし)」と申し上げてきましたが、この記者会見&集会に参加して海渡雄一弁護士の話を聞いて、やはりそうだったか、朝日新聞報道へのバッシングはお門違いである、朝日新聞経営陣はもっと気合を入れてしっかりすべきだ、ということを確認いたしました。詳しくは海渡雄一弁護士自筆の迫真レポート(別添PDFファイル)をご覧ください。

 

それにしても、読売・サンケイや週刊新潮・文春に代表されるゴロツキ右翼紙誌の朝日新聞バッシングは目に余る。まさに安倍晋三政権の権力をかさにきて、今から70年以上も前の大日本帝国時代における言論封圧の雰囲気さながらに、どうでもいいような、瑣末なことを、大局観の欠如した姿勢で突つき出しては、大騒ぎをしている。それに便乗して愚かにもお祭り騒ぎをしている連中は、これまた自民党のゴロツキ政治家達で、まさに「ゴロゴロ」集団だ。

 

この記者会見&集会で発言した河合弘之弁護士は、「朝日新聞が吉田調書をスクープしてくれたおかげで、福島第1原発事故の実態を隠そうとする日本政府・東京電力や原子力ムラ勢力に対して、その解明を大きく前進させることができた。まだまだ福島第1原発事故の情報開示度合いは不十分だが、吉田調書スクープ記事の意義は大きい。それに比べて、しっかりと事実確認もしようとせず、今現在、朝日新聞叩きに熱中している連中は、これまでも原発事故隠しを暴く方向で努力したためしのない連中ばかりである。マスコミの使命は、そうした権力による都合の悪い情報や事実を暴き出し、これを批判的に報じることであって、つまらぬことで騒ぐことではないはずだ」と、憤りを隠せぬ発言をしていた。全くその通りである。

 

今後の課題としては、多くのことが挙げられるだろう。ともかくも、危機一髪の、日本破滅寸前まで行った福島第1原発事故の原因については、徹底した現場検証や物的証拠なども収集しながら、完全公開された形で、とことん解明されなければならない。その際には、単に原子力工学的原因究明やな因果関係のみならず、事故原発運営にあたった人的体制や危機管理体制の問題、あるいは地域住民への対応や倫理問題など、人文的・社会的な問題も含めて、総合的に事故原因とその実態の究明、及びそれに対する反省・今後の対応の仕方などが打ち出されていくべきである。

 

その意味では、政府事故調の調書については、残っている東京電力幹部らの調書の公開や、解散後、貴重な資料が段ボールに入れられたまま放置状態にある国会事故調の調書類などの公開を進めていく必要がある(別添PDFファイルの新聞記事参照)。そもそも、政府事故調も国会事故調も、時間切れで調査し尽くせなかった様々な問題点が残ってしまったことを指摘して、今後も国会及び政府において、福島第1原発事故の原因究明を続けて行くよう申し送りをして解散しているという事実がある。しかし、こうした「当然の中の当然」ともいうべき「福島第1原発事故の更なる解明」の提言が、原発推進・原子力ムラ復活を狙う安倍晋三・自民党政権によって放置され、棚上げにされているのである。彼らがやっていることは、福島第1原発事故の原因究明も、今現在で既に分っている教訓も無視して、原発事故前と同じような出鱈目な原発・原子力の推進体制を再構築するということだ。許されないことである。

 

 <記者会見&集会の案内>

 http://maker-sosho.main.jp/koe/1446/

 

日 時: 9月16日 午前10-12時

場 所: 参議院議員会館 B107会議室

主 催: 原発事故情報公開原告団、原発事故情報公開弁護団

出席者: 木村結(東電株主代表訴訟事務局長)

     朴鐘碩(原発メーカー訴訟事務局)

     地脇美和(福島原発告訴団事務局長)

     河合弘之(脱原発弁護団全国連絡会共同代表)

     海渡雄一(脱原発弁護団全国連絡会共同代表・

     原発事故情報公開弁護団)

     小川隆太郎(原発事故情報公開弁護団)

     後藤政志(元東芝原発設計者 国会事故調協力調査員)

     青木秀樹(弁護士 国会事故調協力調査員)

     筒井哲郎(プラント技術者の会)

     小倉志郎さん(元東芝原発技術者)ほか

 

 <別添PDFファイル>

(1)(必読)事故原発への管理と対応がいったん放棄された事実を確認しなければならない(海渡雄一 2014.9.16
「rejime_2_kaito.pdf」をダウンロード
(2)原発の本質と品質管理(筒井哲郎 2014.9.16)=記者会見&集会当日のプレゼン資料

「rejime_2_tutui.pdf」をダウンロード
(3)政府事故調の調書、東電幹部の公開焦点(福島民報 2014.9.14

(4)吉田調書、国会事故調も公開を(東京 2014.9.13

(5)津波対策、機会逃す、吉田調書公開(東京 2014.9.12

 

 <当日の録画>

2014-09-16 緊急共同記者会見「ついに公開された政府事故調 吉田調書 私はこう見る」 - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=ZmPwzCQ5QCY

 

1.(必読)事故原発への管理と対応がいったん放棄された事実を確認しなければならない(海渡雄一 2014.9.16

 下記に一部抜粋しておく。朝日新聞の報道の見出しは、少し「バイアス」がかかっていたが、虚偽だとか不適切だとかいうほどのレベルではないのではないか。私は、「吉田昌郎所長の命令は現場で「すれちがい」」くらいでいいのではないかと思っている。何故なら、当時混乱した現場で吉田昌郎所長が出した退避命令が、現場の職員や下請けに正確にきちんと伝わらず、東京電力本社からの情報、あるいは指示と混同されて、現場職員が動いてしまったということではないかと思われるからだ。少なくとも、現場職員には、吉田昌郎所長の命令に逆らって退避したという意識はなさそうである。

 

 しかし、こうしたおかしなことが起きてしまったのも、1つには、吉田昌郎所長の命令が「あいまい」であったこと=言い換えれば、断固としていなかったことと、そして何よりも、東京電力本社が現場の吉田昌郎所長を無視して、全員撤退の動きを始めてしまっていたからではないかと推察される。後者については、詳しくは、海渡雄一弁護士の著作をご覧いただきたい。

 

 そして、福島第1原発事故をその実態に即して考える際に重要なことは、かような吉田昌郎所長の命令がどうなったか、などという問題よりも、もっと大事なことがあるように思われることだ。それは、海渡雄一弁護士も著作の中で書いておられるように、「事故原発への管理と対応がいったん放棄されたという事実を確認しなければならない」ということと、それに加えて、少し展開が違ったら東日本全部が全滅していたかもしれない原発事故のすさまじいばかりの威力である。それに対して人間が打てる対策など、本当にあるのかということ、そしてまた、死を賭して現場で事故の拡大を防ぐ、などという仕事が前提になるような、かような原子力(核分裂)発電所など、なぜ必要なのか、という(言い換えれば、誰が誰に対してかような原発事故収束対応を死ぬ覚悟でやれと命ずることができるのか、そんな権限や義務など誰にもありはしない)、原発運営の根本問題ではないか。枝葉末節の細事で騒いでいてはいけないのであ。

 

 ともあれ、吉田昌郎自身の福島第1原発事故現場での采配についても、具体的にはいろいろ問題がありそうだ(例:水素爆発防止、ECCS活用に関する認識と差配、東京電力本社との意思疎通、現場監督状態など)。しかし、それ以上に私は、東京電力本社の危機対応能力の乏しさと(全く役に立たないだけでなく、マイナス=足を引っ張る、のことしかできていない)、首相官邸や霞が関官僚ら、現日本政府中枢の危機管理能力のあまりにもひどい欠如状態を、ショッキングなまでに見せつけられた思いでいる。これが自民党政権になったら、見違えるようによくなるのか。むしろ一段とひどくなっているように思われてならない。こんな連中に、まだ原発・原子力の運営を託し、何のメリットも長所もないまま、単に原子力ムラ・放射線ムラの食いぶち確保のためだけに、今まさに川内原発の再稼働まで容認されようとしているこの国が、私はこのままでは「先は長くない」と、強く感じる次第である。

 

(以下、一部抜粋)

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P2「この本社指示と思われるオベレーションを、現場指揮者として、あとから追認したものであると評価できるが、部下が移動した先を把握していないという深刻な事態が発生し、所長の指示が末端まで伝わらないほど原発の現場が混乱していたことを示している。問題は、この時点で吉田所長の下に残された70名程度の要員で、緊急事態を深めている4機の原発の事故管理、対応が可能だったのかと言う点こそが、日本国民の命運のかかった事実であり、最大のポイントである。事故時には、高線量地域に近寄り、弁の開閉など何らかの機器操作を行うためにも、多人数の作業員による人海戦締が必要であった。このような対応が可能な状況にあったのかが関われなければならない。」

 

P4「そして、問題の本質は、14日の午前中の1Fは、沈み行く船と運命を共にする覚悟を固めた所長と、これに従う少数の作業員だけを残し、事故対応のために不可欠なデータもとれない、絶望的な状況に陥ったと言うことである。吉田所長の「死を覚悟した、東日本全体は壊滅だ」というイメージこそ、国民的に共有しなければならないことである。朝日新聞の報道は、このような事故現場の衝撃的な混乱状況を「所長の命令違反の撤退」と表現したのであり、これは、取り消さなければならない誤報とまでいえるだろうか。私は大変疑問に思う。」

 

P4「しかしながら、現場に近寄れなくなるほどの線量の上昇が数時間でおさまり、徐々に下がっていった理由は解明されておらず、まさに僥倖であったというほかない。このまま、吉田所長らが予測どおりに線量の上昇が継続していれば、吉田所長以下の要員は1F内で、急性放射線障害によって死にいたり、現場には他の作業員も戻ることはできず、2号機以外の原子炉も次々に最悪の事態を迎え、4号機の使用済み燃料プールも冷却不能によって燃え出していただろう。近藤最悪シナリオメモのに記述されたような最悪の事態が現実のものとなった可能性が差し迫ったものであったと言うこと、このことを確認することが、決定的に重要である。」

 

P8「5.650名の退避により、事故対応作業に支障が生じたか

 ここで、問題は次のように特定できる。650名の退避によって緊急対策メンバーは残すという吉田所長の意図に反する事態が生じたかどうかが問われなくてはならない。まさに、現場ではプラントデータすらとれない状態が生じていた。1 5日の段階で1Fの12 3 4は中操に常駐できないほど線量が高かった。定期的に人を送ってデータをとっていた(吉田051-58ベージ)。プラント関連パラメータ(水位、圧力、温度など) Iアーカイブ(2011)によると、東電が公表しているプラントデータでも午前1120分までの数時間、原子炉内の水位や圧力の計測ができていない。いったん事故原発は管理を放棄された状態に陥っていたのである。」

 

P9「同時に4つの原子炉で深刻な事態が発生していた14-15日の状況では、むしろ1000人単位の作業員を追加して、集中的なオペレーションをしなければならなし℃伏況だったはずである。しかし、そのような状況で、東電の最高幹部らは、吉団所長の指示にも反して、パスを手配し、事故対応の判断に不可欠なGMレベルの幹部を含む650人の作業員を2Fに移動させたと考えるほかない。」

 

P10「このように、東京電力においては、「一部退避」として緊急対策メンパーを残すといっても、10名程度であり、それでは福島第1原発の6機とりわけ危機的な状況に陥っていた1ないし4号機の過酷事故状況には全く対応できなかったことが明らかである。すなわち、「緊急対策メンバー」とは、緊急対策本部400人の中のごく一部であり、残されたとしても、線量が上がってくれば、生き残ることができた可能性はほとんど皆無だった。緊急対策メンバーとして誰が残留することになっていたのか、その人員でどのような対応が可能であったのか、退避した650名には、緊急対策メンバーとして吉田所長が必要だと考えた人員は含まれていないのかが明らかにされる必要がある。」

 

P10[8 なぜ高線量が続かなかったのかは解明されていない

 しかしながら、現場に近寄れなくなるほどの線量の上昇が数時間で下がりだし、継続しなかった理由は解明されておらず、まさに傍倖であったというほかない。このまま、予測どおりに線量の上昇が長期に継続していれば、吉田所長以下の少数の要員はlF内で、急性放射線障害によって死にいたり、現場には他の作業員も戻ることはできず、2号機以外の原子炉も次々に最悪の事態を迎え、4号機の使用済み燃料プールも冷却不能によって燃え出していただろう。近藤最悪シナリオメモに記述されたような最悪の事態が現実のものとなった可能性が差し迫ったものであったと言うこと、このことを確認することが、決定的に重要である。」

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2.原発の本質と品質管理(筒井哲郎 2014.9.16)=記者会見&集会当日のプレゼン資料

 短い時間でのプレゼンだったが、話は的をついていた。特にレジメでは、2枚目の「QMSの機能不全,汚染水タンクの例」をご覧になるといい。

 

3.政府事故調の調書、東電幹部の公開焦点(福島民報 2014.9.14

 http://www.47news.jp/47topics/e/257020.php

 

4.吉田調書、国会事故調も公開を(東京 2014.9.13

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091302000119.html

 

5.「吉田昌郎英雄論」を排す:津波対策、機会逃す、吉田調書公開(東京 2014.9.12

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014091202000163.html

 

 吉田昌郎所長こそ、本社勤務時代には福島第1原発の地震・津波対策の責任者の一人であり、また、その対策をまともには行おうとせず、屁理屈を付けて先延ばししていた張本人である。その点については、記事にもあるように、事故後において反省している様子もない。また、上記でも申し上げたように、福島第1原発事故時における現場采配にも多くの問題があり、かつ、その後の事故調による事情聴取やマスコミからの取材に対しての発言・証言も、多くの点であいまいな、ごまかし含みのようなことを言っており、人間的に信用できない。かような人物を「英雄扱い」するなど、話にもならないことであることを強調しておきたい。吉田昌郎は菅直人元首相に対して「馬鹿野郎」と言いたいそうだが、私は、この吉田に対して「馬鹿野郎」と言いたい気分である。

 

(一部抜粋)

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「吉田氏が原発の地震・津波対策を担当する原子力設備管理部長に就任して間もない2007年7月、新潟県中越沖地震が発生。東電柏崎刈羽原発は設計時の想定より強い揺れに見舞われたものの、重大事故は起こさなかった。吉田氏はこれが慢心につながったと、聴取で悔いた。」(⇒ 何を馬鹿なことを言ってんだ、馬鹿野郎である:田中一郎)

 

「2008年には、福島第一を襲うかもしれない津波が従来の想定を超える可能性が社内の試算で示された。だが、これも対策に生かされなかった」

 

「なぜ、対策を講じる機会を逃してきたのか。聴取はこの点に向かう。「津波自体は、国とか地方自治体がどうするんですかという話とも絡んでくるでしょう。東電だけが対応してもしょうがない」

 

「当然のことながら一番重要なのはお金。対策費用の概略をずっと(社内幹部に)説明していた」「会長の勝俣(恒久)さんは、それは確率はどうなんだと。学者によって説が違うから詰めてもらっているという話で終わって、それ以上の議論になっていない」「最後は経営はお金だから」

 

「吉田氏は、地震対策の社長会などの議論として、対策費用を出し惜しんできたことを明かした。」

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6.その他、この記者会見&集会に参加しながら思ったこと

(1)原発を監視(モニター)する基本がなってない=何故、2号機や4号機の3/15の爆発映像がないのか、本当に爆発したのか。また、1号機の爆発や3号機の爆発の映像の公開が、一時妨害が入って遅れたという話もある。原発周辺には、遠隔地から原発の状況が分かるようなTVカメラの設置は、もはや常識ではないか。しかし、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の新規制基準には、そんなものは入っていない(?)から、その他の原発でも福島第1原発と同じように、TVカメラは用意されていないに違いない。ということは、再び。過酷事故が起きれば同じことが起きる。

 

(2)1号機が水素爆発した後、どうして3号機の建屋の窓を開けようとしなかったのか。2号機は建屋の窓が開いていたため、建屋内での水素爆発はなかった。それくらい、誰でも気がつくのではないのか。現場で気がつかなかったら、遠くで見ていた東京電力本社や首相官邸・霞が関ではどうだったのか。要するに、動揺するばかりで、騒ぎ立てるばかりで、世論操作のことばかり考えていて、事故対応・対策には考えが及ばなかったのではないか?

 

(3)1号機のIC(非常用復水器)、2,3号機のRCIC(原子炉隔離時冷却系)やHPCI(高圧注水系)は、期待された通りに動いていたのか。それぞれが、どうもおかしいし、あやしい。ECCSの非常時対応能力に欠陥があるのなら、これは他の全原発に関連するので重大事項である。福島第1原発事故とECCSの機能をテーマにした記者会見、ないしは講習会・セミナーをやってほしい。(田中三彦さん、後藤政志さん、よろしくお願いします)

 

(4)事故から3年半がたっているのに、未だに福島第1原発の現場取材が自由にできない。もちろん、(原発を厳しく見ている科学者・技術者による)現場検証や調査もできない。やろうとすると、嘘八百を言って妨害する(東京電力の田中三彦氏に対する対応がその一例)。完ぺきに「原発事故現場が隠ぺい」されている。情報が統制されている。こんなおかしな話はない、。マスごみ達は、いったい何をしているのか。朝日新聞バッシングなどしている場合か。お前たちは、ほんとうに、ただのゴミなのか。

 

(5)福島第1原発事故の際は、消防車やヘリコプターによる注水などは、あまり役に立たなかったのではないか。つまり、原発過酷事故時の対策として、可搬式の注水車や電源車などは「あてにならない」と考えておくべきではないか。そうすると、今般、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が打ち出している新規制基準の原発過酷事故対策など、まったく頼りにならないのではないか。

 

(6)原発・核燃料施設の現場作業員に対して「過酷事故となったら、命を捨てて、大量被ばくを覚悟して、その収束や事故の拡大防止につとめてくれ」などということは、絶対に言えないはずである。それは、現場作業員が自衛隊員や警察官・消防隊員であっても同様だ。だったら、100%過酷事故は起きないとは言えない原発・核燃料施設など、やめるしかないではないか。

草々

 

2014年9月16日 (火)

(報告)「放射線安全神話」を狙う8.17政府広報に異議あり! 「市民と科学者の内部被曝問題研究会」記者会見(9/15)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

別添、及び下記は、2014年9月15日に上智大学で開催されました「「放射線安全神話」を狙う8.17政府広報に異議あり! 「市民と科学者の内部被曝問題研究会」記者会見」での資料、その他です。ご参考までにお送り申しあげます。

 

 <記者会見&集会の案内>

○政府は被ばく被害を過小評価せず被ばく回避に努めよ:2014817日付「政府広報」に対する批判
〇期日:2014915日(月・休日)午後1:30から

〇会場:上智大学 12 号館 203 教室

 (正門から入り、会場は北門の横です(休日なので北門は閉鎖)

 (参加費無料。会場費・資料代カンパ歓迎)

 

 岡山 博、小柴信子、沢田昭二、島薗 進、田代真人、津田敏秀、生井兵治、 西尾正道、松崎道幸、矢ヶ崎克馬、山田耕作

 

賛同人:石塚 健、岩佐 茂、牛山元美、大西 広、加藤利三、小林 隆、小林立雄、崎山比早子、佐々木陸爾、新船海三郎、曽根のぶひと、高岡 滋、玉田文子、中村梧郎、満田夏花、望田幸男、梁取洋夫、吉田傑俊

 

 <別添PDFファイル>

(1)政府は被ばく被害を過小評価せず被ばく回避に努めよ(前半)(2014915日 上智大学)

「seifukouhouhihann_ue.pdf」をダウンロード

(2)政府は被ばく被害を過小評価せず被ばく回避に努めよ(後半)(2014915日 上智大学)

「rejime.pdf」をダウンロード

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(3)8. 17 政府広報の誤りを正す(温品惇一 2014.9.15)(会場参加者配布)

 

 <当日の録画>

140915 異議あり!8 17 政府広報 研究者らが緊急会見シンポジウム - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=g0ZHR3lmSuE

 

 <URL>

(1)松崎道幸先生レジメ

https://box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-5o7k4xlfmkirkzpf2coyykxcrq-1001&uniqid=624555da-b97d-4dab-a034-d836ac60294d&viewtype=detail

 

(2)提言「科学と社会のよりよい関係に向けて―福島原発災害後の信頼喪失を踏まえて―」(2014年9月11日:日本学術会議・福島原発災害後の科学と社会のあり方を問う分科会)

http://wrs.search.yahoo.co.jp/FOR=2.X2_QRV3ihQLEE8TFPpSm7qMRanMPgt1oyGNiLb.IionZLc.DlcnpDV2RfvbVeSBHAO3FZYukXH01obGne53aMOYAV_HKLhqzsNK.g7_kvFUpL9FTu7AymF.7CrNfGzHXyAUS4ElTvH1jwx8GGfUPJELC5ErS7.LGzxKSRllFiDKwUcwfby02hGQkzjqa2bh4AGUn8uuFCLnrWPowoHmXDY5d269kzsrtxcrK84Tep0fyWXwWk-/_ylt=A3xTqXE0ZBdUqEoA0laDTwx.;_ylu=X3oDMTEyNTZucDQ1BHBvcwMxBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGUEdnRpZANqcDAwMDU-/SIG=1dbob2brp/EXP=1410919924/**http%3A//www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t195-6.pdf%23search=%27%25E6%2597%25A5%25E6%259C%25AC%25E5%25AD%25A6%25E8%25A1%2593%25E4%25BC%259A%25E8%25AD%25B0%2B%25E7%25A7%2591%25E5%25AD%25A6%25E3%2581%25A8%25E7%25A4%25BE%25E4%25BC%259A%25E3%2581%25AE%25E3%2582%2588%25E3%2582%258A%25E8%2589%25AF%25E3%2581%2584%25E9%2596%25A2%25E4%25BF%2582%25E3%2581%25AB%25E5%2590%2591%25E3%2581%2591%25E3%2581%25A6%27

 

 <参考書>

(1)福島への帰還を進める日本政府の4つの誤り 隠される放射線障害と健康に生きる権利-沢田昭二/著 松崎道幸/著 矢ケ崎克馬/著 島薗進/著 山田耕作/著 生井兵治/著 満田夏花/著 小 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033152302&Action_id=121&Sza_id=GG

 

(2)がん患者3万人と向きあった医師が語る正直ながんのはなし 賢く生きるために知っておきたい放射線の光と影-西尾正道/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033134316&Action_id=121&Sza_id=E1

 

 (討論の時間で私から申し上げたこと)

(1)(質問)原爆被害者の2世における健康被害の疫学的調査結果は存在するか

 松崎道幸先生:存在しないと思う

 沢田昭二先生:1977年の国際放射線被曝問題研究会の会合で原爆による被ばくの遺伝的障害の議論をしたことがある。また、まるやひろしさんという医師の方の調査によると、原爆被爆者には死産や流産が多いという結果が出ている。

 

(2)(質問)私が最も懸念されると思っている呼吸被ばくについて、特におっしゃりたいことはあるか

 松崎道幸先生:チェルノブイリ原発事故後の子どもたちの肺活量が減少ぎみであることには留意が必要

 

(3)(意見)国際放射線防護委員会(ICRP)をはじめとする、いわゆる国際原子力マフィア・放射線ムラがやっていることは科学などとはいえないものであり(=似非科学、インチキ科学)、叩き潰せばいい。内部被曝などは「ファントム」とか言って(戦闘機のような名前を付けて)机上のモデルをつくり、モンテカルロ法(一種の統計学的手法)を使って計算をしているが、それは単なる計算にすぎない。科学とは経験科学であって、実証性がなければ意味がない(実験等で確かめられないといけない)。

 

 「○○シーベルト」という計算結果が、人間や生物にいかなる影響を及ぼすのか、実証的に数字を意味付けする必要があるが、彼らはやったことがない。人間で人体実験ができないのなら、マウスやサルなどの動物を使ってでもできるはず。しかし、これまでそんなものは見たことがない。つまり彼らの「科学」とは、実証的な裏付けを持たない机上の空論=でっち上げのインチキだ、ということである。

 

(4)(意見)そして、彼らの被ばく論=放射線防護学は、今現在の分子生物学(バイオ学)やがん研究の最前線から見ると、いかにも陳腐で古色蒼然としていて、1950年代の、遺伝子・DNA発見直後の、セントラルドグマが提唱された頃の理屈で山盛りだ。現代の先端的な科学の水準からは非常に低レベルの(つまりは素人だましの)議論・研究水準にある。似非科学であるがゆえに、現代科学にキャッチアップできていない。

 

(5)(更に言いたかったこと)21世紀は、科学が支配権力や大資本に完全に包摂されてしまい、支配権力や大資本の都合のいいように、科学や科学技術の理論が歪められてしまう時代だ。包摂された科学は似非科学となり、包摂された科学者は似非科学者となる。従って、科学への単純素朴な敬意(下から目線)や、科学は無条件に正しいと信奉するような科学崇拝は危険である。科学も、愚かで弱い人間が営むものであることをしっかり認識の上、科学者もまた、その専門領域を超えてしまえば、「ただのおっさん、おばはん」にすぎないのだという、突き放した、相対化された認識を持つよう心掛けておく必要がある。

 

 そして、そうした、相対的認識態度の上に、「支配権力包摂科学」に代わる「市民科学」が展開し、21世紀は、この「市民科学」と「包摂された似非科学」が全面対決する時代となるに違いない。いずれが勝利するかは、我々一般市民の態度いかんであり、また、仮に「包摂された似非科学」が勝利するようなことになれば、人類の滅亡も近いと考えた方がいいだろう。「21世紀は環境の世紀」と申し上げた時の意味は、言いかえれば「2つの科学の対決の世紀」ということに他ならない。

草々

 

 

2014年9月15日 (月)

本日(9/15)のいろいろ情報 (1)高市、稲田両議員とネオナチ、(2)朝日新聞、(3)週刊金曜日の「従軍慰安婦」特集、(4)美浜の会 他

前略,田中一郎です。

本日(9/15)のいろいろ情報です。

 

1.9/12欧州なら即刻辞任 安倍政権ネオナチ騒動【東京新聞・特報】高市、稲田両議員のネオナチ関与疑惑を一蹴した菅官房長官(天木 直人)【ヤフーニュース】

http://silmarilnecktie.wordpress.com/2014/09/12/912%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E3%81%AA%E3%82%89%E5%8D%B3%E5%88%BB%E8%BE%9E%E4%BB%BB%E3%80%80%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%94%BF%E6%A8%A9%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%83%81%E9%A8%92%E5%8B%95%E3%80%90%E6%9D%B1/

http://blog.livedoor.jp/gataroclone/archives/40165192.html

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014091202000174.html

 

 高市早苗総務相や自民党の稲田朋美政調会長が、ナチス・ドイツを信奉する極右団体男性とツーショット写真を撮影していた。海外の主要メディアは「安倍政権のネオナチ関与疑惑」などと盛んに報じている。議員側は「人物像は知らなかった」と釈明するものの、もともと右翼的な言動で知られる政治家だ。日本の政界やメディアの反応は鈍いが、ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の惨禍を味わった欧州の基準では、即刻辞任モノの一大スキャンダルである。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(以下、田中一郎)

