鹿児島川内 「核」 時限爆弾がセットされる!!:川内原発を再稼働してはいけないこれだけの理由(原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は解散せよ)
前略,田中一郎です。(皆様、新聞をとるなら東京新聞です)
なお,別添PDFファイルは著作権上の問題がありますので,第三者転送・転載はご容赦ください。
既にご承知の通り、2014年7月16日(水)、原子力「寄生」委員会は、鹿児島県薩摩川内市にある九州電力川内原発1,2号機について、原発の新しい規制基準に適合しているとの審査結果の案を了承した。この後、パブリックコメントなどを経て、今年秋・10月以降に再稼働の運びとなるものと見られる。
とんでもない話である。福島第1原発事故の原因究明(ハードのみならず、関係する人間集団の対応の仕方などのソフト面も含め)を棚上げにし、また、福島第1原発事故後の多くの対応の出鱈目や失敗に対する反省や教訓をも顧みず、ただただ、原子力ムラによる、原子力ムラのための、原子力ムラの原発再稼働に全力疾走する原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の愚かな姿が浮かび上がった。地域住民のみならず日本国民すべての命と健康・財産や生活を原発過酷事故の危険にさらして、自分達の「食いぶち」である原発・核燃料施設にしがみついたのが今回の田中俊一原子力「寄生」委員長以下の「(川内原発1,2号機)規制基準審査適合(案)」了承・公表である。
同じ致命的な失敗を繰り返す民族や国に明日はない。地域住民や国民を原発・核燃料施設の過酷事故から守れない原子力「寄生」委員会・「寄生」庁など有害無益ゆえに、今回のバカバカしくも愚かな「適合(案)」了承を契機に、この2つの組織は解散・解消されるべきである。地域住民・国民を翻弄するのもほどほどにせよということだ(そして、この田中俊一以下、ロクでもない5人の原子力「寄生」委員を選んだのは、民主党政権であったことも、しっかりと記憶しておこう。原子力ムラの代理店政策を続けながらも、他方で口先だけ・その場しのぎの脱原発論を垂れ流すニセモノ政治家・インチキ論者に、二度とだまされてはならないからだ)。
以下、主要3紙(東京、朝日、毎日)のうち、最もしっかりとした原発報道を展開している東京新聞の記事をベースに(但し、7/17付東京新聞社説はいただけない)、この川内原発を再稼働してはいけない理由が、どれだけあるか、簡単に整理してご紹介しておきたい。このままいけば、この2014年7月16日が、日本滅亡へ「再」スタートを切った記念すべきも忌まわしい「金字塔」の日となるであろう。原子力ムラとの「最終戦争」は、いよいよ乱闘場面に差し掛かってきた。彼らを滅ぼすのか、逆に我々が彼らに滅ぼされるのか、2つに一つの「最終決戦」が火を吹いている。妥協の余地など全くない。甘い考えは捨てることである。(読売、日経は原子力ムラの御用新聞と化していて役に立たず、また、サンケイはのっけから相手にせず)
<別添PDFファイル>
(1)川内原発の審査結果案、疑問抱え再稼働「適合」(東京 2014.7.16 夕刊)
(2)川内原発審査書案要旨・田中俊一委員長会見要旨(東京 2014.7.16 夕他)
(3)川内原発再稼働「適合」、「厳格審査」に穴(東京 2014.7.17)
(4)川内原発再稼働審査「適合」に関する社説(東京 2014.7.17他)
<ネットサイト:東京新聞>
(1)(7/16夕)東京新聞疑問抱え再稼働「適合」 川内原発 規制委が審査結果案社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071602000268.html
(2)東京新聞川内原発再稼働「適合」 「厳格審査」に穴社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071702000146.html
(3)東京新聞川内原発、審査で安全性担保せず 原子力規制委員長社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071601001601.html
(4)東京新聞川内原発・審査「適合」 ゼロの目標はどこへ社説・コラム(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071702000179.html
