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2014年7月

2014年7月31日 (木)

原発規制基準は「世界で最も厳しい水準」の虚構(石橋克彦神戸大学名誉教授 『科学 2014.8』より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、今月号の岩波書店月刊誌『科学』(20148月号)に掲載された神戸大学名誉教授の石橋克彦氏の論文です。この論文では、先般の福井地裁による大飯原発運転差止裁判の原告住民側勝訴判決文を参照しつつ、地震学が専門の同氏の視点から見た「新規制基準」のおかしさ、とりわけ基準地震動の過小評価と、いわゆる「深層防護」の不十分への厳しい批判が展開されています。下記に、そのエッセンス部分を簡単にご紹介いたします。みなさまにおかれましては、是非とも岩波書店月刊誌『科学』の原典にあたっていただいて、この石橋克彦神戸大学名誉教授の論文をお読みいただければ幸いと存じます。

 

なお、下記には、同論文の「注」に紹介されている重要な文献、及びVTR等を併せてご紹介しておきます。

 

 <別添PDFファイル>

(1)原発規制基準は「世界で最も厳しい水準」の虚構(石橋克彦神戸大学名誉教授 『科学 2014.8』)

(2)欠陥「規制基準」が第二の原発震災を招く(石橋克彦神戸大学名誉教授 『世界 2014.6』)

 

注1:上記論文の注書きに書かれている石橋克彦神戸大学名誉教授のもう一つの論文「欠陥「規制基準」が第二の原発震災を招く(石橋克彦神戸大学名誉教授 『世界 2014.6』)」もこのメールにノーコメントで添付しておきました。

 

注2:同じく上記論文の注書きに書かれている原子力コンサルタント(元GE)の佐藤暁氏の2014418日の講演関係の資料は下記サイトをご覧ください。

 

(1)4-18 院内学習会:原子力規制のグローバルな状況と日本 深層防護 ~How deep is deep enough 原子力資料情報室(CNIC

 http://www.cnic.jp/5763

 

(2)20140418 UPLAN 佐藤暁「深層防護~How deep is deep enough~原子力規制のグローバルな状況と日本」(もっかい事故調公開研究会) - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=XZsfyGWUMMM

 

(3)「原子力規制のグローバルな状況と日本」(2014418日 佐藤暁 原子力コンサルタント)

http://www.cnic.jp/files/20140418mokkai_sato.pdf#search='%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E8%B3%87%E6%96%99%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%AE%A4+%E4%BD%90%E8%97%A4%E6%9A%81+%EF%BC%94%E6%9C%88%EF%BC%91%EF%BC%98%E6%97%A5'

 

(4)「原子力諸規則改訂案と新安全基準骨子案 に対する着眼点」(2013426日 佐藤暁)

http://www.cnic.jp/wp/wp-content/uploads/2013/04/5f0c01d4b3b9b2d07bda6a0e5286dc01.pdf#search='%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E8%B3%87%E6%96%99%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%AE%A4+%E4%BD%90%E8%97%A4%E6%9A%81

 

(「原発規制基準は「世界で最も厳しい水準」の虚構」(石橋克彦神戸大学名誉教授 『科学 2014.8』)より)

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(前半略)

 

新規制基準が「世界で最も厳しい水準」だというのは,安倍首相が好んで使う表現である。(中略)これらは以下に述べるように虚言といえるのだが,マスメディアでくり返し(広報のごとくに)報道されるから,国民は本当だと思ってしまう。実に由々しいことである。この表現は規制委の田中俊一委員長が言い出したとされるが、世界で一番厳しいようなものを目指したと言ったにすぎず,実現できたと胸を張っているわけではない。そして事実は,世界的にみて低い水準である。水準が低いという理由は,国際的に常識ともいえる「深層防護」がきわめて不十分なことである。

 

規制委は,新規制基準において深層防護を徹底するとしている。しかし実際は,以下のように深層防護の体を成していない。

 

第一に,とくに耐震安全性に関して,根底となる第I層が万全ではない。本件判決が示し,本稿でも後述するように,耐震設計の基礎となるべき基準地震動が本質的に過小評価となるような基準なのだ。これは当然,設備・機器の耐震性の低さを通じて第23層の脆弱性をももたらす。また判決は,耐震重要度分類B,Cクラスの設備等が基準地震動以下の揺れで破損すれば外部電源喪失・主給水喪失が生じることを重要視したが,安全機能の重要度分類と耐震重要度分類を見直すべきことが課題になりながら放置されている。裁判で被告は,いざとなれば非常用デイーゼル発電機と補助給水設備があると主張し、それが規制委の考えでもあるのだろうが,これは非常手段だけに頼って基本を疎かにする言い分で,深層防護の考え方が根本的にわかっていない。

 

第二に,新規制基準で新たに義務化された第4層のシビアアクシデント対策が非常に不十分である。これについては本稿では説明しないが,世界の原子力規制の動向に精通した原子力コンサルタントの佐藤暁氏が詳しく論じている。根本的な問題として,国際的な過酷事故対策の設計思想がパッシブ(無動力),自動,恒設,プロアクテイブ(先を見越す),実践主義(実証主義,現実主義)であるのにたいして, 日本はアクテイブ(動力依存),手動(判断にもとづく人的操作), 仮設(まず移動・設置が必要), リアクテイブ(起こったら考える),楽観的(精神論的)机上論であって,非常に危ういという。判決が,基準地震動を超えてクリフエッジに至らない地震動であっても過酷事故につながる危険があると述べているが,まさに佐藤氏が憂慮していることである。

 

新規制基準ではテロ対策を新設したとする。しかし,佐藤氏が紹介している米国の苛烈な実戦的対策に比べれば日本は無防備に等しい。71日に安倍政権が憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことにより,日本は「戦争をする国jになって,原発にたいする自爆テロ攻撃などが現実的脅威になったと考えられるが,私たちは丸裸間然である(ただし米国流にまでして原発を保有することがよいというのではない)

 

第三に,最終的に住民の生命・健康を守るためには第5層が絶対的に重要だが,新規制基準は始めからこの部分を放棄している。これは,設置法で定められた規制委の任務(国民の生命、健康および財産の保護)に完全に違背している。米国では考えられないことであり、まさに人格権の侵害を許容する規制基準だといえる。

 

(中略)

 

基準地震動が過小評価であるのは,筆者がくり返し指摘したように、科学的議論に係る問題というよりは,原発推進のために意図的に科学的知見を歪めたり,科学の限界を無視したりしたという側面のほうがはるかに大きい。そして,この姿勢が新規制基準でも続いていることが重大な問題である。旧耐震指針を改訂した新耐震指針にも大きな問題があったのだが,新規制基準の「基準地震動及び耐震設計方針に係る審査ガイド」(以下、審査ガイド)は基本的に新耐震指針を受け継いでいて,抜本的な改善がなされていないからである。

 

(中略)

 

実は, B(田中一郎注:「震源を特定せず策定する地震動j)が非常に重要である。長さの短い活断層付近の地下でも,さらには活断層が認められていない場所でさえも,長大な震源断層面をもつマグニチュード(M)7前後の大地震が起こって震源近傍に激しい地震動をもたらすことがあるからである。これに関して審査ガイドは,「震源と活断層を関連づけることが困難な過去の内陸地殻内の地震について得られた震源近傍における観測記録を収集し」、各種の不確かさや敷地の地盤特性を考慮して基準地震動を策定することと規定し「収集対象となる内陸地殻内の地震の例」として16の地震を表掲している。しかし大地震の発生頻度が低くて信頼できる観測記録がきわめて少ないという本質的制約の上に,表から除外されている地震があり(後述),いろいろな注釈も書かれていて,審査ガイドはBを過小評価できるようになっている。

 

(中略)

なお判決は,最大加速度1260Galを超える地震動が大飯原発に到来する危険があるという判断のなかで,日本で記録された既往最大の加速度値として2008年岩手・宮城内陵地震(M7.2)の際の4022Galに言及しているが,これは注意を要する。この値は,防災科学技術研究所の基盤強震観測網(KiK-net)の観測点IWTH25(ー関西)の地表の3成分合成値であって、原発の耐震設計で使われる地下岩盤での基準地震動と直接比較するのは不適当である。IWTH25の深さ260mにおける最大加速度は,3成分合成で1077Galであった。

 

(中略)

 

ここから導かれることは,新規制基準の根本的見直しと,現在進行中の「新規制基準適合性に係る審査」(再稼働審査)の中止である。

 

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早々

 

(報告)「子ども・検診」 スタートに向けて (記念公開シンポジウム) (パルシステム主催 2014.7.19)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

さる719日(土)、東京韓国YMCAにおいて「「子ども・検診」スタートに向けて(記念公開シンポジウム)」がパルシステム主催で開催されました。別添PDFファイルはその際の配布資料です。私は所用があって、最初の鎌仲ひとみさんの講演だけをお聞きしました。当日いただいた主な資料は、このメールに添付しておきます。以下、簡単にご紹介いたします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)「子ど・も検診」スタートに向けて(記念公開シンポ・プログラム)(パルシステム 2014.7.19

(2)関東における放射能汚染と健康調査の必要性(「放射能からこどもを守ろう関東ネット」他 2014.7.19

(3)放射線被ばくと健康管理の在り方(牛山元美 2014.7.19

(4)「原発事故子ども・被災者支援法」制定の背景と現状(FOEジャパン 満田夏花さん 2014.7

 

●「子ども・検診」スタートに向けて(記念公開シンポジウム)」

http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CBwQFjAA&url=http%3A%2F%2Fwww.pal.or.jp%2Fpress%2F2014%2F140707%2Fpdf%2F01.pdf&ei=DL3VU6arMY388QWZ7IDwAw&usg=AFQjCNEeWFYHCBTYJ-1ZcX0Gm-xy7tiSKQ&sig2=ZhYMPLlu59FHn90A8-sJew

 http://www.pal.or.jp/press/2014/140707/

 

●パルシステム ニュース

 http://www.pal-system.co.jp/topics/2014/140725/index.html

 

●鎌仲ひとみさん「小さき声のカノン」

 http://kamanaka.com/works/works-next/

 http://www.youtube.com/watch?v=p9uCjRSUXM4

 https://motion-gallery.net/projects/littlevoicecanon

 

●メールマガジン 鎌仲ひとみ 公式ウェブサイト 映画監督、ドキュメンタリー作家

 http://kamanaka.com/mailmagazine/

 

 <鎌仲ひとみさんの講演より>

 下記はチェルノブイリ原発事故後約27年が経過したベラルーシの状況をレポートしたものです。福島第1原発事故後の日本の現状と比べてみてください。いかに日本の被ばく防護に関する事故後対策が出鱈目なのかがわかります。なお、下記でベラルーシに関する記述は、当日の鎌仲ひとみさんの話を私がメモしたもので、それに続く( )内の日本についてのコメントは、私が私の判断で書いています。

 

(1)30km圏内は一切除染しない、立ち入り禁止(子どもたちを含めて国が責任を持って避難させた)。他方、30km圏外はプロフェッショナルが除染をする。(日本では、避難対象地域が狭く、多くの人々が猛烈な放射能汚染の中で居住を強いられている。できもしない除染を口実に、避難を希望する人が増えないよう、様々な嘘八百やごまかし、おかしな大宣伝が繰り返されており、さらには、一旦避難した人々を経済的な苦境に追い込むことで、汚染地への帰還を促すという卑劣な「対策」まで始めている。また、いわゆる「除染」については、汚染された地域の人々が、放射能汚染の原因をつくった原発関連ゼネコンの多重下請け会社に臨時雇用されて、被ばく防護も周知徹底されず、除染ごみの始末についてもいい加減なまま「除染なるもの」がなされている。まことにおかしな理不尽な話である)

 

(2)学校での子どもたち向けの給食の食材は「ゼロ汚染」が原則(日本では、放射能検査の体制の拡充をせず、従って、ロクすっぽ放射能汚染の検査・調査もせずに、いい加減な厚生労働省の放射性セシウム残留規制基準の下で、放射能汚染地域で獲れた食品の安全性を強調・PRするために、子どもをだしに使って学校給食に無理やり(地産地消を口実にして)地元食材を使わせている。子どもの内部被曝を懸念する親の「地元食材を使わないでほしい」の要請に対しては、変人・非国民扱いをして、まともに対応しようとせず)

 

(3)(貧しいベラルーシでは自耕作の農作物を食べざるを得ないので)自作農作物を自分たち自身が測定できるような測定所体制が充実(日本は、行政がやらないので、市民が自主測定所を立ち上げている。また、行政の検査はサンプリングや測定方法などについて信頼性が低い)

 

(4)飲食品の放射性ストロンチウム汚染状況を調べるための検査所=放射性ストロンチウム検査装置が、全国各地に設置されている(5台:1台2~3千万円)。主としてベラルーシの主食である牛乳とジャガイモが検査されている。(日本は、放射性ストロンチウム汚染状況の検査をいつまでたってもやろうとしない。特に、原子炉炉心を洗った猛烈な放射能汚染水が海に漏れ出しているにもかかわらず、福島県沖で漁業を再開させ、かつ、その漁獲物について放射性ストロンチウムの検査をしないまま安全宣言などをやっている。危なくて、とても食べられない(がしかし、学校給食に使われている可能性はないとはいえない))

 

(5)甲状腺の検査はチェルノブイリ原発事故後、12~14日後に、すべての年齢の人々に対して開始された。(しかし、検査機器類等、検査の体制は不十分なままだったと推定、旧ソ連地域で甲状腺検査体制が曲がりなりにもでき始めるのは事故から4年後以降、西側諸国からの支援が入ってからではないか:田中一郎)。


 (日本では、甲状腺検査の重要性は十分に認識されていたにもかかわらず、福島県やその下におかれた「福島県民健康管理調査検討委員会」が(尿検査などの内部被曝検査を含めて)それを妨害し、また、国の関係各省・機関も、甲状腺被ばくをわからなくしてしまえという「未必の故意」により動かず、責任ある態度をとらなかった(放射性ヨウ素が減衰して消えてしまう半年以上経過してから、ようやく福島県の子どもについてのみ甲状腺検査を開始。しかし、福島県の大人や福島県以外の子どもたちを含む被曝者の方々には検査をしなくていい、などという態度を示している=3年たっても未だに小田原評定)。結果的に、初期被ばくの状況その他、甲状腺被ばくの線量実態等が分からなくなってしまった。しかし、その正確にはわからないことをいいことに、今度はさしたる実証的根拠もないまま、まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」式の屁理屈をこねて「初期被ばくは大した線量ではなかった」などと言い始めている。将来の健康被害を福島第1原発事故とは無関係=従って、賠償・補償も治療やケアなども国や東京電力には責任がないとして、被害者を切り捨てるための布石を開始している始末。そもそも、放射性ヨウ素による初期被ばく回避のための安定ヨウ素剤すら配布・服用させなかった経緯がある。国や県などの政治・行政には、国民・住民の命と健康を守ろうという姿勢が全く見られない)

 

(6)30km圏内に居住していた人たち、チェルノブイリ原発事故の収拾にあたった人たち(リクビダートル)、その人たちをお世話した人たち、及びこれらの人たちの子孫らが、「健康リスクのある人々」として「登録」されていて、健康診断などが毎年無料で受けられる。また、カルテや検査結果等はコンピュータ化されて保存される仕組みもある。保養のためのクーポン他のサポートシステムも用意されている。


(日本では、福島第1原発事故による被ばくは、根拠もなく「大した線量ではない」とされ、健康診断も、カルテや検査結果等の保存も、治療も、保養も、こうした健康リスクへの対応は、ほぼ一切がっさい否定され続けている。もちろん、費用負担も被害者の自己負担=自己責任でやれ、ということになっている。唯一の例外が「福島県民健康調査」である。しかし、その内容のお粗末さは申し上げるまでもない)

 

(7)全国に50か所以上の国立保養所があり、子どもたちが無料で療養ができる。免疫疾患と思われる症状の子供たちが多くみられ、病名が付けられないような健康障害が増えている(下記参照)。健康に何らかの問題を抱える子どもは、チェルノブイリ原発事故後に生まれた子供にも多くみられ、今では健康な子どもの方が数が少ない状態。人口の減少が目立ち始めていて、国として大きな懸念材料となっている。こうした子どもたちには、従来型の化学薬品を使った治療は使えない(場合によっては、いっそう症状がひどくなる)ので、それぞれの子どもたちの症状に合わせた、さまざまな治療が行われている。

 

 (子どもたちに多くみられる健康障害や症状)

 ぜんそくが非常に多い、鼻から喉にかけての粘膜炎症、頭痛、血尿、粘膜炎、いがいが感、発熱、下痢、背が伸びない、拒食症(消化酵素の減少=体内たんぱく質に異常が原因か?)など

 

(日本では、福島第1原発事故による被ばく線量は懸念するに及ばない程度のものだと、実証的根拠のないまま断定されていて、子どもたちを含む被ばく被害者への対策はほとんど何もうたれていない。それどころか、被ばく被害者の健康実態の調査や検査すらも、その実施を国や県などが拒否している状態。被ばくによる健康状態への懸念を口外すれば、「非国民扱い・故郷の復興を妨害する裏切りもの扱い」を受ける(原子力翼賛社会)。放射線被曝への懸念は、被ばくが原因ではなく「気にしすぎることによる精神的な問題」とされ、薄気味悪い健康カウンセラーが用意され、最初から結論が決まっている「心配しなくていい」が被害者に押し付けられている)

 

(8)その他、動植物に奇形が多く見られたこと、汚染された土を土中に埋めたところ、それが樹木の根から吸い上げられて、ドングリの実に汚染が濃縮していた話、などがあった。

 

(私の結論)

ベラルーシは、経済的に日本よりも貧しい国であるにもかかわらず、多大の国家予算を使って、なんとか次世代を担う子供たちや、多くの被ばくさせられた国民の命と健康を守ろうとしている。それでも、多くの子どもたちや国民にさまざまな健康障害が広がり続け(例えば、甲状腺がんの患者数が増え続けている)、この国の将来に懸念が広がっている。

 

ベラルーシも、チェルノブイリ原発事故の直後から、こうした国民の健康を守り、被ばく防護を可能な限り徹底する政策をとっていたわけではない。現在のような政策に転換した契機になったのは、いわゆる「チェルノブイリ法」であり、それに至るまでには、原発事故を隠蔽し、従ってまた,被ばく被害をも隠蔽・もみ消そうとしていた当時のソ連共産党、及びその配下にあったベラルーシ政府と、国民とりわけ子供たちの命と健康を守れとする多くの人々や医師・医学者・科学者との対決があり、結果的に後者が多大な努力の末に勝利したということである。

 

翻って日本では、福島第1原発事故後の状況は、常々私が申し上げているように「原子力翼賛社会」状況が日増しに強まっており、中でも、事態の抜本的改善にキーとなる医学者・医師・科学者たちの御用化・似非化・日和見・傍観主義が目に余る事態となっている。このままでは、日本はベラルーシの対極にあって、原発事故後対応の「最悪のぺターン」国として、歴史に記憶されていく可能性が高い。

 

一刻も早く、こうした事態を転換しなければならないことは申し上げるまでもない。

早々

 

2014年7月30日 (水)

川内原発の再稼働を許すな(2):(報告)川内原発火山審査で政府交渉 7月29日 原子力規制を監視する市民の会

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部しか添付できませんでした)


昨日(7/29)、衆議院議員会館・多目的ホールにて、「原子力規制を監視する市民の会」主催の「川内原発火山審査で政府交渉」が開催されました。下記URL、及び別添PDFファイルは、その際の(関連)資料です。詳細コメントなしでお送りいたします。(当日の録画をネット検索しましたが見つけられませんでした。ビデオカメラは何台か入っていましたので、まもなくネット上にアップされるものと思われます)

 

原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、一昨日(7/28)の「原発設計設備並びに地震・津波・汚染水問題」に関する政府交渉の際以上に、中身の空疎な、簡単にいえば、火山リスクについては全く考慮・検討していない実態が赤裸々に明らかとなる答弁を繰り返しました。現地鹿児島では、2000年前後より火山活動が活発化する兆しが見えており、こうした無謀かつ軽率極まりないとも言える原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の態度は、原発が火山噴火による火砕流や火山灰の餌食となり、日本はおろか東アジア全域を猛烈な放射能汚染に陥れる懸念を大きくしています。

 

特に、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が、鹿児島においては巨大カルデラ噴火のようなリスクは極めて小さいと科学的実証的根拠がないままに決め付け、火山リスク審査を原発再稼働の是非判断とは切り離して、火山に関する専門家会合も開催しないまま、川内原発を稼働させようとしていることは許されないことだと言えるでしょう。また、今後の火山活動の状況変化に対しても、(多くの火山学者ができないと言っているにもかかわらず)モニタリングを行って巨大噴火の予兆を把握し、懸念が高まればそれに適切に対処するという九州電力の「方針」なるものを確認したので、それでOKなどと居直り、市民サイドから何度も、その中身=つまり、どのようにモニタリングをし、どういう予兆を懸念ありと判断するのかその基準、また「適切な対処」の内容、特に使用済み核燃料の搬出の所要時間や準備状況や搬出先などについて問うても、具体的でまともな返答は皆無でした。それはとりもなおさず、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が、川内原発の火山リスクをまともに考えていない・検討していないことを赤裸々に示すものでありました。信じがたいことです。

 

私には、近い将来、川内原発が火砕流や火山灰に飲み込まれていく姿が目に浮かぶような気がしました。もちろん、その時が日本国滅亡の日であり、12千万人の国民が「流浪の民」となる日でもあるのです。「そんなバナナ」は、このままでは必ずや実現することとなるでしょう。

 

我らの命と生活は、我らの手で守りましょう。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は解体の上、霞が関(六本木)より追放です。

 

● 川内原発火山審査で政府交渉 7291430 - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/16/川内原発火山審査で政府交渉-予定/

 

● 美浜の会HP 728日・29日 川内原発・審査書案にNo!政府交渉

 http://www.jca.apc.org/mihama/annai/annai_20140728.htm

 

● 質問事項

http://www.kiseikanshishimin.net/app/download/9606233491/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%AE%E7%81%AB%E5%B1%B1%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E8%A9%95%E4%BE%A1%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F%E4%BA%8B%E9%A0%85.pdf?t=1405758982

(実際に使ったものは、これに加筆修正が加えられています。別添PDFファイルをご覧ください)

 

● 火山審査の驚くべき実情・川内原発火山審査についての政府交渉報告 - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/30/火山審査の驚くべき実情-川内原発火山審査についての政府交渉報告/

(リンクが悪い時は「原子力規制を監視する市民の会」のHPからクリックしてください)

 

●「川内原発の再稼働はこれで消える」パンフ - SynapseAdobe PDF - htmlで見る  http://wrs.search.yahoo.co.jp/FOR=cEPYMZNV3iiByMLs8CBoluyJ8m01uEUJiTIdFFM9NSMWzzop6rp5sYXYQB9orCp_cRJHNES2wiC9USENsZ07JNQxwQe79OQU7tJpBl33JWEfmj8Qbse0HSzPu5xSvF2IM24L9nChY9fRamX789O2Q6GVg3Zkxf7Tk_lNzLZPxRupn39V_SLrGWnL8KILwOnXM5_KQvlgJGOqzJ.1mUAHKXmC.m.lIvoTGWNvG8eBGdFnG958Rs.9Hdee8_qMcwQ-/_ylt=A3aX6DtmQ9hT93wBkXKDTwx.;_ylu=X3oDMTEyNXZwazBxBHBvcwMxBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGUEdnRpZANqcDAwMDE-/SIG=17eqvnopp/EXP=1406782758/**http%3A//www.synapse.ne.jp/peace/sendaigenpatusaikadouhantaipanph.pdf%23search=%27%25E5%25B7%259D%25E5%2586%2585%25E5%258E%259F%25E7%2599%25BA%25E7%259B%25B4%25E8%25BF%2591%25E3%2581%25AE%25E5%25B7%25A8%25E5%25A4%25A7%27

 

(同上:再稼働阻止全国ネットワーク)

http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/archives/2650

 

● 原子力「寄生」委員会HP内検索(原発と火山)

http://www.nsr.go.jp/search.html?q=%E7%81%AB%E5%B1%B1%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E8%A9%95%E4%BE%A1%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89

 

(上記から主なものをピックアップ)

 

(1)原子力発電所の火山影響評価ガイド

https://www.google.com/url?q=https://www.nsr.go.jp/nra/kettei/data/20130628_jitsuyoukazan.pdf&sa=U&ei=uUHYU9reF5WdugSz8YLACA&ved=0CAsQFjAE&client=internal-uds-cse&usg=AFQjCNGpOAINOGmH4cPPMgwZDb3UHfWQMQ

 

(2)原子力発電所の火山影響 評価ガイド(案)の概要

https://www.google.com/url?q=https://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_anzenkijyun/data/0021_01.pdf&sa=U&ei=uUHYU9reF5WdugSz8YLACA&ved=0CAcQFjAC&client=internal-uds-cse&usg=AFQjCNHSLu5XkDNbj_RKECBvoO6XQtEDqw

 

(3)川内原子力発電所 火山影響評価について

https://www.google.com/url?q=https://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/shinsa/data/sendai12/mendan/20140418_07shiryo_12.pdf&sa=U&ei=x0LYU_--EoyWuASPo4GQDg&ved=0CAcQFjABOBQ&client=internal-uds-cse&usg=AFQjCNGfzNW1GGYdNUOF_VWVJsPJkBk_Sg

 

(4)川内原子力発電所ー号炉及び2号炉 降下火砕物 (火山灰) による設備 ...

https://www.google.com/url?q=http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/data/0035_13.pdf&sa=U&ei=8kLYU6qHIou0uASjiIKIDQ&ved=0CAUQFjAAOAo&client=internal-uds-cse&usg=AFQjCNHVQJoCkABg580pXoCK8QxAQqB2Cg