 類は友を呼ぶ、高市早苗・稲田明美とネオナチJAPAN代表とのツーショット、これほどグロテスクなものは、なかなか見つからない。この自民党のゴロツキ女たち自身の責任問題もしかりながら、他方では、何故、この2人がネオナチJAPANの代表のような人間に好まれるのか、よく考えてみるべきだと、誰かが言っていた。その通りだ。特に奈良県と福井県で、この2人に選挙で投票した有権者は、頭から水をかぶってよく考えることだ。

 

2.みなさまに深くおわびします 朝日新聞社社長:朝日新聞デジタル

 http://www.asahi.com/articles/ASG9C6V5QG9CUHMC00L.html

 

「(妙なところで)やりすぎ朝日新聞」(肝心なところではもの足りない)の特徴は、反骨の精神を持って権力の監視につとめる、今や数少なくなっているかもしれない現場の記者達の取材や執筆を大事にしない点である。この「おわび」は、吉田調書報道と「従軍慰安婦」報道(吉田証言の虚偽性や女子挺身隊「混同」など)の2つに関するものだが、私から見ると、いずれも、行きすぎていて、現場の記者達の軽視がひどいように見える。きちんと取材をし、きちんと報道をしている現場記者を守ろうという、新聞社(幹部)としての当然の営みが感じられないのだ。

 

 

上記文書の中に出てくる下記3つの「抜本的改革」の取組の今後の行方に要注目である。それは、今現在、朝日新聞をバッシングしているご都合主義似非右翼的潮流の目指す方向ではなく、その真逆の方向で、朝日新聞がこれから「真実一路の批判的ジャーナリズム」として立ち直れるのかどうか、という観点からの関心である。

 

(1)新しい編集担当を中心に「信頼回復と再生のための委員会」(仮称)を早急に立ち上げ、あらゆる観点から取材・報道上で浮かび上がった問題点をえぐりだし、読者のみなさまの信頼回復のために今何が必要なのか、ゼロから再スタートを切る決意で検討してもらいます。

 

(2)同時に、誤った記事がもたらした影響などについて、朝日新聞社の第三者機関である「報道と人権委員会(PRC)」に審理を申し立てました。すみやかな審理をお願いし、その結果は紙面でお知らせいたします。

 

(3)慰安婦報道については、PRCとは別に社外の弁護士や歴史学者、ジャーナリストら有識者に依頼して第三者委員会を新たに立ち上げ、寄せられた疑問の声をもとに、過去の記事の作成や訂正にいたる経緯、今回の特集紙面の妥当性、そして朝日新聞の慰安婦報道が日韓関係をはじめ国際社会に与えた影響などについて、徹底して検証して頂きます。こちらもすみやかな検証をお願いし、その結果は紙面でお知らせします。

 

ところで、上記(2)に出てくる「報道と人権委員会(PRC)」ですが

 

● 報道と人権委員会/国連グローバル・コンパクト 報道と人権 - 朝日新聞社CSR報告書・会社案内:朝日新聞社インフォメーション

 http://www.asahi.com/shimbun/csr/2012/topic3/topic3b.html

 

 こんな3人で(宮川光治・元最高裁判事、長谷部恭男・東大教授、藤田博司・元共同通信論説副委員長の3人)で、きちんとした仕事ができるのかな。特に、東大の長谷部は、前回の「従軍慰安婦」報道(NHK職員の内部告発:2005年)の時も、ロクでもない報告を出していた人間の一人だ。全く期待できないように思うのだが。朝日新聞の「ビョーキ」は、こういうところ(例:事を構える際の人選)にあるような気がする。このままでは、現代の「白虹事件」となってしまいかねない。

 

● 白虹事件 - Wikipedia

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E8%99%B9%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

3.再掲載:政府事故調査委員会ヒアリング記録 - 内閣官房

http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai/hearing_list.html

 

4.社説[海兵隊引き留め策]沖縄押し付け もう限界 沖縄タイムス+プラス

 http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=83116

 

5.「従軍慰安婦」問題など存在しない、あるのは「歴史修正主義」問題と日本政府の責任問題である

 「従軍慰安婦」について、あまりご存じない方は、下記をご覧下さい。今週の『週刊金曜日』が特集を組んでいます。

 

●週刊金曜日

 http://www.kinyobi.co.jp/

 

●日本軍「慰安婦」制度とは何か-吉見義明/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032431159&Action_id=121&Sza_id=E1

 

6.美浜の会HPより

(1)川内原発1・2号の審査書決定と設置変更許可に抗議する (9月10日)

   安全性軽視のエスカレーションで再稼働に突き進む規制委員会

 http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/sendai_statement20140910.pdf

 

(2)▲【福島原発 汚染水】9月8日に地下水バイパスから20回目の放出[9月11日]

 20回の合計で80億Bqを超えるトリチウムが投棄されました。地下水揚水井No.12のトリチウム濃度は、9/4には520Bq/Lまで低下しましたが、急上昇・急低下を繰り返しています。

 http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/osensui_joukyou20140911.pdf

 

7.(イベント情報)

(1)東電の刑事責任追及を考える集い

 日時:2014年9月17日(水)午後7時~

 場所:明石町区民館(中央区明石町14-2

 地下鉄日比谷線「築地」下車。「出口3または4聖路加方面出口」から聖路加病院を過ぎ、聖路加タワーの右横。駅から約10

 講演:保田行雄弁護士(福島原発告訴団代理人)

 主催:福島告訴団被害者証言集会を成功させる集い実行委員会

 ※集い後、「東電の刑事責任を追及する会」を結成します

 

(2)(別添PDFファイル)戦争させない東京北部の集い

 2014年9月22日(月) 午後6時開場

 場 所:豊島区民センター6F

 参加費:500円

 

(3)福島映画祭2014(OUR PLANET TV)

 http://fukushimavoice.net/fes

 

(タイムテーブル)

 http://fukushimavoice.net/fes/timetable

 

(4)福島原発告訴団 9.30院内集会&東京地検包囲

 http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2014/08/blog-post_31.html

草々

 

2014年9月14日 (日)

(報告)福島原発事故後の健康管理のあり方めぐり、厚労省・環境省と交渉~省庁横断の取り組みもとめ

前略,田中一郎です。

 

下記、及び別添PDFファイルは、さる9/11(木)に、参議院会館内にて開催されました「福島原発事故後の健康管理のあり方」に関する院内集会・及び政府交渉の詳細です。福島第1原発事故後の被ばく防護や健康管理を考える上で非常に重要な内容です。ぜひ、ご一読くださいますようお願い申し上げます。(下記には当日の録画もあります。ご参考までに)

 

● 福島原発事故後の健康管理のあり方めぐり、厚労省・環境省と交渉~省庁横断の取り組みもとめ  「避難の権利」ブログ

 http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/140911_report.html

 

20140911 UPLAN【お笑い政府交渉】原発事故による住民の健康管理のあり方に関する環境省・厚労省交渉 - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=tAxz-O7BZ8Q&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

 

●(関連重要情報)【プレスリリース】環境省「専門家会議」に要請書~恣意的な議論・運営を改め、省庁横断的な取組を 「避難の権利」ブログ

 http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-8ce9.html

 

(上記は吉田由布子さんのご尽力により作成され提出された要請書です)

 

(参考)環境省_放射線健康管理 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議

 http://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01.html

 

(参考)「避難の権利」ブログ

 http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/

 

(参考)放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」を設立しました

 http://www.foejapan.org/energy/news/130130_2.html

 

 <別添PDFファイル>

(1)集会レジメ(1)(吉田由布子さん:2014.9.11

「rejime_1_yoshida.pdf」をダウンロード

(2)集会資料2(2014.9.11

「rejime_2.pdf」をダウンロード

(3)集会資料3(2014.9.11

「rejime_3.pdf」をダウンロード

(4)集会資料4 「放射線ブルームの拡散状況」(2014.9.11

「rejime_4.pdf」をダウンロード

 

 当日、交渉相手となった厚生労働省、環境省の両省役人達は、当事者能力に乏しく、ほとんどの質問や要請に対して、形だけの答弁しかできませんでした。いつものこととはいえ、この霞が関各省の説明責任感の欠如や住民の被ばく防護に対する無責任な姿勢を、改めて見せつけられる思いでした。

 

 特に、そもそも、この環境省の「放射線健康管理 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」は、福島県以外の放射能汚染地域での健康管理の現状があまりにお粗末で、何もしない状態だから、これをどうするのか・どう改善するのか、という主旨で開催されたにもかかわらず、参集した委員達は、座長の長瀧重信に会議を牛耳られ、これまで大半の時間を「福島第1原発事故に伴う住民の被ばく線量の推定」にばかり時間を費やしてきています。それも、「被ばく量は大したことはない」という出鱈目を合理化するための「風が吹けば桶屋が儲かる」式の屁理屈発掘論議を繰り返しているのですから、あいた口がふさがらないとはこのことです。

 

 また、今般、復興庁や環境省以下、4つの役所名で出された、中川恵一他の「放射線安全神話」のための政府広報について、環境省の役人が「知らない」と答弁したことには、あきれるばかりです。このインチキ広報の問題については、改めて市民側から公開質問することになりました。

 

 私からは、次の2点を、集会時の議論の際に申し上げています。

 

(1)福島第1原発事故以降、政府や福島県、原子力ムラ・放射線ムラの御用人間や御用組織は、意図的・作為的に住民の被ばく線量把握のための計測や検査をサボタージュし、実証的な把握ができないよう、あれやこれやと裏工作をしていた様子がうかがえます。2011年の11月ごろになって、政府では細野民主党議員(原発担当)の下に低線量被曝検討会(長瀧重信委員会)が置かれ、また、福島県でも、先送りされ続けていた甲状腺検査が始まると言った具合です。その頃には、大量の初期被ばくをもたらした放射性ヨウ素や放射性セシウムなどは消えてしまっていて(セシウムは体外に出てしまっていて)、累積被曝量は正確にはつかめない状態になっていました。政府や福島県は、それを見極めてから動き出した様子です。まさに住民の被ばく隠蔽のための国家犯罪的行為といえるでしょう。

 

(2)吉田さんのレジメにあるチェルノブイリ原発事故後の説明で、私は「循環器系=血液疾患を含む」が抜けているような気がすると申し上げました。原発事故後の健康被害は、甲状腺ガンを含む甲状腺疾患が、比較的早く現れることに加え、血液のがんである白血病や、放射性セシウムが心臓にたまることによる心筋梗塞等による突然死(セシウム心筋症)が出ていたように思うからです。日本でも、この循環器系=血液の疾患への警戒が必要です。

 

(また、放射線被曝によるガンの発症の場合には、7q11という染色体に異常が出ることが多いので、この7q11を含む染色体検査や血液検査は欠かせないでしょう)

 

(参考)放射性物質汚染対策 - 内閣官房 「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」

 http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/news_111110.html

 

(参考)低線量被ばくリスクWG主査長瀧重信氏の科学論を批判する 島薗進・宗教学とその周辺

 http://mys1.sakura.ne.jp/shimazono/?p=263

 

 以上です。このままでは、日本の被ばく防護・福島第1原発事故後の健康管理はメチャクチャになりそうです。許しがたい話です。

 

(参考)少し前にお送りしたメールから()「いちろうちゃんのブログ」より)

 

●(政府の「放射線安全神話」広報を批判します) 中川恵一(東大准教授)さん、「放射線についての正しい知識を」とは、あなたに向けられるべき言葉です  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-adcf.html

 

●(政府の「放射線安全神話」広報を批判します) IAEAのレティ・キース・チェムさん、IAEAは原子力を推進する国際組織であり、被ばく管理に口をはさむ資格はありません(利益相反です)  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-843c.html

 

●「放射能・放射線は心配するほどのことではない」(放射線安全神話)にだまされないために  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-7987.html

 

(関連)

●ついに 「ホット・パーティクル」 が表面化 : 茨城の「ちり」にウラン 東京理科大と気象研究所 溶融燃料が拡散  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-8621.html

 

●「福島県で急増する「死の病」の正体を追う! ~ セシウム汚染と「急性心筋梗塞」多発地帯の因果関係(第1回)

 http://tkj.jp/takarajima/contents/blog/p/898/

草々

 

 

本日(9/14)のいろいろ情報 (1)[共通番号制度]の悪夢、(2)ネット署名 2つ、(3)来年度予算、(4)記者会見「吉田事故調」、(5)火山リスクをめぐる報道について 他

前略,田中一郎です。

本日(9/14)のいろいろ情報です。

 

1.「共通番号制度」(マイナンバー)の悪夢

 こんなものに数千億円もかけて、ITゼネコンを喜ばせながら、とんでもない「なりすまし社会」「プライバシー侵害社会」「支配権力によるウルトラ管理社会」ができてきます。特に、下記で朝日新聞が取り上げた「なりすまし社会」は、日本のようなセキュリティ構想ができそこないの[共通番号制度](マイナンバー)には必然の帰結となるでしょう。便利になる、どころの話ではなく、この「なりすまし悪用」対策で忙殺され、うっとうしい、やっかいな事態に陥っていくこと必定です。下記の記事にあるアメリカだけでなく、同じような制度を導入した他の国でも、同じようなことが起きているのです。本当に、今の政治家どもはロクなことをしません。全部取り換えないとだめなのです。

 

(1) ID泥棒、子ども狙う 10代で借金150万ドル 共通番号制、「先進国」の米:朝日新聞デジタル

http://www.huffingtonpost.jp/2014/09/11/risks-of-using-my-number_n_5802428.html?utm_hp_ref=japan-world&m=true

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11345890.html

 

(2)チェック改憲 マイナンバー法案の危険性 プライバシー権の危機 (東京新聞「こちら特報部」)  赤かぶ

 http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/244.html

 

2.ネット署名です

「キャンペーン いかなる理由があろうとも戦争はしないでください。話し合いで平和的に解決してください。仲裁に努めてください。 Change.org

http://www.change.org/p/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%90%84%E5%9B%BD%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E5%AE%9B-%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%A8%E3%82%82%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AF%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84-%E8%A9%B1%E3%81%97%E5%90%88%E3%81%84%E3%81%A7%E5%B9%B3%E5%92%8C%E7%9A%84%E3%81%AB%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84-%E4%BB%B2%E8%A3%81%E3%81%AB%E5%8A%AA%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=38526106&utm_campaign=twitter_link_action_box&utm_medium=twitter&utm_source=share_petition

 

3.(メール転送です)来年度の概算要求が公表されました

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みなさま

 

先週、来年度の概算要求が公表されました。

一番金額が大きいのが研究、つぎは不安対策、次が計測、そして被ばく対策はゼロ。という美しい日本の予算です。

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<環境省>参事官室

●予算放射線の健康影響、被ばく線量評価等に関する調査研究事業  122800万円(26122400万円)

 http://www.env.go.jp/guide/budget/h27/h27-gaiyo/004.pdf

 

●住民の個人被ばく線量把握事業 66400万円(66400万円)

 http://www.env.go.jp/guide/budget/h27/h27-gaiyo/005.pdf

 

●放射線被ばくによる健康不安対策事業 78100万円( 4,400万円) 

 http://www.env.go.jp/guide/budget/h27/h27-gaiyo/006.pdf

 

<文部科学省関連>

安全・安心のための子供の健康対策支援事業 7000万円(給食の検査)

福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業 3億円 (移動教室)

福島県体力向上総合プロジェクト事業 1億円

支援法と関係ないですが新規かもしれません(肥満予防)

 

4.(メール転送です)【署名運動】重要・原発推進が国連総会で国際公約に? 福島事故など完全無視して議論が進行中(伊藤 和子)

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とんでもないことに、国連ではエネルギー開発目標に持続可能エネルギーに原発エネルギーが含まれるか否かが争点になっていて、開発関係で影響力を持つジェフリー・サックス氏が原発推進を「温暖化」対策として国連の公約にしようと画策しているとのことです。

 

署名運動が開始されています。

http://www.gopetition.com/petitions/more-nuclear-power-is-not-the-answer-to-the-climate-crisis.html

 

この問題を訴えている伊藤和子さんの記事があります。

 

重要・原発推進が国連総会で国際公約に? 福島事故など完全無視して議論が進行中(伊藤 和子) - 個人 - Yahoo!ニュース

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20140914-00039079/

 

署名文:

We urge you to revise the recommendations of the UN's Sustainable Development Solutions Network to remove its advocacy of nuclear fission as a "solution" to the climate crisis. The accelerated development of nuclear power plants would only increase the course we are on to planetary catastrophe.

貴職は国連持続可能開発ソリューションネットワーク(UN SDSN)宛て勧告書で、気候変動の危機に対する「解決策」として核分裂の推進を主張されていますが、私たちはその削除を強く求めます。原子力発電所の開発加速は、地球破滅への流れを推し進めるものです。

 

We urge you to develop an analytic model that includes the decommissioning of current nuclear plants as part of a transition to a future based on conservation, efficiency and renewable energy.

環境保護・効率・再生可能エネルギーに基づいた未来へと進む取り組みの一環として、現在の原子炉設備の解体を含む分析的モデルを構築されるよう、私たちは強く要請します。

 

5.(メール転送です)(イベント情報)

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APASTからのご案内】

 

みなさま

APASTのメンバーが関係する下記のイベントがありますのでご案内申し上げます。

記者会見「ついに公開された政府事故調 吉田調書 私はこう見る」

 

日時:916日(火) 午前10-12

場所:参議院議員会館 B107会議室

主催:原発事故情報公開原告団

   原発事故情報公開弁護団

APAST関係者の出席:後藤理事長、筒井理事、小倉会員

 

緊急共同記者会見のご案内

ついに公開された政府事故調 吉田調書私はこう見る

2014年9月11日

原発事故情報公開原告団

原発事故情報公開弁護団

 

 政府事故調の吉田調書が、黒抜き部分はあるものの、政府によって公開されました。事故発生後4日目の15日朝には、東電社員の大部分が福島第2原発に退避する事態が発生しました。この退避について吉田氏が所長として指示したか、指示に反してなされたものかどうかが問題とされています。また、政府の事故調査委員会の報告書では、原子力設備管理部長を務めていた平成20年(2008年)に、大津波の試算結果を知りながら武藤副社長と相談し、土木学会に検討を依頼し、対策を取らずに、先送りしたと批判されてきました。この点については、吉田氏と相談した武藤氏、会長であった勝俣氏、副社長であった武黒氏らが検察審査会によって起訴相当とされました。これは、福島原発告訴団の告訴を受けた判断でした。この点について、吉田氏がどのように弁明しているかも注目されます。

 

 このように、吉田調書はその内容においても、原発事故発生時の状況について極めて重要な内容を含んでおり、市民の知る権利の観点からもその公開が強く要請されると考え、私たちは情報公開訴訟を提起してきました。我々の提訴も一つのきっかけとして公表された吉田調書とこれまでに明らかにされている東電のテレビ会議録画や政府事故調、国会事故調などの報告書、事故当時の政府関係者の証言なども突き合わせて、この事故の原因やこの事故がどこまで拡大する可能性があったのかなどの論点について、脱原発運動を継続してきた市民活動家、原子力にかかわる専門など各方面の方々にお集まりいただき、ひとりひとりコメントをする場を持ちたいと思います。

 

日 時: 9月16日 午前10-12時

場 所: 参議院議員会館 B107会議室

主 催: 原発事故情報公開原告団

        原発事故情報公開弁護団

 

出席者: 木村結(東電株主代表訴訟事務局長)

朴鐘碩(原発メーカー訴訟事務局)

地脇美和(福島原発告訴団事務局長)

河合弘之(脱原発弁護団全国連絡会共同代表)

海渡雄一(脱原発弁護団全国連絡会共同代表・

原発事故情報公開弁護団)

小川隆太郎(原発事故情報公開弁護団)

     後藤政志(元東芝原発設計者 国会事故調協力調査員)

     青木秀樹(弁護士 国会事故調協力調査員)

     筒井哲郎(プラント技術者の会)

     小倉志郎さん(元東芝原発技術者)ほか

 

記者の方以外の一般の参加も自由とします。※通行証を配布します。

 

5.(毎日新聞)■注目ニュース■ 東電、原発ADR和解案9件拒否、「尊重」に矛盾

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 福島第1原発事故で避難を余儀なくされた人たちの損害を巡り、国の原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介手続き(原発ADR)で示された和解案に、東京電力が拒否を表明した事例が11件に上り、うち9件が現在も協議中であることが、センター関係者への取材で分かった。東電は今年1月に経済産業相に認定された新総合特別事業計画で「和解案を尊重する」と明記したが、拒否は4月以降に続発しており、矛盾した姿勢が問われそうだ。

 

▽原発ADR、東電が和解案9件拒否 長期避難で賠償拡大

http://goo.gl/I0rgLY

 

<解説>

●▽クローズアップ2014:原発ADR 東電、和解案拒否 揺らぐ賠償指針

 http://goo.gl/nLQmzN

 

●▽質問なるほドリ:原発賠償の仕組みは?=回答・深津誠

 http://goo.gl/4YfdlG

 

6.(メール転送です)みんなで報ステに激励を!…本質は間違っていない。委縮することなかれ

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みなさま(重複失礼、拡散歓迎)

 

FoE Japanの満田です。

政府を批判する報道がつぶされ、骨のある記者やディレクターが自殺したり、おろされたりして、政府がたれながす広報をそのまま報道するメディアだけが生き残ることが心から心配です。川内原発の審査書をめぐっても同様のことが起こっています。

 

みなさん、下記は田中俊一委員長の記者会見発言です。「科学をねじまげている」と追及するロイターの記者に対して、田中委員長が何と答えているか、ぜひみてください。その部分の頭出ししてあります(全体のやりとりは30秒くらい)

https://www.youtube.com/watch?v=MZbr9kJcCqk&feature=youtu.be&t=10m40s

 

こちらは、火山噴火予知の大御所たる噴火予知連の藤井会長の発言。

「火山リスクが低いとの規制委の判断は科学的根拠に基づいていない」

川内原発 新基準適合 噴火予知連会長が批判 (2014911日、東京新聞)

 https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/tokyo_140911.pdf

 

さて、当日の放送でこの問題に、唯一取り上げたのが報道ステーションでした。記者会見のシーンと、火山学が専門の鹿児島大学の井村准教授の電話インタビューです。たいへんよい報道だったと思います。

 

報道の中で、「火山審査ガイドを見直す予定」という報道があり、私はここだけ、あれ?そうだったのか、と思った記憶があります。しかし、これは誤報で、報道ステーションの記者または編成側は、竜巻のガイドラインと火山ガイドラインを混同したようなのです。

 

原子力規制委員会はさっそく、翌日、以下のような抗議を行いました。

 http://www.nsr.go.jp/news/26/09/0911.html

 

ポイント1:「火山の審査基準そのものを今後修正する」というのは、竜巻の審査ガイドであった点

 

ポイント2:「現在の科学の知見をねじ曲げて、これで審査書を出すと、これはいわゆる安全神話の復活になるということは言えないでしょうか。」という記者の質問に対して、田中委員長が、「答える必要がありますか?なさそうだからやめておきます。」とした点です。

 

ポイント1については、これは報ステの間違いだったようです。(しかし、一方で、火山モニタリングについての専門家会合が開かれており、ここで火山審査ガイドについても影響する議論が行われています)

 

ポイント2については、これは報道ステの誤報でしょうか?

