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2014年6月25日 (水)

干しシイタケ対策はどうあるべきなのか(放射能汚染) : 日本椎茸農協連の干しシイタケ危機打開策はどうもおかしい

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 <別添PDFファイル>

● 日本椎茸農協連の干しシイタケ危機打開策(日本農業 2014.6.25

 

 福島第1原発事故による放射能汚染の影響を受け、需要が激減、価格低迷に苦しむ干しシイタケ業界の業界団体が、なんとかこの危機を打開しようと会合を持った。しかし、この日本農業新聞に書かれているような「対策」は、価格低迷の危機を打開するための対策としては、まったく逆の方向を向いた自己中心的なプッシュアウト型のものになってしまっているのではないか。こうした対策では多くの消費者の信頼を回復させることは難しく、価格低迷の危機的状況は解消できないように思われる。以下、簡単にコメントしておく。

 

1.干しシイタケの需要激減・価格低迷は「風評被害」などではない

 キノコ類の放射能汚染とその危険性については、これまでも何度も申しあげてきたとおりである。福島第1原発事故により、東日本一帯に放射能汚染が広がり、中でも放射性セシウムを滞留・蓄積しやすいキノコ類、特に干しシイタケ生産者は決定的なダメージを受けた。本来であれば、農林水産省・林野庁や農業団体・農協らが先頭に立って、これらの被害生産者を救済すべく、まず、被害者の全ての被害を加害者・東京電力に全額賠償させるとともに、生産の維持継続のための再建支援についても万全を期すべきであった。とりわけ、放射能で汚染してしまったシイタケ原木は、厳重に廃棄処分とし、新たに栽培される干しシイタケには、まかり間違っても放射能汚染がないように、汚染されていないシイタケ原木を西日本から確保する等、万全の対策を都道府県や市町村などと連携して手を打つべきであった。

 

 しかし、林野庁が実際に行ったことは、下記のように出鱈目の極致を行くものであり、結果的に、福島第1原発事故とはあまり関係のなかった西日本などの干しシイタケさえも放射能で汚染させてしまい、それに加えて産地偽装が横行する出鱈目な食品流通を放置したために、国産シイタケは干しシイタケ・生シイタケともども、食品としての安全性への信頼を根本的に喪失してしまった。今日においても事態はほとんど改善されておらず(一部の業者を除いて業界に改善しようという強い意思もなく)、文字通り「全国どこでもキノコは危ない」状態ができてしまっている。

 

 <林野庁の出鱈目なキノコに対する放射能汚染対策>

 

(1)放射能汚染のキノコ原木やキノコ用栽培土を厳格にきちんと処理処分させなかった。結果として、汚染された原木や栽培土が全国に流通し、福島第1原発事故とはほとんど関係がなかった産地までもを放射能で汚してしまった。それでも、多くのキノコ生産者は汚染されていない原木や栽培土の入手に苦労していたが、林野庁がこの対策に乗り出すのは、福島第1原発事故後、相当の期間が経過してからだった。それはまるで、ストックされていた汚染原木・栽培土が全て流通してしまうのを待っているかのごとく、亀の歩みのような鈍さであったように思われる(汚染栽培土については、汚染されていないものと混ぜ合わせて、汚染度合いを薄めて使え、などという、とんでもない指導を続けている様子もある)。

 

(2)(消費者やキノコ業界から、その放射能汚染管理の手抜きを批判された)林野庁は、次には、この原木流通の出鱈目を追認するかのような「原木及びキノコ栽培土に関する放射能汚染(放射性セシウム)の限度指針」なるものを公表したが、これには安全性に関する科学的実証的根拠がなく、かつ罰則付きの強制的基準ではなかったため、これがどこまで守られるのかもわからない状態での決めごととなった。もちろん、原木や栽培土の汚染状況について、きちんとモニタリングされている様子もない。(形だけはやっているフリをしている)

 