 

 <当日資料:別添PDFファイル&関連URL>

(1)川内原発の火山影響評価についての質問事項(729日会合用)

「situmonjikou_kazan.pdf」をダウンロード

(2)<パンフレット>川内原発・火山審査のここが問題

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/19/パンフレット-川内原発-火山審査の問題点/


(3)川内原発審査書案…パブリック・コメント文例(パブコメのタネ) - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/27/川内原発審査書案-パブリック-コメント文例-パブコメのタネ/

 

 <当日の置きチラシから:別添PDFファイル>

(1)川内原発再稼働にNO! パブコメを書いて規制委を糾弾しよう(再稼働阻止全国ネットワーク 2014.7.25

(2)帰らない 宣言(大熊町野上1区総会 201469日)

(3)止めよう再処理! 共同行動ニュース(2014723日)

(4)「原発禁止世界大会(仮称)Jが必要でしょう(2014619日)

 

 <参考>

● ホーム - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/

● 美浜の会 HP

 http://www.jca.apc.org/mihama/

● 再稼働阻止全国ネットワーク HP

 http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/

● 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/

● GODZILLA

 https://www.youtube.com/watch?v=AU6YrT0q1SQ

早々

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

(1)福島原発事故の原因もわからずに、原発を再稼働していいのか  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-635d.html

 

(2)鹿児島川内 「核」 時限爆弾がセットされる!!:川内原発を再稼働してはいけないこれだけの理由(原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は解散せよ) いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-454b.html

 

 

川内原発の再稼働を許すな(1):(報告)川内原発審査・重大事故対策で政府交渉 7月28日 (原子力規制を監視する市民の会)

前略,田中一郎です。

 

昨日(7/28月)、衆議院第2議員会館にて「原子力規制を監視する市民の会」が主催する「川内原発審査・重大事故対策で政府交渉」が開催されました。下記URL、及び別添PDFファイルがその際の資料です。重要情報につき必見です。ノーコメントにてお送りいたします。なお、交渉のける原子力「寄生」委員会の姿勢は依然としてひどいものでした。このままでは、川内原発は近い将来必ずや取り返しのつかない大事故を引き起こすでしょう。

 

● 川内原発審査・重大事故対策で政府交渉 - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/19/川内原発審査-重大事故対策で政府交渉/

 

● 美浜の会 HP 「728日・29日 川内原発・審査書案にNo!政府交渉」

 http://www.jca.apc.org/mihama/annai/annai_20140728.htm

 

● 川内原発審査・重大事故対策等政府交渉報告 - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/28/川内原発審査-重大事故対策等政府交渉報告/

 

2014-07-28 政府交渉「川内原発審査・重大事故対策について」 - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=NchjRguAQlM

 

● 原子力規制を監視する市民の会 HP

 http://www.kiseikanshishimin.net/

 

 <関連資料:別添PDFファイル>

(1)川内原発の重大事故対策等、地震動評価についての質問事項(2014728日)

「SITUMONJIKOU.pdf」をダウンロード

(2)審査書「重大事故対策」は不備(井野博満東京大学名誉教授 2014.7.28

「INOSENSEI.pdf」をダウンロード

(3)川内原発審査における汚染水問題(美浜の会 2014.7.28

「OYAMASENSEI.pdf」をダウンロード


(4)基準地震動について(阪上武 2014.7.28

「SAKAGAMISANN.pdf」をダウンロード

(5)げんぱつじこでわたしはおかあさんといっしょににげられるの?(反原発かごしまネット 2014.7)((5)は有料パンフにつき、表紙のみです)

「kagosimanet_panfu.pdf」をダウンロード

 <関連資料:URL>

(1)川内原発審査書案…パブリック・コメント文例(パブコメのタネ) - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/27/川内原発審査書案-パブリック-コメント文例-パブコメのタネ/

 

(2)<パンフレット>川内原発・火山審査のここが問題 - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/19/パンフレット-川内原発-火山審査の問題点/

 

(3)【パンフレット】川内原発~避難計画のここが問題 これでは命は守れない!(カラー版 8頁) - 原子力規制を監視する市民の会

 http://www.kiseikanshishimin.net/2014/07/27/テーマ別パンフレット-川内原発-避難計画のここが問題-カラー版-8ページ/

 

(4)原子力市民委員会「見解:川内原発再稼働を無期凍結すべきである」を発表しました 原子力市民委員会

 http://www.ccnejapan.com/?p=3489

 

(5)【広瀬隆】原子力規制委員会の川内原発審査書案に対するパブリックコメント 日々雑感

 (田中一郎 ⇒ これは必ずご覧下さい。九州電力が姑息なことをしています)

 http://hibi-zakkan.net/archives/39291506.html

早々

 

 

2014年7月25日 (金)

加害者・東京電力や事故責任者・国は、福島第1原発事故の損害の賠償・補償を踏み倒そうとしている (5):加害者側で勝手に決めるな!

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、福島第1原発事故にかかる損害賠償・補償関連の新聞記事です。事故後3年が経過しても、相も変わらず原発事故の責任を不問にしたまま、被害者への賠償・補償が、被害者の弱みに付け込む形で一方的に値切られ切り捨てられています。現在のところは財産上の損害や精神的被害の賠償・補償ですが、それさえも、一般の交通事故における賠償・補償や慰謝料の支払いをはるかに下回るような理不尽な対応しかなされておりません。

 

そもそも、最も金額が張る不動産の賠償基準などは、福島第1原発事故の加害者連合とも言うべき東京電力と経済産業省が談合をして、「原子力損害賠償紛争審査会」の頭越しに勝手に決めるなど、この原発事故の賠償基準を加害側が一方的に査定して決めるという信じがたいことがまかり通っているのです。こんなバカなことがありますか。かような重大な人権侵害が許されていいのですか。これほどの理不尽を不問に付すのですか。

 

今後は、財産や精神的被害に関するものだけでなく。健康被害に関するものも出てくることになるでしょう。しかし、こんな状態だと、それらもまた同様に、いや、誰が見ても明確にわかる財産上の被害の賠償・補償にしてこんな状態ですから、健康被害ともなれば絶句するような出鱈目と人権侵害=被害者切り捨てが予想されます。

 

福島第1原発事故の被害は一般の交通事故の比ではなく、たいへん深刻で被害者にとっては耐え難い過酷なものです。事実上、被害を受けた方々のすべてのものが奪われてしまっています。本来ならば、その実態に対応した万全の賠償・補償がなされなければなりませんし、その上に、人生の再出発や余生の再充実のための様々な支援が、「子ども・被災者支援法」に基づいてなされてしかるべきなのです。この国は、その当たり前の当たり前のことを踏みにじろうとしています。こんなことを見て見ぬふりをするような国が、これから豊かに繁栄していくことなど、絶対にない、と断言できます。次はあなたの番だ、と申し上げなければなりません。

 

加害者・東京電力や事故責任者・国は、ただちに被害者に対して万全の賠償・補償を行え。再建のための支援を全力で施策せよ。当事者能力を失ったろくでなし集団・無責任組織の東京電力に丸投げをせず、日本政府が、まず、福島第1原発事故被害者のために、賠償・補償金を立て替えよ。しかる後に東京電力を法的破綻処理・解体して、、その賠償負担を将来にわたり電力料金に薄く上乗せして国庫に返済していくよう、法的な対応を行え。

 

原発の再稼働問題や、ありもしない電力供給問題など、それからの話である。

 

 <別添PDFファイル>

(1)原発ADR 中立医師参加させず、5例判明 憤る被災者(毎日 2014.7.21

(2)東電が墓石修理費用の2割賠償(毎日 2014.7.24

(3)立木賠償方針まとまる(福島民報 2014.5.16

(4)原発賠償に追加基準(読売 2014.5.1

(5)福島第1原発事故の損害賠償をめぐる動き(福島民報 2014.7.1

(6)医療費支給の試案示す、支援議連 放射性物質原因の病気(福島民報 2014.5.30

(7)福島原発事故コスト 少なくとも11兆円 国民に負担押し付け(東京 2014.7.23

 

1.原発ADR 中立医師参加させず、5例判明 憤る被災者(毎日 2014.7.21

 http://mainichi.jp/select/news/20140721k0000e040137000c.html

 

 前回ご紹介した「原子力損害賠償紛争解決センター」の被害者切り捨て「インチキ和解案」(「事故への影響度」などという屁理屈を使って解決を急ぐ被害者の弱みに付け込み、賠償額を一般の交通事故の半分程度にまで抑え込む悪質なやり方など)に続いて、今度は「避難後に死亡したり後遺障害を負ったりした被災者に対する慰謝料を算定する際、中立的な立場の医師の意見を聞かないまま(低額の慰謝料という)結論を出していたことが分かった。

 

 毎日新聞記事を読むと、こうした理不尽・人権侵害の背後には、どうも文部科学省の「原子力損害賠償紛争和解仲介室」という「悪質」な「悪室」がいて、「原子力損害賠償紛争解決センター」を差配しているようである。原子力・原発を推進する総本山のような役所=文部科学省(旧科学技術庁)が、その原子力・原発の事故の後始末をする、被害者への賠償・補償を統制する、などという利益相反丸出しの役割を担っているところに諸悪の根源があると言える。

 

2.(勝手に決めるな:その1)東電が墓石修理費用の2割賠償(毎日 2014.7.24

 http://mainichi.jp/select/news/m20140724k0000m040115000c.html

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「東京電力は23日、福島第1原発事故に伴う財物賠償の一環として、避難区域内の墓を修理する場合は、かかった費用の2割(上限30万円)を支払うと発表した。修理に伴う祭祀(さいし)費用として2万円、諸経費として1万円を負担する。東電は、避難区域には約3万世帯が住み、この半数に1世帯当たり33万円を賠償すると想定。総額は約50億円と見積もっている。一方、移転させる場合は運搬費用を150万円を上限に負担する。移転できない場合は新しい墓の取得費用として、墓地1区画当たり150万円を上限に支払う。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎)勝手に決め付けるなよ。お墓と言ったっていろいろある。なんで上限30万円、150万円なんだよ。

 

3.(勝手に決めるな:その2)立木賠償方針まとまる(福島民報 2014.5.16

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「福島第一原発事故に伴う財物賠償で、政府と東電は十五日までに、立木に関する賠償方針案をまとめた。「帰還困難」「居住制限」「避難指示解除準備」の各区域と双葉郡は、人工林が1ha当たり百万円、天然林が三十万円とする。双葉郡を除く「旧緊急時避難準備」「屋内退避」両区域の天然林は十万円、その他の県内の天然林は、過去の手入れや取引実績を条件に五万円とし、さらに個別事情に応じて賠償が必要と認められれば、三十万円を上限に支払う。一方、スギなどの人工林は、樹皮を剥げば製材として出荷できるとして、帰還困難区域などを除き賠償対象外とする。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎)全くふざけた話で、これも勝手に100万円、30万円、10万円、5万円などと一方的に決め付けている。双葉郡を除く「旧緊急時避難準備」「屋内退避」両区域では、スギなどの人工林は賠償しない、何故なら「樹皮を剥げば製材として出荷できる」だと。こんなもの、はいそうですか、というわけにいかないだろう。たとえば、その放射能まみれの樹皮は誰が剥いでくれるのか、また、剥ぎ取った樹皮はだれがどうするのか。まして、「旧緊急時避難準備」「屋内退避」両区域以外となると、いかなる山林も賠償しないというのだから、話にならないのだ。東京電力役職員や霞が関の役人どもの財産についても、同じようにしてやったらどうか。

 

4.(勝手に決めるな:その3)原発賠償に追加基準 東電 住宅取得や修繕費対象(読売 2014.5.1

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「同区域内に持ち家がある被災者の場合、避難指示解除後に帰還する際の自宅修繕費や、移住先で住宅を取得する費用などが対象。被災者が負担した金額と、これまで東電が支払った財物賠償金の差額が支払われる。持ち家の築年数などに応じて上限が設けられる。原発事故前に借家に住んでいた被災者の場合は、転居先の家賃や礼金などの相場を基に算出した。帰還する被災者は、1世帯当たり一律10万円(世帯人数が2人以上は1人増えるごとに1万円を加算)、同区域外の借家への転居は一律162万円(同61万円を加算)が賠償される。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎)これも同じで「勝手に決めるな!!」だ。賠償・補償は大日本帝国の臣民に対する「配給」ではないのだ。

 

5.福島第1原発事故の損害賠償をめぐる動き(福島民報 2014.7.1

(賠償・補償をめぐる被害者の動きに関する若干の記事、これからもこうした動きはますます増えてくるだろうし、増えてこなければいけない。日弁連は被害者を全力で支援してほしい。何度も申しあげて恐縮ながら、福島第1原発事故の被害者の方々を救済できないようなら、日本の司法も法曹界もいらない)

 

6.医療費支給の試案示す、支援議連 放射性物質原因の病気(福島民報 2014.5.30

 超党派の国会議員で組織する「子ども・被災者支援議員連盟」の総会で、福島第1原発事故に伴う放射性物質が原因で発症した病気に関して、医療費支給の法律試案が示されたという記事。試案では、震災当時18歳未満だった福島県のこどもが甲状腺がんを発症した場合に医療費を支給する、環境大臣が任命する、とある。

 

 しかし、何故、18歳未満だけなのか、何故、福島県に限るのか、何故、甲状腺がんだけなのか(甲状腺のその他疾患も対象にならないし、甲状腺以外の病気も対象外)、「放射性物質が原因の病気」とあるが、その因果関係はだれがどのように証明するのか、など、この法案は問題だらけである。この議連は本気で福島第1原発事故の健康被害者を支援・救済する気があるのかな???

 

7.福島原発事故コスト 少なくとも11兆円 国民に負担押し付け(東京 2014.7.23

 https://twitter.com/hiyohiyo145/status/491731317357154304/photo/1

 http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/archives/6292

 

 福島第1原発事故の後始末費用=廃炉・追加事故防止、除染・汚染ごみ管理、賠償・補償・再建支援のそれぞれにかかる費用は、これまでに既に11兆円にもなっているが、こんな金額ではとてもおさまりそうにない。それぞれについて、今までの何倍もの費用が必要になり、さらに加えて、これから出てくる健康被害への巨額(賠償及び治療・療養)費用や、使用済み核燃料及び溶融燃料の半永久管理のための費用が積みあがる。いったい、この費用は誰が負担するのか。

 

 原発は必ず過酷事故を引き起こし、引き起こした後は、すべて有権者・国民がその尻拭いをさせられ、場合によっては深刻に被ばくさせられる。しかし、電気は原発などなくても手に入るし、原発などなくても足りている。では、何のために原発を稼働するのか。原発とは現代の「狂気」である。

 

 <本来あるべき賠償・補償の基準>

(1)全ての被害者の全ての被害・損害が何の留保条件を付けられることなく全額賠償または原状復帰されること(逸失利益含む)

(2)全ての被害者の生活及び経営が再建されること(費用,段取り,その他の負担のすべてを加害者が負うこと)


(3)上記(2)の再建が確認できるまでの間,全ての被害者の生活及び経営が補償されること


(4)2011311日以降,上記の賠償・補償・再建費用が実払いされるまでの間,電気料金遅延にかかる「遅延損害金」と同利率(10%)の「遅延損害金」が被害者に支払われること


(5)悪質な交通事故被害の場合以上の慰謝料(迷惑料)が被害者に支払われること


(+α)被害者の被害は「お金」に変えられないものも多い。その部分を加害者・東京電力(及び原発メーカー)や事故責任者・国が万全にフォローすること 

早々

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

(1)加害者・東京電力や事故責任者・国は、福島第1原発事故の損害の賠償・補償を踏み倒そうとしている  (1)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/1-b12a.html

 

(2)加害者・東京電力や事故責任者・国は、福島第1原発事故の損害の賠償・補償を踏み倒そうとしている  (2)  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/1-edbf.html

 

(3)加害者・東京電力や事故責任者・国は、福島第1原発事故の損害の賠償・補償を踏み倒そうとしている   (3):原発過酷事故を起こしても「免責」だと、冗談ではない!!  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/1-37ef.html

 

(4)加害者・東京電力や事故責任者・国は、福島第1原発事故の損害の賠償・補償を踏み倒そうとしている   (4):見えてきたカラクリ  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/1-0379.html

 

 

2014年7月24日 (木)

原発推進カラクリ人形 : 元愛知県知事が中部電力からの裏金受け取りを認めた(朝日新聞スクープ)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

朝日新聞のスクープ記事の紹介です。「ウソ・偽り、汚い金、そして脅し」、原発推進の「3種の神器」の中でも最も強力な「裏金」の実態について、元中部電力幹部が匿名で告発をしている。記事によれば、裏金が手渡されたのは、中部電力管内の4つの県の知事候補者と2人の国会議員。この関係の取材で、なんと元愛知県知事の神田真秋がその受領を認めた。中部電力が、建設会社などの出入り業者に、工事代金や納入品の支払いを請求額より多めに行い、それをキックバックさせて裏金にするやり方、これは役所などでも裏金作りの手法として既に報道されている。嘆かわしいことに、日本全土に蔓延しているのかもしれない。

 

そして、おそらくこれは氷山の一角なのではないか。原発依存度が低い中部電力にしてこれだから、中部電力以外の各電力会社の場合には、もっとすごいことになっているに違いないのだろう。政治家とカネの問題は古くて新しい問題だ。未だに企業献金が廃止にならず、その代わりをするはずだった政党交付金が、ロクでもないことに使われ、そして、そのカネを使って、政党内部での一部政治家グループの政党所属政治家への統制支配が強まっている。日本の政治や政党が腐るにつれて、裏金もまた腐りながら、あちこちをぐるぐる回っているのだろう。

 

電力の安定供給・重要なベースロード電源、ゴタクを並べて推進される原発、しかし、その実態は「裏金の安定供給」「重要なベースロード裏金」であることが明らかとなった。愛知県のみなさま、みなさまの投票で選ばれた知事が、実は中部電力から裏金をもらっていましたよ。どうしますか? いっそのこと、中部電力を愛知県・名古屋市から叩きだしませんか? せめて浜岡原発を放棄するまでの間でも。

 

 <別添PDFファイル>

(1)中部電、政界へ裏金2.5憶円、8504年、取引先から工面(朝日 2014.7.20

 http://www.asahi.com/articles/ASG7G7KRGG7GULZU00M.html?ref=nmail

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140720-00000001-asahik-soci

 http://musasinokosugi.at.webry.info/201407/article_78.html

 

(2)4県の知事候補に裏金、中部電 愛知前知事認める(朝日 2014.7.21

 http://www.asahi.com/articles/ASG7G7HWWG7GULZU00H.html

 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6123921

 http://blog.zaq.ne.jp/achikochitei2/article/2136/

 

(3)政界対策 極秘の「遺書」(朝日 2014.7.22

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11257727.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11257727

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11257727.html

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140722-00000016-asahik-soci

 

(4)2人の議員に側に1億4千万円(朝日 2014.7.23

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11259385.html

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140723-00000003-asahik-soci

早々

 

 

東京電力ほめ殺しシリーズ : またやった、立派な心得、隠しごと (放射能ヒサン対策は悲惨(ヒサン))

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、既にマスコミによって報道され既知となっている、東京電力による福島第1原発のがれき撤去に伴う放射能拡散事件についてのものである。放射能の周辺環境への拡散を知りながら、それを公表せずに隠し続け、こうしてマスコミに報道されて事が大きくならないと、自分達から公表するということをしない(要するに隠ぺい体質だ)、原因はよくわからない・特定できないなどと「とぼける」(無責任で不誠実)、あるいは、今後も福島第1原発の放射能汚染がれきの撤去は行うが、それを事前に知らせる・公表するとか、農産物の収穫期は避けるとか、そんな配慮は「する」とは言わないで「検討する」でごまかす(無反省、被害者を馬鹿にしている)等々、あいも変わらずの東京電力の「ご立派」な対応ぶりに、福島県やその他の周辺県の住民の怒りは鎮まらない。

 

(おまけは農林水産省、別添PDFファイルの日本農業新聞によれば「基準値超過米の発生の原因は現段階ではまだ特定できていない」などと、側面から東京電力を応援して、地域の人々の怒りに油を注いでいるらしい。この役所、いったいどっちを向いとるのだろうか。こっち向け、ほい! だ)

 

私が極めつけと思ったのは、別添PDFファイルにある2014.7.19付の東京新聞記事で、この記事では、東京電力が現場でのミスやケガ防止のため、作業拠点にポスターを張り、防護服にはシールまで貼り付けて、注意を呼び掛けているということが報じられている。その中の一言に「2.全ての作業前に、最悪の事態を想定し、これを上司や同僚と共有して、その対策を講じておく」がある。その通りだが、ハテ、放射能汚染がれきの撤去作業はこの「注意書き」の例外だったのだろうか。それともこれは一種の「ブラック・ユーモア」なのか。

 

それにしても、書くだけ、言うだけの「改善」を「風呂の釜」といい(「ゆー」(湯)だけや)、私の育った大阪下町の小学校では厳しく戒められたものである。おそらく東京電力も、原発で湯を沸かし過ぎて「湯ーだけ」になってしまったのだろう。ほんまに立派な会社でおまんなあ。

 

 <別添PDFファイル>

(1)がれき撤去、20キロ先汚染、福島第一、昨夏コメにセシウム (朝日 2014.7.14

 http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/325.html

 http://cocologsatoko.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-e62a.html

 

(2)50キロ先 住宅地にも粉じん、原発がれき撤去(朝日 2014.7.16

 http://www.asahi.com/articles/ASG7H5SVWG7HUUPI00C.html

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140716-00000011-asahi-soci

 http://www.facebook.com/marjoramdew/posts/575768202542278

 

(3)飛散対策、効果は不透明、東電、改善を強調 (福島民報 2014.7.16

 http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2014/07/post_10369.html

 

(4)事実公表何故しない、東電・国の姿勢ただす (日本農業 2014.7.19

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28831

 

● 玄米基準超え、原発がれき撤去でセシウム飛散、東農大教授も指摘(日本農業 2014.7.17

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140717-00010002-agrinews-soci

 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28798

 

(5)不明略語、戸惑う現場(東京 2014.7.19

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2014071902100006.html

 

なお、この問題については、「おしどりマコ・ケン」さんたちが、とてもいいレポートをネット上に掲載してくれています。ぜひご覧ください(下記)。

 

 <南相馬の玄米に放射性物質が直接付着>

(その1「関係者の苦悩」)http://no-border.co.jp/archives/24620/

(その2「3号機の汚染ダスト」)http://no-border.co.jp/archives/24627/

(その3「セシウムボール」)http://no-border.co.jp/archives/24639/

 

 上記サイトのマコさんの次のような記述にも十分の注意が必要です。しっかりと頭に刻みつけておきましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「関係者によると、近隣の道路をどのような車が通行したのかも調査をしたという。また、除染をしていない山などから放射性物質が舞い上がって付着したのなら、その他の地域・時期も同じような現象がみられるはずであるが、無い。天候・風向きなど、様々な調査を重ねた結果、やはり、福島第一原発から風に乗り飛んできた放射性物質が付着したのではないか、という結論になる。」(田中一郎:農林水産省の「こっち向け、ほい」の官僚どもよ、よく見ておけよ。この期に及んでつまらぬことを言うな!)