 

再度、以下の規制委の記者会見の映像をみてください。(会見の1040秒くらいからです、頭だししています)

https://www.youtube.com/watch?v=MZbr9kJcCqk&feature=youtu.be&t=10m40s

 

「わからないことをわからないとするべきであったのではないか」とい うロイターの浜田記者の追及に対して、田中俊一委員長は、「原子炉の運転期間中、今後、長くても30年でしょうということを私は申し上げているのですけれども、その間にはないだろうという判断をしたということ」と答えています。

 

※なお、火山ガイドラインで求めているのは、「運用期間中」(原子炉の運転期間に使用済み燃料の補完期間を加えたもの)での施設に影響を与える噴火の有無についてです。原子力規制委員会は、報ステの揚げ足をとるよりもまず、田中委員長の発言を修正したり、自らの審査書の誤りを修正することをすべきだと思うのですが…。

 

そして、なおも浜田記者は、自らも噴火はないと思うがとしつつ、「現在の科学の知見をねじ曲げて、これで審査書を出すということになると、後々の審査にも響くのではないでしょうか。それがいわゆる安全神話の復活になるということは言えないのでしょうか」と追及しました。

 

田中委員長は、「答える必要がありますか。なさそうだから、やめておきます」と突っぱねました。

この部分に関しては、報道ステーションの報道が間違っていたとは私には思えませんでした。

 

しかし、報ステはあっさりと誤ってしまいました。以下が報ステの「謝罪」の部分のニコニコ動画です。

 http://nicovideo.jp/watch/sm24458408

 

謝るにしても、火山審査ガイドについてだけにするべきだったのではないでしょうか。報道ステーションの報道は、基本的には、今回の審査のポイントをついたよい報道だったと思います。それなのに、報道自体を自ら否定するような謝罪をしてほしくはなかったです。

 

★ここからが本題★

 

みなさん、ぜひ報ステに激励のメッセージを送りましょう!「委縮するな!」「報ステの報道は本質をついている!」または、「間違っていない部分は謝るな!」

 

(報ステへの意見はこちらから)

 http://www.tv-asahi.co.jp/hst/opinion/form.html

 

(ついでに原子力規制委員会の意見はこちらから)

 https://www.nsr.go.jp/ssl/contact/

 

このメールは火山審査をめぐる背景情報とともに、以下のブログサイトに掲載しています。ぜひ、拡散していただければ幸いです。

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/09/13/140913/

 

以下、原子力規制を監視する市民の会のAさんが、報ステに送ったメッセージです。

 

---------------以下引用

9/10の原子力規制委員会の報道を9/12に「誤報」だったと訂正された部分ですが、いつも他局で反対意見をいくら無視した報道がされてもそのままなのに、こんな重箱のスミつつくような指摘で訂正放送しなきゃいけないのかと悔しいです。

 

竜巻ガイドと火山ガイドの件は確かに間違いかもしれませんが、実際、噴火の前兆を捉えることが可能ではない、巨大噴火の可能性が十分に小さいかどうかは言えないと専門家に言われた時点で火山ガイドは見直してしかるべきなのでは?(掲載者注:火山のモニタリングをあてにした火山ガイドの見直しもさることながら、川内原発の審査書を見直すべきでしょう。)

 

そして、改めて放送された田中委員長の「答え」は、完全に科学的に謝りですね。噴火の可能性が十分に小さいと判断する根拠は失われたんだから。

 

規制庁のHPの書き起こしも読みましたが、記者Bさんが聞いていることは非常に重要で、本来なら彼の言うとおり、「科学的には安全とは言えませんが、それでも政治的な判断として再稼働しますか」と政府にボールを投げなきゃいけないですよね。それに対して「答えるか必要がありますか。なさそうだからやめときます」とは!記者Bさんが何度聞いてもピントをはずした答えしかしなかったのは田中委員長なんだから、あそこだけ切り取られたからって一切文句言える立場じゃないはずです。

 

そもそも、田中委員長がいつもダラダラともって回ったしゃべり方するからテレビ的にすごく編集しにくいのではありませんか?長くしゃべっても結局内容ないし。

 

とにかく、原子力規制委員会が科学的にも誤りを放置したまま、パブコメも無視して審査書を決定してしまったという事実に変わりはありません。こんな細かいことにめげずに、これからも堂々と権力と戦ってください。

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満田夏花 MITSUTA Kanna <kanna.mitsuta@nifty.com>

携帯:090-6142-1807

FoE Japan新住所】827日より

173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9

Tel03-6909-5983 Fax03-6909-5986

 

草々

 

2014年9月13日 (土)

国際原子力マフィアと放射線ムラが福島で国際会議、そして、あの日本財団が安倍首相に提言=「フクシマ・エートス」の精神を徹底普及させよ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

このほど、福島市のビューホテルにて、国際原子力マフィアと日本の放射線ムラ重鎮を集めた国際会議「放射線と健康リスクを超えて」(実質は「超えて」ではなく「踏みつぶして」です)が開催されました。別添PDFファイルは、その会議を報道する地元の新聞・福島民報の記事です。

 

ひどいものです。チェルノブイリ原発事故の後に起きた被害者住民の被ばく踏みつぶし・もみ消しと同じようなことが、当時と同じような組織と同じような人間達によって、再び繰り返されようとしております。私はこの国際会議に出席したわけではありませんが、記事を読むだけでも胸が悪くなります。

 

科学的・実証的な根拠もなく(というよりも、放射線被曝の健康障害や遺伝的障害の実証研究は、これまで、ことごとく妨害され、隠蔽され、つぶされ、歪曲・矮小化されてきた経緯があります)、福島県住民をはじめ福島第1原発事故によって無用に被ばくを余儀なくされた人々に、自己責任による放射線防護を強要し、従ってまた、人体実験的な「被ばく限界」にチャレンジをさせ、原発事故による猛烈な放射能汚染と地域住民との「共存」を狙っております。

 

一方では、被害者の再建・再生のための損害賠償・補償・支援や、避難・疎開・移住のための施策などを足蹴りにし、まるで被害者を経済的苦境に陥れることで「兵糧攻め」にしておきながら、他方では、放射線管理区域指定基準を超えるような放射能汚染地域に被害者を帰還させるための、あれやこれやの「欺瞞的寸劇」を、国を挙げて、いや、世界の原子力ムラ・放射線ムラ・国際原子力マフィアを挙げて、大騒ぎをしているのです。

 

そして、きわめつけは、かつて25年前にチェルノブイリ原発事故後の旧ソ連地域を調査し、かの放射線影響研究所(RERF)理事長の故重松逸三とともに、チェルノブイリ原発事故被害者の放射線被曝被害を「そんなものはない」と報告して踏みつぶそうとした、あの日本財団が、今回も全面に登場してきて、安倍晋三首相宛に提言をしております。この連中の厚顔さ・馬耳東風たるや、馬も顔負けです。

 

みなさまには、この記事に目を通していただき、これからの私たち市民運動・社会運動の主戦場が、脱原発とともに、脱被ばくと被害者の完全救済にあることを、どうかご理解いただきたいと思います。下記には、新聞記事に取り上げられたことについてのみ、簡単に私のコメントを付記しておきますが、ことは、かような簡単・簡略なものではなく、彼ら原子力ムラ・放射線ムラ・国際原子力マフィアの「総攻撃」ともいうべき言動は、まさに「巨大な仕掛けと鉄のように固い意思=計画された悪意」で固められております。彼らとの最終戦争としての全面戦争は避けられません。彼らに騙されて子子孫孫とともに放射線に焼き殺されるか、彼らを社会的に葬り去るかのいずれかです。

 

*国際原子力マフィア=国際原子力機関(IAEA)、国際放射線防護委員会(ICRP)、「国連科学委員会(UNSCEAR)」、世界保健機関(WHO)

 

 <別添PDFファイル>

(1)福島 国際専門家会議「放射線と健康リスクを超えて」(福島民報 2014.9.910

(2)日本財団が提言 福島の放射線国際専門家会議受け(福島民報 2014.9.12

 

1.福島 国際専門家会議「放射線と健康リスクを超えて」(福島民報 2014.9.910

 http://www.minpo.jp/news/detail/2014090917960

 

「国際放射線防護委員会(ICRP)のクリストファー・クレメント科学事務局長は県民との対話集会などICRPの取り組みを紹介し、専門家と住民の連携が重要だと指摘。「放射線防護の文化を創出し、普及していく必要がある」と主張した。」

 

(田中一郎)⇒ 彼ら国際原子力マフィアの言う「放射線防護の文化」とは、放射能汚染や被ばくをもたらした原因や責任を追及することなく、従ってまた、その再発を徹底して防止するでもなく、猛烈な放射能汚染・被ばく環境の中で、自己責任に基づいて被ばく管理をしながら、各自各自で強く生き抜け、という意味である。言い換えれば、政府や加害者に依存して、避難・疎開・移住や医療・治療など、費用=お金のかかるようなことを要求するな、ということを意味している。彼らはこれを「ALARA原則」と呼んでいる。「あらら、変ね」の「ALARA」である。

 

「ニューメキシコ大のフレッド・メトラー医学部放射線科名誉教授は、子どもへの放射線被ばくの影響をテーマに研究内容を発表した。「子どもは成人の3~5倍ほど放射線の影響を受けやすい」とされていることに、「全ての健康影響に対するリスクが高いわけではない」との見方を示した。」

 

(田中一郎)⇒「リスクが高いわけではない」と言いたいがために、忘れてもらえるような修飾語をいっぱいくっつけて、自分の発言がデマだと言われないようにするための防護までして、「リスクが高いわけではない」と大宣伝している。しかし、本来このテーマで発表されるべきは、子どもの放射線被曝の健康影響のあらゆる面での実証的研究結果であるべきなはずだ。この男はわざわざ日本まで来て、何をしゃべっているのか!?

 

「アルゼンチン原子力規制庁のアベル・ゴンザレスシニアアドバイザーは放射線による健康への早期の影響はなく、晩発も想定されていないとの見方を示した。ただ、「放射線は心理的副作用を与えている」として精神面への対応を課題に挙げた。」

 

(田中一郎)⇒ チェルノブイリ原発事故以降、言い尽され、嘘八百であることが、たくさんの犠牲者を出すことによって明らかになっていることである。にもかかわらず、わざわざ福島までやってきて、嘘八百の言論を繰り返す。怒りを通り越して、あきれるばかりだ。放射能・放射線が「健康への早期の影響はなく、晩発も想定されていない」というのなら、この男が家族ともども福島の高濃度汚染地域にやってきて住んでみればいい。

 

「復興に向けた専門家の役割については「住民の教育を担う人々に正確な情報を伝える必要がある」などの声が上がった。福島医大の丹羽太貫特命教授は「住民からの信頼と共感が重要。専門家は現場の声を聞くべき」と訴えた。」

 

(田中一郎)⇒ 専門家がやるべきことは、放射線被曝の危険性=健康障害や遺伝的障害の実証的証明である。しかし、そんなことには、微塵も真摯に対応するつもりなどない。他方で、「住民への教育」=「放射線は安全である、ないしは、大した危険性はない、と住民を洗脳すること」などは、まさに「政治」の仕事であって、専門家が関わることではない。しかし、こんな話になると、決まって出てくるのが丹羽太貫という放射線ムラの学者だ。彼は、福島県の放射線被曝問題が「問題化」しないように、わざわざ福島県立医大にまで赴任して、福島県の大学教授や医師らの上に君臨している、いわば、放射線安全神話確立のための、放射線被曝の危険性の言論封じのための、漬物石のような人間であるように見える。「知らしむべからず、由らしむべし」=原子力を推進する人間達から、(放射線被曝の)本当のことが聞けるはずなどない、このことに早く気がつくべきである。

 

「会議終了後、記者会見した山下俊一福島県立医大副学長(長崎大学理事・副学長)は、「放射線の直接的な健康影響は考えにくい。一方、避難の長期化などが住民の心理面に影を落としている。放射線防護の枠を超えた包括的な支援が必要」

 

(田中一郎)⇒ また、だますつもりのようだ。「放射線の直接的影響」などという言葉はあいまいで非科学的だ。確定的影響のことなのか、また、内部被曝は含まれているのか、などなど、ものごとをごまかす時に使う言葉である。また、避難の長期化によるストレスがたまる原因は、加害者・東京電力や事故責任者・国が、被害者に対して賠償・補償・再建支援をきちんとしないからであり、また、政府が「子ども被災者支援法」の精神を踏みにじって、きちんとした政策を打ち出さないからである。また、「放射線防護の枠を超えた包括的な支援」の狙いは、そもそもの原因である「放射能汚染」「放射線被曝」から被害者住民を含む有権者・国民・市民の目をそらし、いつのまにか放射能・放射線の危険性と放射線防護の必要性を忘れてもらうための舞台装置であることに留意しておく必要がある。まずは、放射線防護をしっかりとやることが、最も重要かつ必要不可欠なことだ。

 

2.日本財団が提言 福島の放射線国際専門家会議受け(福島民報 2014.9.12

 http://www.minpo.jp/news/detail/2014091218012

 

(一部抜粋)

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日本財団は11日、福島市で開催した国際専門家会議「放射線と健康リスクを超えて」の成果を踏まえた提言を安倍晋三首相に提出した。放射線防護基準の柔軟な設定、県民健康管理調査への国の支援などを求める内容で、安倍首相は「努力したい」と応じた。

 

【安倍首相への提言要旨】

(1)放射線防護基準は地域状況や個人の生活状況に応じて柔軟に設定すべき

(2)被災者が個々の放射線状況を理解し、管理できるよう情報伝達のインフラを整備すべき

(3)帰還以外の選択肢を取る避難者の権利も確保されないといけない

(4)復興に関わる成功事例の奨励、共有などを進めないといけない

(5)保健医療・地域福祉サービス従事者を大幅に増やす取り組みを支援することは極めて重要

(6)県民健康管理調査に対する支援と評価を継続すべき

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(田中一郎コメント)

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「(1)放射線防護基準は地域状況や個人の生活状況に応じて柔軟に設定すべき」」

 ⇒ 放射能汚染や放射線被曝の状況に応じて、被ばく限度を引き上げろ、というご都合主義。人間の体の方が持たない。

 

「(2)被災者が個々の放射線状況を理解し、管理できるよう情報伝達のインフラを整備すべき」

 ⇒ 被害者が個人線量計で被曝量を計測したり、環境放射能や飲食品の放射性セシウムを測ったりしながら、自己責任で放射能汚染と共存して生きて行け、という「原子力ムラ・放射線ムラ・国際原子力マフィア」からの「命令」である。そのためには、個々人の思想的洗脳が必要だと述べている(「情報伝達のインフラ整備」とは、放射線被曝に関する言説を統制し、その危険性を訴える言論を徹底して排除・抑圧し、有権者・国民・市民や被害者住民の耳に届かないようにしろ、ということを含意している)。これからも起きるであろう原発・核燃料施設の過酷事故に対する事前準備でもある。

 

「(3)帰還以外の選択肢を取る避難者の権利も確保されないといけない」

 ⇒ 言うだけ、リップサービスだ。違うというなら態度で示せ。本音は「すべての住民は帰還せよ、帰還せぬものは非国民として切り捨てよ」ということ

 

「(4)復興に関わる成功事例の奨励、共有などを進めないといけない」

 ⇒ もちろん、帰還、除染、汚染食品販売、汚染地域への旅行受入れなど、放射能汚染・放射線被曝との共存の成功事例を大宣伝せよという意味。避難・疎開・移住で生活や仕事を再建した方々の成功事例は紹介しない。

 

「(5)保健医療・地域福祉サービス従事者を大幅に増やす取り組みを支援することは極めて重要」

 ⇒ 当面増やさなければならないのは、充実したメニューの健康管理調査体制(福島県以外を含む)と、そのための人員・予算の確保である。被ばく被害者を、あたかも精神異常者のごとく扱うための「保健医療・地域福祉サービス従事者」など、全く不要。

 

「(6)県民健康管理調査に対する支援と評価を継続すべき」

 ⇒ 今のままの「福島県民健康調査」及び「「福島県民健康調査検討委員会」ではだめだ。抜本的に改革する必要あり。

 

 要するに、この日本財団の提言は「「フクシマ・エートス」の精神を徹底普及させよ」ということである。福島第1原発事故被害者=被ばく被害者を、生活や健康や将来への懸念によって精神的に不安定になった一種の異常者であるがごとくの言論は許しがたいものがある。原子力翼賛社会=現代のネオ・ファッショ社会を類推させるに十分な、卑劣かつ唾棄すべき、被害者踏みつぶしの言論に他ならない。

 

 負けられません、勝つまでは。

 こんなものに、だまされて、殺されてたまるか。

(上記の私のコメントに反論があるのなら、違うということを態度で示せ=違うように実践せよ)

草々

 

(メール転送含む) 本日(9/13)のいろいろ情報 (1)広瀬隆さんから(9/23集会は亀戸です)、(2)リニア(録画)、(3)福島女カレンダー2015年版、(4)「人間講座」 他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

本日(9/13)のいろいろ情報です。

 

1.(広瀬隆さんより)代々木公園大集会は、亀戸中央公園に変更となりました

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全国のみなさま  広瀬隆です

 みなさまご存知の通り、怪しげなデング熱の流行のため、923日の大集会には代々木公園が使えなくなり、急遽、東京・台東区の亀戸中央公園に会場が変更になりました。そもそも、例年に発症していた「風邪と同じような、たいした症状でもないデング熱」が、今年だけ、最初から患者のウィルス特定ができることなど、医学的にあり得ないことですが、誰が仕組んだにせよ、代々木公園で強行することができなくなった事実は動かせません。

 

 というわけで、923日の集会は参加者が大幅に減ると予想され、ヘリコプターによる空撮とインターネット配信は、今回は中止としました。ヘリ空撮には費用が相当にかかりますので、みなさまからの貴重なお金を活かせるよう、大きな効果が得られる次回の大集会を待ちます。

 

 ただし、今日の状況は、川内原発再稼働の合格証という、トンデモナイ、日本の地獄の連鎖反応を予想させる事態に至っていますので、無理は申しませんが、923日の亀戸中央公園の集会に参加できる人は、ぜひともいらっしゃってください。予想以上の参加者であることを祈ります。そして927日に川内原発現地集会~928日に鹿児島市の大集会へと、つないでゆきます。私たちの敵は、天狗熱に浮かされている魑魅魍魎の安倍晋三ファシスト連合です。

 

 参考に申し上げておきます。1999年に東海村で臨界事故が起こり、現地では、排気筒から放射性ヨウ素が検出され、中性子が放出されたにもかかわらず、安全宣言が出された。そこで小渕恵三首相が現地を訪れ、野菜市場で野菜料理を食べてみせ、「何でもない」と発言した。食べてすぐ放射能の影響が出るほどなら、その土地は生物の存在しない廃墟である。しかも首相の放射能測定器は針がふれなかったが、報道陣が持参した測定器では、同じ時に同じ場所で針が大きく動いた。この総理大臣は、それからほどなく、首相在任中の翌2000514日に死去した。その娘が、今度の経済産業大臣であります。

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(以上、転送終わり)

 

(以下もメール転送です)

江東区亀戸で、さようなら原発大集会

日程:2014923

場所:亀戸中央公園(東京都江東区亀戸92728

交通:東武亀戸線「亀戸水神駅」徒歩2分、JR総武線「亀戸駅」徒歩15

主催:さようなら原発1000万人アクション

13時   開会  オープニングライブ

1330分 開演 

主催者挨拶トーク 内橋克人他

福島から、川内原発現地から、大飯原発裁判から

1430分   終了 

1445分   デモ出発

 

2.20140912 UPLAN【政府・JR東海交渉】自然環境保全とリニア建設は両立できる?

http://www.youtube.com/watch?v=2gGi3FK96SM&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

 

リニア新幹線は運用が始まると、超電導のため莫大な電力を必要とし、

それ自体が原発推進の大きな理由となってしまうことから

UPLANでは脱被ばくのための重要なテーマとして追跡しています。

 

●(常時必見)祐児三輪 - YouTube

 https://www.youtube.com/user/77209088

 

20140911 UPLAN 脱原発テントひろば3周年・再稼働阻止大行動 - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=AwBKQq8vaM8&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

 

20140911 UPLAN【記者会見~ヒューマンチェーン】脱原発テントひろば3周年・再稼働阻止大行動 - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=axyjsMvO1Ew&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

 

3.(メール転送です)福島女カレンダー2015年版 (別添PDFファイル)

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皆さまへ:

■今年もまた手持ちの写真を持ち寄り、「原発いらない福島の女たち」でカレンダーを発売することにしました。(制作協力:梨の木舎)

健康被害はますます深刻になり、除染、被曝労働、廃棄物の焼却・保管、避難の権利…の問題も糸口が見えません。このカレンダーを通して、どうぞ女たちの活動を支えてください。

(利益のほとんどは女たちの交通費にあてがわれます)

 

でき上がり次第発送(10月中旬以降)します。

3,000部限定発行。1部1,000円+送料(10部以上は1部800円送料、無料)

 

■申込先・原発いらない福島の女たち(カレンダーチーム)

          tel  070-5018-7478(黒田)

    ・梨の木舎 mail nashinoki-sha@jca.apc.org

   fax 03-3291-8090

 

4.(メール転送です)「人間講座」運営委員の方からの案内です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

人間講座第23夜は「人間・宇都宮健児 これまでとこれからの人生を語る なぜ闘う生き方を選んだのか」をテーマで開催します。

日時:201410191330分~1630

場所:全理連ビル9階(代々木駅1分)

主催:東京革新懇 人間講座運営委員会

参加費:大人1000円、学生・青年500円、障害者無料

プログラム:

オープニング ギター弾き語りSoRA

宇都宮健児さんのお話

トークセッション

 

5.Farm Sanctuary 希望の牧場〜ふくしま〜 Official BLOG

 http://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp/

 

6.東京新聞[こちら特法部」より(別添PDFファイル:東京 2014.9.10

(1)女王蜂と女活(斎藤美奈子)

 http://d.hatena.ne.jp/dempax/comment?date=20140910

 https://twitter.com/mt3678mt/status/509492229086261249/photo/1

 

(2)伊方原発所在地はかつての軍事要塞(南海日日新聞)

 http://magicmemo.cocolog-nifty.com/blog/cat54465284/index.html

草々

 

(報告)緊急集会 川内原発 審査書は不合格 火山、避難計画、汚染 どれも無視

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、一昨日の9/10(水)に、参議院議員会館・講堂にて開催されました下記緊急集会での配布資料、及び若干の関連新聞記事です。ご参考までにお送り申しあげます。当日は、原子力「寄生」委員会が開催され、川内原発再稼働へ向けて、設置変更許可申請の審査書案に「OK」サインが出されました。原子力「寄生」委員会の記者会見録画も下記にご紹介しておきます。参加者一同、怒り心頭に発する、でした。

 

 <集会案内>

●【緊急集会】川内原発・審査書は不合格!~火山・避難計画・汚染水… どれも無視!?(原子力規制を監視する市民の会)

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/09/05/緊急集会-川内原発-審査書は不合格-火山-避難計画-汚染水-どれも無視-9-10-13-参議院議員会館/

 

● 同上 グリーンピースJAPAN

 http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/910/blog/50493/

 

 <集会録画>

20140920 UPLAN【院内集会】川内原発再稼働をやめろ! - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=5aVieQj4vkY&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

 

 <9/10 原子力「寄生」委員会 録画>

原子力規制委員会 定例記者会見 (平成26910) - YouTube

http://www.youtube.com/watch?v=1jD3RjMhdf0&list=UUO6c-ejeQxxKArNHWieU2OQ

 

(参考)animo bildo kaj animacioImage and Animation/映像とアニメーションの1

 http://bunkaanime.exblog.jp/

 

 <新聞報道>

(1)(毎日新聞)■注目ニュース■ 川内原発 「新基準に適合」審査書を決定

 原子力規制委員会は10日、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)について、「新規制基準に適合している」と結論づけた審査書を決定した。東京電力福島第1原発事故を受け、安全対策が強化された新基準をクリアする初のケース。九電は今後、再稼働に向け地元自治体の同意手続きを本格化させるが、他の二つの認可手続きが遅れており、再稼働は年明け以降にずれ込む見通し。

 

▽川内原発:「新基準に適合」審査書を決定 規制委

 http://goo.gl/QuEYbc

 

(2)日本経済新聞:川内原発、冬にも再稼働 規制委が審査書を了承

 原子力規制委員会は10日、九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県)の安全対策が新規制基準を満たしているとの審査書を正式に了承した。再稼働に向けた安全審査の合格第1号となる。一般からの意見募集では火山の噴火を心配する意見などが寄せられたが、可能性は「十分小さい」などとして結論を変えなかった。地元自治体の同意を得やすくするため政府は支援を進めており、今冬にも再稼働する見通しだ。

 http://mxt.nikkei.com/?4_26774_1054017_1

 

(3)日本経済新聞:高浜・玄海原発、再稼働へ前進 地震対策を評価(有料会員限定)

 原子力規制委員会は10日、九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県)の安全審査合格を正式に決めた。九電は地元の同意を得て今冬の再稼働をめざす。川内に続き関西電力の高浜3、4号機(福井県)、九電の玄海3、4号機(佐賀県)も審査は終盤に入り、再稼働の2番手になる公算が大きい。規制委の田中俊一委員長は川内の安全審査を参考に、今後の審査が「効率的に進む」と述べた。

 http://mxt.nikkei.com/?4_26783_1062104_1

 

 <別添PDFファイル>

(1)川内原発の「形だけ審査書」に反対します他(2014.9.10


「sendai_genpatu_1.pdf」をダウンロード

(2)川内原発1号機2号機の再稼働に反対し廃炉を求める意見書(姶良市議会議長 湯之原一郎)他(2014.9.10


「sendai_genpatu_2.pdf」をダウンロード

(3)川内原発再稼働関係の新聞記事(2014.9.10

(4)川内原発 避難計画のここが問題(原子力規制を監視する市民の会 2014.8.6

http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/27/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E%E5%88%A5%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA-%E9%81%BF%E9%9B%A3%E8%A8%88%E7%94%BB%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C-%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E7%89%88-%EF%BC%98%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(以上が配布資料、下記は参考記事)

(5)原発避難 風向き考慮、鹿児島県、柔軟に計画変更(朝日 2014.9.10

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11342654.html

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

県によると、計約1千カ所に及ぶ避難先リストを、収容人数や方角、原発からの距離などの情報も含めてデータベース化。事故の際には、原発周辺の67カ所に設けたモニタリングポストで測定した放射線量や風向きから、原発の風下にならない避難先の候補を割り出す。ただ、具体的な避難ルートは示さない。

 

 県の新たな仕組みは5~30キロ圏の避難を想定したものだ。しかし、変更した避難先を住民に伝える手段など課題も多く、避難が混乱する可能性もある。

 

 県は、この仕組みを原発の10~30キロ圏の病院や福祉施設の要援護者の避難にも適用する。原発の30キロ以遠で避難者を受け入れ可能な施設をリスト化し、事故後に受け入れ先を調整する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

 こんなもの、どこまで実効性があるのでしょうか? 机上の空論、ないしは屁理屈お遊びのたぐい、にすぎないのではありませんか? それと、政府・経済産業省から鹿児島県や薩摩川内市に派遣される役人は、経済産業省で原発推進にまい進していた人間達だそうです。まさに「利益相反」行為そのものです。何をしに行くのでしょうね。前々から申し上げているように、原子力・原発の世界は、この「利益相反」行為が溢れかえっています。何度問題だと指摘されても馬耳東風で、聞く耳を持っておりません。おそらく、派遣されても、何の役にも立たないでしょう。いつもの「見せかけだけの猿芝居」なのです。

 

 <本日夕刊:川内原発周辺地域の避難計画、政府が了承>

(1)毎日新聞

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140912-00000029-mai-pol

 

(2)TBS NEWSi

 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2297319.html

 

(以下、田中一郎です)

===============

 ところで、集会では私から、次の2点を私個人の意見として申しあげました。

 

(1)原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が公表する原発規制に関する文書類に使われている言葉が非常に分かりにくく、イレギュラーなものが多い。まるで「カルト集団」のような雰囲気の言葉の使い方である。しかし、原発は、核分裂エネルギーを利用して「湯を沸かしている」だけの、20世紀型の、重厚長大型の、つまらない、低レベルの、時代遅れの古い技術であって、こんなものに、そんな「こりにこった」ような、「容易には理解できないような専門性を装う」ような、おかしな表現など、使う必要はない。

 

 また、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁のHPも、有権者・国民・市民が知っておくべき重要な公表情報が、どこにどのようにあるのかも、よくわからない、わかりにくいHPになっている。だいぶ前に私は、高速増殖炉「もんじゅ」の新規制基準がHPのどこにあるのかを聞いたことがあるが、その回答として原子力規制庁の役人から聞いた限りでは、一般の人にはとても探し出せないだろうと思った。

 

 つまり、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の公表しているものは、一般の有権者・国民・市民を強く意識して、有権者・国民・市民に対して理解を求めるためにつくられているのではなく、従ってまた、彼らに課されている説明責任を果たそうとするものでもないと言えるように思われる。そんなことでいいはずがないのである。

 

(2)原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が主催して開催している各種の検討会の傍聴に関する「決めごと」が、あまりに制限・制約が多く、その公開性に疑問が出ているという話があったが、私は更に突っ込んで、そもそも、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が、こうした(表の)検討会の裏側で、規制対象である電力業界・電力会社と、何十回・何百回となく、秘密談合・裏相談を繰り返していることが、更にそれ以上に問題であると思っている。こうした「裏会合」は、すべてVTRに撮って、必要な時にいつでも見れる状態にしておき、電力業界・電力会社と原子力「寄生」委員会・「寄生」庁との関係をオープンにする必要がある。(そして、「利益相反」的な原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の人間と業界の人間との「秘密裏」での面会・会合・会話を禁止すべきである)

 

 この日は、怒り心頭の一日でした。

草々

 

(前日分です)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前略,田中一郎です。

本日付の東京新聞[こちら特法部」記事です。

 

●東京新聞 「新安全神話」というリスク 原子力規制委員会の虚妄 特報(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014091102000173.html

 

(参考1)川内原発「新基準に適合」審査書を決定 規制委 - 毎日新聞

 http://mainichi.jp/select/news/m20140910k0000e040256000c.html

 

(参考2)原子力「寄生」委員会

 http://www.nsr.go.jp/

 

(画面の一番上の資格の中、「1」に[川内原発の設置変更を許可しました」と1うのがあります)

 

平成26年度 第23回原子力規制委員会 (平成26910) - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=X4fOtsQSvJU

 

(下記は「なんじゃらほい?」)

●9月10日放送分の報道ステーション(テレビ朝日)での報道について|新着情報|原子力規制委員会

 http://www.nsr.go.jp/news/26/09/0911.html

 

(参考3)第九回 原子力市民委員会 資料(川内原発関連)

 http://www.ccnejapan.com/20140609_CCNE_01.pdf

 