 そもそも、この林野庁の限度指針値は、消費者の安全を優先して設定されたものではなく、当時の段階での現状を追認し、キノコ生産に支障が出ないことを優先したものであって、かつ、近い将来予想されたキノコ生産者からの損害賠償を足切りして最小限に押し込めるためにつくられた「賠償・補償請求に対する防護」のための限度指針であった可能性が高い。だからこそ、守らなくてもいいような、いい加減な数値として公表されているのだろう。そして、これが世に言う「ALARA原則」の現実=まさに絵にかいたような具体的事例である。

 

(3)製品となった干しシイタケを含むキノコ類の放射能検査が脆弱・ずさんであり、汚染物が食品流通に乗ることを防ぎきれていない。また、放射性セシウム以外の放射性物質を検査していないことも他の飲食品類と同様である。放射能安全神話がはびこることになってしまっている。(汚染されていないだろうとわかっているものばかりを検査している可能性もある)

 

(4)消費者はキノコの飲食による内部被曝から自己防衛するため、当初は産地表示を見ながら、西日本産のものを入手して消費していた。しかし、これもまた、産地偽装がはびこるようになり、これに対して政府各省や林野庁が適切かつ機動的な対応をしないため、産地表示自体が信用できなくなり、放射能汚染物を消費者が選別して購入することが難しくなった。一般の農産物に比べてより多くの放射性物質を濃縮・蓄積してしまうキノコ類は要注意食品類であり、中でも乾燥出荷される干しシイタケは、放射能が濃縮している可能性があって、多くの消費者から嫌われてしまった。

 

(5)これに対して、政府・厚生労働省がやったことは、従来、乾燥状態でのkgあたりの放射性セシウムで限度値を決めていたものを、今度は「水で戻して食べれる状態にした段階での限度値」に切り替え、結果的に規制値を緩めるという、消費者を馬鹿にしたような対応を行った(お茶などの乾燥品も同様である)。全くふざけた話であって、この愚かな行為により、益々、干しシイタケは避けられるようになってしまった。

 

(6)これだけキノコ類には消費者の懸念があるにもかかわらず、その検査体制は依然として脆弱のまま改められることはなく、特に、消費地=スーパーなどの店頭での抜き打ち検査がほとんどと言っていいほど実施されていないという異常事態が続いている。こんな状態で、(放射能汚染物を食べてもいいという人は別にして)干しシイタケやキノコ類を買って食べられるはずがない。

 

(7)しかし、林野庁や農協などは、こうした消費者の自己防衛に対して、それは「風評被害」だと消費者を馬鹿にしたような態度をとり続け、今度は、安全でもないものを安全だと証拠づけるセレモニーに子どもを動員するため、学校給食にこの危険なキノコ類や干しシイタケを使えと強要し始めた。地産地消で、放射能で重度に汚染されている可能性のあるキノコ類や干しシイタケを食わなければ「非国民」であるとの理不尽な罵詈雑言付きである。ふざけるな、ではないか。ただでさえ放射能の感受性が高くて心配な子どもたちを、自分たちの商売のダシに使って放射能の汚染をごまかす、安全を演出する、かような行為は下衆のやることだ。

 

(8)そして、大臣や県知事以下、いい加減で出鱈目本家の政治家達を動員して、多くの費用を使って広告代理店を喜ばせながら「安全安心キャンペーン」を開けても暮れても繰り返し、キノコ類の安全確保を棚上げにしたまま、無内容・無意味でバカバカしい宣伝活動を続けている。もちろん、賢明な多くの消費者は、かようなものには見向きもしない。

 

2.干しシイタケ再建・復興のためには、上記の逆をやればいい

 新聞記事にあるようなことをしていても、干しシイタケは再建できないだろう。私は福島第1原発事故前は、国産干しシイタケの大ファンだった。「食べもの国粋主義」(地産地消の言い換え)を自称している私は、シイタケを買うときは、必ず国産のものを買うようにしていたが、今は国産も含めてキノコ類は一切買わないし、外食においても、できれば使わないでくれとお店の人に頼んでいる。上記のような事情を知っている以上、放射能が怖くてとても買えない。放射能の汚染の懸念が払しょくされたら、ぜひ買って食べたいと思うが、今のような状態ではとても買えない。干しシイタケを食わなくても、人間は他のものを食べていれば死ぬことはない。しかし、放射能で汚染された干しシイタケを食べていると、やがで内部被曝で死ぬことになるかもしれない。だから買わない。