<「いちろうちゃんのブログ」>
● 福島原発事故の原因もわからずに、原発を再稼働していいのか いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-635d.html
<ネットサイト:参考>
(1)美浜の会 HP
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/sendai_protest20140716.pdf
(2)┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★川内原発の審査書案が示される~住民をおきざりにした再稼働ありきの手続き
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本日、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の審査書案が発表されました。私たちは、住民の安全を置き去りにした再稼働のための審査に強く抗議します。火山噴火リスク評価は曖昧なままで、基準地震動、事故時の対策拠点、テロ対策などについても多くの問題が指摘されています。さらに重要なのは、事故時の住民の避難計画がおざなりになってしまっているということです。
原発から半径30キロ圏内の9市町は、それぞれ防災計画を策定していますが、風下に避難することになっていたり、地震や台風で避難路が寸断されることを考慮に入れていなかったり、実効性に乏しいものです。また、寝たきりの方、心身の障害を持った方など、要援護者の避難については、具体的には何も決まっておらず、10km以遠については各施設へ策定の責任が押しつけられているのが現状です。多くの矛盾と共に、社会的弱者を置き去りにして再稼働手続きが進められているのです。
FoE Japanでは、地元の市民の皆様と共に、鹿児島県内の自治体や、社会福祉施設・医療機関などの聴き取りを進めてきました。聴き取りをもとに、避難計画の問題点を以下にまとめています。(満田夏花)
▼これでも再稼働?~川内原発の避難計画の問題点について~
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-5b76.html
▼要支援者の避難問題について
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-da2b.html
(3)タンポポ舎MGより
┏┓
┗■1.川内原発再稼働審査で怪しいデータ・発覚
気象庁発表の地震データの「半分以下のデータ」・・の九電と規制委
元衆院科学技術委員長の川内博史・前衆院議員(民主党)が告発・九電のインチキ
これだから原発推進派は信用できない
日刊ゲンダイ 7月11日号より
(前略)
そんな中、怪しい原発再稼働審査の一端が明らかになった。再稼働第1号候補で、今月16日にも原子力規制委員会が「新基準合格証」(審査書案)を出すとみられている川内原発(九州電力)の地震関連データに疑義が生じているのだ。問題になっているのは再稼働の根拠となる基準地震動の算出方法に使われた基礎データ。元衆院科学技術委員長の川内博史・民主党前衆院議員(鹿児島1区)が、「再稼働の根拠が覆りかねない」と告発した。
「私は約3カ月前から原子力規制庁からのヒアリングを重ねています。その結果、地震発生時の最大級の揺れを想定する『基準地震動』を算出する基礎データとなった『1997年5月13日の鹿児島県北西部地震』について、九電が最も過小な『菊地・山中(1997)』の地震モーメント(エネルギー)のデータを用いていることが分かったのです」
川内原発が規制委の優先審査を受けることとなり、「再稼働第1号の可能性が高い」と注目されるようになったのは、九州電力が他の電力会社よりも先んじて、基準地震動を540 ガルから620 ガルに引き上げたためだ。“優等生的対応”が規制庁に評価されたのだが、この値自体が怪しいのだ。
川内氏がこう続ける。「日本で地震について発表するのは気象庁ですから、そのデータが最も信頼できる公式な数値と考えられます。地震モーメントは条件設定によって数値に開きが出てくるので、別のデータが信用できないと言っているわけではありませんが、菊地・山中の地震モーメントは気象庁のデータの半分以下なのです。安全性を最優先すべき再稼働の審査には、気象庁のデータから算出した基準地震動を用いるべきです」
