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2014年7月10日 (木)

亡国協定TPP 昨今の報道から : 食の安全を 「科学主義」 でチョロまかして食品企業の商売を優先するロクでもない国際協定、そして中身はヒミツ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、究極の亡国協定TPPに関する昨今のマスコミ報道を集めたものです。簡単にご紹介申し上げます。こんなものを、日本の財界や政府がアメリカの圧力に負けて推進し、それを後ろから前から、大学教授やマスコミが「お囃子」をして盛りたてるという、どうしようもない状況が出来上がっています。国際市場原理主義の歪みの究極の姿が見えてきています。

 

 <別添PDFファイル>

(1)TPP、食品検疫決着、ルール違反で貿易停止(日経 201479日夕刊)

(2)TPP2分野で決着、「労働」「検疫」(読売 2014.7.10

(3)TPP、国有企業改革で新興国、例外リストを提出(日経 2014710日)

(4)TPP秘密交渉、カナダでも不満(東京 201479日)

(5)(韓国の日本産水産物の)輸入禁止、WTOで懸念(を表明し解除を求めた)(東京 2014.7.10

 

1.TPP、食品検疫決着、ルール違反で貿易停止(日経 201479日夕刊)

http://www.2chdb.net/thread/response/b/2chsc/ts/ai/tp/newsplus/r/1404873420

 

 かようなインチキにだまされてはいけない。食品の安全性については、その食品の売り手(企業など)が買い手(消費者・国民)に対して、「皆様に販売するこの食品は食べても安全です」と証明・実証すべきものであって、その証明・実証ができないのであれば販売することは許されない。決して、買い手の消費者・国民が「この食品は危険だから」と証明・実証しなければ、その食品は禁止できないというものではない。誰が何を証明しなければならないのかを、しっかりと意識・認識しておく必要がある。

 

 しかるに、この市場原理主義に支配された国際貿易ルールでは、まず、国際ルールとして、もっぱら売り手企業とその代表者からなる国際委員会(コーデックス委員会など)で、さしたる科学的実証的根拠もなく、安全性の確保もおぼつかないような低い水準に「国際(安全)基準」なるものを定め(これについては各国の消費者・国民はほとんど参加を排除されていて口が出せない、その決定に参加できない)、その「(似非)国際(安全)基準」を超えて厳しい安全基準を各国が設けるには、その科学的根拠を示せ、という「証明・実証責任の買い手への転嫁」がなされている。全くバカバカしいカラクリだ。(たいていの場合、この「(似非)国際(安全)基準」には強制力がなく、採用するか否かは各国次第とされるのだが、実は他方で、これがWTO協定の中やFTA・EPAの中に取り込まれて、実質的に強制国際法規のようになってしまっているのもまた、インチキの一環だ)

 

 こうしたインチキが一般化したのは、1995年に発効したWTO協定以来のこと。事実上、食べものの安全性の立証責任を買い手側に転嫁し(欧米諸国などはともかく、途上国などは安全立証の体制など全くないので、手も足も出なくなる)、しかも、そのインチキ・スキームに「科学主義」なる言葉をつけて、その反対を排除する政治的意図を赤裸々に示している。何が「科学主義」だ!!。「科学主義」というのは、食べものの売り手が、その売らんとする食べものの安全性を厳しくチェックされるときに使われる言葉である。そして、それは当然のことながら、いわゆる「予防原則」と表裏一体となっていて、科学的に安全性を完全に立証できないのであれば、そんなものは食べ物にしてはいけないし、そんなものを食べものとして販売させることもできないということである。

 

 しかし、このWTO方式の「(似非)科学主義」によれば、いい加減きわまる非科学的な「国際(安全)基準」以外に消費者・国民の命と健康・安全を守るルールがないままに、仮に特定の食品が原因となる食害事件が起きたとしても、その危険性が立証されていないとして、とことんその食べものによる健康被害が広がるまで禁止されることはない、前広に予防・防止されることはない、そういうルールになってしまっている。

 