 

(1)まず、シイタケ原木について、少しでも放射能に汚染されているものは全て廃棄し、今後生産される干しシイタケは放射能で汚染されていない、クリーンな原木を使っているものであることを、第三者が証明・認証するような形をとって消費者に訴える。林野庁の危なっかしいいい加減な指針などを使っているようではダメである。

 

(2)東日本一帯の放射能汚染地域での干しシイタケの生産をやめること。やめたことに伴う被害は、無条件に全額、加害者・東京電力や事故責任者・国に賠償・補償させること。また、これまでの被害についてもビタ一文まけずに、全額賠償させる。また、生産地を移転する生産者・農家については、そのための費用も全額補償させ、かつ再建後の経営を安定させるための政策支援も導入させる。(⇒ これは闘いになる)

 

(3)キノコ類や干しシイタケは、特に放射能汚染しやすい食品類であり、厳重な検査体制を早期に確立する。もちろん放射性セシウム検査だけではだめで、その他の放射性物質についても早急に検査体制を確立する。

 

(4)小売店頭や外食・中食など、食品流通の過程にあるキノコ類やシイタケ類の抜き打ち検査を高頻度で行い、食品流通から汚染キノコ類を一掃する。

 

(5)厳格かつ利益相反が排除された状態で、体制が整った食品検査体制の下で、当面は、危険食品であるキノコ類の徹底した検査が行われ、かつ、上記の(1)及び(2)によって、新たに生産されるキノコ類には、もう放射性物質は含まれていない状態を早急に作り上げることである。しかるのちに、第三者機関により、干しシイタケやキノコ類について「放射能ゼロ(検出限界値以下)」の認証を受け、徹底した安全管理を消費者にPRすることによって、その信頼回復を図ればよい、これにかかる費用の一切は、加害者・東京電力や事故責任者・国が負担すべきことは申し上げるまでもない。

 

 また願わくば、この際、同時並行的に、干しシイタケやキノコ類に含まれていてはならない農薬等の危険物の除去と安全確認についても、業界団体として取り組むのがいいと思われる。これは中国等から輸入されるキノコ類に対抗するうえで必要不可欠ではないかと思われる。

 

(6)学校給食へのキノコ類の使用は絶対にしない。している場合にはやめさせる。

 

(7)消費者は、上記が実現するまでは、干しシイタケを含む国産キノコは絶対に買わないし、外食等でも食べない。そうすることによって、キノコ業界・干しシイタケ業界の正常化が早まることになるだろう。

 

(8)政府・厚生労働省・農林水産省・林野庁・食品安全委員会・消費者庁・消費者委員会などには期待しない。これらの組織は早急に解体し、新たな体制をつくってメンバーを全部入れ替えないと、恐らくまともには機能しない。

 

 以上です。国産干しシイタケの熱烈なファンとして、干しシイタケ業界の自浄作用に期待します。

 

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(以下、日本農業新聞記事を一部抜粋)

 

日本椎茸(しいたけ)農業協同組合連合会(日椎連)は24目、静岡市内で、干しシイタケ価格低迷の打開策について、主産県の関係者と意見交換した。東京電力福島第1原子力発電所事故による風評被害の影響が全産地に及ぶ中、業界立て直しのために消費者への直接PR活動が欠かせないことを確認した。

 

日椎連の岩川尚美は、業務需要の大半を占める学校給食の低迷に触れ、「林野庁、文部省との協力体制構築が緊急の課題。今後は行政と共に、各地域の教育委員会や校長先生に対し、安全な食材であることをPRする事業を業界全体で進めていく」と話した。

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早々

 

 

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