 

「「汚染されるのは、玄米だけではない、作業しているのは人間なのだ。試験栽培だけではなく、このあたりは避難指示解除準備区域でもない。原因不明の直接付着が見られるような状態のところで、人間だけが被ばくをしない、と誰が言えるだろうか。」

 

「(筆者は、ガレキ撤去にあたっていた作業員から別の懸念を聞いて取材していた。)それは、ガレキ撤去を発表せず、東京電力が片付けることで、現場検証ができなくなるのでは、という懸念である。 「原発が爆発した後、そのままの状態で残っていた建屋をどんどん片付けている。 どの構造物がどこに落ちたのか。どういう力が加わったのか。これは重要な情報ではないのだろうか。普通、爆発事象などは、消防暑や警察、第三者が入り、どういう爆発があったか現場検証をする。でも、事故後の原発建屋は人間が入れないため、第三者の現場検証が行われていない。 このまま、ガレキをどんどん撤去していっていいのだろうか?」」

 

「研究者から示唆されたのは、14ページの「球状セシウム粒子」の部分であった。これによると、PM2.5の粒径に相当する「球状セシウム粒子(仮称セシウムボール)」なるものが環境中に存在するという。福島第一原発事故の初期に放出されたセシウムの主要な形態が、球状セシウム粒子だと推定される。この球状セシウム粒子は、環境中や生体中で長期にわたり変化しないと推定され、環境影響・生体影響も不明なため、さらに検討する必要がある、とのことであった。」(田中一郎:いわゆる「ナノ(放射性)物質」としての放射性セシウム粒子である:危ない!!)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ちなみに私(田中一郎)は、福島第1原発から、いつ何どき大量の放射性物質が飛んでくるかわからないような場所で(しかも既にかなり汚染されている、空間線量も高い)、人間が生活をしたり、生業を営んだり、農林水産業に従事したりするのはやめた方がいい、と考えている。原発震災からの復興は人間の復興でなければならず、従ってまた、復興に携わる人々の命と健康が犠牲になってしまっては、本も子もないからだ。

 

 それにしても、この東京電力という会社、ええ会社やなあ、ほんまに、立派な会社やなあ、ほんまに、涙がちょちょ切れるわいな。ご立派すぎてね。

早々

 

日本の選挙はもはやインチキの固まりなのか!? : 参院選・高松市選管幹部の不正起訴=野党はあらゆる選挙の投開票への強力な監視を!! +いくつかのお知らせ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

まず最初に下記サイトをご覧下さい。

(1)#ふくしま集団疎開裁判 【速報】第二次裁判の概要決定。提訴は8月29日。子ども人権裁判に加えて、3.11以降の国と福島県の救護政策の違法性を問う親子裁判を追加

 http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2014/07/blog-post_17.html

 

 8/29(金)は福島市:東京からはバスをチャーターしてみんなで一緒に行きます(まもなく申し込み方法その他のお知らせをいたします)。

 8/18(月)(予定):東京で記者会見をする予定です(これも後日詳細をお知らせいたします)。

 

(2)【広瀬隆】今月号のDAYS JAPANは福島被災者の大特集です 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/39226871.html

 

 広瀬さんがおっしゃる通り、今月号の『DAYS JAPAN』は必見です。

 http://www.daysjapan.net/

 

(3)【広瀬隆】画像をご用意致しました。 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/39249528.html

 

(4)原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の設定について |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000051630.html

(本日、原子力災害対策本部は、昨日までの検査結果等から栃木県に対し、栃木県 茂木町(もてぎまち)において採取されたきのこ(野生のものに限る。)について出荷制限を指示しました)

 

●栃木県のきのこの検査結果(7/17分)

http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/kensakekka/pdf/h260717totigi.pdf

 

● 林野庁-きのこ・山菜等の放射性物質の検査結果について

 http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/kensakekka.html

 

 きのこは野生の「ちちたけ」で、検出された放射性セシウムは130ベクレル/kgのようです。この結果は、栃木県茂木町(もてぎまち)を中心に、この周辺一帯が放射能汚染地帯であることを意味しています。栃木県茂木町は、栃木県と茨城県の県境のまちですが、この地域の方々は、放射線被曝、特に呼吸や飲食による内部被曝をしないように注意いたしましょう。うっとうしいけれども、日常的には強力なマスクをした方が無難です。また、ホット・スポットなどに注意をし、見つけたら直ちに除染をし、汚染物は厳重に保管いたしましょう。また、川魚やキノコ類や野生生物の肉、乾燥物など、汚染されていそうなものは食べないように気を付ける必要があります。また、食べものについては、定期的に放射能検査をし、放射性セシウムだけでなく、放射性ストロンチウムやアルファ核種なども調べる必要があります。子どもは大人に比べて放射能にはるかに弱いですから(10倍以上)、妊婦(胎児)を含む子どもの放射線被曝回避は特に重要です。行政の出番といえるでしょう。

 

(ここから本論)

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この日本でこんなことがあるのか。信じがたいことが起き、犯人が起訴されています。先般の参議院選挙の際に、高松市の選挙管理委員会幹部らが、投票結果に対して不正を行い、候補者の得票を操作していたというのです。詳しくは別添PDFファイルか、または下記URLをご覧ください。

 

 <別添PDFファイル>

● 票数不足と誤認、白票水増し:参院選 高松市前専管幹部起訴(朝日 2014.7.16

 

 <関連URL>

(1)http://www.asahi.com/articles/DA3S11245465.html

(2)http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20140716-OYO1T50000.html

(3)http://mainichi.jp/opinion/news/20140721k0000m070113000c.html

 

今回のことは、ごまかされた候補者が政権党・保守の自民党候補者であったこと、また、ある選挙区では、その候補者の得票がゼロで、複数の有権者から「自分が投票したのに何故ゼロだ」という訴えがあったことで、不正発覚が分かりやすかったことから表面化している。しかし、これはどうも「氷山の一角」と見ておいた方がいいのではないか。日本国中の行政が劣化している中で、かような間抜けの選挙管理委員会ばかりではなく、もっと巧妙に、与党得票の水増し・野党得票のドラスティックな引き抜き廃棄が行われているとみて、おかしくはない。

 

真偽のほどは不明ながら、ネットで「不正選挙」と入力してサイト検索すると、たとえば下記のように、たくさんの「不正選挙告発サイト」が見つかる。

 

 <不正選挙告発サイト>

(1)http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-1757.html

(2)http://richardkoshimizu.at.webry.info/theme/90f57c20dc.html

(3)http://不正選挙.jp/

 

どれがどうということは言えないが、私から見て、たとえば下記のようなことがいかにもずさんで、これでは、日本国中、あちこちで選挙の投開票の段階で不正が行われているだろうな、と思わされる。

 

1.投票用紙の管理がずさん。投票用紙を1万円札並みに管理し、その枚数管理を徹底しないと、水増し投票は簡単にできてしまう。

2.期日前投票が危ない。特に、投票箱のカギの問題(万年同じかぎを使っていて悪意の選管職員は簡単に合いカギがつくれる、投票箱の保管状況がいい加減で不正のために簡単にアクセスできる、以前の不在者投票のように二重に封印して投票を厳重管理していない ⇒ 元の不在者投票方式に戻せ等)

3.投票所から開票所に投票箱を持っていく間が危ない(第3者管理がない:不正可能)

4.得票をカウントする機械が「ムサシ」とかいう会社の独占状態、そのプログラムや公正性がチェックされたことがない

5.同じ筆跡の投票が山のように入った投票箱が持ち込まれることがある(投票箱管理もずさん)

6.選挙管理委員会が、開票監視人のクレームの邪魔をしている(ふざけんな、という話だ、大げんかすべき)

 

こうした低レベルの話は、ここ数年前から出てきている。私はひとえに野党の危機感の乏しさ、ということではないかと思っている。自分の得票が悪意で不正に減らされているかもしれないというのに、何をボサーとしているのかということだ。自民・公明・みんな・維新以外の野党は、一致協力して、この選挙の投開票の不正を絶対に許さないための体制を組んで事に当たるべきである。

 

日本の選挙は、ついに3重の意味で「不正の固まり」のようになってしまったようだ。その狙いは、もちろん自民党政権の恒久化である。日本の民主主義・民主政治を実現するには、まず、この「不正選挙」一掃のための取組をみんなで協力して行い、選挙管理委員会を刷新しなければいけないのではないか。そして、その次に、2つの選挙制度の抜本改革だ(公職選挙法の抜本改正、小選挙区制度廃止・政党交付金廃止⇒資金使途厳格な国会議員交付金へ)。

 

不正その一 選挙の投開票を操作し、意図する候補者を必ず当選させ、意図する別の候補者は必ず落選させる

不正その二 公職選挙法(市民の選挙への参加や選挙活動を妨害する)

不正その三 わずかばかりの得票率で議会の議席の大半を占領してしまうことができるマジック制度「小選挙区制度」

早々

 

2014年7月23日 (水)

必読 「放射能汚染とリスクコミュニケーション (PHNブックレット:天笠啓祐/著)」

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 放射線被曝を理解するために必読の、かつ、誰にでもわかる平易な解説書が発刊されました。著者は科学ジャーナリストの天笠啓祐氏です。別添PDFファイルには、その新著書のエッセンス部分を切り抜いて添付しておきました。表題よりも、その内容にご注目ください。切り抜いた部分を簡単に一言で申し上げれば、「放射線被曝評価の矮小化と、その今日までの歴史」とでも言えると思います。

 

 以下、天笠啓祐氏の今回の著作や、その他の著作を含む関連図書等を簡単にご紹介しておきます。それぞれ、ぜひご一読ください。今回の著作には、下記でご紹介する内容以外にも、たとえば「食べものの放射能汚染」の問題や、「リスク・コミュニケーションの本来の在り方」などなど、知っておくべき事柄がコンパクトにまとめられています。

 

 現代は「核被ばく強制・押し付けの時代」です。我々が生きていくための「護身術」として、きちんとした放射能と被ばくに関する知識がどうしても必要です。安易に日本の政治・行政や文部科学省の副読本、あるいは御用学者などを信じてしまうと、結果的に、子子孫孫まで放射能で傷つけられ、場合によっては殺されてしまいます。放射線被曝は、一旦被ばくすると、その傷は消えることはなく、累積的に健康被害をもたらし、かつ、自分自身のみならず、自分の子どもや孫、ひ孫、さらにはその子孫にまで、延々と健康被害や遺伝的障害が続いていく可能性のある超危険物です。

 

 かようなもの(核兵器を含む核エネルギーの利用)は、人間を含む生物とは共存できない、まさにグロテスクな人類滅亡への引き金となる「無用の絶滅道具・自滅機械」です。電気など、いくらでも手に入れる方法があるのに、何故に「絶滅道具・自滅機械」を使って湯を沸かし、電気を作らねばならぬのか。バカもここまで来ると、死ななきゃ治らないのか、ということです。しかし、死んでたまるか、バカに殺されてたまるか、なのです。

 

● 放射能汚染とリスクコミュニケーション(PHNブックレット:天笠啓祐/著)

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033116596&Action_id=121&Sza_id=GG

 

 今回の新著作は必読・平易の解説パンフレットです。以下に、少しだけ内容をご紹介しておきます。ちょっと前にご紹介した、下記のような「放射線ムラの陰謀」にまんまとはまりこまぬよう、天笠啓祐氏の著書で被ばくリテラシーを身につけましょう。

 

(東京新聞記事)原発事故後の健康支援で逆走 環境省の専門家会議(こちら特報部) 赤かぶ(別添PDFファイル)

 http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/432.html

 

(VTR)参考人「健康調査や線量評価の抜本見直しを」環境省会議 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node%2F1806

 

(上記VTRで、この似非委員会の座長=長瀧重信の発言をよくご覧になってみてください(VTRの最初と最後の方に現れます):福島県民の被ばく線量=特に内部被曝など、は正確なところはわからないし、個人によっても大きく違います。そもそも、事後的にわからなくなるように、初期被ばくの段階から、その測定が妨害され、回避され続けてきた経緯があるのです(もちろん、被ばく検査・測定を妨害し回避したのは、この似非委員会に連なる放射線ムラと、その代理店政府及び自治体です)。また、シーベルトという被ばく単位もインチキです。原子力ムラ・放射線ムラがでっちあげた、内部被曝の実態を表さない、放射線被曝矮小化の小道具です。)

 

(そんな状態で、被ばく線量に基づいて、「福島県民以外は検査は不要だ」などと断定することが、どういうことを意味しているか、少し考えれば自明のことではないかと思います。津田敏秀岡山大学大学院教授(疫学・公衆衛生学)が言うように、つべこべいわずに福島県以外の汚染地域の健康調査を直ちに始めればいいのです。これを妨害する放射線ムラの御用学者たちは社会的に葬り去りましょう)

 

 <天笠啓祐氏の他の必読著作>

● 子どもに食べさせたくない食品添加物-天笠啓祐/編著 食べもの文化編集部/編著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033114617&Action_id=121&Sza_id=C0

 

● TPPの何が問題か-天笠啓祐/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033096604&Action_id=121&Sza_id=C0

 

● 遺伝子組み換え食品入門 必要か不要か?安全か危険か?-天笠啓祐/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032978992&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 <関連する著作で必読のもの>

●放射線被曝の歴史 アメリカ原爆開発から福島原発事故まで-中川保雄/著 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032660915&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 少し難しいですが、この本はできれば全ての方の読んでいただきたいです。国際放射線防護委員会(ICRP)や放射線影響研究所(RERF)(長瀧重信の古巣=悪の巣窟)の何たるかがよくわかります。

 

 <これも見ておいた方がいいと思われます>

 http://www.youtube.com/watch?v=AU6YrT0q1SQ

 http://www.youtube.com/watch?v=fkNr6DoBcII

 http://www.youtube.com/watch?v=a_WRsHyOTjY

 

(以下、「放射能汚染とリスクコミュニケーション(PHNブックレット:天笠啓祐/著)」より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<原爆開発から始まった許容量の考え方>

 

「ICRPが最初に出した1950年の勧告は、まだ職業人だけのもので、被曝線量限度は年間15レム(150ミリシーベルト)1週間0.3レム(3ミリシーベルト)という数字でした。まだ一般市民の被曝に関しては、被曝線量限度はだされませんでした。ただし、この時に集団被曝線量(人・レム)という概念が初めて登場したのです。集団被曝線量とは、すでに述べましたように、放射線によって受ける健康被害を個人で見るのではなく、集団で見るという考え方です。晩発性障害は、個人で評価できないからです。例えば、同じ被曝線量でもがんになる人ならない人がいます。集団で見ると被曝に応じてがんの発生率が増えていきます。こうして、放射線の被曝と人口とを掛け合わせて、発癌などのリスクを導き出すようになりました。」

 

「ICRPが次に出した1958年勧告」では、初めて市民の放射線防護基準が設定され、職業人の10分のlとされ、職業人年間5レム(50ミリシーベルト)、一般人年間0.5レム(5ミリシーベルト)という基準が出されました。この勧告の際に採用された考え方が、「リスク・ベネフィット」の考え方でした。直訳すると「危険と利益」となります。では、このリスク・ベネフィットの考え方とは、どんなものだったのでしょうか。」

 

「繰り返しますが、晩発性放射線障害においては、これ以下なら安全だというしきい値は存在しません。そのためリスクとベネフィットのバランスの上に設定される考え方が、許容量です。1970年代までは、この考え方が一般的でした。この我慢量という考え方は、リスクを負うものと、利益を得るものが同じでなければ成り立ちません。しかし、原発が増えることで、この考え方について見直しの雰囲気が醸成されていくのです。」

 

<原発推進のためにゆがめられた被曝基準>

 

「そこで次に登場したのが、現在も使われている「アララの理論」と呼ばれる考え方です。この原則は、ICRPによる1977年の勧告の際に採用されました。アララとは「As Low as Reasonably Achievable」のそれぞれの単語の頭文字を組み合わせたものです。「合理的に達成可能な限り、低く押さえるべきである」という考え方です。「合理的に達成可能な限り」というところに比重が置かれた考え方でした。」(「ALARA原則」は「あらら変ね原則」と覚えましょう:田中一郎)

 

「この理論を導入するに当たって、「リスク論」と呼ばれるものが大手を振ってまかり通るようになりました。「リスク論」でよく取り上げられるのは、交通事故との比較です。」(「リスク論」にこそ、猛烈な、およそ引き受けることのできないリスクがあります。要するに、インチキ屁理屈学です:田中一郎)

 

「(許容線量の考え方では)不均一被曝の考え方が、ある程度まで生かされていたのです。しかし実効線量当量では、そのような特定の臓器や組織を対象にするのではなく、各臓器や組織への影響の総和という形で、モテル化して計算上の被曝限度を設定する方式に変更されたのです。この計算方式では、恣意的に数値が設定される可能性が強く、結果的に被曝限度の大幅緩和をもたらしました。たとえば、ストロンチウム90では、1000ベクレル/kgの放射能を取り込んだとき、従来の方式では44.4ミリレムと評価していましたが、実効線量当量では、3.85ミリレムとなり、実に10分のl以下の評価になってしまいました。」

 

<もっとも影響を受けるのは子どもたち>

 

「このようなエピジェネティックスでの異常を引き起こすことも考えられますが、この仕組み自体がまだよく分かつていませんし、放射線がどのように影響するかもわかりません。」

 

「さらには、細胞にはほとんど修復機能がありません。そのため細胞の機能が変更を受けたり、まともに機能しなかったり、時には細胞死が起きる危険性もあります。しかし、これにしてもどの程度の線量を被爆したら、どのような影響が起きるか、正確には分かっていません。」

 

「さらには、放射線の影響と、他の有害物質の影響が重なることによる影響の拡大も起こり得ます。すでに述べましたが、いまの科学は、他の要因を排除して、その一つの物質がもたらす影響に関して評価する方法を用いています。これでは農薬や食品添加物、大気汚染などさまざまな要因にさらされている私たちの日常生活とは大きなかい離があります。」(放射線被曝と有害化学物質、有害金属、有害ナノ物質などとの「相乗効果」が懸念されます:田中一郎)

早々

 

 

2014年7月22日 (火)

ある2人が書いた、とてもよく似た2つの詩 (権力のウソと方便は今も昔も同じ : アーサー・ビナードと高田渡)

前略,田中一郎です。

 

ある2人が書いた、とてもよく似た2つの詩をご紹介します。それぞれ最初と最後の詩文にご注目ください。これを見ていると、権力のウソと方便は今も昔も同じであることがよくわかります。民衆は、うまく言い含めれば簡単にだませるのだ、と思い込んでいるところも同じで、まるで間抜けのタヌキが尻だけ化けるのを忘れているかのごときです。この2人の詩人は、その滑稽なる「間抜けのタヌキ」の尻を蹴飛ばしながら、詩で、歌で、からかっています。

 

(その1:現代版)安全審査 アーサー・ビナード(東京新聞 2014.7.21

 

核分裂によって生じる放射性物質は危険です。

非常に危険ですから閉じ込める必要があります。

 

しっかり閉じ込めるために分厚い鋼鉄でできた

原子炉圧力容器と原子炉格納容器があります。

 

最先端の技術を駆使して作りますから安全です。

なにが起きても放射性物質を外へは出しません。

 

原子炉の冷却ができなくなった場合を想定して

その万が一の危険に備え圧力容器と格納容器に

 

穴をあけてベント弁をつける必要があります。

 

べントを使って排気すれば炉内の圧力は下がり

爆発を回避できますから安全性に寄与します。

 

たとえ放射性物質が外部へ放出されたとしても

最先端の技術を駆使してモニタリングします。

 

人体に影響を及ぼすような値にはなりません。

 

放射性物質のレベルが高くなった万が一の場合

最先端の技術を駆使して除染をおこないます。

 

除染すれば害にならない値まで下がりますから

核分裂によって生じる放射性物質は安全です。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(その2:ちょっと昔) 値上げ 高田渡

 

値上げは ぜんぜん考えぬ

年内 値上げは考えぬ

当分 値上げはありえない

極力 値上げはおさえたい

今のところ

値上げはみおくりたい

すぐに 値上げを認めない

 

値上げがある

としても今ではない

なるべく値上げはさけたい

値上げせざるを得ないという

声もあるが

 

値上げするかどうかは

検討中である

値上げもさけられない

かもしれないが

まだまだ時期が早すぎる

 

値上げの時期は考えたい

値上げを認めたわけではない

すぐに値上げはしたくない

値上げには消極的であるが

年内 値上げもやむを得ぬ

近く 値上げもやむを得ぬ

値上げもやむを得ぬ

値上げにふみきろう

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

早々

 

(追1)今週号の週刊東洋経済と週刊ダイヤモンドが面白い

● 週刊東洋経済

 http://store.toyokeizai.net/magazine/toyo/

 

(特集)21世紀の資本論

「重厚な経済書が欧米で飛ぶように売れている。フランス人経済学者、ピケティ教授による『Le capital au XXIe siecle21世紀の資本論)』だ。格差の拡大は資本主義に内在するメカニズムだとし、急進的な課税による再分配を求める。日本の足元に広がる不透明な状況は、本書が示す資本主義の暗鬱な未来の一様相なのだろうか。」

 

● 週刊ダイヤモンド

 http://dw.diamond.ne.jp/list/magazine

 

(特集1)相場を動かす「アベマフィア」(全人脈・全内幕)

(特集2)法人税減税の不都合な真実

(特集3)囚われた投資銀行 グローバル金融規制強化の末路

 

2014年7月18日 (金)

ベネッセ個人情報漏出事件(続報 & コメント)とお知らせ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

最初に3つばかり、サイトをご覧下さい。

(1)ふくしま集団疎開裁判 【速報】第二次裁判の概要決定。提訴は8月29日。3.11以降の国と福島県の救護政策の違法性を問う親子裁判を追加。

 http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2014/07/blog-post_17.html

 

(2)8 29 日「子どもを被ばくから守れ」裁判を提訴します。私たちと一緒に原告なりませんか。

 http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear2/140718flyer-appeal.pdf

 

(3)【広瀬隆さんより】全国のみなさま、再び呼びかけます 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/39196812.html

 

ここから本論

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別添PDFファイルは、ベネッセ事件(個人情報漏出事件)について一昨日にお送りしたメールに私が書いたことと同じようなことが詳細に報道されている記事です。ご参考までにお送り申しあげます。

 

 <別添PDFファイル>

(1)名簿取引業者、責任グレー(東京 2014.7.18

(2)ベネッセ事件、名簿ビジネス暗躍(朝日 2014.7.18

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11249715.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11249715

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11249733.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11249733

 

何度も繰り返して恐縮ですが、日本の個人情報保護法なんぞは、個人情報保護のためにあるのではありません。今回のベネッセ事件が赤裸々に示すように、個人情報が不正だろうがなんだろうが、一旦市場に漏れ出たら、それを企業が海千山千の業者を使って徹底的に使い尽くす、使い尽くしてもいいですよ、という法制度です。いわば、企業の商売を個人情報保護に優先させているのです。今回のような事件の取締法が、個人情報を保護する法律ではなく、企業間の適正な競争を確保することが目的の「不正競争防止法」であることもおかしな話です。企業が等しく適正に競争しながら、個人情報を不正に利用し尽くせ、と言っているようなものです。

 

新聞記事から、ポイント部分を一部抜粋してみましょう。

 

(東京新聞 7/18)

「厳重に管理された顧客情報などの営業秘密を複製し、売却する行為は不正競争防止法違反に当たる。不正に入手された個人情報と知りながら購入すれば、同法違反や個人情報保護法違反に問われる可能性があるが、「不正」との認識がなければ摘発は難しい。」

 

「ある業者は「情報の出所のチェックが徹底されているわけでない。売買の実態はグレーだ」と明かす。「不正なものでは」と、うすうす感じていても「知らなかった」と言い逃れできる土壌もある。」

 

(読売新聞 7/17)

「男性は「個人情報の取引は、出所を『言わない』『聞かない』が暗黙のルール。警察に聞かれでも『知らなかった』と答えるだけだ」と言い放った。」

 

「同法(筆者注:不正競争防止法)では、厳重に管理された「営業秘密」は、不正持ち出しだけでなく、「不正の利益」を得る目的で買い受け、転売することも禁じている。だが、名簿業者が不正に入手された情報であることを「知らない」と言えば摘発は難しい。」

 

「今回、情報を持ち出したとされるシステムエンジニ一アが6月まで複数回、買い取りを求めた名簿業者は、警視庁に「ベネッセ社の情報とは知らなかった」と話している。情報が転売された東京都武蔵野市の業者や昭島市の業者も、同様に「知らなかった」と説明している。」

 

「名簿業者の多くは、5000人を超える個人情報を取り扱う事業者で、個人情報保護法の規制対象だ。情報を第三者に提供する場合、本人への通知か、情報提供されることを本人が「容易に知りうる状態」にすることが義務付けられる。取り扱う名簿の表題をホームページで公表する業者もあるが、名簿に掲載された人には、ほとんど伝わっていないとみられる。」

 

「違反者には是正勧告や命令が出されるが、名簿業者を対象とするケースは1件もない。そもそも所管官庁が決まっておらず、業界の実態を把握し切れていないのが現状だ。」

 

(朝日新聞 7/18)

「子どもの情報は業者にとって垂涎(すいぜん)の的だ。受験や成人、就職と、将来にわたって利用機会が多いからだ。百万人単位の名簿が出回っている、との話は業界内を駆けめぐったという。ベネッセの情報は関西や九州の業者にも出回った。「最初に情報を入手した業者はぼろもうけだ。買値の何倍もの値段で何回も売れる」」

 

「「通信販売購入者名簿」「そろばん塾の生徒1500件分」。名簿は転売を重ねる。業界関係者によると、出所自体がわからなくなれば、「不正入手した情報は一切取り扱っていない」という大手も扱いやすくなるという。」

 

「希望しないDMが来た時は、どうすればいいのか。同法では、DMの送り主は受取人の求めに応じて個人情報を開示する義務がある。受取人が個人情報の利用に同意していない場合、データの利用を止める義務もある。消費者庁の担当者は「まずは地方の消費生活センターなどに相談してほしい」と話す。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(個人情報を扱う名簿業者を所管する官庁も決めないで「消費者庁の担当者は「まずは地方の消費生活センターなどに相談してほしい」と話す」はないでしょう。なんでもかんでも、自治体の、しかも体制の薄い「消費生活センター」に押しやってしまって、自分達はそしらぬ顔をしているのです(私の体験では「消費生活センター」もまた、たらい回しがお得意のようですが)。消費者庁はいったい何のためにつくった役所なのでしょうか。典型的な「責任回避型たらい回し役所」です)

 

ところで、この事態を解決するのに難しいことは何もありません。個人情報が不正に漏れだす発生源だけを厳しく規制するのではなく、個人情報を入手する名簿業者をはじめ、そのユーザーに対しても、利用する個人情報の適正性・合法性を確認させる法的義務を負わせればいいのです。そして、その義務を怠った場合には、刑事、民事、行政の各法律上のペナルティを厳しく定めておけば、個人情報は十分に保護されるでしょう。悪いことをする奴には灸をすえる、ただそれだけのことです。御用人間やボケた評論家を集めて、いくら「個人情報保護審議会」なんぞを開催してみたって、事態は改善いたしません。(個人情報利用に関しては、インターネットに張り出しておきましたから、文句がある方はどうぞ、などというのはふざけた話です。ネットに張り出すこと自体、個人情報保護を逸脱しています)

 

また、もう一つは、個人情報については、その個人情報の個人本人にオールマイティの法的権限を与え、本人の意図に反して流通している自分の個人情報については、(担当行政庁への)申し出に対応して、ただちにその利用の差し止めができるよう、行政庁は責任をもって対処しなければなりませんし、そのためには、名簿業者管理を含む個人情報保護のための統一した担当官庁・責任官庁が必要になります(今は業者ごとにバラバラの無責任・たらい回し体制)。また、不正に利用した業者に対しては、あるいは上記で申し上げた適正性・合法性を確認しないで利用した企業に対しては、利用された個人情報の本人は損害賠償を請求できてしかるべきです(適格消費者団体がまとめて提訴するような仕組みなども必要)。

 

