戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(2) : 最高責任者は私+法の支配 私が法≒独裁
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
別添PDFファイルは、本日付の東京新聞「こちら特報部」に掲載された記事です。安倍晋三・自民党政権の「政治方式」の悪弊が平易に解説されています。簡単にご紹介するとともに、私の若干のコメントを付しておきます。ご参考までに。
<別添PDFファイル>
● 安部政権の政治方式、最高責任者は私+法の支配
私が法≒独裁(東京 2014.7.10)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071002000166.html
http://ojirowashi.no-blog.jp/ykminami/2014/07/post_cfd7.html
(関連)週刊金曜日の表紙が話題に!安倍首相の顔が・・・www「さらば、独裁者 検証 暴走する安倍政権」 赤かぶ
http://www.asyura2.com/14/senkyo164/msg/345.html
(一部抜粋)
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今月一日の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定で明確になったのは、現政権の異様な政治手法だ。安倍晋三首相は二月に立憲主義に基づく批判を「最高責任者は私だ」と排した。自らの政治的意向が、国家の根本規範である憲法より上位にあると宣言したに等しい。そうならば、この国の基本的人権も「安倍流の基本的人権」以外は存在しないことになる。これはもはや独裁制と呼べないか。
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(田中一郎コメント)
1.哲学者で武道家の内田樹氏のコメントについては、若干異議あり
(1)「「表現の自由を脅かす特定秘密保護法が、議論が不十分なままに成立した。将来、いまの国民は独裁成立を傍観したと、教科書に書かれるかもしれない」しかし、こうした現状を「独裁」と認識する人々は少ない。内田氏は「国民のほとんどがサラリーマンの見方に染まったため」と考える。多くの会社では通常、経営者がトップダウンで物事を決めがちだ。」
(田中一郎)というよりも、幼き頃より始まる学校教育以降、これまでの人生において、権力をはじめ、力が強いもの・支配的なことについての批判的考察の訓練を受けておらず、ものごとを疑う、相対的に考えるということをまるで知らなくて育ってしまった人が多いのではないか。他人との会話や討議を経て、社会的な事柄について自分の考え方や理解をしっかりと持つことよりも、ただ従順で、周囲と同調的であることが(少なくとも表面上だけでも)、善であり、美徳であり、立派であるかのごとく教えられてきた結果ではないのか。「サラリーマン的な見方」では片づけられないように思う。
また、会社における意思決定の仕組みや会社内での言論や考え方の在り方と、日本国憲法下にある日本国という国の在り方とはだいぶ違うのではないか。前者については、完璧なまでに、「身分制」とも言えるほどに、役員・社員・非正規労働者の階層ヒエラルキーが権限や権力を付帯して徹底されており、およそ民主主義の「民」の字もない(よくもかような非民主的な組織で、多くの人々が働いているものだと思うが)。しかし、後者については、曲がりなりにも、国民主権や基本的人権の尊重がうたわれている。問題は、その日本国憲法体制下で、安倍晋三政権のような「独裁」と言われる情況が、いわば主権者の権利放棄まがいの行為の集積の中で台頭していることである(たとえば昨今の選挙における投票率の低さを見よ)。
更に申し上げれば、日本という国の国民(臣民と言うべきか)の「古層」(丸山真男)とでも言うべき次の「3大悪癖」が、戦後かろうじて生きていた一定の社会的制御(抑制)(アジア太平洋戦争敗戦への深い反省から生まれたもの)が喪失されていく中で、再び頭をもたげてきているのではないか。そうだとすると、日本は、あのワイマール憲法下でナチス・ヒットラー集団を台頭させ、再びの戦争で自国や世界をメチャククチャにしてしまったドイツと同じようなふるまいを(戦争とは限らない)、アジア太平洋戦争に続く2度目として繰り返してしまうのではないか。危ない時代に突入している。
<日本の「古層」とでも言うべき3つの悪癖>
(1)上に向かっての、頂点(支配権力)同調主義・盲目的服従主義
(2)横へ向かっての、理不尽きわまる同調圧力と没個性の美化・讃美
(3)下へ向かっての、無限の責任転嫁と無責任の総体系
2.上智大の中野晃一教授(政治学)のコメントは、全くその通り=同意
「上智大の中野晃一教授(政治学)は「安倍首相の独裁的な振る舞いを見ているうちに、周囲の政治家や社会自体も、次第にたがが外れていく関係にある」と分析する。「この専制主義的なやり方は、周囲から見れば『強ければ、ルールを守らなくても構わない』というモデルを示しているといえる」」
(だからこそ)
「そして、それは現実になっている。今年1月の就任会見で「特定秘密保護法はしょうがない」「従軍慰安婦はどこでもあった」と発言した籾井勝人・NHK会長は、いまも会長職にとどまる。これまた世界を驚かせた都議会や国会での女性差別のやじも、うやむやに決着が図られつつある。」
「中野教授は「国民の間には政治へのあきらめが広がっている。議論が届いていない」とみる。状況を打開するには特効薬はなく、身の回りに『いまのやり方はおかしい』と発言し、共有を広げていくしかないと考えている。「政治は土俵の右左どちらにいるかという談義になりがちだが、現在の危機は民主主義という土俵自体が崩れていくという点にある。安倍首相の政策への賛否は別として、そのやり方は問題があると発信しなければならない」」
3.京都大の池田浩士名誉教授(ファシズム研究)のコメントも、おおむねその通り
「京都大の池田浩士名誉教授(ファシズム研究)は、低くない政権支持率の背景を「09年に民主党に政権交代したときに『意思表示をすれば、世の中は変わるんだ』と多くの人が思ったのに、あっさり裏切られた。その反動が出ている。他の選択肢がなくなったこともあって、『安倍首相は周囲の反対を押し切ってでも、信念を貫き通す強い政治家だ』という誤った見方が広がっている」と説く。」
「池田氏は、現在の政治の最大の危うさを論戦が通用してない状況にみる。一言で言えば、「理屈が通らない」という状況だ。しかし、絶望は早いと語る。」
(田中一郎)
民主党「口先やるやる詐欺」政権の有権者・国民への裏切り・背信政治の犯罪性とその責任は重大である。1990年初頭以降続く、日本の転落・没落の大きな原因の一つは、こうした「口先やるやる詐欺」政治家達の(似非)政治改革の失敗である。そして、その根底には、上記の3つの悪癖から派生してくる「オルタナティブを提示できる野党の不在」=「翼賛的政治風土」「政治の総無責任体質」があるのではないか。だとすれば、オルタナティブをしっかりと提示する「真の野党」を有権者・国民・市民が創りあげ、育てていくしか解決策はないのではないか。反対や異議申し立て、糾弾を繰り返すだけでは、いつまでたっても事態は解決しないように思う。
早々
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