実は、4月23日の「原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」でも、原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理が「菊地・山中の地震モーメントは断層の長さから想定すべき値としては小さいのではないか」と指摘、九電採用の数値に疑問を投げかけた。ところが、島崎氏は自民党からクレームがついて9月に交代することが決まった。こんな怪しい審査を見過ごして、原発再稼働なんて、冗談じゃない。(後略)
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以下、2014年7月16日付東京新聞夕刊掲載の「川内原発審査書案要旨」をベースにして、「川内原発を再稼働してはいけないこれだけの理由」をいかに整理しておきたい(これで全部ではないのでご注意あれ)。
1.【審査書の位置付け】
「本審査書は原子炉等規制法に基づき、九電が規制委に提出した川内原発1、2号機の発電用原子炉設置変更許可申請書の内容が、原発の新規制基準などに適合しているかどうかの審査結果を取りまとめたものである。」
(田中一郎)「原発の新規制基準など」がそもそもおかしく再稼働優先の甘い基準にすぎないため、新規制基準に「適合」しても原発・核燃料施設の安全は確保されない。これは田中俊一原子力「寄生」委員長自身が自ら認めていることである(下記サイト参照)。ならば、何のための規制であり審査なのか。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071601001601.html
2.【基準地震動】
「九電は震源を特定した場合の基準地震動を最大加速度540ガル、震源を特定しない場合を同620ガルとした。最新の知見を踏まえて想定しており、新規制基準に適合している。」
(田中一郎)バカも休み休み言え、寝言は寝て言え。大飯原発差止裁判の福井地裁判決文を読んだのか。活断層などないと言われていたところを震源とした岩手宮城内陸地震(2008年)では4000ガルもの最大加速度が観測されている。540ガルだの、620ガルだの、ゼロが一つ足りない=一桁違う1/10以下の過小評価としか言いようがない。こんな原発は大地震に見舞われれば、たちまちアウトなのは目に見えている。
3.【地盤】
「川内原発に分布する断層は新第三紀鮮新世以降の活動がなく、地盤は原子炉建屋などを十分に支持でき、新基準に適合している。」
(田中一郎)川内原発立地地域は、日本最大の活断層「中央構造線」の西橋にあり、ひとたび地層が動けば、とてつもない規模の大地震が予想される地域である。数年前にもそれを予想させるかのごとくM6クラスの地震が同原発を襲っている。また、ついこの間も、川内原発のすぐそばでこれまで知られていなかった活断層らしきものが発見されたばかり。政府の地震調査委員会報告書では、九州電力の活断層や地震評価が出鱈目であると厳しく指摘されている。
4.【基準津波】
「(前略)干満との重ね合わせなどで遡上(そじよう)高さは最高で約6mとなる。津波が到達する可能性のある海水ポンプエリア(海抜5m)に防護壁を設置する方針で、新基準に適合している。」
(田中一郎)たった6m程度の津波が、何で想定される最大津波なのか。背の高い防潮堤を建設すれば費用が膨大にかかるので、これくらいの費用で防潮堤を造ったらこの程度の高さになり、従って、それに合わせて最大津波を「これこれ」に決めたという、「コストからの逆算方式」の典型ではないか。
5.【竜巻】
「九電は、竜巻に対する防護設計のため、国内で過去に発生した最大の竜巻にさらに余裕を持たせた最大風速100mを設定。竜巻による飛来物となり得るものを固定するなどの対策を講じ、施設の安全機能が損なわれないことを確認した。」
(田中一郎)うそつけ。現場に行けば、たちまち竜巻でやられてしまいそうなものはわんさとある。「竜巻による飛来物となり得るものを固定するなどの対策」などと書いてあるが、竜巻さんに「飛ばすものは原発敷地内のものに限ります」という約束でも取り付けたのか。原発敷地外から、いろんなものが飛んでくるのが竜巻というものだ。