■目次

・第九回 原子力市民委員会 議事次第・・・・・・・・・・・・・・・・・1

・川内原子力発電所立地・隣接自治体との面会についての報告・・・・・・3

・「川内原発再稼動についての自主的公聴会in 薩摩仙台市」開催報告・・・9

参考:自主的公聴会in 薩摩仙台市に寄せられたご意見・・・・・・・・・10

・見解「川内原発再稼働を思い止まるべきである(第一次ドラフト)」・・・16

2014 年度の活動に関する各部会からの報告

第1部会(福島原発事故部会)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21

第2部会(核廃棄物部会)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

第3部会(原発ゼロ行程部会)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

第4部会(原子力規制部会)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

・原子力市民委員会 2014 年度の活動に関しての提案・・・・・・・・・・28

2013 年度 原子力市民委員会 活動報告および決算報告について・・・・・30

2014 年度 原子力市民委員会 活動計画および予算について・・・・・・・36

・脱原子力政策大綱 第二版(2014/6/15)への修正の明細・・・・・・・・38

草々

 

(追)

九州電力株式会社川内原子力発電所 1 号炉及び2 号炉の審査書案に対する意見募集の結果等及び発電用原子炉設置変更許可について(案)

http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h26fy/data/0023_01.pdf

 

以下のOurPlanet-TVの映像をご覧ください(そのシーンの頭出ししています)

https://www.youtube.com/watch?v=_0rIt-XvA04&feature=youtu.be&t=5m9s

------------------------

【緊急署名】 川内原発の「形だけ審査書」に反対

 http://goo.gl/jjc0fh

フォームから

 https://pro.form-mailer.jp/fms/3427922964531

Change.orgから

 http://goo.gl/BMZ8Om

紙の署名用紙はこちら

https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/sendai.pdf

 

二次締切:9 17

三次締切:9 月末日

2014年9月12日 (金)

現代の治安維持法 「特定秘密保護法」 が施行へ : グロテスクな前近代的 「秘密国家」 へ向かう日本、 「由らしむべし、知らしむべからず」

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイルは、昨日(9/11)の東京新聞朝刊に掲載されました特定秘密保護法に関する記事です。政府が、特定秘密保護法の運用基準の素案に対するパブリックコメントに寄せられた意見と、一部修正した運用基準案を公表した旨の内容です。しかし、新聞見出しにもあるように、この法律の本質は何ら変わらず、根本のところで歪みきったその基本的な構造はそのままに、安倍晋三政権の強行突破で間もなく施行されようとしています。この法律の施行は、戦後民主主義の崩壊・解体と、現代における「治安維持法」施行とほぼ同内容のことであり、日本という国が、わずか70年ばかりで「民主主義体制の国家」を放棄して「グロテスクな前近代的秘密国家」へと向かうことを意味しているのです。有権者・国民・市民の無関心、あるいは認識の甘さに付け込む現代ファシストのなせる技と言えるでしょう。

 

 <別添PDFファイル>

(1)秘密法 日程優先で推進、運用基準、抜本修正なし(東京 2014.9.11

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091102000148.html

 

 <関連サイト>

(2)東京新聞 秘密法運用案 国民意見と政府見解政治(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091102000142.html

 

(3)東京新聞 日程優先で推進 運用基準、抜本修正なし特定秘密保護法特集・連載(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/list/CK2014091102000165.html

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

● 上記(1)より

 

寄せられた意見の半数以上が法律の廃止や条文の見直しを含む内容。行政機関による違法行為は特定秘密に指定しないなど二十七カ所の修正があったが、政府の意のままに秘密指定がされる恐れは残った。(中略)

 

公募で寄せられた二万三千八百二十件の意見は、六百項目に分けて公表。過半数が法律の存廃や修正に関連する内容を含む意見で、運用基準の内容以前に法律に対する国民の不安の大きさが鮮明になった。だが、それらは意見公募の目的と形式が合わないとして「その他」の項目にされた。

 

その中では、法律の廃止のほか、国家が秘密にする情報の明確化などを求めた国際ルール「ツワネ原則」に基づく全面的な見直しを求める意見があった。市民活動や内部告発は処罰対象としないよう明記すべきだとも指摘された。

 

運用基準案については、監視機関の独立性や権限の強化、違法な秘密指定だけでなく不当な秘密指定の禁止が要望された。「その他」などの曖昧な指定基準の排除も求められたが、いずれも採用されなかった。

 

● 上記(3)より

政府は十日、国民の「知る権利」を侵す恐れがある特定秘密保護法の運用基準案に対するパブリックコメント(意見公募)で寄せられた意見とともに、一部修正した運用基準案も明らかにしたが、際限なく秘密指定されかねないという本質部分は変わらなかった。時間をかけて国民の声を検討しようとする姿勢は見えず、十二月施行という日程ありきで準備を進めている。(中略)

 

これらの修正内容は、秘密の指定基準が曖昧であるという根幹部分とは無関係で、法律の問題点はほとんど変わっていない。法律自体の廃止を求める多くの国民の声に対して、政府は「国民の『知る権利』に十分に配慮されている」などと正面から答えなかった。

 

◆海渡雄一弁護士 日本の針路誤らせる

 運用基準は一部修正されたが、国民の知る権利を侵す恐れがあるという特定秘密保護法の根本的な問題は何ら改善されていない。国民が国政について判断する際、国の施策の情報が正確に入らないと、的確な判断ができない。日本の針路を誤らせる可能性がある。

 

 日中戦争では旧日本軍が鉄道爆破事件を起こしたことが秘匿された。ベトナム戦争で、北ベトナム軍の哨戒艇が米海軍の駆逐艦に魚雷を発射したとされたトンキン湾事件も、米軍が仕組んだと後に発覚した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「釈迦に説法」となることを覚悟の上、再度、特定秘密保護法の根本的欠陥を箇条書きにしておきたい。

 

1.この法律の下では、不法行為や不適当なことも含めて、政府が握る情報のうち、政府にとって都合の悪い情報が際限なく秘密指定されてしまう危険性を止めるすべがない。「情報保全諮問会議」「保全監視委員会」「独立公文書管理監」「情報保全監察室」の、4つも設けた秘密指定ないしは法律運用の適正化をチェックする組織は、いずれも「独立した第三者性」に乏しく、加えて「権限不十分」「体制不十分(人員数・予算等)」でもあり、数十万件にも達するであろうと言われる「特定秘密」の前では、およそ期待された機能は果たしえない。

 

 それは、今回のパブコメにおいて、国民各層各位から反対ないしは懸念を表明するたくさんの意見が出されても、「情報保全諮問会議」が何らの根本的対処ができないこと一つ見ても、明らかなことである。御用人間たちを集めた、権限のない、事務局を官僚たちに握られた「諮問会議」など、何の役にもたたぬことは、これまでの経緯から見て明らかである(「情報保全諮問会議」の委員で日弁連の清水勉さん、その中途半端な態度は改めた方がいいですよ)。

 

(参考)特定秘密保護法 適正確保の仕組み(案) 説明資料 - 内閣官房

(1)http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=3&cad=rja&uact=8&ved=0CCUQFjAC&url=http%3A%2F%2Fwww.cas.go.jp%2Fjp%2Fseisaku%2Fjyouhouhozen%2Fdai1%2Fsiryou5.pdf&ei=dmkSVKKnMM-78gXFsIKoCw&usg=AFQjCNHBfuZNXMjyW1qUu06_6u53BbBcgw

 

(2)http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=4&cad=rja&uact=8&ved=0CCsQFjAD&url=http%3A%2F%2Fwww.cas.go.jp%2Fjp%2Ftokuteihimitsu%2Fikenkekka%2F3_3.pdf&ei=dmkSVKKnMM-78gXFsIKoCw&usg=AFQjCNFKFxsYYyhmXQKEvqok1V3yhIvQoQ

 

2.この法律に違反した場合の罰則(懲役刑10年+巨額罰金)が重すぎる。これでは今でも何かというと「事なかれ主義」「無責任」「たらい回し」が専業の公務員たちを萎縮させ、公開されるべき情報が益々出てきにくくなるだろう。

 

3.更に、この法律に基づいて実施される(特定秘密取扱い役人・関係者に対する)「適正評価」は、いわば支配権力・国家権力による公務員及び特定秘密関係民間人のプライバシーへの介入・侵害であり、支配権力・国家権力による公務員の恣意的「選別「差別」「分断」の手段であり、また日本国憲法が保障している思想・信条の自由など、多くの関係する基本的人権の侵害ともなりうる重大な権力による人間干渉行為である。

 

 近い将来、この「適正評価」が、支配権力・国家権力への「忠誠度TEST」となることはほぼ必至で、かつての共産圏時代の東ドイツで大問題となっていたシュタージ(秘密警察)支配下の「忠誠度競争社会」=その裏返しとしての「密告社会」に転落していくのは時間の問題であるように思われる。

 

 ここに至って、公務員たちの萎縮は決定的となり、いわゆる「総アイヒマン化現象」を引き起こすに違いない。うっとおしい、いやーな社会ができてくること必定で、今後の国の在り方の根本問題となるだろう。(この「適正評価」方式は、今後の日本社会に蔓延してきそうな、ビョーキ社会の一つの「病原体」制度となるような気がする:既にこれを先取りした人事制度を導入する会社もある)

 

4.政府情報へ(特定秘密とは知らずに)アクセスする一般の有権者・国民・市民が不当に逮捕され、また、弾圧されることになる。更に、今後予定されている共謀罪や盗聴法強化などの、他の治安維持法的法制度ともリンクされ、文字通り、反体制的人間・政府の政策や意向に反対する人間・賛成しない人間を、その「意思」「思考」「計画」段階(「行動」段階や「結果」段階ではなくて)で取り締まる「現代の治安維持法」となって行くであろうことも必定だ。

 

(ジャーナリズムは法の適用外などと言われているが、将来に渡ってのその保障はない。まず、一部の御用機関化した大手マスコミ所属以外のジャーナリスト、たとえば、フリーのジャーナリストや、権力批判志向の強い雑誌ジャーナリズムなどが、真っ先に弾圧のターゲットとなるに違いない)

 

5.特定秘密に指定された情報は、場合によっては、永遠に公開されないまま、闇から闇に葬られる可能性も高い。公開までの時間が政府の都合で自由に決められ、また、場合によっては、非公開のまま、処分してしまうことも可能である。更に、文書での保存もいい加減な規定になっている(法の対象となる文書の範囲が狭い、文書保存責任者の明確化や、文書紛失・非合法破棄の場合の罰則などが甘い等)。現状の「公文書管理無責任状態」を加速させかねない。

 

6.公益通報者保護制度が形骸化し、内部告発を萎縮させ、あるいはできなくしてしまう。また、特定秘密を扱う裁判の公開性が確保できなくなり、裁判そのものの遂行さえ危うい状態に陥る。「特定秘密」というだけで、あたかもかつての「昭和軍閥」のごとく、あらゆるものを押しのける「無法」がまかり通ることになってしまう。

 

6.最後に

そもそも、このような問題だらけの法律を制定してまで守らなければならない秘密など存在しない。既に、一定の範囲内で政府情報の秘密を守る法律は既に存在しており、また、そうした秘密保全のための法律に違反して政府情報が漏えいされた刑事犯罪事実もほとんどない状態だ(あえて申し上げれば、今回の特定秘密保護法制定に裏で大活躍した警察・警視庁の組織的な「緩み」からくる情報漏洩があったことぐらいである。たるんだ連中(警察上層部の官僚達)が、まるで自分達の組織的体たらくを隠すがごとく、今回の特定秘密保護法が創られたことも記憶しておくべきである)。

 

むしろ現在の日本にとっての課題は、政府情報の秘密保護ではなく、その逆、つまり、政府情報の公開=情報公開法の抜本改正と、隠された不法行為や不適当なことを内部告発する人たちを保護するための公益通報者保護制度の抜本拡充である。また、公文書管理を含む行政プロセスの抜本的見直しが必要であることは言うまでもない。

 

特定秘密保護法制定前の現状でおいてさえ、政府情報の多くが必要もないのに非公開とされ、有権者・国民・市民が知るべき情報を得ることができない、そもそも開示すべき文書類の管理が出鱈目で、官僚たちの恣意に従って処理されている、日本は不透明極まりない「密約」天国である、有権者・国民・市民の見えないところで不法行為や不適当なことが繰り返されているにもかかわらず、それが闇から闇へと葬り去られてしまっている、といった事態が延々と続いているのである。

 

だからこそ、今から15年くらい前より、この3つの課題(情報公開、公文書管理、公益通報者保護制度)が抜本的に改善されるべく議論が積み重ねられてきたのだが、今回の安倍晋三政権による特定秘密保護法の制定・施行は、こうした多くの人達による過去の努力を無に帰してしまうものなのである。

 

このままでは、有権者・国民・市民は、支配権力・国家権力の下僕と化し、やりたい放題の専制的秘密保護国家が出来上がってしまうことになるだろう。私の眼の黒いうちは、断じて認めるわけにはいかない。

草々

 

2014年9月10日 (水)

「賞味期限切れ」の消費者庁・消費者委員会、食品企業・産業やハイエナ名簿業者の利益はしっかり守ります

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

ここ10年以上にわたり、食品偽装表示や食の安全を脅かす深刻な事件がいくつも発生し、本来であれば、食品・農林水産品の安全や食品産業・農林水産業の適正化を図るべき役所である厚生労働省・農林水産業が、消費者(=有権者・国民・市民)をないがしろにして企業・産業界と癒着するようなことをくりかえしていたことが発覚しました。多くの消費者は、こうした事態に対して「うんざり感」と「憤り」を強く感じ、そうしたことが社会問題化する中で、消費者の安全や権利、利益を守る役所として消費者庁が創設され、消費者委員会が新たに位置づけられました。2009年夏のことです。

 

が、しかしです。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」で、早、それから約5年が経過、この、新たに創設された消費者庁・消費者委員会は、今や「第二の厚生労働省・農林水産省」となり果てております。自身の組織の名前にある「消費者」を忘れ、厚生労働省・農林水産省とともに、「守るべきは企業・産業の利益」「消費者は馬鹿だから適当に」の「見上げた哲学」で、日々、消費者にとって焦眉の改善事項を先送りし、あるいはもみ消し、たまに出てくる不祥事対応も、徹底して「企業・産業の利益」維持にまい進しているご様子です。

 

 

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 (別添PDFファイル)

(1)ノンアル飲料、トクホ許可へ、消費者庁 委員会答申覆す(毎日 2014.9.8

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014090802000120.html

 

(2)消費者委員会が「すべての事業者に流出情報の消去義務」提言(朝日 2014.9.10

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11342516.html

 

1.ノンアル飲料、トクホ許可へ、消費者庁 委員会答申覆す(毎日 2014.9.8

 消費者行政上の許認可というものは、技術的な問題のみならず、提供される商品やサービスの社会的な影響や意味も勘案され、総合的になされるものだ。しかも、曲がりなりにも消費者を代表するという人間が委員となっている消費者委員会が答申しているものを、「ひっくり返して」まで、企業・産業の新商品認可に踏み切るとは、いかなることか。これが消費者のための消費者庁がやるべきことなのか。

 

 しかし、こんな時のために、消費者委員会は、単なる「諮問機関」とされていて、意見を言ったら終わりの、どーでもええ「ガス抜き」組織でもあるということだ。本来は権限上は消費者庁の上位にあり、消費者委員会の決定や答申は最優先とされなければならないはずである。

 

(一部抜粋)

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 未成年者の飲酒を誘引する恐れがあるとして、内閣府消費者委員会が特定保健用食品(トクホ)の表示を不適切と答申したノンアルコール飲料2製品について、消費者庁は答申を覆し、表示を許可する方針を固めた。同庁関係者への取材で7日、分かった。1100品目以上が認められているトクホで、ノンアル飲料は初となる。

 

 健康増進法に基づき、健康維持などへの有効性と安全性がトクホの要件で、分析・審査の上、いずれも確認できれば表示が許可される。関係者によると、2製品ともに有効性と安全性が認められるため、消費者庁は不許可とするのは困難と判断した。ただ、消費者委の答申を踏まえ、未成年者に悪影響が出ない配慮が必要として、さらに検討を進めている。

 

 2製品はサッポロビールが「食物繊維の働きで糖の吸収を穏やかにする」、花王が「茶カテキンを豊富に含み、脂肪を消費しやすくする」との表示をそれぞれ予定。

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2.消費者委員会が「すべての事業者に流出情報の消去義務」提言(朝日 2014.9.10


 個人情報保護法では、くだらない規定が山のようにあって、社会的に必要な情報さえもが「個人情報保護」を口実に、事なかれ主義の役所が「情報出し渋り」「秘密保護優先」を繰り返している一方で、肝心の保護されるべき「個人情報」が、ハイエナ名簿業者の商売の種にされて、名簿記載本人の預かり知らぬところで転々と流通していても、何の法的な措置も対策・対応もとれない、そんな「個人情報利用し尽くし法」「個人情報保護蹂躙法」「個人情報保護口実情報非公開合理化法」になっている。

 

 先般もメールで申し上げたように、今回のベネッセ社の大規模な個人情報名簿流出事件で、このおかしな「個人情報保護」法制の矛盾が明らかになっているにもかかわらず、相も変わらぬ、この消費者委員会の態度は何だ。ポイントは次の3つ、第一に、名簿流通において、不正な流通でないことを名簿業者や名簿利用者に確認義務を課すこと(確認など。名簿発生源に直接当たれば簡単な話、やる気の問題=この朝日新聞記事を書いた記者は阿呆という他なし)、第二に、被害を受ける名簿記載本人の権利を最優先し、流通を完全にストップできる仕組みを整えること、第三に、名簿の適正性を確認せずに、個人のプライバシーを侵害する形で名簿を商売に使った業者に対して、厳しい経済罰を課すこと(名簿本人からの損害賠償請求、行政処分(巨額罰金)、刑事処分)、こんなことは、常識と良識があれば、すぐにできることだ。ふざけんなよ、消費者庁・消費者委員会。お前たちは、いったいどっちを向いて仕事してんだ!!

 

(一部抜粋)

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 ベネッセホールディングスの顧客情報流出事件を受けて新たな対策を検討してきた内閣府の第三者機関、消費者委員会は9日、不正流出した個人情報を得たすべての事業者に対し、本人や行政機関の求めに応じて情報の消去を義務づけるべきだとする意見書をまとめた。政府が進める個人情報保護法の改正作業に反映させることを目指している。

 

 現行法でも、事業者には不正取得した情報の消去などに応じる義務がある。しかし、不正に漏れたとは知らずに情報を取得していたような場合には応じなくてよい。情報は名簿業者などの間で次々に転売されるのが常で、もともと不正に流出したものかを確認するのは難しい。また、流通範囲もなかなか把握できない。

 

 消費者委には当初、名簿業者を規制するという考えもあったが、「法律上の定義は困難」と判断した。そこで、不正に漏れた情報かどうかを知らなかった事業者も含め、すべての事業者に消去の義務を課すことを求めた。行政機関には、ほかの人の情報も含めた名簿全体の利用停止や消去を一括して命令できる権限を持たせることも提案した。

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なお、現在進められている「食品表示の一元化」もまた、この消費者庁・消費者委員会のおかげで、食品産業・企業の利益や便宜の最優先で、事が進められております。食品表示で最も大事な焦眉の問題である下記の5つが棚上げにされています。

 

(1)危険な食品添加物表示の適正化(今の表示では、どんな危険物が使われているのかわからない)

 

(2)遺伝子組換え食品の表示をEU並みにすること(EUでは表示の義務付けが制度化されているのに、日本では加工食品や外食や飼料は表示されずに、遺伝子組換えであることが隠ぺいされて流通している=日本は世界で最大の遺伝子組換え食品・飼料の「人体実験場」状態にある)

 

(3)原料原産地表示=安全のためにも(中国製品や途上国製品など危なくて買えない)、食料自給率向上のためにも、また地産地消のためにも、国産品を買いたいのに、どれが国産の原材料を使ったものなのか表示がなくてわからない

 

(4)提供される商品に関する情報の「表示と開示」の使い分け(消費者の選択に必要な情報の表示・開示が全く不十分)

 

(5)飲食品、及びその周辺品(例:タバコ、食器、花木など)の放射能汚染検査の抜本的拡充と、その結果表示・開示(福島第1原発事故の収束には、まだまだ時間がかかります。その間も福島第1原発からは放射能が環境に放出されており、特に汚染水による海洋汚染は深刻な状態:海産物の検査体制などは、徹底して拡充しないと、現状のままでは危険) 

 

 そして、当面は優先順位があまり高くない「栄養表示」(しかも危険なトランス脂肪酸表示は外す)をわざと義務付けして、上記(1)~(4)が実現できないようにして(一般食品業者に対して、さして必要でもないことを負担させておけば、必要なことの負担には、猛烈な反発と反対が自然にわき起こる)、あるいは実施するにしても、ずっとずっと先になるように、消費者庁と消費者委員会が、力を合わせて、(食品企業・産業のために)頑張っています。

 

 消費者にとって大事なこと、重要なことは、この10年間で、ほとんど何一つ実現していません。それは消費者庁・消費者委員会が動き始めてからも、何ら変わっていないのです。もはや消費者庁と消費者委員会は、賞味期限が切れて、腐り始めています。みなさま、お気をつけください。腐ったものを食べると、体を壊すことになりかねません。そして、今後のためにも、この賞味期限切れの消費者委員会の委員の名前くらいは、よく覚えておくことにいたしましょう。

草々

 

(追)くれぐれも申し上げておきます:輸入食品に走るのは危ない!!

 国産の農林水産物や加工食品類が放射能汚染の可能性があるからと言って、安易に海外産食品に走ることは、私はおやめになった方がいいと思います。現在の輸入食品の検査体制を鑑みた場合、輸入食品には(ヨーロッパ方面からくるものにはチェルノブイリ原発事故由来の放射能汚染産品もあり:ベリー類や乾燥食品やキノコ類や一部の食肉など)、別の食品としての危険性が潜んでいます。

 

地震も火山も手抜き評価、過酷事故対策設計も手抜き、こんなことで原発再稼働していいのか、原子力「寄生」委員会よ(岩波書店月刊誌『科学』 より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 このほど岩波書店月刊誌『科学』(20149月号)は、焦眉の問題である原発再稼働について特集を組み、科学者や専門家から政治家まで、多彩な執筆者による原発再稼働の「無謀」について、ポイントとなる議論を掲載している。他方で、みなさまご承知の通り、マスコミ報道では、明日910日の原子力「寄生」委員会において、川内原発の再稼働へ向けた設置変更許可申請の審査書にOKが出される見込みであるという。

 

 しかし、この岩波書店月刊誌『科学』に掲載された各論文を見る限り、とてもではないが、川内原発の再稼働など危険過ぎて、考えること自体がどうかしているように思われてならない。福島第1原発事故までがそうであったように、日本の原子力ムラどもは、再びかつての出鱈目・ずさん管理とインチキ・ゴマカシ・隠ぺいと根拠レス楽観論で、大多数の有権者・国民・市民の願いを踏みにじりながら、原発再稼働とその推進に邁進しようとしている。

 

 以下、この『科学』論文のうち、代表的なもの3つを選んで、そのエッセンスをご紹介したい。みなさまには、ぜひとも原本を入手され、ご購読されることを願うばかりである。

 

 <別添PDFファイル>

(1)川内原発の審査書案は規則第5号に違反して違法だ(石橋克彦)、巨大噴火は予知できるか(高橋正樹)(『科学 2014.9』)

(2)過酷事故のナイトメア・シナリオ(佐藤暁 『科学 2014.9』)

 

1.川内原発の審査書案は規則第5号に違反して違法だ(石橋克彦神戸大学教授:地震学)

 この論文の中でも述べておられるように、歴史地震や活断層偏重の古めかしい旧「耐震設計審査指針」を、現代地震学の地震発生論に基づく「新指針」(2006年改訂)に刷新させた論客が、この小論文の著者・石橋克彦神戸大学教授である。その同氏は、この小論の中で、原子力規制委員会規則(及びその「規則の解釈」(別紙2))に、基準地震動は「過去に起きた地震だけに囚われるのではなくて,地震発生の場で将来起こりうる最大の地震を設定し,「想定外」を残さないように地震動を策定するよう求めている」にもかかわらず、その規則に違反して、下記のような手抜き・ゴマカシをしていると指摘した。

 

(以下、一部抜粋)

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「基準地震動に関しては,別記2が,「敷地ごとに震源を特定して策定する地震動」および「震源を特定せず策定する地震動」について,敷地の解放基盤表面(基盤に仮想した自由表面)において策定することを要求している。そして,「震源を特定して策定する地震動」は,内陸地殻内地震,プレート間地震および海洋プレート内地震について,敷地に大きな影響を与えると予想される地震(検討用地震)を複数選定し選定した検討用地震ごとに策定することを求めている。」

 

「ところが九州電力は,内陸地殻内地震に関しては検討用地震を選定しているが,プレート間地震および海洋プレート内地震については,それぞれの最大規模のものの発生位置が敷地から十分に離れており,敷地に大きな影響を与える地震ではないと考えられるとして,検討用地震を選定しなかった。」

 

「こうして九州電力は,施設の耐震設計に用いる基準地震動として,「震源を特定して策定する地震動」による基準地震動Ss-1(最大加速度540Gal,Galは加速度の単位)と「震源を特定せず策定する地震動」による基準地震動Ss-2(最大加速度620Gal)だけを策定した。」

 

(中略)

 

「だが,プレート間地震と海洋プレート内地震について検討用地震を選定せず,基準地震動を策定しなかったのは,手続きとして明白な過失であり,基準地震動が過小評価された恐れもある。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 石橋氏は上記のように述べ、従って「審査書案は,地震国日本にとっていちばん重要な耐震設計の根底に関して,改正原子炉等規制法にもとづく原子力規制委員会規則第5号(「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置,構造及び設備の基準に関する規則」,という法令に違反している」「本稿で指摘したことは,現行の新規制基準が定める手続きに明白に違反しているという単純な話であって,議論の余地はない。」と指摘している。

 

 基準地震動の査定プロセスにおいて、信じがたい手抜き・ゴマカシが行われていることが同氏の小論で明らかとなった。過小評価された基準地震動に対応した設備や設計しか備えていない原発は、再稼働などされることがあってはならないのは「当たり前」のことである。

 

 

2.巨大噴火は予知できるか(高橋正樹:日本大学文理学部)

 この小論文の主旨は、一般人が読んでも、そう難しくはない。簡単に箇条書きすると下記の2点となる。

 

(1)「原子力規制委員会による川内原発の安全評価では,モニタリングによる超巨大噴火の噴火予知があたかも可能であるかのような扱いがされているが,以上述べたように,モニタリングによる超巨大噴火の噴火予知はきわめて困難である。このことは、大多数の火山研究者の間での共通見解であろう。超巨大噴火の正確な噴火予知は, いかなる方法によっても、現時点では困難といわざるを得ないのである。」

 

(2)「噴火間隔や超巨大噴火後の火山活動のいずれからみても,川内原発に隣接する姶良カルデラにおける超巨大噴火あるいは大規模噴火の可能性を完全に否定することは困難ということになる。」