今回のように、個人情報に関する明らかな犯罪行為ですらが、漏出源以外の名簿業者その他の関係当事者に対して刑事責任が問えない、問われない制度は、明らかな欠陥制度であることを、改めて確認しておく必要があります。しかし、こうしたことは、既に住基ネット問題の際に、多くの人たちが指摘をしていたことであり(何故なら住基ネットにある情報が漏れ出るのはほぼ確実だからです)、個人情報保護法が定められる時にすでに分かっていたことです。そういう意味で「確信犯」=つまり政府と産業界がグルになった、個人情報へのハイエナ行為だったと言えるでしょう。

 

(一方で、かようないい加減で出鱈目なことをしておいて、他方では、個人情報保護を口実に、国も自治体も行政情報の公開を拒んでいるのですから、有権者・国民・消費者の怒りは倍増します。何をやってもちゃんとできない、それが日本の行政であり、日本の司法です)

早々

2014年7月17日 (木)

鹿児島川内 「核」 時限爆弾がセットされる!!:川内原発を再稼働してはいけないこれだけの理由(原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は解散せよ)

前略,田中一郎です。(皆様、新聞をとるなら東京新聞です)

なお,別添PDFファイルは著作権上の問題がありますので,第三者転送・転載はご容赦ください。

 

既にご承知の通り、2014716日(水)、原子力「寄生」委員会は、鹿児島県薩摩川内市にある九州電力川内原発1,2号機について、原発の新しい規制基準に適合しているとの審査結果の案を了承した。この後、パブリックコメントなどを経て、今年秋・10月以降に再稼働の運びとなるものと見られる。

 

とんでもない話である。福島第1原発事故の原因究明(ハードのみならず、関係する人間集団の対応の仕方などのソフト面も含め)を棚上げにし、また、福島第1原発事故後の多くの対応の出鱈目や失敗に対する反省や教訓をも顧みず、ただただ、原子力ムラによる、原子力ムラのための、原子力ムラの原発再稼働に全力疾走する原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の愚かな姿が浮かび上がった。地域住民のみならず日本国民すべての命と健康・財産や生活を原発過酷事故の危険にさらして、自分達の「食いぶち」である原発・核燃料施設にしがみついたのが今回の田中俊一原子力「寄生」委員長以下の「(川内原発1,2号機)規制基準審査適合(案)」了承・公表である。

 

同じ致命的な失敗を繰り返す民族や国に明日はない。地域住民や国民を原発・核燃料施設の過酷事故から守れない原子力「寄生」委員会・「寄生」庁など有害無益ゆえに、今回のバカバカしくも愚かな「適合(案)」了承を契機に、この2つの組織は解散・解消されるべきである。地域住民・国民を翻弄するのもほどほどにせよということだ(そして、この田中俊一以下、ロクでもない5人の原子力「寄生」委員を選んだのは、民主党政権であったことも、しっかりと記憶しておこう。原子力ムラの代理店政策を続けながらも、他方で口先だけ・その場しのぎの脱原発論を垂れ流すニセモノ政治家・インチキ論者に、二度とだまされてはならないからだ)。

 

以下、主要3紙(東京、朝日、毎日)のうち、最もしっかりとした原発報道を展開している東京新聞の記事をベースに(但し、7/17付東京新聞社説はいただけない)、この川内原発を再稼働してはいけない理由が、どれだけあるか、簡単に整理してご紹介しておきたい。このままいけば、この2014年7月16日が、日本滅亡へ「再」スタートを切った記念すべきも忌まわしい「金字塔」の日となるであろう。原子力ムラとの「最終戦争」は、いよいよ乱闘場面に差し掛かってきた。彼らを滅ぼすのか、逆に我々が彼らに滅ぼされるのか、2つに一つの「最終決戦」が火を吹いている。妥協の余地など全くない。甘い考えは捨てることである。(読売、日経は原子力ムラの御用新聞と化していて役に立たず、また、サンケイはのっけから相手にせず)

 

 <別添PDFファイル>

(1)川内原発の審査結果案、疑問抱え再稼働「適合」(東京 2014.7.16 夕刊)

(2)川内原発審査書案要旨・田中俊一委員長会見要旨(東京 2014.7.16 夕他)

(3)川内原発再稼働「適合」、「厳格審査」に穴(東京 2014.7.17

(4)川内原発再稼働審査「適合」に関する社説(東京 2014.7.17他)

 

 <ネットサイト:東京新聞>

(1)(7/16夕)東京新聞疑問抱え再稼働「適合」 川内原発 規制委が審査結果案社会(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071602000268.html

 

(2)東京新聞川内原発再稼働「適合」 「厳格審査」に穴社会(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071702000146.html

 

(3)東京新聞川内原発、審査で安全性担保せず 原子力規制委員長社会(TOKYO Web)

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071601001601.html

 

(4)東京新聞川内原発・審査「適合」 ゼロの目標はどこへ社説・コラム(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014071702000179.html

 

 <「いちろうちゃんのブログ」>

 福島原発事故の原因もわからずに、原発を再稼働していいのか いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-635d.html

 

 <ネットサイト:参考>

(1)美浜の会 HP

 http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/sendai_protest20140716.pdf

 

(2)┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★川内原発の審査書案が示される~住民をおきざりにした再稼働ありきの手続き

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本日、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の審査書案が発表されました。私たちは、住民の安全を置き去りにした再稼働のための審査に強く抗議します。火山噴火リスク評価は曖昧なままで、基準地震動、事故時の対策拠点、テロ対策などについても多くの問題が指摘されています。さらに重要なのは、事故時の住民の避難計画がおざなりになってしまっているということです。

 

原発から半径30キロ圏内の9市町は、それぞれ防災計画を策定していますが、風下に避難することになっていたり、地震や台風で避難路が寸断されることを考慮に入れていなかったり、実効性に乏しいものです。また、寝たきりの方、心身の障害を持った方など、要援護者の避難については、具体的には何も決まっておらず、10km以遠については各施設へ策定の責任が押しつけられているのが現状です。多くの矛盾と共に、社会的弱者を置き去りにして再稼働手続きが進められているのです。

 

FoE Japanでは、地元の市民の皆様と共に、鹿児島県内の自治体や、社会福祉施設・医療機関などの聴き取りを進めてきました。聴き取りをもとに、避難計画の問題点を以下にまとめています。(満田夏花)

 

▼これでも再稼働?~川内原発の避難計画の問題点について~

http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-5b76.html

 

▼要支援者の避難問題について

http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-da2b.html

 

(3)タンポポ舎MGより

┏┓

┗■1.川内原発再稼働審査で怪しいデータ・発覚

   気象庁発表の地震データの「半分以下のデータ」・・の九電と規制委

   元衆院科学技術委員長の川内博史・前衆院議員(民主党)が告発・九電のインチキ

   これだから原発推進派は信用できない

 日刊ゲンダイ 711日号より

 

 (前略)

  そんな中、怪しい原発再稼働審査の一端が明らかになった。再稼働第1号候補で、今月16日にも原子力規制委員会が「新基準合格証」(審査書案)を出すとみられている川内原発(九州電力)の地震関連データに疑義が生じているのだ。問題になっているのは再稼働の根拠となる基準地震動の算出方法に使われた基礎データ。元衆院科学技術委員長の川内博史・民主党前衆院議員(鹿児島1区)が、「再稼働の根拠が覆りかねない」と告発した。

 

「私は約3カ月前から原子力規制庁からのヒアリングを重ねています。その結果、地震発生時の最大級の揺れを想定する『基準地震動』を算出する基礎データとなった『1997年5月13日の鹿児島県北西部地震』について、九電が最も過小な『菊地・山中(1997)』の地震モーメント(エネルギー)のデータを用いていることが分かったのです」

 

 川内原発が規制委の優先審査を受けることとなり、「再稼働第1号の可能性が高い」と注目されるようになったのは、九州電力が他の電力会社よりも先んじて、基準地震動を540 ガルから620 ガルに引き上げたためだ。“優等生的対応”が規制庁に評価されたのだが、この値自体が怪しいのだ。

 

 川内氏がこう続ける。「日本で地震について発表するのは気象庁ですから、そのデータが最も信頼できる公式な数値と考えられます。地震モーメントは条件設定によって数値に開きが出てくるので、別のデータが信用できないと言っているわけではありませんが、菊地・山中の地震モーメントは気象庁のデータの半分以下なのです。安全性を最優先すべき再稼働の審査には、気象庁のデータから算出した基準地震動を用いるべきです」

 

実は、4月23日の「原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」でも、原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理が「菊地・山中の地震モーメントは断層の長さから想定すべき値としては小さいのではないか」と指摘、九電採用の数値に疑問を投げかけた。ところが、島崎氏は自民党からクレームがついて9月に交代することが決まった。こんな怪しい審査を見過ごして、原発再稼働なんて、冗談じゃない。(後略)

 

 

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以下、2014年7月16日付東京新聞夕刊掲載の「川内原発審査書案要旨」をベースにして、「川内原発を再稼働してはいけないこれだけの理由」をいかに整理しておきたい(これで全部ではないのでご注意あれ)。

 

1.【審査書の位置付け】

「本審査書は原子炉等規制法に基づき、九電が規制委に提出した川内原発12号機の発電用原子炉設置変更許可申請書の内容が、原発の新規制基準などに適合しているかどうかの審査結果を取りまとめたものである。」

 

(田中一郎)「原発の新規制基準など」がそもそもおかしく再稼働優先の甘い基準にすぎないため、新規制基準に「適合」しても原発・核燃料施設の安全は確保されない。これは田中俊一原子力「寄生」委員長自身が自ら認めていることである(下記サイト参照)。ならば、何のための規制であり審査なのか。

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014071601001601.html

 

2.【基準地震動】

「九電は震源を特定した場合の基準地震動を最大加速度540ガル、震源を特定しない場合を同620ガルとした。最新の知見を踏まえて想定しており、新規制基準に適合している。」

 

(田中一郎)バカも休み休み言え、寝言は寝て言え。大飯原発差止裁判の福井地裁判決文を読んだのか。活断層などないと言われていたところを震源とした岩手宮城内陸地震(2008年)では4000ガルもの最大加速度が観測されている。540ガルだの、620ガルだの、ゼロが一つ足りない=一桁違う1/10以下の過小評価としか言いようがない。こんな原発は大地震に見舞われれば、たちまちアウトなのは目に見えている。

 

3.【地盤】

「川内原発に分布する断層は新第三紀鮮新世以降の活動がなく、地盤は原子炉建屋などを十分に支持でき、新基準に適合している。」

 

(田中一郎)川内原発立地地域は、日本最大の活断層「中央構造線」の西橋にあり、ひとたび地層が動けば、とてつもない規模の大地震が予想される地域である。数年前にもそれを予想させるかのごとくM6クラスの地震が同原発を襲っている。また、ついこの間も、川内原発のすぐそばでこれまで知られていなかった活断層らしきものが発見されたばかり。政府の地震調査委員会報告書では、九州電力の活断層や地震評価が出鱈目であると厳しく指摘されている。

 

4.【基準津波】

「(前略)干満との重ね合わせなどで遡上(そじよう)高さは最高で約6mとなる。津波が到達する可能性のある海水ポンプエリア(海抜5m)に防護壁を設置する方針で、新基準に適合している。」

 

(田中一郎)たった6m程度の津波が、何で想定される最大津波なのか。背の高い防潮堤を建設すれば費用が膨大にかかるので、これくらいの費用で防潮堤を造ったらこの程度の高さになり、従って、それに合わせて最大津波を「これこれ」に決めたという、「コストからの逆算方式」の典型ではないか。

 

5.【竜巻】

「九電は、竜巻に対する防護設計のため、国内で過去に発生した最大の竜巻にさらに余裕を持たせた最大風速100mを設定。竜巻による飛来物となり得るものを固定するなどの対策を講じ、施設の安全機能が損なわれないことを確認した。」

 

(田中一郎)うそつけ。現場に行けば、たちまち竜巻でやられてしまいそうなものはわんさとある。「竜巻による飛来物となり得るものを固定するなどの対策」などと書いてあるが、竜巻さんに「飛ばすものは原発敷地内のものに限ります」という約束でも取り付けたのか。原発敷地外から、いろんなものが飛んでくるのが竜巻というものだ。

 

6.【火山】

「九電は、敷地から半径160kmにある39火山のうち将来活動する可能性がある14火山について、原発の運用期間中に火山爆発指数7(9段階で上から2番目の規模の噴火)以上の噴火の可能性は十分に小さいと評価した。指数6以下の噴火が起きても敷地への影響はないとしている。また原発運用期間中の活動可能性が十分小さいものの、過去に影響が敷地に到達したことが否定できないとして、姶良カルデラなどについては地殻変動の観測などのモニタリングを行い、噴火の可能性がある場合は原子炉停止や核燃料搬出を実施する方針を示した。」

 

(田中一郎)審査対象とすべき火山の範囲を半径160kmとした根拠もなければ、上記のように言える科学的実証的な根拠は全くない。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁がそうあってほしいと思っただけのことである。また、巨大火山噴火を予知できないことは、大半の火山学者が発言していること。火山についての専門家が一人もいない原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が、何をいい加減なことを言っているのか。

 

(私は川内原発が火砕流に飲み込まれる夢を見た。それはまるで、東宝映画「大怪獣ゴジラ」が、最終シーンで伊豆大島の三原山の火口に溶岩流とともに飲み込まれていくシーンとダブっていた。映画の中で大怪獣が火砕流に飲み込まれても心配はないが、川内原発が火砕流に飲み込まれたら、どうしようもない)

 

7.【電源喪失対策】

「全交流電源喪失に備えて、重大事故に対処するための電源設備から電力供給されるまでの間(約25分)、原子炉の安全な停止や冷却、格納容器の健全性確保のための設備に、電力を1時間以上供給できる蓄電池を備える方針を確認した。」

 

(田中一郎)まず、外部電源を供給する施設の複数化や、耐震構造の強化はどうなっているのか。外部電源装置は最高Aクラスの重要設備としなければいけないのに、それは放置されたままだ。また、おもちゃのような非常用電源装置(電源車など)を並べたところで、そんなものは非常時には役に立たないだろう。

 

8.【重大事故の拡大防止】

「炉心損傷防止対策では、二次冷却系からの除熱機能喪失や全交流電源喪失など8つの想定について審査。格納容器破損防止対策では、格納容器の温度や圧力の上昇、水素燃焼など六つの想定について審査した。九電による事象進展解析のためのコードによる解析結果は妥当である。対策や復旧作業に必要な要員、燃料についても確認した。九電が計画している対策は有効であると判断した。」

 

(田中一郎)福島第1原発事故を踏まえたECCSの機能や耐震性の再確認もしていない、川内原発のような加圧水型原子炉の格納容器は、ただ大きいだけで、水素爆発防止のためのチッソガス注入も行われず、また、水素爆発防止対策もいい加減だし、そもそも格納容器自体が沸騰水型のそれに比較して強度が1/2程度しかない(耐圧上限は2気圧強)。また、過酷事故時の原子炉圧力容器内部を計測する水位計・圧力計・温度計などの基本的な計測器についての見直しもしていない、蒸気発生器という加圧水型に特有の地震に弱い機器類への耐震対策もおざなり、スリーマイル島原発事故の教訓も生かされず、などなど、そもそも原発全体の基本設計を根本的に見直さずに、小手先だけの付けたし安全対策(安上がり対策)をくっつけて、あとは「我田引水型」の「楽観的条件」を前提に「コード解析」などというインチキ・シナリオゲームのようなことを繰り返していただけのことである。現実の原子炉・原発施設は、3.11以前比べて、ほとんど何も変わっていないのだ。

 

9.【重大事故対処施設】

「九電は緊急時対策所(免震重要一棟内)と、対策所完成までの代替緊急時対策所を設置する。二施設とも、断層のずれなどが起こらず、重大事故対処機能が損なわれる恐れがない地盤に設置するとしており、新基準に適合している。長周期の地震も考慮し、他の施設とは別に基準地震動を設定。施設内に備える設備の種類に応じた耐震設計で、必要な機能が損なわれないようにするとした。周辺斜面の崩壊の恐れもないとしており、新基準に適合している。津波、火災による損傷防止対策として、原子炉建屋などに準じた適切な設計を示した。」

 

(田中一郎)「緊急時対策所(免震重要一棟内)」や「第二制御室」、あるいはフィルター付きベント装置の設置を先送りして、何を言っているのか(2015年に免震重要棟、2016年にフィルタ付ベントが、それぞれ完成する計画)。当面の「間に合わせ」で用意される「代替緊急時対策所」は、狭くて設備が不十分で役に立たず、水道やシャワーもなく、トイレも仮説で長期使用には耐えられない。こんな状態で過酷事故が起きたらどうするのか。重大事故時に必要不可欠な施設がないまま、何故に「審査合格」などと言えるのか。東京新聞記事の写真にもあるように「お前ら(原子力「寄生」委員会・「寄生」庁)が不合格だ!!」なのだ。そもそも過酷事故を想定しなければいけないような原発など、稼働させてはいけないし、ベントなどは、事故を起こした原発の格納容器を守るために、猛烈な放射能をあたり一面に撒き散らす行為であり、許されるものではない。そんな危険極まりない発電装置など、いらんわ。電気など足りてるし、他にも電気を作る方法はなんぼでもある。

 

10.【格納容器破損防止】

「原子炉格納容器内の冷却機能が喪失した場合でも炉心溶融を防止し、炉心が溶融した場合でも格納容器の破損を妨止するため、九電は代替冷却設備として複数の冷却系統を設けるほか、消防車の配備など自主的な追加対策の方針も示しており、対策がより確実に実施されることを確認した。」

 

(田中一郎)「九電は代替冷却設備として複数の冷却系統を設ける」とはよく言ったものだ。ただ単に、格納容器内に「水シャワー」のような装置を付けるだけで、いざ炉心溶融が起きたら、防ぐ手立てがないままに溶け落ちるのを待つようなことにしているというではないか。また、消防車など過酷事故時にはほとんど役に立たない。こんなもので炉心溶融を起こした核燃料や、大量発生する水素ガス・一酸化炭素ガスから格納容器を防ぐことはできない。また、欧米の原発では標準装備となっている、溶融核燃料を格納容器の底で受け止める「コア・キャッチャー」の設置はどうなっているのか。「世界最高水準」の安全基準なのに、何で「コア・キャッチャー」の設置が義務付けられていないのだ。

 

11.【水素爆発対策】

「九電は水素爆発による格納容器や原子炉建屋の破損を防止するため、水素濃度を低減する設備や可搬式の分析装置などを整備する方針を示した。」

 

(田中一郎)聞くところによれば、加圧水型原子炉の場合、水素爆発防止のため「イグナイター」(点火プラグ)のようなものを格納容器内に装着し、水素ガスを早い段階で格納容器内部で燃やしてしまうのだそうである。格納容器が大きいからできるのだ、と豪語しているらしいが、しかし、下手をすると、水素大爆発の点火プラグとなって格納容器を吹き飛ばしてしまう危険性がある(格納容器内部の水素ガス濃度の把握を間違った・失敗した時など)。水素ガス対策がなってない。また、もう一つの大爆発=水蒸気爆発防止や、コア・コンクリート反応で大量に出てくる一酸化炭素の爆発防止についてはどうなのか。

 

12.【放射性物質の拡散抑制】

「格納容器の破損などが起きた場合に発電所外への放射性物質拡散を抑制するため、九電は移動式ポンプ車や放水砲などを整備する方針を示した。」

 

(田中一郎)壊れてしまった格納容器にポンプ車や放水砲で水をかけたところで、いったい放射性物質拡散が押しとどめられるのか。笑止千万だ。放射性物質の環境への拡散が止められないので、なすすべがなく、仕方がないので、何かをしている格好でもしなければならないと、かようなことを思いついたということだろう。過酷事故・炉心溶融の後に格納容器破壊が続けば、その段階で日本は「予定終了」となる。福島第1原発事故は、不幸中の幸いで、その一歩手前のところで偶然止まったにすぎない、「神の見えざる手」が動き、バカ者の国民に、今一時の「執行猶予」を賜ったと思うのが妥当。

 

13.【電源設備および電源確保手順】

「電源喪失により重大事故が発生した場合に、炉心溶融や格納容器の破損などを防ぐ対策に必要な電力を確保するため、九電は電源車や蓄電池などの整備方針を示し、他号機からの電源融通など自主的な対策も示した。」

 

(田中一郎)くりかえすが、外部電源供給施設を最高Aクラスの重要設備に指定せよ(耐震強化その他の対応が必要)。そのうえで、上記のような非常用電源は、あくまで非常用の「時間稼ぎ」「応急手当」にすぎないと心得るべきである。電源確保に時間がかかり過ぎれば、原発は大過酷事故状態に陥ってしまう。

 

14.【大規模な自然災害やテ口対策】

「大規模な自然災害や大型航空機衝突などのテロで、原子炉施設の大規模損壊が発生した場合に備え、九電は手順書、体制、資機材を適切に整備する方針を示した。」

 

(田中一郎)これらについては審査が非公開で行われたために、その内容が不明である。日本の場合には、テロよりも、こうした原子力ムラや国の「非公開」「秘密主義」の方がよっぽど危険である。既に東京電力などは、特定秘密保護法施行を先取りして、福島第1原発関連情報をはじめ、原発・核燃料施設に関する情報を隠蔽・秘匿し始めている様子がうかがえ、昨今の全国紙各紙は原発・核燃料施設や原子力・放射能・被ばく関連の記事が激減している。

 

15.【審査結果】

「九電が提出した川内原発の申請書を審査した結果、新規制基準に適合していると認められる。」

 

(田中一郎)無茶ゆーたらあきまへんで、そろえないかんもんもそろえてないで、なんで適合やねんな。最初から結論決めてたんかいな。そもそも「新規制基準への適合」など、どうでもいいから、100%安全かどうかをチェックして頂戴。ちょっとでも過酷事故を起こすことがあるというのなら、そんなもの、動かしたらあかんのや。

 

16.その他:書かれていないこと

(1)フィルタ付ベントの設置義務についてはどうなっているのか。また、そのベント装置の性能はどうか。

 

(2)原発の装置を動かす電気コードはすべて不燃性のものに入れ替えられたのか。また、電気ではなく空気圧で動かす制御系装置や配管の耐震性はチェックしたのか

 

(3)使用済み核燃料プールの耐震性や非常時対応はどうなっているのか。何故、「乾式貯蔵」への移行を義務付けないのか(このままでは、仮に原発・核燃料施設が再稼働されなくても、またもや、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールと同じ状態に陥るものが出てきてしまう)

 

(4)原発の汚染水対策はどうなっているのか。福島第1原発で今起きているようなことの再現がないよう手当はできているのか(川内原発でも毎日300トンの地下水がくみ上げられて海に捨てられている:事故前の福島第1原発でも毎日数百トンの地下水がくみ上げられて海に捨てられていた)。

 

(5)原子力「寄生」委員会・「寄生」庁や国が、立地及びその周辺自治体に丸投げした地域防災計画=原発・核燃料施設過酷事故時の地域住民の避難計画や放射線被曝防護計画が「絵に描いた餅」のまま放置され、無視されて、原発再稼働がゴリ押しされている。これは、かの国際原子力マフィア=国際原子力機関(IAEA)でさえもが提唱している「多重防護」「深層防護」=5層にわたる多重的な安全対策、にも反する、軽率で無責任な態度である。田中俊一原子力「寄生」委員長は「権限がない」などと言い逃れをしているが、そんなことはない。嘘八百までついて立地地域住民や国民の安全を守らないとは、いかなる下劣人間ぞ。

 

(注)IAEAの「多重防護」=「異常の発生防止」「異常の拡大防止」「過酷事故への進展防止」「過酷事故対策」「防災対策」の「5層の対策」

 

(6)立地地元との原発再稼働の合意と言った時の、「地元」の範囲が不明確である。川内原発の場合、仮に30km圏内とした場合には9つの自治体が入るし、福島第1原発事故の教訓から鑑みれば、30km圏内では狭すぎる。地元合意取り付けの対象外とされた自治体は、いわば過酷事故時などの原発被害だけが押し付けられる格好となり、理不尽極まりない。

 

(7)国(安倍晋三自民党政権)は「原子力「寄生」委員会が責任を持って安全かどうかをチェックし、その判断にゆだねる=安全かどうかは国は判断しない。安全という結論が出れば立地自治体の理解をいただきながら再稼働を進めていく、個々の再稼働は事業者の電力会社の判断で決めることだ」と言い、他方で田中俊一原子力「寄生」委員長は「審査をクリアしても安全だとは私は言わない。これで人知を尽くしたとは言い切れない。再稼働の判断にはかかわらない。再稼働は事業者、地域住民、政府の合意でなされる」と言い返す。いったいどうなっているのか。責任は取りたくないが、原発・核燃料施設は再稼働させたいロクでなしどもが、責任のなすりつけ合いをしていると言う他ない。原子力「寄生」委員長が「安全とは言わない」というのだから、「安全は確認されておらず」、従ってまた、「再稼働はできない」はずである。

早々

 

2014年7月16日 (水)

国の情報はひた隠し、他方で個人情報丸裸、おまけに個人情報をハイエナ業者に開放して「営業の自由」を個人情報保護に優先(1)(ベネッセ事件から)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、個人情報保護に関連した事件=ベネッセ・個人情報流出事件に関するマスコミ報道です。以下、簡単にコメントします。総括的に以下で申し上げることを簡単に一言で言いますと、メールの表題にも書きましたように、

 