 そして更に重要なことは、このインチキルールに従わない場合には「貿易を停止する」というペナルティを課すというのだ。各国には国家主権があるのだから、国際ルールなど、おかしいと思えば拒否すればいい、と思われるかもしれないが、この「貿易停止のペナルティ」があると、そうもいかなくなる国が多々ある。それは、いわゆる途上国や貿易立国のような小国のことで、輸入にしろ輸出にしろ、貿易への依存度が高い国だ。国際的に開かれた国などとおだてられて、自国の産業構造をモノカルチャー型にしてしまった国ほど貿易依存度は高くなり、もう逃げられなくなる仕組みなのだ。

 

 逆に、アメリカやEUなどのズー体がでかい国は、小国が少々「貿易停止処分」をしたとしても、どうということはないのである。つまりは、インチキルールを強制する「ペナルティ」ルールもまた、実質的には片務的であり、一方が一方的に得をし、他方が一方的に被害をこうむるような仕組みになっているのである。

 

 何のためにこんなおかしな国際貿易ルールがつくられていくのか。それは言わずと知れたこと、国際貿易を取り仕切る多国籍大資本など、ほんの一握りの巨大食品企業・巨大食品資本が商売をしやすいように、商売の邪魔になりがちな消費者・国民のための食品安全規制を骨抜きにするため、そして、もしそれで健康被害が起きた時には、このインチキの「国際基準に従ったまでで、企業を責めることはできない」との「逃げ道」「免責」を確保しておくためである。国際市場原理主義が決める安全基準とは、消費者・国民の命と健康を守るための基準ではなく、健康被害が出た場合の企業の安全=損害賠償を逃れるための「ためにする基準」である。

 

 しかし、こんなひどい話でも、事はそう簡単には適切な形に修正されないだろう。何故なら、この「科学主義」という単語は、ものごとをきちんと考えない愚かものや「お人好し」の琴線に触れる言葉であるからだ。大資本や大資本に買収された政府に意図的に寄り添って、似非安全基準を宣伝しまくる御用学者は別として、少なくない「お人好し」の大学教授や有識者群、あるいは世の中のごとをきちんと考えない愚かもの、あるいは市場原理主義に心酔する人たち、あるいはお上のやることは皆正しいと条件反射する人達は、まんまとこのインチキの仕掛けに引っ掛かり、「科学主義ごもっとも」の旗を振ることになるだろう。まことに愚かなことである。

 

 再度申し上げておこう。国際市場原理主義が提唱するインチキ安全基準「科学主義」にだまされるな。市場原理主義のインチキを見抜け。誰が何を証明しなければならないのかをよく考えよ。(そして、輸入食品に走るのはもうよそう。食と農は地産地消が基本である。食べものは完璧に安全であるのが当たり前であって、それは食べものの売り手・供給する側が立証すべきものである)

 

(一部抜粋)

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日米など12カ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、輸入食品の安全性を確保する検疫分野のルール作りが事実上決着する見通しとなった。食品を輸入する際、科学的根拠なしにほかの国と検疫方法を差別した場合に貿易を停止する制裁を加える。

 

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2.TPP2分野で決着、「労働」「検疫」(読売 2014.7.10

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0800F_Y4A700C1EAF000/

 

 URLは日本経済新聞(読売新聞はネット上で見つけられず)です。「食品の安全基準(検疫)」と同じような決着の仕方をしている。

 

(一部抜粋)

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環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡り、5~12日の日程でカナダ・オタワで聞かれている首席究渉宮会合で、「労働」と、輸入食品の安全に関係する「検疫」の2分野の協議が事実上、決着した。難航する「固有企業改革」など3分野の協議を棚上げし、年内の大筋合意の目標に向けて、対立が少ない分野から決着させていく。

 

「労働」分野では、国際労働機関(ILO)の基準に沿って、児童や、強制労働により作られた製品の輸出入を禁止する。違反した場合は、関税撤廃の恩恵を受けられなくするなどの制裁を科す。

 

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3.TPP、国有企業改革で新興国、例外リストを提出(日経 2014710日)

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0900K_Z00C14A7PP8000/

 