 

 しかし、田中俊一以下、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、上記の火山学者の支配的な見方を退けて、火山噴火は予知可能、川内原発の周辺の当面する火山噴火のリスクは無視できるほど小さい、と、何の科学的実証的根拠もないまま強弁しているのだ。そして、田中俊一をはじめ、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁には、火山学の専門家は一人もいない。ただのおっさん、おばはんが、原発を動かしたいばかりに「権力の濫用」をしているという事態となっている。

 

 火山が爆発した場合にどうなるかは、たとえば下記サイトの広瀬隆氏の説明をご覧あれ。

 

●【広瀬隆】広瀬隆・山本太郎 北海道講演資料 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/40009151.html

 

(上記の説明は、北海道・泊原発、青森・大間原発についての火山リスクの説明だが、その内容はそっくりそのまま川内原発にも言えること)

 

 

3.過酷事故のナイトメア・シナリオ(佐藤暁 『科学 2014.9』)

 佐藤暁(さとし)氏は、今ではすっかり著名人となった元GEの技術者で、現在は原子力関連ビジネスのコンサルタント業務を手掛ける。アメリカの原子力規制に詳しい。佐藤氏は、前月号の『科学』以降、何度か同誌に連載して、日本の原子力規制がアメリカと比較していかにレベルが低いか、言い換えれば、いかに規制が効果を発揮せず、危ないままの原子炉がまかり通っているかを説明していくとしている。同氏の論文については、今月号の『科学』に限らず、当分の間、注目し続ける価値があるように思われる。

 

 さて、この佐藤氏の小論文は、なかなか面白い次のような文章で始まっている。まさに、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、「ガマの油」を売る香具師のごとくであり、その大将・親分格の田中俊一こそ、筑波山ろくの「ガマ」顔負けの「厚顔・ハッタリイボのガマ」に例えて、ちっとも違和感のない、ウソつき男である。しかし、「タラ、タラ、タラ」と脂汗を流すのは、原発再稼働の場合には、「ガマ」ではなくて、我々一般の有権者・国民・市民である。いつ何時、再稼働原発・核燃料施設が、手の施しようのない過酷事故に陥ってしまうか、わからないからである。そんな危険な原発・核燃料施設が、今、全力疾走で再稼働に向かっている。

 

「「さあさあ,お立会い。御用とお急ぎでない方は,ゆっくりと聞いておいで,見ておいで」の口上で始まる「がまの油売り」。香具師は、陳列した軟膏を,かゆみ,ひび・あかぎれ、しもやけ,さらに,梅毒,痔,虫歯にさえも効く万能薬で,特に切り傷には格段の効能を発揮し,名刀の切れ味を一時的に止めてしまう効果もあると言います。そして、大勢の観衆の前で,すっぱすっぱと紙を切り,その切れ味を示した上で「がまの油」を塗って切れなくなることを実証し,次に,それを拭き取ると切れ昧が復活し,実際に自分の二の腕を切って出血させ,そこに「がまの油」を塗ると傷さえ残さず癒えるのを見せて納得させ,最後に,「今日はふだんの50%オフjと叫び,一気に売り捌きます。」

 

「日本の原子力発電所も,「がまの油」を塗ったかのように,それほど変わったことをしたわけでもないのに、たちまち「世界最高水準Jになりました。その口上を信ずる限り,最新鋭の第三世代の原子炉をも凌ぐ安全性を達成したかのようです。冷却材喪失事故、電源喪失,緊急炉心冷却系喪失,等々に効く万能薬。しかし,もしそれを携えて世界に出て行き,「さあさあ,お立会い」とやったとしたら,それは売れるようなものなのでしょうか? 福島事故後,今日までに欧米で発行された事故の原因と対策を述べているレポー卜は数多くありますが、日本から優れた対策技術の示唆を得たとは,どれにも一行も書いてはありません。」

 

 以下、アメリカの原子力規制の過去の発展段階を記載した興味深い論考など、一読に値する佐藤氏のハイレベルな文章が続きます。そうしたことは、原本を見ていただくことにして、下記では、この小論文のポイントを2つだけ記載しておきます。一言で言えば、

 

(1)「元国会事故調査委員会の委員長だった黒川博士が語った「(問題は,稀少な事象をどう推定するかではなく,むしろ稀少でもないのに見落とされている事象をどのように拾い上げるかである」に沿って、2つの過酷事故シナリオを提示する。

 

(2)それは、沸騰水型原子炉(BWR)の場合には、次の2つである。

 ●HPMEによる絡納容器破損(原子炉容器底部の配管の腐食が進み、これが地震動で破断、かつ全電源喪失とECCS機能不全の常態となった場合)

 

 ●水素爆発とジルコニウム火災によるダブル・ナイトメア(地震のよる電源喪失とRCIC系蒸気配管の破損 ⇒ 炉心溶融を経て水素爆発で使用済み核燃料プールの水が抜けてしまうようなプール破損 ⇒ 核燃料棒のジルコニウム火災:手がつけられなくなる)

 

(3)加圧水型原子炉(PWR)の場合

 ●原子炉容器内での水素爆発(格納容器内で局所的な水素高濃度部分が爆発)

 

 ●不用意な海水注入によるTI-SGTRの促進と悪化(蒸気発生器の細管破断と主蒸気逃し安全弁の開固着による放射能の環境放出)

 

(3)原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、上記のような「ナイトメア・シナリオ」に対する対策を用意して、事態進展をシミュレーションしている様子はなく、また、そうした過酷事故時での原子炉施設周辺住民の避難について、その避難計画に反映させている様子もない、ということ

 

(田中一郎結論)

 つまり、このまま川内原発を再稼働すれば、上記で佐藤氏が述べた「ナイトメア・シナリオ」が「悪夢」という「夢」ではなく「現実」となるということである。夏の夜の「怪談」にしては、恐ろしすぎる話である。

草々

 

 

2014年9月 7日 (日)

本日(9/7)のいろいろ情報 (メール転送含む) (1)青森から、(2)放射線安全神話」の政府広報批判、(3)「川内原発の避難計画に国が関与」の実態 他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

本日(9/7)のいろいろ情報 (メール転送含む)です。

 

1.遠藤順子20140803家族を放射能から守るために~国際原子力組織の動きと内部被曝 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=rgUBXFeX-_o

 

 青森県では、遠藤さんをはじめ、脱原発を志す市民の方々が、来る青森県知事選挙で「ほんものの脱原発知事」「核燃料サイクル拒否・全面廃止」を実現してくれる知事を候補者にすべく賢明に取組んでおられる旨、お聞きしています。全国の皆様の、青森県脱原発市民へのご支援をお願い申し上げます。核燃料サイクル施設が大事故を引き起こしてから、どうこうしても、もう手遅れです。時間との勝負になりつつあります。

 

 三村申吾現青森県知事は、もはや原子力・核燃利権の代理店と化し、大切な青森の郷土と自然、県民の命と健康、生活と財産、安全と安心をないがしろにする、ロクでもない地方ボス政治家に堕しています。「三村を取り換えよう」「核燃の里に代わる豊かな青森を実現しよう」の声を広げて行きましょう。

 

2.2つの報告書

(1)低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査(低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査プロジェクト班:201396日)

http://www.saflan.jp/wp-content/uploads/47617c7eef782d8bf8b74f48f6c53acb.pdf

 

(岩波月刊誌『科学』(20149)掲載論文で白石草氏(OUR PLANET TV)が紹介した調査報告書です)

 

(2)キース・ベーヴァーストック:福島原発事故に関する「UNSCEAR 2013年報告書」に対する批判的検証 - Keith BAVERSTOCK 2013 UNSCEAR Report on Fukushima a critical appraisal

 http://csrp.jp/posts/1466

 

(島薗進先生(上智大学)のご紹介です)

 

3.悪魔が来たりてホラを吹く:長瀧重信(読売新聞より)

 

●[論点]福島・住民の健康被害 震災関連死、対策急げ…長瀧重信氏 読売プレミアム http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20140827-118-OYTPT50464/list_COMMENTARY

 

(一部抜粋)

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原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR )は今春、福島第一原子力発電所事故による放射線被曝によって、周辺住民のがんや遺伝性疾患の発生率に「今後、識別可能な上昇はない」と予測する報告書を発表した。

 

小児の甲状腺がんについては、上昇するかどうかの結論を導くには至らなかったが、「福島県で旧ソ連・チェルノブイリ原発事故(1986年)のように多数の甲状腺がんが発生すると考える必要はない」と強調した。

 

放射線に対する恐怖、不安はいまだに日本社会に強く残っている。その理由は、「低線量被曝の影響はわからない。だから怖い」という言葉に集約される。 科学委員会の役割は、各国が作成する放射線防護の基準に対し、科学的根拠を提示することだ。今回の報告書は、福島原発事故後に測定された値から個人の被曝レベルを推定し、過去数十年にわたる臨床経験と疫学的研究の科学的データに基づいて将来的な影響を評価した。

 

(中略)

 

筆者はチェルノブイリ原発事故の4年後から、小児甲状腺がんの増加が確認された10年後までの間、調査に参加した。ソ連が崩壊した後で、住民は放射線に対する極度の恐怖に苛まれていた。その後、世界保健機関(WHO )は、事故後の対策の遅れから、放射線の影響ではない精神的影響のために100 万人もの住民が自立した生活が出来なくなっていることを最大の問題であると指摘した。

 

避難した住民帰還を阻んでいる大きな要因の一つは、追加被曝は年1ミリシーベルト以下という除染目標だ。科学委員会の報告書を踏まえ、この目標が適切なのかを含め、放射線影響の健康対策を冷静に考えることが必要だ。「被曝1ミリシーベルト」について、環境省が、空中の放射線量ではなく、住民一人ひとりの被曝線量を重視する方針を示したのは、冷静な考え方でうなずける。放射線による健康影響、放射線とは関係のない、すべての健康被害を少しでも減らす対策を早急に実行に移すべき時にきている。

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4.「放射線安全神話」の政府広報批判

 かような政府広報にだまされてはなりません。破綻した原発安全神話、原発低コスト神話、原発安定電力神話につづく嘘八百、それが「放射線安全神話」です。「007は二度死ぬ」でも、それはサスペンス映画の話、私たち有権者・国民・市民は「二度だまされて二度死ぬ」わけにはいかないのです。

 

(1)「いちろうちゃんのブログ」より

●(政府の「放射線安全神話」広報を批判します) 中川恵一(東大准教授)さん、「放射線についての正しい知識を」とは、あなたに向けられるべき言葉です  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-adcf.html

 

●(政府の「放射線安全神話」広報を批判します) IAEAのレティ・キース・チェムさん、IAEAは原子力を推進する国際組織であり、被ばく管理に口をはさむ資格はありません(利益相反です)  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-843c.html

 

●「放射能・放射線は心配するほどのことではない」(放射線安全神話)にだまされないために  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-7987.html

 

(関連)

●ついに 「ホット・パーティクル」 が表面化 : 茨城の「ちり」にウラン 東京理科大と気象研究所 溶融燃料が拡散  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-8621.html

 

●「福島県で急増する「死の病」の正体を追う! ~ セシウム汚染と「急性心筋梗塞」多発地帯の因果関係(第1回)

 http://tkj.jp/takarajima/contents/blog/p/898/

 

(2)各紙全面広告「8.17政府広報」に異議あり!  専門家・研究者による緊急記者会見・シンポジウムのお知らせ

(イベント情報:メール転送です)

 

 ○政府は被ばく被害を過小評価せず被ばく回避に努めよ

   ―― 2014817日付「政府広報」に対する批判

 〇期日:2014915日(月・休日)午後1:30から

 〇会場:上智大学 12 号館 203 教室

 (正門から入り、会場は北門の横です(休日なので北門は閉鎖)

 (参加費無料。会場費・資料代カンパ歓迎)

 

  岡山 博、小柴信子、沢田昭二、島薗 進、田代真人、津田敏秀、

  生井兵治、 西尾正道、松崎道幸、矢ヶ崎克馬、山田耕作

 

・賛同人:石塚 健、岩佐 茂、牛山元美、大西 広、加藤利三、小林 隆、

  小林立雄、崎山比早子、佐々木陸爾、新船海三郎、曽根のぶひと、高岡 滋、

  玉田文子、中村梧郎、満田夏花、望田幸男、梁取洋夫、吉田傑俊

 

 皆さまのご参加をお待ちしております。

 

4.(メール転送です)「川内原発の避難計画に国が関与」の実態

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東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党 脱原発・社会運動担当)です。

[転送・転載歓迎/重複失礼]

 

川内原発の「避難計画」に国が関与するとして、内閣府の原子力防災専門官1人と経産省職員5人の派遣を決めたことが報じられています。

 

原発避難計画、国が関与 川内に職員派遣 自治体任せから転換(93日、朝ここ日)

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11330314.html?ref=reca

 

政府、原発再稼働へ地ならし 避難丸投げ、批判の末(93日、朝日)

 http://t.asahi.com/fpw6

 

「原発再稼働に理解を」経産省が自治体に職員派遣(92日、NHK

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140902/t10014277161000.html

 

この件について、92日午後に経済産業省に問い合わせたところ、

 

「経産省からの5人」の内訳は、「原子力立地・核燃料サイクル産業課」から3人(佐々木雅人、重村健二、向野陽一郎)と、九州経済産業局(博多

にある経産省の出先機関)から2人とのことでした。

 

なお、この5人は内閣府と併任の形をとるそうで、その理由は、原子力防

災計画は内閣府の所掌であるため、とのこと。この「原子力立地・核燃料

サイクル産業課」はその名が示す通り、バリバリの原発推進部署です。

 

原子力立地・核燃料サイクル課 所掌事務

http://www.meti.go.jp/intro/data/akikou31_1j.html#17

 

同課の広報担当者に、「原発推進部署で避難問題を担当してもいない人間

が、なぜ『避難計画の支援』に派遣されるのか」と尋ねたところ、「発電

所ごとにある避難計画ワーキングチームに経産省も入っている」との返事

をしていました。「派遣期間はいつまでか」と問うと、「再稼働がいつに

なるかによる」と正直に(!)話していました。

 

朝日の記事には、「反原発・かごしまネット」の向原祥隆代表の「職員派

遣は国が関与したというアリバイづくりではないか」とのコメントが紹介

されています。再稼働を促進させるための派遣であることは明らかです。

 

<問い合わせ先>

経済産業省資源エネルギー庁

原子力立地・核燃料サイクル産業課 (TEL) 03-3501-1873

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5.(メール転送です) 秘密法パブコメの全容と諮問会議の公開を!申入れ・会見・院内集会へ

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東京の杉原浩司(秘密保護法を考える市民の会/緑の党 脱原発・社会運動

担当)です。[転送・転載歓迎/重複失礼]

 

「秘密保護法」廃止へ!実行委員会からの呼びかけをご紹介します。稀代

の悪法の施行に歯止めをかけるために、重要な局面を迎えています。ぜひ

ご参加、ご注目ください。お知り合いにも広めてください。

 

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<パブコメ結果を恐れる安倍政権>

 

910日、「情報保全諮問会議」強行の暴挙

9899緊急行動へ!

 

安倍政権は、910日(水)に「情報保全諮問会議」を開くことを決めま

した。当初、10月といわれていた「運用基準」等の閣議決定が9月に前倒

しされるとの報道が流れる中、情報保全諮問会議も早期に行われる可能性

があると考えていましたが、予想以上に早い開催です。

 

安倍政権が、成立した法律のパブコメに約24千にも及ぶ意見が集まり、

その大多数が秘密保護法と運用基準などに対する批判であることを強く意

識していることは間違いありません。市民の意見の詳細な公表と、情報保

全諮問会議の公開を求める声が高まる前に、情報保全諮問会議を開いてし

まい、運用基準などを決め、秘密保護法施行へと突き進もうとしているの

です。この暴挙を絶対に許してはなりません。

 

私たちは、911日、17日に予定していた内閣府申入れ行動、院内集会を

繰り上げ、98日に内閣府申入れ行動を、99日に院内集会を開きたいと

思います。ぜひご参加、ご注目ください。

 

98日(月)

パブコメをいかし、秘密保護法廃止を求める申入れ行動

1330分 首相官邸前集合 

14時~1430分 内閣府申入れ

15時 記者会見、衆議院第一議員会館第二会議室 

主催:「秘密保護法」廃止へ!実行委員会

http://www.himituho.com/

 

99日(火)

パブコメをいかし、秘密保護法の抜本的見直しを求める市民と議員の集い

12時~1330分、参議院議員会館101会議室 

主催:「秘密保護法」廃止へ!実行委員会

 

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【参考】

意見募集に対し寄せられた御意見の総数等について

829日、内閣官房 特定秘密保護法準備室)

http://www.cas.go.jp/jp/tokuteihimitsu/ikenkekka.pdf

(1) 総数 23,820

(2) 内訳

(提出先)

施行令案宛:10,998通、運用基準案宛:10,084通、組織令改正案宛:2,738

(提出方法)

e-Gov19,668通、電子メール:803通、FAX2,212通、郵送:1,137

 

【社説】秘密法を追う パブコメ終了 国会は施行を許すのか

93日、信濃毎日)

http://www.shinmai.co.jp/news/20140903/KT140902ETI090006000.php

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

草々

 

2014年9月 6日 (土)

本日(9/6)のいろいろ情報 (山本太郎さん&広瀬隆さん講演会資料他)

前略,田中一郎です。

本日(9/6)のいろいろ情報です。

 

1.山本太郎さん&広瀬隆さん講演会資料

 

●【広瀬隆】広瀬隆・山本太郎 北海道講演資料 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/40009151.html

 

<上記サイトにある下記の5つの資料は、迫力のある迫真のレジメ資料です。必見です>

 電気料金値上げ問題-1.pdf

 電気料金値上げ問題-2.1.pdf

 電気料金値上げ問題-2.2.pdf

 青森県大間原発事故で最大の被曝地は 北海道函館市.1.pdf

 青森県大間原発事故で最大の被曝地は 北海道函館市.2.pdf  

 

(参考)【広瀬隆】全国のみなさま、朗報です 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/39697382.html

 

2.(メール転送です)9月10日の原子力規制委員会

みなさま(拡散歓迎・重複ご容赦)

 

連投申し訳ありません。またまた満田です。

9月10日の原子力規制委員会の開催通知がでていました。ここで、川内原発の審査書が承認されると思われます。

 http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h26fy/20140910kaisai.html

 

10時半からです。傍聴しましょう!

この理不尽がを、原子力規制委の正体を、しっかりと目に焼き付けましょう。目力で抗議を。

傍聴受付は99日(火)12時までです。詳しくはこちらを。

http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h26fy/data/0023_00.pdf

 

本メールの末尾に申込み要領を貼りつけます。

 

なお、すでにお知らせ流していますが、同日9:30からと12時から原子力規制委のある六本木ファーストビル前で抗議行動予定しています。また、午後1時からは、参議院議員会館で抗議集会です。

 

以下関連情報

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【全国どこからでも・海外からも】

緊急署名 川内原発の「形だけ審査書」に反対

http://goo.gl/jjc0fh

締切:9月9日夜9時

※現在、1,900筆ほど集まっています! めざせ!5千筆!

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【東京近郊】

緊急集会 「川内原発・審査書は不合格!~火山・避難計画・汚染水… どれも無視!?」

910日(水)13001500@参議院議員会館 講堂

http://311.blog.jp/archives/12356464.html

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【東京近郊】

規制委前抗議

910日(水)9:3013:00@原子力規制委員会ビル(六本木ファーストビル)前

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【鹿児島】 明日

川内原発の再稼働を考える公開討論会

96日 13時半~@かごしま県民交流センター

http://311.blog.jp/archives/12361479.html

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23 回原子力規制委員会の開催について(お知らせ)

平成 26 9 10 () 10301200

原子力規制委員会 (東京都港区六本木 1 丁目 9-9 六本木ファーストビル 13 ) 会議室 A http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h26fy/data/0023_00.pdf

 

傍聴

1. 傍聴をご希望の方は、9 9 日(火)1200 までに氏名(漢字及びフリガナ)、職業(所属・役職)、連絡先(電話番号・FAX 番号・メールアドレス)、を必ず明記の上、下記申込み先まで電子メール又は FAXにて、ご登録願います。

2. 件名は、必ず「第 23 回原子力規制委員会の傍聴希望」とご記入下さい。傍聴席の数は、限られていますので、希望者多数の場合は抽選とし、登録された方には事前に登録された旨をお知らせします。登録されなかった方にもその旨をお知らせします。なお 1 団体あたり傍聴希望は 1 名までとさせていただきます。

3. 当日は、登録された旨の通知を印刷したもの及び免許証等の身分を証明できるものをご提示下さい。事前登録のない方、申込み者ご本人様以外は傍聴できませんのでご注意下さい。

4. 会議開始後にお越しいただいた方は、座席の都合上、傍聴をお断りする場合がございます。

5. 報道関係者の方は申込みの際に「報道関係者」と記載してください。カメラ撮影を希望の場合は、その旨も記載してください。また、自社腕章を着用していただくようお願いいたします。

 

傍聴申込み先

原子力規制庁 長官官房 総務課 会務担当

TEL03-5114-2114

FAX03-5114-2173

E-MAILnra-bocho@nsr.go.jp

 

--

満田夏花 MITSUTA Kanna <kanna.mitsuta@nifty.com>

携帯:090-6142-1807

FoE Japan新住所】827日より

173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9

Tel03-6909-5983 Fax03-6909-5986

 

3.毎日新聞記事

福島原発事故:1週間後にも放射性雲 東北、関東へ拡散

毎日新聞 20140905日 1500

http://mainichi.jp/select/news/20140905k0000e040237000c.html

 

4.さらば、放射能ニュース」

http://genpatuwokangaerukai.jimdo.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%B0-%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD-%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/

 

5.日本全国デモ情報 マガジン9

 http://www.magazine9.jp/demoinfo/

 

6.ホーム - 秘密保護法を廃止させる千葉の会

 http://stophimitsu-chiba.jimdo.com/

 

7.「いちろうちゃんのブログ」より:バック・ナンバー

(1)http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/2013126-f3be.html

(2)http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/20131220144-8b5.html

(3)http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/20131220144-8b5.html

(4)http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/2014620147-325e.html

(5)http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/2014820149-1a7f.html

草々

 

2014年9月 4日 (木)

脱原発脱被曝バック・ナンバー(5) (2014年8月~2014年9月)

(これまで皆さまにお配りしたレポートなどのバック・ナンバーです。私の個人ブログの「いちろうちゃんのブログ」にアップしておりますので、ご参照いただけると幸いです)

 

 

<「いちろうちゃんのブログ」>

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/

 

(バック・ナンバーは画面の右下にあります:直近もの+月別)

 

 

 

1.福島原発事故の原因もわからずに、原発を再稼働していいのか(2)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-cc7b.html

 

 

 

2.川内原発再稼働の前に、同型の原子炉(加圧水型:PWR)だったスリーマイル島原発の過酷事故の教訓を振り返れ  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-5f90.html

 

 

 

3.いい加減な原子力工学評論に惑わされてはならない:何故、福島第1原発事故の原因を当事者能力の問題に矮小化するのか  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/1-23d8.html

 

 

 

4.除染という「やるやる詐欺」(続報)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-07cc.html

 

 

 

5.原発輸出の「事業(ビジネス)」としての出鱈目三昧=利益は我らに、損害・賠償・後始末などのリスクや不利益は国へツケ回し  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-6e41.html

 

 

 

6.絵空事の福島第1原発廃炉=作業員を「古雑巾」扱いする東京電力=政府・自民党と、危険極まりない「格納容器冠水」による溶融燃料取り出し  いちろうちゃんのブログ 

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/1-0984.html

 

 

 

7.偽りの「復興」は、もういい加減にしてくれ(1):汚染森林で林業をしたら被ばくする、林産物は汚染している  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-6577.html

 

8.原発規制基準は「世界で最も厳しい水準」の虚構(石橋克彦神戸大学名誉教授 『科学 2014.8』より)  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/20148-19a3.html

 

 

 

9.原発規制基準は「世界で最も厳しい水準」の虚構(石橋克彦神戸大学名誉教授 『科学 2014.8』より)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/20148-19a3.html

 

 

 

10.原子力の出鱈目「てんこ盛り」:日本の裁判所は被害者の生命、健康、財産、権利を守る姿勢をもっとはっきりと示せ(おかしいぞ日本の裁判官)他  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-4041.html

 

 

 

11.(政府の「放射線安全神話」広報を批判します) 中川恵一(東大准教授)さん、「放射線についての正しい知識を」とは、あなたに向けられるべき言葉です  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-adcf.html

 

 

 

12.(政府の「放射線安全神話」広報を批判します) IAEAのレティ・キース・チェムさん、IAEAは原子力を推進する国際組織であり、被ばく管理に口をはさむ資格はありません(利益相反です)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-843c.html

 

 

 

13.ついに 「ホット・パーティクル」 が表面化 : 茨城の「ちり」にウラン 東京理科大と気象研究所 溶融燃料が拡散  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-8621.html

 

 

 

14.「放射能・放射線は心配するほどのことではない」(放射線安全神話)にだまされないために  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-7987.html

 

 

 

15.「大飯原子力発電所敷地内破砕帯調査の真実と虚像」(渡辺満久『科学 2014.9』)):谷本正憲石川県知事さん、あなたは、そんなことで県民を守れるのですか?   いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/20149-3f55.html

 

 

 

(その他)

 

 (輸入食品に走るのは危ない)(報告)「遺伝子組換え」を「遺伝子組換えでない」とウソをついて安全審査をしない「遺伝子組換(GM)食品添加物」に関する情報  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-3e2a.html

 

 

 

 ベネッセ個人情報漏出事件(続報 & コメント)とお知らせ  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-c30a.html

 

 

 

 国の情報はひた隠し、他方で個人情報丸裸、おまけに個人情報をハイエナ業者に開放して「営業の自由」を個人情報保護に優先(1)(ベネッセ事件から)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-6d58.html

 

 

 

 特定秘密保護法 に関するパブコメに対して意見書を提出いたしました  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-f993.html

 

 

 

 戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪性の数々(1):日本の教育と社会はどこへ行くのか(藤田英典 『世界 2014.7』より) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/20147-abb4.html

 

 

 

 戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(2) : 最高責任者は私+法の支配 私が法≒独裁 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-2748.html

 

 後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(3):年金資金で株価対策の愚=「ドアホノミクス」の尻ぬぐいはやめよ いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-7465.html

 

 

 

 戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(4):TPPの次はTiSA(新サービス貿易協定)=押し寄せる国際市場原理主義と日本の医療を取り巻く外患・内憂 いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-e700.html

 

 

 

 戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(5):メディア支配  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-f770.html

 

 

 

 戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(6):日本創成会議提案は市町村を亡ぼす (付録: 福島県南相馬発・坪倉正治先生のよくわかる放射線教室)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-13fa.html

 

草々

 

 

 

(政府の「放射線安全神話」広報を批判します) IAEAのレティ・キース・チェムさん、IAEAは原子力を推進する国際組織であり、被ばく管理に口をはさむ資格はありません(利益相反です)