「国の情報はひた隠し(特定秘密保護法、自衛隊法、刑事特別法、MSA協定秘密保護法、密約隠蔽追認最高裁判決、情報(非)公開法他)、他方で個人情報は丸裸、おまけにその個人情報をハイエナ(名簿)業者に開放し、かつ第三者からの取得を「やりたい放題」にしておき、「営業の自由」を(建前だけの)個人情報保護に優先させ、さらに、マイナンバー制度もこんな調子で「やりたい放題」、マイナンバーは治安対策その他に無限に活用して、「お上」に逆らう「不逞の輩」を密かにリストアップ、国は牛と同じ「番号耳たぶ」を国民につけて選別管理する時代に突入、おまけが、マイナンバーを利用した「なりすまし」事件の多発で、あなたの財産もいつ盗まれるかわからない。巨額のマイナンバー・システム構築経費はITゼネコンのための願ってもない恵みの雨、マイナンバーで便利になっていいではないかとは、ものごとを理解できない阿呆の言うことだ」

 

ということです。マイナンバー制度については次回にご説明します。

 

 <別添PDFファイル>

(1)ベネッセ個人データ流出事件(その1):再委託先、情報持ち出しか、ベネッセ流出、顧客DBを管理(朝日 2014.7.12

(2)ベネッセ個人データ流出事件(その2):ベネッセ流出、再委託先SE逮捕へ、警視庁,、情報漏えい疑い(毎日 2014.7.15)

 

 <ベネッセ個人データ流出事件(以下、上から順にご覧ください)>

(1)http://digital.asahi.com/articles/ASG7C5F9DG7CUTIL02J.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7C5F9DG7CUTIL02J

(2)http://digital.asahi.com/articles/DA3S11237585.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11237585

(3)(重要)http://digital.asahi.com/articles/DA3S11237658.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11237658

(4)http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-140714X330.html

(5)http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000m040156000c.html

(6)http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000e040226000c.html

 

 事件は単純で、ベネッセの委託先の委託先(孫請け)の1社のSE(システム・エンジニア)が、大量の個人情報を不正に持ち出して名簿業者に販売し、それが複数の名簿業者を転々とした後、その一部がジャストシステム社にわたり、同社はそれを使って広告DMを出すなど、自社宣伝に活用した、というもの。

 

 典型的な個人情報保護法違反事件である。がしかし、一連の新聞記事を読んでみると、どうもおかしなことだらけなのだ。これはやはり、日本の個人情報保護の法律や、それを管理する仕組みが歪みきっているせいだということが浮き上がって見えてくる。事件を起こしたSEや、ベネッセの個人情報管理不備を叩くだけでは問題は解決しないどころか、このおかしな個人情報保護をめぐる法制度の歪みを覆い隠すことにもなってしまう。個人責任・個社責任の追及に矮小化することは「本丸はずし」の何物でもない。以下、箇条書きにしておくので、参考にされたい。

 

(おかしいやないか:その1)

 最大のおかしさは、犯人のSEから不正に持ち出された大量の個人情報を買った名簿業者が誰なのか、未だにわからないことだ。何で報道しないのか? また、SEは間もなく逮捕されるとあるが、この名簿業者の方はどうなのか。こんな大量のデータは、買い入れるときに「おかしいぞ」と思うのは当然のことで、新聞記事によれば、SEの方から買わないかと働きかけたとある。どうも複数回にわたり、同じ業者に密売していたようである。ベネッセ名簿を買い取った業者が通常の神経の持ち主ならば、ベネッセの総務担当にでも、この名簿は買い取らせてもらってもいいですか、くらいの確認はするはずだ。

 

 つまり、今の個人情報保護法は、個人情報を不正に流出させる側には罰則があるが、不正に入手する側には、その個人情報の情報源を含めて、それが適正なものかどうかを確認する義務もなく、ブラック状態のものを手にしても、何のおとがめもない、という仕組みになっている。つまり、個人情報保護法とは、商売などに使いたくて個人情報に不正にアクセスするときは、第三者をそそのかして犯行に及べば、仮にその悪事が発覚したとしても、万事、刑事責任を問われずに、平然と、堂々とやれる、発覚しても罪を問われるのは、情報を流出させた方であって、入手した方ではない、ということなのだ。つまり、個人情報保護よりも、名簿業者を含む企業の商売の方が優先だということだ。

 

(おかしいやないか:その2)

 更におかしいのは、ベネッセ委託先のSEから不正に個人情報を入手した、その「名無しの権兵衛」業者から、個人情報がさらに複数の名簿業者を経て転々としたのちに、ジャストシステム他の最終ユーザーの手にわたっている様子がうかがえることだ。しかし、この(不正入手の)個人情報の流通過程で、何のチェックも告発も行われていない。最終ユーザーのジャストシステムですらが「不正流出の個人情報とは知りませんでした」などと、すっとボケている。「知りませんでした」ではなく、業者から名簿を買う際に、あるいはその個人情報を使う前に、情報源はどこなのか、(情報源が分かったなら)ベネッセに確認するというのが(個人情報を慎重に扱う上での)常識ではないのか。もし情報源が確認できなければ、その情報は使うのをやめる、というのも常識ではないのか。

 

 しかし、法的には、第三者から入手する個人情報について、その適正性(不正流出でないかどうかなど)を確認する法的義務は、個人情報を入手した側にはまったく課されていないし、今回のように不正流出であったことが分かっても、その個人情報(名簿)を破棄するか、流出元(ベネッセ)に返却するか、ともかく使用禁止にする、という法的強制の仕組みもない。不正なものを入手しても、その適正性・適法性を確認もする必要もなければ、不正と分かっても、自由にどんどん使ってもいい、という法的仕組みになっている。

 

 更におかしいのは、個人情報の名簿に載せられてしまった個々人当事者(最大の被害者)が、自分の個人情報が不正に流出したために、勝手に使われているとわかっても、この個人情報(名簿)流通業者や最終ユーザー(ジャストシステム)に対して、自分の個人情報を使うことをやめよ、と申し送り(指示)することもできない。つまり、不正だろうが何だろうが、買ったものを使って何が悪い、個人情報保護よりも、この商売の方を優先して保護するのだ、という仕組みになっていることである。

 

 ジャストシステムは「道義的責任」から今回の個人情報を削除するなどと言っているようだが、これは被害者を馬鹿にした言いぶりだ。ジャストシステムに「道義感」があるのなら、上記で申し上げた通り、個人情報を名簿業者から買う時に、それが不正流出でないのかどうか、しっかり確認していたはずだ。今頃になって「道義」もへったくれもあるか。不正に流出した個人情報を削除するなど、当たり前のことだ。

 

 つまり、個人情報保護法体系は、個人情報の漏出の「最初のところで、漏出させる側だけを罰則付きで規制するけれども、一旦出てしまった個人情報については、何の管理義務も規制もかけておらず、海千山千・魑魅魍魎の名簿業者たちに「どうぞご自由に、ハイエナ行為を続けてください、不正に流出した個人情報でしっかり儲けてください」という仕組みになっている。そして、こんなことは、個人情報保護法制定の当初からわかっていたことで、当然法律家は重々承知の上で、個人情報を商売の種に開放していたということだ。

 

 これで怒らない人間は、はっきり言ってバカだ。

(怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒)。

 

(おかしいやないか:その3)

 だから、警察がSEを逮捕する時の根拠となる法律も、個人情報保護法ではなく、不正競争防止法である。しかし、この法律は読んで字のごとく、企業間の不正な競争を防止して、企業の営業活動を守るための法律だ。個人情報を不正に利用されて侵害を受けた消費者・個人を守るための法律ではない。罰則も、個人情報保護などに比べれば格段に厳しく、最高で懲役10年となっている(たとえば映画館で映画を盗み撮りして、それを販売すると懲役10年)。

 

 新聞記事には「持ち出された情報が営業秘密かどうか」で罪が問えるかどうかが決まるようなことが書いてある。そして、不正競争防止法上の「営業秘密」とは、その要件が厳しいのだそうだ。しかし、今回のことは、そんな問題ではないだろう。ベネッセも確かに被害者ではあるけれど、個人情報管理上の問題が大いにあるし、被害を受けた個人から見たら、加害者集団の1つとも言える。そもそも、純然たる被害者を守るべき個人情報保護法を、不正流出させた犯人の逮捕理由の法律に使えないのなら、何のための個人情報保護法なのか。

 

 つまり、企業活動は不正競争防止法でしっかりお守りいたしますが、個人情報不正流出・流用で被害受ける消費者・個人については、そんなものは守る法律なんてないのです、だからSE逮捕の際には、個人情報保護関連の法律は使えません、ということだ。

 

(おかしいやないか:その4)

 朝日新聞の記事には次のように書かれている「個人情報保護法では、個人情報を扱う業種ごとに所管する大臣が異なる。情報サービスのベネツセなら経済産業相、電気通信なら総務相といったぐあいだ。しかし、名簿業者は「表で堂々とやっている業者からほぼ犯罪組織と一体という業者まであり、実態がはっきりしない」(消費者庁)。このため、監督官庁がなく、事実上野放しになっているという」「都内にある大手の名簿業者は、小学校の教室ほどの部屋に棚を置いて、冊子をずらりと並べている。壁には「個人情報保護法完全クリア」の張り紙。利用者は窓口で利用料を払い、名刺か身分証を出す。「出回るデータが膨大な場合、普通は『流出では』とピンと来る。だが、『知らなかった』と言われれば覆すのは難しい」と業者は話す」

 

 なんや、コレ、ではないか。関連して申し上げれば、今回の情報流出の犯人のSEは「自分から名簿業者に働き掛けた」と証言しているというが、これもあやしい。その業者が暴力団関係だった場合には、脅されて「口封じ」(=全部自分が悪いと言え! と強要される)されているかもしれない。そもそも、個人情報取扱いの流通業者が、何故、法律に基づき資格要件等で管理されていないのか。何故、海千山千・魑魅魍魎のたぐいや暴力団まで入り込んでいるのか。

 

(おかしいやないか:その5)

 かような事件が起きても、個人情報保護法改正の動きは鈍い。個人情報保護法の改正についても、菅義偉官房長官や安倍晋三首相が「個人情報保護の法律を改正して厳しくせんといけまへんな」などと、他人事のような感想を述べているにすぎない。それでいて、役所などでは、依然として必要な情報を「個人情報保護」を口実にして出さない、歪んだ秘密主義を続けているところが多い現実がある。何をやっとるのか、ということだ。

 

 <個人情報保護法改正のポイント>

 今回の事件から言えることは、少なくとも次の4点を厳しい罰則付き(不正競争防止法並みの最高で懲役10年)で法律改正すべきであるということだ。

 

(1)個人情報の不正流出を防ぐため、流出させた方だけでなく、入手した方にも、その情報源や「不正流出ではない」ということを確認する法的義務を課すこと。同時に、情報源が明らかでない、それが入手側に確認されていない個人情報は使用禁止にすること。

 

(2)また、第三者の手へと転々と流通するので、第三者入手の場合にも、上記と同様の、情報源の確認や、それが不正流出のものでないことの確認、をする法的義務を課すこと、また、個人情報(名簿)業者については認可制とし、この業者を含めて、全ての業種における個人情報問題取扱い所管官庁を一つ決め、そこに業者やユーザー企業の管理を一元化すること(総務省、または消費者庁)

 

(3)不正流出・不正使用されている個人情報は使用禁止を法的に義務付ける。こんなことは当たり前のことだ。なぜ、そうなっていないのか。不正に流出させる側だけを禁止して取り締まっているだけで、一旦流出したら法的に止められない、などというは、企業の商売を優先して、消費者・国民を足蹴りしつつ馬鹿にしているという他ない。

 

(4)個人情報の本来の所有者である本人は、自分自身の情報について、オールマイティの権限を持つべきである。従って、流通・使用される個人情報については、その一括消去・使用禁止を申し送り、または公示でき、それにより法的に流通・使用をストップできなけれないけない。従わなければ、行政法上、刑事法上の罰則の他、民事上の罰則=被害者個人へ巨額の罰金を支払わせればよい。

 

(参考:朝日新聞記事より)

「「情報を買う人聞がいるから、売る人聞が出てくる。違法に収集された個人情報の転売目的での取得を処罰する必要がある」。プライバシー問題に詳しい板倉陽一郎弁護士は指摘する。」

 

(次回は、マイナンバー制度の出鱈目について、ご説明します。この国の行政や政治は、ほんまにロクなことしまへんわ。明けても暮れても自民党なんぞに投票しとるから、こうなりまんねんで。しっかりしなはれや、有権者・国民のみなはん)

早々

 

 

2014年7月15日 (火)

戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(4):TPPの次はTiSA(新サービス貿易協定)=押し寄せる国際市場原理主義と日本の医療を取り巻く外患・内憂

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイル及び下記は、マスコミ報道が皆無で、有権者・国民・市民に全くと言っていいほど交渉をめぐる状況が伝えられないまま、秘密裡に交渉が進められている「新サービス貿易協定」(TiSA)に関するレポートです。ご参考までにお送り申しあげます。

 

別添PDFファイルの「日本の医療を取り巻く外患・内憂:TiSAと安倍政権の成長戦略」は、岩波月刊誌『世界』(20148月号)に掲載されたもので、著者は日本医師会総合政策研究機構研究員の坂口一樹氏です。主として、TiSA(秘密)交渉によって、日本の医療にどのような(悪)影響が及ぶかについて詳細に論じられています。まことに信じがたいことですが、あれだけ秘密交渉であることの批判を浴びたTPPを尻目に、そのTPPを更に上回る秘密主義で貫かれた交渉が行われる「新サービス貿易協定」(TiSA)が、いよいよ日の目を見る段階に差し掛かっているというのです。

 

以下、岩波月刊誌『世界』論文の一部をご紹介し、また、その論文の中で言及されている関連レポート「TiSAと公共サービス」についても、ごく簡単にご紹介したします。日本という国は(いや、世界全体が)市場原理主義の呪縛から抜け出られないまま今日に至っております。「臭いにおいは元から断たなきゃダメ」のCMのごとく、この歪んだ市場原理主義というイデオロギーと、それを持ち上げる支配勢力やその代理店政治家達を徹底して取り除いていかなければ、これからも、手を変え品を変え、次から次へとロクでもない政策や国際協定が持ち出されてくることは必定です。

 

 <別添PDFファイル>

● 日本の医療を取り巻く外患・内憂(坂口一樹 『世界 2014.8』)

 https://www.iwanami.co.jp/sekai/

 

(一部抜粋)

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 では、TPP交渉が行き詰まりつつある現在、それらの懸念も解消されつつあると言えるのだろうか。結論を先取りすれば、懸念は全く解消されていない。むしろ、日本の医療を取り巻く状況は、まさに「外患・内憂」と呼ぶのが最も適切な事態に陥っている。米国政府とその背後にいる企業ロピイスト、多国籍企業らは、難航するTPP交渉の次の一手としてTiSA(Trade Service Agreement:新サービス貿易協定)という新たな枠組みをすでに仕掛けている。

 

 並行して、日本国内では、「これまで成長分野と見倣されてこなかった分野の成長エンジンとしての育成」、あるいは「国民の健康寿命の延伸」をキャッチコピーとして、医療の市場化・産業化政策を政府が推進している。しかしその内容を見ると、後に示す通り、地域医療を担う病院・診療所の経営を支援するという視点に欠けており、民間医療保険や金融・投資・ICT(情報通信技術)その他の周辺サービスの市場創出策に偏っている。しかもそれが、アベノミクスの第三の矢、すなわち「成長戦略」 の目玉のひとつだというのだから理解に苦しむ。

 

 米国が主導して立ち上げられたこのTiSA交渉こそ、難航するTPP交渉に次いで、日本の医療の市場開放に向けて米国政府が放ってきた「第二の矢」と捉えるべきである。サービス貿易のさらなる自由化を目指すTiSA交渉の対象には、当然、医療サービス本体、そして関連する民間医療保険や金融・投資・ICTその他の周辺サービスも含まれる。これらのサービス産業は、現在、米国が競争優位性を持つ主要産業であり、ロビイングも活発である。そして、保険や金融・投資・ICTといった医療関連サービス分野の日本市場の開放は、一九八五年のMOSS協議以降、現在まで継続して米国側の主要な関心事項のひとつであり続けている。

 

 TiSA交渉とは、WTO加盟の有志諸国と地域によって、サービス貿易のさらなる自由化に向けた新しい協定の策定を目指し、WTOドーハ・ラウンド交渉とは別の取り組みとして始まった交渉である。2013年6月28日にスイスのジュネーブで交渉が始まり、現在、日米を含む二三の国・地域が参加している(日本、米国、EU、カナダ、オーストラリア、韓国、香港、台湾、パキスタン、ニュージーランド、イスラエル、トルコ、メキシコ、チリ、コロンビア、ベルー、コスタリカ、パナマ、パラグアイ、スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシユタイン)

 

 次頁の図表3は、6月10日に「日本再興戦略」の改訂版骨子案として示された、医療・介護分野に関わる「戦略市場創造プラン」と銘打たれたメニューである。TPPやTiSA推進の背後にある多国籍企業と企業ロビイストたちの意図を、まるで歓迎するかのように、日本の医療および周辺サービスを市場化・産業化する政策が項目として並び、しかもそれが新・成長戦略の目玉のひとつということになっている。民間サービス事業者の視点に立って、上記のリストを改めて眺めてみると、次のような政策アイデアに見えるだろう。

 

(1)日本の公的医療保険の給付範囲を縮小あるいは固定化し、給付範囲外になった部分を民間医療保険その他関連サービス産業の新たなマーケットとするための政策

(2)現状では、原則、非営利で運営され、医師個人しか出資者になれない医療機関経営への出資規制の緩和に繋がる政策

(3)医療・介護分野におけるビッグデータの活用など、ICTサービス産業のマーケット拡大政策

 

以上の三つである。TiSA推進派の外国資本にしてみれば、願ったりかなったりという状況だ。彼らのビジネス拡大のために、国を挙げて「市場創造プラン」を推進してくれているのだから。

 

 医療サービスの中心を担う病院・診療所に対するマネジメント支援は軽視され、安倍政権の成長戦略は医療周辺サービス産業の市場創出策に偏っている。この状況を生み出しているのは、保険や金融・投資・ICTなど周辺サービス産業の思惑だけではない。社会保障に関わる公費を節減したい日本の財政当局、同じく社会保険料の負担をなるべく節約したい経済界の思惑も絡んでいると思われる。

 

 さらに、時を同じくして国内では、医療が政府の掲げる成長戦略の目玉となり、その実、医療周辺サービス産業の産業振興策ばかりが並ぶという状況が発生している。そのウラには、将来の公的医療保険給付にかかる税金と社会保険料を節減したい財務当局と経済界の思惑と、公的給付を削減した分を民間医療保険などのマーケット拡大策としたい外資を含む関連業界の思惑とが一致した構図が透けて見える。

 

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 <関連URL>

● TいSAと公共サービス

  http://t.co/TgCDpFqfy7

 

● 外務省 新サービス貿易協定(TiSA)交渉の進展

 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000387.html

 

 また、上記URLのレポートは、この『世界』の論文の中でも紹介されているもので下記のように書かれています。

 

(日本の医療を取り巻く外患・内憂(坂口一樹 『世界 2014.8』)より一部抜粋)

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「現時点において、TiSAについての国内報道や論文などはほとんど存在せず、日本語での情報は限られている。しかし、4月28日にPSI(Public Service International:国際公務労連)というフランスに本部を置く国際労組団体が、『TiSAと公共サービス』と題した貴重なレポートを公表している。

 

 このレポートは、PSIから依頼を受けた二人の研究者が、TiSAについての文献調査および、ジュネーブでの内密の関係者インタビューを基にまとめたものだ。TiSAに関する基本的な情報提供に加え、TiSAによってもたらされるサービス産業の自由化・規制緩和・民営化などが公共サービスに与える影響を中心に検討を加えている。本稿の問題意識に照らせば、同レポートの次のような点には、特に注目すべきである。

 

 第一に、TiSA交渉は、TPP交渉に負けず劣らず、秘密主義で進められているという点である。TiSA交渉の場はすべてのWTO加盟国に開かれているわけではなく、オブザーバー参加すらも許されない。また、交渉内容の秘密は「TiSA協定の発効日から五年間、協定が実施されない場合は交渉終結から五年間」機密扱いにされる(米国提案)という、TPP交渉を上回る秘密主義の徹底ぶりである。

 

 第二に、TiSA推進の背後には、多国籍企業団体と企業ロビイストの存在があるという点である。そもそも、TiSAの枠組み自体、米国サービス業連合(Coalition of Service Industries:CSI)の元会長口バート・ヴァスティン氏の発案によるものだという。WTOドーハ・ラウンドの行き詰まりが明白になった2010~11年頃から、多国間サービス産業のロビー団体であるグローバルサービス連合(Global Services Coalition:GSC)を通じて活動するなかで、他の企業ロビイストたちからもTiSA構想への支持を獲得していった。GSCの文書では、TiSAが「サービスに関するドーハ・ラウンドの行き詰まりに対する企業側の失望を和らげるために」考え出されたものであると言及している。

 

 第三に、TPP同様、TiSAにもスタンドスティル条項(現行の自由化・規制緩和水準を一律に凍結する条項)と、ラチェット条項(将来にわたって自由化・規制緩和を固定する条項)が含まれるという点である。これらの条項により、TiSA加盟国は一度規制緩和や自由化をしてしまったが最後、容易に元には戻せなくなる。また、新しいサービス(まだ存在してないサービス)も、自動的にTiSAの対象範囲になるという。

 

 以上をまとめると、TiSAは、TPPと同様に秘密主義で交渉が進められており、多国籍企業と企業ロビイスト主導で推進されてきた。彼らの論理で構築されたTiSAの枠組みに入った途端、彼らのビジネスの障害となるような公共の規制を新たに設けることは将来にわたって不可能になる、ということである。

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早々

 

 

滋賀県知事選挙結果をどう受け止めるか(その他、いろいろ情報)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

みなさまよりいただいた情報、その他です。

 

1.滋賀県知事選挙結果をどう受け止めるか

 

● 選挙:滋賀県知事選 自公敗れる 嘉田氏後継、三日月氏初当選

 http://goo.gl/qSTQIz

 

 若狭湾の関西電力原発(及び高速増殖炉「もんじゅ」)が今後次々と再稼働に向かう可能性が高い中で、投票率50%と低迷した選挙だったが、かろうじて原発(再)推進や原発輸出、あるいは武器輸出などを含む「アベノミクス」を礼賛する自公推薦の候補者が退けられ、真偽のほどは怪しい限りながら、曲がりなりにも原発推進に反対する候補が当選したことは喜ばしいこととしていいだろう。

 

 しかし、問題は「ここから始まる」。当選した元民主党国会議員の三日月大造(たいぞう)は、2009年の政権交代以降も、脱原発・脱被ばくに関して大きな尽力をしていたという話は聞かないし、それどころか、3.11福島第1原発事故以降の民主党政権のロクでもない「事故後対策・政策」(簡単に言えば、加害者・東京電力を救済し、福島県民をはじめ東日本全域に広がるたくさんの被害者を切り捨て、更には、我々を含むそうした人々を無用の被ばくに追いやる反国民的な政策)に加担してきた張本人の一人である。

 

 その一つの証拠が、先般、多くの反対を無視して採決された「原発輸出推進のための原子力協定」への党を挙げての賛成だった。近藤昭一議員をはじめ、若干名の民主党議員が採決に反対ないしは棄権の「造反」の姿勢を見せる中で、この三日月大造(たいぞう)は何の躊躇もなく、この原子力協定批准に賛成票を投じている。かような人間が、自然態で、今後の原発再稼働・原子力再推進の「猛烈な嵐」「権力攻勢」に対して、敢然と阻止の政治姿勢を示せるかどうかは極めて疑問である。腰抜けの政治家は所詮は腰抜けでしかなく、転落していく歴史を転換できたためしはない。

 

(原発輸出に反対したまともな議員! 自民党の秋本真利、民主党の菅直人、辻元清美、近藤昭一、生方幸夫、篠原孝、福田昭夫、馬淵澄夫、古川元久:ネットサイトより・・・・・・・・・・・・もちろん三日月大造(たいぞう)の名前は見当たらない)

 

 思い起こせば、今回の三日月大造(たいぞう)を全面的にバックアップした嘉田由紀子滋賀県知事も、若狭湾の原発が滋賀県に及ぼす危険性から県民を守り切れず、「卒原発」などという言葉遊びに終始し、最も重要な政治決断が求められたその瞬間に「大飯原発再稼働容認」の態度を示すなど、その中途半端ぶり・腰抜けぶりを我々に見せてくれた政治家でもある。昨今は、自身が当選したレゾン・デートルでもある「もったいない」もかなぐり捨て、新幹線新駅建設の再検討や、「ダムはムダ」の県内大型ダム建設を容認するなど、なんのために知事になったのかを忘れ去ったがごとき、公約違反の政治姿勢を見せ始めている。今から数年前は私も期待をし、また多くの県民・有権者・国民の期待を集めた嘉田由紀子氏は、もはや民主党と同じ「口先やるやる詐欺」として、日本の地方政治から消えていこうとしている。2012年の衆議院選挙で小沢一郎に手玉に取られ、大敗してしまったのも、さもありなん、だったのかもしれない。いずれにせよ、最重要の公約を守れぬ政治家は、我々には不要である。

 

 それにしても、(知事選投票に行かなかった約半数、及び自公推薦候補に投票した)滋賀県民はいったい何をしているのか。危険きわまりない原発・核燃料施設再稼働を目前にして、投票率50%とは、いったいどういうことか。また、原発再稼働・戦争する国への道・TPPなど市場原理主義への更なる傾斜などなど、反有権者・国民的政策に強引に邁進している安倍晋三政権をこのまま容認していていいのか。何故に、この県知事選挙が「接戦」になってしまっているのか。民主主義や基本的人権、あるいは平和主義は、誰が守ってくれるのでもない、自分達が守らなくてどうするのか。安倍晋三政権を追認し、あるいは投票に行かず、結果として、自分達の未来はどうなってもいいというのか、自分達の子どもや孫のことはどうでもいいのか。投票に行かなかった有権者・県民や、自公推薦候補に投票をした滋賀県民に対しては、早く目を覚ませ、よく考えろ、と申し上げなければならない。あまりにもノーテンキで、軽率、かつ「お気楽」過ぎる。

