「美味しんぼ」の鼻血問題
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
昨今、巷を騒がせております「鼻血」問題の関連情報を若干集めてみました。ご参考までにご覧ください。私(田中一郎)のコメントは下記です。
◆自分ではない他の人が「鼻血が出た」「体調がすぐれない」と言ったときに、「そんなことはあるわけがない、あなたの言っていることは風評だ、迷惑だ、行きすぎだ、容認できない(黙りなさい)、傷つけられた」、云々かんぬんと、まあ、これって、何言ってるんですか、ではありませんか、おかしくないですか? 鼻血は出たんです、出て何が悪いのでしょう、出たのを出たと言って何かいけないことでもあるのですか、ということではないのでしょうか? 福島第1原発事故の前だったらどうだったでしょう? 福島に行ったら、鼻血が出ても、体調が悪くなっても、断固として認められません、黙りなさい、迷惑です、風評助長です、なんて、やっつけられるのですか? これじゃ、自分の体の異変も口に出して云えないし、鼻血も出すことができません、放射能への心配さえも口外できなくなってしまうでしょう。こんな状態では、そもそも福島に行く人もいなくなってしまうのではありませんか。このあり様を見て、県庁さまのご抗議を拝聴して、ああ、安心した、福島の放射能はみんな「風評」だったんだね、なんて、思うと思いますか? 少し頭がおかしくなっていませんか。福島には暗黒社会ができてしまったということですか。自重すべきはどっちなのでしょう?
◆そもそも論で言えば、鼻血や体調不調は被ばくが原因ではない、などと言い切れる科学的実証的な証拠など、どこにもありません。被ばくによる健康被害は個体差が大きく、何とも言えないのです。鼻血が出る出ないだって、放射能云々カンヌンとは別にして、個人差が大きいです。鼻血がよく出る人は出るんです。原理的には放射線被曝は非常に危ないものです。鼻血はあり得ない話ではありません。被ばくの仕方だって、同じ場所に同じようにいたとしても、人によってそれぞれ違います。わずかな外部被曝で済む人もいれば、深刻な内部被曝をしてしまう人もいます。いい加減な根拠で「あり得ない」などと言う人間こそ、医者なのか学者なのかは知らないけれど、怪しい人たちです。名前を覚えておいて、今後はそういう人達の言うことは信用しないようにいたしましょう。なにせ放射線被曝がどれくらい健康被害をもたらすのか、低線量になれば、そう簡単には決めつけられないのですから。しかし、必ず誰かは、ロシアンルーレットのように引き金の犠牲になることは分かっています。鼻血なんて放射能と関係がないなどという人間ほど、この低線量被曝の危険性を訴えることはまずありません。つまりはご都合主義の御用型人間だということでしょう。
◆ついでに申し上げておきます。福島県庁は、何か放射能や被ばくのことがあるとすぐに、WHOだ、IAEAだ、ICRPだ、UNSCEARだと、いわゆる国際原子力マフィアと言われている組織を持ちだしてきて権威付けしようとします。しかし、こういう国際組織は、これまで何十年もの間、世界中で放射能の危険性と放射線被曝による健康被害を矮小化し、過小評価し、隠蔽し、捻じ曲げてきた組織です。こんなところの言うことを持ちだしてくれば来るほど、逆にそれは全く信用できないものだ、と言うことになるのです、逆効果です。そもそもIAEAなどは原子力の推進機関です。そんなところが、放射能は大したことはありません、被ばくは心配しないでいいです、なんて、かつてのダマシタ俊一(山下俊一)のようなことを言ったとしても、誰がそんなものを信用するでしょうか。原子力を推進するための方便だと、たいていの人は思うでしょう。県民・国民に納得をしてもらう根本の姿勢のところから歪んでいると言えます。福島県庁様、一度、根性をたたき直して差し上げましょうか。
◆それから、福島県庁に申し上げたいのですが、あなた方は「県民を傷つけてはいけない」なんて、よくもそういうことが平気で言えますね。何言ってるんですかと言い返したくなります。あなた方のおかげで、心だけでなく、実際に猛烈な放射線で体を傷つけられてしまった県民はたくさんいるんですよ。要するに、県庁のあなた方が加害者なんです。県民の放射線被曝が無用に大きくなってしまったのは、あなた方が放射能汚染を隠していたからです。県民の健康調査もあなた方が邪魔をしたから、初期被ばくも分からなくなってしまいました。三春町にヨウ素剤を住民に飲ませるなと、圧力をかけたのは誰だったのですか、あなた方県庁ではないですか。どの面下げて「県民を傷つけてはいけない」などと言うのでしょうか。
◆そもそも、こんな鼻血の話が大騒ぎになるのも、本来ならば、きちんと賠償・補償と再建支援を受けて、(除染の期間中の一時的なものを含めて)避難・疎開・移住をしてなければならないような高濃度の放射能汚染地帯に、県民・住民を経済的に追い込みながら無理やり定住・帰還させているからこそではないのですか。要するに、あなた方の言っている「復興」など、どこにも県民の命と健康を守って、無用の放射線被曝を避けながら、一人たりとも放射線被曝被害者を出すことなく、人間を最も大事にした復興を主眼にやって行くということがない、ニセモノの土建・利権の復興だからではないのですか。
◆何が一丸となっての復興でしょうか。何が「風評」ですか。いい加減なことを言うな、です。県民・国民をバカにするな、です。放射能や被ばくへの懸念が高まって、たくさんの人が心配で心配で不安に陥っているのは、あなた方県庁の出鱈目な事故後対応が大きな原因なんです。放射能だ、放射線被曝だと言えば、すぐに隠したがるし、ごまかしたがるし、口を開けば風評だという。いい加減にしろ、です。