前略,田中一郎です。

 

817日の全国紙5紙と福島民報・福島民友に掲載されました「放射線についての正しい知識を」という政府広報(復興庁、内閣官房、外務省、環境省)に対して、逐条的に反論・批判いたします。今回は、新聞掲載の2人の論者のうち、国際原子力機関(IAEA)保健部長のレティ・キース・チェム氏(以下、レティ氏)への批判です。

 

● 放射線についての正しい知識を・薬物対策:政府広報オンライン

 http://www.gov-online.go.jp/pr/media/paper/kijishita/624.html

 

(参考)2014817日付政府広報「放射線についての正しい知識を。」に抗議する 原子力資料情報室(CNIC

 http://www.cnic.jp/5998

 

(参考)「放射能・放射線は心配するほどのことではない」(放射線安全神話)にだまされないために  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-7987.html

1.表題「国際機関により設定された科学的な基準に基づく行動をとってほしい」

(田中一郎コメント)
 おっしゃる「国際機関」とは、具体的にはどこのことですか。まさか国際原子力機関(IAEA)のことではないでしょうね。それでは、まるで「私の言うことが科学的で正しいのだ、それに従って行動しろ」とおっしゃっているのと同じことになります。また、ひょっとして、国際放射線防護委員会(ICRP)や、その背後にいる「国連科学委員会(UNSCEAR)」のことですか? しかし、これらの国際機関は、いずれも「国際原子力マフィア」と言われていて、世界の原子力推進のために暗躍し、そのために邪魔者となる放射線被曝の危険性については、常に過小評価したり、歪曲したり、隠蔽したりしてきた長い歴史があります。そんなところのいうことを「科学的基準」だとかいって、私たちに押し付けないでほしいですね。そもそも、原子力を推進している組織が、その原子力利用に伴って引き起こされる放射線被曝の問題について、それを差配することは原理的に許されません。いわゆる「利益相反」行為そのものです(ブレーキとアクセルを同時に支配)。国際原子力機関(IAEA)は、放射線被曝問題への介入や差配を慎んでいただきたいと思います。


(参考文献)放射線被曝の歴史 アメリカ原爆開発から福島原発事故まで-中川保雄/著 本・コミック : オンライン書店e-hon
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032660915&Action_id=121&Sza_id=C0

 

2.(レティ氏)「放射性物質は様々な場所に」

 

(田中一郎コメント)

 それがどうかしましたか。自然放射能は人工放射能とは違います。人工放射能は自然放射能と違って非常に危険です。放射能(放射性物質)と放射線をごっちゃにしたような発言は感心しませんし、内部被曝の場合には、自然放射能と人工放射能では雲泥の差があることは、あなたも重々承知のことですよ。何故、それを言わないのですか。また、検査や治療に使われる放射線とそれに伴う被ばくと、原発事故による被ばくとを、まるで同じものであるかのごとく言うのはおやめ下さい。前者は、被ばくのデメリットを承知で被ばくする者が治療や検査をやむなく受け入れているのであって、原発事故のように被ばく者に何のメリットもなく一方的に押し付けられるものではありません。こんな比較をしたところで、原発事故による放射能汚染と、広範囲な住民の被ばくが合理化されたり受け入れられたりすることはないのです。素人を煙に巻くような姑息なまねはおやめ下さい。

 

3.(レティ氏)「高い線量の放射線の影響については、広島や長崎の原爆被ばく者の健康調査などにより、多くのことがわかっています。かなり高い線量でない限り、健康への影響は出ないということです。」

 

 

(田中一郎コメント)

 冗談を言ってはいけません。低線量による被ばくで健康障害や遺伝的障害が出ている事例は山のようにあります。あなた自身もそのことを知っているからこそ、この政府広報の文章の後半で「これら(国際放射線防護委員会(ICRP)が定める)限度及び基準値は現代の科学知識を考慮の上慎重を期して、その水準以下では健康への影響がまったくないと考えられる放射線量のしきい値はないという仮定に基づいて定められています。」と書いているではないですか。自分の発言が、前と後では食い違っているという、この「ご都合主義」「二枚舌」に気がつかないのですか。

 

4.(レティ氏)「低い線量の場合、ある程度細胞や組織は回復することができますが、低い線量の放射線による健康への影響を正確に評価するのは、難しい問題です。というのも、日常生活においては放射線以外に、何千もの発ガン物質にさらされているからです。例えばタバコの煙や紫外線、アスベスト、一部の化学染料、食べ物のカピの毒素、ウイルスのほか、熱さえもガンの原因となるのです。」

 

(田中一郎コメント)

 そんなことは言われなくても分かっています。だから何なんですか? ガンの原因がいろいろあるといっても、そこへ放射線被曝が加われば、ガンになる可能性は格段に高まるという見解も多くあります。どう説明しても、放射線被曝が低線量なら安全・安心だということにはならないでしょう。それに、放射線被曝による健康障害がガンだけに絞って論じられることも、ものごとの極度の矮小化です。放射線被曝は、その実態を原理的に考えれば、その危険性は明らかであり(放射線の猛烈なエネルギーで人間や生物の体を構成する分子結合をバラバラにし、従ってまた、遺伝子だけでなく、生命の秩序とでもいうべき様々な人間・生物の体の構成やメカニズムを破壊してしまう)、ガンや白血病以外の様々な健康障害や遺伝的障害をもたらすことが、既に相当前から明らかになっています。しかし、国際原子力機関(IAEA)や国際放射線防護委員会(ICRP)を含む、原子力を推進する「国際原子力マフィア」の人達が、それを見て見ぬふりをしているだけでしょう。

 

5.(レティ氏)「放射線や核技術は、医療や産業、農業、エネルギー、その他の科学技術分野において活用されており、社会にとても大きなメリットをもたらしていることも忘れてはなりません。特に医療では、X線検査やガンの治療で放射線が使われており、多くの人命が救われています。」

 

(田中一郎コメント)

 医療分野その他の科学技術分野での放射線や核技術の利用が、かつてのように「もろ手を挙げて」の賞賛を受けている事実はありません。むしろ、医療分野でも、放射線の使い過ぎが問題になったり、農業などの分野でも、食品にこうしたものを使う危険性への認識が高まっており、放射線や核技術については、抜本的な見直しの時代に入っているのです。中でも原発は、経済性が劣り、極めて危険であり、かつひとたび過酷事故を起こせば、チェルノブイリ原発事故や福島第1原発事故のように、取り返しのつかない事態となることが多くの人々に深刻に受け止められ、脱原発は時代の大きな主流になりつつあります。放射線や核技術が大切だから、あたかも、ちょっとくらいの被ばくは我慢しなさい、などということには絶対にならないということを強調しておきます。

 

 また、放射線や核技術は、容易に核兵器開発へと拡張・発展し、世界に危険極まりない「核拡散」をもたらすものであることを忘れてはならないのです。あなたがた国際原子力機関(IAEA)も、無秩序な「核拡散」を防止するための組織ではなかったのですか。ならば、何故、もっと放射線被曝の危険性や、原発などの危険性・不要性(代替手段がいくらでもある)・非経済性を世界に説いて回らないのですか。原爆と原発が表裏一体であることを、どうして広く世界に向かって訴えかけないのですか。

 

6.(レティ氏)「国際原子力機関(IAEA)の放射線防護についての国際基本安全基準は、科学界と専門家の協力による数十年に及ぶ調査に基づいて設定されました。これは世界保健機関(WHO)などの国際機関とも共同で定められたもので、放射線業務従事者や一般市民の安全を守るために全加盟国で適用されています。」


(田中一郎コメント)
 「科学界と専門家の協力による数十年に及ぶ調査に基づいて設定されました」などというのは大嘘です。「国際原子力マフィア」と言われる国際原子力機関(IAEA)、国際放射線防護委員会(ICRP)、それに「国連科学委員会(UNSCEAR)」は、まさに三位一体で、何らの経験科学的・実証的な根拠も示さないまま(あるいは様々なデータを巧みにごまかしながら)、放射線被曝防護をまさに「政治的」に「こんなものでいいだろう」と決め付け、被ばくの問題が原子力の推進の妨げとならないよう、万全の対策をしているだけのことです。だからこそ、世界で多くの被ばく者が無視され、切り捨てられ、苦しみの中にいるのです。

 たとえば、原発などの核施設で働く労働者の被ばく限度を政治的に歪曲して決めていたことが発覚し(1990年ころ)、NHKでTV放送までされていますし、国際放射線防護委員会(ICRP)が示す、1ミリシーベルトだの、20ミリシーベルトだのといった被ばく限度の数値など、何の根拠もないではないですか。あるというのなら、あなた方がよく言う「統計学的に有意な形」で、公開されてみたらいかがですか。それ以外でも、「生物学的半減期」にさえ、実証的な根拠が乏しい(個体差が激しい)、「シーベルト」という被ばく評価の概念がおかしく、内部被曝が極度に軽視されているなど、首をかしげたくなることが山積み状態です。こんな状態で「我々を信用してください」と言わんばかりの文章には、何の説得力もありません(国際放射線防護委員会(ICRP)は、発足当初、外部被曝委員会と内部被曝委員会がありましたが、しばらくして内部被曝委員会が廃止となっています。それだけを見ても、この国際放射線防護委員会(ICRP)なる一民間組織が、いかにも怪しげであることが分かるというものです)。

 それから、世界保健機関(WHO)について申し上げれば、国際原子力機関(IAEA)は、世界保健機関(WHO)を被ばく問題について「口封じ」するため、早くも1959年に「世界保健機関(WHO)が放射線被曝問題について報告や見解などを公表する際には、国際原子力機関(IAEA)の了解を得てから行うことを義務付ける」旨の「協定」が結ばれています。この結果、世界保健機関(WHO)は放射線被曝の問題に関して、突っ込んだ検討や見解の発表ができなくなり、放射線被曝を担当する役員・職員もいなくなって、事実上、世界保健機関(WHO)は放射線被曝による健康障害については「ノータッチ」の組織に堕してしまっているではないですか。よくも、かような欺瞞的な発言ができるものです。世界保健機関(WHO)と国際原子力機関(IAEA)が結んだ「口封じ協定」を破棄したらどうですか。

 

(参考)WHOとIAEA間の協定 - IndependentWHO - 原子力と健康への影響

http://independentwho.org/jp/who%E3%81%A8iaea%E3%81%A8%E3%81%AE%E5%8D%94%E5%AE%9A/


7.(レティ氏)「原子力事故が発生した地域で住み続ける人の被ばく限度は、基準値である年間20ミリシーベルトです。」

 

(田中一郎コメント)

 何を言っているのですか。原発の過酷事故が起きる前は一般人の被ばく限度は1ミリシーベルト、それが原発過酷事故が起きたら、とたんに20ミリシーベルトに20倍に跳ね上がる、そんなもの、誰が納得しますか? 人間の体が、原発事故が起きたら、急に従来よりも20倍も放射線に対して頑強になるとでも言うのですか。国際放射線防護委員会(ICRP)では、「緊急時被爆状況」だの「現存被爆状況」だなどという「もっともらしい」言葉を使って、このご都合主義の飾り付けをしていますが、そんなことで、被ばく限度の基準の緩和など、許されるはずがありません。国際放射線防護委員会(ICRP)の正体見えたり、ということではないですか。

 

 それに追記しておきたいのは、福島第1原発事故の原因は、加害者・東京電力や事故責任者・国が、いい加減な原発の安全管理をしていた結果です。大地震・大津波に襲われる危険性は、日本のような地震列島に居住している上では常識の範囲内です。それを十分な対策を打たずに、屁理屈を付けて先送りしていたが為に起きた大事故です。「現存被爆状況」などと表現すれば、あたかも避けることができない「必然的・自然的」な「被ばく環境」があるかに聞こえますが、しかし、日本の有権者・国民や福島県民をはじめとする被害者・住民にとっては、「必然」の自然災害ではなく、人為的な怠慢・無責任による人災なのです。その大事故の結果起きた放射能汚染に対して、放射線被曝の許容限度を20倍にして「現存被爆状況」と認識して我慢しなさい、はないでしょう。

 

8.(レティ氏)「皆さん不安を感じており、放射線に関する知識を求めていることを実感していますが、不確かな情報に流されず、国際機関の科学的な基準を参考にすることが大切だと思います。」

 

(田中一郎コメント)

 「不確かな情報」を含む嘘八百や被ばくの危険性を矮小化・軽視する情報を、福島第1原発事故以降、しきりに流しているのは、「国際原子力マフィア」のみなさんや、日本の原子力ムラ・放射線ムラ、及びその代理店政府・自治体です。肝心なことはひた隠しに隠し、事実をゆがめて伝え、被害者の方々にきちんとした対応もしないで、賠償・補償も含めて切り捨てようとしているのが今の実態でしょう。それでいて、今回の政府広報のような、世論操作のようなことについては熱心でいらっしゃる。嘘八百やハッタリを言いながら、他方で「正義の味方」「真の科学的見解」「被害者に寄り添う」かのごとき欺瞞的な話は、もうおやめいただきたいものです。

草々

「大飯原子力発電所敷地内破砕帯調査の真実と虚像」(渡辺満久『科学 2014.9』)):谷本正憲石川県知事さん、あなたは、そんなことで県民を守れるのですか?

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

 別添PDFファイルは、今月号の岩波書店月刊誌『科学』(20149月号)に掲載された変動地形学が専門の渡辺満久東洋大学教授の「弁明の書」である。同氏は、ご承知の通り、原子力「寄生」委員会の下で関西電力大飯原発敷地の活断層調査チームの一員だった。

 

 同チームが大飯原発の敷地の実地調査を始めた頃には、敷地にみられる断層が、いわゆる「重要施設」である緊急時に原子炉を冷却する水を取水する配管を横切っていて、それが確認されれば大飯原発は廃炉とせざるを得ないだろうとの見込みが語られていた。マスコミもその主旨を報道し、多くの有権者・国民がその調査の行方を見守った。

 

 しかし、その後、大飯原発の実地調査が右往左往し、結果的には「大飯原発には活断層は存在しない」などと報道され、まさに事態は竜頭蛇尾となって終わってしまった。これには私は、どうも納得がいかなかった。この調査チームには、渡辺満久東洋大学教授(変動地形学)も参加していて、大飯原発の危険性を調査前にはあれだけ熱心に説明していたのに、どうしたのだろうと、不思議でしょうがなかったが、今回、この渡辺満久氏の小論文を読んで、「やっぱりそうだったのか」と、得心をした次第である。

 

 以下、簡単にご紹介するとともに、若干の問題点を指摘しておく。それにしても、まるで渡辺満久東洋大学教授(変動地形学)に対するバッシングとも受け取れるような(原子力ムラからのフォローの風を背中に感じつつ)、軽率かつ無礼な発言をしていた谷本正憲石川県知事については首をかしげたくなる。100万人以上の石川県民の命と健康を預かる知事としては、あるまじき言動であると言える。これでは焦眉の北陸電力・志賀原発の問題についても、この知事はロクなことをしないだろうという気配が濃厚だ。

 

 <別添PDFファイル>

(1)大飯原子力発電所敷地内破砕帯調査の真実と虚像(渡辺満久『科学 2014.9』)

(2)旧F-6破砕帯と新F-6破砕帯(図)(「大飯原子力発電所敷地内破砕帯調査の真実と虚像」:渡辺満久『科学 2014.9』 より)

「ooigennpatu_sikitizu.pdf」をダウンロード

 

 <渡辺満久氏の「弁明」のエッセンス>

1.調査チームが検討し、それを監視する人々が意見を言う場合に、「活断層」の定義をめぐって混乱が生じた。原子力「寄生」委員会が決めた「活断層」の定義=「将来活動する可能性のある断層等」という定義に沿わないで、各自得手勝手な「活断層」の定義をして、ああだこうだ、と言い張るので、議論がかみ合わずに混乱してしまった。

 

2.大問題となった(緊急時取水管を横切っていたと言われた)「旧F-6破砕帯」が、いつのまにやら消えてなくなり、新たに「新F-6破砕帯」なるものが現れた。調査チームの検討や議論は、もっぱらこの「新F-6破砕帯」だけに集中して行われ、それが結果的には原子力「寄生」委員会が定めた「活断層」の定義にあてはまらない、ということになった。

 

3.上記で「活断層」ではないとされた理由は、原発施設南側のトレンチ調査で発見されていた破砕帯が古い火山灰で覆われていて、その活動時期が20数万年前以前であることから、「活断層」ではないとされたこと、そして、その南側の破砕帯と「新F-6破砕帯」が同時期に動いていると構造地質学者たちが言い張ったことから、「新F-6破砕帯」もまた、「活断層」ではないとされることになった。

 

4.しかし、この構造地質学者の言うことが正しいかどうかはわからない(渡辺満久氏は専門外のことなのでそれに従った)。また、それ以上に重要なことは、(別添PDFファイルの大飯原発敷地図にあるように)「新F-6破砕帯」と原発施設南側の破砕帯が「つながっている」かのように認識され、図に描かれてているが、この2つの破砕帯が、ほんとうにつながっているかどうかはわからない。つながって、いないのであれば南側破砕帯を理由にして、「新F-6破砕帯」が「活断層」ではないということはできないはずである。つまり、根拠が非常に薄い理由で、「新F-6破砕帯」が「活断層」ではない、とされてしまったということだ。

 

5.更に、最初は注目され、その後「新F-6破砕帯」が議論の中心にされた以降は、意図的に見向きもされなくなった「旧F-6破砕帯」だが、その破砕帯が原子力「寄生」委員会が定める定義の「活断層」であることは確かである。しかし、それがどこまで原発施設の地下に延長しているかが不明のまま、放置されてしまっている。関西電力は、この「旧F-6破砕帯」が話題から外れたことをいいことに、「旧F-6破砕帯」を、大飯原発敷地の北部・台場浜に小さく押しやる形で、あたかも大部分が消滅したように(存在しないという形で)敷地図を書き、事実上、大飯原発の「活断層」問題を「もみ消して」しまった。しかし、「旧F-6破砕帯」が、かように「小さく問題がない」破砕帯かどうかは、まったく不明で、検証・実証に値する調査はついぞ行われなかった。

 

6.しかし、マスごみ各社は、上記で申し上げた重要な事実を伝えることなく、関西電力や原子力「寄生」委員会の敷いた「ニセモノレール」の上で、「新F-6破砕帯」だけを大飯原発の「活断層」問題だといわんばかりに取り上げ、それが「活断層」ではないという結論になったことを、「大飯原発には活断層は存在しない」と、誤って、あるいは偽って、大々的に報道した。(まさに「馬鹿マスごみ」そのものである:田中一郎)

 

7.そのマスごみ報道に先導された原子力ムラ同調団・協奏楽団の人間たちが、渡辺満久東洋大学教授(変動地形学)にたくさんの非難を投げつけたようで、その内容のお粗末さと混乱ぶりに、同氏はやや疲れた様子である(しかし、この論文の中で、同氏はきちんと説明している)。その馬鹿者どもの中に、知事という自分の役職の重みと使命を忘れた谷本正憲石川県知事がいたということだ。この人間がまともな知事なら、私が思ったように、「大飯原発の調査結果の結論は何かおかしい」と思い、独自に調査チームを編成して、大飯原発調査の実態を調べるとか、渡辺満久東洋大学教授(変動地形学)他の大飯原発の活断層の危険性を訴えていた学者たちに直接話を聞くとか、そういう「慎重な対応」をとったに違いない。

 

 しかし、この軽率知事がやったことは、そういうことではなく、ただ渡辺満久氏に対して「志賀原発では大飯のような醜態を晒さないでほしい」という悪罵を投げつけたことだった。どっちが醜態なのかと申し上げたい。この男がやったことは、石川県民を守らねばならぬ(石川県は大飯原発の風下にあり、過酷事故が起きれば県全体が壊滅的な打撃を受ける)立場もわきまえず、原発などさっさと再稼働すればいいのだ、と言わんばかりの発言をしたということであり、それは言いかえれば、足下の志賀原発についても、きちんと考えていないということを意味している。まさにさっさとおやめいただきたい知事である。

 

8.渡辺満久氏は、論文の最後のところで次のように書いて、大飯原発の建設時に安全審査を行った人間たちを厳しく批判している。全くその通りであると思う。このことが意味していることは、今現在日本国内にある全ての原発・核燃料施設について、敷地内の活断層等の調査や津波調査を全部一からやり直せということである。再稼働など、まだまだ、全然話にならない状態だ。

 

(渡辺満久氏)「繰り返しになるが,旧F-6破砕帯は,大飯原子力発電所3号機・4号機の設置申請時に慎重に調査・審査されたはずの破砕帯である。2012年以降の調査で,旧F-6破砕帯の大部分が消滅したことが問題の本質なのである。その結果として,台場浜の「将来活動する可能性のある断層等jは評価対象からはずれ,新F-6という別の破砕帯が審査されたのである。このあたりの事情を伝えている報告書もあるが,多くのマスコミは国民に適切な情報を伝えてはいない。」こ

 

(渡辺満久氏)「大飯原子力発電所3号機・4号機の設置申請は,比較的新しいものである。最近の設置申請における調査・審査でさえ,このようにいい加減なものであったということは,他の施設でも同様のことが行われていたことを疑わせるものであり,原子力の安全審査への信頼性を大きく揺るがせるものである。破砕帯の位置・形状は,調査の出発点であるのに,それが大きく変更されてしまったら審査はお手上げである。残念ながら,マスコミ報道では,そのような問題提起がなされた例はなかったように思う。」

 

(最後に:田中一郎)

 私は渡辺満久東洋大学教授(変動地形学)にもお聞きしたいことがある。それは、今回岩波書店月刊誌『科学』論文で上記のような実態というか、真実を伝えてくださったことに感謝申し上げたいけれども、では、何故、もっと早く、渡辺満久氏が大飯原発の調査チームに所属して活動していた時に、世論を喚起していただく意味で、あるいはマスごみにきちんとした報道をさせる意味で、早い段階で、上記のようなことを教えてくださらなかったのかということである。もっと我ら原発再稼働に反対をしている有権者・市民をご信頼いただいて、渡辺満久氏には、その適切な判断を、オープンに、早い段階でお知らせしていただきたかったと思う次第である。

 

 しかし、更にものごとをもう少し考え込んでみると、ひょっとすると渡辺満久氏に対しては、大飯原発の調査メンバーになる前も、そしてなった後には従来にも増して、陰に陽に、公私にわたり、脅迫めいたおどし、すかし、抑圧、バッシング、いやがらせ、その他さまざまなことが降りかかっていたのかもしれない。それは、同氏がこの論文の中で少し触れられている調査チームへの意見などの動向からも少しは感じ取れるのである。

 

 もしそうだとしたら、我々は既に恐ろしい時代に突入をしていることになる。昭和軍閥に引きずられて「集団的自殺行為」とでも言うべき日米開戦に突入していった、あの大日本帝国のように、今日の日本は、狂気の「頂点同調主義」と「支配権力への一体化」という、「日本の古層」的悪癖に翻弄され、再びの(原子力)翼賛社会に転落していると言えるからだ。そして、その結末は、1945年8月のように、日本の破滅、に他ならないのである。

草々

 

 

2014年9月 3日 (水)

本日(9/3)のいろいろ情報:(恐れていたこと=) セシウム心筋症がいよいよ顕在化しているのか (『月刊宝島』の明石昇二郎さんの記事から) + その他

前略,田中一郎です。

 

下記の『月刊宝島』の明石昇二郎さんの記事は要注目です。

そういえば、少し前には下記のようなニュースもありました。

 

●プロゴルファー 佐々木久行さん 急死 心不全

 http://news.golfdigest.co.jp/news/jgto/article/39859/1/

 

 

(注目)おすすめ記事セレクション│月刊宝島│宝島社の雑誌

「福島県で急増する「死の病」の正体を追う! ~ セシウム汚染と「急性心筋梗塞」多発地帯の因果関係(第1回)

 http://tkj.jp/takarajima/contents/blog/p/898/

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■セシウム汚染と急性心筋梗塞に「正の相関関係」が

  急性心筋梗塞急増の原因が「被曝」そのものではなく、「被曝を避けるための努力に伴う過度な心労やストレス」であったとしても、それは紛れもなく、福島第一原発事故が招いた健康被害である。

 

  原発事故がもたらす健康被害は、なにも「被曝」によるものばかりとは限らない。それが「被曝によるものかどうか」の議論ばかりに時間を割いていると、結果的に被害者の救済が先送りにされるばかりか、被害対策自体も“後の祭り”的なものになりかねないので、注意が必要だ。もし、「被曝」が急性心筋梗塞急増の重要な要素(ファクター)だとするならば、急性心筋梗塞の多発地帯からいち早く住民を避難させることも、有効な「対策」となりうる。何が真因(あるいは主因)なのかによって、取るべき対策やそのスピード、そして東京電力が負うべき賠償責任も、全く異なってくる。

 

  被害の正体や本質を見誤らないためには、あくまで事実を最重視しつつ、ニュートラルな立場を心がけて問題にアプローチするのが肝心だ。場合によっては、「原発事故とは全く違うところに原因がある」と、逆の視点からの仮説を立てて臨むことが、結果として有効な解決策を生み出すこともありうる。

  そこで私たちはまず、「原発事故による被曝と関係がない」との仮説の下、それを否定することが可能かどうかを見極める検証作業に着手した。

 

(中略)

 

■福島県の「周辺県」でも急性心筋梗塞が「上昇」

 気になることは、これだけではない。この「上昇」傾向が福島県にとどまらず、福島の周辺県でも見られるのだ(前掲の【表3】参照)。原発事故の起きた11年に顕著な上昇が見られる県(茨城県・群馬県)や、顕著ではないにせよ上昇が見られる県(宮城県・東京区部)、そして、福島県と同様に右肩上がりで増え続けている県(山形県・栃木県・埼玉県・千葉県)もある。今後、当連載では、こうした周辺県の検証作業も同時に進めていく所存である。

 

 改めて言うまでもなく、急性心筋梗塞に罹(かか)った人のすべてが、すぐに亡くなっているわけではない。福島県立医科大学がそのホームページで公開しているデータ( https://www.fmu.ac.jp/home/int-med1/Fukushima-AMI/AMI.htm# )によれば、発症から30日以内に死亡する人は全体の10%に過ぎず、残りの90%で1カ月以上の延命、もしくは救命に成功しているのだという。

 

  言い換えれば、人口動態統計から明らかになる「健康被害」の実数は、あくまでも氷山の一角に過ぎない。福島第一原発事故で放出された放射性物質によって心臓にダメージを負わされた“被害者”は、その数倍から10倍近くにまで及んでいる恐れがある。現在、急性心筋梗塞をはじめとした心臓疾患で闘病中の福島県民の中にも、そうした“潜在的被害者”がいるかもしれない。これまで急性心筋梗塞は、原発事故と結び付けて考えられてこなかった──だけの話なのだ。

 