6.【火山】
「九電は、敷地から半径160kmにある39火山のうち将来活動する可能性がある14火山について、原発の運用期間中に火山爆発指数7(9段階で上から2番目の規模の噴火)以上の噴火の可能性は十分に小さいと評価した。指数6以下の噴火が起きても敷地への影響はないとしている。また原発運用期間中の活動可能性が十分小さいものの、過去に影響が敷地に到達したことが否定できないとして、姶良カルデラなどについては地殻変動の観測などのモニタリングを行い、噴火の可能性がある場合は原子炉停止や核燃料搬出を実施する方針を示した。」
(田中一郎)審査対象とすべき火山の範囲を半径160kmとした根拠もなければ、上記のように言える科学的実証的な根拠は全くない。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁がそうあってほしいと思っただけのことである。また、巨大火山噴火を予知できないことは、大半の火山学者が発言していること。火山についての専門家が一人もいない原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が、何をいい加減なことを言っているのか。
(私は川内原発が火砕流に飲み込まれる夢を見た。それはまるで、東宝映画「大怪獣ゴジラ」が、最終シーンで伊豆大島の三原山の火口に溶岩流とともに飲み込まれていくシーンとダブっていた。映画の中で大怪獣が火砕流に飲み込まれても心配はないが、川内原発が火砕流に飲み込まれたら、どうしようもない)
7.【電源喪失対策】
「全交流電源喪失に備えて、重大事故に対処するための電源設備から電力供給されるまでの間(約25分)、原子炉の安全な停止や冷却、格納容器の健全性確保のための設備に、電力を1時間以上供給できる蓄電池を備える方針を確認した。」
(田中一郎)まず、外部電源を供給する施設の複数化や、耐震構造の強化はどうなっているのか。外部電源装置は最高Aクラスの重要設備としなければいけないのに、それは放置されたままだ。また、おもちゃのような非常用電源装置(電源車など)を並べたところで、そんなものは非常時には役に立たないだろう。
8.【重大事故の拡大防止】
「炉心損傷防止対策では、二次冷却系からの除熱機能喪失や全交流電源喪失など8つの想定について審査。格納容器破損防止対策では、格納容器の温度や圧力の上昇、水素燃焼など六つの想定について審査した。九電による事象進展解析のためのコードによる解析結果は妥当である。対策や復旧作業に必要な要員、燃料についても確認した。九電が計画している対策は有効であると判断した。」
(田中一郎)福島第1原発事故を踏まえたECCSの機能や耐震性の再確認もしていない、川内原発のような加圧水型原子炉の格納容器は、ただ大きいだけで、水素爆発防止のためのチッソガス注入も行われず、また、水素爆発防止対策もいい加減だし、そもそも格納容器自体が沸騰水型のそれに比較して強度が1/2程度しかない(耐圧上限は2気圧強)。また、過酷事故時の原子炉圧力容器内部を計測する水位計・圧力計・温度計などの基本的な計測器についての見直しもしていない、蒸気発生器という加圧水型に特有の地震に弱い機器類への耐震対策もおざなり、スリーマイル島原発事故の教訓も生かされず、などなど、そもそも原発全体の基本設計を根本的に見直さずに、小手先だけの付けたし安全対策(安上がり対策)をくっつけて、あとは「我田引水型」の「楽観的条件」を前提に「コード解析」などというインチキ・シナリオゲームのようなことを繰り返していただけのことである。現実の原子炉・原発施設は、3.11以前比べて、ほとんど何も変わっていないのだ。
9.【重大事故対処施設】
「九電は緊急時対策所(免震重要一棟内)と、対策所完成までの代替緊急時対策所を設置する。二施設とも、断層のずれなどが起こらず、重大事故対処機能が損なわれる恐れがない地盤に設置するとしており、新基準に適合している。長周期の地震も考慮し、他の施設とは別に基準地震動を設定。施設内に備える設備の種類に応じた耐震設計で、必要な機能が損なわれないようにするとした。周辺斜面の崩壊の恐れもないとしており、新基準に適合している。津波、火災による損傷防止対策として、原子炉建屋などに準じた適切な設計を示した。」
