ある2人が書いた、とてもよく似た2つの詩 (権力のウソと方便は今も昔も同じ : アーサー・ビナードと高田渡)
前略,田中一郎です。
ある2人が書いた、とてもよく似た2つの詩をご紹介します。それぞれ最初と最後の詩文にご注目ください。これを見ていると、権力のウソと方便は今も昔も同じであることがよくわかります。民衆は、うまく言い含めれば簡単にだませるのだ、と思い込んでいるところも同じで、まるで間抜けのタヌキが尻だけ化けるのを忘れているかのごときです。この2人の詩人は、その滑稽なる「間抜けのタヌキ」の尻を蹴飛ばしながら、詩で、歌で、からかっています。
(その1:現代版)安全審査 アーサー・ビナード(東京新聞
2014.7.21)
核分裂によって生じる放射性物質は危険です。
非常に危険ですから閉じ込める必要があります。
しっかり閉じ込めるために分厚い鋼鉄でできた
原子炉圧力容器と原子炉格納容器があります。
最先端の技術を駆使して作りますから安全です。
なにが起きても放射性物質を外へは出しません。
原子炉の冷却ができなくなった場合を想定して
その万が一の危険に備え圧力容器と格納容器に
穴をあけてベント弁をつける必要があります。
べントを使って排気すれば炉内の圧力は下がり
爆発を回避できますから安全性に寄与します。
たとえ放射性物質が外部へ放出されたとしても
最先端の技術を駆使してモニタリングします。
人体に影響を及ぼすような値にはなりません。
放射性物質のレベルが高くなった万が一の場合
最先端の技術を駆使して除染をおこないます。
除染すれば害にならない値まで下がりますから
核分裂によって生じる放射性物質は安全です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(その2:ちょっと昔) 値上げ 高田渡
値上げは ぜんぜん考えぬ
年内 値上げは考えぬ
当分 値上げはありえない
極力 値上げはおさえたい
今のところ
値上げはみおくりたい
すぐに 値上げを認めない
値上げがある
としても今ではない
なるべく値上げはさけたい
値上げせざるを得ないという
声もあるが
値上げするかどうかは
検討中である
値上げもさけられない
かもしれないが
まだまだ時期が早すぎる
値上げの時期は考えたい
値上げを認めたわけではない
すぐに値上げはしたくない
値上げには消極的であるが
年内 値上げもやむを得ぬ
近く 値上げもやむを得ぬ
値上げもやむを得ぬ
値上げにふみきろう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
早々
(追1)今週号の週刊東洋経済と週刊ダイヤモンドが面白い
● 週刊東洋経済
http://store.toyokeizai.net/magazine/toyo/
(特集)21世紀の資本論
「重厚な経済書が欧米で飛ぶように売れている。フランス人経済学者、ピケティ教授による『Le capital au XXIe siecle(21世紀の資本論)』だ。格差の拡大は資本主義に内在するメカニズムだとし、急進的な課税による再分配を求める。日本の足元に広がる不透明な状況は、本書が示す資本主義の暗鬱な未来の一様相なのだろうか。」
● 週刊ダイヤモンド
http://dw.diamond.ne.jp/list/magazine
(特集1)相場を動かす「アベマフィア」(全人脈・全内幕)
(特集2)法人税減税の不都合な真実
(特集3)囚われた投資銀行 グローバル金融規制強化の末路
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