■みなさまへのお願い

 連載の第1回を締めくくるにあたり、私たち取材班から読者の皆さんに、協力を要請したいことがある。現在、取材班では、福島第一原発事故の発生以降に急性心筋梗塞を発症した福島県在住の方や、急性心筋梗塞で亡くなられたと思われる福島県民のご遺族への取材を進めている。急性心筋梗塞で現在、闘病中の方や、担当の医師から「死因は急性心筋梗塞である」との告知を直接聞いたご遺族、そして「急性心筋梗塞」と書かれた死亡診断書を受け取ったご遺族で、取材にご協力いただける方は、本誌編集部かルポルタージュ研究所(メール: i.n.f.o@rupoken.jp )まで情報を寄せてほしい。

  

なかでもご遺族からお聞きし、確認したいのは、次に掲げる5点の事実である。

   ①死因

   ②死亡日時

   ③享年

   ④亡くなられた方の11311日時点の健康状態

   ⑤亡くなられた方が急性心筋梗塞を発症するまでの生活状況

  

 こうした情報が集まれば、「原発事故の発生後、どんな生活を送っていた人が急性心筋梗塞を発症するリスクが高いのか」の見極めがつく可能性がある。その上、そうしたリスクの高い人を事前に把握し、救命医療に役立てることもできるだろうし、そうしたいと私たちは願っている。読者の皆さんとの共同作業で、この未曾有の危機に立ち向かっていきたい。(以下、次号) 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(以下、その他の被ばく関連情報その他をお伝えします)

 

1.「被ばくを強いられた」「避難したい」~親子86人が提訴 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1826

 

2.UPLAN 「汚染地帯で何が起きているのか〜チェルノブイリ事故から4年」を取材して ---- 科学報道から考える「チェルノブイリと福島原発事故」 より (2014年8月30日)- YouTube

(第1部)https://www.youtube.com/watch?v=-DICFCvDjaA&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

(第2部)https://www.youtube.com/watch?v=TbZm8ELwp0A&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

 

3.山本太郎(動画)

● 被曝・原発・戦争・移民・メディア・解散-山本太郎「新党ひとりひとり」党首が街宣キャラバンを開始 日仏共同テレビ局フランス10

 http://www.france10.tv/politics/3482/

 

4.(イベント情報)「戦争させない、9条壊すな、総がかり行動」

 9月4日 午後6時 日比谷野外音楽堂

 http://www.anti-war.info/wordpress/wp-content/uploads/2014/07/9.4flyer.pdf

 

5.(イベント情報)

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  シンポジウム

  「なぜ被ばくは語れないのか〜放射能とメディア」

     http://fukushimavoice.net/2014/08/1648

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放射能汚染、被ばく、健康被害―。原発事故から3年が経ち、被災地の復興が

優先される中、「風評被害」との名の下、こうした言葉はタブー視され、被害者が孤立化している。

 

原爆症、水俣病、薬害などの歴史を辿ると、被害者は常に似たような状況に追い込まれてきた。

その背景には、必ず「差別」をめぐる問題が潜む。被害者に沈黙を強いる政治的社会的な

圧力が強まる中、メディアはこの問題にどう向き合うべきかを議論する。

 

日程:922(月)19002130

会場:SpaceCafe ポレポレ坐(東京都中野区東中野4-4-1 1F

ゲスト:七沢 潔(NHK放送文化研究所・上級研究員)

    荒木田 岳(福島大学行政政策学類准教授)

    牛島 佳代(福岡大学医学部衛生・公衆衛生学教室講師/福島子ども健康プロジェクト事務局)

ファシリテーター:白石 草(OurPlanet-TV

<料金>予約:1,500円/当日:2,000

<ご予約・お問い合わせ>

TEL03-3227-1405(ポレポレタイムス社)

event@polepoletimes.jp

 

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<ゲスト>

七沢 潔(NHK放送文化研究所・上級研究員)

1981年早稲田大学卒業後、NHK入局。テレビディレクターとしてチェルノブイリ、東海村、福島などの原子力事故を長期にわたり取材、番組化してきた。主な作品にNHK特集『放射能食糧汚染~チェルノブイリ2年目の秋』(1987NHKスペシャル『シリーズ いま、原子力を問う』(1989)など。2004年、突然の異動で現職に。ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図』(515日放送)で文化庁芸術祭テレビドキュメンタリー部門大賞、ドイツ世界映像祭銀賞などを受賞。 著書に『チェルノブイリ食糧汚染』(講談社、1988)、『原発事故を問う』(岩波新書、1996)など多数。

 

荒木田 岳(福島大学行政政策学類准教授)

1969年、石川県金沢市生まれ、2000年より現職。地方制度史を専攻し、大学では「地方行政論」を担当。原発事故後は、いち早く自主的な除染活動に参加した。「脱被ばく」を掲げ、人々を放射能から守ることの重要性を訴えている。

 

牛島 佳代(福岡大学医学部衛生・公衆衛生学教室講師/福島子ども健康プロジェクト事務局)

不知火海沿岸地域に熊本大学在学中から通い始め、以来20余年、濃厚汚染地域の芦北町の漁村において聞き取りや質問紙調査を行い、「社会的な病」としての水俣病の姿を炙り出そうとしてきた。末の子どもの出産とほぼ同時期に起きた福島原発事故では、福島の親子の生活と健康状態を長期的に把握し、関わるため「福島子ども健康プロジェクト」を立ち上げている。

 

<ファシリテーター>

白石 草(OurPlanet-TV

 

<料金>

予約:1,500円/当日:2,000

*特別フリーパスをお持ちの方はイベントでもご使用いただけます。(別途予約必要)

*三回券はご使用いただけませんのでご了承ください。

 

<ご予約・お問い合わせ>

TEL03-3227-1405(ポレポレタイムス社)

event@polepoletimes.jp

 

「放射能・放射線は心配するほどのことではない」(放射線安全神話)にだまされないために

前略,田中一郎です。

 

<「放射能・放射線は心配するほどのことではない」(放射線安全神話)にだまされないために>

 

 新聞・TV・雑誌やネット上に氾濫する「放射線安全神話」言論にだまされないための基礎知識を4つばかり書いておきます。ご参考にしてください。

 

1.外部被曝と内部被曝は全くの別物です。外部被曝と内部被曝を、あの原子力ムラがでっちあげた放射線被曝評価のインチキ概念(単位)である「シーベルト」に換算して、足し合わせたりしてはいけません。そんな合計数値に何の科学的実証的根拠もありません。

 

(外部被曝と内部被曝の違い:詳細は下記URL参照)

 

●外部被曝=全身まんべんなく被ばくすることが多い、放射線の来ないところ・少ないところに隠れれば放射線被曝はある程度防げる

 

●内部被曝=人間の体の特定臓器や部位を極所的・集中的・継続的に、超至近距離から猛烈に被ばくする。放射性物質が体内に入るので避けようがない。放射性物質によっては、一生、体の外に出てこないようなものもある(プルトニウム、放射性ストロンチウムなど)

 

 イメージで言えば、外部被曝は「燃え盛るマキのそばで暖をとる」こと、内部被曝は「その燃え盛るマキを口から飲み込む」こと、内部被曝の生物学的・医学的危険性は、経験科学的に、実証的に検証されていない、定量化されていない=よくわからない、研究が妨害・抑圧され続けてきた。

 

 内部被曝は、下記の3通りの経路がある。この3つの中で、現在の福島県をはじめとする放射能汚染地帯で最も危ないと思われるのは呼吸被ばくです。

 

a.体の傷口から放射性物質が侵入してくる(これは気を付ければ、ある程度防げる)。

 

b.飲食による内部被曝(これも人間社会がきちんと検査して表示をして、汚染物を避けるようにしていれば、ある程度防げる:しかし現状では全くダメ)

 

c.呼吸被ばく(汚染地帯にいる場合には、厳重な防護マスクをすれば、ある程度は防げますが、そんなものをいつもしているわけにはいきません)

 

 

 福島県の住民の方々も、それ以外の都県の方々も、生産者・農家の方々も、森林内で林業作業をする方々も、漁師の方々も、呼吸被ばくに要注意です。

 


 <放射線被曝をどう考えるか:「いちろうちゃんのブログ」より>

 

●(増補版) 放射線被ばく評価の単位 「シーベルト」 への疑問 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-9ead.html

 

(参考)放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか?  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html

 

(参考)ICRP国内メンバーによる内部被曝論はいかなるものか いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-2747.html

 

●(セシウムの百倍の危険性) 放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-cc7b.html

 


2.恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)は非常に危険です。


  簡単にいえば、人間の体が休む暇なくずっと放射線被曝をし続けるということは非常に危険だということです。あまり説明を要しないと思います。人間の体が休む暇もなく被ばくさせられ続けると、壊れたDNAが回復できないだけでなく、さまざまな潜在的危険性が顕在化する可能性が高くなるのです。いわゆる「保養」(放射線で汚染されていない土地に行って、汚染されていない飲食物を食べ、きれいな空気を吸って、体を休めること(最低1カ月~45日くらいは「保養」しないと効果薄です)が大切だと言われるのは、そういうことだからです。

 


 「生物学的半減期」という言葉があって、よく放射能や放射線被曝を安全だと言いたい時に使われますが、これも原子力ムラのインチキが隠れているので要注意です。簡単に申し上げれば、「生物学的半減期」は個体差・個人差が大きいということと、「生物学的半減期」に実証的な根拠が乏しいということです(言い換えれば、ごくわずかな経験値から平均値をとって、まあ、こんなもんだろう、と決められているということ)。私は、「平均値」をとっていることが、人命軽視のけしからぬ話だと思っています。人間の命や健康にかかわることで、その安全規制を考えるのに「平均」をとるということは、その「平均値」以下の人々(=この場合で言えば、他の人たちよりも長い間、放射性物質を体内にとどめ置いてしまう人、その分、被ばく量が多くなる人)のことはどうでもいい、他の人よりもたくさん被ばくして体がおかしくなっても、それは「平均値以下」なんだからしかたがない、切り捨てて考える、そういう非人間的な「含意」があるということを意味します。

 


 「生物学的半減期」を、人間以外の生物を対象にして、単なる実験観察概念として使うのなら「平均値」でもいいかもしれませんが(しかし、素直に「○○~○○」とすればいいだけの話ですが)、こと人間の命と健康にかかわる規制値に関係して使う場合には、最も長いもの・人体に最もひどい影響を及ぼすケースの人、を「(規制値用)生物学的半減期」とすべきでしょう。また、有害化学物質や有害金属などの場合のように、危険物資である放射性物質に対して規制する場合は、安全バッファ(安全余裕)を設けておくべきでしょう。原子力や放射能の世界は、このような非人間的な考え方で溢れかえっています。もちろん「生物学的半減期」は、シーベルト(放射線被曝の単位)換算による人間の被ばく量評価に密接に関係します。




 いずれにしても、恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)に晒される状態下に置かれた人々にとっては「生物学的半減期」は無意味です。何故なら、一旦体内に入った放射性物質が少しずつ体外に出て行くとしても、他方で、恒常的な低線量被曝状況下で、日々不断に新たに放射性物質が体内に侵入してくるわけですから、結果的に体内には放射性物質は残留し続けます。それどころか、環境次第では、徐々に徐々に体内の放射性物質は増えて行く可能性もあります。「生物学的半減期」どころの話ではありません。少なくとも、物理学的半減期が長く、一旦体内に入ったら、特定の臓器や部位に濃縮して蓄積し続ける放射性核種については、一方的に体内で増えるばかりです。その意味では、「生物学的半減期」など、インチキ・マヤカシ、のたぐいにすぎないのです。「生物学的半減期」なるものが通用する世界は、たった一度だけ被ばくをし、その後は、放射能汚染のないきれいな環境下で生活する場合ですから、現下の福島第1原発事故後の福島県や東日本の放射能汚染地帯に適用するのはおかしな話だと思われます。「生物学的半減期」=そんなのカンケーネーなのです。

 


3.放射線被曝は難しく考える必要はありません。放射線が持つ猛烈なエネルギーで、人間の体のミクロ世界がめちゃくちゃにされてしまう、という風に原理的に考えれば簡単なことです。

 


 放射線被曝の問題を、さも深遠で高邁・難解な高度科学の問題であるかのごとき体裁が施され、我々一般市民が煙に巻かれてしまうことがありますが、そんなものは相手にしなくていいのです。放射線被曝は「原理的に考える」ことで、簡単に理解できます。

 


 私たちの体は無数の細胞からできていて、その細胞は更に、たくさんの原子や分子がつながってできています。原子や分子は「つぶつぶ物質」と思えばいいでしょう。その体を構成する「つぶ」と「つぶ」が、小さな電気的なエネルギーで、いわば手と手を取り合って繋がっている状態が「健康状態」の体です。そこへ、猛烈なエネルギーをもった放射線が飛んできて(粒子放射線=アルファ線、ベータ線、と電磁波放射線=ガンマ線、エックス線がある)、このつなぎ合っている手と手を、バサーと、切り落としてしまうのです。その放射線の威力というか、パワーというか、そのエネルギーは猛烈に大きく、人間の体を構成する分子・原子のつなぎ合うエネルギーの何万倍・何十万倍・何百万倍の大きさです。こんなものに、ぶち当たられては、人間の体はひとたまりもありません。

 


 たとえ話で言えば、硬式野球のボールが猛烈な勢いで飛んできて自分の顔面に当たる、と考えていただければいいでしょう。高速で飛んできた硬式野球のボールは人間の顔面にぶち当たって止まり、そのエネルギーが全部顔面に吸収されます。しかし、ボールを受け止めた顔面の方は、ボロボロになってしまうでしょう。放射線被曝とは、猛烈な勢いで飛んでくる硬式野球のボールのような放射線を、人間の体が受け止めているのです。

 


 被ばくでもう一つ大事なことは、放射線が痛めつけるのはDNAや遺伝子だけではない、ということ、言いかえれば、人間の体のあらゆる組織や生命秩序のようなさまざまな機能を、その猛烈なエネルギーでめちゃくちゃにしてしまうということです。よく原子力ムラ・放射線ムラがやっている、放射線被曝による遺伝子損傷とその修復論なんぞにだまされてはいけません。また、原爆病の一種で、体全体がだるくてたまらない「ぶらぶら病」という被ばく障害が時折話題になりますが、「ぶらぶら病」は、こうした放射線被曝によって、体の細胞レベルのミクロ世界の生命秩序が破壊された結果だと考えれば、理解できると思います。そして、恐ろしいことに、放射線被曝の健康障害は累積被曝量に比例すること(言い換えれば、被ばく履歴は消えないということ)、更に、この放射線被曝による健康障害に対する有効な治療法というものはない、ということも知っておく必要があります。

 


 それから、放射線被曝による遺伝的障害は深刻な問題です。しかもこれは、必ずしも目に見える形で出ないこともあります。それは、遺伝には、いわゆる優性・劣性(メンデル遺伝の法則の世界)があるからです。放射線被曝の遺伝的障害(遺伝子損傷や変異、特定のエピジェネティクス的異常など)が、目に見えない形で、子子孫孫まで続いていくことになります。「ゲノム不安定性」という、最近発見されている「エピジェネティクス的現象」も、放射線被曝の健康被害として認識されつつあります。

 

4.自然放射能と人工放射能は、その危険性が全く異なる(放射能=放射性物質と放射線を区別して考える)

 

 放射能とは、放射線を出す能力、または放射性物質のことを言います。そして、その放射線は、自然界のものであろうと、人工の放射性物質から出るものであろうと、その放射線のエネルギーこそ違え、実体としては同じものです。つまり放射線は、エネルギーが同じなら、同じ種類の放射線は同じだけ危ない。自然も人工も、その差はない、と考えていいです。

 

 しかし、放射能=放射性物質となると、自然界にあるものと、人工的にできたものとでは、全然違います。人工放射能は自然放射能に比べてはるかに危険です。何故なら、放射能=放射性物質は、その化学的性質(電気的性質)によって生物や人間の体内で挙動するからです。

 

 自然放射能の代表的なものは、カリウム40であり、またラドンなどです。これらは人間の体内に入っても、特定の臓器や部位に滞留することなく、間もなく出ていきますし、また、体内に薄く広くまんべんなく広がって分布するという特徴があるものもあります(カリウム40)。こうした自然放射能がもたらす健康上の悪影響は、ないとはいえませんが、限られたものと言えるでしょう。人間を含む地球上の生物は、こうした自然放射能のもたらす危険性と「共存」し「適応」して、これまで生き延びてきました。自然放射能に対しては、一応の生物学的対処が終わっていると言ってもいいでしょう。

 

 ところが、人工放射能については、地球上の生物は人間も含めて「未知との遭遇」です。生物はこの新物質・人工放射能に対する対応の仕方を知りません。ですから、既往の危険性のない非放射性の同位体と同じように(つまり放射性も非放射性も化学的性質は同じ)、人工放射能は生物体内で挙動し、その結果、深刻な健康被害をもたらすことになるのです。放射性ヨウ素が、一般の非放射性ヨウ素とともに甲状腺に集中的に濃縮し、甲状腺ガンをはじめ、甲状腺の様々な機能障害をもたらすのはそのためです(人間の体は、放射性ヨウ素と非放射性ヨウ素との区別ができません)。

 

 放射線にはエネルギーの大きさの違いしかありませんが、放射能(放射性物質)となると話は違います。人工放射能は危険です。人間の体内では、その人工放射能が放射線を放つのです。自然放射能は危険でなくはないですが、人間の体は長い「適応」の歴史を経て適切に対処している、ということです。

 

 最後に、危険極まりない人工放射能を安全だと人々をだますために、原子力ムラ・放射線ムラはよく自然放射能による放射線被曝をたとえ話に出しますが、ナンセンスです。それは、人工放射能に被ばくしたからといって、その分、自然放射能の被ばくが減るわけではなく、「上乗せ」被ばくとなることを考えても自明です。また、航空機内の被ばくや医療被ばくなどは、被ばく者が一定のメリットを享受するために、自身が選択して被ばくするものですが、原発事故や原水爆実験などによる被ばくは、被ばく者が選択したことでもなければ、望んだわけでもなく、害悪だけが一方的に押し付けられたものであって、そんなものと比較して、被ばく量が大きい小さいなどという議論は、無意味である以上に有害と言えるでしょう。こういうものにもだまされてはならないのです

 

(また、日本の医療被ばくは世界的に見ても最悪の状態で、学校や職場での健康診断や病院での検査をはじめ、医療分野での放射線利用のあり方について、抜本的な見直しが求められるようになってきています)

草々

 

 

 

ついに 「ホット・パーティクル」 が表面化 : 茨城の「ちり」にウラン 東京理科大と気象研究所 溶融燃料が拡散

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイル、及び下記サイトは、昨今の放射能汚染と被ばくに関するものです。以下、簡単にご紹介するとともに、「放射能・放射線は心配するほどのことではない」(放射線安全神話)にだまされないためポイントを簡単にご説明したいと思います。マスごみ各社の報道は、確かに原発・原子力や放射能汚染・被ばくに関して、おかしなものが多いのですが(特にNHKを含むテレビがひどい)、かといって、ネット上の情報が正しいという保障はありません。ネット上の情報はまさに玉石混交であり、中には無責任なものや、出鱈目八百のものもたくさんありますから、それを見る方は、相応の「リテラシー」(読解力・判断力)をもって臨まないと、マスごみ以上にだまされ、振り回されてしまうことになりかねません。

 

 ネット情報リテラシーについては1冊の本ができてしまうほどいろいろありますが、簡単にコツを申し上げれば、信頼できる「コア・サイト」をみつけて、それを必ず定期的に見るようにすること、結論が分かっている一つのテーマでいくつか検索して出鱈目を言うサイトを退けておく、霞が関官庁が言うことを(悪い)ベンチマーク(標準)にしてそれと比べる、脱原発・脱被ばくの運動をしている信頼できる人に聞いてみる、信頼できる文献が紹介するサイトを確保する、サイトや他人の言うことを100%は信じ込まない(常に、そういうこともありうる、というスタンスで、真実率○○%、くらいの評価付けをして仮置きの認識をしておく、その後、それに反対の事象が出てきたら、自分の頭でよく考えて従来の見方を検証する)、などです。

 

 特に最後の「100%は信じない」が重要で、ものごとを相対化して暫定的に認識し、100%これだ、とは決めつけない、常に「修正可能状態」に自分を置いておく、という「精神的不安定」を甘受しつつ(我慢しつつ)、考え続けること・行動することが大事です。多くの人間は、日々、そういうことを無意識に実践していますが、社会が危機的状況になると、この態度が危なくなります。デマゴーグ達の「ものごとの単純化」と「大声での断定」に引きずられ(たとえば、民族や国家や宗教(信心)などを持ち出してくるのは大抵がこの類です)、何かを・誰かをスケープゴートにしたり崇拝したり、乱暴であることが力強いと受け止めてしまったりしてしまう、そういう人間が増えてくるのです。

 

 リテラシーとは、必ずしも知識量の多さを言うものではありません。一人ひとりの人間は、その知識や力においても小さな存在であり、人間はみな「ちょぼちょぼ」なのです。その「ちょぼちょぼ」が、バランス感覚を持ち、危機だらけの現代社会をなんとか生きていくには、知識とともに知恵が必要であると言ってもいいかもしれません。

 

 <別添PDFファイル>

● 茨城の「ちり」にウラン 東京理科大と気象研究所(福島民報 2014.8.28

 http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2014082701001722

 http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014082701001722.html

 

(一部抜粋)

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東京電力福島第1原発事故直後に約170キロ離れた茨城県つくば市で採取した大気中のちりから、核燃料や原子炉圧力容器の材料のウランや鉄などを検出したとの研究結果を東京理科大と気象庁気象研究所のチームが27日までにまとめた。

 

 事故で溶けたウラン燃料が原子炉内の他の物質と混ざった状態で外部に放出されたことを裏付ける結果で、同大の中井泉教授は「事故直後の炉内や放射性物質の放出状況の解明につながる」とさらに詳しい分析を進めている。

 

 チームは、2011年3月14日夜から翌朝にかけてつくば市の気象研究所で採取された高濃度の放射性セシウムを含む粒子に着目し分析してきた。

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(下記サイトは必見です)

●【ヤバイ】茨城県で検出されたウラン、原発事故の溶融燃料だったことが判明!大気中のちりから格納容器の材料! - 真実を探すブログ

 http://saigaijyouhou.com/blog-entry-3640.html

 

(一部抜粋)

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茨城県のつくば市で検出されたウランですが、東京理科大や気象庁気象研究所などのチームが詳細分析をした結果、ウランを検出した「チリ」から原子炉格納容器の材料などが検出されました。発表によると、福島原発事故で溶けた核燃料に含まれているウランと格納容器などの機材が溶け合わさった物だと推測され、それが爆発時に170キロ先の茨城県まで飛散したとのことです。

 

これでこのチリとウランが福島原発事故由来であることがほぼ確定し、改めて福島原発事故の放射能汚染が広範囲に広がっていることを証明したと言えます。事故直後に「ウランは重いから飛ばない」とか言っていた学者が居ましたが、それも嘘だったということです。

 

放射性ヨウ素は甲状腺がんを引き起こすことで知られていますが、ウランのような高線量の物質は白血病などの重い病気を誘発することが指摘されています。また、遺伝子障害などを発生させる力も強く、イラクなどで「劣化ウラン弾」による被害報告が相次いでいるのは有名です。

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(上記サイトの動画参照:東京のベットタウン・守谷市での環境放射能測定の数値が驚くほど高い。測定している人のそばで幼い子どもの声が聞こえている。この国はいったい何をしているのだろうか:田中一郎)


(以下、田中一郎コメント)

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1.茨城の「ちり」にウラン 東京理科大と気象研究所(福島民報 2014.8.28

 こうした複数の放射性物質が混じり合って固まった「チリ」状態の浮遊物を「ホット・パーティクル」と言います。非常に危険です。

 

(1)まず、記事の次の記述にご注目ください。

「チームは、2011年3月14日夜から翌朝にかけて、つくば市の気象研究所で採取された高濃度の放射性セシウムを含む直径2マイクロメートル程度の粒子に着目」(中略)「燃料のウランや圧力容器の材料の鉄、クロムなど14種類の元素が検出され、全てが原子炉の構成物質だった」「さらに粒子は水に溶けにくいガラス状と判明。溶けた状態で大気中に放出された後、急速に冷やされて固まり、拡散したとみられる」

 

(2)私がまず真っ先に、この記事を見て感じたことは「なんで今頃、こんな発表がなされているの?」ということだ。「ホット・パーティクル」が大気中や水の中を飛びまわっている話は3.11福島第1原発事故直後から認識していたが、それがまた、何で今頃「新発見であるかのごとく」発表され、報道されているのだろうか。

 

 私の推測は2つ。その1は、発表機関性善説で、これを発表した東京理科大や気象研究所とその研究者たちは、もっと早い段階で発表したかったが、「上からの鶴の声」によりそれがかなわなかった。事が鎮まるのを待ち、「上の鶴」の目の間隙をついて、一気に発表した、というもの。その2は、発表機関性悪説で、「ホット・パーティクル」の危険性を知るがゆえに、福島第1原発事故とその放射能汚染対策で世の中が騒がしいうちは、騒ぎに火を付けることになり、原子力推進権力から睨まれることになるので、発表しなければならないことが分かっていながら、ずっと先延ばしを続けていた、というもの。

 

 さて、どっちかな? 私はいずれにせよ、発表のタイミングを操作している、という世論誘導を強く感じる。また、マスごみの、これに関する報道や記事があまりに小さすぎる。新聞なら1面トップ、TVならトップニュースで報じられ、その危険性が注意喚起されなければならないことである。

 

(3)茨城県で発見されたということは、福島県のみならず、その他の県でも「ホット・パーティクル」が飛びまわり、水中を泳ぎまわっているということだ。しかし、政府も自治体も、この「ホット・パーティクル」に対する中長期的な警戒態勢を取ろうとはしない。国民・住民を深刻な放射線被曝から守ろうという気がないということだ。申し上げるまでもないが、「ホット・パーティクル」を構成している放射性核種は、いずれも長い半減期のものばかりで、事故から3年がたっていようとも、その危険性については何ら変わるところはない。煮ようが、焼こうが、放射能は消えることはないのだから。

 

(4)ここで、「ホット・パーティクル」の特性と、その危険性について、簡単にまとめておく。

a.さまざまな放射性物質・核種が混然一体となっているということ。言ってみれば、いろいろな放射性物質・核種の「カクテル」であり「ミックス焼きそば」のようなもの=表面には「ドクロ・マーク」がついていると思えばいい。従って、現状のように放射性セシウムだけに警戒をしていればいいというものではない。私が思いつくものだけでも、ウラン、プルトニウム、放射性ヨウ素129、放射性セシウム、放射性ストロンチウム、イットリウム、放射性ジルコニウム、鉄、コバルト60、クロム、などが挙げられ、これらは、放射性セシウムのようなガンマ核種(電磁波)だけでなく、放射性ストロンチウムのようなベータ核種(電子線)や、危険極まりないウランやプルトニウムなどのα核種(ヘリウム原子核線)が、複雑にまじりあっている。各放射性核種の混合割合はいろいろ・まちまちで、放射性セシウムがわずか数%しか含まれていない場合もよくあることである。