(田中一郎)「緊急時対策所(免震重要一棟内)」や「第二制御室」、あるいはフィルター付きベント装置の設置を先送りして、何を言っているのか(2015年に免震重要棟、2016年にフィルタ付ベントが、それぞれ完成する計画)。当面の「間に合わせ」で用意される「代替緊急時対策所」は、狭くて設備が不十分で役に立たず、水道やシャワーもなく、トイレも仮説で長期使用には耐えられない。こんな状態で過酷事故が起きたらどうするのか。重大事故時に必要不可欠な施設がないまま、何故に「審査合格」などと言えるのか。東京新聞記事の写真にもあるように「お前ら(原子力「寄生」委員会・「寄生」庁)が不合格だ!!」なのだ。そもそも過酷事故を想定しなければいけないような原発など、稼働させてはいけないし、ベントなどは、事故を起こした原発の格納容器を守るために、猛烈な放射能をあたり一面に撒き散らす行為であり、許されるものではない。そんな危険極まりない発電装置など、いらんわ。電気など足りてるし、他にも電気を作る方法はなんぼでもある。
10.【格納容器破損防止】
「原子炉格納容器内の冷却機能が喪失した場合でも炉心溶融を防止し、炉心が溶融した場合でも格納容器の破損を妨止するため、九電は代替冷却設備として複数の冷却系統を設けるほか、消防車の配備など自主的な追加対策の方針も示しており、対策がより確実に実施されることを確認した。」
(田中一郎)「九電は代替冷却設備として複数の冷却系統を設ける」とはよく言ったものだ。ただ単に、格納容器内に「水シャワー」のような装置を付けるだけで、いざ炉心溶融が起きたら、防ぐ手立てがないままに溶け落ちるのを待つようなことにしているというではないか。また、消防車など過酷事故時にはほとんど役に立たない。こんなもので炉心溶融を起こした核燃料や、大量発生する水素ガス・一酸化炭素ガスから格納容器を防ぐことはできない。また、欧米の原発では標準装備となっている、溶融核燃料を格納容器の底で受け止める「コア・キャッチャー」の設置はどうなっているのか。「世界最高水準」の安全基準なのに、何で「コア・キャッチャー」の設置が義務付けられていないのだ。
11.【水素爆発対策】
「九電は水素爆発による格納容器や原子炉建屋の破損を防止するため、水素濃度を低減する設備や可搬式の分析装置などを整備する方針を示した。」
(田中一郎)聞くところによれば、加圧水型原子炉の場合、水素爆発防止のため「イグナイター」(点火プラグ)のようなものを格納容器内に装着し、水素ガスを早い段階で格納容器内部で燃やしてしまうのだそうである。格納容器が大きいからできるのだ、と豪語しているらしいが、しかし、下手をすると、水素大爆発の点火プラグとなって格納容器を吹き飛ばしてしまう危険性がある(格納容器内部の水素ガス濃度の把握を間違った・失敗した時など)。水素ガス対策がなってない。また、もう一つの大爆発=水蒸気爆発防止や、コア・コンクリート反応で大量に出てくる一酸化炭素の爆発防止についてはどうなのか。
12.【放射性物質の拡散抑制】
「格納容器の破損などが起きた場合に発電所外への放射性物質拡散を抑制するため、九電は移動式ポンプ車や放水砲などを整備する方針を示した。」
(田中一郎)壊れてしまった格納容器にポンプ車や放水砲で水をかけたところで、いったい放射性物質拡散が押しとどめられるのか。笑止千万だ。放射性物質の環境への拡散が止められないので、なすすべがなく、仕方がないので、何かをしている格好でもしなければならないと、かようなことを思いついたということだろう。過酷事故・炉心溶融の後に格納容器破壊が続けば、その段階で日本は「予定終了」となる。福島第1原発事故は、不幸中の幸いで、その一歩手前のところで偶然止まったにすぎない、「神の見えざる手」が動き、バカ者の国民に、今一時の「執行猶予」を賜ったと思うのが妥当。
13.【電源設備および電源確保手順】
「電源喪失により重大事故が発生した場合に、炉心溶融や格納容器の破損などを防ぐ対策に必要な電力を確保するため、九電は電源車や蓄電池などの整備方針を示し、他号機からの電源融通など自主的な対策も示した。」
(田中一郎)くりかえすが、外部電源供給施設を最高Aクラスの重要設備に指定せよ(耐震強化その他の対応が必要)。そのうえで、上記のような非常用電源は、あくまで非常用の「時間稼ぎ」「応急手当」にすぎないと心得るべきである。電源確保に時間がかかり過ぎれば、原発は大過酷事故状態に陥ってしまう。
14.【大規模な自然災害やテ口対策】