(大阪の放射能の危険性を理解できないチンピラ右翼が、口を出しているようですね。じゃかましい、引っ込んでろい、とみんなで声をあげましょう。大阪は私の生まれ故郷です。まさにこの人間は大阪の「恥さらし」です。情けなくて、恥ずかしくて、穴があったら入ってしまいたい気分です)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まず、この2つをご覧ください。
1.総統閣下が「美味しんぼ」鼻血問題でお怒りのようです - Dailymotion動画
http://www.dailymotion.com/video/x1u1hza_%25
2.【ルポ】原発問題を考える 【原発】福島の真実──『美味しんぼ』作者・雁屋哲氏に聞く オーストラリア生活情報サイト NICHIGO PRESS 日豪プレスが運営するオーストラリア生活の総合情報サイト
<別添PDFファイル>
(1)鼻血描写、広がる論議(美味しんぼ取材協力の医師「体の異変、感じる人いる」)(東京 2014.5.15)
(2)美味しんぼ問題、風評助長、容認できず、県が反論(福島民報 2014.5.13)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014051315618
(3)飯坂で山林火災、4時間燃え鎮火状態(福島民報 2014.5.13)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014051315633
<さらに追加>
●<鼻血は風評被害だ?>環境省が異常な反応~いろいろまとめ~
「如何に福島は危ないかを証明しているのは今の環境省」 - みんな楽しくHappy♡がいい♪
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3708.html
●美味しんぼ 次号では鼻血以上の過激表現があることを予告・・・福島の真実は本物なのか - ほにゃらん速報
http://shunnetablog.blog.fc2.com/blog-entry-279.html
●「美味しんぼ」の描写に波紋 被曝で鼻血…抗議相次ぐ:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASG5D4W9FG5DUGTB00C.html
●美味しんぼ鼻血、がれき受け入れた大阪も抗議 社会 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140512-OYT1T50059.html
●漫画「美味しんぼ」の最新話、「鼻血は被爆が原因」と明記!他にも「ガレキ処理で健康被害」「福島には住めない」というような描写も! - 真実を探すブログ
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2497.html
●美味しんぼの描写、「残念で悲しい」と浮島環境政務官 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140508/dst14050820080008-n1.htm
●【福島県伊達市】小学校の『保険だより』に「1学期間に鼻血を出す子が多かった」 SAVE CHILD
http://savechild.net/archives/6247.html
●[CML 031287] 放射性物質を呼吸により取り込む可能性がある事の報道があったので連載再開の美味しんぼじっくり読んでます
http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-May/031312.html
●原発事故後に鼻血が出た方 (2011年7月16日横浜市青葉区) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dLsB5fu7Uw4&feature=youtu.be
<追>
(3)飯坂で山林火災、4時間燃え鎮火状態(福島民報 2014.5.13)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014051315633
原発事故による放射能で環境が汚染された地帯では、山火事というのは絶対に避けなければいけない災害なんです。この飯坂の山火事ですが、たいへんよろしくありません。おそらくは森林にあった放射能が、山火事によって、あたり一面に広がってしまっているでしょう。呼吸被ばくが非常に懸念されます。山火事防止は放射能汚染地帯の防災対策のイロハ中のイロハで、実際、チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国では、山火事防止が最重要対策の一つでした。
しかし、日本では、国も、農林水産省・林野庁も、各県庁も、基礎自治体の多くも、放射能に汚染された森林火災・山火事防止への警戒と防止対策強化はほとんどないと言っていいと思います。この国は、まもなく深刻な事態に陥るように思われてなりません。放射能を甘く見すぎです。
早々
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» 放射性ダストによる鼻腔粘膜の被ばく量は? [ペガサス・ブログ版]
小学館のビッグコミック・スピリッツ掲載の「美味しんぼ」が,特にその鼻血についての描写が政府によってまで攻撃されるという異常事態となっている.専門家の一部も,あの程度の線量では放射能との因果関係は考えられない,と言っている.しかしその発言をよく見ると,外部被ばく線量,つまり空間線量の値をもとに議論しているようである.そうではなく,鼻腔粘膜の局部的な線量,つまり内部被ばくを問題にしなければならない. このような考察を,事故から3ヶ月後に行っているブログがある(以下,元ブログと表現). 福島第一原発事... [続きを読む]