 

b.、「ホット・パーティクル」は、飲食よりも、呼吸被ばくが懸念される。そして、呼吸被ばくの場合には、α核種が非常に危険である。量的には、ほんのわずかで、目には見えない、人間の五感ではとらえられないくらいに微量であっても、それが一旦人間の肺の中に入ってしまうとやっかいなことになる。α核種による呼吸被ばくの内部被曝は、そのアルファ線のエネルギーが巨大であるために、人間を破壊するパワーは並大抵ではなく、がん発症の確率も他の種類の放射線・放射性物質に比べて非常に高い。

 

 こういうことは既に分かっていることだから、原発施設や研究所などで、α粒子が飛び交うエリアには、かなり厳重な防護マスクをしてからでないと入れないことが法律で決められている。しかし、福島第1原発事故の後は、福島県を中心に広がる、そうした「ホット・パーティクル」汚染地帯に、何の防護機器を装着させることもなく、平気の平左で子どもたちを遊ばせ、妊婦を生活させ、避難した人々を強引に帰還させようとし、外部被曝のみならず、呼吸を通じての恒常的な低線量被曝(外部被曝・内部被曝)にさらし続けているのである。まさに狂気の沙汰であり、許しがたい「未必の故意」の殺人・傷害是認行為である。

 

 3.11福島第1原発事故後、しばらくして、あの「ただちに健康に影響はない」の民主党・「口先やるやる詐欺」の枝野幸男が福島県を訪れた際、何の装備もしていない地元の人々の前に、厳重な放射線被曝防護服を身につけて現れたことを記憶されているでしょう。しかし、その時と今とでは、放射能の汚染や放射線被曝の危険性について、大きな変化はないのです。枝野幸男が、いかに福島県民を馬鹿にしているか、この挙動を見れば明らかです。いや、枝野幸男というよりも、民主党の政治家ども、と言った方がより正確です。

 

c.「ホット・パーティクル」の大きさも重大な問題です。記事では、直径2マイクロメートルと書かれていましたが、「ホット・パーティクル」には、それよりも大きなものもあれば、小さなものもあります。より危険なのは小さなもの=つまり「マイクロ」サイズよりもさらに小さい「ナノ」サイズの「ホット・パーティクル」が、きわめて厄介で危険な代物です。詳細は申し上げませんが、ナノ物質は、マスごみどもは、その「光」の部分にだけ焦点を当てて、次世代の技術で夢開くかのごとく報道していますが、その「影」の部分=危険性については、ほとんど伝えられることはありません。

 しかし、「ナノ物質」は、かなり危険であることが分かってきています。人間が呼吸や飲食などによって体内に取り込むと、脳や生殖器や、その他様々な臓器に蓄積・濃縮する傾向がみられ、それが中長期的に深刻な健康障害をもたらすのです。イメージとしては、アスベストを想像してみてください。それと、ナノサイズのちりやほこりは、マスクをしていても効果はなく、呼吸によって人間の体内に入ってきます。防ぐには、厳重な防護マスクが必要ですが、そんなものをして生活するわけにはいきません。

 

 そんな危険性が判明してきた「ナノ物質」が、更に放射性を帯びていた=放射性ナノ物質だった、ということであれば、その危険性は倍加します。放射性物質としての危険性に加え、その化学的性質(電気的性質)や物理的形状が、人間や生物の体にさまざまな悪影響を及ぼすことになるからです。

 

●(セミナー報告)PM2.5とナノ粒子=次世代へのリスクを減らすために知っておきたいこと (& ナノサイズの放射性物質=ホットパーティクルの危険性を推測する)  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/pm25-e3f5.html

 



(5)放射能汚染地帯でのα核種の継続的調査の実施、「ホット・パーティクル」対策の真剣な検討、少なくとも子ども・若者・妊婦の放射能汚染地域からの避難・疎開・移住の国家的保障、広範囲の地域での健康管理の導入と放射線防護のガイダンスなどが急務だと思われます。児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長流に申し上げれば、「日本の国や自治体などの行政は、いったい何をしているのか!!」ということです。

草々

 

(このサイトは「「放射能・放射線は心配するほどのことではない」(放射線安全神話)にだまされないために」に続いていきます)

2014年9月 2日 (火)

(セシウムの百倍の危険性) 放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか

前略,田中一郎です。

 

少し前に書いた放射性ストロンチウムに関するレポートです。ご参考までに。

 

<コンテンツ>

 

1. 表紙「(セシウムの百倍の危険性)放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか」「sutorontiumu_hyoshi.pdf」をダウンロード

2. 放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか(放射性セシウムの数百倍の危険性を警戒しよう)

「why_sutorontiumu.pdf」をダウンロード

3. 放射性ストロンチウムとはどういう物質か

「what_is_sutorontiumu.pdf」をダウンロード

4. 食べもの・飲み物の放射性ストロンチウムをきちんと検査せよ

「sutorontiumu_tabemonoosen.pdf」をダウンロード

5. 文部科学省による放射性ストロンチウム及びその他ガンマ核種の汚染状況調査について=異議あり

「sutorontiumu_monbukagakusyou.pdf」をダウンロード

6. 放射性ストロンチウムの検出検査方法

「sutorontiumu_kensahou.pdf」をダウンロード

草々

 

食べものの放射能汚染:食べてもらえぬ米の山(読売 2014 8 27 より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、昨今、読売新聞が特集してシリーズで報道する「原発と福島 風評の現実」の「その2」=「食べてもらえぬ米の山(読売 2014 8 27)」です。福島県産の米などの農林水産品が消費者に避けられてしまって売れない事態を「風評被害」などと報じていることがそもそもの間違いですが、以下、簡単にコメントいたします。

 

 <別添PDFファイル>

● 原発と福島 風評の現実(2) 食べてもらえぬ米の山(読売 2014 8 27

 http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/list_%2523IMPTNT

 

(一部抜粋)

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「天井まで10メートルはある農協の冷蔵倉庫に、60キロ入りの米袋が高々と積まれていた。「こんなに売れ残っているのか」。福島県相馬市の農家・・・は、米袋の壁の前でうめいた。」(中略)「すべての米が放射性物質の検査をパスしている。それでも食べてもらえない。「風評」がもたらした厳しい現実が、・・・の目の前にあった。」

 

「震災後の相馬市内の米の作付面積は、津波被害に加え、原発事故で多くの農家が避難したこともあり、大幅に減少した。12年に地元農協「JAそうま」が農家から販売を委託された米の量は約5400トン。事故前の4分の1を下回った。」

 

「農家に事故のしわ寄せが行かないように、JAが価格の下落による損失分を肩代わりし、まとめて東京電力に賠償請求していた。」

 

「収種した米を近所に配りにいくと、「私はいいんだけど、小さい孫には食べさせたくない」と受け取ってもらえなかった。知り合いの農家も孫のために他県産の米を買っていると知った。」

 

「「精魂込めて米を作っても、食べてもらえない」。大きな矛盾を抱えたまま、・・・は農作業を続ける。」(中略)「隣に座っていたJA幹部に、自分たちの米がどこへ行くのか尋ねた。「飼料用や加工用に使われるんだ」。幹部は諦め顔でそう答えた」

 

「「米穀安定供給確保支援機構」(東京都)は4月、米価維持を目的に、供給過剰だった13年産の主食用米35万トンを市場から買い取ることを決めた。販売が難しい産地の米を買い取り、家畜の餌や加工品原料として売却する。そのうち福島県産は全国最多の5万3000トン。JAそうまからは、13年産の85%にあたる5600トンが買い取られた。」

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(田中一郎コメント)

(1)米は福島県産であれば全袋検査である(それ以外の放射能汚染県の米はそうではない:危ない!!)。放射性セシウムについては、一応悉皆的なチェックは入っている。検査の仕方や検査機器類に問題がなければ、放射性セシウムについては問題がなさそうに見えるが、そうではない。単に、安全基準としては根拠の乏しい厚生労働省の飲食品にかかる残留放射性セシウム規制値=100ベクレル/kgを下回っていると言うだけのことで、それが実際、いかほどの汚染状況なのか、ベクレル表示はなされないからわからない。しかし、同じ100ベクレル/kg以下だと言っても、99ベクレル/kgと1ベクレル/kgでは、雲泥の差がある。米は主食であり、日々たくさん食べるもの。もっと厳しい規制値や厳しい表示義務が課されて当然である。また、検査の仕方や検査機器類の適正性については、適宜、利益相反のない組織によって、定期的に抜き打ちで点検されるべきである。

 

 それから、さらに重大な問題は、放射性セシウム以外の危険な放射性核種=たとえば放射性ストロンチウムなどが検査されていないということである。何故、検査しないのか。チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国では、放射性ストロンチウム検査はなされているではないか。要はやる気の問題だ。検査しなければ、安全であるなどとはとても言えない。放射性ストロンチウムは物理的半減期が長い他(約30年)、体内に入ると骨や歯などの特定部署に集中的に蓄積・滞留して対外には出てこないし、昨今では、体内のさまざまな重要な機能を担っているカルシウムとも入れ替わる可能性があることもわかってきて、放射性セシウムに比べてはるかに危険である(放射性ストロンチウムの有害性がいかほどのものなのかは、詳細・正確にはわかっていない)。

 

 放射性ストロンチウムなどのベータ核種やウラン、プルトニウムなどのα核種について、どのように検査・調査するのが効率的で有効かについて、真剣に議論された様子は、2011年3月11日以降、まったくと言っていいほどうかがえない。放射性セシウムの1/10の量で見ておけばいい、などと勝手に決め付けている。こうした非科学的な、危険を甘く見る態度の後には、必ずと言っていいほど大きな危険性が顕在化してくるものだ。従って、一般の消費者・国民が福島県産のみならず、広く東日本の放射能汚染地域産の農林水産品やその加工品を避けているのは、しごく当然の適切な消費選択である。風評被害などでは全くない。

 

 ちなみに、米以外の農林水産品については、そのほとんどがノーチェックである。流通する量のわずか0.1%でさえも、検査されておらず、検査されているのは、サンプル抽出の仕方や、検査の仕方に疑義がある形で、ほんの僅かばかりが、放射性セシウムだけに限って検査されているにすぎない。加工食品は業者に丸投げ、流通している品物を無作為抽出で抜き打ち検査することも、東京などの大都市を除いて、ほぼ皆無である。こんな状態で、どうして福島県を含む放射能汚染地帯の農林水産品や加工食品・外食などが安全だと言えるのか。無理・無茶を承知で、安全、安全と、パフォーマンスするため、3年前の福島第1原発事故以降、ほんとうに無残にもバカバカしい「安全安心キャンペーン」が繰り返されている。ロクすっぽ、検査も調査もしないでである。そのようなことをしているヒマと金があったら、食品の検査体制・検査機器類・検査要員や態勢を拡充させ、根拠のある「安全性立証」をお見せいただきたいものである。

 

(2)農地の放射線汚染地図が、いつまでたってもきちんと作成されない。放射性セシウムについてでさえ、そうなのだから、他の放射性核種については、汚染状況が全く分からない中で、農林業が再開されている。また、米についても他の作物についても、放射能検査の結果と農地の汚染状況調査=汚染マップ作製とがリンクしていない。通常の常識は、検査でひっかかった作物の産生場所を調べ、その周辺も含めて綿密に農地の汚染状況を調べ、汚染が発見されたら除染を行う、という形で、繰り返し試行錯誤で農地がきれいにされていくものだ。しかし、今現在、そのようなことをしている生産者・農家はいないだろうし、放射能検査結果の具体的なデータなどが、きちんと生産現場に還元されていない可能性もある。要するに、農産物検査と農地検査、及び除染はリンクしていない。

 

 農地は一般的に森林や林など、樹木に囲まれている場合が多いが、福島県他の放射能汚染地帯では、その森林や林も放射能で汚染されていて、日々、放射性物質を周辺環境に拡散していることが多い。また、福島第1原発からは、毎時間ごとに1000万ベクレル超の放射性物質が放出されているため、農地の汚染状況を一度調べるだけでは、まったくの片手落ちである。毎年、定期的な農地の汚染状況調査が必要であり(α核種、ベータ核種、ガンマ核種のそれぞれ別々に)、汚染マップは塗り替えられる。更に、農業用水の汚染も懸念されるものの一つである。特に、ため池や湖沼の水が利用される場合には要注意ということになるだろう。(報道によれば、政府・環境省は、放射能で汚染された池や湖沼の底の除染を(費用を惜しんで)拒否しているという。信じがたい話である)

 

 そもそも何故に、上記のようなことをしてまで、農業が続けられているのだろうか。農林水産省は、2011年の事故直後の2011年5月に、早くも作付可能な田んぼの汚染限度は 5000ベクレル/kg以下だとして発表した。その根拠は、厚生労働省が決めた米などの一般食品の暫定規制値が500ベクレル/kgで、米=稲の「移行係数」が最大でも0,1(10%)だというところから、5000ベクレル/kgとなった(5000ベクレル(農地)×0.1=500ベクレル(稲):なお、「移行係数」とは、土壌汚染の何%くらいが作物に移行するか、その割合のこと)。5000ベクレル/kg以下の汚染された田んぼであれば、米の「移行係数」から考えて、500ベクレル/kgの厚生労働省の規制値を超える米はできないだろうという見通しに基づいている。なお、その他の作物については、麦も大豆も、野菜も果実も、一切の作物について、汚染農地の作付制限を決めなかった。これも信じがたい。

 

 実に乱暴な方法である。そもそも5000ベクレル/kgというのは、土1kgあたり5000ベクレルという意味だから、これを面積基準に換算すると×60で、なんと300,000ベクレル/m2にもなる。こんな放射能汚染農地で稲作をやれというのだろうか。しかも、米以外の小麦や大豆やその他作物については「制限なし」だというから驚きである。全くの出鱈目と言っていい。また、この5000ベクレル/kgの米の作付制限については「落ち」があって、その後、厚生労働省は飲食の放射能残留規制値を1/5の100ベクレル/kgにしたので、本来なら、米の作付制限規制値も1/5にしなければおかしいところだが、農林水産省は未だに5000ベクレル/kgのままで放置している。つまり農林水産省は、そもそも、汚染地域での農業を規制する気もなければ、放射能で汚染された農林水産品や食品を供給しないようにする意思も気力も責任感もないことがはっきりしたということである。要するに、消費者・国民をだまして売り飛ばしてしまえばいい、ということだ、そうすれば、対策費用も不要となる。

 

(3)生産者・農家とその家族が、農作業によって、あるいは汚染地帯での居住によって被ばくしてしまうことについての注意喚起も、被ばく防護策も、その危険性についても、事後的な被ばく検査体制についても、何の手当ても言及もない。つまり、福島県民をはじめ、放射能汚染地域の生産者・農家は、消費者・国民に厚生労働省の規制値以下の汚染農林水産品・食品を出荷すればそれでいいのであって、それによって被ばくをしようが健康を害しようが、そんなことは政府も農林水産省も自治体も、知ったことではない=自己責任でやれ、ということに他ならない。全く許しがたい、ふざけた話である。

 

 そして、ことは放射性セシウムだけの話ではないことを付記しておきたい。放射能汚染地帯での農作業で最も危険なことは、私は外部被曝ではなく、呼吸による内部被曝だと考えている。そして、この呼吸被ばくの場合には、ガンマ核種=放射性セシウム等以外にも、ウラン・プルトニウムなどのα核種や、さまざまなベータ核種にも万全の注意をしなければならない。そうしたことが全く告知されないままに、福島県や放射能汚染地域の農林水産業の「復興」だけが叫ばれるという状態になってしまっている。

 

(4)昨年2013年秋に収穫された南相馬市の米から、規制値を上回る放射性セシウムが検出された。いろいろ調べているうちに、その原因が、同年8月中旬に行われた福島第1原発3号機での汚染がれきの撤去作業に伴う放射性物質の周辺環境への拡散であることが分かってきた。しかも、約20km離れた南相馬市だけでなく、50km以上離れた福島市やその周辺でも、空間線量が上昇するなど、福島第1原発からの放射性物質拡散の影響が出ている。福島第1原発各号機の汚染がれきの撤去や除染作業は、今後も適宜実施されていくものと思われるので、通常ベースの毎時1000万ベクレルに加えて、桁違いの放射性物質があたり一帯の周辺環境に今後もばら撒かれること必定である。

 

 許しがたいことに東京電力は、1号機から猛烈な放射性物質が出ていることを知っていながら、外部から指摘されるまで、そしらぬ顔をしていた。福島第1原発での作業を優先するためである。報道によれば、このがれき撤去作業で環境放出された放射性物質は2800ベクレル/時間、合計で1兆1千億ベクレルである。こんなところで農林水産業が行われていいはずがない。

 

● 農林水産省-福島県南相馬市の25年産米の基準値超過の発生要因調査について

 http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/fukusima/index.html

 

25年産米の放射性セシウム:南相馬市旧太田村の基準値超えの真の理由は? 3.11東日本大震災後の日本

 http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-778.html

 

● がれき撤去で米汚染の可能性 JA関係者が東京電力に抗議文(福島14-08-05) - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=BjBsMvSBd4g

 

(5)読売新聞の記事によれば、生産された米を集荷する農協は、引き取りの価格を原発事故前よりも落とさないようにして、(値下がりしてしまった)福島県産米の時価との差額を一時的に負担して(???)、東京電力にその分を賠償金として請求しているという(しかし、農協の米の「共同販売」の場合には、農協は差額負担をするのではなく、低めの金額の仮渡し金を生産者・農家にいったん支払い、東京電力からの賠償金収入を待って、後日「清算」するという形をとっているように思うので、農協の差額負担はないはず)。しかし、いずれにせよ、米の倉庫保管料などを含めて、現場の生産者・農家や農協などの集荷業者に、米の放射能汚染と、売れ行きの悪化にともなう経済負担が覆いかぶさっていることは事実である。何故、国は、現場に負担がかからぬよう、万全の対策を打たないのか。

 

 そもそも、放射能に汚染された生産者・農家の方々には、一時的にでも、恒久的にでも、一旦は放射能の汚染のない地域に、農場ごと避難・疎開・移転をしてもらい、降り注いだ放射能が十分に自然減衰するのを待って、農林水産業再開の準備を始めればいいのだ。その間は、国が責任を持って、汚染されていない土地で、被害者の生産者・農家のために農地を確保し、農業所得を補償し、避難・疎開・移転先での生活や子どもの教育などで困ることのないよう、被害者対策として万全を尽くすのが国のなすべき施策ではないのか。それを全部すっ飛ばし、被害者への賠償・補償も、出鱈目な方法で大幅にカットして、要するに、加害者・東京電力とグルになって被害者を切り捨てようとしているのである。許しがたいことではないか。生産者・農家は、好き好んで、猛烈な放射能汚染農地で、猛烈な放射線被曝を覚悟しながら、農業をしているわけではない。被害者を愚弄するのもいい加減にせよ。

 

(6)読売新聞の記事によれば、大量に売れ残ってしまった米は、飼料用や加工用として、安い値段で引き取られていくという。国の支援で創設された業界団体の「米穀安定供給確保支援機構」(東京都)が今回買い取る米も同様であるという。しかし、汚染米を加工用や飼料用に使ったからと言って、それで放射能が消えてなくなるわけではない。それどころか、家畜という動物の体を通して放射性セシウムなどの放射性物質が濃縮され、人間の口に畜肉や酪農製品として入る頃には、それが何倍もの汚染となっている可能性もある。人間が食えないから、家畜や養殖魚の餌にすればいい、などというのは、サイテーのご都合主義であるし、加工食品の原材料にするというのでは、単に放射能汚染を見えなくして、いわば消費者・国民をだまして放射能汚染物を食べさせているようなものである。

 

 こういうことをしていると、米を餌とした畜産酪農製品や、米を原材料に使う加工食品に消費者・国民の不信感が広がり、それらが売れなくなってしまう危険性さえある。愚かなことはやめることである。また、県外に売れにくい米や自県産農林水産品を、ことさらに地産地消を強調して、学校給食の食材として使わせようとする強引な動きも散見される(さしあたり、いわき市の県産米の学校給食への使用は、一時STOPとなった様子、しかし、油断はできない)。売れ残りを消費させ、価格の下落に歯止めをかけるとともに、子供を「だし」に使って、安全性が確認されていない県産食品の「安全安心アピール」に使おうという魂胆である。教育委員会の中に、こうしたことを強引に推し進めようとする人間がいるようだ。まさに、教育者の風上にも置けない人間たちである。

 

 ちなみに下記に公表されている農林水産省の家畜及び養殖魚の飼料に関する放射性セシウム規制値についても、人間の飲食品にかかる規制値と同様、「科学的実証的根拠」に乏しく、とても安全と言えるような代物ではないことも付記しておく

 

● 農林水産省- 放射性セシウムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値の設定について

 http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/saigai/supply.html

 

(7)すべての問題は、放射能汚染地域で農林水産業を行うことから生まれている。福島第1原発事故による放射能汚染地地域(さしあたり空間線量で1mSv,ベクレル単位で300~500ベクレル/kg程度以上=18,000~30,000ベクレル/m2以上)での農林水産業を含むすべての産業活動をいったん停止し、汚染状況の低い地域から、綿密に、かつ慎重に、徐々に除染を進めていき、線量が下がったところで農林水産業を含む諸産業を再開するようにすべきである。

 

 その間は、汚染地域の住民には、一時的または恒久的に避難・疎開・移住をしてもらい、その間の仕事、生活、学校、ケアなどを国が補償する措置をとればいいのである。そうした、ごく当たり前の原発事故後対策を国や東京電力が、費用負担などを理由に拒み続けていることがものごとを難しくし、健康被害などの二次災害をもたらしつつ、多くの人々を不幸と苦しみのどん底に突き落としているのである。

 

 もういい加減にして、国はそろそろきちんと原発事故後対策・対応を実施したらどうなのか。

草々

 

(追)それから、「追撃」をかけるようで恐縮ながら、日本の米や食品の流通過程は、昨今では、政府・農林水産省・厚生労働省などの政策や監視・管理状態がひどいために、産地偽装をはじめとする偽装表示や格上げ混米などが横行しており、信用のおけない粗悪品や危険な飲食品が、たくさん流通・外食に出回るようになっている。産地表示で食品を買う場合も、偽装されている疑いがあることを十分に念頭において、商品選択を間違えないよう心掛ける必要がある。そして、ロクでもない、産業寄り・企業擁護の消費者行政や食品安全・表示行政を転換しようとしない日本の政府・政治、自民党や民主党の政権・政治に対して、私たちは厳しい審判を下すべきである。私たち有権者・国民は、私たち有権者・国民のために政治をしない人間達・行政をしない人間たちを、あらゆる権利を行使して、追放・交代させていく努力をする必要があるように思われる。

 

 

2014年9月 1日 (月)

文部科学省が福島第1原発事故の賠償金額を密かに抑え込み画策し、ウソまでついて被害者を切り捨てしようとしている (これが国のやることなのか)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、830日付の毎日新聞によるスクープ記事です。信じがたいことが報道されています。

 

 <別添PDFファイル>

● 原発賠償「一律5割」内部文書明記、紛争解決センター「存在せず」は虚偽(毎日 2014.8.30

 http://mainichi.jp/select/news/20140830k0000m040198000c.html

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 東京電力福島第1原発事故の賠償問題を裁判外で解決する国の手続き(原発ADR)を担当する原子力損害賠償紛争解決センターが、避難後に死亡した人への慰謝料を算定する際、原発事故の影響をほぼ一律に50%としていた問題で、毎日新聞は「一律5割」と明記された内部文書を入手した。文書はセンター内で保管・共有され、実務上も利用されている。センターは「50%ルール」の存在を否定してきたが、虚偽説明だった疑いが強まった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(以下、田中一郎コメント)

 福島第1原発事故の被害者のために迅速な損害賠償の紛争解決をはかる公的機関として「原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)」が設けられているはずなのに、実は、それが文部科学省の一部所(「原子力損害賠償紛争和解仲介室」)によって陰に隠れて歪められ、被害者への賠償金額を絞り込んで、被害者を実質的に切り捨てようとしていたことが発覚しています。

 

 この文部科学省の「原子力損害賠償紛争和解仲介室」の室長に赴任してきたのが、元裁判官の団藤丈士という名前の人間です。毎日新聞は、この男や、その前任者などに取材をし、損害賠償金額算定における原発事故の影響が50%となる場合が多いことについて取材を続けていたようです。しかし、文部科学省は、これまで一貫して「50%ルール」の存在を否定し続けてきました。それが昨今、毎日新聞が、個人事情や被害実態如何にかかわらず、賠償額算定時には「一律50%にする」という「内部文書」を入手したため、この記事報道となったわけです。

 

 文部科学省の「原子力損害賠償紛争和解仲介室」は、あわてて、この内部文書の存在は認めましたが、依然として「50%ルールの存在」は認めようとはしません。団藤丈士室長以下、屁理屈をこねて、とぼけきっているようです。実は、損害賠償金額算定にあたっては、この「内部文書」以外にも、いくつかのルール書きのような「内部文書」があるようで、被害者側の弁護士からは、すべてを情報公開せよ、という至極当然の批判の声が出ているようです。

 

 更に、これまでの毎日新聞の取材では、賠償金額算定式=「基準額」×「原発事故の影響度合い(%)」の「影響度合い」だけでなく、「基準額」の方も作為的に低い金額となるよう、現場の紛争センター仲介委員に圧力をかけていたことも分かっています。いったいぜんたい、これが福島第1原発事故を引き起こす原因をつくった(原発規制の手抜き・いい加減・規制先との癒着など)加害責任者=国がやるべきことなのでしょうか。

 

 信じ難くも許しがたい話です。国にかようなことをされては、被害者はたまったものではありません。こんな賠償・補償では、被害者は救済されることは見込めず、そもそも原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)」が存在する意味がありません。ほんとうに、被害者の方々や有権者・国民・市民の信頼を裏切るものと言えます。

 

 文部科学省の「原子力損害賠償紛争和解仲介室」の解体・撤去と、元裁判官の団藤丈士室長の更迭を求めます。いや、文部科学省そのものも解体撤去した方がいいような気がします。こんな人間達が被害者の賠償・補償を司っているから、被害者の多くが苦しめられることになるのです。かような人間が裁判官をやっているから、日本の司法はまともに機能しないのです。

 

 記事の御一読をお願い申し上げます。

草々

 

 

(増補版) 放射線被ばく評価の単位 「シーベルト」 への疑問

前略,田中一郎です。

少し前に書いたものですが、あらためてPDFファイルにてブログにアップいたします。

 

(放射線被ばく評価の単位「シーベルト」)

●「シーベルト」は内部被曝の実態をあらわしていない

●「シーベルト」は放射線被ばくによるガン・白血病以外の様々な健康障害を無視している

●「シーベルト」は放射線被ばくの危険性を過小評価している

●「シーベルト」は原子力ムラがでっち上げたインチキの可能性あり

●「シーベルト」の値が小さいからといって安心などできない

 

(1)表紙
「siberuto_hyousi.pdf」をダウンロード

 

(2)(増補版)シーベルトへの疑問(前半)(20121210日:再修正)

      

「siberuto_gimon_1.pdf」をダウンロード


(3)(増補版)シーベルトへの疑問(後半)(20121210日:再修正)
   「siberuto_gimon_2.pdf」をダウンロード

草々

 

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