「大規模な自然災害や大型航空機衝突などのテロで、原子炉施設の大規模損壊が発生した場合に備え、九電は手順書、体制、資機材を適切に整備する方針を示した。」
(田中一郎)これらについては審査が非公開で行われたために、その内容が不明である。日本の場合には、テロよりも、こうした原子力ムラや国の「非公開」「秘密主義」の方がよっぽど危険である。既に東京電力などは、特定秘密保護法施行を先取りして、福島第1原発関連情報をはじめ、原発・核燃料施設に関する情報を隠蔽・秘匿し始めている様子がうかがえ、昨今の全国紙各紙は原発・核燃料施設や原子力・放射能・被ばく関連の記事が激減している。
15.【審査結果】
「九電が提出した川内原発の申請書を審査した結果、新規制基準に適合していると認められる。」
(田中一郎)無茶ゆーたらあきまへんで、そろえないかんもんもそろえてないで、なんで適合やねんな。最初から結論決めてたんかいな。そもそも「新規制基準への適合」など、どうでもいいから、100%安全かどうかをチェックして頂戴。ちょっとでも過酷事故を起こすことがあるというのなら、そんなもの、動かしたらあかんのや。
16.その他:書かれていないこと
(1)フィルタ付ベントの設置義務についてはどうなっているのか。また、そのベント装置の性能はどうか。
(2)原発の装置を動かす電気コードはすべて不燃性のものに入れ替えられたのか。また、電気ではなく空気圧で動かす制御系装置や配管の耐震性はチェックしたのか
(3)使用済み核燃料プールの耐震性や非常時対応はどうなっているのか。何故、「乾式貯蔵」への移行を義務付けないのか(このままでは、仮に原発・核燃料施設が再稼働されなくても、またもや、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールと同じ状態に陥るものが出てきてしまう)
(4)原発の汚染水対策はどうなっているのか。福島第1原発で今起きているようなことの再現がないよう手当はできているのか(川内原発でも毎日300トンの地下水がくみ上げられて海に捨てられている:事故前の福島第1原発でも毎日数百トンの地下水がくみ上げられて海に捨てられていた)。
(5)原子力「寄生」委員会・「寄生」庁や国が、立地及びその周辺自治体に丸投げした地域防災計画=原発・核燃料施設過酷事故時の地域住民の避難計画や放射線被曝防護計画が「絵に描いた餅」のまま放置され、無視されて、原発再稼働がゴリ押しされている。これは、かの国際原子力マフィア=国際原子力機関(IAEA)でさえもが提唱している「多重防護」「深層防護」=5層にわたる多重的な安全対策、にも反する、軽率で無責任な態度である。田中俊一原子力「寄生」委員長は「権限がない」などと言い逃れをしているが、そんなことはない。嘘八百までついて立地地域住民や国民の安全を守らないとは、いかなる下劣人間ぞ。
(注)IAEAの「多重防護」=「異常の発生防止」「異常の拡大防止」「過酷事故への進展防止」「過酷事故対策」「防災対策」の「5層の対策」
(6)立地地元との原発再稼働の合意と言った時の、「地元」の範囲が不明確である。川内原発の場合、仮に30km圏内とした場合には9つの自治体が入るし、福島第1原発事故の教訓から鑑みれば、30km圏内では狭すぎる。地元合意取り付けの対象外とされた自治体は、いわば過酷事故時などの原発被害だけが押し付けられる格好となり、理不尽極まりない。
(7)国(安倍晋三自民党政権)は「原子力「寄生」委員会が責任を持って安全かどうかをチェックし、その判断にゆだねる=安全かどうかは国は判断しない。安全という結論が出れば立地自治体の理解をいただきながら再稼働を進めていく、個々の再稼働は事業者の電力会社の判断で決めることだ」と言い、他方で田中俊一原子力「寄生」委員長は「審査をクリアしても安全だとは私は言わない。これで人知を尽くしたとは言い切れない。再稼働の判断にはかかわらない。再稼働は事業者、地域住民、政府の合意でなされる」と言い返す。いったいどうなっているのか。責任は取りたくないが、原発・核燃料施設は再稼働させたいロクでなしどもが、責任のなすりつけ合いをしていると言う他ない。原子力「寄生」委員長が「安全とは言わない」というのだから、「安全は確認されておらず」、従ってまた、「再稼働はできない」はずである。
早々
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