 原発の安全管理一つまともにできずに大事故を起こし、その大事故の後始末も被害者への賠償もまともにできないような電力会社を政府丸ががえで「(事実上の)国有企業」にして最優遇している国が、あるいは、欠陥原発をつくって大事故を起こしてしまっても、その責任を一切問われないような法律までつくって国有企業並みに不当優遇されている原発メーカー企業があるにもかかわらず、あるいは、自国では当面売れないからと、政府の国際融資機関まで動員して、日本株式会社丸出しで海外に原発輸出をしている「一大業界」を抱えているというのに、あるいは更に、いわゆる天下り外郭団体をはじめとして、国内には山のように国有企業並みに優遇を受け、その上に胡坐をかいていい加減な仕事をしている「幽霊団体」が、わんさとあるというのに、

 

 なんでまた、発展途上にあって、国有企業の優遇が国民経済上必要不可欠になっている途上国の経済政策に干渉してまで、そのインチキ国際市場原理主義を押し付けているのだろうか。やめときなはれ、かような「押し売り」まがいの行為は理不尽であり、優越的地位の乱用だ。

 

(一部抜粋)

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カナダで開かれている環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉会合で、難航する国有企業改革の協議が再開した。今回の交渉では、これまで同分野に反発してきた新興国が、例外扱いしたい国有企業のリストを提出。参加12カ国は一部の例外を認めることで、協議を進める方針だが、日米など先進国の考えとはなお溝もあり、難航が続きそうだ。

 

(中略)TPPの国有企業改革は、一部の国が多くの国有企業を税制や補助金などで優遇し、外資企業との競争条件が不平等になっていることを改善する。民間企業が海外進出しにくい実態を改めたい考えだ。

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4.TPP秘密交渉、カナダでも不満(東京 201479日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014070902000108.html

 

 主権者の有権者・国民が見ようと思っても見ることのできないような形で交渉が進められているTPP、こんなものが何故、平然と進められているのか。日本にしろ、カナダにしろ、その他に国にしろ、国会は何をしているのか、何のために国会があるのか、内閣・行政を監視するのが国会議員の役回りではないか。有権者・国民の生活や利益に密接・重大な影響を及ぼす、かような国際協定の交渉を、まったく有権者・国民に情報提供せずに進めていくなど、およそ民主主義国家・国民主権の国では許されることではない、

 

5.(韓国の日本産水産物の)輸入禁止、WTOで懸念(を表明し解除を求めた)(東京 2014.7.10

http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140710/wor14071001000005-n1.html

http://ceron.jp/url/sankei.jp.msn.com/world/news/140710/kor14071000590001-n1.htm

 

 愚かな国の愚かな政府が、隣国に無理難題を押し付ける典型事例のようなものだ。日本国産の食品を輸入禁止・輸入制限しているのは韓国だけではなく、まずもって、日本の宗主国=アメリカが、多くの食品を輸入制限している(下記の農林水産省サイトを参照)。韓国にかようなことをモノ申すのであれば、アメリカにこそ、同じようにモノ申してみよ。この日本の情けなくも卑劣な二枚舌・ダブルスタンダードは、やがて国際的には「見抜かれ」て、あの国は(日本は)アメリカの尻を追いかける、自主性に乏しい予断と偏見と独善に満ちた国だとの評価が固まってしまうことになるだろう。

 

 韓国が日本国産の水産物などの食品を放射能汚染を理由に輸入禁止することには合理性がある。理は韓国政府にあり、非は日本国政府にある。日本国政府は愚かなことをやめ、日本自身の消費者・国民のためにも、食品の放射能検査体制の拡充を図ることが求められている。放射性ストロンチウムはどうなっているのか。福島県産の水産品は危なくて、食えないではないか。

 

● 農林水産省-東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応

 http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/hukushima_kakukokukensa.html

 

●水産庁-韓国による我が国水産物の輸入規制強化について

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/export/other/korea.html

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

(1)食べものの放射能汚染(2) 韓国の日本産水産物輸入禁止・試験操業再開 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-44e1.html

 

(2)食べものの放射能汚染に関して、(1)韓国国会議員が福島訪問 水産物検査に「お粗末」、(2)農林水産省-避難指示区域等における26年産米の作付に係る取組について  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/-26-4383.html

早々

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