 

 若狭湾原発銀座の原発・核燃料施設がひとたび火を噴けば、滋賀県は間違いなく放射能汚染地獄に沈むだろう。その時は、おそらくは福島第1原発事故の比ではない、とてつもない状態に陥ることになるだろう。琵琶湖もまた、高濃度の汚染地帯となるだろう。そして、その原発過酷事故の悪夢は、このままいけば、ほぼ間違いなく実現してしまうことになる。何故なら、若狭湾の原発・核燃料施設は、極めて危険な状態で再稼働されようとしているからだ。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の安全審査など、茶番劇にすぎないのだ(嘘だと思うのなら、その内容を詳細に見てみればいい、3.11福島第1原発事故の教訓も生かされず、ちょこざいな付焼刃的「安全対策」を申し訳程度に(金のかからない範囲内で)表面的に施したに過ぎず、実際の原発・核燃料施設そのものは、3.11以前と大差ないのである)

 

 福井県の原発が過酷事故を起こした場合に最も深刻なダメージを受ける県として、滋賀県は何故に関西電力に対して、まずは立地自治体と同レベルの「安全協定」締結を強く要請しないのか。およそ滋賀県がOKと言わない限りは、原発・核燃料施設は再稼働させない、そういう状態を一刻も早く創らなければならないのではないのか。また、要請しても関西電力がすんなりと受け入れるとは思えないので、その場合には、函館市と同様、「安全協定」締結と安全確保(さもなくば原発は再稼働させない)をもとめて、原発再稼働差止訴訟を提訴すべきだろう。それでこそ、県民の命と健康、財産と生活が守りきれるのではないのか。

 

 私は、こうした原発・核燃料施設の過酷事故から県民を守る基本的なことを、当選した三日月大造(たいぞう)が、すんなりと実践するだろうとは思ってはいない。そのいわば腰抜けの政治家を、再稼働阻止・脱原発の力強い歩みに踏み出させることができるのは、当選後の滋賀県民や、更には我々一般の有権者・国民・市民の態度いかんにかかっているのだと思っている。中途半端で、「口先やるやる詐欺」かもしれないような人間が当選したからと言って、もろ手を挙げて喜ぶのはまだ早い。「選挙のときだけ大騒ぎ」や「選挙情勢分析屋主義」は、応援した候補者当選後の「お任せ民主主義」「観客民主主義」に直結している。

 

 これを克服し、不断の脱原発へ向けての市民運動・社会運動こそが、脱原発を不可逆的な形で実現できる唯一の道と言っていいだろう。そして、次回の選挙では、こんどこそ「本物の脱原発候補」を当選させられるよう、頑張って行こう。(県議会の動きにも要注目である。滋賀県議会は、目を覆いたくなるくらいに自民党ないしは親自民のロクでもない県会議員達の「たまり場」になっている)

 

 終わった選挙の位置づけ論争などよりも、明日へ向けて、脱原発と再稼働阻止を確実にしうる運動に、すべての有権者・国民・市民は力を合わせようではないか。日本列島のど真ん中にある滋賀県の今後の命運は、とりもなおさず、我ら日本国の有権者・国民・市民の命運でもあるからだ。

 

(追)(ところで、今回の滋賀県知事選挙では、細川護煕・小泉純一郎各氏のプレゼンスは見られませんでした。どうしたことなのでしょう? 三日月大造(たいぞう)では動きにくいということでしょうか。しかし、そういう偏狭な態度では、これからの脱原発は実現しないのではないかと思われます。また、マスコミ報道が伝えるように、政治からは一歩退くということであれば、なお、脱原発の実現は難しくなるように思われます。細川護煕どの、小泉純一郎どの、しっかりして下され)

 

(一部抜粋)

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任期満了に伴う滋賀県知事選は13日投開票され、無所属新人で前民主党衆院議員の三日月大造(たいぞう)氏(43)が、元経済産業省官僚の小鑓(こやり)隆史氏(47)=自民、公明推薦▽共産党県常任委員の坪田五久男(いくお)氏(55)=共産推薦=の無所属新人2人を破り、初当選した。集団的自衛権の行使を容認した閣議決定後初の大型選挙で与党推薦候補が敗北したことは、安倍政権に打撃となる。投票率は50・15%(前回は参院選との同日選で61・56%、前々回は44・94%)だった。

 

(中略)2期8年続いた嘉田由紀子知事(64)の路線は継承される。「もったいない」「卒原発」を掲げた嘉田県政の評価や安倍政権の経済政策、原発政策、集団的自衛権などが争点になった。

 

 三日月氏は5月、嘉田氏から後継指名を受けて議員辞職し、民主党を離党。段階的に原発を減らす「卒原発」を含む嘉田県政の継承を前面に掲げ、嘉田氏と二人三脚で無党派層への浸透を図った。嘉田氏は2010年の前回知事選で、過去最多の約42万票を獲得している。三日月氏は政党色を出さない方針で民主党の推薦は受けなかったが、同党は推薦候補並みの支援をした。更に東京都議の女性蔑視のやじや集団的自衛権への有権者の批判が追い風となり、支持を広げた。

 

 小鑓氏は安倍政権の経済政策「アベノミクス」立案に携わった経験から、県の経済再生の必要性を掲げ、国とのパイプの太さを強調した。自民党は連日、閣僚や党幹部、国会議員を送り込んだが、支持を固めきれなかった。

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● クローズアップ2014:滋賀知事選、自公敗北 「1強」政権に冷水 福島、沖縄知事選に影響も

 http://goo.gl/UBd8Vi

 

● 選挙:滋賀県知事選 政権批判、追い風に 三日月さん「卒原発」に支持

 http://goo.gl/ivuRKj

 

● 公明支持層、投票減る 滋賀県知事選 朝日新聞社出口調査:朝日新聞デジタル

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11241582.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11241582

 

● 滋賀県知事選挙 (市町村別)開票結果

 http://www.pref.shiga.lg.jp/senkyo/chiji2014/files/kkakutei.pdf

 

2.その他サイト

(1)がれき撤去で飛散、コメ汚染 福島第一の20キロ先:朝日新聞デジタル

http://digital.asahi.com/articles/ASG7F4JF9G7FUUPI005.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7F4JF9G7FUUPI005&utm_content=buffer5b55c&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

(2)【福島第1原発の現状】 地震、津波対策強化へ 汚染水懸念で 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)

 http://www.47news.jp/47topics/e/255244.php

 

(3)暑い夏がやってきた!だが、東電は原発再稼働なしで、関電・九電に売るほどの電力がある(まさのあつこ) - 個人 - Yahoo!ニュース

 (上)http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20140712-00037340/

 (下)http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20140713-00037343/

 

(4)「官房長官、逆ギレ」と報じられた菅義偉・会見全記録@日本特派員協会-質疑応答篇- 日仏共同テレビ局フランス10

 http://www.france10.tv/politics/3130/

 

(5)キャンペーンについてのお知らせ • 葛西臨海公園は守られました!キャンペーン成功! • Change.org https://www.change.org/p/25%e5%b9%b4%e3%82%82%e3%81%8b%e3%81%91%e3%81%a6%e8%82%b2%e3%81%a6%e3%81%9f%e8%91%9b%e8%a5%bf%e8%87%a8%e6%b5%b7%e5%85%ac%e5%9c%92%e3%81%ae%e8%87%aa%e7%84%b6%e3%82%92-5%e6%97%a5%e9%96%93%e3%81%ae%e3%82%aa%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%83%94%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%ab%e3%83%8c%e3%83%bc%e7%ab%b6%e6%8a%80%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ab%e5%a3%8a%e3%81%95%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%a7/u/53bf5dd4b1d08a27ffe9aa51?tk=IBqZzFocq5XhANNOpTbk04p5RQgpgCNqWleTPMZe-Sg&utm_source=petition_update&utm_medium=email&utm_campaign=petition_update_email

 

(5)(別添PDFファイル)JA自己改革 人間らしさ最優先で(内橋克人 日本農業新聞 2014.7.15

 

(一部抜粋)

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 JAグループは、以前、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に反対する一方、選挙では自民党候補者を推薦・支援して政権の座に押し上げた。だか、安倍政権は新白由主義的改革、グローバル化推進のイデオロギーに立ち、社会の「分断・対立・競争」を加速させる「競争セクター」の利益代弁者だ。「JAの政治的リアリズム」の是非が問われている。

 

 私は小泉改革の新自由主義が攻撃する矛先は、「郵政改革の次はJA改革・JA全中に向けられる」と訴えた。残念ながら現実となった。「協同組合つぶし」を狙う規制改革は、これからが本番となるのである。

 

 JAグループを分断し立と競争に追い込み、つそうとするだろう。だが、JAは総合事業で地域の「安心社会」を支えている。分断に歯止めをかけいるのが「中央会機能」あり、全中なのだ。

 

 むき出しの資本主義に対抗して「より良い社会」をどう築き直すか、協同組合本来の役割が間われている。JAグループが目指す自己改革は、組合員を中心にした協同組合の役割と使命をきちんと理解した「使命共同体」になる必要がある。

 

 危機に立ち向かう「対抗思潮」の構築を急がなければならない。「せっかちな理想主義」にも「早すぎる妥協」にも、流されてはならない。

 

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早々

 

2014年7月14日 (月)

(再論)市場原理主義とはどういうものか

前略,田中一郎です。

 下記は、2010年1月、政権交代直後の民主党政権の政策に関連して書いたレポートです。その後、2度にわたり一部修正を入れたものです。ご参考までにご覧ください。

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(再論)市場原理主義とはどういうものか

(上)「shijougenri_ue_1.pdf」をダウンロード



(下)「shijougenri_shita_2.pdf」をダウンロード


下記は、民主党政権への政権交代後の20101月に執筆し、その後20129月と20147月に一部を加筆修正したものです。我が国において、依然として市場原理主義の呪縛から逃れられない政治家や学者、あるいはマスコミ人が多い中で、市場原理主義の正体を明らかにし、一刻も早くこの愚かで誤ったイデオロギーとの決別が実現できることを祈り、このレポートをお送り申しあげます。

 

(なお、書いた時期が20101月ですので、レポートに出てくる具体的な各論については少し古いものが多くなっておりますが、ご容赦ください。ことの本質は4年前と今とで、微塵も変化はありません)

<コンテンツ(目次>

(はじめに)

(特徴1)市場至上主義・効率至上主義

(特徴2)規制緩和による企業行動の完全自由化

(特徴3)サプライサイド政策への傾斜

(特徴4)財政政策の否定と金融政策への過信

(特徴5)減税による政府活動の「不胎化」・社会保障の縮小

(特徴6)国営・公営サービスの民営化(官から民へ)

(特徴7)グローバリズム礼賛・市場開放

(特徴8)新保守主義(ネオコン・偏狭ナショナリズム)とのハーモナイズ

(特徴9)政治権力との癒着・アンフェアな格差構造の是認

(最後に)

早々

 

2014年7月11日 (金)

後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(3):年金資金で株価対策の愚=「ドアホノミクス」の尻ぬぐいはやめよ

前略,田中一郎です。

 

「戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々」の第3回目は、公的年金運用(厚生年金・共済年金)での株式投資割合の拡大という愚かな「自滅的」政策に関するものです。下記URLをご覧ください。

 

 <別添PDFファイル>

● 年金資金で株価対策の愚(毎日 2014630日)

http://mainichi.jp/graph/2014/06/30/20140630dde012010002000c/002.html

http://mainichi.jp/shimen/news/20140630dde012010002000c.html

 

 「ドアホノミクス」をはやし立てて値上がり期待の日本株を大量の保有した外国人投資家が、そろそろ「利食い」=利益確定の売り手を見つけたいところ。日本株の買い手が薄い中で大量の日本株売りを出せば相場が崩れてしまうが、ここで、日本の愚かな政府が、国民のなけなしの公的年金基金の資金を使って、外国人投資家が売りに出す日本株を買い支えてくれれば、外国人投資家にとってはこんな結構なことはない。

 

 さて、そもそも、企業の業績や成長性が買われて株価が上がったのではない「ドアホノミクス」高値株を大量に保有する羽目になる厚生年金や共済年金だが、いずれの年金も少子高齢化で、今後、だんだんと年金基金を取り崩しながら年金支払いを続けていかなければならない運命にある、しかし、大量に高値づかみした株は、損を出さなければ大量に売ることはできないだろう。結局、「ドアホノミクス」を利用して株を売り抜けて儲けた外国人投資家は「カシコイゾミクス」であり、「ドアホノミクス」に踊らされてその気になって日本株を身動きできないほど大量に抱え込んだ日本の年金基金=つまりは日本国民自身は、「ドアホマルダシノミクス」だったということになるのだろう。

 

 この問題については、更に次の3点を付記しておきたい。

 要するに、間もなくメッキがはがれてくる「ドアホノミクス」の尻拭いに、ただでさえ財政的に厳しい公的年金基金を使うなということだ。

 

(1)株式市場の見方がそもそもドシロウト丸出しで甘い。株式市場は「期限が来ればデフォルトしない限り」は元金満額が返済される債券とは違い、その価格変動リスクは非常に高い。しかも、株式市場の場合には、売り手と買い手の取引の実態は「ざら場」であり、今回の毎日新聞記事のグラフにあるような、価格の推移が時間の経過に沿っての連続カーブのようなものではないのだ。

 

 「ざら場」とは、価格と取引量が1セットで、その場限り・その時限りで成立している取引結果であり、次の瞬間には、同じ価格でも取引は成立しないかもしれないし、売り手・買い手がそれぞれ考えている量(株式数)で取引ができるかどうかも分からない、そういう1回限りの非連続の真剣勝負の結果が「ざら場」である。

 

 当然、取引価格は値が飛ぶこともあるし、また、売り手が売りたいという意思表示・買い手が買いたいという意思表示をしたとたんに、価格が変化するということも大いにある。要するに、グラフに描いたような、一定の価格でいくらでも取引ができるような状態が連続的に推移するのが株式市場ではない、ということである。言いかえれば、売り手と買い手が、お互いがお互いをだまし合いながら、違った思惑で、相手を損させながら自分だけが得をしようと思って動いている、そういう場が株式市場だということである。

 

 期限になれば(倒産さえしなければ)、少なくとも元本だけは返済される債券と違い、持っていても値下がりするかもしれないようなリスク資産であり、しかも、上記で申し上げたような「ざら場」市場で取引することを余儀なくされるような金融商品である株式は、日本株だろうが、外国株だろうが、いわゆる公的年金にはまったく不向きな運用手段である、まして、そのようなものを公的年金が大量に抱え込むなど、愚の骨頂という他ない。

 

 しかも、日本の公的年金は払い出し=取り崩しの時期が来ており、運用期間に制限が出始めているのだから、なおさら株式などのリスク運用には向いていない。公的年金基金の運用の大原則は、元本を損なうことは絶対にない、ということである。そもそも、株価が右肩上がりで上がっていく高度成長時代でもない時代に、いやむしろ、国全体が右肩下がりで転落していく時代に差し掛かっている日本の株を、公的年金基金で大量に買い入れるなどということは、愚か者以外に誰も考えもしないことである。まさに「ドアホノミクス」さながらだ。

 

(2)「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)という、この役人の組織は、年金運用を担当する組織として非常に無責任でいい加減であり、こんなところにリスク運用をさせること自体が無謀の極みである。どうしてもさせるのなら、この組織の幹部たち全員に、自分の全財産と退職金を供託させ、年金基金運用で生じた損失の穴埋めを一部させる義務を負わせる必要がある。そうしなければ、恐らくはいい加減なことをやって、どえらい結果になった後「ごめんなさい」で終わってしまうことになる。運用で大失敗をしても、この連中は痛くも痒くもない、ということなら、出鱈目をやること必定である(もちろん、利益が出れば、その一部を供与すれば良い。リスク運用の場合には、運用責任者の個人財産を人質にとる、という原則を貫徹しなければ、中長期的におかしなことになるだろう。それがダメだということなら、公的年金のリスク運用はやめることである)。

 

●「年金積立金管理運用独立行政法人」

 http://www.gpif.go.jp/

 

(3)アメリカの公的年金は、TBOND=アメリカ国債とアメリカ政府保証債以外での運用を認められていない。これが正常な公的年金運用の形である。

 

●アメリカの公的年金制度

 http://allabout.co.jp/gm/gc/13217/2/

 

(一部抜粋)

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 安倍晋三首相は24日、日本経済の成長戦略を閣議決定し、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成の見直しを盛り込んだ。年金積立金129兆円を使って株を買い増し、株価を上げようというのだ。それでなくとも不安の多い年金を、さらなるリスクにさらすことにならないのか。【内野雅一】

 

 「株式市場が投機家ら“ばくち打ち”の場になった」。嘆くのは三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資情報部長の藤戸則弘さんだ。

 

 17日、会員制交流サイト大手ミクシィの株価が年初来高値を記録するとともに、売買代金で東証全銘柄トップになった。一日に何度も売買して利益を出すデイトレーダーが値動きが小さくなった相場にしびれを切らし、変動幅が大きくなりがちな新興市場のミクシィを狙い撃ちしたため、と藤戸さんは言う。業績や景気の見通しとは関係ないところで、デイトレーダーら投機家が特定銘柄をもてあそんでいる。「年金積立金129兆円を巡る動きの弊害だ」と藤戸さん。どういうことか。

 

 成長戦略(日本再興戦略改定版)では、GPIFについて「年金財政の長期的な健全性を確保するために、適切な見直しをできるだけ速やかに実施」と明記された。昨年末時点の資産構成は▽国内債券55・22%▽国内株式17・22%▽外国債券10・6%▽外国株式15・18%▽短期資産1・77%。この比率を見直そうというのだ。狙いは二つ。まず国債の比率を下げ、財政不安による長期金利上昇(国債の評価損)のリスクを避ける。もう一つは国内株式の比率を引き上げ、市場に年金資金を注ぎ込むこと。問題は後者だ。株価を上げる効果があることから「露骨な株価対策」との批判が噴出しているのだ。

 

 田村憲久厚生労働相はGPIFが目指していた年内の見直しをさらに前倒しするよう求めている。背中を押されたGPIFの米沢康博・運用委員会委員長(早稲田大教授)はメディアのインタビューで日本株の比率を高めることに意欲を示している。

 

 引き上げ幅は未定だが、早くも株式市場では「比率見直しによる買い」と見られる動きがうかがえる。東証の投資主体別売買動向を見ると、信託銀行が5月から6月第3週まで9665億円と大きく買い越している。平均株価が1万4000円を超えて上昇していた5月後半から6月にかけても買い越しを続けた。信託銀の売買は、GPIFを含め委託された年金資金の運用がほとんど。決められた運用比率を超えないように株価が上がると売り、下がると買う従来の運用法からすれば、5月後半からの買い越しは不自然だ。「これまでなら売ってきた高値でも買っているのは、比率を少しずつ上げるためにほかならない」と藤戸さんは解説する。

 

 GPIFの運用比率に準じる国家公務員共済、地方公務員共済、私立学校教職員共済の3共済も「比率見直しの先取りに歩調を合わせ、年金資金で買いに動き出した」と多くの市場関係者は指摘する。

 

 こうしたGPIF絡みの買いで、年初以来乱高下を続けてきた株式相場は平均株価を少しずつ切り上げ、6月3日には1万5000円台を回復した。政権が年金資金を通じて株価を押し上げる「官製相場」である。

 

 ただ、一気に上がることはなく下値も底堅い。値幅が狭くなったことが面白くないデイトレーダーの仕掛けが冒頭の動きというわけだ。

 

 「昨年、平均株価は6割近く上がったが、今年は下落基調が続いた。円安・株高で高支持率を維持している安倍政権は、株価の動きが心配でならない。そこで目をつけたのが年金積立金129兆円。その5%を株に振り向けるだけで6・5兆円。3共済と合わせると10兆円近い買い資金になるだろう」と藤戸さん。政権の狙いはその先、年内に判断するとしている消費税の10%への再増税があると言う。「株価が下落して支持率が下がったら増税決定は難しい。そうならないための“大きな財布”がほしかった」と、政府の狙いを解き明かす。

 

 独立系投資情報会社フィスコ株式チーフアナリストの佐藤勝己さんは「増税判断の根拠になるのが7〜9月の国内総生産。法人税率の引き下げは即効薬とならないから、年金資金で株価を上げ景気をそこそこ良くしておきたいと考えているのだろう」と語る。

 

 経済評論家の山崎元さんは政権の思惑に証券会社などの打算が重なったと見る。「年金資金の運用法が変われば、証券会社は手数料収入を増やせるとそろばんをはじく。大量の日本株を持つ外国人投資家は高値で売り抜けたいと虎視眈々(たんたん)だ」

 

 だが、株式運用には値下がりリスクがつきまとう。年金支払いのために、積立金からは毎年約5兆円を拠出している。もしも運用に失敗して、この拠出分をカバーできなければ、積立金は徐々に目減りしていく。国内株の比率を高めることは、年金支給を危うくするリスクをはらむ。

 

 「年金資金は国民のもの。GPIFが運用するのは、その資金を確実に増やすのが目的であって、経済成長や株価操作のためではない。政治が下心をもって扱うのはもってのほかだ」。慶応大准教授の小幡績さんは憤る。この春までGPIFの運用委員会委員だった。「資産配分は運用戦略の要であり、議論には相当の時間をかける。簡単に変更の前倒しなどできないし、運用のプロでもない政府が指示できるものでもない」

 

 藤戸さんも「年金資金の運用は将来の年金の支払いが円滑にいくように図るのが本筋で、安全・確実が大前提」と比率見直しを疑問視する。

 

 一歩譲って、GPIFの買いによって株価上昇が維持され、運用がうまくいくのであれば、積立金が目減りすることはない。そんな見方を山崎さんは一蹴する。「官製相場は需給によって上がっただけで、企業の価値が高まったからではない」。企業価値が高まらなければ、バブル崩壊後の1990年代に総合経済対策として打たれた株価維持策(PKO)の相場展開がまさにそうだったように、年金資金の買い一巡とともに株価はだらだらと下がっていく恐れが強いというのだ。フィスコの佐藤さんも「官製相場による株価上昇は、利益を出したい外国人投資家にとっては絶好の売りのチャンス」と先々の下落を懸念する。

 

 「政府がやるべきことは、岩盤規制をなくすなど成長戦略を早く具体化して株価が上がるように経済環境を整えることであって、年金資金を通じて株価を上げることではない」。山崎さんの指摘だ。

 

 今年の春闘で財界がベースアップ(ベア)に応じたことを「安倍政権によるどう喝春闘」と切って捨てた同志社大教授の浜矩子さんは「年金資金を株式市場のご機嫌取りに使うのは、たんまりともうけたうえで、その上がりの一部を富国強兵資金に充てようというのではないか。そう勘ぐりたくなるほど姑息(こそく)な発想だ」と怒る。

 

 大切な年金が政治の道具にされてはたまらない。

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早々

 

本日のいろいろ情報:脱原発・脱被曝から遺伝子組換え、国際市場原理主義まで

前略,田中一郎です。

 

本日(2014711日)にいろいろ情報です。皆様よりいただいた情報その他です。

 

1.<原発ADR>慰謝料基準も低額設定 算定過程明示せず (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140710-00000014-mai-soci

 

(田中一郎コメント)

 先般お送りした福島第1原発事故にかかる損害賠償についてのメールの続編です。「東京電力福島第1原発事故の賠償問題を裁判外で解決する手続き(原発ADR)を担当する国の「原子力損害賠償紛争解決センター」が、避難中の死亡者に関する慰謝料について、通常の損害賠償訴訟よりも低い基準額を設定していることが分かった。この基準額に、さらに「原発事故の影響は50%」とする独自の算定方式を適用するため、和解額が低く抑え込まれていた。算定過程を遺族に知らせず和解したケースもあり、被災者軽視の姿勢が鮮明になった。」とあります。

 

 屁理屈を積み重ねて損害賠償基準額を低く抑え、更に、原発事故影響割合を50%に低くすることで、「原子力損害賠償紛争解決センター」は、被害者が請求した賠償金額の1/4の金額でADR和解案を作成、それを被害者の弱みに付け込んで押し付けていることが分かりました。

 

 福島第1原発事故の損害賠償を妨害・挫折させる3つの組織、文部科学省「原子力損害賠償紛争和解仲介室」、「原子力損害賠償紛争審査会」、「原子力損害賠償紛争解決センター」、これらを廃止して、被害者の救済を第一義に考える「福島第1原発事故賠償・補償センター」を一から作り直しましょう。

 

 何度も申しあげて恐縮ですが、何故に、原子力推進の総本山=文部科学省(旧科学技術庁)に原子力推進の被害者救済の所管をさせているのでしょうか。明らかな利益相反行為であり、こんなところがやれば、職権・権力を乱用して被害者を切り捨て・踏み潰すのは目に見えております。いったい日本政府は何をしているのでしょうか。文部科学省及び経済産業省の原子力所管部署は、福島第1原発事故の責任を取らせて「解体」「処分」しなければならない部署です。

 

2.食べものの放射能をごまかすな!

(1)食品中の放射性セシウムから受ける放射線量の調査結果(平成25年9・10月調査分) |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000050813.html

 

(田中一郎:内部被曝を「シーベルト」というおかしな放射線被ばく単位でカウントしていることがそもそもの間違いです。「シーベルト」の値が小さいのではなく、「シーベルト」は値が小さく出るように「仕組まれている」のです。「シーベルト」とは、原子力ムラ・放射線ムラが原子力推進のために被ばく被害を小さく見せ、被ばく被害者を切り捨てるために創作したインチキ概念です)

 

(2)原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の解除について |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000050837.html

 

 かような軽率なことをしていていいのかということです。放射性セシウム以外の放射性物質、特に放射性ストロンチウムはどうなってるの?