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私も同感に思います。ただ今進んでいることは、現在の原子力村の発想ではなく、もともと原子力村は原発が事故を起こすと考えていないので、事故が起きた時の社会的復興マニュアルや日本政府にもそのための社会政策など一切ない状態であったはずです。それを原子力村が東大話法の方法でやり始めたら、大変な事態となるということを、IAEA国際原子力機関は大きな危惧と危機感を大きく感じたのでしょう。つまり日本政府は無能であり原子力村は事故対処能力のない馬鹿であるとこの国際機関から評価されているはずです。
しかし、IAEAやフランスの原子力ロビーは、チェルノブイリ原発事故を通して、どのようにしたら事故の医療的社会的経済的心理的影響をうまくコントロールして、もととものIAEAの理念を損なわず維持発展させることができるのか、彼ら自身も悪い意味で、ベラルーシやウクライナで社会的実験の試行錯誤を繰り返し、その高度な事故対処マニュアルを蓄積してきた。つまり日本の東大話法のレベルの人間達と全然違うし、日本政府のような無能で馬鹿ではない。大衆心理のコントロールなど深く学んでいると思います。
そしてその悪なる知恵者達が、無能の日本政府と原子力村の発想に代わって、原発事故後の社会政策のブレーンとして動いているということなのでしょう。つまり、ほんとんどの日本人は、チェルノブイリ原発事故に何が社会の中で起きて、どのようにコントロールされていったのか、日本人そのものは学ばなかった。チェルノブイリから何も学ばない私たち日本人には、チェルノブイリ原発事故を通して社会的コントロールを学んで蓄積してきた人間の組織があるということを想定できないと思います。
そしてそのノウハウを蓄積した組織が日本に入って、政府や行政組織や原子力村に助言を与え、内部被曝問題を囲い込むために、経済問題を優先させて、健康問題を県民自身の対立をあおることで県民自身が自らの健康問題に自分で自分の首を絞めてふたをするということを県民自身が行うという転倒したことができるようになるまでに変化してしまった。
でも表から見るとどうしてこんなことになってしまったのかわからないけれども、しかしもっとも重要なことは、この福島県で起きた内部被曝問題の囲い込み政策はは、日本全体に拡大されるということだと思います。被曝が日本全土に起きている以上、福島で起きたことは、日本国全土に囲い込みがなされて、IAEAが日本の被曝医療を裏で統治することであり、福島で起きた出来事が日本全土で起きる可能性があるのです。だれも被曝の健康問題を口にできなくなり、国民が国民を抑止するという社会現象が起きてくるのです。すでに始まっていると思います。マスメディアに簡単にコントロールされる日本国民の体質から言うとこれは確実なことであり、日本人は、正気な人間、普通の感覚・感性を失うということです。
投稿: 異邦人 | 2014年5月17日 (土) 10時33分
人間の体の病気は、全て想定外だらけである。全てが医学の教科書とおりに出てくるわけではない。ですから、だれもが病気の進行はは想定外の出来事として起きてくるか。様々な可能性や要素を含めて精査して治療をしてゆく。それと同じように私たち日本人は、東日本大震災や福島原発事故を通して、自然や災害は想定外として物事は起きてくる。だから想定外を予測して、予防するめたに様々なヘッヂをしなければならないと多くの日本人は気付いたはずであり、それにそもそもこの言葉は日本政府や原子力村が始めに使った言葉である。
それではここで改めて考えてみよう。それではどうして被曝医療の世界にこの想定外を考えないで被曝の世界だけは、過去の科学的データに固執して、現実に起きていることを否定して、批判して封印しょうとするのだろうか。被曝による病気の世界こそ、想定外だらけの世界ではないか。どうしてこんな簡単なことに気付くことができないのだろう。病気の世界は想定外であるからこそ、それを予防するために予防医学があるではないか。ならば被曝による病気に対しても想定外を想定して予防の義務が日本政府や行政機関にはあるだろう。被曝については、想定外を認めず、過去のデータから現実にはあり得ない。起こり得ないと断定して何もリスクヘッヂしょうとしない、想定外を認めない被曝に対する政府や行政機関の在り方はおかしいのである。自分達の口から想定外でしたと述べながら、被曝については想定外を認めないで、予防的対処をしない。もともと人間の病気は全て想定外の世界なのだ。
そして県民同志ひいては日本国民同志で健康被害を国民の対立を通して、被曝に対する健康被害や症状をありのままに口にすることを政府や行政機関が経済優先のために風評被害という言葉で抑止する。人間の健康や生命の問題に国家権力がそんな処まで介入すること自体、日本そのものが狂い始めている証拠であり、これからは日本全体で、被曝による健康問題で国民が国民を抑止すると社会が訪れる。日本という国の体質は、人間の生命を否定する価値観や人権を無視否定する人間達が日本政府には集まっていると思えてしまう。恐らく今後の課題は、健康問題を国民が国民の言動を抑止する方向にマスメディアを通して操作されてゆくのかもしれない。被曝の世界では、想定外を認めない。被曝の世界に想定外の発想を持ち込ませないように、風評被害という言葉が使用されているのであると思われてならない。
投稿: 異邦人 | 2014年5月17日 (土) 11時17分