 

(コンテンツ)

本日、原子力災害対策本部は、昨日までの検査結果等から、福島県及び栃木県に対し、以下について、出荷制限の解除を指示しました。

(1)福島県沖 (※) で漁獲されたサヨリ、ホウボウ及びキタムラサキウニ

(2) 栃木県 芳賀町 ( はがまち ) で産出された原木シイタケ(露地栽培) のうち、県の定める管理計画に基づき管理されるもの

 

(参考)農林水産省-東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応

 http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/hukushima_kakukokukensa.html

 

(参考)水産庁-韓国による我が国水産物の輸入規制強化について

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/export/other/korea.html

 

3.TISAと公共サービス

 http://t.co/TgCDpFqfy7

(なかなかの資料です。ぜひ、ご一読を)

 

● 外務省 新サービス貿易協定(TiSA)交渉の進展

 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000387.html

 

4.福島県民健康調査について 街頭署名・福島県請願・記者会見・福島集会

(前半)20140708 UPLAN 【街頭署名・福島県請願および交渉】福島県民健康調査について

 http://www.youtube.com/watch?v=dnrzojiI4FA

 

(後半)20140708 UPLAN【記者会見・福島集会】 小児甲状腺がんは異常多発!全県民の健康診断を!

 http://www.youtube.com/watch?v=qNgEv7obONQ

 

5.美浜の会HP

(1)福井県が公表したスクリーニング28箇所の候補地 

 http://www.jca.apc.org/mihama/bousai/fukui_screeningp20140709.pdf

 

(2)美浜の会ニュース№129号(201478日)

 http://www.jca.apc.org/mihama/

 

5.【秘密法】17日の第2回「情報保全諮問会議」で政令・運用基準の「素案」提示へ|脱原発の日のブログ

 http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11891691172.html

 

6.【海外市民団体の見る日本の汚染瓦礫受入問題】制作:EON - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=WFSFDMiWVzU

 

7.Avaaz - モンサント社を阻止する最善の方法

 https://secure.avaaz.org/jp/seed_exchange_nd_loc/?link=NearED_873&bBbgZcb&v=42143&lang=jp&cid=10053&c=JPY&a=250

 

8.避難1.5万人「苦しみ同じ」 浪江町、一律賠償和解案受け入れ – 東京新聞 - ふくしま原発損害賠償弁護団

 http://fukushimagenpatsu.bengodan.jp/archives/700680

 

9.許すな!「東電が就労不能損害賠償の打ち切り及び全額返金を要求」 - 世界を変えよう!「反戦・反核・反弾圧」アクション日記&執筆集(園良太)

 http://d.hatena.ne.jp/Ryota1981/20140709

 

10.1060.ヨウ素剤を身内だけで内服していた福島医科大学 院長の独り言

 http://onodekita.sblo.jp/article/95013296.html

 

11.東京、埋もれた内部被ばくを示唆するデータ 放射線量と放射性物質濃度が一時ピークに(1-2 ビジネスジャーナル

 http://biz-journal.jp/2014/07/post_5304.html

 

12.週刊金曜日の表紙が話題に!安倍首相の顔が・・・www「さらば、独裁者 検証 暴走する安倍政権」 赤かぶ

 http://www.asyura2.com/14/senkyo164/msg/345.html

早々

 

 

 

(再確認)川内原発は稼働してはいけない:川内原発再稼働は日本の心臓部に近未来に必ず爆発する時限「核」爆弾を装着するに等しい行為だ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 ご承知の通り、原子力「寄生」委員会は、まもなく鹿児島県の九州電力・川内原発について「GOサイン」を出す予定にあるようです。もちろん安倍晋三・自民党政権は原発再稼働や原発輸出にまい進していて、無謀な原発再稼働の歯止めにはなりませんし、本来であれば地元県民・住民の命と健康、生活と財産を守るべき立場にある自治体もまた、無責任にも川内原発再稼働に対して抵抗の姿勢を見せておりません(抵抗の姿勢どころか、目先の交付金などの原発マネーをあてにして、再稼働歓迎の態度です)。

 

 ここで改めて、川内原発再稼働の危険性と無謀さを、地元の脱原発市民団体(「反原発・鹿児島ネット」)作成の資料や東京新聞記事、あるいは関連サイトなどで再確認しておきましょう。川内原発再稼働は日本の心臓部に近未来に必ず爆発する時限「核」爆弾を装着するに等しい行為です。日本という国が滅亡します。断固としてやめさせましょう。

 

 <川内原発を再稼働してはいけない山のような理由>

 

1.【小冊子】川内原発直近の巨大活断層と幾度も襲った火砕流 -川内原発の再稼働はこれで消える- 再稼働阻止全国ネットワーク

http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=5&sqi=2&ved=0CDQQFjAE&url=http%3A%2F%2Fwww.synapse.ne.jp%2Fpeace%2Fsendaigenpatusaikadouhantaipanph.pdf&ei=slS_U4KnOMb68QXZ0YDICg&usg=AFQjCNFezp76u9UYCoWgc0OgPbTRYF9EBQ&sig2=_A1bnH2DTAqvVAqjUc9fyQ

 http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/archives/2650

 

2.川内原発直近の巨大活断層(反原発・鹿児島ネット)

http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&sqi=2&ved=0CBwQFjAA&url=http%3A%2F%2Fwww.jca.apc.org%2Fmihama%2FNews%2Fnews123%2Fnews123sendai.pdf&ei=Wkq_U9_HLceD8gXloIHQCA&usg=AFQjCNE1-rv3dIji1FR8A6pMWzxR989sbw&sig2=-PYjJQAs9PqLJzyvK10OwQ&bvm=bv.70810081,d.dGc


(現れる画面は真っ白でも、画面下のダウンロード・ボタンをクリックするとPDFファイルがダウンロードできます)

 

3.【広瀬隆さんより】川内原発の問題をまとめた講演会レジュメ 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/38544425.html

 

4.中央構造線

 http://www.nishida-s.com/main/categ3/mtl-nagano/

 

5.火砕流がよけて行く川内原発!! 九電シミュレーションの怪しさ|原発隣接地帯から: 脱原発を考えるブログ

 http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-1103.html

 

6.火山リスク・サイト

(1)川内原発の火山影響評価で政府「有識者会合と安全審査は別」 014430日(オルタナ)

 http://www.alterna.co.jp/12914

 

(2)原発の再稼働審査・汚染水問題に関する政府交渉】の中継ツイート

 http://togetter.com/li/661297

 

(3)噴火リスク 最多 火山研究者原発アンケート 29人中18人が指摘  0140421日(西日本新聞)

http://textream.yahoo.co.jp/message/552019920/a4aaa4ba47a4mfia4dfjaa?comment=724

 

(4)発 火山影響厳しく想定を(424 1327 NHK

http://megalodon.jp/2014-0423-2305-57/www3.nhk.or.jp/news/html/20140423/k10013980731000.html

 

7.別添PDFファイル:東京新聞記事

(1)火山対策予知頼みの無謀(毎日 2014.6.26

 http://mainichi.jp/select/news/20140626k0000e040260000c.html

 

(2)「川内」隣接市民の不安、署名1ヶ月半、過半数「NO」(東京 2014.7.9

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014070902000156.html

 

(3)川内原発、程遠い「合格」(東京 2014.7.10

 

(4)川内原発の周辺自治体、複合災害想定せず(東京 2014.7.10

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071002000146.html

 

8.タンポポ舎メルマガより(1)

┏┓

┗■1.規制庁に抗議する 4つの質問に答えよ

 |  7月9日規制委抗議文案

 └──── たんぽぽ舎

 

1.耐震設計を見直してもいないのに基準地震動を引き上げただけで新規制基準を満たすという無茶苦茶ぶりに、怒りと情けなさしか感じない。いったいそれで、何が審査されたというのか。規制庁に問う。

 

2.火山の影響を審議するのに火山の専門家はいない。日本は有数の火山大国であり、多くの科学者が火山の危険性に警鐘を鳴らしてきた。しかし原発は火山への対策は必要ないとでも言うのか。

 

3.火山噴火の前兆はモニタリングで分かると、火山学者の多くが「出来ない」としているのを否定する規制庁に、どんな根拠があって火山噴火の予測が出来るのか明らかにしてもらいたい。

 

4.事故が起きたら避難をしなければならないのは住民である。命を守る行動を取らねばならない住民に対して、本当に避難できるかどうかが審議されないのでは、深層防護になっていない。中途半端を止めて、規制基準に避難が出来るかを含めて審議せよ。

 

9.タンポポ舎メルマガより(2)

┏┓

┗■1.原子力規制委員会と規制庁は「殺人者」か「ただの馬鹿か」()

 |  「新規制基準を満たした原発でも事故は起きます」

 |  原発の運転をスタートすれば、一、二年以内に必ず大事故が起こる

 └──── 広瀬 隆 (上・中・下の3回に分けます)

 

 今、私たち日本に住む大多数の人間は、九州電力の鹿児島県川内原発再稼働に猛烈に強く反対している。その根拠は、九州最南端の鹿児島県で大事故が起こる可能性がきわめて高いからである。原発の運転をスタートすれば、一、二年以内に、必ず大事故が起こる。その日には、偏西風に乗って放射能が日本列島の陸土を総なめにして、河川・湖・ダム汚染が起こり、農業用水が使えなくなり、飲料水もなくなる。田んぼ(米)も畑(野菜)も全滅する。また海では、黒潮が太平洋側を北上し、対馬海流が日本海を北上して日本近海を全滅させ、すべての魚介類が食べられなくなる。陸も海も、今度は完全に汚染されるのだ。福島原発事故の放射能被害をはるかに超える、国家滅亡の危機にさらされることが明白だ。とりわけ若い世代の人間は、ただちに日本を離れて、外国に定住しなければならない。

 

 ところが原子力規制委員会と規制庁は、そうした事態をまったく理解していない。この連中が論じていることは、「大事故が起こった時の対策論」だ。馬鹿につける薬はないというが!! 原発の大事故に対策などあろうはずがない。彼らは言う。「原子炉に過酷事故が起こった時には、ベントをしなければならないから、電力会社はベント装置を設置せよ」と。

 

 また彼らは言う。「われわれは原子炉に過酷事故が起こった時の、放射能の拡散シミュレーションをおこなっている。近隣住民の避難を考慮すると、30km圏内が危ない。したがって自治体がその対策をとらなければならない」と。 ベントというのは、原子炉から噴出した放射能を、日本列島の空に放出せよ(日本人は全滅せよ)、ということだ。原子力規制委員会が「住民の避難」を論ずるのは、彼ら自身が「次の大事故は起こる」と確信しているからだ。その根拠は、山ほどある。

 

 2014年(今年)1月20日に再稼働阻止全国ネットワーク主催で原子力規制庁との院内交渉集会がおこなわれた。そこで、「新規制基準を満たした原発でも事故は起きますか?」というネットワークの質問に対して、原子力規制庁は、次のように答えた。 「新規制基準を満たした原発でも事故は起きます。この基準は最低のもので、あとは事業者の責任です。規制庁の役割は審査することであり、審査結果と審査過程を国民に丁寧に説明していくまでで、地元了解をとることはしません。地元への「説明」と「了解」は切り離すというのが政治的判断です。政治的判断を含む了解手続きに、規制庁はタッチできません。放射能の拡散シミュレーション・モデルにも限界があります。その結果、どうするかは自治体と住民、および事業者で判断してください。」《以下(中)につづく》

 

┏┓

┗■2.原子力規制委員会と規制庁は「殺人者」か「ただの馬鹿か」()

 |  田中俊一委員長:現行の規制基準に適合しているかどうかだけを判断しているのであって、絶対  |  安全という意味で安全ということを言われるのでしたら、私どもは否定しています

 └──── 広瀬 隆 (上・中・下の3回に分けています)

 

○そのあと、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、3月26日の会見で、「新しい規制基準、現行の規制基準に適合しているかどうかだけを判断しているのであって、絶対安全という意味で安全ということを言われるのでしたら、私どもは否定しています」と明言している。

 

 そこで、これらの重大な暴言を踏まえて、最大の危機に襲われている原発立地自治体住民連合の議員さんが、日本政府あてに公開質問状を提出し、「大事故が起こると予想して再稼働するつもりなのか」と尋ねた。だが、政府が無回答だったので、参議院議員の山本太郎氏から質問主意書を提出してもらって、同文の質問状を提出して、「YESかNOか答えよ」と求めたが、やはり政府は答えられなかった。つまり「次の大事故が起こることを前提に再稼働する」という意思を持っているのだ。この政府回答文を代筆したのが資源エネルギー庁や規制庁の役人であることは、官僚的文章の字句から明白である。

○5月29日には、再稼働阻止全国ネットワーク主催で規制庁の役人を呼んで、川内原発の再稼働問題について質疑を重ねた。

 

 冒頭に、彼らがどこの省庁出身かを尋ねた。原子力規制部安全規制管理官(地震・津波安全対策担当)の渡辺桂一と(加圧水型原子炉担当)の布田(ぬのた)洋史は、共に、あの福島原発事故を起こした最高責任者である原子力安全・保安院出身であった。住民避難を担当している放射線防護対策部原子力防災政策課の喜多充もまた、福島原発事故を起こした最高責任者である原子力安全基盤機構(JNES)出身であった。「あなた自身が、川内原発の耐震性の計算をしているのか?」と渡辺桂一に尋ねると、「している」と答えた。世間から、この規制庁の役人たちは、顔も姿も見えないが、福島原発事故の前と同じ無責任・無知な人間が、原子力規制委員会の事務方としてすべてを取り仕切っているのだ。日本国中から「保安院はアホの代表」と言われてきたこの人間たちがおこなう審査を経て原発が動き出せば、次の大事故がすぐに起こらないはずがないだろう。原子力規制委員会・規制庁とも、二年前の発足当初から、フクシマ事故前と何も変らないメンバーが雁首をそろえていたのだ。

 

○そもそも、この規制庁の人間に、耐震性の計算ができるかどうかを5月29日に質問しても、ほとんど基礎的な知識を持っていないことが、その言辞から明らかである。断層長さと、それによって起こる地震の規模(マグニチュード)の関係も、松田時彦の計算式が当てにならないことさえ知らない。金井の式を使って、震源距離から揺れの大きさを予測してきた原発の耐震設計が、まったく間違えていることさえ知らない。震源深さとマグニチュードの関係を求めてきた飯田の式が破綻していることさえ知らない。

 

 規制委員会・規制庁とも、その発足以来、「原発の敷地に活断層があるか・ないか」だけを議論してきた。この人間たちに何度言えば分るのか。ほんの6年前の2008年6月14日に起こった岩手・宮城内陸地震は、「活断層がない」とされていた地帯での内陸直下型の地震だ。岩手・宮城内陸地震で、震源断層の真上で観測された最大加速度4022ガルが、人類史上最大の揺れとして、ギネスブックの記録に認定されたのだ。特に、上下動3866ガルを記録したことは、全国の地震学者に、もはや日本に原発を建設・運転できる適地は存在しないということを知らしめた。

 

┏┓

┗■2.原子力規制委と規制庁はすでに日本人にとって不要な存在である

 |  原子力発電所が不要なのだからそれを規制しているかのような

 |  ジェスチャーも不要

 └──── 広瀬 隆 (下)

            7/8発信の【TMM:No2219】★2()より続く

 

○ だからこそ、5月21日に福井地裁が大飯原発3・4号機の運転差し止めを関西電力に命じた判決文に、「我が国において記録された既往最大の震度は岩手宮城内陸地震における4022ガルであり、岩手宮城内陸地震は大飯でも発生する可能性があるとされる内陸地殻内地震である。この既往最大という概念自体が、有史以来世界最大というものではなく近時の我が国において最大というものにすぎない。(よって原発のシステムを崩壊させる)1260ガルを超える地震は大飯原発に到来する危険がある。」としたのではなかったか? この判決文にある大飯原発は、「大飯原発および日本国内すべての原発立地地点」と読み替えることができる。つまり川内原発にも適用できる判決文である。

 

 こうした歴史的な事実を無視して平気な、ほとんどド素人と呼んでもよい人間たちが、今日も川内原発の耐震性の審査をしているのだ。

 

○ そのド素人の代表が、9月から原子力規制委員に就任する田中知(さとる)である。この男は、今述べたような原発耐震性の計算が阪神大震災の直後に完全に崩壊している中で、急いで六ヶ所再処理工場の運転開始にゴーサインを出した「再処理工場安全性チェック検討会主査」であった。これほど頭の悪い人間が、東大の工学部教授だったことを信じられるか? 日本原子力学会・福島発電所事故調査委員会委員長だったって?田中知は、その六ヶ所再処理工場を運営する日本原燃から金をもらっていたが、その金額は明らかにできないって?(朝日新聞7月5日一面トップ)。 いい加減にしろ! このままでは、家族が外にも出られない。

 

○ 川内原発は、1号機が今年で運転開始から30年だ。2号機は29年だ。万一再稼働できても、先はほとんどない。危険きわまりない老朽原発である。桜島の噴火は、毎年1000回を超えている。この原発を思い切って廃炉にすると、九州電力の会計上は、4500億円の特別損失が出ることが分っている。しかし九電は、原発再稼働に向けて3200億円の無駄な出費をして、ますます経営を悪化させているではないか。廃炉の実質的な出費は、4500億円-3200億円=1300億円でしかない。

 頭の悪い経営者と国会議員たちだな。福島原発事故の処理ですでに11兆円を国民が負担している日本だぞ。1300億円なら、その100分の1ですむ話ではないか。これで分るだろう。原子力規制委員会と規制庁は、すでに日本人にとって、不要な存在なのである。なぜなら、原子力発電所が不要なのだから、それを規制しているかのようなジェスチャーも不要なのである。 お前たちは、虚しい猿芝居をやめて、別の仕事を探せ! 人生を無駄にするな。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

早々

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

● 福島原発事故の原因もわからずに、原発を再稼働していいのか(1)  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-635d.html

 

 

2014年7月10日 (木)

戦後最悪の政権=安倍晋三自公政権の悪政の数々(2) : 最高責任者は私+法の支配 私が法≒独裁

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、本日付の東京新聞「こちら特報部」に掲載された記事です。安倍晋三・自民党政権の「政治方式」の悪弊が平易に解説されています。簡単にご紹介するとともに、私の若干のコメントを付しておきます。ご参考までに。

 

 <別添PDFファイル>

● 安部政権の政治方式、最高責任者は私+法の支配 私が法≒独裁(東京 2014.7.10

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071002000166.html

http://ojirowashi.no-blog.jp/ykminami/2014/07/post_cfd7.html

 

(関連)週刊金曜日の表紙が話題に!安倍首相の顔が・・・www「さらば、独裁者 検証 暴走する安倍政権」 赤かぶ

http://www.asyura2.com/14/senkyo164/msg/345.html

 

(一部抜粋)

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今月一日の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定で明確になったのは、現政権の異様な政治手法だ。安倍晋三首相は二月に立憲主義に基づく批判を「最高責任者は私だ」と排した。自らの政治的意向が、国家の根本規範である憲法より上位にあると宣言したに等しい。そうならば、この国の基本的人権も「安倍流の基本的人権」以外は存在しないことになる。これはもはや独裁制と呼べないか。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(田中一郎コメント)

1.哲学者で武道家の内田樹氏のコメントについては、若干異議あり

(1)「「表現の自由を脅かす特定秘密保護法が、議論が不十分なままに成立した。将来、いまの国民は独裁成立を傍観したと、教科書に書かれるかもしれない」しかし、こうした現状を「独裁」と認識する人々は少ない。内田氏は「国民のほとんどがサラリーマンの見方に染まったため」と考える。多くの会社では通常、経営者がトップダウンで物事を決めがちだ。」

 

(田中一郎)というよりも、幼き頃より始まる学校教育以降、これまでの人生において、権力をはじめ、力が強いもの・支配的なことについての批判的考察の訓練を受けておらず、ものごとを疑う、相対的に考えるということをまるで知らなくて育ってしまった人が多いのではないか。他人との会話や討議を経て、社会的な事柄について自分の考え方や理解をしっかりと持つことよりも、ただ従順で、周囲と同調的であることが(少なくとも表面上だけでも)、善であり、美徳であり、立派であるかのごとく教えられてきた結果ではないのか。「サラリーマン的な見方」では片づけられないように思う。

 

 また、会社における意思決定の仕組みや会社内での言論や考え方の在り方と、日本国憲法下にある日本国という国の在り方とはだいぶ違うのではないか。前者については、完璧なまでに、「身分制」とも言えるほどに、役員・社員・非正規労働者の階層ヒエラルキーが権限や権力を付帯して徹底されており、およそ民主主義の「民」の字もない(よくもかような非民主的な組織で、多くの人々が働いているものだと思うが)。しかし、後者については、曲がりなりにも、国民主権や基本的人権の尊重がうたわれている。問題は、その日本国憲法体制下で、安倍晋三政権のような「独裁」と言われる情況が、いわば主権者の権利放棄まがいの行為の集積の中で台頭していることである(たとえば昨今の選挙における投票率の低さを見よ)。

 

 更に申し上げれば、日本という国の国民(臣民と言うべきか)の「古層」(丸山真男)とでも言うべき次の「3大悪癖」が、戦後かろうじて生きていた一定の社会的制御(抑制)(アジア太平洋戦争敗戦への深い反省から生まれたもの)が喪失されていく中で、再び頭をもたげてきているのではないか。そうだとすると、日本は、あのワイマール憲法下でナチス・ヒットラー集団を台頭させ、再びの戦争で自国や世界をメチャククチャにしてしまったドイツと同じようなふるまいを(戦争とは限らない)、アジア太平洋戦争に続く2度目として繰り返してしまうのではないか。危ない時代に突入している。

 

 <日本の「古層」とでも言うべき3つの悪癖>

(1)上に向かっての、頂点(支配権力)同調主義・盲目的服従主義

(2)横へ向かっての、理不尽きわまる同調圧力と没個性の美化・讃美

(3)下へ向かっての、無限の責任転嫁と無責任の総体系

 

2.上智大の中野晃一教授(政治学)のコメントは、全くその通り=同意

「上智大の中野晃一教授(政治学)は「安倍首相の独裁的な振る舞いを見ているうちに、周囲の政治家や社会自体も、次第にたがが外れていく関係にある」と分析する。「この専制主義的なやり方は、周囲から見れば『強ければ、ルールを守らなくても構わない』というモデルを示しているといえる」」

 

(だからこそ)

「そして、それは現実になっている。今年1月の就任会見で「特定秘密保護法はしょうがない」「従軍慰安婦はどこでもあった」と発言した籾井勝人・NHK会長は、いまも会長職にとどまる。これまた世界を驚かせた都議会や国会での女性差別のやじも、うやむやに決着が図られつつある。」

 

「中野教授は「国民の間には政治へのあきらめが広がっている。議論が届いていない」とみる。状況を打開するには特効薬はなく、身の回りに『いまのやり方はおかしい』と発言し、共有を広げていくしかないと考えている。「政治は土俵の右左どちらにいるかという談義になりがちだが、現在の危機は民主主義という土俵自体が崩れていくという点にある。安倍首相の政策への賛否は別として、そのやり方は問題があると発信しなければならない」」

 

3.京都大の池田浩士名誉教授(ファシズム研究)のコメントも、おおむねその通り

「京都大の池田浩士名誉教授(ファシズム研究)は、低くない政権支持率の背景を「09年に民主党に政権交代したときに『意思表示をすれば、世の中は変わるんだ』と多くの人が思ったのに、あっさり裏切られた。その反動が出ている。他の選択肢がなくなったこともあって、『安倍首相は周囲の反対を押し切ってでも、信念を貫き通す強い政治家だ』という誤った見方が広がっている」と説く。」

 

「池田氏は、現在の政治の最大の危うさを論戦が通用してない状況にみる。一言で言えば、「理屈が通らない」という状況だ。しかし、絶望は早いと語る。」

 

(田中一郎)

 民主党「口先やるやる詐欺」政権の有権者・国民への裏切り・背信政治の犯罪性とその責任は重大である。1990年初頭以降続く、日本の転落・没落の大きな原因の一つは、こうした「口先やるやる詐欺」政治家達の(似非)政治改革の失敗である。そして、その根底には、上記の3つの悪癖から派生してくる「オルタナティブを提示できる野党の不在」=「翼賛的政治風土」「政治の総無責任体質」があるのではないか。だとすれば、オルタナティブをしっかりと提示する「真の野党」を有権者・国民・市民が創りあげ、育てていくしか解決策はないのではないか。反対や異議申し立て、糾弾を繰り返すだけでは、いつまでたっても事態は解決しないように思う。

早々

 

 

亡国協定TPP 昨今の報道から : 食の安全を 「科学主義」 でチョロまかして食品企業の商売を優先するロクでもない国際協定、そして中身はヒミツ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、究極の亡国協定TPPに関する昨今のマスコミ報道を集めたものです。簡単にご紹介申し上げます。こんなものを、日本の財界や政府がアメリカの圧力に負けて推進し、それを後ろから前から、大学教授やマスコミが「お囃子」をして盛りたてるという、どうしようもない状況が出来上がっています。国際市場原理主義の歪みの究極の姿が見えてきています。

 

 <別添PDFファイル>

(1)TPP、食品検疫決着、ルール違反で貿易停止(日経 201479日夕刊)

(2)TPP2分野で決着、「労働」「検疫」(読売 2014.7.10

(3)TPP、国有企業改革で新興国、例外リストを提出(日経 2014710日)

(4)TPP秘密交渉、カナダでも不満(東京 201479日)

(5)(韓国の日本産水産物の)輸入禁止、WTOで懸念(を表明し解除を求めた)(東京 2014.7.10

 

1.TPP、食品検疫決着、ルール違反で貿易停止(日経 201479日夕刊)

http://www.2chdb.net/thread/response/b/2chsc/ts/ai/tp/newsplus/r/1404873420

 

 かようなインチキにだまされてはいけない。食品の安全性については、その食品の売り手(企業など)が買い手(消費者・国民)に対して、「皆様に販売するこの食品は食べても安全です」と証明・実証すべきものであって、その証明・実証ができないのであれば販売することは許されない。決して、買い手の消費者・国民が「この食品は危険だから」と証明・実証しなければ、その食品は禁止できないというものではない。誰が何を証明しなければならないのかを、しっかりと意識・認識しておく必要がある。

 

 しかるに、この市場原理主義に支配された国際貿易ルールでは、まず、国際ルールとして、もっぱら売り手企業とその代表者からなる国際委員会(コーデックス委員会など)で、さしたる科学的実証的根拠もなく、安全性の確保もおぼつかないような低い水準に「国際(安全)基準」なるものを定め(これについては各国の消費者・国民はほとんど参加を排除されていて口が出せない、その決定に参加できない)、その「(似非)国際(安全)基準」を超えて厳しい安全基準を各国が設けるには、その科学的根拠を示せ、という「証明・実証責任の買い手への転嫁」がなされている。全くバカバカしいカラクリだ。(たいていの場合、この「(似非)国際(安全)基準」には強制力がなく、採用するか否かは各国次第とされるのだが、実は他方で、これがWTO協定の中やFTA・EPAの中に取り込まれて、実質的に強制国際法規のようになってしまっているのもまた、インチキの一環だ)

 

 こうしたインチキが一般化したのは、1995年に発効したWTO協定以来のこと。事実上、食べものの安全性の立証責任を買い手側に転嫁し(欧米諸国などはともかく、途上国などは安全立証の体制など全くないので、手も足も出なくなる)、しかも、そのインチキ・スキームに「科学主義」なる言葉をつけて、その反対を排除する政治的意図を赤裸々に示している。何が「科学主義」だ!!。「科学主義」というのは、食べものの売り手が、その売らんとする食べものの安全性を厳しくチェックされるときに使われる言葉である。そして、それは当然のことながら、いわゆる「予防原則」と表裏一体となっていて、科学的に安全性を完全に立証できないのであれば、そんなものは食べ物にしてはいけないし、そんなものを食べものとして販売させることもできないということである。

 

 しかし、このWTO方式の「(似非)科学主義」によれば、いい加減きわまる非科学的な「国際(安全)基準」以外に消費者・国民の命と健康・安全を守るルールがないままに、仮に特定の食品が原因となる食害事件が起きたとしても、その危険性が立証されていないとして、とことんその食べものによる健康被害が広がるまで禁止されることはない、前広に予防・防止されることはない、そういうルールになってしまっている。

 

 そして更に重要なことは、このインチキルールに従わない場合には「貿易を停止する」というペナルティを課すというのだ。各国には国家主権があるのだから、国際ルールなど、おかしいと思えば拒否すればいい、と思われるかもしれないが、この「貿易停止のペナルティ」があると、そうもいかなくなる国が多々ある。それは、いわゆる途上国や貿易立国のような小国のことで、輸入にしろ輸出にしろ、貿易への依存度が高い国だ。国際的に開かれた国などとおだてられて、自国の産業構造をモノカルチャー型にしてしまった国ほど貿易依存度は高くなり、もう逃げられなくなる仕組みなのだ。

 

 逆に、アメリカやEUなどのズー体がでかい国は、小国が少々「貿易停止処分」をしたとしても、どうということはないのである。つまりは、インチキルールを強制する「ペナルティ」ルールもまた、実質的には片務的であり、一方が一方的に得をし、他方が一方的に被害をこうむるような仕組みになっているのである。

 

 何のためにこんなおかしな国際貿易ルールがつくられていくのか。それは言わずと知れたこと、国際貿易を取り仕切る多国籍大資本など、ほんの一握りの巨大食品企業・巨大食品資本が商売をしやすいように、商売の邪魔になりがちな消費者・国民のための食品安全規制を骨抜きにするため、そして、もしそれで健康被害が起きた時には、このインチキの「国際基準に従ったまでで、企業を責めることはできない」との「逃げ道」「免責」を確保しておくためである。国際市場原理主義が決める安全基準とは、消費者・国民の命と健康を守るための基準ではなく、健康被害が出た場合の企業の安全=損害賠償を逃れるための「ためにする基準」である。

 

 しかし、こんなひどい話でも、事はそう簡単には適切な形に修正されないだろう。何故なら、この「科学主義」という単語は、ものごとをきちんと考えない愚かものや「お人好し」の琴線に触れる言葉であるからだ。大資本や大資本に買収された政府に意図的に寄り添って、似非安全基準を宣伝しまくる御用学者は別として、少なくない「お人好し」の大学教授や有識者群、あるいは世の中のごとをきちんと考えない愚かもの、あるいは市場原理主義に心酔する人たち、あるいはお上のやることは皆正しいと条件反射する人達は、まんまとこのインチキの仕掛けに引っ掛かり、「科学主義ごもっとも」の旗を振ることになるだろう。まことに愚かなことである。

 

 再度申し上げておこう。国際市場原理主義が提唱するインチキ安全基準「科学主義」にだまされるな。市場原理主義のインチキを見抜け。誰が何を証明しなければならないのかをよく考えよ。(そして、輸入食品に走るのはもうよそう。食と農は地産地消が基本である。食べものは完璧に安全であるのが当たり前であって、それは食べものの売り手・供給する側が立証すべきものである)

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日米など12カ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、輸入食品の安全性を確保する検疫分野のルール作りが事実上決着する見通しとなった。食品を輸入する際、科学的根拠なしにほかの国と検疫方法を差別した場合に貿易を停止する制裁を加える。

 

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2.TPP2分野で決着、「労働」「検疫」(読売 2014.7.10

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0800F_Y4A700C1EAF000/

 

 URLは日本経済新聞(読売新聞はネット上で見つけられず)です。「食品の安全基準(検疫)」と同じような決着の仕方をしている。

 

(一部抜粋)

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環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡り、5~12日の日程でカナダ・オタワで聞かれている首席究渉宮会合で、「労働」と、輸入食品の安全に関係する「検疫」の2分野の協議が事実上、決着した。難航する「固有企業改革」など3分野の協議を棚上げし、年内の大筋合意の目標に向けて、対立が少ない分野から決着させていく。

 

「労働」分野では、国際労働機関(ILO)の基準に沿って、児童や、強制労働により作られた製品の輸出入を禁止する。違反した場合は、関税撤廃の恩恵を受けられなくするなどの制裁を科す。

 

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3.TPP、国有企業改革で新興国、例外リストを提出(日経 2014710日)

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0900K_Z00C14A7PP8000/

 

 原発の安全管理一つまともにできずに大事故を起こし、その大事故の後始末も被害者への賠償もまともにできないような電力会社を政府丸ががえで「(事実上の)国有企業」にして最優遇している国が、あるいは、欠陥原発をつくって大事故を起こしてしまっても、その責任を一切問われないような法律までつくって国有企業並みに不当優遇されている原発メーカー企業があるにもかかわらず、あるいは、自国では当面売れないからと、政府の国際融資機関まで動員して、日本株式会社丸出しで海外に原発輸出をしている「一大業界」を抱えているというのに、あるいは更に、いわゆる天下り外郭団体をはじめとして、国内には山のように国有企業並みに優遇を受け、その上に胡坐をかいていい加減な仕事をしている「幽霊団体」が、わんさとあるというのに、

 

 なんでまた、発展途上にあって、国有企業の優遇が国民経済上必要不可欠になっている途上国の経済政策に干渉してまで、そのインチキ国際市場原理主義を押し付けているのだろうか。やめときなはれ、かような「押し売り」まがいの行為は理不尽であり、優越的地位の乱用だ。

 

(一部抜粋)

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カナダで開かれている環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉会合で、難航する国有企業改革の協議が再開した。今回の交渉では、これまで同分野に反発してきた新興国が、例外扱いしたい国有企業のリストを提出。参加12カ国は一部の例外を認めることで、協議を進める方針だが、日米など先進国の考えとはなお溝もあり、難航が続きそうだ。

 

(中略)TPPの国有企業改革は、一部の国が多くの国有企業を税制や補助金などで優遇し、外資企業との競争条件が不平等になっていることを改善する。民間企業が海外進出しにくい実態を改めたい考えだ。

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4.TPP秘密交渉、カナダでも不満(東京 201479日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014070902000108.html

 

 主権者の有権者・国民が見ようと思っても見ることのできないような形で交渉が進められているTPP、こんなものが何故、平然と進められているのか。日本にしろ、カナダにしろ、その他に国にしろ、国会は何をしているのか、何のために国会があるのか、内閣・行政を監視するのが国会議員の役回りではないか。有権者・国民の生活や利益に密接・重大な影響を及ぼす、かような国際協定の交渉を、まったく有権者・国民に情報提供せずに進めていくなど、およそ民主主義国家・国民主権の国では許されることではない、

 

5.(韓国の日本産水産物の)輸入禁止、WTOで懸念(を表明し解除を求めた)(東京 2014.7.10

http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140710/wor14071001000005-n1.html

http://ceron.jp/url/sankei.jp.msn.com/world/news/140710/kor14071000590001-n1.htm

 

 愚かな国の愚かな政府が、隣国に無理難題を押し付ける典型事例のようなものだ。日本国産の食品を輸入禁止・輸入制限しているのは韓国だけではなく、まずもって、日本の宗主国=アメリカが、多くの食品を輸入制限している(下記の農林水産省サイトを参照)。韓国にかようなことをモノ申すのであれば、アメリカにこそ、同じようにモノ申してみよ。この日本の情けなくも卑劣な二枚舌・ダブルスタンダードは、やがて国際的には「見抜かれ」て、あの国は(日本は)アメリカの尻を追いかける、自主性に乏しい予断と偏見と独善に満ちた国だとの評価が固まってしまうことになるだろう。

 

 韓国が日本国産の水産物などの食品を放射能汚染を理由に輸入禁止することには合理性がある。理は韓国政府にあり、非は日本国政府にある。日本国政府は愚かなことをやめ、日本自身の消費者・国民のためにも、食品の放射能検査体制の拡充を図ることが求められている。放射性ストロンチウムはどうなっているのか。福島県産の水産品は危なくて、食えないではないか。

 

● 農林水産省-東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応

 http://www.maff.go.jp/j/export/e_info/hukushima_kakukokukensa.html

 

●水産庁-韓国による我が国水産物の輸入規制強化について

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/export/other/korea.html

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

(1)食べものの放射能汚染(2) 韓国の日本産水産物輸入禁止・試験操業再開 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-44e1.html

 

(2)食べものの放射能汚染に関して、(1)韓国国会議員が福島訪問 水産物検査に「お粗末」、(2)農林水産省-避難指示区域等における26年産米の作付に係る取組について  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/-26-4383.html

早々

「メロス」 の教訓 (小田実 『人間みなチョボチョボや』より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、1980年代前半に作家の故小田実氏が書いた時事評論集『人間みなチョボチョボや』に掲載されていた、当時の「教育自由化」論批判の評論です。問題の核心をずばりと見抜き、それを平易で誰にでもわかる言葉で、ごく短く簡単に記述しています。そして、この評論は「教育」についての話ですが、しかし、この評論の主旨は、そのまま「教育」以外の現在の諸問題、たとえば「労働」、たとえば「国際貿易」、たとえば「医療」、たとえば「農業」、たとえば「国家戦略特区」などについても、およそ普遍的に当てはまることのように思えます。ご参考までにお送り申しあげます。

 

ちなみに、この本の表題「人間みなチョボチョボや」は、そっくりそのまま私の人生哲学としていただくことにもなりました。同主旨のことは、たとえば、あのなつかしい岡林信康のフォークソング「ガイコツの歌」にも出てきます。要するに、人間そのうちにくたばって、みんなガイコツ・シャレコウベみたいになっちまうんだから、たいして違いはしねえ、皆、たいして変わんないぞ、というようなことですが、この認識の地平から、私は多くの市民運動・社会運動の「哲学」や「倫理」や「あるべき思考方法」「あるべき行動様式」のようなものが導かれるのではないかと思っています。オレさまは違う、と思って「ワシズム」を書いている「小林ヨシノリ」には体得させたい哲学でもあります。

 

● ガイコツの歌

 http://www.youtube.com/watch?v=-ffrIDEGqTY

 http://www.fukuchan.ac/music/j-folk1/gaikotsunouta.html

 

以下、この時事評論の一部を抜粋しておきます。

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「スパルタというよこしまなる独裁国家が魔手をおまえのところに伸ばそうとしている、おれたちはおまえをその魔手から護ってやろうとしているのだーーというのにつきた。こういうアテナイの使者の言い分に「メロス」(アテナイとスパルタに挟まれた小さな島の都市国家のこと:田中注)の人たちは、こう答えた。要するに、あなた方アテナイも、スパルタも同じことじゃないかね。スパルタはなるほど、頭からわたしたちをガプリとひとのみにしようとしている。あなた方アテナイは、尻尾のほうから徐々に食べて行こうとして、いる。これは同じことじゃないかね。まさに、事態の進展は同じことになった。」

 

「ことは中曽根康弘さんの「ブレーン」たちが推進しようとしている教育の「自由化」にかかわっての問題だ。「ブレーン」たちが財界の強力な支援の下に打ち出そうとする「自由化」への動きに対して、文部省のお役人たちが必死になって自分の管理教育を防御しているというのが、今、私たちが眼前にしているドラマだが(「ドラマ」というのは、かんじんの私たち市民が観客席におかれて、そこに一向に参加できないでいることだ)、私の自には、このドラマのなかでの攻防戦、どうしてもスパルタとアテナイの「メロス」の争奪戦に見えて来てしまうのだ。」

 

「文部省氏の管理管理・・・・が、教育でもっとも大事なことのひとつである自由を殺して来たことについては、今さら言うまでもないことだろう。ただ、ここでついでに言っておきたいのは、かたや「日教組」側にも、管理が三度のメシより好きな人があまた、いられることである。生徒の髪の毛の長さ、靴下の色まで決めることに、タテマエはともかく、ホンネで賛成している先生方が決して少なくないことである。」

 

「そこで、頭のいいこと抜群の中曽根氏やら「ブレーン」氏やら財界氏やらにしてやられた、すくなくともやられかかっていると見ることもできるだろう。こういう人たちの、やろうとしていることについて私が言いたいことは、ーさじずめ2つあって、ひとつは彼らがきわめて盗っ人たけだけしい人たちであるということだ。なぜ、そんなおどろおどろしいことを言うのかというと、教育の幅を狭め、自由を殺して来た張本人が彼らであるからだ。」

 

「財界にとって、あるいは今の政府にとって危険な(と彼らによってみなされる)ものを教えないことに躍起になればなるほど、「学力」も低下すれば、子供に個性も活力も失われるのは当然のことだ。子供の「学力」というのはピラミッドみたいなもので、基部が「右」から「左」にまで大きく、ひろがっていなげれば「学力」は高くはならないし、もちろん、子供から個性も活力も失われる。私が予備校で教える若者たちは、「純粋ジュク世代」とでも言うべき連中だが、「学力」の低下、個性、活力のなさはおおいかくしがたい。ただ、それは「日教組」のせいではない。まさに文部省とともに、中曽根さんたち、彼らのせいだ。

 

「二番目に言いたいのは、彼らの言う「自由化」とは、要するに、世の多くの人たちから自由を大量に奪い、富める者、力強き者、頭のいい者に奪って来た自由を集中させようとする、「自由化」であることだ。すでにして、自由は死に体である。その死に体の自由から、さらにその大部分を奪って一方に集中すれば、他方に何が残るか。一方の「自由化」は他方の管理のいっそうの強化をうながすにちがいない。」

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上記において、

「日教組」の部分を「市民運動・社会運動の一部のリーダーたち」、あるいは「活力乏しき腑抜け状態の既成政党の指導者のみなさま」と読み替え、「学力」の低下、個性、活力のなさが覆い隠せないほどに至った「純粋ジュク世代」が今や中年となって世の中を仕切り、かつ子育てをし、そしてまた、特定のもの=1%の権力特権者に「自由を集中」させる時代に入っても、それに対する抵抗が組織化できず、また、抵抗力にも乏しい中で、自由と未来を奪われし多くの被害者が苦しめられるという時代、それが今現在ではないか、などが私の頭に浮かんだことです。

 

ひっくりかえしましょうぞ、

かような社会は、

 

ひっくりかえしましょうぞ

http://www.youtube.com/watch?v=hHPQzFaGYFg

早々

 

(参考)加害者・東京電力や事故責任者・国は、福島第1原発事故の損害の賠償・補償を踏み倒そうとしている (4):見えてきたカラクリ  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/1-0379.html

 

 

2014年7月 9日 (水)

加害者・東京電力や事故責任者・国は、福島第1原発事故の損害の賠償・補償を踏み倒そうとしている (4):見えてきたカラクリ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

引き続き、加害者・東京電力を救済し、被害者・東日本の地域住民を切り捨てるこの国の原発事故賠償・補償の「ありさま」を昨今の報道から見てみます。福島第1原発事故によるひどすぎる被害を受けた多くの方々が、一般の交通事故の損害賠償の水準すら取り戻すことができず、事実上路頭に迷う状態にあります。賠償・補償も「子ども・被災者支援法」も、およそ福島県から脱出を余儀なくされた人々や、福島県以外の被害者に対しては「無関係」を取り繕われ、まるで原発震災難民であるかのごとく、生存権も財産権も人権もないがしろにされているのです。満身の怒りを込めて、これを告発いたします。

 

これはまるで、チッソ水俣病の再現か、と思うような、被害者に対して過酷すぎる出鱈目行為・賠償踏み倒しの仕掛けが網の目のように張り巡らされています。加害者・企業を救済し、被害者を屁理屈を付けて切り捨てる、そして、日本国中の圧倒的多数は、自分には関係がないと言わんばかりに、見て見ぬふりをし、そしらぬ顔をし、時間だけが無為に過ぎていく、そんな悲惨な状態が生み出されています(事実、水俣病一つ、未だに解決できてません)。

 

しかし、ミナマタにしろ、フクシマにしろ、これは「社会犯罪」「国家犯罪」であり、有権者・国民・市民が「こんなものは許してはならない」と決断すれば、たちどころに解決できる問題にすぎません。この国は、この国の有権者・国民・市民は、何をしているのでしょうか。日本には政治家はいないのでしょうか(多分いない)、日本に法の正義はないのでしょうか、日本に法律家はいないのでしょうか、日弁連は何をしているのでしょうか。日本は法治国家ではなかったのですか。マスコミは何をしているのでしょうか。

 

本日付の毎日新聞朝刊が、一面トップで原発賠償ADRの理不尽を報じています。あたかも被災者に寄り添う「正義の味方」のごとく伝えられている「原子力損害賠償紛争解決センター」もまた、「原子力損害賠償紛争審査会」と同様、被害者住民を踏み潰すために設けられた「カラクリ」の一つであり、日々、屁理屈を付けては被害者の損害賠償請求を減額・削減することに全力を挙げている始末です。賠償・補償支払いの大幅遅延に対して、遅延損害金さえ東京電力に対して請求しようとしない、この「センター」とは、いったい何なのでしょうか。ここで働く人間どもは、人間としての良心や倫理、正義感のようなものは持ち合わせていないのでしょうか。

 

そして、本来ならば、迅速かつ適切に、原発事故被害者救済のための賠償・補償の指針を打ち出し、その指針に沿ったスムーズな賠償・補償が進められるよう万全を期さねばならぬ「原子力損害賠償紛争審査会」は、事故後3年を経過しても遅々として進まぬ賠償・補償・被害者救済の実態を見て見ぬふりをし、2014年に入って以降は、ただの一度も「審査会」を開催していません。それもそのはず、この「審査会」を所管し事務局を握るのは、あの原子力推進の総本山=文部科学省=心より被害者がいなくなってくれる(見えなくなってくれる)ことを願っている、反国民的・反被害者的な鬼畜どもの集合体であり、また「審査会」に召集された委員たちもまた、この文部科学省の顔色をうかがうことを生きがいにしているような、どうしようもない人たちなのです。文部科学省、「原子力損害賠償紛争審査会」、「原子力損害賠償紛争解決センター」の賠償・補償切り捨て3点セットに加え、「子ども・被災者支援法」を骨抜きにする復興庁以下の霞が関各省庁、それに地元福島県庁をはじめ、東日本の自治体の大半が、文部科学省に「右に倣え」を決め込んでいるのです。

 

繰り返しになりますが、福島第1原発事故後対策としての被害者の救済と、これ以上被害者を被ばくさせないという意味での脱被ばくのためは、この被害者への賠償・補償問題の解決が最重要・最優先のことなのです。「子ども・被災者支援法」ではありません。私が下記に書いているような、賠償・補償・再建支援の「5原則+α」に従って(これ自体「当たり前」のことです)、被害者が受けた損害をきちんと賠償させ、経済的なくびきから解放して差し上げるとともに、放射能汚染地帯ではない新天地で、新しい生活や人生の再スタートができるよう、万全の再建支援をさせること、このことが福島第1原発事故後の対策として最重要・最優先なのです。被害者が賠償・補償や再建支援を得て経済的に自立できれば、何も放射能汚染地帯にとどまって被ばくを続ける必要はなくなります。被害者が放射能汚染地帯にとどまっていなければならない最大の理由が経済問題なのです。

 

被害者の救済なくして、脱被ばくはできません。そして、このままいくと、まもなく放射能汚染地帯に住み続ける人々の中から健康を害する人が出てくることになるでしょう。しかし、誰の目にも明らかな物理的損害・経済的損害ですら、まともに賠償・補償がなされない状況を許していて、どうして、この放射線被曝による健康被害の賠償・補償が実現できるでしょうか。既に、「福島県民健康調査検討委員会」や福島県庁・福島県立医科大学をはじめ、国の官僚組織は、福島第1原発事故に伴う環境放出放射能は、地域住民の健康を害するようなレベルではないと、将来の補償切り捨てのための伏線を張り始めています。このままだと、本当に危ない。このままだと、ほんとうに福島第1原発事故の被害者は、ほとんどいなかったことにされてしまう。そうさせないためにも、現下最も重要な脱被ばく・被害者救済の市民運動・社会運動の取組事項は、賠償・補償の適正化・正常化なのです。

 

 <別添PDFファイル>

(1)原発賠償一律半額に ADR迅速処理優先(毎日 2014.7.9

(2)避難者住宅、無料打ち切り(毎日 2014.5.14

(3)福島原発事故の自主避難者、賠償なく厳しい生活(日本農業 2014.7.2

(4)プロメテウスの罠 県境の先で(18):毎時4マイクロ「ええっ?」(朝日 2014.6.27

(5)プロメテウスの罠 県境の先で(22):やっと越えられた(朝日 2014.7.1

 

1.原発賠償一律半額に ADR迅速処理優先(毎日 2014.7.9

 http://mainichi.jp/shimen/news/20140709ddm001040188000c.html

 

(関連)ゆがんだ償い福島第1原発事故 東電責任一律半額「ADRやる意味ない」 母の死、人ごと - 毎日新聞

 http://mainichi.jp/shimen/news/20140709ddm041040100000c.html

 

● 毎日新聞記事:「原子力損害賠償紛争和解仲介室」で、今年3月まで室長を務めた野山宏氏が曰く「批判はあるかもしれないが、こういうやり方が限界。不満ならば裁判をやってください」⇒(田中一郎)どういうことなのか、何のためのADRであり「センター」なのか。こんな人間が、何故「和解仲介室」の室長をしているのか。

 

(田中一郎)そして、記事を読んでみると、この「原子力損害賠償紛争和解仲介室」が各ADR案件への統一的対応を口実に、個々の案件に介入して、和解案に「しかるべき金額」が提示されないよう、裏で手をまわして賠償・補償金額を削りに削っているような様子もうかがえる。つまり「原子力損害賠償紛争解決センター」は、「原子力損害賠償紛争審査会」のみならず、文部科学省からも全く独立していないということになる。加害者が被害者の損害を査定して事実上決めてしまう「利益相反行為」が、ここでも、裏に隠れてコソコソやられていたということか。およそ文部科学省に原発事故の損害賠償・補償を所管させていること自体が大間違いなのだ。

 

● 毎日新聞記事:50%ルールに関する記載はなく非公表だ。センターは取材に対し「50%は目安であり(仲介委員を拘束する)基準ではないため、公表する必要はない」としている。⇒(田中一郎)ロクでもないことをしているから隠さねばならなくなり、仮にそれが発覚したら、こうして「公開しない」と居直っておれば、そのうちにみなさま、忘れてしまうだろう、とタカをくくっているということだ。

 

●(田中一郎)毎日新聞の記者に申し上げておくが、記事の中にあるこの記述「ADRを巡っては、福島県浪江町の住民に国の定めた基準を上回る賠償額を提示したり、東電社員の被災者にも住民同様の賠償をするよう迫ったりするなど、被害者側に立った事例もある。」は、とんでもない評価違いだ。浪江町は一般の交通事故時の賠償金額と同水準の25万円の増額(指針10万円+25万円増額=35万円/月・人)を要求したのに対して(これでも少なすぎる、原発事故被害は交通事故の比ではない)、「原子力損害賠償紛争解決センター」は、この浪江町の請求金額を1/5の5万円増(=15万円/月・人)に値切ってADR和解案を出している。決して「被害者側に立った事例」などではない。安易・軽率な報道はおやめいただきたい。